JP2000303283A - 長短複合糸 - Google Patents

長短複合糸

Info

Publication number
JP2000303283A
JP2000303283A JP11102316A JP10231699A JP2000303283A JP 2000303283 A JP2000303283 A JP 2000303283A JP 11102316 A JP11102316 A JP 11102316A JP 10231699 A JP10231699 A JP 10231699A JP 2000303283 A JP2000303283 A JP 2000303283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
long
fiber
short
composite yarn
polylactic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11102316A
Other languages
English (en)
Inventor
Kakuji Murakami
確司 村上
Yoshitaka Aranishi
義高 荒西
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11102316A priority Critical patent/JP2000303283A/ja
Publication of JP2000303283A publication Critical patent/JP2000303283A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリ乳酸繊維を長繊維成分とし、ポリ乳酸を含
む再生繊維、半合性繊維、天然繊維を短繊維成分とする
長短複合糸で、ソフトでありながらヌメリのない布帛性
能を発揮し、しかも環境にやさしく対応しうる素材を提
供する。 【解決手段】糸条の少なくとも1部にポリ乳酸からなる
フラットもしくは捲縮を有する繊維糸条を用いてなる長
短複合糸であって、この長短複合糸は、ポリ乳酸からな
る長繊維と、ポリ乳酸繊維、再生繊維、半合成繊維およ
び天然繊維より選ばれた少なくとも1種の短繊維とから
なる長短複合糸である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸条の一部に少な
くともポリ乳酸繊維を用いてなる長短複合糸に関する。
さらに詳しくは、本発明は、長繊維成分にポリ乳酸繊維
を用いてなる長短複合糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣料用の糸条といえば、長繊
維糸条や紡績糸条、さらには長短複合糸条が主流をなし
ている。この中で、長短複合糸条は高度な衣料設計に欠
くことが出来ない。長短複合糸条を構成する長繊維には
通常ポリエステル繊維やポリアミド繊維が用いられ、ま
た短繊維には天然繊維をはじめ再生繊維、半合成繊維等
が用いられている。ここで、長短複合糸条の設計思想
は、機械的性質、耐久性能やウオッシュアンドウエア性
に優れる合成繊維の特性と、合成繊維にはない吸湿性や
着用快適性などに優れる天然繊維の特性とを、優性的に
結合しようとするものである。
【0003】しかしながら、このような合成繊維を長繊
維として用いた長短複合糸条からなる衣料の着用風合い
は、用いる合成繊維をポリエステル繊維とした場合は、
繊維のヤング率が高いために布帛が硬く、また用いる合
成繊維をポリアミド繊維とした場合は、繊維のヤング率
が低いために布帛はソフトであって良い反面、張りや腰
がなく、特有のヌメリ感が大きいという問題点をそれぞ
れ有している。前者は細繊度化やアルカリ減量技術、そ
して後者は太繊度化、繊維断面の異形化、あるいは撚り
糸技術により、改善を計って何とか凌いでいるというの
が現状である。なお、これらの合成繊維に関する様々な
改善技術は古くから数多く提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
ポリエステル繊維とポリアミド繊維が持つ本質的な欠点
を解消し、ソフトでかつヌメリのない衣料用に好適な長
