JP2009219518A - ラケット用ガットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物からなるモノフィラメントを用いたラケット用ガットであって、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガットおよびその製造方法。
【選択図】なし
Description
前記モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、JIS L1015−1991に準拠し明細書記載の方法により測定した糸/金属間動摩擦係数μdが0.08〜0.28であること、
前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たした場合には、さらに優れた効果を取得することができる。
JIS L1013−1992に準じて、試長:250mm、引張速度:300mm/分の条件で測定した。引張強度は測定試料のデシテックス単位当たりに換算して得た値である。
JIS L1015−1991に準拠し、モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機(エイコー測定機器製)に供し、繊維速度50m/分、一次張力0.2g/dの条件で糸/金属間動摩擦係数を測定した。
ラケット用ガットが張設されたラケットを用意し、テニス経験が10年以上のアマチュアプレーヤー3人にストロークしてもらい、打球への回転のかかりやすさの効果について、シリコーンオイルを含有していないポリエステルガットと比較して以下のように評価した。
◎:3人中3人ともに打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができた。
○:3人中2人が打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができた。
×:3人中2人以上が打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができなかった。
フェース面積115平方インチのテニスラケットに65ポンドのテンションでラケット用ガットを張設し、テニスボールを時速120km、打ち出し間隔10回/分、打ち出し距離50cm、打ち出し角度40度で打撃し、ガットが切断するまでの打ち出し回数で評価した(単位:回)。
極限粘度0.97のPET(三井ペット製J155)およびポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を、シリコーンオイルの含有量が5重量%となる量比で計量しながら1軸エクストルーダーに連続供給した。エクストルーダーを290℃で溶融混練した溶融ポリマはギヤポンプを経て、紡糸パック内の濾過層を通過して円形断面糸用紡糸ノズルから紡出し、紡出糸を75℃の温水浴に導き冷却した。得られた未延伸糸を90℃の温水浴で3.0倍に第1段延伸し、次いで180℃の熱風乾熱炉で1.7倍に第2段目延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した後、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング(株)製繊維用シリコーン水性コーティング剤BY22−826)15重量%水溶液をローラータッチ装置により、モノフィラメント表面へコーティングし、240℃雰囲気下、0.95倍で加熱弛緩処理することにより、直径0.93mmのモノフィラメントを製造した。得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
極限粘度0.97のPET(三井ペット製J155)を芯成分、ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量がそれぞれ5重量%および1重量%となる量比で計量しながら、芯成分用と鞘成分用の各々の1軸エクストルーダーに連続供給した。各々のエクストルーダー内を290℃で溶融混練した溶融ポリマはギヤポンプを経て芯鞘複合紡糸パック内のそれぞれの濾過層を通過してノズル吐出孔直前で合流させ、円形断面糸用ノズルより紡出し、紡出糸を75℃の温水浴に導き冷却した。得られた未延伸糸を90℃の温水浴で3.0倍に第1段延伸し、次いで180℃の熱風乾熱炉で1.7倍に第2段目延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した後、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング(株)製繊維用シリコーン水性コーティング剤BY22−826)15重量%水溶液をローラータッチ装置により、モノフィラメント表面へコーティングし、240℃雰囲気下、0.95倍で加熱弛緩処理することにより、直径0.93mmのモノフィラメントを製造した。得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
極限粘度1.37のPET(三井ペット製J055)を芯成分とし、鞘成分のフッ素系樹脂ETFE含有量を5重量%とした以外は実施例2と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
第2段目に延伸したモノフィラメントを、800℃に昇温した電気炉に滞留時間が1.2秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量をそれぞれ8重量%とした以外は、実施例4と同じ条件同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
極限粘度0.7のPET(東レ製T301T)を芯成分とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を鞘成分として、シリコーンオイル含有量を12重量%とし、フッ素系樹脂ETFEを非含有とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を鞘成分として、シリコーンオイル含有量を0.3重量%とし、フッ素系樹脂ETFEを非含有とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量をそれぞれ5重量%および12重量%とした以外は、実施例3と同じ条件同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
第2段目に延伸したモノフィラメントを、900℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
第2段目に延伸したモノフィラメントを、350℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
第2段目に延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が4.8秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
Claims (7)
- シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物からなるモノフィラメントを用いたラケット用ガットであって、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット。
- 芯成分および鞘成分のいずれもポリエステル系樹脂組成物からなる芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントであって、前記鞘成分がシリコーンオイルを0.5〜10重量%含有し、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット。
- 前記鞘成分がさらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項2に項に記載のラケット用ガット。
- 前記モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、JIS L1015−1991に準拠し明細書中に記載の方法により測定した糸/金属間動摩擦係数μdが0.08〜0.28であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
- モノフィラメントを用いたラケット用ガットの製造方法であって、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を溶融紡糸し、冷却固化された未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とする請求項1、4または5のいずれか1項に記載のラケット用ガットの製造方法。
- モノフィラメントを用いたラケット用ガットの製造方法であって、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するか、あるいはシリコーンオイルを0.5〜10重量%と、さらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を鞘成分、ポリエステル樹脂を芯成分として複合溶融紡糸し、冷却固化された複合未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のラケット用ガットの製造方法。
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2008
- 2008-03-13 JP JP2008063944A patent/JP2009219518A/ja active Pending
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