JP2009219518A - ラケット用ガットおよびその製造方法 - Google Patents

ラケット用ガットおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009219518A
JP2009219518A JP2008063944A JP2008063944A JP2009219518A JP 2009219518 A JP2009219518 A JP 2009219518A JP 2008063944 A JP2008063944 A JP 2008063944A JP 2008063944 A JP2008063944 A JP 2008063944A JP 2009219518 A JP2009219518 A JP 2009219518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monofilament
gut
racket
silicone oil
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008063944A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomokazu Sato
友和 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Monofilament Co Ltd
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Monofilament Co Ltd filed Critical Toray Monofilament Co Ltd
Priority to JP2008063944A priority Critical patent/JP2009219518A/ja
Publication of JP2009219518A publication Critical patent/JP2009219518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】環境変化による特性変化を起こし難く、天然ガット並の制球性を有するポリエステル系樹脂組成物からなるラケット用ガットの特性を損なうことなく、繰り返し使用した場合においても、ラケット用ガットの初期特性の変化が極めて小さく、打球への回転のかけやすさと打球耐久性とを両立させたラケット用ガットを提供。
【解決手段】シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物からなるモノフィラメントを用いたラケット用ガットであって、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガットおよびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどに用いられる従来の合成樹脂からなるスポーツラケット用ガットに比べ、耐ノッチ性および打球への回転のかけやすさに優れるラケット用ガットに関する。
従来からスポーツラケット用ガットとしては羊腸、鯨筋に代表される動物繊維からなる天然ガットが用いられてきた。
しかるに、天然ガットは反発性、制球性、耐衝撃性などに優れているが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では耐久性、量産性および経済性などに優れる合成樹脂製ガットが用いられている。
これらの合成樹脂製ガットとしては、ポリアミド製ガットが比較的多く用いられているが、ポリアミド製ガットは気温や湿度などの環境変化に十分対応できず、伸び、強力および弾性率などが変化するため、競技者に対して安定した競技感覚を与えにくいという問題があった。
このような状況から、環境変化による特性変化を起こし難く、しかも強伸度曲線が天然ガットに極めて近似しており、制球性に優れるポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する)製ガットが開発され実用に供されている。
ところで、ラケット用ガットに求められる要求性能の1つとして打球への回転のかけやすさがあり、打球にオーバースピンをかけるドライブストロークや、バックスピンをかけるスライスストロークを好むテニス競技者の間ではその重要度が高く位置付けられており、打球へ回転をかけやすくしたガットが多く提案されている。
例えば、ボールとガットとの摩擦抵抗を高めて回転をかけやすくしたガットとして、引張荷重がかけられたときの表面の凹凸の程度が、引張荷重がかけられないときの表面の凹凸の程度よりも大きいラケット用ストリング(例えば、特許文献1参照)や、単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなるラケット用ガット(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、ボールとラケット用ガットとの摩擦抵抗を高めるために表面に凹凸が形成されているこれらのラケット用ガットは、ラケットに張設する際にラケット用ガットの凹凸が引っかかって張設性を低下させるばかりか、ラケット用ガット表面の微細な凹凸では瞬間的に当たるボールとラケット用ガットとの摩擦抵抗を高める効果が低く、十分には打球に回転を与えることができないという問題を抱えていた。更に、表面に凹凸を設けたラケット用ガットは、表面に凹凸が存在しないラケット用ガットに比べて強度が低くなりやすいという欠点があった。
一方、近年のラケットの性能向上に伴い、打球耐久性の優れるラケット用ガットが要求されるようになってきた。
かかる状況から、耐久性の向上が図れるラケット用ガットの耐久性の保持方法として、ラケットに張設したガット両面に、フッ素樹脂、100%の高純度シリコーン等のコーティング剤を軽く塗布し、その後、布等の拭い布で拭き取ることを特徴とするラケットにおけるガットの耐久性の保持方法(例えば、特許文献3参照)が開発、提供されている。しかしながら、ラケットに張設した後にガットにフッ素樹脂、100%高純度シリコーン等のコーティング剤を塗布するだけの方法は、ラケット用ガットとコーティング剤の接着力が弱く、繰り返し使用した場合にコーティング剤が脱落しやすいために、十分に耐久性を保持することができないことが容易に推察できる。