短複合糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するため、次の構成を有する。すなわち、本発明の
長短複合糸は、糸条の少なくとも1部にポリ乳酸からな
るフラットもしくは捲縮を有する繊維糸条を用いてなる
長短複合糸であって、該長短複合糸は、ポリ乳酸からな
る長繊維と、ポリ乳酸繊維、再生繊維、半合成繊維およ
び天然繊維より選ばれた少なくとも1種の短繊維とから
なることを特徴とする長短複合糸である。
【0006】この場合、該長短複合糸の断面形状におい
て、長繊維と短繊維の集合状態が、サイドバイサイド、
芯鞘もしくは混合分散のいずれかである長短複合糸であ
ってもよい。また、該長短複合糸は側面形態において、
長繊維と短繊維の集合状態が、長短交互出現、長繊維カ
バリング、短繊維カバリングもしくは長短ランダム出現
のいずれかである長短複合糸であってもよい。さらに、
該長短複合糸は実撚りを有しており、該実撚数の範囲は
実撚の撚り係数(K)において、1.2〜8.5である
長短複合糸であることが好ましい。但しここにおいて、
T=KN1/2(T:1吋当たりの撚り数、K:撚り係
数、N:英国式綿番手)である。
【0007】さらに、本発明にあっては、短繊維として
ポリ乳酸繊維の短繊維はもちろんのこと、綿繊維とポリ
乳酸繊維、レーヨン繊維とポリ乳酸繊維、ウール繊維と
ポリ乳酸繊維に見られるように、ポリ乳酸繊維の長繊維
と生分解を可能ならしめる短繊維との組み合わせによる
長短複合糸が特に好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をさら
に詳しく説明する。
【0009】本発明のポリ乳酸とは、L−乳酸を主成分
とするポリエステルを意味する。ここで、L−乳酸を主
成分とするとは、構成成分の60重量%がL−乳酸より
なることを意味しており、40重量%を超えない範囲で
D−乳酸を含有するポリ乳酸ポリマーであってもよい。
ポリ乳酸繊維を用いることによって、ソフト性と生分解
性を向上させることができる。このソフト性は、脂肪族
ポリエステルであるポリ乳酸からなる繊維のヤング率
が、例えば芳香族ポリエステル繊維のヤング率に比べ、
明確に低いことに起因している。
【0010】ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸および
/またはD−乳酸を原料として、一旦環状二量体である
ラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う二段階の
ラクチド法と、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料
として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法
が知られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いず
れの製法によって得られたポリ乳酸であってもよい。
【0011】強度等の特性を良好とするために、ポリ乳
酸の平均分子量は高いほど好ましく、通常少なくとも5
万、好ましくは少なくとも10万、より好ましくは10
〜30万である。平均分子量が5万よりも低い場合には
繊維の強度物性が低下するため好ましくない。
【0012】また、本発明で用いられるポリ乳酸は、融
点が130℃以上であることが望ましい。融点が130℃より
も低い場合には、染色加工時、熱セット時および摩擦加
熱時に溶融欠点が生じるなど、製品の品位が著しく低い
物となるため、衣料用途に用いるには問題を生じること
がある。本発明で用いられるポリ乳酸の融点は、好まし
くは150℃以上であり、さらに好ましくは融点が165℃以
上である。ここで融点とは、DSC測定によって得られた
溶融ピークのピーク温度を意味する。
【0013】また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳
酸の他にエステル形成能を有するその他の成分を共重合
した共重合ポリ乳酸であっても良い。共重合可能な成分
としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプ
ロン酸等のヒドロキシ酸類の他、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオベンチル
