JP2011078581A - ラケット用ガット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モノフィラメント単線からなるラケット用ガットであって、前記モノフィラメントは、最外層の少なくとも一部がポリオキシメチレンで構成され、かつ糸−糸静摩擦係数が0.15〜0.30の特性を満たすことを特徴とするラケット用ガット。
【選択図】図1
Description
直径が5.1cm(2インチ)、長さが7.6cm(3インチ)の円筒の周りに、綾角15°で9.8cN(約10g)の巻き張力でモノフィラメントを巻き付けた。このあらかじめモノフィラメントが巻きつけられた円筒の上に、モノフィラメントを別に30.5cm(12インチ)とって掛けた。この時、後でかけたモノフィラメントはあらかじめ円筒に巻きつけたモノフィラメントの上層部にのっており、かつその巻き付け方向と平行になるようにした。後にかけたモノフィラメントの一端に0.04g/dtexの荷重をかけ、もう一方の端には、ストレインゲージを連結させた。円筒を0.0016cm/秒の周速で180°回転させて、その時の張力を連続記録した。糸−糸静摩擦係数(f)は、下記式より算出した。
f=(1/π)・(ln(T2/T1))
ここで、T2はピーク張力の平均値(n=25)、T1はモノフィラメントの一端にかけられた荷重により与えられる張力、lnは自然対数記号である。
ラケット用ガットが張設されたラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40°の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでの打ち出し回数で耐久性を評価した。
[試打評価]ラケット用ガットが張設されたラケットを用意し、テニス経験が10年以上のアマチュアプレーヤー3人にストロークしてもらい、打球性、耐久性に関して、ポリエチレンテレフタレート単線からなるガットと比較して、以下のように評価した。
○:ポリエチレンテレフタレート単線からなるガットより優れる、
△:ポリエチレンテレフタレート単線からなるガットと同等である、
×:ポリエチレンテレフタレート単線からなるガットより劣る。
ポリオキシメチレン(POM)原料としてポリプラスチックス社製ジュラコンN493Aを用い、1軸型エクストルーダー溶融押出機に連続供給して、230℃で溶融混練した後、紡糸口金を通して紡出し、さらに60℃の水中で冷却固化せしめた。次に、この未延伸糸を150℃の乾熱浴中で8倍に延伸し、さらに140℃の乾熱浴中で0.9倍の加熱弛緩処理を施すことにより、直径1.25mmのPOMモノフィラメントを作成した。このとき、溶融押出機の溶融POMの流路、およびパック内の溶融POMの流路を構成する合金として、Ni:Fe:Cr:Mo:W:Si:Mnの比がおよそ51:6:17:19:5:1:1であるハステロイCを使用した。こうして得られたPOMモノフィラメントの糸−糸静摩擦係数を表1に示した。
芯成分にナイロン6(N6)原料として東レ社製CM1021Tを、鞘成分にPOM原料としてジュラコンN493Aを用い、それぞれ複合用紡糸機に連続供給して、N6側は270℃、POM側は230℃で溶融混練した後、複合用紡糸口金を通して紡出し、さらに60℃の冷却水中で冷却固化せしめた。芯:鞘の構成比は50:50とした。次に、この未延伸糸を160℃の乾熱浴中で8倍に延伸した。引き続き、160℃の乾熱浴中で0.98倍に弛緩処理することにより、直径1.25mmの芯鞘複合モノフィラメントを作成した。このとき、複合用紡糸機の溶融POMの流路、およびパック内の溶融POMの流路を構成する合金としては、実施例1と同様にハステロイCを使用した。こうして得られた芯鞘複合POMモノフィラメントの糸−糸静摩擦係数を表1に示した。
海成分にナイロン12(N12)原料として東レ社製CM5031を、島成分にPOM原料としてジュラコンFP15Xを用い、それぞれ複合用紡糸機に連続供給して、N6側は270℃、POM側は230℃で溶融混練した後、複合用紡糸口金を通して紡出し、さらに60℃の冷却水中で冷却固化せしめた。海:島の構成比は40:60とし、図3(b−4)に示すような4つの島がモノフィラメント表面に覗くように配置された断面形状とした。次に、この未延伸糸を160℃の乾熱浴中で6倍に延伸した。引き続き、160℃の乾熱浴中で0.98倍に弛緩処理することにより、直径1.25mmの海島複合モノフィラメントを作成した。このとき、複合用紡糸機の溶融POMの流路、およびパック内の溶融POMの流路を構成する合金としては、実施例1と同様にハステロイCを使用した。こうして得られた海島複合POMモノフィラメントの糸−糸静摩擦係数を表1に示した。
