JP2002249938A - 脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸とその製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸とその製造方法

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直規 小田
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルマル
チフィラメントの伸度の異なるの芯糸と鞘糸からなる行
程通過性に優れた芯鞘構造複合仮撚加工糸でありなが
ら、従来得られなかった高光沢と高発色性および優れた
ふくらみとキシミ感を有し、かつ自然環境中で容易に分
解する、特に衣料用繊維として好適な布帛製品を提供で
きる脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】融点が130℃以上の脂肪族ポリエステル
マルチフィラメントの伸度の異なる2種類のフィラメン
トをあわせて交絡した後、仮撚を施す脂肪族ポリエステ
ル複合仮撚加工糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルマルチフィラメントからなるポリエステル複合仮撚加
工糸及びその製造方法に関するものである。さらに詳し
くは本発明は、光沢、発色性および優れたふくらみとキ
シミ感を有する布帛製品を提供でき、かつ行程通過性に
優れた脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートをは
じめとする芳香族ポリエステルからなる合成繊維は、そ
の寸法安定性、ウオッシュアンドウエアー性等の特徴を
有するために、衣料用素材として薄地から中厚地にいた
るまで幅広く用いられている。また、テレフタル酸を主
たるカルボン酸成分とするこれら芳香族ポリエステル
は、自然環境中における耐久性が極めて高く、自然環境
中で容易に分解しないため廃棄に際しては焼却処理を行
なわない限り、半永久的に残存してしまうという欠点が
ある。本発明と同形態の複合仮撚加工糸としては、特開
昭63−196735号公報、特開昭63−18243
0号公報、特開平4−91241号公報および特開平7
−118976号公報などで提案されている複合仮撚加
工糸があるが、これらの複合仮撚加工糸はすべて芳香族
ポリエステルからなるもので、前述のような欠点があ
る。さらに、これらの複合仮撚加工糸は、例えば、追撚
時に撚糸機のトラベラーにより糸がしごかられると、鞘
糸が糸長方向にずれて偏在化し、製品の品位としては粗
硬な風合いや白スジなどの原因となり、工程通過性とし
ては解舒不良や糸切れとなる、いわゆるネップの発生が
問題となっていた。
【0003】また、生分解性を有する加工糸は、特開平
7−11516号公報や特開平10−88425号公報
に提案されているが、捲縮付与の手段として、前者の場
合は加熱空気による捲縮ノズルを使用しているため衣料
用に適した細繊度の加工が極めて困難であり、また、後
者の場合はは収縮発現差のあるポリマーをサイドバイサ
イド状態あるいは偏心的に複合紡糸する提案であり、工
業的には製糸性の問題等があるものであった。
【0004】このような観点から、これまでに光沢、触
感、発色性および風合いに優れた衣料用繊維であって、
かつ自然環境中で容易に分解する素材は現在のところ得
られていないと言っても過言ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、従来得られなかった高光沢と高発色性および優れた
ふくらみとキシミ感を有し、かつ自然環境中で容易に分
解する、特に衣料用繊維として好適な布帛製品を提供で
き、かつ工程通過性にも優れた脂肪族ポリエステル複合
仮撚加工糸およびその製造方法を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の脂肪族ポリエス
テル複合仮撚加工糸は、上記の課題を解決するために次
の構成を有する。 [1]融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルマルチ
フィラメントの伸度の異なる芯糸と鞘糸からなる芯鞘構
造複合仮撚加工糸であって、該芯糸と該鞘糸が互いに交
絡し、かつ下記式を満足することを特徴とする脂肪族ポ
リエステル複合仮撚加工糸。
【0007】10≦Y値(交絡均斉度)≦40 2mm≦DLmax≦20mm Y値 : 1m当たりの交絡数/DLmax DLmax:1m当たりの非交絡部の最大長(mm) [2]上記脂肪族ポリエステルが、L−乳酸を主成分と
する易分解性ポリエステルである上記[1]の脂肪族ポ
リエステル複合仮撚加工糸。
