JPH04272218A - 防汚性ポリエステル系繊維 - Google Patents

防汚性ポリエステル系繊維

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JPH04272218A
JPH04272218A JP3048877A JP4887791A JPH04272218A JP H04272218 A JPH04272218 A JP H04272218A JP 3048877 A JP3048877 A JP 3048877A JP 4887791 A JP4887791 A JP 4887791A JP H04272218 A JPH04272218 A JP H04272218A
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JP
Japan
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fluorine
fiber
polyester
weight
yarn
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JP3048877A
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English (en)
Inventor
Masahiko Nanjo
正彦 南條
Isao Tokunaga
徳永 勲
Takao Akagi
赤木 孝夫
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚効果に優れたポリ
エステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維に防汚性を付与する方
法としては、種々の方法が提案されている。しかしなが
ら、その大半は、得られた繊維に、あるいは繊維を布帛
化した後に布帛に撥水・撥油剤を塗布するものである。 この方法の場合、洗濯やクリーニング等により撥水・撥
油剤が繊維表面から容易に脱落し、防汚性能が早期に失
われる欠点を有している。
【0003】またポリエステル繊維中にある種のフッ素
系化合物を混練することにより、特定の機能性を付与す
る方法についてこれまでに種々提案されている。例えば
、特公昭49−43376号公報には、ポリエステル繊
維を難燃化するためにフッ素系ポリマーを練込むことが
記載されている。しかしここで用いられているフッ素系
ポリマーはポリ弗化ビニリデン(PVdF:融点160
〜180℃)であり、満足できる防汚効果に関しては得
ることができない。また特開昭62−238822号公
報には、ポリエステル繊維に平滑性および耐薬品性を付
与するためにフッ素系ポリマーを練込むことが提案され
ている。しかしここで用いられているフッ素系ポリマー
は、ポリエチレンとテトラフルオルエチレンとの共重合
体(ETFE融点260℃)や上記技術と同様のフッ化
ビニリデン樹脂であり、防汚効果に関しては、これまた
得ることができない。
【0004】また特開平2−178348号公報には、
ポリエステル繊維を難燃化するためにポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE:融点327℃)を該ポリエステ
ル中に練込むことが提案されているが、これまた防汚性
に関しては満足できるものではない。さらに特開平2−
26919号公報には、ポリエステル繊維に防汚性、平
滑性を付与するためにフッ素系ポリマー微粒子を該ポリ
エステル中に練込むことが記載されている。そして、具
体的に用いられているフッ素系ポリマーはポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE:融点:327℃)であり、
PTFEの融点はポリエステルの紡糸温度より高いため
、ポリエステル繊維中でPTFEは微粒子状態のままで
存在したおり、したがって繊維表面にフッ素系微粒子が
多少露出していてもフッ素系微粒子は繊維表面を覆って
おらず防汚効果はほとんど期待できない。さらにこのよ
うな微粒子を多量に繊維中に練り込むことは、紡糸性の
点でも好ましいものとは言えない。しかもフッ素系微粒
子とポリエチレンテレフタレートは相溶性が悪いため、
繊維の摩擦や減量加工により繊維表面に存在しているフ
ッ素系微粒子は繊維から脱落しやすいという欠点も有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術は
、一時的な防汚性は得られても短期にそれが失われるも
