JP2921842B2 - 改質ポリエステル繊維 - Google Patents

改質ポリエステル繊維

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JP2921842B2 JP1021871A JP2187189A JP2921842B2 JP 2921842 B2 JP2921842 B2 JP 2921842B2 JP 1021871 A JP1021871 A JP 1021871A JP 2187189 A JP2187189 A JP 2187189A JP 2921842 B2 JP2921842 B2 JP 2921842B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、色調が良好で、張り、腰に優れるとともに
柔軟な風合いを有するポリエステル繊維に関するもので
あり、更に詳しくは、単繊維の繊維軸方向にランダムに
微細分割部と微細毛羽を有するポリエステル繊維に関す
るものである。
[従来の技術] ポリエステル繊維よりなるフィラメント織編物は、プ
ラスチックライクな外観と、感触を与え、天然繊維に較
べ風合い、柔軟性、外観などの点で劣っていた。
近年、かかる欠点を解消するための研究が盛んに行わ
れている。
例えば、(1)ポリエステルとポリエステルに非相溶
の樹脂を溶融ブレンド紡糸した繊維であって、繊維表面
の糸長方向にフィブリル状筋と微細な毛羽を付与する方
法(特開昭57−95340号公報)、(2)特定の口金を有
し、紡糸原液の吐出速度、巻取速度を周期的に変化せし
め、太細繊維の紡糸を行ない互いに分離した複数の繊維
からなり繊維度を有する部分と単一の繊維とする方法
(特開昭57−16910号公報)、(3)非相溶の添加剤を
配合せしめたポリエステル系繊維織物を凹凸処理を施
し、アルカリ溶液処理し特殊毛羽を付与する方法(特公
昭63−6671号公報)、(4)互いに相溶性のない2種類
の熱可塑性高分子を複合繊維とし、割繊する方法(特公
昭59−38330号公報)、(5)常温で固形である高分子
と常温で流動性を有する成分を混合紡糸し、分割繊維を
得る方法(特開昭55−26258号公報)、(6)非相溶の
添加剤を配合せしめたポリエステル中空繊維をフィブリ
ル化させる方法(特開昭57−82523号公報)などが知ら
れている。
これらの前記の技術において、(1)の方法は、アル
カリ減量処理によって、非相溶樹脂の周りのポリエステ
ルを減量し、その結果として非相溶樹脂が毛羽として形
成されるものであるため、得られる毛羽が剥離し易く耐
久性に欠ける問題点があった。(2)の方法は、製造上
太物用途には適用できるが衣料用用途には困難である問
題点があった。さらに、(3)の方法は、アルカリ処理
とバッフィング加工を行い毛羽を付与するため抗フロス
ティング性が悪いという問題点があった。(4)の方法
は、相溶性のない2種類の熱可塑性高分子を複合紡糸し
繊維化するために、コスト高の原因や、分割工程での糸
切れを起こして工程通過性が不良になる問題点があっ
た。(5)の方法は、常温で流動性を有する成分を混合
紡糸するため、高温での溶融紡糸工程で糸切れを起こし
実用にそくしがたい問題があった。また(6)の方法で
は、摩擦が行われる織物表面のみフィブリル形成される
が、得られるフィブリルは単繊維表面に単に微細なルー
プが形成される、或いは該ループが切断して表面に毛羽
が形成する程度の物であり、織編物に十分な柔軟性を付
与することはできなかった。
これら従来の公知技術をもってしても、ポリエステル
繊維の有する欠点の一部は改良されるものの、絹、羊
毛、綿などの天然繊維が持つ独特の風合い、柔軟性、外
観に劣り天然繊維に代替できるものが得られるに至って
いない。本発明者らは、これら従来技術の欠点を解消す
るために鋭意検討した結果、単繊維に極細分割部と該分
割部に微細毛羽とを付与することにより、従来の合成繊
維では得られなかった天然繊維が持つ独特の柔軟な風合
いをポリエステル繊維に付与することができることを見