【0008】また、本発明の脂肪族ポリエステル複合仮
撚加工糸の製造方法は、上記の課題を解決するために次
の構成を有する。 [3]融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルマルチ
フィラメントの伸度の異なる2種類のフィラメントをあ
わせて交絡した後、仮撚を施す脂肪族ポリエステル複合
仮撚加工糸の製造方法。 [4]融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルマルチ
フィラメントの2種類のフィラメントの伸度差が下記式
を満たす上記[3]のポリエステル複合仮撚加工糸の製
造方法。
【0009】40≦高伸度側の伸度(%)−低伸度側の
伸度(%)≦200
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル複
合仮撚加工糸は、伸度の異なる、融点が130℃以上の
脂肪族ポリエステルマルチフィラメントからなる芯糸と
鞘糸で構成されている。
【0012】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル複
合仮撚加工糸を構成する脂肪族ポリエステルは、融点が
130℃以上であることが必要である。融点が130℃
よりも低い場合には、単糸間の融着発生による延伸性不
良や、仮撚加工時の融着/糸切れ、織編物の染色加工時
や熱セット時および摩擦加熱時に溶融欠点が生じるな
ど、製品の品位が著しく低い物となるため、衣料用途に
好適に用いることができない。
【0013】また、本発明で用いられる脂肪族ポリエス
テルの融点は、好ましくは150℃以上であり、さらに
好ましくは160℃以上である。ここで融点とは、DS
C測定によって得られた溶融ピークのピーク温度を意味
する。
【0014】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル
は、DSC測定で得られる溶融ピークのピーク温度が1
30℃以上であれば特段の制約はなく、具体的には、ポ
リ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロ
ピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−
3−ヒドロキシブチレートバリレート、およびこれらの
ブレンド物、変性物等を用いることができる。これらの
脂肪族ポリエステル類は、生物分解性或いは加水分解性
が高いため、自然環境中で容易に分解されるという利点
をも有している。
【0015】ただし、本発明で用いられる脂肪族ポリエ
ステルの融点は高くても問題ないが、現状技術で生成さ
れるポリマーの最高融点は210℃であり、実際安定し
て生産できるポリマーの融点の最高温度は180℃であ
る。
【0016】また、本発明においては、高融点および低
屈折率の観点から望ましいポリマーとしては、L−乳酸
を主成分とするポリエステルであるポリ乳酸、およびグ
リコール酸を主成分とするポリエステルであるポリグリ
コール酸を挙げることができる。L−乳酸を主成分とす
るとは、構成成分の60重量%以上がL−乳酸よりなっ
ていることを意味しており、40重量%を超えない範囲
でD−乳酸を含有するポリエステルであってもよい。
【0017】ポリ乳酸の製造方法には、乳酸を原料とし
て一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後
開環重合を行なう二段階のラクチド法と、乳酸を原料と
して溶媒中で直接脱水縮合を行なう一段階の直接重合法
が知られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いず
れの製法によって得られたポリ乳酸であってもよい。ラ
クチド法によって得られるポリマーの場合には、ポリマ
ー中に含有される環状二量体が溶融紡糸時に気化して糸
斑の原因となるため、溶融紡糸以前の段階でポリマー中
に含有される環状二量体の含有量を0.1wt%以下と
することが望ましい。また、直接重合法の場合には、環
状二量体に起因する問題が実質的にないため、製糸性の
観点からはより好適であるといえる。
【0018】ポリ乳酸の平均分子量は高いほど好まし
く、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10
万、より好ましくは10〜30万である。平均分子量が
5万よりも低い場合には、繊維の強度物性が低下するた
め好ましくない。
【0019】さらに、本発明におけるポリ乳酸は、L−
乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他
