JP2007247115A - 分繊用生分解性ポリエステル繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 捲縮加工や分繊の工程で糸切れや毛羽の発生が少なく、捲縮加工、分繊後に製織編して得られる織編物は粗剛感がなくて柔軟性や風合いが優れており、生活資材用途や衛生資材用途、衣料資材用途に好適な分繊用生分解性ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルからなり、捲縮加工後に分繊に供するための生分解性ポリエステル繊維であって、単糸繊度が20〜40dtex、破断伸度が60〜100%、フィラメント数が6〜12本である分繊用生分解性ポリエステル繊維。脂肪族ポリエステルはL−乳酸を主成分とポリ乳酸であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自然環境下で生分解性能を有し、捲縮加工後に分繊に供するための分繊用生分解性ポリエステル繊維に関するものである。
近年、自然環境保護の見地から、自然環境下で分解する生分解性重合体及びその成型品が求められ、脂肪族ポリエステル等の生分解性重合体の研究が活発に行われている。
生分解性繊維は、生ごみの水切りネットやコンポスト用ネット、あるいはティーバッグ用のような生活資材用途の分野において要望が強く、その開発が望まれている。しかし、生分解性繊維は、一般に強度や耐熱性に劣るものが多く、工業的に安価に製造することが困難なものが多い。
その中で、特にポリ乳酸系重合体は、農産物を原料とするため比較的安価にポリマーが得られ、資源的に有利であり、また、繊維化した場合、耐熱性に優れており、かつ、力学特性も比較的に優れているため、生活資材用途や衛生資材用途、衣料資材用途の織編物に使用するのに適した繊維として、多数の製造方法が提案されている。
例えば、重量平均分子量10万〜50万のポリ乳酸を溶融紡糸した後、延伸倍率4〜1
0倍に延伸熱処理することにより、強度8g/d以上のポリ乳酸繊維を得る方法がある(特許文献1参照)。また、ポリ乳酸系重合体を溶融紡糸し、多段延伸することにより、強度4g/d以上のポリ乳酸繊維を得る方法も提案されている(特許文献2参照)。別の方法として、数平均分子量5万〜10万のポリ−L−乳酸を用いて1段延伸系の直接紡糸延伸法により分繊用ポリ乳酸繊維を得る方法も提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1〜3記載の方法で得られた糸条を、そのまま分繊して製織編加工しても、単糸の偏平が少ないために織編組織の均一性が低下したり、得られる織編物もポリ乳酸特有の粗剛感が強調されるため、柔軟性や風合いが劣るという問題がある。
また、上記の糸条は、いずれも延伸工程を経て得られたものであるため、部分的結晶化による白化や毛羽を生じており、加えて配向度が高くて伸度が小さいため、織編物の柔軟性や風合いを向上させるべく、たとえ仮撚加工等の捲縮加工を施しても、糸切れや毛羽が発生し、その後の分繊工程においても糸切れ等を誘発して生産性が低下するものであり、捲縮加工後に分繊する用途には適さないものである。
特開平8−226016号公報 特開2000−136435号公報 特開2005−163224号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、捲縮加工や分繊の工程で糸切れや毛羽の発生が少なく、捲縮加工、分繊後に製織編して得られる織編物は粗剛感がなくて柔軟性や風合いが優れており、生活資材用途や衛生資材用途、衣料資材用途に好適な特性を有する分繊用生分解性ポリエステル繊維及びそれからなる薄地織編物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルからなり、捲縮加工後に分繊に供するための生分解性ポリエステル繊維であって、単糸繊度が20〜40dtex、破断伸度が60〜100%、フィラメント数が6〜12本であることを特徴とする分繊用生分解性ポリエステル繊維。
(2)脂肪族ポリエステルがL−乳酸を主成分とするポリ乳酸であることを特徴とする上記(1)記載の分繊用生分解性ポリエステル繊維。
