JP3307383B2 - ポリエステル中空短繊維 - Google Patents

ポリエステル中空短繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、これまでと異なる
メカニズムで抗ピル性の発現が可能となるポリエステル
中空短繊維およびそれからなる布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやアクリルなどの合成繊維
あるいはレーヨン、綿などの再生繊維、天然繊維から構
成される短繊維は紡績糸に加工された後に織物、編物に
加工され、表面の毛羽感からソフトな肌触りと保温性を
有した衣料用として広く使用されている。しかしなが
ら、かかる短繊維からなるスパン織編物は表面の毛羽が
着用中や洗濯によって摩擦を受け、たちまちピリング
(以下、ピルという)と呼ばれる毛玉が発生し、品質、
外観が大きく損なわれ、問題となっていた。これは表面
の短繊維毛羽が揉まれることにより、表面に存在してい
る毛羽、あるいは織編物中から毛羽が引き出されて毛羽
同士が絡み合うためであった。からみあった毛羽は脱落
しにくく、繊維の強度、伸度が大きいポリエステルやポ
リアクリルなどの合成繊維が特に問題となっていた。こ
のようなピリングを抑制する目的で多くの方法が提案さ
れている。かかる方法の一つに低重合度のポリエステル
繊維を用いることで繊維の強度を低下させ、発生したピ
リングの脱落を促進させる方法がある。すなわち、ポリ
エステルにポリエチレングリコール、イソフタル酸、あ
るいはトリメリット酸メチルを共重合させたり、ホウ酸
を添加させた改質ポリエステルなどが提案されている。
この抗ピル性発現のメカニズムは、織編物表面の摩耗に
より一旦ピルが生成されるが、繊維強度が低いため、容
易にピルが脱落しやすく、ピルの生成、脱落を繰り返し
ていた。しかしながらかかる方法で十分な抗ピル性を有
する繊維を得るにはポリマーの重合度を大幅に低下させ
なくてはならず、このため紡糸工程における曳糸性の低
下や紡績工程での紡績糸の糸切れが多発するなど欠点が
ある。また繊維の強度が低いため最終製品である織編物
を衣料などに使用した場合、着用時の摩擦などで織編物
が破れやすくなり耐久性の低い製品になる欠点もあっ
た。
【0003】一方、染色仕上げ工程において、繊維を脆
化させることにより抗ピル性を付与させる方法として特
開昭52−91997号公報では高温浴中でアルキルア
ミン処理する方法が提案され、また特開昭53−139
893号公報では金属塩化物の水溶液をパッドし中間乾
燥後、乾熱処理する方法が提案されているが、いずれも
抗ピル性が付与される処理条件においては、短繊維強度
だけでなく、布帛の引裂強力も低下するといった問題が
ある。
【0004】さらに染色時に表面毛羽を毛焼加工する方
法が提案されているが、毛羽の溶融玉(メルトボール)
が表面に残るため、風合いがザラザラすること、熱処理
による風合効果があること、保温性に欠けるなどの問題
点があった。
【0005】このように、いずれの場合も抗ピル性の付
与するためには十分な方法ではなく、抗ピル性の付与は
業界の長年の課題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のピル生成、脱落という抗ピル発現と全く異なり、繊維
強度が高くかつピルそのものが生成しにくいポリエステ
ル中空短繊維を提供することおよび該短繊維を用いてな
る布帛を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は次の構成を有する。すなわち、DSCにより
測定される融点の異なるホモポリエステルと5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を共重合させたポリエステルを
用いて、それら2種類以上のポリエステルを溶融混合紡
糸されてなるポリエステル中空短繊維であって、DSC
により測定される該ポリエステル中空短繊維の昇温融点
ピークが少なくとも2つ以上あり、該融点ピーク面積の
最も大きいもののピーク面積(D1)と2番目に大きいも
ののピーク面積(D2)の比が下式(1)を満たす抗ピル性を
有するポリエステル中空短繊維である。
【0008】0.3≦D2/D1≦1…(1)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル中空短繊維
は、DSCにより測定される融点の異なるポリエステル
を少なくとも2種類以上溶融混合紡糸されてなり、DS
Cにより測定される昇温融点ピークを少なくとも2つ以
上有するものである。
【0010】本発明において、ポリエステルの融点ピー
ク面積はポリエステル固有の単位重量当たりの融解熱量
と比例し、溶融混合したポリエステルが相互に干渉しな
い場合、混合溶融されてなる繊維のDSC測定を行うと
混合したポリエステルの各々の融点ピークが出現するの
で好ましい。しかし、溶融混合した異なる融点を保有す
るポリエステルが相互にエステル交換反応を起こし該交
換反応が促進されると、各々のポリエステルが単一のポ
リエステルに変成され、混合溶融されてなる繊維のDS
Cにより測定される融点ピークが単一になることがあ
り、2種類以上のポリエステルを溶融混合した効果が消
失し、本発明の目的が達せられなくなるので好ましくな