の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共
重合可能な他の成分としては、グリコール酸、3−ヒド
ロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボ
ン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエ
チレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール
等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそ
れらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テト
ラブチルホスホニウムイソフタル酸等の分子内に複数の
カルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体
が挙げられる。
【0020】また、脂肪族ポリエステルの溶融粘度を低
減させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサク
シネート、およびポリエチレンサクシネートのような脂
肪族ポリエステルポリマーを内部可塑剤として、あるい
は外部可塑剤として用いることができる。さらには、艶
消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、着
色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて
添加することができる。
【0021】次に、本発明の脂肪族ポリエステル複合仮
撚加工糸の製造法を説明する。前述の材料からなる伸度
の異なる2種類の脂肪族ポリエステルマルチフィラメン
トを合わせて交絡処理し、その後に仮撚加工を施す。伸
度差を有する2種類のフィラメントを合わせて交絡処理
することにより仮撚加工に耐える程度の両フィラメント
間の固定を得ることが出来る。この交絡処理を施さずし
て仮撚り加工を行なうと、毛羽やタルミの発生の原因と
なる。この後、仮撚加工を行なうと、高伸度側のフィラ
メントの加工張力が低伸度側のフィラメントの加工張力
に比べ低くなるために、施撚体のトルクにより高伸度側
のフィラメントが鞘糸となって、芯糸となる低伸度側の
フイラメントに巻き付いた形状となる。脂肪族ポリエス
テルマルチフィラメントは従来のポリエチレンテレフタ
レートと比べ、加熱時には応力が低下、破断伸度が大き
くなる特性を有しており、施撚時に鞘糸が芯糸にしっか
りと巻き付き、仮撚後にも鞘糸と芯糸が分離することな
く交互撚状に強固に取り巻いた芯鞘構造となる。これに
より、後工程での工程通過性が向上する。鞘糸となる高
伸度側のフイラメントと鞘糸となる低伸度側のフィラメ
ントの伸度の差としては、 40≦高伸度側の伸度(%)−低伸度側の伸度(%)≦
200 であることが好ましい。ここで、伸度差が200%以上
の場合は、Y値(交絡均斉度)≦10、DLmax≧20
mmになる場合があり、仮撚加工糸の糸条がばらけ、こ
なれの劣った加工糸になったり、特に追撚時において撚
糸機のトラベラーにより糸がしごかれ、ネップとなった
り、編織物を形成したとき白スジとなったりする。伸度
差が40%以下の場合は、Y値(交絡均斉度)≧40、
DLmax≦2mmになる場合があり、芯糸と鞘糸の糸長
差が得られず、ふくらみの劣った、また交絡が入りすぎ
たために堅い織編み物になってしまう傾向を示す。
【0022】また、芯糸および鞘糸共に伸度の高いフィ
ラメントを用いて、片方のフィラメントをガラス転移温
度以上で熱ピンを介して延伸して伸度を低下させた後、
他方の伸度の高いままのフィラメントと複合仮撚加工を
施しても良い。
【0023】図1は、本発明の脂肪族ポリエステル複合
仮撚加工糸の製造工程の一例を示す模式図である。図1
において、フィードローラ1上で糸条A(芯糸)と糸条
B(鞘糸)を引き揃え、ノズル2にて、好ましくは、
0.1〜0.55MPaで交絡処理される。本発明での
交絡処理を施すノズルとしては、タスランノズルまたは
インターレースノズルのいずれを用いても良い。また、
より強固に交絡させるために、フィードローラ1とフィ
ードローラ3の間で0.5〜5.0%のオーバーフィー
ドを与えることが好ましい。交絡処理された糸条は、フ
ィードローラ3を経て、施撚体5によって仮撚されなが
ら、加熱ヒータ4に導入され熱セットされる。仮撚加工
に用いる施撚体としては、ピン、フリクション、ベルト
ニップのいずれを用いても良い。仮撚ヒーター温度は、
100℃以上、加工に用いるポリマーの融点より10℃
以上低い範囲とすることが好ましい。仮撚加工温度を1
00℃以下にすると、十分な捲縮が付与されず、加工に