(3)上記(1)記載のポリエステル繊維からなる薄地織編物。
本発明の分繊用生分解性ポリエステル繊維は、捲縮加工や分繊の工程で糸切れや毛羽の発生が少なくて優れた加工性を有しており、また、捲縮加工、分繊を経て後に得られる織編物は、分繊糸が捲縮を有するのでソフト感と風合いに優れたものとなり、さらに、使用済みになったものを廃棄する場合、自然環境下で速やかに分解され、土壌に還元されうるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の分繊用生分解性ポリエステル繊維(以下、ポリエステル繊維と称することがある。)は、脂肪族ポリエステルからなっているが、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバリレート、及びこれらのブレンド物、変性物等を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルは、生分解性あるいは加水分解性が高いため、自然環境下で容易に分解されるという利点を持っている。
本発明のポリエステル繊維は、耐熱性の観点から、DSC測定で得られる溶融ピーク温度で特定される融点が130℃以上であることが好ましく、130℃以上であれば特段の制約はないが、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上である。
脂肪族ポリエステルの中で最も融点が高いのはポリ乳酸であり、このため本発明では、脂肪族ポリエステルとしてL−乳酸を主成分とするポリ乳酸を用いることが好ましい。
ポリ乳酸は、L−乳酸とD−乳酸、又はそれぞれのブレンドによる光学異性体の共重合体を主成分としたものである。このうち、L−乳酸は光学純度が0〜100%存在する中で、光学純度が劣ると融点の低下や耐熱性の低下が生じたり、熱収縮特性が大きくなり過ぎる傾向にある。したがって、本発明においては、光学純度が70%以上のポリ−L−乳酸を用いるのが好ましく、95%以上の高純度のポリ−L−乳酸を用いることが特に好ましい。
ポリ乳酸の製造方法としては、乳酸を原料として一旦環状二量体であるラクチドを生成し、その後開環重合を行う二段階ラクチド法と、乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られているが、本発明で用いるポリ乳酸は、いずれの方法によって得られたものでもよい。
ポリ乳酸の数平均分子量は7万以上であることが好ましく、数平均分子量がこの範囲より小さいと、実用に適した強度を発現し難い場合があり、10万〜30万であることがより好ましい。
本発明における脂肪族ポリエステルとしては、L−乳酸を主成分とするポリ乳酸を用いる場合、脂肪族ポリエステルの性能を損なわない範囲で、エステル形成能を有するその他の成分を共重合させてもよい。このような共重合成分としては、グリコール酸等のヒドロキシアルキルカルボン酸、グリコルド等の脂肪族ラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
さらに、栄養塩基剤として燐酸カルシウム、燐酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム等が5〜20質量%含有されているものを用いてもよい。
さらに、本発明のポリエステル繊維を形成する脂肪族ポリエステルには、副次的に添加剤を加えて各種の改質を行ってもよい。副次的な添加剤の例としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、滑剤、制電剤、離型剤、結晶核剤、柔軟化剤、耐光剤、界面活性剤、可塑剤、表面改質剤、難燃剤、艶消し剤、顔料、染料、香料、無機あるいは有機電解質剤等が挙げられる。
本発明のポリエステル繊維としては、単糸繊度が20〜40dtexであることが必要であり、好ましくは25〜35dtexである。単糸繊度が20dtex未満になると、仮撚加工等の捲縮加工を施した後の強度が低いため、分繊工程や分繊後の製織編において、糸切れ、毛羽を誘発し、分繊に不向きな繊維となる。一方、単糸繊度が40dtexを超えると、溶融紡糸時の均一冷却が困難となり、実質的には繊維長手方向の物性が不均一となったり、紡糸工程で単糸同士が密着して切断の原因となる。また、繊維の太さに起因する剛性が過剰に高くなるために捲縮加工時の糸切れも発生しやすく、たとえ捲縮加工ができても、以後の分繊や製織編工程で糸切れを誘発したり、織編物にしても染色斑が発生しやすくなる。
