JP2000226727A - 太細を有する脂肪族ポリエステル繊維 - Google Patents

太細を有する脂肪族ポリエステル繊維

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JP2000226727A
JP2000226727A JP11030015A JP3001599A JP2000226727A JP 2000226727 A JP2000226727 A JP 2000226727A JP 11030015 A JP11030015 A JP 11030015A JP 3001599 A JP3001599 A JP 3001599A JP 2000226727 A JP2000226727 A JP 2000226727A
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Yoshitaka Aranishi
義高 荒西
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来得られなかった、繊維軸方向に太細を有
し、ドライ感、霜降り調染色特性と鮮明発色性に優れた
脂肪族ポリエステル繊維および繊維製品を提供する。 【解決手段】融点が100℃以上の脂肪族ポリエステルか
らなる繊維であって、繊維軸方向に直径の変化を有し、
その繊度斑がウースタノーマルU%で2〜40%である太細
を有する脂肪族ポリエステル繊維であり、この繊維の強
度は2g/d以上で、沸騰水収縮率は80%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルからなる太細を有するポリエステル繊維に関する。さ
らに詳しくは、本発明は繊維軸方向に延伸された部分
と、延伸を全くされていないか或いは少ない延伸のみを
受けている部分とが不規則に繰り返して共存している太
細を有する脂肪族ポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートをはじめと
する芳香族ポリエステルは、機械的特性や各種堅牢度に
優れるため、衣料用途に広く用いられている。従来、こ
れら芳香族ポリエステルに関しては、特開昭50-18717号
公報や特開昭52-103527号公報などによって繊維軸方向
に直径の変化を有する芳香族ポリエステル繊維が知られ
ている。このような太細を有する芳香族ポリエステル繊
維からなる布帛においては、染色した際に濃淡差が発現
し霜降り調の外観が得られる。
【0003】ところで、テレフタル酸を主たるカルボン
酸成分とするこれら芳香族ポリエステルは、自然環境中
における耐久性が極めて高く、自然環境中で容易に分解
しないため廃棄に際しては焼却処理を行わない限り、半
永久的に残存してしまうという欠点がある。また、ポリ
エチレンテレフタレートはその屈折率が比較的高いた
め、総じて鮮明な発色性が得られず染織編品の品位が低
いという欠点も有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
得られなかった、繊維軸方向に太細を有し、ドライ感、
霜降り調染色特性および鮮明発色性に優れ、更に自然界
で分解が進み地球環境保護の面からも有用な脂肪族ポリ
エステル繊維および繊維製品を創出することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した本発明の課題
は、融点が100℃以上の脂肪族ポリエステルからなる繊
維であって、繊維軸方向に直径の変化を有し、その繊度
斑がウースタノーマルU%で2〜40%であることを特徴と
する太細を有する脂肪族ポリエステル繊維によって解決
することができる。ここで、融点が100℃以上の脂肪族
ポリエステルとしては、L−乳酸を主成分とするポリエ
ステルを好ましく用いることができる。また、本発明の
脂肪族ポリエステル繊維は、繊維軸方向に直径の変化を
有するが、明確な太細の特性を発現するために、太い部
分の複屈折率が0.002〜0.01であり、細い部分の複屈折
率が0.02以上であることが望ましい。さらには、繊維の
強度が2g/d以上であり、沸騰水収縮率が80%以下である
ことが、衣料用繊維としての展開を行う上で望ましく採
用される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる脂肪族ポリエ
ステルは、融点が100℃以上であることが必要である。
融点が100℃よりも低い場合には、単糸間の融着の発生
による延伸性不良や、染色加工時、熱セット時および摩
擦加熱時に溶融欠点が生じるなど、製品の品位が著しく
低い物となるため、衣料用途に用いることができない。
脂肪族ポリエステルの融点は、好ましくは150℃以上で
あり、さらに好ましくは160℃以上である。ここで融点
とは、DSC測定によって得られた溶融ピークのピーク温
度を意味する。
【0007】本発明では、このような脂肪族ポリエステ
ルを用いることによって、芳香族ポリエステルとは異な
り、良好なソフト感を呈する。この良好なソフト感は、
脂肪族ポリエステル繊維のヤング率が芳香族ポリエステ
ル繊維のヤング率に比べ、明確に低いことに起因してい
る。
【0008】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル
は、融点が100℃以上であれば特段の制約はなく、ポリ
乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピ
オネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−