用いるポリマーの融点付近にすると、脂肪酸ポリエステ
ルの熱収縮応力が低いために十分な加工張力が得られず
安定して加工できないことがある。加撚された加工糸
は、デリベリーローラ6を経て、テイクアップローラ7
に巻き取られる。
【0024】さらに、本発明の複合仮撚加工糸に実撚を
入れ、織物とした後、アルカリ処理による減量などを施
し、適度なハリ腰を出すこともできる。
【0025】本発明の脂肪族ポリエステル複合加工糸
は、屈折率が低いため高光沢と高発色性に優れ、摩擦抵
抗が高いため優れたキシミ感を有し、芯鞘構造をとる複
合加工糸の効果でふくらみを有する布帛を提供すること
ができる。
【0026】なお、本発明における脂肪族ポリエステル
の融点、脂肪族ポリエステル複合加工糸の交絡数および
伸度は、次の方法で測定するものである。
【0027】(1)融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC−7)
を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定し、得られ
た溶融ピークのピーク温度を融点とした。
【0028】(2)交絡測定 交絡数は、0.1g/dの張力下における1m当たりの
交絡部の数であり、0.02g/dの張力下で非交絡部
にピンを刺し、糸条1mにわたり0.1g/dの張力で
ピンを糸の長手方向の上下に移動させ、移動した距離を
非交絡部とし、そのうちの最大長をDLmaxとし、ピ
ンが止まる部分を交絡部とする。ここでは、糸条の未解
撚部も交絡部として数える。さらに、芯糸に鞘糸が36
0゜以上巻き付いた部分も交絡部として数える。すなわ
ち、DLmaxとは、1mの糸条において、これらの未
解撚部、360゜以上巻き付いた部分も含めて交絡部か
ら交絡部までの距離のうち最大の値である。この交絡均
斉度Y値は、同一糸条を最低5回好ましくは10回以上
測定し、その最小値と最大値を除いて平均して求めるの
が望ましい。この交絡均斉度が大きいということは、交
絡部の数が多く、しかも芯糸と鞘糸の絡んでない部分が
小さいことを意味する。逆に、交絡均斉度が小さいとい
うことは、交絡部が少ないか又は交絡部が多いが非交絡
部が大きいことを意味する。
【0029】複合仮撚加工糸において、交絡不十分であ
ると前記のように、芯糸と鞘糸が分離しやすく、こなれ
不良や、追撚時のネップ、編織物を形成したときの白ス
ジの原因となったりする。また、交絡が入りすぎると堅
い布帛になってしまう。従つて、交絡均斉度Y値は10
以上40以下、非交絡部の最大長DLmax.は、2m
m以上20mm以下でなければならない。
【0030】(3)伸度 JIS−L−1013、8.10に記載される引張伸度
測定に準じ定速伸長形引張試験機を用いた。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0032】(実施例1)融点が172℃で、屈折率が
1.45であるポリL−乳酸のチップを、60℃に設定
した真空乾燥器で48hr乾燥し、乾燥したチップを紡
糸温度220℃、紡糸速度3,000m/minで引き
取って伸度85.3%の122T−36Fの未延伸糸を
得た。得られた未延伸糸を延伸温度80℃、熱セット温
度115℃、延伸倍率1.45倍で延伸し、伸度35.
2%の84T−36Fの延伸糸とした。得られた未延伸
糸および延伸糸を、下記の条件で複合仮撚加工を行なっ
た。 糸速 : 400m 施撚体 : フリクションツイスター 仮撚方法 : S D/Y比 : 2.1 仮撚温度 : 120℃ 使用ノズル: インターレースノズル ノズル区間のオーバーフィード率:+2% ノズルの圧空圧:0.3MPa 延伸倍率:1.12 得られた加工糸は、Y値が25.9、DLmaxが9.2
であった。該加工糸に1200T/mの実撚を施した
後、その該加工糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて、経糸
密度76本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54
cmの平織物を作成し、100℃の浴中でリラックス精
練し、140℃のテンターでセット後、分散染料を使用
して115℃で染色し、130℃で仕上セットした。得
られた織物は見た目の光沢感、発色性に優れ、ふくらみ
がありキシミ感を有していた。また、この織物を家庭用
コンポストの中に2ヶ月間埋没しておいたところ、織物
の重量は12%減少し、引き裂き強力は928(g)か
ら493(g)まで約47%も減少していた。結果を表
1に示す。
【0033】(実施例2)仮撚温度を140℃、その他
の加工条件および染色条件は実施例1と同様の条件で同
密度織物を作成した。得られた加工糸は、Y値が26.
