JP2001295165A - ストレッチ編地 - Google Patents

ストレッチ編地

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JP2001295165A
JP2001295165A JP2000103323A JP2000103323A JP2001295165A JP 2001295165 A JP2001295165 A JP 2001295165A JP 2000103323 A JP2000103323 A JP 2000103323A JP 2000103323 A JP2000103323 A JP 2000103323A JP 2001295165 A JP2001295165 A JP 2001295165A
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knitted fabric
elongation
yarn
fiber
stretch
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JP2000103323A
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English (en)
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Ujiteru Niwa
氏輝 丹羽
Hirokazu Ide
洋和 井手
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伸長率、伸長回復率に優れ、かつ、ソフト感、
ふくらみ感風合いを具備し、衣料用、衣料資材用、産業
資材用まで含めた幅広い分野に適したストレッチ編地を
低コストで提供する。 【解決手段】2種類のポリエステル重合体が繊維長さ方
向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊
維フィラメントを構成糸の全体重量の10%以上含み、
タテ・ヨコ方向の平均伸長率が55%以上、平均伸長回
復率が60%以上であることを特徴とするストレッチ編
地とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用、衣料資材
用、産業資材用等に好適に使用できる伸長率、及び、伸
長回復率に優れたストレッチ編地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】編物は織物に比べ、その生地構造上から
ストレッチ性を出しやすく、身体の動きに伴う動き易さ
から一般衣料用であるインナーウエア類、アウターウエ
ア類、スポーツウエア類。パンティストッキングを含む
靴下類。衣料資材用である裏地類、芯地類。産業資材用
である椅子張り材等、多くの分野に使用されている。
【0003】しかし、近年、更に身体にフィットして動
き易い編物が望まれ、用いる繊維について種々の技術的
改良が提案されてきた。
【0004】例えば、特開平9−176938号公報、
特開平9−316757号公報、特開平6−93560
号公報、実開平4−123287号公報には、スパンデ
ックスと呼ばれるポリウレタン系弾性繊維をナイロン繊
維、ポリエステル繊維、綿糸等と組み合わせて編物とす
ることが開示されている。
【0005】しかしポリウレタン系弾性繊維は高いスト
レッチ性を有するものの、これを混用した場合、ポリウ
レタン固有の性質として風合いが硬くなり、編物の風合
いやドレープ性が低下する傾向にある。又、ポリエステ
ル繊維に混用した場合、ポリエステル用の分散染料には
染まり難く、洗濯液汚染の問題、及び生地の湿摩擦堅牢
度低下の問題がつきまとう。そのため還元洗浄の強化な
ど染色工程が複雑になるばかりか、所望の色彩に染色す
ることが困難であった。更に耐熱性が劣るため編地表面
の荒れの問題がある。又、ポリウレタン系弾性繊維のコ
ストも非常に高いものである。
【0006】また例えば、ポリエステル繊維、又は、ナ
イロン繊維に仮撚加工を施し、加撚/解撚によるトルク
を発現させた繊維を混用することによりストレッチ性を
付与する方法が一般的に行われているが、従来からのス
トレッチ性の範囲にとどまるものである。
【0007】また例えば、ポリブチレンテレフタレート
繊維を混用する方法も採られてきた。しかし、この繊維
を混用しても、まだ十分に満足されるストレッチ性編地
を得ることができない。
【0008】また例えば、特公昭44−2504号公報
や特開平4−308271号公報には固有粘度差あるい
は極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以
下PETと略す。)のサイドバイサイド複合糸、特開平
5−295634号公報には非共重合PETとそれより
高収縮性の共重合PETのサイドバイサイド型複合糸が
開示されている。しかし、サイドバイサイド型複合繊維
は複合ポリマ間の収縮率差や弾性回復率差によって生じ
る3次元コイルの伸縮をストレッチ性に利用するもので
あるが、布帛構造下において捲縮を発現しにくく、また
発現したとしても高収縮成分の変形により伸長後の回復
率が低いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したか
かる従来技術の問題点を解決し、機械強度、耐薬品性、
染色加工性、ソフト感、ふくらみ感等を維持しながら優
れたストレッチ性を有する編地を、効率的に低コストで
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、2種
類のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイド
バイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントを