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリール等の分子
内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘
導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸および5−テトラブ
チルホスホニウムイソフタル酸等の分子団に複数のカル
ボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙
げられる。また、溶融粘度を低減させるため、ポリカプ
ロラクトン、ブチレンサクシネート、ポリエチレンサク
シネートのような脂肪族ポリエステルポリマーを内部も
しくは外部可塑剤として用いることができる。
【0014】さらに、ポリ乳酸には、艶消し剤、消臭
剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、着色剤として無
機粒子や有機化合物を必要に応じて添加することができ
る。
【0015】本発明のこれらポリ乳酸からなる繊維の断
面形状、表面形態、捲縮の有無、捲縮形状、太細形状な
ど、および繊維性条や強伸度特性などは、何ら制約を受
けるものではない。ただ、強度は製糸性や工程通過性の
点から3.0g/d以上であることが好ましく、4.0
g/d以上がなお好ましい。強度が3.0g/dより低
くなると、擦り作用によって毛羽や糸切れが発生するこ
とがあり好ましくない。 また、本発明のポリ乳酸繊維
の単糸繊度の範囲は0.1〜10.0デニールが好まし
く、より好ましくは1.0〜5.0デニールである。単
糸繊度が0.1dより小さい場合は、衣料用の布帛とし
ては張り腰がなくなる点で、また10.0デニールを超
える場合は逆に張り腰が強くなりすぎるために好ましく
ない。
【0016】一方、本発明の短繊維成分として用いられ
る再生繊維としては、セルロース系のレーヨン、キュプ
ラ、けん化アセテートなどがあり、タンパク質系では、
牛乳、大豆、落花生、トウモロコシ由来の各タンパク質
系繊維や再生絹糸などが挙げられる。また半合成繊維と
しては、セルロース系では、ジアセテート、トリアセテ
ートなどのセルロースアセテート繊維等が挙げられる。
【0017】次に、撚物布帛に用いられる糸条の撚りに
ついて述べると、本発明の長短複合糸の撚りとしては、
T=KN1/2(K:撚り係数、1吋当たりの撚り回数、
N:英国式綿番手)の式において、撚り係数Kが2.0
以上8.5以下であることが好ましく、より好ましくは
2.8以上4.0以下である。撚り係数Kが2.0未満
では、安定した撚り込みができず糸切れが多発し、操業
性だけでなく、精紡時のトラベラーをはじめ後の工程通
過時において、しごきネップや、長繊維と短繊維とが分
離(グリムスルーという)現象を起こしやすくなり、品
質も悪化して好ましくない。一方、撚り係数Kが8.5
を超えると撚り込みが安定し、糸切れなど糸を作る上で
の操業性は問題ないが、リワインドする際に輪抜けやト
ルクが強すぎるために安定した糸条解舒ができずワイン
ダーでの操業性が極端に悪くなり、好ましくない。ま
た、糸品質の観点では、撚りによって締まりすぎるた
め、糸自身が硬くなりすぎ風合い的にも好ましくない。
【0018】次に、本発明の長繊維と短繊維の長/短成
分の比率について述べるならば、重量比率において長繊
維/短繊維が、10〜90/90〜10であることが好
ましい。長短複合糸のバランス上からは、より好ましく
は30〜70/70〜30である。
【0019】また、糸番手は好ましくは10〜120S
(英国式綿番手)であって、用途によって適宜選択すれ
ばよい。例えば、シャーティング用途ならば40s、ジ
ーンズであれば10Sないし20Sになる。また、ハイ
ゲージのニットならば80Sないし100Sのような細
番手が好ましく用いられる。
【0020】本発明のポリ乳酸からなる長繊維糸状にあ
っては、延伸糸をそのまま用いて捲縮を有さないフラッ
トな繊維として用いても良いし、3次元捲縮を有する仮
撚加工(1段ヒーター)やモディファイド加工(2段ヒ
ーター)を施し、或いは2次元捲縮である押し込み加工
を施した捲縮を有する繊維として用いても良い。また、