い。つまり混合する前の2種類以上のポリエステルの融
点が異なっていても、溶融混合紡糸する際に各々のポリ
エステルが相互にエステル交換反応を起こして単一のポ
リエステルに変性されると、溶融混合紡糸されてなるポ
リエステル中空短繊維のDSCにより測定される融点ピ
ークが1つになることがあり、本発明の抗ピル性を発現
することが出来なくなるので好ましくない。
【0011】本発明において、上記のエステル交換反応
の抑制は、各々のポリエステルが溶融混合される時間を
短くすることで可能となるので、各々のポリエステルを
溶融混合している時間は30分以下が好ましく、20分
以下であれば更に好ましい。
【0012】本発明のポリエステル中空短繊維のDSC
により測定される2個以上の融点ピークの最も大きいも
ののピーク面積(D1)と2番目に大きいもののピーク面
積(D2)の比は0.3以上1以下である。該ピーク面積比が
0.3未満であると2種以上のポリエステルを溶融混合し
た効果が低減し、本発明の抗ピル性を発現することが出
来ないので好ましくない。
【0013】該ピーク面積比は好ましくは0.5以上1以
下、より好ましくは0.7以上1以下である。該ピーク面
積は各々のポリエステルの単位重量当たりの融解熱に比
例するので、該面積比を0.3以上にするには、溶融混合
される2種類以上のポリエステルの重量混合比率を変え
ることによって可能となる。但し、溶融混合している時
間が長いと各々のポリエステルがエステル交換反応を起
こし、各々のポリエステル固有の融点ピークが消失し1
つの融点ピークになるので好ましくなく、溶融混合して
いる時間は30分以下が好ましく、20分以下であれば
更に好ましい。
【0014】本発明において、DSCにより測定される
融点の異なる少なくとも2種類のポリエステルの混合
ポリマーとして、(1)エチレングリコールとテレフタル酸により合成さ
れた未変性ポリエステル、と (2)エチレングリコールとテレフタル酸に第3成分を
共重合した変性ポリエステル、特に、本発明者らの各種
知見によれば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共
重合させたポリエステル、の混合ポリマーを用いること
が重要である。 ポリマーを混合する好ましい方法とし
て、2種以上のポリマーを別々に溶融し、ミキサーで混
練する方法、2種以上のポリマをチップの状態で混合
し、溶融する方法などを用いることができる。
【0015】本発明において、溶融混合紡糸する各々の
ポリエステルに、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料な
どの添加物を含有させてもよい。
【0016】本発明のポリエステル短繊維は、上述した
ように、DSCにより測定される融点の異なるホモポリ
エステルと5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合
させたポリエステルを用いて、それら2種類以上のポリ
エステルを溶融混合紡糸して、中空形状の短繊維とする
ことで、繊維強度を低下させなくとも抗ピル性能を有す
るのである。本メカニズムは明確ではないが、従来のピ
ル脱落による抗ピル性能に対し、本発明の短繊維はピル
生成段階での単糸間の絡みを抑制する機能を有している
ものと考えられる。
【0017】本発明のポリエステル短繊維の中空率は1
0%以上40%未満であれば好ましい。中空率が40%
以上になると中空の潰れが生じるので好ましくない。ま
た、10%未満であると本発明でいう抗ピル性を発現す
ることが出来ないので好ましくない。
【0018】本発明のポリエステル中空短繊維の引っ張
り強度は2.5cN/dtex以上であれば好ましく、より好
ましくは3.0cN/dtex以上である。引っ張り強度が
2.5cN/dtex未満であると、該繊維を織物・編物など
に加工する際に、糸切れなどによる工程トラブルが多く
なり生産性が低下するので好ましくない。
【0019】また本発明のポリエステル中空短繊維の切
断伸度は50%以下が好ましく、より好ましくは45%
以下である。切断伸度が50%を越えると捲縮特性が低
下し、実用に供することが困難となるので好ましくな
い。
【0020】本発明のポリエステル中空短繊維は、織
物、編物、不織布などにも適用することができるが、そ
の主用途は織編物用途であることが好ましい。
【0021】本発明のポリエステル中空短繊維を紡績糸
に加工し、織編物用途に適用した場合、アルカリ減量処
理されていないことが好ましい。アルカリ減量処理とは
例えば有機スルホン酸金属塩を共重合したポリマーより
なる繊維をアルカリ減量処理して、繊維表面上に繊維軸
方向に特殊な筋状溝を形成させ、フィブリルを生成させ
たり、繊維同士の摩擦の度合いを高くして、キシミ感を
付与させたりと絹の風合いに近似させることを主な目的
とした処理のことであり、本発明でアルカリ減量処理を
行うと、繊維強度を低下させてしまうこととなり、本発
明の目的である抗ピル性を保持しながらも繊維の強度を
高くして該繊維を用いてなる織編物の耐久性を上げる効
果が損なわれるため好ましくない。
【0022】本発明のポリエステル中空短繊維を少なく
とも用いてなる布帛は、ICI法による抗ピル試験時の時
間−抗ピル性のグラフにおいて極小となる点を有さず、