PETモノフィラメント(東レ・モノフィラメント社製530Y、直径1.25mm)をラケット用ガットに用いた。
実施例2において、芯成分と鞘成分を逆に、すなわち芯成分にPOM、鞘成分にN6を用いた以外は実施例2と同様のラケット用ガットを得た。
実施例3において、島成分をPOMからPLA(三井化学社製レイシアH−400)に変更した以外は実施例3と同様のラケット用ガットを得た。
POM原料としてジュラコンN493Aを用い、1軸型エクストルーダー溶融押出機に連続供給して、230℃で溶融混練した後、紡糸口金を通して紡出し、さらに70℃の水中で冷却固化せしめた。次に、この未延伸糸を160℃の乾熱浴中で8倍に延伸することにより、直径0.125mmのPOMモノフィラメントを作成した。このとき、溶融押出機の溶融POMの流路、およびパック内の溶融POMの流路を構成する合金としては、実施例1と同様にハステロイCを使用した。こうして得られたPOMモノフィラメントの糸−糸静摩擦係数を表2に示した。
海成分にPOM原料としてポリプラスチックス社製ジュラコンFP15Xを、島成分にポリ乳酸(PLA)原料として三井化学社製レイシアH−400を用い、それぞれ複合用紡糸機に連続供給して、それぞれ230℃度で溶融混練した後、複合用紡糸口金を通して紡出し、さらに45℃の冷却水中で冷却固化せしめた。島の数は3、島成分の周囲が全て海成分に囲まれた断面形状をしており、海:島の構成比は70:30とした。次に、この未延伸糸を160℃の乾熱浴中で8倍に延伸した。引き続き、160℃の乾熱浴中で0.98倍に弛緩処理することにより、直径0.125mmのモノフィラメントを作成した。このとき、複合用紡糸機の溶融POMの流路、およびパック内の溶融POMの流路を構成する合金としては、実施例1と同様にハステロイCを使用した。こうして得られた海島複合POMモノフィラメントの糸−糸静摩擦係数を表2に示した。
東レ社製ナイロン6マルチフィラメント(1400dtex−204F−T781)を3本撚糸し、共重合ナイロン(東レ社製、CM8000)の10wt%メタノール水溶液を樹脂被覆して、芯糸1を作成した。
実施例4の芯糸1の周囲に、直径0.125mmのN6モノフィラメント(東レ・モノフィラメント社製120A)の皮糸2を編組し、実施例6と同様に樹脂被覆した。こうして、直径1.25mmのラケット用ガットを作成し、その評価結果を表2に併記した。
実施例5において、海島複合モノフィラメントの海成分と島成分とを逆にし、海成分をPLA、島成分をPOMとした以外は、実施例5と同様にして、海島複合モノフィラメントを得た。
一般的な1軸型エクストルーダー溶融押出機にPLA原料(三井化学社製レイシアH−400)を用い、連続供給して、230℃で溶融混練した後、紡糸口金を通して紡出し、さらに60℃の冷却水中で冷却固化せしめた。次に、この未延伸糸を90℃の温水中で4.5倍に延伸、続いて105℃の乾熱浴中で1.56倍(トータル7倍)に延伸し、さらに140℃の乾熱浴中で0.97倍に弛緩処理することにより、直径0.125mmのPLAモノフィラメントを作成した。
2 皮糸
3 芯部
4 鞘部
5 海部
6 島部
Claims (4)
- モノフィラメント単線からなるラケット用ガットであって、前記モノフィラメントは、最外層の少なくとも一部がポリオキシメチレンで構成され、かつ糸−糸静摩擦係数が0.15〜0.30の特性を満たすことを特徴とするラケット用ガット。
- 芯糸の周囲に皮糸を配置した複合線からなるラケット用ガットであって、前記皮糸の少なくとも一部は、最外層の少なくとも一部がポリオキシメチレンで構成され、かつ糸−糸静摩擦係数が0.15〜0.30の特性を満たすモノフィラメントであることを特徴とするラケット用ガット。
- 前記芯糸がポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、およびポリオキシメチレンから選ばれた少なくとも一種類からなることを特徴とする請求項2に記載のラケット用ガット。
- 前記芯糸の周囲に前記皮糸を編組又は巻き付ける工程と、これを160〜180℃で熱処理する工程とを順次行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のラケット用ガットの製造方法。
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