ヒドロキシブチレートバリレートなどのポリオキシ酸
類、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネ
ートなどの脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮
合物類、およびこれらのブレンド物、変性物等を用いる
ことができる。これら脂肪族ポリエステル類は生物分解
性或いは加水分解性が高いため、自然環境中で容易に分
解されるという利点を有している。
【0009】高融点、高耐熱性の観点から望ましいポリ
マーとしては、L−乳酸を主成分とするポリエステルで
あるポリ乳酸、およびグリコール酸を主成分とするポリ
エステルであるポリグリコール酸を挙げることができ
る。L−乳酸を主成分とするとは、構成成分の60重量%
以上がL−乳酸からなっていることを意味し、40重量%
を超えない範囲でD−乳酸を含有するポリエステルであ
ってもよい。
【0010】ポリ乳酸の製造方法には、乳酸を原料とし
て一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後
開環重合を行う二段階のラクチド法と、乳酸を原料とし
て溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知
られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いずれの
製法によって得られたポリ乳酸であってもよい。ラクチ
ド法によって得られるポリマーの場合には、ポリマー中
に含有される環状2量体が溶融紡糸時に気化して糸斑の
原因となるため、溶融紡糸以前の段階でポリマー中に含
有される環状2量体の含有量を0.1重量%以下とするこ
とが望ましい。直接重合法の場合には、環状2量体に起
因する問題が実質的にないため、製糸性の観点からはよ
り好適であるといえる。
【0011】ポリ乳酸の平均分子量は高いほど好まし
く、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10万、
より好ましくは10〜30万である。平均分子量が5万より
も低い場合には、繊維の強度物性が低下するため好まし
くない。
【0012】また、本発明で用いられるポリ乳酸は、L
−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその
他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。
共重合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、
6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸
類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の
分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれら
の誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチ
ルホスホニウムイソフタル酸等の分子内に複数のカルボ
ン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げ
られる。
【0013】また、本発明においては、溶融粘度を低減
させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシ
ネートおよびポリエチレンサクシネートのような脂肪族
ポリエステルポリマーを内部可塑剤として、あるいは外
部可塑剤として用いることができる。さらには、艶消し
剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、着色顔
料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加
することができる。
【0014】また、本発明における太細を有する脂肪族
ポリエステル繊維は、繊維軸方向に直径の変化を有し、
その繊度斑がウースタノーマルU%で2〜40%であること
が必要である。ウースタノーマルU%とは、市販のウー
スタ型繊度斑試験器を用い、Z撚りを加えながら給糸糸
速8m/minで1分間ノーマルテストを行ったときに得られ
る測定値を意味している。ウースタノーマルU%が2%よ
りも小さい場合には、十分な繊度差が得られず、このよ
うな繊維を染色しても十分な濃淡差は得られない。ま
た、ウースタノーマルU%が40%よりも大きいきわめて
繊度斑の大きな繊維は、毛羽やたるみによる製織不良を
引き起こすため好ましくない。本発明において、ウース
タU%はより好ましくは5〜30%、もっとも好ましくは8
〜20%である。
【0015】本発明の太細を有する脂肪族ポリエステル
繊維は、その太い部分の複屈折率が好ましくは0.002〜
0.01であり、細い部分の複屈折率が好ましくは0.02以
上である。太い部分の複屈折率が0.002より小さいと熱
水処理を行った際の収縮・硬化が著しく布帛の触感を損
なってしまう傾向があり、また、0.01より大きい場合
には、染料の拡散が細い部分と変わらなくなり、染色に
よる濃淡差が現れにくくなるので望ましくない。同じ
く、細い部分の複屈折率が0.02より小さいと、染料の
拡散が太い部分と変わらなくなり、染色による濃淡差が
現れにくくなる。ここで、太い部分とは、繊維経の最も
太い部分の直径をDとし、最も細い部分の直径をdとし
たとき、その直径Daが、0.7(D−d)+d≦Da≦1.