また、打球耐久性に優れ、寿命の長いラケット用ガットとして、オルガノポリシロキサンを含有する繊維が用いられているラケット用ストリング(例えば、特許文献4参照)が提案されているが、この場合には繰り返しボールを打撃した際に、縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分にできる溝(以下、ノッチと称する)の発生を抑制する効果が小さいために、オルガノポリシロキサンのブリードアウト作用による打球耐久性の向上の効果を十分に発揮できないものであった。
特開平11−347154 特開2005−348851 特開2003−180882 特開2002−165901
本発明の目的は、環境変化による特性変化を起こし難く、天然ガット並の制球性を有するポリエステル系樹脂組成物からなるラケット用ガットの特性を損なうことなく、繰り返し使用した場合においても、ラケット用ガットの初期特性の変化が極めて小さく、打球への回転のかけやすさと打球耐久性とを両立させたラケット用ガットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物からなるモノフィラメントを用いたラケット用ガットであって、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット(A)、並びに芯成分および鞘成分のいずれもポリエステル系樹脂組成物からなる芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントであって、前記鞘成分がシリコーンオイルを0.5〜10重量%含有し、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット(B)が提供される。
なお、上記ラケット用ガット(B)においては、前記鞘成分がさらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有することが好ましい。
さらに、本発明のラケット用ガット(A)、(B)においては、
前記モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、JIS L1015−1991に準拠し明細書記載の方法により測定した糸/金属間動摩擦係数μが0.08〜0.28であること、
前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たした場合には、さらに優れた効果を取得することができる。
また、本発明のラケット用ガット(A)の製造方法は、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を溶融紡糸し、冷却固化された未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とし、本発明のラケット用ガット(B)の製造方法は、モノフィラメントを用いたラケット用ガットの製造方法であって、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するか、あるいはシリコーンオイルを0.5〜10重量%と、さらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を鞘成分、ポリエステル樹脂を芯成分として複合溶融紡糸し、冷却固化された複合未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とする。
本発明によれば、以下に説明するとおり、環境変化による特性変化を起こし難く、天然ガット並の制球性を有し、打球への回転のかけやすさと打球耐久性とを両立させたラケット用ガットを得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のラケット用ガットにおけるモノフィラメントを構成するポリエステル系樹脂とは、ジカルボン酸と、グリコールからなるポリエステル系樹脂である。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらのジカルボン酸成分とグリコール成分を適宜組み合わせて使用することができる。また、前記のジカルボン酸成分の一部をアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、また、前記のグリコール成分の一部を、ジエチレングリコールなどで置き換えてもよい。さらに、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、硼酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。さらに、ポリエステル系樹脂としては、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルも含むものである。
これらの中でも、ジカルボン酸成分の90モル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の90%以上がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)の場合には、得られるラケット用ガットが環境変化による特性変化を起こし難く、制球性に優れるために好適である。
本発明のラケット用ガットが打球へ高い回転を与えることができる理由は、ボールが当たるとラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部でガットが滑って横にずれ、再びもとの位置に戻ろうとする力をボールの回転力に伝える働きが極めて優れていることにあり、ラケット用ガットが優れた耐ノッチ性と滑りやすさを保持したときに実現できる。