また、本発明のポリエステル繊維としては、破断伸度が60〜100%であることが必要であり、好ましくは70〜90%である。破断伸度が60%未満では、配向度が高いため、捲縮加工として延伸同時仮撚加工を行なう際の延伸倍率の許容範囲が狭いものとなり、安定した仮撚加工が難しく、分繊や製織編加工においても糸切れを誘発する。一方、伸度が100%を超えると、配向が低すぎるため経時的に物性に変化が生じ易く、その結果、糸切れが発生したり、染色性にバラツキが発生したりすることがあるので一般的に使用し難いものとなる。
さらに、本発明のポリエステル繊維としては、フィラメント数が6〜12本であることが必要である。フィラメント数が6本未満では、生産性が著しく低下し、工業的に安価に製造することができないばかりでなく、溶融紡糸の際の口金当たりのポリマーの吐出量が低下するため、溶融滞留時間が長くなって熱劣化が発生し、製糸工程だけでなく、結晶化のバラツキによって、分繊加工や製織編加工時にも糸切れや毛羽を誘発する。また、フィラメント数が12本を超えると、脂肪族ポリエステル、特にポリ乳酸繊維の特徴である繊維間の高い摩擦抵抗により、捲縮加工後の分繊性が著しく低下する。分繊性、織編物の品位、物性の均一性を考慮すると、好ましいフィラメント数は8〜12本である。
本発明のポリエステル繊維の破断強度は特に限定されるものではないが、実用的には1.5cN/dtex以上であることが好ましく、この範囲を下回ると、捲縮加工後の単糸強度が低くなりやすいため、分繊時に掛る張力に耐えられず、分繊や製織編性が低下する場合がある。
本発明のポリエステル繊維は、仮撚加工等の捲縮加工を施した後、単糸1本毎に分繊してウーリー分繊糸としてパッケージに捲き取り、製織編加工に使用するものであり、このウーリー分繊糸を使用すれば、ティーバッグや水切りネット等に使用される薄地織編物の製織編を安定的に、かつ安価に行うことができる。
また、本発明のポリエステル繊維は、捲縮加工、たとえば延伸同時仮撚加工を施せば、捲縮が付与され、同時に単糸が偏平化するため、このウーリー分繊糸から得られる織編物はソフト感と風合いに優れたものとなる。さらに、使用済みになったものを廃棄したとしても、自然環境下で速やかに分解され、土壌に還元される。
次に、本発明のポリエステル繊維の製法例について説明する。本発明のポリエステル繊維は、融点が130℃以上の、たとえばL−乳酸を主成分とポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルを紡糸速度2800〜3400m/分の高速で溶融紡糸して得ることができる。
図1は、本発明のポリエステル繊維の製法例を示す概略工程図であり、図1において、脂肪族ポリエステルは、紡糸口金パック1の紡糸口金2から溶融紡糸され、冷却装置3で冷却され、糸道ガイド4を経てオイリングローラ5で油剤を付与された後、第1引取りローラ6、第2引取りローラ7を経て捲取装置8でパッケージ9に捲き取られる。
本発明のポリエステル繊維は、前述したように仮撚加工等の捲縮加工を施された後、単糸1本毎に分繊してウーリー分繊糸としてパッケージに捲き取られ、製織編加工に使用されるものであるが、図2は、本発明のポリエステル繊維に延伸同時仮撚加工を施すための一例を示す概略工程図である。図2において、本発明のポリエステル繊維Yは、パッケージ9からフイードローラ10と給糸ローラ11で仮撚加工域に供給され、熱処理装置12と仮撚施撚具13で延伸同時仮撚加工が施されて第1デリベリローラ14で引き取られ、糸道チューブ15を通って第2デリベリローラ18で引き取られ、捲取ローラ17で親糸仮撚加工糸としてパッケージ16に捲き取られる。
また、本発明のポリエステル繊維からなる織編物は、その製法において特に限定はなく通常の方法で得ることができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における各評価は、次の方法で行なった。