のであったり、あるいは、満足できる防汚性が得られな
いものであった。本発明は、優れた長期的な防汚性能を
有し、かつ平滑性をも合わせ持つポリエステル繊維を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の繊維
は次に示す通りのものである。第一に本発明は、分子量
(MW)が3000〜15000、融点が40〜150
℃、290℃での加熱重量減少率(W)が10%以下の
フッ素系化合物を、1重量%以上20重量%以下含有す
るポリエステルからなることを特徴とするポリエステル
系繊維である。第二に本発明は、ポリエステル系繊維が
芯鞘複合繊維であり、芯成分と鞘成分の比率が1対1な
いし20対1であり、かつ鞘成分が上記フッ素系化合物
含有ポリエステルである防汚性ポリエステル系繊維であ
る。但しここで言う、加熱重量減少量(W)とは、TG
−DTA測定において、N↓2中で10℃/分の昇温速
度下における290℃での加熱重量減少率を意味する。 また融点はDSCによる最大吸熱ピークの頂点温度であ
り、そして分子量はGPCによる重量平均分子量である
【0007】以下、さらに詳しく本発明の、優れた耐久
防汚性および平滑性を有したポリエステル系繊維につい
て説明する。本発明は、特定のフッ素系化合物をポリエ
ステル系繊維中に含有させ、このフッ素系化合物を長期
間にわたり繊維表面に徐々にブリードアウトさせること
により防汚性を発現せしめるものである。
【0008】本発明の繊維に用いられるフッ素系化合物
は、分子量(MW)が3000〜15000の範囲であ
り、好ましくは5000〜10000の範囲である。分
子量が3000より小さいと溶融粘度が低くなりすぎ、
不均一分散になりやすく紡糸工程性が不良となる。また
、分子量が15000を越えると繊維表面にブリードア
ウトしなくなり、防汚性が発現しない。
【0009】本発明の繊維に用いられるフッ素系化合物
の融点は、40℃〜150℃の範囲内にある必要があり
、好ましくは80〜120℃の範囲内である。融点が4
0℃未満だと常温で液状になり繊維から流出しやすく、
また、融点が150℃を越えると熱処理による繊維表面
へのブリードアウトが起きにくくなる。フッ素系化合物
のTG−DTA測定によるN↓2中で10℃/分の昇温
速度下における290℃での加熱重量減少率(W)は1
0%以下である必要がある。290℃での加熱重量減少
率(W)が10%を越えると重合工程、紡糸工程におい
てフッ素系化合物は熱分解し、紡糸が困難となるばかり
か十分な防汚効果も得られない。フッ素系化合物の含有
量は1重量%から20重量%の範囲内である必要があり
、好ましくは5〜12重量%の範囲内である。フッ素系
化合物の含有量が1重量%未満であると防汚効果が発現
せず、20重量%を越えると紡糸原液の溶融粘度が低下
し紡糸が困難となる。
【0010】本発明に用いられるフッ素系化合物の一般
式としては、下記くり返し単位を有するポリマーが挙げ
られる。
【0011】
【化1】 但し、上記式中、Xは脂肪族又は芳香族の2価の、フッ
素原子等により置換されていてもよい炭化水素基であり
、またRは炭素数3ないし20、好ましくは4ないし1
5のフルオロカーボン基又はフルオロカーボン基の一部
が水素原子や他の基などと置き換わった基である。
【0012】代表的な具体例としては、下記単量体を単
独重合または下記単量体同志を共重合、あるいは下記単
量体と他の単量体を共重合して得られる重合体が挙げら
れる。他の単量体としては、アクリル酸エステル系のモ
ノマーが代表例として挙げられる。 CF↓3(CF↓2)↓7(CH↓2)↓4OCOCH
=CH↓2 CF↓3(CF↓2)↓6CH↓2OCOC(CH↓3
)=CH↓2 (CF↓3)↓2CF(CF↓2)↓6(CH↓2)↓
2OCOCH=CH↓2 (CF↓3)↓2CF(CF↓2)↓10(CH↓2)
↓2OCOCH=CH↓2 CF↓3(CF↓2)↓6(CH↓2)↓2OCOC(
CH↓3)=CH↓2 (CF↓3)↓2CF(CF↓2)↓6(CH↓2)↓
2OCOC(CH↓3)=CH↓2 CF↓3(CF↓2)↓7SO↓2N(C↓3H↓7)
(CH↓2)↓2OCOCH=CH↓2 CF↓3(CF↓2)↓7(CH↓2)↓2OCOCH
=CH↓2 (CF↓3)↓2CF(CF↓2)↓6CH↓2CH(
OH)CH↓2OCOCH=CH↓2 (CF↓3)↓2CF(CF↓2)↓6CH↓2CH(
OCOCH↓3)OCOC(CH↓3)=CH↓2CF
↓3(CF↓2)↓7(CH↓2)↓2OCOCF=C
H↓2
【0013】またフッ素系化合物としては、下記式で示
すようなフッ素系のジカルボン酸をエチレングリコール