本発明のラケット用ガットに優れた耐ノッチ性および高い靭性を与え、製造時の製糸性を安定させるためには、ラケット用ガットを構成するポリエステル系樹脂の極限粘度0.9〜1.5の範囲とする必要がある。極限粘度がこの範囲を下回ると、繰り返し使用した場合において、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分でノッチができやすくなる。つまり、ボールが当たるとガットが横にずれ、再びもとの位置に戻ろうとする力を利用して打球に高回転を与える働きを阻害するため好ましくない。この点で、極限粘度は高ければ高いほど好適であるが、1.5を上回ると製造時の製糸性が不安定となるために好ましくない。
ここでいう極限粘度とは、オルソクロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘度であり、〔η〕で表される値である。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントが含有するシリコーンオイルとは、室温または高温下で流動性を有するシリコーンオイルであり、公知のシリコーンオイルであればいずれでも良いが、例えばジメチルシロキサンを繰り返し単位とするジメチルシリコーンオイル類、ジメチルシロキサンの一部がフェニル基で置換されたメチルフェニルシリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルの両末端のメチル基が水酸基で置換された両末端ジオール・ジメチルシリコーンオイル類、ジメチルシロキサンのメチル基の一部が水素原子で置換されたメチルハイドロジェンシリコーンオイル類などのストレートシリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を長鎖アルキル基に置換したアルキル変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を長鎖アルキル基やフェニルアルキル基に置換したアルキル/アラルキル変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を親水性のポリオキシアルキレンで置換したポリエーテル変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を高級脂肪酸エステルに置換した高級脂肪酸変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をポリフルオロアルキル基置換したフッ素変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をアミノアルキル基で置換したアミノ変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をエポキシ基含有アルキル基に置換したエポキシ変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をカルボキシル基含有アルキル基に置換したカルボキシル変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を水酸基含有アルキル基に置換したアルコール変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をメルカプト基含有アルキル基に置換したメルカプト変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を塩素含有アルキル基に置換したクロロ変性シリコーンオイル類、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を長鎖アルキル基、フェニルアルキル基およびポリオキシアルキレンに置換したアルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル類などを挙げることができる。これらの中から1種または複数種を組み合わせて含有することができる。これらの中でも、ジメチルシリコーンオイル類の使用が特に好ましい。ジメチルシリコーンオイル類としては25℃で1000センチストークス以上の粘度を有するものが好ましい。これらのシリコーンオイル類は東レ・ダウコーニング(株)およびジーイー東芝シリコーン(株)から市販されている。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントにおけるシリコーンオイルの含有量は0.5〜10重量%の範囲で任意に設計できるが、特に1〜5重量%の範囲が好ましい。0.5重量%を下回る場合は、ラケット用ガット表面にブリードアウトするシリコーンオイルの量が減少するため、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分の摩擦抵抗が高くなり滑り難くなる。つまり、ガットとボールとの接触時間が短くなるため、横にずれたガットが再びもとの位置に戻ろうとする力を打球の回転力へ伝える働きの効果が小さくなるために好ましくない。また、シリコーンオイルの含有量が10重量%を上回る場合には、得られるモノフィラメントの引張強度が低く、ラケット用ガットとして使用するのには不十分となる。
