JP5070402B2 - ラケット用ガット - Google Patents

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本発明は、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するラケット用ガットに関するものである。さらに詳しくは、従来のラケット用ガットに比べて応力緩和による弛みが少なく、耐久性に優れ、および天然ガット並の打球性を兼ね備えたラケット用ガットに関するものである。
一般に、ラケット用ガットに求められる機能としては、耐久性、打球性、および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、張設後の応力緩和による弛みの程度や打球毎の摩耗による切断のし易さなどを言い、打球性とは、反発性、制球性、ボールへの回転の掛け易さなどのほか、打球時の感覚や打球音などの打球感を言い、さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言う。
そして、この3つの性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされるが、打球性、耐久性がいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に欠けたラケット用ガットとなる。
テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとして、古くから羊腸、鯨筋などに代表される動物繊維から得られる天然ガットが用いられてきた。
しかし、天然ガットは反発性、制球性および耐衝撃性などに優れているが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では耐久性、量産性、経済性などに優れた合成樹脂製ガットが数多く使用されている。
合成樹脂のモノフィラメントまたはマルチフィラメントを使用した合成樹脂製ガットとしては、例えば芯糸および巻糸の両方にポリアミドを使用したガット(例えば、特許文献1参照)や、ポリエステルモノフィラメントを使用したガット(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
これらの合成樹脂製ガットは、天然ガットに比べ耐久性に優れており、材料の安定供給も可能であるなどの長所を有するが、天然ガット並のソフトな打球感が得られにくいといった問題があった。
また、合成樹脂芯鞘複合モノフィラメントを芯糸とし、合成樹脂モノフィラメントを巻糸として巻回してなるガット(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
このガットは、高い結節強度を保持しつつ、反発性・耐久性に優れたものとされているが、実際に使用すると、芯糸の弾性率が巻糸とは異なるために、芯糸と巻糸とが剥離を起こし、耐久性の低下に繋がるばかりか、張設性にも劣るといった問題を抱えていた。
このように、従来のラケット用ガットには、耐久性、打球性、および張設性の3つの特性をバランス良く兼ね備え、天然ガット並の性能を有するものが得られにくかったため、その実現が強く望まれていた。
特開平7−178203号公報 特許第2826055号公報 特許第3581158号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明の目的は、従来のラケット用ガットに比べて応力緩和による弛みが少なく、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、海成分が熱可塑性エラストマーからなり、島成分が熱可塑性エラストマーとは異なる熱可塑性合成樹脂からなるとともに、島成分の数が7〜25個である海島型複合モノフィラメントからなることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
前記海島型複合モノフィラメントが海成分10〜40重量%と島成分90〜60重量%とから構成され、この海島型複合モノフィラメントの直径が0.5〜1.5mm、かつ引張強度が3.0〜8.0cN/dtexであること、
海成分を構成する熱可塑性エラストマーがポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーおよびポリウレタンエラストマーから選ばれた少なくとも1種であること、
島成分を構成する熱可塑性合成樹脂がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種であること
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて応力緩和による弛みが少なく、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果をバランス良く発揮する。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のラケット用ガットは、海成分が熱可塑性エラストマーからなり、島成分が熱可塑性エラストマーとは異なる熱可塑性合成樹脂からなるとともに、島成分の数が7〜25個である海島型複合モノフィラメントからなることを特徴とするものである。