(1)強伸度
島津製作所製オートグラフAGS−100Gを用い、掴み間隔10cm、引張速度10cm/分の条件で測定した。
(2)製糸性
紡糸錘12錘を用いて、仮撚加工、分繊後の子糸重量が1kgになるよう捲き量を変えて48時間の紡糸を行い、親糸であるポリエステル繊維のチーズ状パッケージを得た。この間の紡糸から捲き取りまでの糸切れ回数により次の3段階で評価し、◎と△を合格とした。
0〜3回 ……◎
4〜6回 ……△
7回以上 ……×
(3)仮撚加工性
紡糸して得られた満捲き親糸72チーズを用い、三菱重工製の仮撚機LS−6型を用いて170m/分の速度でチーズ外層から内層まで延伸同時仮撚加工を行い、その間の満捲き仮撚加工糸チーズの収率により次の3段階で評価し、◎と△を合格とした。
92%以上 ……◎
80%以上、92%未満 ……△
80%未満 ……×
(4)分繊性
カンダ技研社製ウーリー分繊機を用い、分繊用仮撚加工糸の満捲きパッケージ20チーズを親糸として用いて、330m/分の速度で1フィラメントが各1kgになるように分繊し、分繊子糸の無断糸率より次の3段階で評価し、◎及び△を合格とした。
85%以上 ……◎
75%以上、85%未満 ……△
75%未満 ……×
(実施例1)
光学純度が98.8%で、ガラス転移温度が73℃、融点169℃、MFRが25g/10分のポリ−L−乳酸樹脂を用いて、エクストルーダー型押出機にて溶融し、紡糸温度210℃、吐出量93g/分で、丸型孔の紡糸口金より溶融紡糸した。次いで、この糸条を冷却装置にて冷却し、紡糸油剤を適量付与した後、紡糸速度3100m/分の引き取りローラで引き取り、糸条繊度300dtex、単糸繊度30dtex、伸度80%、フィラメント数10本であるポリエステル繊維を捲取装置で重量10kg捲きのパッケージに捲き取った。
次いで、上記で得られたポリエステル繊維のパッケージを、捲き取ったパッケージの捲き取り方向と反対方向に回転させ、回転方向に引出しながら、前記した仮撚機を用いて延伸倍率約1.4倍、撚数2,000t/m、加熱温度140℃の条件で延伸同時仮撚加工を施して、チーズ状パッケージに捲き取った。さらに、そのチーズ状パッケージを捲き取り方向と反対方向に回転させながら回転方向に引出して、前記した分繊装置を用いて10本の単糸を各1本に分繊し、単糸繊度21dtexのモノフィラメントで重量1kgのウーリー分繊糸をボビンパッケージに捲き取った。
(実施例2、3)
実施例1における紡糸速度、吐出量及び延伸同時仮撚加工時の延伸倍率を変更し、溶融紡糸後の繊維の伸度を62%(実施例2)と92%(実施例3)とした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
(実施例4、5)
実施例1における吐出量を変更して溶融紡糸後の繊維の単糸繊度を20dtex(実施例4)と38dtex(実施例5)にした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
(実施例6、7)
実施例1における吐出量を変更してフィラメント数を6本(実施例6)と12本(実施例7)にした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
(比較例1、2)
実施例1における紡糸速度と吐出量を変更し、溶融紡糸後の繊維の伸度を52%(比較例1)と108%(比較例2)とした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
(比較例3、4)
実施例1における吐出量を変更し、溶融紡糸後の繊維の単糸繊度を15dtex(比較例3)と48dtex(比較例4)とした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
(比較例5、6)
実施例1における吐出量を変更し、フィラメント数を4本(比較例5)と14本(比較例6)にした以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸同時仮撚加工及び分繊を行なった。