一方、本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントが芯鞘型複合モノフィラメントであり、その場合に鞘成分がさらに含有するフッ素系樹脂とは、分子中にフッ素原子を含有する樹脂であればいずれでもよいが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオロライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオロライド・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン3元共重合体などを挙げることができる。これらのフッ素系樹脂の中から1種または複数種を組み合わせて含有することができる。これらの中でも、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ETFEと称する)およびビニリデンフルオロライド・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン3元共重合体(以下、P(2F・4F・6F)と称する)の使用が、ポリエステル系樹脂への分散性とモノフィラメント製造時の製糸性および耐久性とが良好であることから特に好ましい。これらのフッ素系樹脂はダイキン工業(株)および旭硝子(株)から市販されている。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントにおいて、鞘成分が含有するフッ素系樹脂の含有量は、0.5〜10重量%の範囲で適宜選択できるが、特に1〜5重量%の範囲が好ましい。0.5重量%を下回ると、得られるラケット用ガットの耐久性が不十分であり、10重量%を上回ると、モノフィラメントの製造が困難になるばかりか、得られるモノフィラメントの引張強度が低くなりラケット用ガットとして使用するのには不十分となる。
また、本発明のラケット用ガットにおける芯鞘複合モノフィラメントの鞘成分を構成する樹脂組成物中に、シリコーンオイルとフッ素系樹脂が共存する場合には、得られるモノフィラメントからなるラケット用ガットが、シリコーンオイルのみを含有する場合と比較して耐久性および打球への回転のかけやすさが優れる特徴を持つため好適である。
この理由については明確ではないが、シリコーンオイルとフッ素樹脂がモノフィラメントの樹脂組成物中に共存することで、フッ素系樹脂からポリエステル系樹脂に溶出したフッ素を含有するオリゴマーの存在によって、樹脂組成物中のシリコーンオイルが選択的にモノフィラメント表面に移行することに起因すると考えられる。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントは、走行糸式摩擦係数試験機に供し、JIS L1015−1991に準拠し明細書記載の方法により測定した糸/金属間動摩擦係数μが0.08〜0.28の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.08〜0.2の範囲である。すなわち、糸/金属間動摩擦係数μが0.08を下回るためには、モノフィラメントの樹脂組成物中にシリコーンオイルを10重量%以上含有させる必要が生じる場合があり、その場合には、引張強度の低いモノフィラメントとなる。また、糸/金属間動摩擦係数μが0.28を上回る場合には、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分の摩擦抵抗が高く滑り難くなり、結果として、打球への回転のかけやすさが低下するために好ましくない。
また、本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントは、その引張強度が3〜8cN/dtexである。3cN/dtex未満では、打球時に断糸しやすく、打球耐久性に劣るため実用的ではない。一方、引張強度が8cN/dtexを上回ると、反発性、耐衝撃性が劣りやすいものとなる傾向になるため不適である。
本発明のラケット用ガットは、構成するモノフィラメントが芯成分および鞘成分のいずれもポリエステル系樹脂組成物からなる芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントであって、鞘成分がシリコーンオイルを0.5〜10重量%、およびフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有するラケット用ガット(B)であることが特に好ましい。つまり、芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントの表面近傍の鞘成分にシリコーンオイルおよびフッ素系樹脂が多く存在することにより、潤滑剤として機能するシリコーンオイルがモノフィラメント表面へブリードアウトしやすくなるため、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部でのガットの滑り性が向上する。この時に、芯成分と鞘成分をいずれもポリエステル系樹脂とすることで、ラケット用ガットの引張強度低下を抑制することができる。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントの製造は、何ら特殊な製造装置を使用する必要はなく、例えば1軸または2軸のエクストルーダー型またはメルトプレッシャー型溶融紡糸機または芯鞘複合溶融紡糸機を使用して、所定量のポリエステル系樹脂とシリコーンオイルからなる樹脂組成物を溶融紡糸するか、所定量のポリエステル系樹脂とシリコーンオイルからなるか、あるいはさらにフッ素樹脂を溶融混練した樹脂組成物を鞘成分、ポリエステル系樹脂を芯成分として複合溶融紡糸することにより行うことができる。
より具体的に説明すると、本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントの好ましい製造方法として、芯鞘複合モノフィラメントである場合の例としては、鞘成分用の1軸または2軸のエクストルーダーのホッパーに、必要量の乾燥したポリエステルペレット、シリコーンオイルを高濃度に含有したポリエステルマスターバッチペレット、フッ素系樹脂ペレットまたはフッ素系樹脂を高濃度に含有したポリエステルマスターバッチペレットを計量供給し、芯成分および鞘成分の計量ギヤポンプを介して芯鞘複合紡糸ノズルから押し出し、冷却・延伸・熱処理・表面処理・加熱弛緩処理を行うなどの方法を挙げることができる。シリコーンオイルおよびフッ素樹脂は一緒または個々に、予め高濃度でポリエステル系樹脂に含有させたマスターバッチペレットとして供給することができる。