0Dの範囲に入る部分を言う。また、細い部分とは、繊
維系の最も太い部分の直径をDとし、最も細い部分の直
径をdとしたとき、その直径Dbが、1.0d≦Db≦0.3
(D−d)+dの範囲に入る部分を言う。太い部分の複
屈折率、細い部分の複屈折率とは、コンペンセータを内
蔵した偏光顕微鏡を用いて、それぞれ太い部分、或いは
細い部分について、別々に10ヶ所測定したときの平均値
で表す。 また、本発明における脂肪族ポリエステル繊
維は、繊維の強度が2g/d以上であり、沸騰水収縮率が8
0%以下であることが好ましい。強度が2g/d以下の場合
には、製織時の糸切れ停台の原因となったり、織編物等
布帛の引裂強力低下による製品強度の低下を招くことが
あるため好ましくない。本発明において強度は、より好
ましくは3g/d以上であり、最も好ましくは4g/d以上で
ある。
【0016】また、沸騰水収縮率が80%より大きいと、
精練や染色など熱水処理を行った場合の収縮が大きくな
り、布帛の幅出しが困難となり、風合いも硬化する傾向
にあるため好ましくない。
【0017】本発明の太細繊維は、仮撚加工あるいは弛
緩熱処理や緊張熱処理を行うことによって低収縮化する
ことができる。本発明の脂肪族ポリエステル繊維を、通
常の織編物として用いる場合には、沸騰水収縮率は20%
以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下となってい
ることがよい。
【0018】また、本発明の脂肪族ポリエステル繊維
は、3葉断面糸、6葉断面糸および8葉断面糸のような
多葉断面糸、W字型、X字型、H字型、C字型および田
型などの異形断面を有する繊維のように糸の断面形状の
異なる糸、サイドバイサイド型複合繊維や偏心芯鞘複合
繊維のように捲縮発現能を有する糸、繊維表面に連通す
る、或いは連通しない中空部を有する中空糸など、その
すべてを包含している。
【0019】また、本発明の脂肪族ポリエステル繊維は
主として衣料用途に用いられるため、その単糸繊度は10
d以下であることが好ましい。より好ましくは6d以下で
あり、最も好ましくは4d以下である。本発明では、単糸
繊度が1d以下のいわゆる極細糸をも好適に用いることが
できるが、単糸繊度の細い糸状は、延伸時の糸切れを誘
発することがあるため、製糸性の悪化を招くことがあ
る。
【0020】本発明の太細を有する繊維は、複屈折率が
0.002〜0.01の未延伸糸を用いて、延伸条件によって
不完全部分延伸糸とする方法によって製造することがで
きる。すなわち、本発明の脂肪族ポリエステル繊維を製
造するには、延伸倍率を未延伸糸の自然延伸倍率以下の
低倍率とし、熱ピンを用いて延伸する方法、旋回ノズル
を使用し糸状に旋回を与えながら延伸する方法などを適
用することができる。低収縮化するためには、上述の延
伸後に弛緩熱処理あるは緊張熱処理を行うか、得られた
原糸を仮撚加工に供することができる。
【0021】本発明の脂肪族ポリエステル繊維を用いた
編織物を製造する場合には、織機、編み機、織編組織当
については何ら制約することはなく、脂肪族ポリエステ
ル繊維を少なくとも組織の一部に用いることによって、
本発明の目的とするドライ感と霜降り調の染色特性およ
び鮮明発色性に優れた繊維構造物を得ることができ、こ
の種の繊維構造物は、衣料用繊維製品に好適に用いるこ
とができる。ここで、少なくとも一部とは、例えば織物
の場合、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用
いることを意味し、好適には編織物の30重量%以上に用
いられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で求め
た。
【0023】A.融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC−7)を用
いて、昇温速度15℃/分の条件で測定し、得られた溶融
ピークのピーク温度を融点とした。
【0024】B.極限粘度(η) オルソクロロフェノール10mlに対して試料0.100gを溶
解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて測
定した。
【0025】C.強度 オリエンテック社製引張試験器(テンシロンUCT-100
型)を用い、試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で引