かつ5時間試験後の抗ピル性が3級以上であることが好
ましい。
【0023】本発明の布帛を構成する他の繊維の種類は
特に限定されるものではなく、ポリエステル、アクリ
ル、ポリアミド、レーヨン、綿、麻、ウール、絹の少な
くとも一種を用いたものが、本発明の効果を最大限に発
揮できるので好ましい。特に、ポリエステル100%、
ポリエステル/レーヨン混、ポリエステル/ウール混、
などが好ましい。
【0024】織物は紡績糸100%で構成されるものが
好ましいが、タテ糸に長繊維、ヨコ糸に紡績糸を用いた
交織織物、織物組織は、ツイル、平織、サテン、ベネシ
ャン等が好ましい。編み物は、インターロック、モック
ミラノリブ、天竺組織が効果が発揮されるので好ましい
が、特に限定されるものではない。
【0025】本発明の布帛状態は特に限定されるもので
はないが、織物、編物、不織布が本発明の効果がよく発
揮できるので好ましい。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
【0027】A.ICI法による抗ピル試験(JIS
L1076に従う) 約10cm×約11cmの試験片を4枚採取する。試験
片の短片方向に表を外側にして張力を与えずに自然の状
態でICI形ピリング測定機(JIS L1076)のゴム管
に巻き、白綿糸で縫い付け、幅1.8cmのセロテープ
でゴム管の端がかくれないように試験片の両端を留め
る。試験片を巻き付けたゴム管を4個1組としてICI
ピリング試験機の回転箱に入れ、所定時間回転する。回
転を止めてゴム管を取り出し、試験片をゴム管から取り
外し、軽くブラッシングしてコルクなどの付着物を除去
した後、織物の場合は織物判定標準写真、編み物の場合
は編物判定標準写真と対比して区分し、4枚の平均値で
表す。
【0028】ピリング発生状態と等級との関係は次に示
す通りである。1〜5級の5段階評価した。判定の結果
が、二つの級の中間にある場合は、例えば、4−5級の
ようにハイホンで二つの級をつないで表す。
【0029】 5級 ピリングの発生が殆どなく極めて良好 4級 〃 が少々あるが、良好 3級 〃 がかなりあるもの 2級 〃 が多く、やや不良 1級 〃 が著しく多く不良 B.固有粘度 オルトクロロフェノール10mlに対してポリマー0.
1gを溶解して温度25℃でオストワルド粘度計を使用
して測定した。
【0030】C.DSC測定 パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Pyris1)を
用いて10℃/分で昇温したときの融点ピークおよびピ
ーク面積を測定した。
【0031】D.引っ張り強度、切断伸度 JIS−L−1015に準じて行った。 実施例1 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
トと、固有粘度[η]が0.64で、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸2.5モル%共重合した変性ポリエス
テルとを重量比で1:1でブレンドし、溶融滞留時間を
10分として中空用口金で吐出し、未延伸糸を1400
m/minの速度で巻き取った。紡糸性は糸切れもなく良好
であった。この未延伸糸を3.1倍、90℃で液浴延伸
を行い、次いで120℃で弛緩熱処理を行って2.8dt
exの繊維とした。この繊維を38mmの長さにカットし
た原綿を得た。該原綿の中空率は22%、原綿の引っ張
り強度は3.3cN/dtex、切断伸度は38%であ
った。また該原綿の融点をDSCで測定すると251℃
と244℃に2個の融点ピークがあった。また該2個の
融点ピーク面積比は0.92であった。
【0032】該原綿をカード、練条、粗紡、精紡を経て
30’sの紡績糸を得た。
【0033】該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工
し、抗ピル性を評価した結果、ICI法5時間試験にお
ける抗ピル性は4級であった。 実施例2 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
トと、固有粘度[η]が0.64で、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸2.5モル%共重合した変性ポリエス
テルとを重量比で7:3でブレンドした以外は実施例1
と同じ方法で原綿を得た。紡糸性は糸切れもなく良好で
あった。中空率は21%、原綿の引っ張り強度は4.5
cN/dtex、切断伸度は31%であった。
【0034】また該原綿の融点をDSCで測定すると2
51℃と244℃に2個の融点ピークがあった。また該
2個の融点ピーク面積比は0.39であった。
【0035】該原綿をカード、練条、粗紡、精紡を経て
30’sの紡績糸を得た。
【0036】該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工
し、抗ピル性を評価結果、ICI法5時間試験における
抗ピル性は3級であった。 実施例3 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