出だし本発明に到達したものである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、色調が良好で、張り、腰に優れると
ともに、柔軟な風合いを有するポリエステル繊維を提供
するものである。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、主たる繰り返し単位がエチ
レンフタレートからなるポリエステル99.9〜90重量部と
該ポリエステルに非相溶な筋状形成物質0.1〜10重量部
からなるポリエステル繊維であって、該単繊維の繊維軸
方向に沿ってランダムに存在する極細分割部を有しかつ
該分割部に微細な毛羽を有してなる改質ポリエステル繊
維によって達成できる。
本発明のポリエステルとはポリエチレンテレフタレー
トを主体とするポリエステルであれば、ホモポリエステ
ルでも多価カルボン酸、金属スルホネート基を有する多
価カルボンサン酸、脂肪族カルボン酸、脂肪族多価アル
コールなどの共重合ポリエステルでも良い。
本発明において、ポリエステルに非相溶な筋状形成物
質とはポリエステルに配合し通常の方法で溶融紡糸して
繊維状に形成したとき、繊維の長さ方向に筋状に存在す
るものであれば特に限定されないが、好ましくは一般式
R・SO3Mで示される有機スルホン酸金属塩、ワックスで
ある。
前記一般式で示される有機スルホン酸金属塩におい
て、Rは炭素数3〜30のアルキル基又は、炭素数7〜40
のアリール基もしくはアルキルアリール基、Mはアルカ
リ金属、もしくはアルカリ士類金属を示す。MとしてN
a、K、Li等のアルカリ金属、Mg、Ca等のアルカリ土類
金属が挙げられるが、なかでもNaが好ましい。このよう
な有機スルホン酸金属塩としては、具体的には、ステア
リルスルホン酸ソーダ、オクチルスルホン酸ソーダ、ド
デシルスルホン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ等が挙げられる。
ワックスは、天然ワックス、合成ワックスが挙げられ
る。具体的には天然ワックスの場合、ビーズワックス、
ラノリン、カルナウバワックス、ライスワックス、モン
タンワックス、カンデリラワックス等が挙げられる。
合成ワックスの場合、ポリエチレンワックス、モンタ
ン酸エチレングリコールワックス、モンタン酸ワックス
等が挙げられる。
前記したポリエステルに非相溶な筋状形成物質の配合
量は、ポリエステル99.9〜90重量部に対して0.1〜10重
量部が必要であり、好ましくは2〜7重量部である。0.
1重量部より少ないと単繊維の分割が十分でなく柔軟性
が劣り粗硬な風合いとなる。配合量が10重量部より多い
とポリエステル繊維が着色して実用に適さない。
なお、本発明のポリエステルには、必要に応じて耐熱
剤、耐光剤、抗酸化剤、制電剤、難燃剤、TiO2等の艶消
剤等任意の添加剤を含有することが出来る。
本発明のポリエステルを得る方法には限定なく、公知
の方法で得ることが出来る。有機スルホン酸金属塩、ワ
ックスのポリエステルへの配合方法には限定なく、重縮
合反応前、重縮合反応中、重縮合反応後、チップ乾燥
時、又は強制混練機による混練等いずれでもよいが、重
縮合反応後がポリエステルへの分散、着色の面から好ま
しい。
本発明において、有機スルホン酸金属塩、ワックスを
一定量、ポリエステルに含有させる方法として、有機ス
ルホン酸金属塩、ワックスを多量に含有するポリエステ
ルと他のポリエステルを希釈混合する方法も採用出来
る。このようにして得られたポリエステルを溶融紡糸し
て繊維とするには、格別な方法を採用する必要はなく、
通常のポリエステルの溶融紡糸方法が採用される。
該ポリエステル繊維を分割する方法は繊維に物理的な
衝撃を与える方法が採られ、例えば、該繊維を連続的に
ギヤーを通す方法、丸編みした後該布帛を機械的に打布
加工(例えば特定の粒子を叩打せしめる方法)を施し解
編する方法、織物にした布帛を機械的に打布する方法、
熱を用いず、仮撚強撚し撚りをかける方法が採用でき
る。又、通常のアルカリ減量処理を施してから前記の処
理も採用できる。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を説明する。なお実施例