前記モノフィラメントの製造方法においては、さらにモノフィラメントへシリコーン樹脂を表面コーティングすることが推奨される。モノフィラメントへのシリコーン樹脂のコーティング方法としては、特に制限されないが、例えば、シリコーン樹脂溶液浴と、この溶液浴中に表面の一部を接触し得る位置に配置され、かつ回転可能な塗布ロールを備えたローラータッチ装置を使用して、モノフィラメントをローラー上部でそれを横切る方向に走行させ、モノフィラメント表面にシリコーン樹脂のコーティングを自動的に行った後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理する方法が挙げられる。シリコーン樹脂溶液濃度は任意に選択できるが、通常0.1〜20重量%の範囲である。加熱弛緩処理温度は、通常100℃〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度範囲が選択される。上記のシリコーン樹脂による表面コーティングを行うことで、モノフィラメントが含有するシリコーンオイルとの相乗効果でモノフィラメント表面の潤滑性が向上し、打球への回転のかけやすさに優れる本発明のラケット用ガットを好適に製造することができる。
モノフィラメント表面に処理するシリコーン樹脂溶液は、有機溶媒溶液、水溶液、水性エマルジョンとした乳化液および懸濁液などが使用され、シリコーン樹脂溶液は基礎となるシリコーン樹脂の形態に応じ適宜の形態をとり得る。
また、前記モノフィラメントの製造方法において、溶融紡糸でノズルから押し出し、冷却固化された未延伸糸を加熱延伸し、次いで、そのモノフィラメントを400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施こすことで、高結晶性のポリエステル系樹脂からなるモノフィラメント表面付近の分子配向が緩和され、耐摩耗性および耐衝撃性が向上することに起因して、耐ノッチ性に優れるモノフィラメントからなる本発明のラケット用ガットを得ることができる。この時、熱処理温度が900℃、滞留時間3秒を超えると、引張強度が低下するのに加えて、融着切れなどの問題が生じ、逆に熱処理温度が400℃を下回ると、耐ノッチ性が不十分となるために好ましくない。
ここで、熱処理に適する熱媒体としては、モノフィラメントの表面から容易に除去できるものであって、物理的、化学的に本質的な変化を与えない物質であれば如何なるものでもよい。また、加熱装置としては、例えば高沸点の不活性液体を有する液体浴、空気炉、不活性ガス炉、赤外線炉、高周波炉および金属炉などを使用することができる。
本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントは、1本の単糸からなる連続糸であり、その用途や特性を満足させるため、繊維軸方向に垂直な断面の形状を円形、概ねこれに類似した形状および必要に応じて芯鞘とすることが好ましいが、この限りではなくいかなる形状をも取り得る。
また、上記モノフィラメントの直径は、側糸用、芯糸用など用途によって適宜選択できるが、通常0.05〜1.5mmの範囲が最もよく使用される。
なお、本発明のラケット用ガットを構成するモノフィラメントには、少量の参加チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、各種着色剤、帯電防止剤、ワックス類、各種界面活性剤、各種強化繊維類、および各種可塑剤などが添加されていてもよい。
かくして得られる本発明のラケット用ガットは、ポリエステル系樹脂モノフィラメントからなり、天然ガット並の制球性を有し、耐ノッチ性および滑りやすさを保持しているため、打球耐久性と打球への回転のかけやすさを両立する特性を具備するものである。
以下、本発明のラケット用ガットについて実施例に基づいて説明する。なお、実施例におけるラケット用ガットの物性および評価は以下の方法で行った。
[モノフィラメントの引張強度]
JIS L1013−1992に準じて、試長:250mm、引張速度:300mm/分の条件で測定した。引張強度は測定試料のデシテックス単位当たりに換算して得た値である。
[モノフィラメントの糸/金属間動摩擦係数μ]
JIS L1015−1991に準拠し、モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機(エイコー測定機器製)に供し、繊維速度50m/分、一次張力0.2g/dの条件で糸/金属間動摩擦係数を測定した。
[ラケット用ガットの打球への回転のかかりやすさ性能評価]
ラケット用ガットが張設されたラケットを用意し、テニス経験が10年以上のアマチュアプレーヤー3人にストロークしてもらい、打球への回転のかかりやすさの効果について、シリコーンオイルを含有していないポリエステルガットと比較して以下のように評価した。
◎:3人中3人ともに打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができた。
○:3人中2人が打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができた。
×:3人中2人以上が打球への回転のかかりやすさの効果を認識することができなかった。
[ラケット用ガットの打球耐久性評価]
フェース面積115平方インチのテニスラケットに65ポンドのテンションでラケット用ガットを張設し、テニスボールを時速120km、打ち出し間隔10回/分、打ち出し距離50cm、打ち出し角度40度で打撃し、ガットが切断するまでの打ち出し回数で評価した(単位:回)。
[実施例1]