トと、固有粘度[η]が0.64で、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸2.5モル%共重合した変性ポリエス
テルとを重量比で6:4でブレンドした以外は実施例1
と同じ方法で原綿を得た。紡糸性は糸切れもなく良好で
あった。中空率は21%、原綿の引っ張り強度は4.0
cN/dtex、切断伸度は37%であった。
【0037】また該原綿の融点をDSCで測定すると2
51℃と244℃に2個の融点ピークがあった。また該
2個の融点ピーク面積比は0.61であった。
【0038】該原綿をカード、練条、粗紡、精紡を経て
30’sの紡績糸を得た。
【0039】該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工
し、抗ピル性を評価結果、ICI法5時間試験における
抗ピル性は3級であった。 比較例1 紡糸における口金を中空でない丸断面用の口金を用いた
以外は実施例1と同じ方法で原綿を得た。中空率は0
%、原綿の引っ張り強度は3.3cN/dtex、切断
伸度は38%であった。
【0040】また該原綿の融点をDSCで測定すると2
51℃と244℃に2個の融点ピークがあった。また該
2個の融点ピーク面積比は0.92であった。
【0041】該原綿をカード、練条、粗紡、精紡を経て
30’sの紡績糸を得た。
【0042】該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工
し、抗ピル性を評価した結果、ICI法5時間試験にお
ける抗ピル性は1級であった。 比較例2 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
トと、固有粘度[η]が0.64で、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸2.5モル%共重合した変性ポリエス
テルとを重量比で8:2でブレンドした以外は実施例1
と同じ方法で原綿を得た。中空率は21%、原綿の引っ
張り強度は5.0cN/dtex、切断伸度は35%で
あった。また該原綿の融点をDSCで測定すると251
℃と244℃に2個の融点ピークがあった。また該2個
の融点ピーク面積比は0.25であった。
【0043】該原綿をカード、練条、粗紡、精紡を経て
30’sの紡績糸を得た。
【0044】該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工
し、抗ピル性を評価した結果、ICI法5時間試験にお
ける抗ピル性は1級であった。 比較例3 固有粘度[η]が0.5のポリエチレンテレフタレート
単独を紡糸における口金を中空でない丸断面用の口金を
用いて紡糸した以外は実施例1と同じ方法で原綿を得
た。原綿の引っ張り強度は2.4cN/dtex、切断
伸度は38%であった。原綿の引っ張り強度は低く、紡
糸時の糸切れが多発し紡糸性は悪かった。該原綿をカー
ド、練条、粗紡、精紡を経て30’sの紡績糸を得た。
該紡績糸を筒編み(天竺20G)に加工し、抗ピル性を
評価した結果、ICI法5時間試験における抗ピル性は
2級であった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、従来のピル生成、脱落
という抗ピル発現と全く異なり、繊維強度が高くかつピ
ルそのものが生成しにくいポリエステル短繊維と、さら
に該ポリエステル短繊維を用いて得られる抗ピル性に優
れた布帛を提供することができたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−260243(JP,A) 特開 平7−157916(JP,A) 特開 平9−318729(JP,A) 特開 平7−173376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/92 307

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DSCにより測定される融点の異なるホモ
    ポリエステルと5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共
    重合させたポリエステルを用いて、それら2種類以上の
    ポリエステルを溶融混合紡糸されてなるポリエステル中
    空短繊維であって、DSCにより測定される該ポリエス
    テル中空短繊維の昇温融点ピークが少なくとも2つ以上
    あり、該融点ピーク面積の最も大きいもののピーク面積
    (D1)と2番目に大きいもののピーク面積(D2)の比が下
    式(1)を満たすことを特徴とするポリエステル中空短繊
    維。 0.3≦D2/D1≦1…(1)
  2. 【請求項2】ポリエステル中空短繊維の中空率が10%
    以上40%未満であることを特徴とする請求項1に記載
    のポリエステル中空短繊維。
  3. 【請求項3】ポリエステル中空短繊維の引っ張り強度が
    2.5cN/dtex以上であり、かつ切断伸度が50%以下
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ
    エステル中空短繊維。
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