必要に応じて、ニットデニットや圧搾空気を利用したル
ープ形成処理、あるいは交絡形成処理を施した糸条を用
いても良い。
【0021】また、本発明の長短複合糸に供せられる短
繊維としては、繊維長は30〜200mm程度が好まし
いが、紡績方式によって、さらに長い繊維長の300や
400mmの繊維長の短繊維が用いられるケースもあ
る。
【0022】短繊維の本数としては、最低20本あるこ
とが望まれる。さらに好ましくは40本以上がよい。2
0本より少なくなると長繊維との撚り込みが安定せず、
均整な糸質が確保できないので好ましくない。
【0023】次に、本発明の長短複合糸の断面形態と糸
形成方法の関係について述べるならば、サイドバイサイ
ド型の複合糸は、紡績工程の精紡工程において、精紡機
のフロントローラーにポリ乳繊維の長繊維を供給し、フ
リースと共に送り出し、次いで撚合することによって得
られる。長繊維カバリング型とSFカバリング型の長短
複合糸は、撚合時に長繊維と短繊維間に相対的な糸長差
を付与することによって得られる。また、長繊維の単繊
維と短繊維の単繊維が混合分散した長短複合糸は、長繊
維糸条のマルチフィラメントを開繊させて、先の短繊維
フリースを撚合することによって得られる。
【0024】また、本発明の長短複合糸の側面形態につ
いて述べるならば、複合糸軸方向に長繊維束、短繊維束
が繰り返し出現する「長短交互出現」構造とすることが
できる。この構造は長繊維束と短繊維束を撚り合わせる
際に、繊維断面方向において均一に繊維マイグレーショ
ンが生じることによって出現する。
【0025】また、短繊維束は内層領域内で、長繊維束
は外層部領域内でそれぞれマイグレートし、実質的に短
繊維束と長繊維束が混ざり合わない構造とすることもで
きる。この構造には長繊維束が外層に存在する「長繊維
カバリング」構造と短繊維束が外層に存在する「短繊維
カバリング」構造がある。
【0026】さらには、電気開繊方法などにより開繊し
てフリース状とした短繊維を長繊維束に撚り込み、「長
短ランダム出現」構造とすることもできる。
【0027】本発明において、少なくともポリ乳酸繊維
の長繊維を用いる目的は、ポリエステル繊維対比低ヤン
グ率、低比重、高発色性というポリ乳酸繊維の利点を活
かすことに加え、環境保全の観点での配慮、すなわち自
然環境中において容易に分解する素材とすることにもあ
る。その意味で、短繊維にあっても、ポリ乳酸100%
の長短複合糸は別にして、生分解速度の問題はあるもの
の、合繊対比その能力において優れた性能を有する短繊
維を意識的に選択している点に本発明の特徴がある。
【0028】具体的に本発明の長短複合糸にあっては、
ポリ乳酸からなる長繊維と、綿繊維、レーヨン繊維およ
びウール繊維のような生分解性能のある短繊維とからな
る長短複合糸が特に好適である。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより詳しく説
明する。 [実施例1]長繊維糸条として、ポリ乳酸繊維(重量平
均分子量18.5万、L体比率95重量%、D体比率5
重量%))からなる75デニール36フィラメントのマ
ルチフィラメント糸条を用い、これに短繊維としてポリ
乳酸繊維からなる1.5デニール、38mmを供給し、
「長短交互複合」型の長短複合糸を作った。紡出番手は
40Sで、撚り係数Kは3.5(撚数=22.1回/
吋)とした。長繊維/短繊維の比率は56/44であっ
た。
【0030】得られた長短複合糸を経緯糸に用い、経密
度125本/吋、緯密度74本/吋の平織りを試作し、
常法にて染色仕上げ加工(染色温度は130℃)を行っ
た。本実施例で得られた織物の仕上げ密度は、それぞれ
138本/吋、79本/吋であった。得られた織物は、
ソフトでヌメリのない風合いを呈した高級感あふれる布
帛であった。 [比較例1]ポリ乳酸繊維の代わりにポリエチレンテレ
フタレート繊維を用いた他は、実施例1と同じ糸繊度、
フィラメント数の長繊維、同じ単糸繊度、繊維長の短繊
維として、しかも同一条件で長短複合糸を紡出した。得
られた複合糸は「長短交互複合」型であった。また、同
一規格で織物を試作したところ、実施例1対比で風合い
が硬くしかも合繊特有のヌメリをもった布帛であった。 [実施例2]ポリ乳酸ポリマー(重量平均分子量18.