ラケット用ガットには、芯糸の外周に巻糸を螺旋状に巻回した複合体も存在するが、このような複合体としなくとも、優れた耐久性と打球性を発現することができるとの理由から、本発明のラケット用ガットは海島型の複合モノフィラメントであることが必要である。
なお、本発明においては、必要に応じて海島型の複合モノフィラメントを芯糸とし、この芯糸の外周に巻糸を巻回したり表面コーティングを施したりすることも可能である。
また、本発明のラケット用ガットに使用される海島型の複合モノフィラメントの海成分は熱可塑性エラストマーからなり、かつ島成分は熱可塑性エラストマーとは異なる熱可塑性合成樹脂からなることが必要である。
これは、海成分に熱可塑性エラストマーを使用することによって、応力緩和により弛みにくくなり、耐久性に優れたラケット用ガットが得られるとともに、島成分に海成分と同じ熱可塑性エラストマーを使用した場合に比べて、打球性に優れたラケット用ガットが得られるからである。
なお、本発明で使用する熱可塑性エラストマーは、溶融紡糸可能な熱可塑性エラストマーであれば特に限定はされないが、例えば、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、およびポリウレタンエラストマー、またはこれらの中から適宜組み合わせて使用することもでき、特にゴム弾性を示すソフトセグメントがあるものが好適である。
ポリアミドエラストマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12やナイロン612などの溶融状態の低分子量ポリアミドとヒドロキシポリエーテルのオリゴマーとを縮重合させて得られるポリエーテルアミドなどが挙げられる。
ポリエステルエラストマーとしては、例えば、テレフタル酸に代表されるジカルボン酸成分と、エチレングリコール、1、4−ブタンジオールなどに代表されるジオール成分とからなるポリエステルハードセグメントと、分子量600〜3000の脂肪族ポリエーテルソフトセグメントから形成されるポリエステルエーテルブロック共重合体などが挙げられる。
また、ポリウレタンエラストマーとしては、例えば、ソフトセグメントを構成する二官能ポリオールと、ハードセグメントを構成する短鎖グリコールおよびジイソシアネートとを組み合わせて構成されるブロック共重合体などが挙げられる。
一方、島成分に使用する熱可塑性合成樹脂は特に限定はされないが、特に、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれらの各種ナイロンの相互共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートを代表とする脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリメチルヘキセンなどのポリオレフィン系樹脂などから選ばれた少なくとも1種の使用が好ましく、さらには、靱性の高いラケット用ガットが得られやすいとの理由から、ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂の使用が好ましい。
なお、海成分と島成分の素材の組合せとしては、海成分と島成分の剥離が発生しにくくなるとの理由から、海成分にポリエステルエラストマーを使用した場合は、島成分にポリエステル系樹脂を使用し、海成分にポリアミドエラストマーを使用した場合は、島成分にポリアミド系樹脂を使用する組合せが好ましい。
さらに、本発明においては、上述の熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性合成樹脂に、各種着色剤、結晶化抑制剤、耐光剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤および可塑剤などの各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することも可能である。
ラケット用ガットに使用される海島型の複合モノフィラメントの島成分は、その数が多いほど島成分の熱可塑性合成樹脂が細径化されるために個々の剛性が下がり、マルチフィラメントに近い打球感を得ることができる。
しかし、本発明のラケット用ガットに使用される海島型の複合モノフィラメントの島成分の数は、7〜25個であることが必要であり、さらには13〜21個であることが好ましい。
これは、島成分の数が上記範囲を下まわる場合は、島成分と海成分との接触界面積が小さくなり、打球を繰り返していくうちに島成分と海成分とが剥離して耐久性が低下しやすくなるためであり、逆に、島成分の数が上記範囲を上回る場合は、島成分の熱可塑性合成樹脂が細径化して耐久性がしやすくなるためである。
なお、海成分中の島成分の配置は、ラケット用ガットとして一般的に採用されている回転対称による配置だけではなく、ラケット用ガットに要求される機能に応じて適宜選ぶことができる。
また、海島型の複合モノフィラメントおよび/または島成分の断面形状についても特に限定はされないが、円形を始めてとして、三角、四角などの多角形や三葉、五葉などの多葉断面など、ラケット用ガットに要求される機能に応じて適宜選ぶことができる。
さらに、本発明のラケット用ガットの好ましい条件として、海成分10〜40重量%と島成分90〜60重量%、さらには海成分20〜35重量%と島成分80〜65重量%とから構成される複合モノフィラメントからなり、直径0.5〜1.5mm、さらには直径0.7〜1.4mm、かつ引張強度3.0〜8.0cN/dtex、さらには3.5〜7.5cN/dtexであることが挙げられる。