3、DLmaxが8.5であり、織物は実施例1と同様に
見た目の光沢感、発色性に優れ、ふくらみがありキシミ
感を有していた。また、加工糸表面に融着が発生し、適
度なシャリ感も有する織物となっていた。また、実施例
1と同様に、この織物を家庭用コンポストの中に2ヶ月
間埋没しておいたところ、織物の重量は12%減少し、
引き裂き強力は911(g)から465(g)まで約4
9%減少していた。結果を表1に示す。
【0034】(比較例1)比較例として、芯糸に83T
−24Fの伸度が32.2%、のポリエチレンテレフタ
レート延伸糸と鞘糸に106T−36Fの伸度が16
8.2%のポリエチレンテレフタレート半延伸糸を用い
て以下の条件で複合仮撚加工を行なった。 糸速 : 400m 施撚体 : フリクションツイスター 仮撚方法 : S D/Y比 : 1.7 仮撚温度 : 200℃ 使用ノズル: インターレースノズル ノズル区間のオーバーフィード率:+2% ノズルの圧空圧:0.3MPa 延伸倍率:1.07 得られた加工糸はY値が16.2、DLmaxが14.8
であり、該加工糸に対して、実施例と同じ織設計で織、
同じ条件で後加工を行ない織物を作成した。得られた織
物はふくらみはあるものの、キシミ感、発色性および光
沢性に乏しいものであった。また、追撚工程では加工糸
がしごかれネップとなったり、糸切れが発生した。さら
に、実施例と同様に、この織物を家庭用コンポストの中
に2ヶ月間埋没しておいたが、織物の重量及び引き裂き
強力は最初とほぼ同じ状態であった。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明は、生分解性を有しつつ、光沢、
発色性および優れたふくらみ感とキシミ感を有する布帛
製品を提供でき、かつ工程通過性の優れた脂肪族ポリエ
ステル複合仮撚加工糸であり、これらの特徴により、地
球環境に優しく、かつ、シャツ、ブラウス、ドレスやコ
ート、ジャケット、ブラックフォーマル、さらにはウォ
ーキングや介護衣料などの衣料用途、さらにはスポーツ
衣料品などに幅広く活用できる素材を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の脂肪族ポリエステル複合仮
撚加工糸の製造工程の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A:ポリL−乳酸延伸糸 B:ポリL−乳酸半延伸糸 1:フィードローラ 2:ノズル 3:フィードローラ 4:熱板 5:施撚体 6:デリベリローラ 7:テイクアップローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルマルチフィラメントの伸度の異なる芯糸と鞘糸からな
    る芯鞘構造複合仮撚加工糸であって、該芯糸と該鞘糸が
    互いに交絡し、かつ下記式を満足することを特徴とする
    脂肪族ポリエステル複合仮ヨリ加工糸。 10≦Y値(交絡均斉度)≦40 2mm≦DLmax≦20mm Y値:1m当たりの交絡数/DLmax DLmax:1m当たりの非交絡部の最大長(mm)
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが、L−乳酸を主成
    分とする易分解性ポリエステルであることを特徴とする
    請求項1記載の脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸。
  3. 【請求項3】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルマルチフィラメントの伸度の異なる2種類のフィラメ
    ントをあわせて交絡した後、仮撚を施すことを特徴とす
    る脂肪族ポリエステル複合仮撚加工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルマルチフィラメントの2種類のフィラメントの伸度差
    が、下記式を満たすポリエステル複合仮撚加工糸の製造
    方法。 40≦高伸度側の伸度(%)−低伸度側の伸度(%)≦
    200
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