極限粘度0.97のPET(三井ペット製J155)およびポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を、シリコーンオイルの含有量が5重量%となる量比で計量しながら1軸エクストルーダーに連続供給した。エクストルーダーを290℃で溶融混練した溶融ポリマはギヤポンプを経て、紡糸パック内の濾過層を通過して円形断面糸用紡糸ノズルから紡出し、紡出糸を75℃の温水浴に導き冷却した。得られた未延伸糸を90℃の温水浴で3.0倍に第1段延伸し、次いで180℃の熱風乾熱炉で1.7倍に第2段目延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した後、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング(株)製繊維用シリコーン水性コーティング剤BY22−826)15重量%水溶液をローラータッチ装置により、モノフィラメント表面へコーティングし、240℃雰囲気下、0.95倍で加熱弛緩処理することにより、直径0.93mmのモノフィラメントを製造した。得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[実施例2]
極限粘度0.97のPET(三井ペット製J155)を芯成分、ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量がそれぞれ5重量%および1重量%となる量比で計量しながら、芯成分用と鞘成分用の各々の1軸エクストルーダーに連続供給した。各々のエクストルーダー内を290℃で溶融混練した溶融ポリマはギヤポンプを経て芯鞘複合紡糸パック内のそれぞれの濾過層を通過してノズル吐出孔直前で合流させ、円形断面糸用ノズルより紡出し、紡出糸を75℃の温水浴に導き冷却した。得られた未延伸糸を90℃の温水浴で3.0倍に第1段延伸し、次いで180℃の熱風乾熱炉で1.7倍に第2段目延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した後、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング(株)製繊維用シリコーン水性コーティング剤BY22−826)15重量%水溶液をローラータッチ装置により、モノフィラメント表面へコーティングし、240℃雰囲気下、0.95倍で加熱弛緩処理することにより、直径0.93mmのモノフィラメントを製造した。得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[実施例3]
極限粘度1.37のPET(三井ペット製J055)を芯成分とし、鞘成分のフッ素系樹脂ETFE含有量を5重量%とした以外は実施例2と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[実施例4]
第2段目に延伸したモノフィラメントを、800℃に昇温した電気炉に滞留時間が1.2秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[実施例5]
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量をそれぞれ8重量%とした以外は、実施例4と同じ条件同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例1]
極限粘度0.7のPET(東レ製T301T)を芯成分とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例2]
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を鞘成分として、シリコーンオイル含有量を12重量%とし、フッ素系樹脂ETFEを非含有とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例3]
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)を鞘成分として、シリコーンオイル含有量を0.3重量%とし、フッ素系樹脂ETFEを非含有とした以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例4]
ポリジメチルシリコーンオイルを50重量%含有したPETマスターバッチペレット(東レ・ダウコーニング(株)製BY27−111)およびETFEペレット(ダイキン工業(株)製EP−521)を鞘成分として、シリコーンオイルおよびフッ素系樹脂ETFE含有量をそれぞれ5重量%および12重量%とした以外は、実施例3と同じ条件同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例5]
第2段目に延伸したモノフィラメントを、900℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例6]
第2段目に延伸したモノフィラメントを、350℃に昇温した電気炉に滞留時間が2.4秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
[比較例7]
第2段目に延伸したモノフィラメントを、500℃に昇温した電気炉に滞留時間が4.8秒となるように通過させることで熱処理を施した以外は、実施例3と同じ条件でモノフィラメントを製造し、得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして用い、その性能を評価した。
実施例および比較例で得られたラケット用ガットの各評価結果を表1に併せて記載する。
Figure 2009219518
表1の結果から分かるように、本発明のラケット用ガット(実施例1〜5)は高いスピン性能とラケット用ガットとして十分な打球耐久性と兼ね備えたものであるため、実際にラケット用ガットとして使用した場合には、打球への回転のかけやすさに優れた実用性の高いものであった。