これは、直径が上記範囲を下まわる場合は、ラケット用ガットとしての十分な強力が得られにくくなるからであり、逆に、直径が上記範囲を上回る場合は、打球性が低下しやすくなるからである。
また、海成分の重量比率が上記範囲を下回る場合は、応力緩和による弛みにより打球感が得られにくくなり、逆に、海成分の重量比率が上記範囲を上回る場合は、島成分の占める比率が小さくなるため、十分な強度が得られにくくなり、その結果、ラケット用ガットして3.0cN/dtex以上という好ましい引張強度も得られにくくなるからである。
さらに、引張強度が上記範囲を上回る場合は、破断伸度の低いラケット用ガットとなりやすいため、張設時にラケット用ガットが破断しやすくなるからである。
本発明のラケット用ガットは、以下に説明する方法により効率的に製造することができ
る。
まず、海島型の複合モノフィラメントを溶融紡糸するに際しては、公知の複合用紡糸機を使用することができ、またその条件としては、例えば、ポリマー温度200〜350℃、押出圧力1〜50MPa、口金孔径0.1〜5mm、紡糸速度0.3〜100m/分などといった通常の条件を採用することができる。
初めに、それぞれ海成分と島成分となる熱可塑性エラストマーと熱可塑性合成樹脂を複合用紡糸機に供給し、紡糸機内で溶融混練した後、複合用紡糸機のダイ内で海島構造に複合化して口金から紡出する。
その後、紡出した複合モノフィラメントは、短い気体ゾーンを通過した後、冷却浴内で冷却されるが、ここでの冷却温度は、冷却浴内における複合モノフィラメントの蛇行を防止し、複合モノフィラメントの真円性が高められることから、5〜90℃とすることが好ましい。
なお、冷却媒体としては、ポリマーに不活性な液体、通常は水、ポリエチレングリコールおよびグリセリンなどを挙げることができる。
次に、冷却固化された複合モノフィラメントは、引き続き1段乃至2段の延伸工程に送られる。ここで、高強度かつ応力緩和に優れた複合モノフィラメントを得るためには、1段目の延伸を比較的低温かつ低倍率の条件で行うことが好ましく、具体的には、60〜120℃の温度で2.0〜4.5倍に延伸することが好ましい。
さらに、延伸工程を経た複合モノフィラメントには、延伸歪みを除去することなどを目的として、必要に応じて定長および/または弛緩熱処理を施しても良い。
なお、延伸工程および定長/弛緩熱処理工程における雰囲気(浴)としては、温水、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体浴、乾熱気体浴および水蒸気浴などを使用することができる。
こうして得られた本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて応力緩和による弛みが少なく、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果を如何なく発揮する。
以下、本発明のラケット用ガットをさらに具体的に説明するが、本発明のラケット用ガットはその主旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、評価用のテニスラケットは、フェース面積115インチのテニスラケット用のフレームに、得られたラケット用ガットを60Lbのテンションで張設したものを使用し、次の方法に従って評価を行った。
[海成分と島成分の界面剥離評価試験法]
直径5.5mmφのステンレス製丸棒の先端部(円形フラット断面)で、押し潰された部分の巾が元の太さの約2.5倍となるまで複合モノフィラメントを押し潰した。その後、押し潰された部分を光学顕微鏡(拡大倍率40倍)で観察し、海成分と島成分の界面剥離の程度を次の規準に従って判定した。
○:剥離が認められなかった、
△:部分的に剥離が認められた、
×:全体的に剥離していた。
[糸直径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
[引張強度]
JIS L1013の規定に準じて測定した。
[ラケット用ガット特性の評価]
A.面圧保持性
面圧測定機(スイス製RaTest)を使用して、張設直後と張設後1週間後の面圧を測定し、張設直後の面圧に対する保持率(%)で評価した。保持率が大きいほど面圧保持性に優れていることを示す。
B.耐久性
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでの打ち出し回数で耐久性を評価した。
C.打球性
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリアミド製ガットを使用したテニスラケットと比較して、制球性、反発性および耐衝撃性を次の3段階で感応評価した。
◎:天然ガットと同等のものであった、
○:天然ガットより劣るが、ポリアミド樹脂製ガットと同等のものであった、
×:ポリアミド樹脂製ガットより劣るものであった。
D.張設性
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較して、次の2段階で評価した。
○:良好であった、
×:劣っていた。
[実施例1]
島成分にポリエチレンテレフタレート(三井化学製 J055)、海成分にポリエステルエラストマー(東レ・デュポン製 ハイトレル6347)を使用した。