実施例1〜7と比較例1〜6で得られた繊維の性状と加工性の評価結果を併せて表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜7では、紡糸速度が速くなるほど、単糸繊度が大きくなるほど、フィラメント数が多くなるほど、紡糸、仮撚及び分繊工程において糸切れは増加する傾向にあるが、各工程の評価は◎〜△で何れも合格圏内であり、実生産することが可能なレベルであった。
また、風合比較として、実施例1〜7で得られた分繊糸を筒編とし、仮撚加工を施さないポリ乳酸繊維からなる22dtex/fのストレート分繊糸を標準試料として、官能検査方法により評価した結果、仮撚加工を施したものは、いずれも、柔軟性、風合とも良好なものであった。
一方、比較例1、2は、製糸性は生産可能な範囲であるが、比較例1は、破断伸度が52%と低くて配向度が高いため、必然的に仮撚張力は高いものとなり、走行時に接触する部材からのダメージを受けやすくて強力が低下したり、安定した仮撚加工が行なえず、その結果、延伸同時仮撚、分繊工程において、毛羽や糸切れが多発した。
また、比較例2で得られた繊維は、破断伸度が108%と高く、配向が低すぎるため、保管している際に、繊維の三次元構造の変化に伴う不規則な物性変化が生じ、その結果、延伸同時仮撚加工時に張力変化が生じて糸切れが多発した。また、分繊工程においても、繊維の長さ方向に物性のバラツキがあるため、分繊点の上下変動が大きく、糸切れが多発した。
次に、比較例3、4では、繊維の単糸繊度を比較しているが、単糸繊度が小さい比較例3では製糸性と仮撚加工性は合格であったが、単糸繊度が小さいため、分繊工程において僅かな分繊点の変化に耐え切れず、糸切れが多発した。一方、単糸繊度の大きい比較例4では、単糸繊度が大きいため、製糸の工程で単糸同士の密着による糸切れが多発し、実質的に試験を継続することが不可能であった。一部採取した繊維を延伸同時仮撚加工、分繊に供してみたが、単糸繊度の大きさ及びポリ乳酸繊維由来の剛性と高い摩擦抵抗によって高張力となり、糸切れや白粉が多発した。
さらに、比較例5、6では、親糸である繊維のフィラメント数を比較したが、フィラメント数が4本の比較例5では、製糸開始当初は糸切れ等良好であったが、紡糸口金当たりの吐出量が絶対的に少なく、必然的に紡糸機内でのポリマーの滞留時間が長くなり、その結果、ポリマーの分解が促進されて糸切れが多発した。満捲きの繊維を得ることはできたが、分解ポリマーの存在によって強力低下が生じ、延伸同時仮撚加工、分繊工程で糸切れが多発した。また、フィラメント数が多い比較例6では、製糸の工程でフィラメント数が多いために単糸同士の密着によって糸切れが多発した。時折得られた満捲きパッケージを用いて延伸同時仮撚加工、分繊を行ったが、パッケージ内部に存在する密着によって糸切れが多発し、特に分繊での無断糸率は著しく低いものであった。
本発明の分繊用生分解性ポリエステル繊維の製法例を示す概略工程図である。 本発明の分繊用生分解性ポリエステル繊維に延伸同時仮撚加工を施すための一例を示す概略工程図である。
符号の説明
1 紡糸口金パック
2 紡糸口金
3 冷却装置
4 糸道ガイド
5 オイリングローラ
6 第1引取りローラ
7 第2引取りローラ
8 捲取装置
9 パッケージ
10 フイードローラ
11 給糸ローラ
12 熱処理装置
13 仮撚施撚具
14 第1デリベリローラ
15 糸道チューブ
16 パッケージ
17 捲取ローラ
18 第2デリベリローラ
Y 分繊用生分解性ポリエステル繊維

Claims (3)

  1. 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルからなり、捲縮加工後に分繊に供するための生分解性ポリエステル繊維であって、単糸繊度が20〜40dtex、破断伸度が60〜100%、フィラメント数が6〜12本であることを特徴とする分繊用生分解性ポリエステル繊維。
  2. 脂肪族ポリエステルがL−乳酸を主成分とポリ乳酸であることを特徴とする請求項1記載の分繊用生分解性ポリエステル繊維。
  3. 請求項1記載のポリエステル繊維からなる薄地織編物。



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