構成糸として全体重量の10%以上含み、タテ・ヨコ方
向の平均伸長率が55%以上、平均伸長回復率が60%
以上であるストレッチ編地である。
【0011】また、本発明のストレッチ編地において
は、前記の2種類のポリエステル重合体のうち少なくと
も一方が、ポリトリメチレンテレフタレートを主体とす
ることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のストレッチ編地は、2種
類のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイド
バイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントを
構成糸に含む。サイドバイサイド型の複合繊維は、ポリ
マの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率等が異なる
重合体を貼り合わせ、それらの弾性回復率や収縮特性の
差によって、捲縮を発現するものである。粘弾性が異な
るポリマの組み合わせの場合、紡糸、延伸時に高粘度側
に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。
そのため、延伸後の弾性回復率差および編地の熱処理工
程での熱収縮率差により高粘度側が収縮し、単繊維内で
歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次
元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高
収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含
む)によって決まると言ってよく、収縮差が大きいほど
コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多く
なる。
【0013】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長さ当たりのコイル
数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの
耐ヘタリ性が良い(伸長回復に応じたコイルのヘタリ量
が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイ
ルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾
発性に優れ、フィット感がよい)等である。このコイル
の直径は250μm以下が好ましく、200μm以下が
より好ましい。
【0014】また、フィラメント糸条の長さ方向に形成
されるコイルの位相は、糸条を構成させる全単繊維のコ
イル位相が揃った場合、一本のフィラメント糸条は一本
のバネ状の糸条となる。この糸条を用いた編地はフクラ
ミを持ったソフト感を有し、その表面は、細かなシボが
立ち美しい表面の編地が得られる。逆に、糸条を構成さ
せる全単繊維のコイル位相が異なった場合、一本のフィ
ラメント糸条は一本のフクラミを持つ仮撚/解撚した仮
ヨリ状の糸条となる。この糸条を用いた編地は更にフク
ラミを持ったソフト感を有し、その表面は、フラットな
美しい表面の編地が得られる。ストレッチ編地を得る場
合、どの糸条を使用するのか特に限定するものではな
く、用途、好み等に応じて適宜使い分ければよい。
【0015】これらの要求を全て満足しつつ、ポリエス
テルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、
高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れ
たストレッチ素材とすることができる。ここで、前記の
コイル特性を満足するためには高収縮成分(高粘度成
分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮
成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となる
ため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および
回復特性が要求される。
【0016】そこで、本発明者らはポリエステルの特性
を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討
した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレー
ト(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステル
を用いるのが好ましいことを見出した。PTT繊維は、
代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと略記する)やポリブチレンテレフ
タレート(以下PBTと略記する)繊維と同等の力学的
特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性に極めて優れ
ている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレン
グリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造
(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼ
ン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束
点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メ
チレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するた
めと考えている。
【0017】ここで、PTTとは、テレフタール酸を主
たる酸成分とし、1.3−プロパンジオールを主たるグ
リコール成分として得られるポリエステルである。ただ
し、20モル%、より好ましくは10モル%以下の割合
で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むも
のであってもよい。共重合可能な化合物として、例え
ば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸類、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のジオール類を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤
となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの
微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導
体、着色顔料等を添加してもよい。
【0018】また、低収縮成分には高収縮成分であるP
TTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊
維形成性ポリエステルであれば特に限定されるものでは
ないが、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮
すると、繊維形成能のあるPTT、PET、PBTが好
ましい。
【0019】また、両成分の複合比率は製糸性および繊
維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:
定収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲
が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ま
しい。
【0020】また、サイドバイサイド型複合繊維の繊維
断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、
扁平断面、ダルマ型断面、C型断面、M型断面、H型断
面、X型断面、W型断面、I型断面、+型断面を用いる
ことができるが、捲縮発現性と風合いのバランスから
は、図2に示すような丸断面の半円状サイドバイサイド
(a)、軽量性、保温性を狙う場合は中空サイドバイサ
イド(d)、ドライ風合いを狙う場合は三角断面サイド
バイサイド(g)が好ましく用いられる。
【0021】サイドバイサイド型複合繊維は、単糸繊度
0.1〜11デシテックス、総繊度11〜550デシテ
ックスのフイラメント糸条から構成されることが好まし
い。
【0022】単糸繊度を11デシテックス以下とするこ
とで、編地の風合いをソフトなものとし、衣料用として
好ましく使用することができる。また、0.1デシテッ
クス以上、さらに好ましくは、1.1デシテックス以上
とすることで複合製糸が良好となり、また、捲縮構造が
反映され、良好なストレッチ性も得ることができる。さ
らに、異繊度混繊糸等の単糸繊度の異なる糸を用いるよ
うにしてもよい。このような異繊度混繊糸は、ソフトで
かつ張りのある編地を作る観点から好ましい。
【0023】編地の構成糸に対するサイドバイサイド型
複合繊維の混率は、10%以上必要であり、20%以上
が好ましく、30%以上が更に好ましい。この混率が1
0%未満の場合は、後述する編地のタテ・ヨコ方向の平
均伸長率、及び、平均伸長回復率について満足の行く特
性を得ることができない。サイドバイサイド型複合繊維
の編地への混用方法としては、他の素材との通常の交
編、交撚、引き揃え、カバーリング、混繊等を採用する
ことができ、狙い用途、編地形成法、編組織等に応じて
適宜使い分ければよい。
【0024】他の素材としては、合成繊維であるポリエ
ステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリ
ル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビ
ニール系繊維、ポリウレタン系繊維もしくは半合成繊維
であるアセテート系繊維もしくは再生繊維であるビスコ
ース・レーヨン、キュプラを含むセルロース系繊維、牛
乳蛋白繊維、大豆蛋白繊維を含む蛋白質系繊維、ポリ乳
酸系繊維、もしくはこれらのフィラメント糸条使いや紡
績糸使い、又は、混紡糸使い、もしくは綿、麻を含む植
物系天然繊維、もしくは羊毛、カシミヤ、絹を含む動物
系天然繊維、または更にこれらの混紡糸使い等がある。
【0025】また、本発明のストレッチ編地は、従来の
ようにポリウレタン系弾性繊維を混用せずとも優れた伸
長率および伸長回復率を得ることができることに特徴が
あるが、もちろん更に優れた編地の特性を得るために風
合いや染色性等を損なわない範囲でポリウレタン系弾性
繊維を混用してもよい。
【0026】本発明のストレッチ編地は、緯編地又は経
編地からなる。緯編地としては、丸編地であるシングル
丸編地やダブル丸編地、横編地、靴下編地、成型編地が
あり、各々の専用編機にて製編することができる。ま
た、経編地としてはトリコット編地であるシングルトリ
コット編地やダブルトリコット編地、ラッシェル編地で
あるシングルラッシェル編地やダブルラッシェル編地、
ミラニーズ編地である平型ミラニーズ編地や円形ミラニ
ーズ編地があり、これらも各々の専用編機にて製編する
ことができる。
【0027】また、製編における編成条件は、通常糸使
いの編成条件よりループ長やランナー長を若干大きめに
取り編密度を粗くすることが好ましい。このことによ
り、サイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維が染