張試験を行って、破断点の応力を繊維の強度とした。
【0026】D.ウースタノーマルU% 市販のウースタイーブンネステスタ(Uster Evenness T
ester)(計測器工業株式会社製)を使用して、糸のト
ータルデニールに基づいて使用する測定用スロットを選
択し、Z撚りを加えつつ糸速8m/minで1分間、ノーマル
テストにて測定した。
【0027】E.複屈折率 コンペンセーターを内蔵する偏光顕微鏡(オリンパス社
製)を用いて、常法により測定した。
【0028】F.濃淡差 下記条件で染色した布帛を目視で確認し、霜降り状の濃
淡が明瞭に認められる物を◎、わずかに認められる物を
○、認められない物を×とした。
【0029】 ・分散染料 Sumikaron Navy Blue S-2GL : 0.6% owf Tetrosin Pen : 5.0% owf Sun salt #1200 : 1.0% owf ・染色温度 98℃×60分 ・浴比 1:50 G.鮮明発色性 前項(G.濃淡差)において記載した条件で染色した布
帛を目視で確認し、発色性に優れた物を◎、発色性に劣
る物を×とした。なお、発色性の判断は、ポリエチレン
テレフタレート繊維の染色物を基準とした。 実施例1 融点が168℃で、屈折率が1.45であり、重量平均分子量
が19万であるポリL−乳酸(L体比率95重量%、D体比
率5重量%)のチップを、60℃に設定した真空乾燥器で
48hr乾燥した。乾燥したチップをプレッシャーメルター
型紡糸機にて、メルター温度250℃にて溶融し、紡糸温
度260℃とした溶融パックへ導入して、0.23D-0.30Lの口
金孔より紡出した。この紡出糸を20℃、30m/minのチム
ニー風によって冷却し、油剤を付与して収束した後、20
00m/minで引き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸
糸の複屈折率は0.008であった。
【0030】この未延伸糸をフィードローラー、熱ピ
ン、ドローローラーの系よりなる熱ピン方式の延伸機を
用いてピン経35φ、温度68℃、延伸倍率1.4倍、延伸速
度400m/minの条件で延伸した。
【0031】得られた延伸糸はランダムに太細を有して
おり、ウースタノーマルU%は16.8%であった。太部の
複屈折率は0.008、細部の複屈折率は0.022であった。ま
た、繊維の強度は3.2g/d、沸騰水収縮率は55%であっ
た。
【0032】得られた延伸糸を経緯糸に用いてタフタ織
物を作成し、染色加工を行ったところ、良好な霜降り調
の濃淡が発現し、発色は鮮明であった。沸騰水収縮率が
比較的高いため、染色時に若干布帛の収縮がみられた。 実施例2 熱ピン延伸を行った後、糸状を120℃に加熱されたホッ
トローラー上を周回させることによって緊張熱処理を施
した他は、実施例1と同様に実施して延伸糸を得た。
【0033】得られた延伸糸はランダムに太細を有して
おり、ウースタノーマルU%は12.1%であった。太部の
複屈折率は0.008、細部の複屈折率は0.024であった。ま
た、繊維の強度は3.5g/d、沸騰水収縮率は8.6%であ
った。
【0034】得られた延伸糸を経緯糸に用いてタフタ織
物を作成し、染色加工を行ったところ、良好な霜降り調
の濃淡が発現し、発色は鮮明であった。布帛の収縮も小
さく織物形状は良好に維持されていた。 実施例3 紡糸速度1200m/minで引き取って得た複屈折率が0.004
である未延伸糸を用いた他は、実施例1と同様に実施し
て延伸糸を得た。
【0035】得られた延伸糸はランダムに太細を有して
おり、ウースタノーマルU%は32.5%であった。太部の
複屈折率は0.004、細部の複屈折率は0.026であった。ま
た、繊維の強度は3.0g/d、沸騰水収縮率は62%であっ
た。
【0036】得られた延伸糸を経緯糸に用いてタフタ織
物を作成したが、織製時に若干の毛羽が発生した。この
織物を用いて染色加工を行ったところ、良好な霜降り調
の濃淡が明瞭に発現し、発色は鮮明であった。 比較例1 延伸倍率を2.5倍とした他は、実施例2と同様に実施して
延伸糸を得た。
【0037】得られた延伸糸は強度は4.5g/d、沸収が
6.3%と良好な糸物性を有していたが、ランダムな太細
を有しておらず、ウースタノーマルU%は0.67であっ