これに対して、本発明の条件を満たさないモノフィラメントからなるラケット用ガット(比較例1〜7)は、スピン性能および打球耐久性を同時に満足するラケット用ガットを得ることができない。例えば、ポリエステル系樹脂の極限粘度を本発明の条件より低くした場合(比較例1)は、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分でノッチができやすくなるため、十分なスピン性能を得ることができない。また、シリコーンオイルもしくはフッ素系樹脂の含有量を本発明の条件より高くした場合は(比較例2および4)、製造が困難となるだけでなく、得られるモノフィラメントの引張強度が低く、ラケット用ガットとして使用するのには不十分となり、逆にシリコーンオイルの含有量を低くした場合(比較例3)は、ラケット用ガット表面にブリードアウトするシリコーンオイルの量が減少するため、ラケットの縦方向に張設されたガットと横方向に張設されたガットとの交差部分の摩擦抵抗が高くなり滑り難くなる。つまり、ガットとボールとの接触時間が短くなるため、横にずれたガットが再びもとの位置に戻ろうとする力を打球の回転力へ伝える働きの効果が小さくなるためスピン性能が不十分である。さらに、熱処理温度および滞留時間を本発明の条件より高くした場合(比較例5および7)にも、引張強度が低下するためにラケット用ガットとしては不適であることがわかる。逆に、熱処理温度が本発明の条件よりも低い場合(比較例6)は、耐ノッチ性が不十分なものであった。
また、本発明の条件を満たす場合において、モノフィラメントの糸/金属間動摩擦係数μの値が小さいほどスピン性能が良好である傾向を示したことは、ラケット用ガットが滑りやすいほど、打球の回転力が増す働きが高いことを意味しており、本発明の優位性が支持された。
本発明のラケット用ガットは、環境変化による特性変化を起こし難く、天然ガット並の制球性を有し、打球への回転のかけやすさと打球耐久性とが両立した特性を持つ。したがって、打球にオーバースピンをかけるドライブストロークや、バックスピンをかけるスライスストロークを好むテニス競技者用のラケット用ガットとして極めて優れた効果を期待できる。

Claims (7)

  1. シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物からなるモノフィラメントを用いたラケット用ガットであって、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット。
  2. 芯成分および鞘成分のいずれもポリエステル系樹脂組成物からなる芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントであって、前記鞘成分がシリコーンオイルを0.5〜10重量%含有し、前記ポリエステル系樹脂の極限粘度が0.9〜1.5であり、かつJIS L1013−1992に準拠して測定した前記モノフィラメントの引張強度が3〜8cN/dtexであることを特徴とするラケット用ガット。
  3. 前記鞘成分がさらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項2に項に記載のラケット用ガット。
  4. 前記モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、JIS L1015−1991に準拠し明細書中に記載の方法により測定した糸/金属間動摩擦係数μが0.08〜0.28であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  5. 前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  6. モノフィラメントを用いたラケット用ガットの製造方法であって、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を溶融紡糸し、冷却固化された未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とする請求項1、4または5のいずれか1項に記載のラケット用ガットの製造方法。
  7. モノフィラメントを用いたラケット用ガットの製造方法であって、シリコーンオイルを0.5〜10重量%含有するか、あるいはシリコーンオイルを0.5〜10重量%と、さらにフッ素系樹脂を0.5〜10重量%含有するポリエステル系樹脂組成物を鞘成分、ポリエステル樹脂を芯成分として複合溶融紡糸し、冷却固化された複合未延伸糸を加熱延伸し、次いで400〜900℃、かつ滞留時間3秒以下の条件で熱処理を施した後、100℃以上、モノフィラメントの融点以下の雰囲気中で加熱弛緩処理することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のラケット用ガットの製造方法。
JP2008063944A 2008-03-13 2008-03-13 ラケット用ガットおよびその製造方法 Pending JP2009219518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063944A JP2009219518A (ja) 2008-03-13 2008-03-13 ラケット用ガットおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063944A JP2009219518A (ja) 2008-03-13 2008-03-13 ラケット用ガットおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009219518A true JP2009219518A (ja) 2009-10-01

Family

ID=41236982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008063944A Pending JP2009219518A (ja) 2008-03-13 2008-03-13 ラケット用ガットおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009219518A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011078581A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Toray Monofilament Co Ltd ラケット用ガット及びその製造方法