色加工工程を通ることで、その捲縮発現性が十分に発揮
され優れたストレッチ性とソフト感、ふくらみ感風合い
を持った編地を得ることができる。
【0028】製編された生機編地の熱処理、精練や染色
等の加工は、通常の編地の加工法に準じて行えばよく、
特に特別な設備等は必要ではないが、サイドバイサイド
型複合繊維の潜在捲縮をスプリング構造としてより効果
的に発現させるために、リラックス・精練熱処理温度を
80℃以上とすることが好ましい。また、染色段階での
付帯加工として、撥水加工、防汚加工、抗菌加工、消臭
加工、防臭加工、難燃加工、吸汗加工、吸湿加工、防カ
ビ加工、紫外線吸収加工、減量加工等、更に、後加工と
してカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加
工、プリント加工、オパール加工等、最終用途の要求特
性に応じて適宜付与することが望ましい。
【0029】本発明のストレッチ編地は、タテ・ヨコ方
向の平均伸長率が55%以上、タテ・ヨコ方向の平均伸
長回復率が60%以上であることが重要である。
【0030】平均伸長率および平均伸長回復率は実施例
に示す方法で測定することができるが、伸長率とは、編
地の伸びの程度を表すものであり、この数値が大きい
程、ウエアにして着用した時、身体の動きに追従し易
く、スポーツ等の激しい動きにも編地が追従し、動き易
く、疲れ難い。また、伸長回復率とは身体の動きで伸長
した編地が、素早く元の状態に戻ろうとする回復程度を
表すものであり、この数値が大きい程、ウエアにして着
用した時、よりフィット性に富み、動き易い。
【0031】この伸長率と伸長回復率は編地のタテ方向
とヨコ方向の各々の数値を平均して考える必要がある。
これは、ウエアにして実際着用して動く場合、編地のタ
テ方向あるいはヨコ方向の一方向のみ伸長されるわけで
はなく、人間の身体の丸みに応じて三次元的に編地が伸
長されるためである。この三次元的な伸長特性が編地の
タテ方向とヨコ方向の平均した伸長率である平均伸長
率、及び、平均伸長回復率と相関し、よく一致するもの
である。
【0032】本発明の編地の平均伸長率は、55%以上
が必要であり、70%以上が好ましく、80%以上が更
に好ましい。55%未満であるとウエアにて着用し、ス
ポーツ等の激しい運動を行った場合、身体の動きにウエ
アが追従し難く、また、疲れ易いものとなり好ましくな
い。
【0033】平均伸長回復率は、60%以上が好まし
く、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ま
しい。60%未満であると運動などにより伸長された編
地が伸ばされた状態となり、身体へのフィット感に劣る
ことから身体の動きに追従しにくくなる。また、ウエア
としての見映えにも劣ることになる。
【0034】本発明のストレッチ編地は、適宜選択する
ことにより、次のように幅広く展開可能である。例え
ば、緯編地の中の丸編地では、スポーツウエア類、水着
類、肌着類、ユニフォームウエア類、アウターウエア
類、カーシートを含む座席シート類、靴材類、衣料用芯
地および裏地類等、横編地では、セーター類、カーディ
ガン類、手袋類等、靴下編地では、パンティストッキン
グ類、タイツ類、ソックス類等に好ましく使用できる。
一方、経編地の中のトリコット編地では、同様にスポー
ツウエア類、水着類、肌着類、ユニフォームウエア類、
アウターウエア類、カーシートを含む座席シート類、靴
材類、衣料用芯地および裏地類等、ラツシェル編地では
インナーウエア用ファンデーション類、レース類、カー
シートを含む座席シート類、靴材類等に好ましく使用で
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。実
施例における各評価は次のとおり行った。
【0036】(1)平均伸長率 まず、伸長率の試験法はJIS L 1018「メリヤス
生地試験方法」の定速伸長法のグラブ法に準じて行っ
た。即ち、10cm×約15cmの試験片をタテ、ヨコ
方向にそれぞれ3枚ずつ採取した。自記記録装置付定速
伸長形引張試験機を用い、上下つかみとも表側は2.5
4cm×2.54cm、裏側は2.54cm×5.08
cmのものを取り付け、つかみ間隔を7.6cmとして
試験片のたるみや、張力を除いてつかみに固定した。
【0037】これを引張速度10cm/minで17.
7N(1.8Kg)荷重まで引伸ばし、その時のつかみ
間隔を測った。次に即、荷重を取り除く方向へ元のつか
み間隔である7.6cmまで戻した。この荷重−除重に
よる挙動を自記記録計に荷重−伸長−回復曲線として描
いた(図1を参照)。これを基に、次の式により伸長率
LA(%)を求め、3枚の平均値で表した。 伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100 L :つかみ間隔(mm) L1:17.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm) 編地のタテ方向、ヨコ方向の各々についての伸長率を加
算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長率とし
た。
【0038】(2)平均伸長回復率 また、伸長回復率LB(%)は、前記自記記録計で描い
た荷重−伸長−回復曲線を基に、回復曲線がゼロ荷重に
なった時点から残留歪み率L2(%)を求め、次の式に
より伸長回復率LB(%)を算出し、3枚の平均値で表
した。 伸長率回復率LB(%)=(L3/L1)×100 編地のタテ方向、ヨコ方向の各々についての伸長回復率
を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長回
復率とした。
【0039】(3)ソフト感 染色加工後の生地を手に持ち、10名による官能評価で
次のように3段階評価で行った。