5万、L体比率95重量%、D体比率5重量%)からな
る75デニール36フィラメントのマルチフィラメント
糸条を仮撚り捲縮付与加工した糸条を長繊維成分とし、
一方短繊維成分としてアップランド綿のコーマ綿を用
い、36Sの長短複合糸を試作した。長短複合糸のタイ
プは綿が表層を占める「短繊維カバリング」型(芯成分
は長繊維)とした。つまり、撚合時における長繊維の速
度を短繊維フリースの速度より4.7%遅くしながら供
給し長短複合糸を製造した。長繊維/短繊維の比率は5
1/49であった。 撚り係数Kは3.7(撚り数=2
2.2回/吋)とした。
【0031】なお、仮撚加工の主要条件は、仮撚数は3
200T/M、ヒーター温度は130℃、ヒーター長は
180cm、仮撚子直後の糸速度は450m/minで
あった。
【0032】得られた複合糸を24ゲージの丸編み機に
て、インターロック組織の編み地を得た。該編み地を常
法にて染色仕上げ加工を行ったところ、綿100%風合
いのタッチとなり、しかも芯成分の仮撚捲縮効果でバル
キー性とストレッチ性も兼ね備えた編み地が得られた。
当然従来ポリエステル加工糸対比でソフトな仕上がりの
編み地であった。加えて、寸法安定性にも優れていた。 [比較例2]ポリ乳酸繊維をポリエチレンテレフタレー
ト繊維に変えた他は、実施例2と同一スペックにて「短
繊維カバリング」型の長短複合糸、編み地を試作し、同
一条件で染色仕上げ加工を行った。なお、該長繊維成分
の仮撚加工条件も実施例2に合わせた。ここで得られた
編み地は、実施例1に対してバルキー性とストレッチ性
は優れているが、綿のカバリング性が悪く、表面タッチ
は綿100%の風合いではなくハーシュな感じの風合い
であった。また、芯糸のポリエチレンテレフタレート繊
維の持つ硬さが手伝って、全体的にごわごわした風合い
を有していた。 [実施例3]メリノウール(クオリティーナンバー6
4)を用い、ポリ乳酸繊維(50デニール24フィラメ
ントの黒原着)をカバリングした「短繊維カバリング」
型長短複合糸を試作した。紡出番手は1/48(英国式
綿番手に換算すると28.3S)で、撚り係数Kは2.
6回/吋(545回/m)とした。なお、撚合時長繊維
の供給速度を短繊維フリースより4.3%早く供給し
た。長繊維/短繊維の比率は26/74であった。
【0033】本実施例で得られた長短複合糸を用い2/
2綾の織物を製織した。仕上げ経糸密度は100本/
吋、仕上げ緯糸密度は57本/吋であった。この織物を
ウールに適した常法にて染色(黒染め)仕上げした。得
られた布帛は、ポリ乳酸繊維の長繊維特有の光沢を醸し
出した黒を呈した。また、ウールが芯部に配されている
ために、張り腰反発性のある布帛であった。 [実施例4]ポリ乳酸繊維からなる150デニール72
フィラメントのマルチフィラメント糸条と、短繊維に米
綿を用いて、英国式綿番手10Sの長短複合糸を紡出し
た。撚り係数Kは3.2とした。長短複合糸の断面形態
としては、両者が混合分散した「長短ランダム出現」タ
イプとした。長繊維/短繊維の比率は28/72であっ
た。
【0034】得られた長短複合糸を用いて2/1(3つ
綾)組織の織物を製織し、綿サイドを後染めし、経98
本/吋、緯58本のデニムを得た。このデニムは、ソフ
トながら適度な張りがある製品であった。また、シワに
なりにくく、先染めのストーンウオッシュ調の品位を呈
した。 [実施例5]長繊維にポリ乳酸繊維(75デニールー3
6フィラメント)、短繊維にセミダルタイプのレーヨン
ステープル(1.5d、38mm)を用い、「長繊維カ
バリング」型の36S(英国式綿番手)を紡出した。撚
り係数は3.7とし、撚合時における両者の相対速度比
は短繊維の供給速度に対し、1.047倍とした。長繊
維/短繊維の比率は53/47であった。
【0035】得られた糸を24ゲージの丸編み機で、モ
ックミラノリブを編み立て、染色仕上げしたところ、ソ
フトでドレープ性に優れた良好な風合いとなり、しか
も、発色性に優れたニットとなった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ乳酸繊維を長繊維
成分とし、ポリ乳酸を含む再生繊維、半合性繊維、天然
繊維を短繊維成分とする長短複合糸で、ソフトでありな
がらヌメリのない布帛性能を発揮し、しかも環境にやさ
しく対応しうる素材が提供される。また、本発明の長短
複合糸は、短繊維の種類によっては、生分解性能のある
長短複合糸となる。
【0037】本発明の長短複合糸は、衣料用途に好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 MA04 MA08 MA09 MA10 MA33 MA35 PA21 RA04 RA24 RA27 UA01 UA30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸条の少なくとも1部にポリ乳酸からなる
    フラットもしくは捲縮を有する繊維糸条を用いてなる長
    短複合糸であって、該長短複合糸は、ポリ乳酸からなる
    長繊維と、ポリ乳酸繊維、再生繊維、半合成繊維および
    天然繊維より選ばれた少なくとも1種の短繊維とからな
    ることを特徴とする長短複合糸。
  2. 【請求項2】長短複合糸の断面形態において、長繊維と
    短繊維の集合形態がサイドバイサイド、芯鞘もしくは混
    合分散のいずれかであることを特徴とする請求項1記載
    の長短複合糸。
  3. 【請求項3】長短複合糸の側面形態に関して、長繊維と
    短繊維の集合形態が長短交互出現、長繊維カバリング、
    短繊維カバリングもしくは長短ランダム出現のいずれか
    であることを特徴とする請求項1記載の長短複合糸。
  4. 【請求項4】実撚りを有することを特徴とする請求項1
    〜3いずれか1項に記載の長短複合糸。
  5. 【請求項5】実撚りの撚り係数(K)が、1.2〜8.