等のジオール類と反応させてポリマー化したもの等でも
よい。
【0014】
【化2】
【0015】本発明の繊維は、上記フッ素系化合物含有
ポリエステル単独からなる繊維でも、あるいはそれと他
の可紡性ポリマーとの複合繊維であってもよい。ただし
、フッ素系化合物含有ポリエステルが繊維表面の大部分
を覆っているような複合繊維、たとえば、芯鞘型の複合
繊維で鞘成分が該フッ素系化合物含有ポリエステルであ
る複合繊維が好ましい。またフッ素系化合物を繊維全体
に均一に分散させる場合でも繊維強度は概して2.5g
/dr以上と十分な実用強度を有しているが、繊維強度
を一層高める観点からは前述した芯鞘型の繊維にするこ
とがさらに好ましい。かかる芯鞘構造を有する繊維では
芯成分は繊維の補強成分として用いられ、鞘成分にはフ
ッ素系化合物が均一に分散されている。芯鞘型複合繊維
では繊維強度が概して4.0g/dr以上である。また
、芯鞘型複合繊維は鞘成分だけにフッ素系化合物を含有
させるので、単独紡糸繊維に比較してフッ素系化合物の
添加量が実質的に少量で済む利点がある。芯鞘型複合繊
維の場合、芯と鞘の重量比は1対1〜20対1の範囲が
好ましい。芯成分の鞘成分に対する比が20を越えると
鞘成分が薄くなり過ぎ、わずかの偏心でも芯成分が繊維
表面の多くの部分で露出し防汚性が低下する。逆に1未
満ではコストが高くなり、かつ強度向上もあまり得られ
ず芯鞘型複合繊維とする利点があまり得られない。
【0016】本発明におけるフッ素系化合物のポリエス
テル繊維への添加方法としては、ポリマーの重合段階の
任意の段階において添加してもよいし、あるいは紡糸段
階でポリエステルポリマーに添加してもよい。本発明に
おいて、分子量が大きく融点が高めのフッ素系化合物を
用いる場合はポリマーの重合段階での添加が好ましく、
分子量が小さく融点が低めのフッ素系化合物を用いる場
合は紡糸段階での添加が好ましい。該フッ素系化合物は
重合工程や紡糸工程で液状化され、ポリマー繊維中に均
一に分散されるので、形状は特に規定するものではない
【0017】本発明でいうポリエステル系繊維とは、例
えばテレフタール酸、イソフタール酸、ナフタリン2・
6ジカルボン酸、フタール酸などの芳香族ジカルボン酸
又はこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1・4ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオー
ル化合物とから合成されるポリエステルを少なくとも一
成分とする繊維であり、特に反復構造単位の80%以上
がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルを少
なくとも一成分とする繊維が好ましい。
【0018】本発明の繊維は、このようなポリエステル
ポリマーとフッ素系化合物のみからなるものであっても
、あるいは他のポリマーとの複合紡糸繊維であっても、
さらに他の添加剤を含有しているものでもよい。特に芯
鞘型複合繊維の場合、鞘成分としてフッ素化合物含有ポ
リエステルを用い、芯成分として該フッ素化合物未含有
ポリマーが用いられるが、芯鞘間での剥離性および繊維
物性等の点より、芯成分としてポリエステル系の繊維形
成性ポリマーを用いるのが好ましく、特に鞘成分ポリエ
ステルと同一のものを用いるのが好ましい。本発明で規
定するフッ素系化合物であってもポリマーとの組合せに
よっては、実質的にブリードアウトしなかったり、ある
いは極めて短期間でそのほとんどがブリードアウトして
しまう場合がある。しかるに、ポリエステル、特にポリ
エチレンテレフタレートと組合せることにより、ブリー
ドアウトに要する時間を適度のものとすることが可能と
なる。
【0019】本発明繊維は、丸断面繊維でも、異形断面
繊維でも、あるいは中空繊維であってもよい。また芯鞘
型複合繊維の場合も同様であり、一芯芯鞘、多芯芯鞘、
偏心芯鞘、同心芯鞘等いずれであってもよい。さらに、
艶消剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、親水化剤、染料、
顔料、芳香剤、無機微粒子等が添加されていてもよい。
【0020】本発明の繊維は、高度の撥水性、撥油性並
びに防汚性を保有している。本発明の繊維は、単繊維1
本1本すべての表面がフッ素系化合物のブリードアウト
により形成されたフッ素系樹脂膜で均一に覆われている
ため、衣料材料としてみれば、汚れが極めて付着しにく
く、衣服にシミなどのような沈着物が残ることがなくな
り、高級衣料品に展開するのに好都合である。また汚れ
のハードな作業着素材として用いるにも最適である。さ