た。染色した布帛は濃淡差を有していなかった。 比較例2 ポリ乳酸に代えて、融点260℃、η=0.65のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)を用い、メルター温度280℃、
紡糸温度280℃として速度2500m/minで引き取り、未延伸
糸を得た。得られた未延伸糸の複屈折率は0.032であっ
た。
【0038】この未延伸糸を実施例1と同様にして延伸
したところ、ウースタノーマルU%が4.6%のランダム
に太細を有する繊維が得られた。太部の複屈折率が0.03
2、細部の複屈折率が0.106であり、強度は4.2g/d、沸騰
水収縮率は52%であった。
【0039】得られた延伸糸を経緯糸に用いてタフタ織
物を作成し、染色加工を行ったところ良好な霜降り調の
濃淡が発現していたが、発色性に劣っており、くすんだ
色合いの布帛となっていた。 比較例3 ポリ乳酸に変えて融点が60℃のポリカプロラクトン(PC
L)を用い、メルター温度180℃、紡糸温度200℃として
速度800m/minで引き取って未延伸糸を得た。得られた未
延伸糸のの複屈折率は0.006であった。
【0040】この未延伸糸を実施例1と同様に延伸した
が、熱ピン上で糸条の溶融糸切れが生じ太細糸を得るこ
とができなかった。実施例1〜3と比較例1〜3の結果
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、従来には得られなかっ
た、ドライ感とソフト感を有し、霜降り調染色特性およ
び鮮明発色性に優れた脂肪族ポリエステル繊維と、その
脂肪族ポリエステル繊維を用いてなる、上記特性を有す
る糸条、編織物等の繊維製品を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点が100℃以上の脂肪族ポリエステルか
    らなる繊維であって、繊維軸方向に直径の変化を有し、
    その繊度斑がウースタノーマルU%で2〜40%であること
    を特徴とする太細を有する脂肪族ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】脂肪族ポリエステルがL−乳酸を主成分と
    するポリエステルであることを特徴とする請求項1記載
    の太細を有する脂肪族ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】太い部分の複屈折率が0.002〜0.01であ
    り、細い部分の複屈折率が0.02以上であることを特徴
    とする請求項1または2記載の太細を有する脂肪族ポリ
    エステル繊維。
  4. 【請求項4】繊維の強度が2g/d以上であり、沸騰水収縮
    率が80%以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の太細を有する脂肪族ポリエステル繊
    維。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088239A1 (fr) * 2000-05-18 2001-11-22 Kanebo, Limited Etoffe presentant une surface concave et convexe et procede de fabrication associe, et produit fibreux presentant une surface concave et convexe et procede de fabrication associe
JP2003020520A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Toray Ind Inc 脂肪族ポリエステル太細糸およびその製造方法
WO2003072868A1 (fr) * 2002-02-28 2003-09-04 Masako Oka Non tisse irregulier, son procede de fabrication et produit en etant fait
JP2010024576A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Teijin Fibers Ltd ポリ乳酸布帛および衣料

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