JP2017148473A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 ユニチカ株式会社 ガット用ストリング

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0376815A (ja) * 1989-08-11 1991-04-02 Teijin Ltd 香りを有する芯鞘型中実複合短繊維
JPH04272218A (ja) * 1991-02-20 1992-09-29 Kuraray Co Ltd 防汚性ポリエステル系繊維
JPH07185045A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Goosen:Kk ラケット用ガット及びその製造方法
JP2000185118A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Toray Monofilament Co Ltd ラケット用ガットおよびその製造方法
JP2003268626A (ja) * 2002-03-11 2003-09-25 Toray Monofilament Co Ltd ポリエステルモノフィラメント、その製造方法およびその用途
JP2004292960A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Toray Monofilament Co Ltd 芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0376815A (ja) * 1989-08-11 1991-04-02 Teijin Ltd 香りを有する芯鞘型中実複合短繊維
JPH04272218A (ja) * 1991-02-20 1992-09-29 Kuraray Co Ltd 防汚性ポリエステル系繊維
JPH07185045A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Goosen:Kk ラケット用ガット及びその製造方法
JP2000185118A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Toray Monofilament Co Ltd ラケット用ガットおよびその製造方法
JP2003268626A (ja) * 2002-03-11 2003-09-25 Toray Monofilament Co Ltd ポリエステルモノフィラメント、その製造方法およびその用途
JP2004292960A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Toray Monofilament Co Ltd 芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011078581A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Toray Monofilament Co Ltd ラケット用ガット及びその製造方法
JP2017148473A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 ユニチカ株式会社 ガット用ストリング

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101743497B1 (ko) 인공 모발용 섬유 및 그것으로 이루어지는 두발 장식품
MXPA02009428A (es) Hilo de monofilamento y proceso para su produccion.
JP4869060B2 (ja) 異形断面を有するポリマーフィラメント
JP2009219518A (ja) ラケット用ガットおよびその製造方法
JP3701539B2 (ja) モノフィラメント及びその製造方法
JP4224622B2 (ja) ラケット用ガットおよびその製造方法
JP5243376B2 (ja) ラケット用ストリング
JP5070402B2 (ja) ラケット用ガット
JP2004068217A (ja) ポリエステル系複合モノフィラメントおよびラケット用ガット
JP4060089B2 (ja) ポリエステルモノフィラメント
JP2011078581A (ja) ラケット用ガット及びその製造方法
WO2021033294A1 (ja) 歯ブラシ用ポリエステル系モノフィラメント
JP2021070898A (ja) 水産資材用複合モノフィラメントおよびその製造方法
JP2011125584A (ja) ラケット用ガット
JP2005163231A (ja) 生分解性モノフィラメントおよびラケット用ガット
JP6175665B2 (ja) ラケット用ガット
JP5799298B2 (ja) ラケットガット用ポリエステルモノフィラメント
JP2007330772A (ja) ラケット用ガット
JPH05148769A (ja) 産業編織物用複合モノフイラメント
JP2022037387A (ja) ラケット用ストリング
JP2003129332A (ja) ポリエステルモノフィラメント
JP5540197B2 (ja) ラケット用ガット
JP2004329530A (ja) ラケットガット用モノフィラメント、ラケットガットおよびその製造方法
JP2023041015A (ja) ポリアミド系モノフィラメント
JP5998377B2 (ja) テニスラケット用ガットおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100301

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100301

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121030