らに衣服などで繊維間隙に浸透した汚れに対しては、従
来品に比べ水洗濯、クリーニングによってその汚れを落
とすことは極めて容易である。また、従来の後処理によ
る防汚剤付与では水洗濯、クリーニングにより剥離しや
すいのに対し、本発明の繊維では水洗濯、クリーニング
安定性にも優れる。また、本発明の繊維は、高度の撥水
性を有するものであり、このため衣料用途、特に雨具類
に最適である。
【0021】さらに、本発明の繊維はフッ素系化合物に
より表面が覆われているため、低摩擦性効果が発現する
。このため運動用衣料素材として用いても耐磨耗性に優
れる。また、本発明の繊維は、カーペット、カーシート
などの立毛品分野にも最適である。従来の立毛品への後
加工では立毛品の先端のみ防汚効果が現れ、立毛品の内
部は防汚性が不十分であり、立毛品の内部まで侵入した
汚れには、お手上げであった。本発明の繊維では繊維表
面がフッ素系樹脂膜で覆われているため、立毛品の先端
から根元まで防汚性が発現し、立毛品の内部まで侵入し
た汚れに対しても、優れた防汚性を発揮する。
【0022】また、本発明の繊維は、防汚性の耐久性は
実用上十分であるが、洗濯の繰返しその他により、防汚
性が低下しても、アイロン等による熱処理でフッ素系化
合物が繊維中より繊維表面に適度にブリードアウトし、
防汚性が元通りに回復する。本発明の繊維は、フイラメ
ントであってもよくステープルの形であってもよく、さ
らに仮撚加工糸でもよい。さらに、トウやスライバーの
形にも加工できる。さらに、巻縮を有してもよく、カー
ドマシンなどにより容易にフェルト、ウェブ等に加工で
きる。あるいは、織物、編み物、不織布などの布帛に加
工することができる。本発明の繊維を単独であるいは他
の汎用繊維と混合してこれら布帛に加工することもでき
る。また、アルカリによる布帛の減量加工も可能である
。本発明の繊維は従来法による染色が可能であることは
もちろん、顔料などを使い、例えば原着などの手段で染
めることもできる。染色により防汚性の効果が低下する
場合があるが、乾燥、仕上セットの熱処理により再び染
色前の防汚性レベルまで容易に回復する。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。防汚性の指標である撥水、撥油の評価は、各
繊維を織物(1/1平織)に加工し対照サンプルとして
レギュラーポリエチレンテレフタレート繊維からなるタ
フタを用い、これら両者をアクチノールR−100(松
本油脂(株)製界面活性剤)1g/1溶液で98℃、2
0分リラックス後水洗し、プリセットを180℃で1分
間処理した後行った。なお、撥水性及び撥油性は、次の
様にして測定した。即ち、撥水性はJISL−1005
のスプレー法による撥水性No.(表1参照)をもって
表し、撥油性は表2に示された試験溶液を資料布の上、
二カ所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の浸透状態
により判定することにより行った(AATCC−TM−
118−1966)。
【0024】〔実施例1〕ポリエチレンテレフタレート
(PET)に融点=80℃、W=7%のフッ素系化合物
(下記式Aで示されるフロロアクリレート、分子量10
000)を紡糸インジェクション方式で、スタティクミ
キサー21×21エレメントを用いてPET/フッ素系
樹脂の割合が重量百分率にして98/2になるように溶
融紡糸した。このとき紡糸温度は298℃、紡糸速度は
1000m/分である。得られた巻取糸を130℃で3
.4倍に延伸した。延伸糸の繊度は102dr/36f
、強度は4.2g/drであった。撥水、撥油性の評価
を行ったところ、撥水性は80点、撥油性は3級であり
、水洗濯30回後も同様の結果となった。
【0025】
【化3】
【0026】〔実施例2〕実施例1と同様に、PET/
フッ素系化合物の割合が91/9になるように溶融紡糸
した。紡糸温度は298℃、紡糸速度は1000m/分
である。得られた巻取糸を130℃で3.4倍に延伸し
た。延伸糸の繊度は101dr/36f、強度は3.7
g/drであった。撥水、撥油性の評価を行ったところ
、撥水性は100点、撥油性は7級であり、水洗濯30
回後も撥水、撥油性の低下はまったくなかった。また染
色、仕上をした布帛も撥水性100点、撥油性は7級と
良好な防汚性を示した。
【0027】〔実施例3〕ポリエチレンテレフタレート
の重合後期に、融点=130℃、W=4%のフッ素系化
合物(下記式Bで示されるジカルボン酸とエチレングリ
コールからなるフロロアルキル基含有エステル樹脂、分
子量8000〜10000)の粉末を重量百分率にして