    5であることを特徴とする請求項4記載の長短複合糸。 ここにおいて、T=KN1/2 (T:1吋当たりの撚り数、K:撚り係数、N:英国式
    綿番手)。
  6. 【請求項6】長繊維と短繊維の長/短成分の比率を10
    〜90/90〜10とすることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の長短複合糸。
  7. 【請求項7】ポリ乳酸繊維と綿繊維を組み合わせたこと
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の長短
    複合糸。
  8. 【請求項8】ポリ乳酸繊維とレーヨン繊維を組み合わせ
    たことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の長短複合糸。
  9. 【請求項9】ポリ乳酸繊維とウール繊維を組み合わせた
    ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の長
    短複合糸。
JP11102316A 1999-04-09 1999-04-09 長短複合糸 Pending JP2000303283A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11102316A JP2000303283A (ja) 1999-04-09 1999-04-09 長短複合糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11102316A JP2000303283A (ja) 1999-04-09 1999-04-09 長短複合糸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000303283A true JP2000303283A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14324188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11102316A Pending JP2000303283A (ja) 1999-04-09 1999-04-09 長短複合糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000303283A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248444A (ja) * 1999-02-25 2000-09-12 Kanebo Ltd 繊維製品
JP2002173844A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Unitika Textiles Ltd 生分解性を有する2層構造紡績糸
JP2005009048A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Toyobo Co Ltd 複合紡績糸からなる生地および用途
JP2006291427A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Japan Wool Textile Co Ltd 複合撚糸及びこれを用いた織編物
CN105256422A (zh) * 2015-09-16 2016-01-20 太仓市良鑫化纤有限公司 一种悬垂挺括混纺纤维
WO2019078143A1 (ja) * 2017-10-17 2019-04-25 株式会社村田製作所 抗菌糸及び抗菌ファブリック
WO2020111049A1 (ja) * 2018-11-26 2020-06-04 株式会社村田製作所 抗菌撚糸、並びに抗菌撚糸を備える抗菌糸及び抗菌布
CN114622314A (zh) * 2022-01-21 2022-06-14 昌邑市华晨悦胜纺织有限公司 一种天然芳香抗菌柞蚕丝混纺纱及其生产工艺
CN114622316A (zh) * 2022-03-04 2022-06-14 安徽德和织造有限公司 一种毛衫用聚乳酸生物基功能包覆纱及其制备方法
WO2022242512A1 (zh) * 2021-05-21 2022-11-24 香港纺织及成衣研发中心有限公司 一种聚乳酸复合纱线及其制备方法和应用
EP4212657A1 (en) * 2022-01-14 2023-07-19 Calik Denim Tekstil San. Ve Tic. A.S. Textile substrate with enhanced biodegradability
JP7376328B2 (ja) 2018-11-26 2023-11-08 帝人フロンティア株式会社 抗菌撚糸、並びに抗菌撚糸を備える抗菌糸及び抗菌布

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248444A (ja) * 1999-02-25 2000-09-12 Kanebo Ltd 繊維製品
JP2002173844A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Unitika Textiles Ltd 生分解性を有する2層構造紡績糸
JP2005009048A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Toyobo Co Ltd 複合紡績糸からなる生地および用途