中のポリエステルおよびポリエステル繊維の各特性値の
測定法は次の方法で行った。
(極限粘度[η]の測定法) ポリマーをo−クロロフェノールに溶解し、25℃で測
定した値である。
(色調) 評価すべき筒編地を6枚以上重ね、デジタル測色色差
計算機[スガ試験機(株)製]で照射光が透過しない状
態で測定されるb値で表す。b値が大きいほど黄色を帯
びており、色調は劣る。
(柔軟性) 評価すべき筒編地1gを10人のパネラーが手で触り、官
能検査を行い、5人以上のパネラーが柔軟性有りとした
ものを○、2〜4人のパネラーが柔軟性有りとしたもの
を△、その他を×とした。
実施例 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル62重量部に酢酸カルシウム0.06重量部、三酸化アンチ
モン0.04重量部をエステル交換缶に仕込み、常法により
エステル交換反応を行い、その生成物にリン酸トリメチ
ルを0.05重量部加えた後、重縮合反述を行った。反応終
了後第1表に示す有機スルホン酸の金属塩、ワックスを
添加し、窒素気流下約10分間の減圧混練を行った。得ら
れたポリエステルの極限粘度を第1表に示す。これらの
ポリエステルを直径0.23mm、紡糸孔24個を有する紡糸口
金を用いて紡糸温度290℃、吐出量31g/min、600m/minの
巻取速度でボビンに巻き取った。得られた未延伸糸をホ
ットローラーで加熱し延伸した後、連続的にホットプレ
ートで熱固定する方式で3.6倍に延伸、熱処理し、強度
4.6〜5.1g/d、伸度34〜38%の65デニール24フィラメン
トのポリエステルフィラメントを得た。このポリエステ
ルフィラメントを用いて筒編地を作成し、精練後粒子を
叩打せしめる打布加工を行った。
官能テスト結果を第1表に示す。
第1表から明らかのように、本発明の範囲内である実
験No2,4,6,8,9,10は色調、柔軟性に優れている。有機ス
ルホン酸金属塩、ワックスの添加量の少ない実験No1,5
は柔軟性に劣り、有機スルホン酸金属塩、ワックスの添
加量の多い実験No3,7は色調が劣る。(第1図は実験No2
で得られた叩解繊維である。) [発明の効果] 本発明の改質繊維は、ポリエステルに非相溶な筋状形
成物質を筋状に配合したものであって、かつポリエステ
ルフィラメントの糸長方向にランダムに、0.05〜2.0デ
ニールの極細分割部と最大長100μ以下、最大幅3μ以
下の微細な毛羽を有するものであるため、張り、腰があ
り、柔軟性に優れ、天然繊維、特に綿、麻、羊毛様の風
合いを有したポリエステル繊維として使用するに好適な
繊維である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の細分割されたポリエステル繊維の側
面顕微鏡写真(倍率500倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06C 15/14 D06C 15/14 (56)参考文献 特開 昭57−95340(JP,A) 特開 昭61−47875(JP,A) 特開 昭57−82523(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ
    ートからなるポリエステル99.9〜90重量部と該ポリエス
    テルに非相溶な筋状形成物質0.1〜10重量部からなるポ
    リエステル繊維であって、該繊維に物理的な衝撃を与え
    ることによって、該単繊維の繊維軸方向に沿ってランダ
    ムに存在する極細分割部を有し、かつ該分割部にポリエ
    ステルからなる微細な毛羽が形成された改質ポリエステ
    ル繊維。
  2. 【請求項2】非相溶な物質が有機スルホン酸金属塩であ
    る請求項(1)記載の改質ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】非相溶な物質がワックスである請求項
    (1)記載の改質ポリエステル繊維。
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