PET/フッ素系化合物=96/4になるように添加し
チップを製造し、このチップを用いて溶融紡糸した。こ
のときの紡糸温度は295℃、紡糸速度は1000m/
分である。得られた巻取糸を130℃で3.9倍に延伸
した。延伸糸の繊度は75dr/24f、強度は4.5
g/drであった。撥水、撥油性の評価を行ったところ
、撥水性は80〜90点、撥油性は4級であり、良好な
防汚性が得られた。
【0028】
【化4】
【0029】〔実施例4〕実施例3と同様に、PET/
フッ素系化合物=93/7の重量%になるように添加し
均一混合しチップを製造した。このチップを用いて溶融
紡糸した。紡糸温度は295℃、紡糸速度は1000m
/分である。得られた巻取糸を130℃で4.0倍に延
伸した。延伸糸の繊度は100dr/48f、強度は3
.5g/drであった。撥水、撥油性の評価を行ったと
ころ、撥水性は100点、撥油性5級であり、水洗濯3
0回後も撥水、撥油性の低下はなかった。また染色、仕
上をした布帛も撥水性100点、撥油性5級を維持して
いた。
【0030】〔比較例1,2〕通常の75dr/24f
のポリエチレンテレフタレート延伸糸からなるタフタ及
び該タフタにフッ素系の後加工剤を1重量%樹脂がつく
ようにディップ、ニップし、130℃でシリンダー乾燥
し、150℃でキュアリングした。比較例1のタフタは
撥水性0点、撥油性1級と、防汚性能が低い。比較例2
の後加工処理したものは撥水性100点、撥油性3級で
あったが、水洗濯30回後は撥水性70点、撥油性1級
と洗濯によって著しく性能が低下した。
【0031】〔比較例3,4〕実施例4において、PE
T/フッ素系化合物=99.3/0.7,77/23重
量%になるように添加し、同様の評価を実施した。比較
例3は撥水性70点、撥油性2級と性能が低かった。比
較例4は延伸時に毛羽が多発し、糸強度が2g/drと
著しく低かった。
【0032】〔実施例5,6,7,8、及び比較例5〕
実施例4で得たチップを鞘成分に、芯成分にポリエチレ
ンテレフタレートを用い、芯鞘比率を2:1,5:1,
10:1,17:1,23:1と変化し75dr/24
fの延伸糸を得た。糸強度はいずれも4g/dr以上で
あった。これらの評価結果は撥水性100点、撥油性5
級と良好であったが、比較例5の芯鞘比率=23:1の
み撥水性50〜70点、撥油性2級と性能が低かった。 この原因は繊維断面の一部に鞘成分が存在していない所
が多数見受けられた。
【0033】〔比較例6〕ポリエチレンテレフタレート
(PET)のチップとPTFEの微粉末(平均粒子径約
0.3μ)を重量百分率にしてPET/PTFEの割合
が90/10になるようにエクスルーダー型溶融混練装
置を用いて均一に混合せしめ、紡糸用チップを製造した
。このチップを用いて溶融紡糸した。このとき、紡糸温
度は290℃、紡糸速度は900m/分である。得られ
た巻取糸を90℃で3.2倍に延伸した。延伸糸の単糸
繊度は、1.9デニール、強度は2.3g/dであった
。実施例と同様に布帛にして撥水、撥油性を評価したと
ころ、撥水性は70点、撥油性2級と性能が低かった。
【0034】〔実施例9〕実施例4で得た100dr/
48fの延伸糸を2本合糸して200dr/96fの延
伸糸を用い、ダブルラッセル編のパイル部に用い、カッ
ト、シャーリング後染色してカーシート地を得た。この
布帛の撥水性は90点で撥油性は5級と良好な防汚性を
示した。
【0035】〔実施例10,11〕実施例4で得たチッ
プを用い、紡糸、延伸、仮撚を行い700dr/48f
の加工糸を得た。この糸を用い、ベロアカーペット、ル
ープカーペットを試作したベロアカーペットの撥水性は
90点、撥油性は5級と良好な防汚性を示した。さらに
ループカーペットの撥水性は100点、撥油性は6級と
良好な防汚性を示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  分子量が3000〜15000、融点
    が40〜150℃、290℃での加熱重量減少率が10
    %以下のフッ素系化合物を1重量%以上20重量%以下
    含有するポリエステルからなることを特徴とする防汚性
    ポリエステル系繊維。
  2. 【請求項2】  ポリエステル系繊維が芯鞘型複合繊維
    であり芯成分と鞘成分の重量比率が1対1ないし20対
    1であり、かつ鞘成分が請求項1記載のフッ素系化合物
    含有ポリエステルである請求項1記載の防汚性ポリエス
    テル系繊維。
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