JP2006291427A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Japan Wool Textile Co Ltd 複合撚糸及びこれを用いた織編物
JP4567512B2 (ja) * 2005-04-14 2010-10-20 日本毛織株式会社 夏物清涼衣類
CN105256422A (zh) * 2015-09-16 2016-01-20 太仓市良鑫化纤有限公司 一种悬垂挺括混纺纤维
US11326279B2 (en) 2017-10-17 2022-05-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antibacterial yarn and antibacterial fabric
WO2019078143A1 (ja) * 2017-10-17 2019-04-25 株式会社村田製作所 抗菌糸及び抗菌ファブリック
WO2020111049A1 (ja) * 2018-11-26 2020-06-04 株式会社村田製作所 抗菌撚糸、並びに抗菌撚糸を備える抗菌糸及び抗菌布
JP7376328B2 (ja) 2018-11-26 2023-11-08 帝人フロンティア株式会社 抗菌撚糸、並びに抗菌撚糸を備える抗菌糸及び抗菌布
US11946172B2 (en) 2018-11-26 2024-04-02 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antibacterial twisted yarn, and antibacterial yarn and antibacterial cloth including antibacterial twisted yarns
WO2022242512A1 (zh) * 2021-05-21 2022-11-24 香港纺织及成衣研发中心有限公司 一种聚乳酸复合纱线及其制备方法和应用
EP4212657A1 (en) * 2022-01-14 2023-07-19 Calik Denim Tekstil San. Ve Tic. A.S. Textile substrate with enhanced biodegradability
WO2023135258A1 (en) * 2022-01-14 2023-07-20 Calik Denim Tekstil San. Ve Tic. A.S. Textile composite with enhanced biodegradability
CN114622314A (zh) * 2022-01-21 2022-06-14 昌邑市华晨悦胜纺织有限公司 一种天然芳香抗菌柞蚕丝混纺纱及其生产工艺
CN114622314B (zh) * 2022-01-21 2023-10-03 昌邑市华晨悦胜纺织有限公司 一种天然芳香抗菌柞蚕丝混纺纱及其生产工艺
CN114622316A (zh) * 2022-03-04 2022-06-14 安徽德和织造有限公司 一种毛衫用聚乳酸生物基功能包覆纱及其制备方法
CN114622316B (zh) * 2022-03-04 2023-09-01 安徽德和织造有限公司 一种毛衫用聚乳酸生物基功能包覆纱及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4339760B2 (ja) 混繊糸および織編物
US20050202741A1 (en) Woven or knit fabric and process for producing the same
WO2002074111A1 (fr) Sous-vêtement
JP2000303283A (ja) 長短複合糸
JP2006214056A (ja) 織物
JP2000234235A (ja) 撚物布帛
JP2001064839A (ja) 長短複合糸
JP3988422B2 (ja) 複合布帛の製造方法
JP2005299075A (ja) 肌着
JP2001295165A (ja) ストレッチ編地
JPH11181650A (ja) 裏 地
JP2000226734A (ja) 複合繊維、混繊糸および織編物
JP2002249938A (ja) 脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸とその製造方法
JP4771503B2 (ja) 運動着
JP2002138342A (ja) ポリ乳酸繊維構造物
JP4708851B2 (ja) ポリ乳酸繊維編織物とその製造方法
JP2002069707A (ja) 肌 着
JP2007321319A (ja) 長短複合紡績糸およびそれからなる布帛
JP2007070768A (ja) 紡績糸および織編物
JP3676026B2 (ja) 伸縮性起毛編み地
JP2009191437A (ja) ストレッチ編地を用いたスポーツウエア
JP2009191438A (ja) ストレッチ編地を用いたアウターウエア
KR100859085B1 (ko) 폴리에스테르 혼섬사 및 그 제조방법
JP4100486B2 (ja) ストレッチシャツ地
KR101496377B1 (ko) 실크견용 용출형 복합섬유 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080902