【0040】(4)ふくらみ感 染色加工後の生地を手に持ち、10名による官能評価で
次のように3段階評価で行った。
【0041】(5)総合評価 次のように2段階表示した。
【0042】[実施例1]28Gの両面丸編機にて、図
3の編方図における構成糸イ、ロともPTT/PETの
サイドバイサイド複合フィラメント糸(繊維断面は図2
のa)83デシテックス36フィラメント糸を用い、編
方図の給糸口F1、F2各々に給糸し、PTT/PET
サイドバイサイド複合フィラメント糸100%からなる
インターロック組織編地を編成した。
【0043】この生機を通常のポリエステル丸編地の染
色加工法に従い、リラックス・精錬、染色、仕上げセッ
トを行い195g/m2の編地を得た。得られた編地
は、タテ・ヨコ平均伸長率が75%、平均身長回復率が
82%とストレッチ特性に優れたものであった。また、
官能評価によるソフト感とふくらみ感もあり、総合的に
ストレッチ編地として適するものであった。詳細結果を
表1に示す。
【0044】[実施例2]28Gのシングルトリコット
機にて、図4の編方図のBack側構成糸ハにPTT/
PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸(繊維断
面は図2のa)44デシテックス24フィラメントを配
し、Front側構成糸ニに通常糸であるポリエステル
フィラメント糸(東レ(株)製“テトロン”)44デシ
テックス36フィラメントを配し、ハーフ組織編地を編
成した。この編地設計における糸混率は、PTT/PE
Tサイドバイサイド複合糸が18%、通常糸が82%で
あった。
【0045】この生機を通常のポリエステル経編地の染
色加工法に従い、リラックス・精錬、染色、仕上げセッ
トを行い210g/m2の編地を得た。得られた編地
は、タテ・ヨコ平均伸長率が71%、平均身長回復率が
89%とストレッチ特性に優れたものであった。また、
官能評価によるソフト感とふくらみ感もあり、総合的に
ストレッチ編地として適するものであった。詳細結果を
表1に併せて示す。
【0046】[比較例1]実施例1と同じ丸編機を用
い、図3の編方図における構成糸イ、ロとも通常糸であ
るポリエステルフィラメント仮ヨリ加工糸83デシテッ
クス36フィラメント糸を用い、編方図の給糸口F1、
F2各々に給糸し、通常糸100%からなるインターロ
ック組織編地を編成した。
【0047】この生機を実施例1と同一の染色加工法を
行い、148g/m2の編地を得た。得られた編地は、
タテ・ヨコ平均伸長率が63%であるものの、平均身長
回復率が51%と劣るものであった。また、官能評価に
よるソフト感とふくらみ感も劣り、総合的にストレッチ
編地として不適当と判断されるものであった。詳細結果
を表1に併せて示す。
【0048】[比較例2]実施例2と同一の経編機を用
い、図4の編方図のBack側構成糸ハ、および、Fr
ont側構成糸ニに通常糸であるポリエステルフィラメ
ント糸44デシテックス36フィラメントを配し、通常
糸100%からなるハーフ組織編地を編成した。
【0049】この生機を実施例2と同一の染色加工法を
行い、216g/m2の編地を得た。得られた編地は、
タテ・ヨコ平均身長回復率が70%であったものの、平
均伸長率が52%と劣るものであった。また、官能評価
によるソフト感とふくらみ感も劣り、総合的にストレッ
チ編地として不適当と判断されるものであった。詳細結
果を表1に併せて示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明のストレッチ編地は、従来の編地
に比べ、伸長率、伸長回復率に優れ、かつ、ソフト感、
ふくらみ感風合いを具備し、衣料用、衣料資材用、産業
資材用まで含めた幅広い分野に適応できるものであり、
効率よく低コストで製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸長−伸長回復曲線の説明図である。
【図2】本発明に使用する繊維の繊維横断面形状を示す
モデル図である。
【図3】実施例1、比較例1の編地の編方図の一例であ
る。
【図4】実施例2、比較例2の編地の編方図の一例であ
る。
【符号の説明】
L1:編地の伸び L2:編地の歪み伸び L3:編地の回復伸び a〜g:繊維横断面形状 F1〜F2:編機の給糸口NO イ〜ハ:編地構成糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA07 AB02 AB05 AC01 BB01 CA01 DA01 DA04 EA06 FA01 FA06 4L041 AA07 BA02 BA05 BA09 BA22 BA34 BA37 BA41 BC17 BD14 BD20 CA06 CA08 DD01 DD10 DD15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類のポリエステル重合体が繊維長さ方
    向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊
    維フィラメントを構成糸の全体重量の10%以上含み、
    タテ・ヨコ方向の平均伸長率が55%以上、平均伸長回
    復率が60%以上であるストレッチ編地。
  2. 【請求項2】2種類のポリエステル重合体のうち少なく
    とも一方が、ポリトリメチレンテレフタレートを主体と
    する請求項1記載のストレッチ編地。
  3. 【請求項3】サイドバイサイド型に貼り合わされた複合
    繊維が、単糸繊度0.1〜11デシテックス、総繊度1
    1〜550デシテックスである請求項1または2記載の
    ストレッチ編地。
  4. 【請求項4】緯編地又は経編地である請求項1〜3のい
    ずれか記載のストレッチ編地。
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