まず、これらの原料をエクストルーダー型複合紡糸機に供給して290℃で溶融混練した後、孔径4.5mmかつ19島の口金を通して紡出し、さらに70℃の温水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を90℃の温水延伸浴中で3.0倍に延伸し、さらに200℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、230℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.95倍の熱処理を行い、直径1.25mm、海成分が20重量%に対し、島成分が80重量%となる海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[実施例2]
島成分の数を13個としたこと以外は、実施例1と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[実施例3]
島成分の数を22個としたこと以外は、実施例1と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[実施例4]
海成分が40重量%に対し、島成分が60重量%となるように紡出条件を変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[実施例5]
島成分にナイロン6(東レ製 M1041)、海成分にポリアミドエラストマー(ATOCHEM製 ペバックス4033SN01)を使用した。
まず、これらの原料をエクストルーダー型複合紡糸機に供給して290℃で溶融混練した後、孔径2.5mmかつ19島の口金を通して紡出し、さらに10℃の温水浴中で冷却固化して、未延伸糸を得た。
次に、この未延伸糸を98℃の温水延伸浴中で3.1倍に延伸し、さらに250℃の乾熱浴中で延伸を行った。
引き続いて、200℃の乾熱浴中でリラックス倍率0.92倍の熱処理を行い、直径1.25mm、海成分が40重量%に対し、島成分が60重量%となる海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[比較例1]
島成分の数を3個としたこと以外は、実施例1と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[比較例2]
島成分の数を30個としたこと以外は、実施例1と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[比較例3]
海成分にポリエチレン(日本ポリエチレン製KC580S)を使用したこと以外は、実施例5と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
[比較例4]
島成分にポリエステルエラストマー(東レ・デュポン製 ハイトレル6347)、海成分にポリアミドエラストマー(ATOCHEM製 ペバックス4033SN01)を使用したこと以外は、実施例5と同じ条件で海島型の複合モノフィラメントを得た。そして、この複合モノフィラメントをラケット用ガットとして使用した。
Figure 0005070402
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たすラケット用ガット(実施例1〜5)は、本発明の条件を満たさないラケット用ガット(比較例1〜4)に比べて、いずれも応力緩和による弛みが少ないため面圧保持性が良く、耐久性にも優れ、さらに天然ガット並の打球性を兼ね備えたものであることが分かる。
特に、海成分と島成分の素材がいずれも熱可塑性エラストマーからなるラケット用ガット(比較例4)は、60Lbのテンションで張設しようとすると、頻繁にガットが切れ、極めて張設性に欠けるばかりか、反発性、制球性および耐衝撃性が悪く、実用性の低いラケット用ガットであった。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて応力緩和による弛みが少なく、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合にはこれらの効果を如何なく発揮することができる。

Claims (4)

  1. 海成分が熱可塑性エラストマーからなり、島成分が熱可塑性エラストマーとは異なる熱可塑性合成樹脂からなるとともに、島成分の数が7〜25個である海島型複合モノフィラメントからなることを特徴とするラケット用ガット。
  2. 前記海島型複合モノフィラメントが海成分10〜40重量%と島成分90〜60重量%とから構成され、この海島型複合モノフィラメントの直径が0.5〜1.5mm、かつ引張強度が3.0〜8.0cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
  3. 前記海成分を構成する熱可塑性エラストマーが、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーおよびポリウレタンエラストマーから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
  4. 前記島成分を構成する熱可塑性合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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