JP2006255069A - ラケット用ガット - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたラケット用ガットの提供。
【解決手段】ポリオレフィン系以外の合成樹脂を主たる構成成分とする繊維を巻糸および芯糸とし、前記芯糸の外周に前記巻糸を螺旋状に巻回した複合体からなるラケット用ガットであって、少なくとも前記巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とするラケット用ガット。
【選択図】なし
【解決手段】ポリオレフィン系以外の合成樹脂を主たる構成成分とする繊維を巻糸および芯糸とし、前記芯糸の外周に前記巻糸を螺旋状に巻回した複合体からなるラケット用ガットであって、少なくとも前記巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とするラケット用ガット。
【選択図】なし
Description
本発明は、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するラケット用ガットに関するものである。さらに詳しくは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたラケット用ガットに関するものである。
一般に、ラケット用ガットに求められる機能としては、耐久性、打球性、および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、張設後の応力緩和による弛みの程度や打球毎の摩耗による切断のし易さなどを言い、打球性とは、反発性、制球性、ボールへの回転の掛け易さなどのほか、打球時の感覚や打球音などの打球感を言い、さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言う。
そして、この3つの性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされるが、打球性、耐久性がいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に欠けたラケット用ガットとなる。
テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとして、古くから羊腸、鯨筋などに代表される動物繊維から得られる天然ガットが用いられてきた。
しかるに、天然ガットは反発性、制球性および耐衝撃性などに優れているなどの長所を有するが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では耐久性、量産性、経済性などに優れた合成樹脂製ガットが数多く使用されている。
合成樹脂のモノフィラメントまたはマルチフィラメントを使用した合成樹脂製ガットとしては、例えばポリエステルモノフィラメントの芯糸にポリアミド繊維を1〜2重に巻回したガット(例えば、特許文献1参照)や、芯糸および巻糸の両方にポリアミドを使用したガット(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
これらの合成樹脂製ガットは、天然ガットに比べ耐久性に優れており、材料の安定供給も可能であるなどの長所を有するが、天然ガット並のソフトな打球感が得られにくいといった問題があった。
また、アラミド繊維マルチフィラメントからなる芯糸の外周に、ポリオレフィンからなる合成繊維を巻糸として巻回し、外周に合成樹脂被覆層を形成してなるガット(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
このガットは、低伸度、高強度を保持しつつ、柔軟性を有し、耐衝撃性に優れたものとされているが、実際に使用した場合には、ボールからの衝撃エネルギーを直接受けるため、巻糸が発熱軟化しやすく、また縦横に張られたガットの交点においては、ガット同士の摩擦によりガットが削られやすいため耐久性に欠け、さらに打球性や張設性にも欠けたガットであった。
このように、従来のラケット用ガットには、耐久性、打球性、および張設性の3つの特性をバランス良く兼ね備え、天然ガット並の性能を有するものが得られにくかったため、その実現が強く望まれていた。
特開昭56−156175号公報
特開昭59−101165号公報
特開平7−194744号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂を主たる構成成分とする繊維を巻糸および芯糸とし、前記芯糸の外周に前記巻糸を螺旋状に巻回した複合体からなるラケット用ガットであって、少なくとも前記巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
前記巻糸にポリオレフィン系樹脂が1〜10重量%含有されていること、
前記巻糸に含有されるポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂であること、
前記巻糸および芯糸を構成するポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種であること、 前記巻糸の直径が0.05〜0.50mmの範囲にあること、
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
前記巻糸にポリオレフィン系樹脂が1〜10重量%含有されていること、
前記巻糸に含有されるポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂であること、
前記巻糸および芯糸を構成するポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種であること、 前記巻糸の直径が0.05〜0.50mmの範囲にあること、
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたものであるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果を如何なく発揮する。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のラケット用ガットとは、ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂を主たる構成成分とする繊維を巻糸および芯糸とし、前記芯糸の外周に前記巻糸を螺旋状に巻回した複合体からなるラケット用ガットであって、少なくとも前記巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とするものである。
ラケット用ガットには、1本の合成樹脂繊維のみからなるものもあるが、耐久性と打球性を発現することができるとの理由から、本発明のラケット用ガットには巻糸と芯糸による複合体からなることが必要である。
そして、天然ガット並の制球性を発現することができるとの理由から、本発明のラケット用ガットは、芯糸の外周に巻糸が螺旋状に巻回された状態であることが必要である。
また、本発明のラケット用ガットには、ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂を主たる構成成分とする巻糸および芯糸のうち、少なくとも巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とする。つまり、巻糸のみならず芯糸にもポリオレフィン系樹脂が含有されていても構わないが、巻糸には必ずポリオレフィン系樹脂が含有されていなければならない。
その理由は、巻糸にポリオレフィン系樹脂が含有されていない場合には、従来のラケット用ガットと同等以下の耐久性を有するラケット用ガットになりやすいからである。
ここで、本発明のラケット用ガットの巻糸および芯糸のうち、少なくとも巻糸に含有されるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリペンテン−1樹脂、およびポリメチルヘキセン樹脂などが挙げられ、特にこれらに限定されるものではない。
以上の条件を満たすことにより、本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べ耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたものとなるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果を如何なく発揮することができる。
また、本発明のラケット用ガットにおいては、さらに次の条件を満たすことにより、より優れた効果を取得することができる。
すなわち、本発明のラケット用ガットを構成する巻糸には、ポリオレフィン系樹脂が1〜10重量%、さらには1.5〜5重量%含有されていることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の含有量が上記範囲を下回る場合は、巻糸の摩耗性軽減効果が低下し、耐久性に欠けたラケット用ガットになりやすい。逆に、その含有量が上記範囲を上回る場合は、強力の低い巻糸となり、打球時の衝撃に耐えきれずに巻糸が破断しやすくなる結果、耐久性に欠けたラケット用ガットとなりやすい。
また、ポリオレフィン系樹脂の中でも、耐久性、打球性および張設性など、さらに安定した品質を有するラケット用ガットが得られるとの理由から、特にポリエチレン樹脂の使用が好ましい。なお、ポリエチレン樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂などのほか、メタロセン触媒を使用して重合されたメタロセンポリエチレン樹脂などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
さらに、巻糸および芯糸を構成するポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂については、溶融紡糸可能な合成樹脂であれば特に限定はされないが、中でもナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれら各種ナイロンの相互共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートを代表とする脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、およびポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種類が好ましく使用される。
そして、上記合成樹脂のほかに、各種着色剤、結晶化抑制剤、耐光剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤および可塑剤などの添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することも可能である。
さらにまた、本発明のラケット用ガットは、巻糸の直径が0.05〜0.50mmの範囲にあることが好ましい。つまり、巻糸の直径がこの範囲を下回る場合は、ポリオレフィン系樹脂を含有するために、巻糸を溶融紡糸するに際して糸切れ等のトラブルが多発しやすくなるばかりか、十分な強力も得られないため、打球時の衝撃に耐えきれずに巻糸が破断しやすくなり、その結果耐久性に欠けたラケット用ガットになりやすい傾向となる。逆に巻糸の直径がこの範囲を上回る場合は、巻糸が剛直となり、その結果芯糸への巻回加工が困難となりやすい傾向となる。
ここで本発明のラケット用ガットを構成する巻糸および芯糸の製造方法については、何ら特殊な方法を使用する必要はなく、公知の溶融紡糸方法、例えば、巻糸を溶融紡糸するに際しては、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の合成樹脂との混合物を、芯糸を溶融紡糸するに際しては、ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂またはポリオレフィン系樹脂とそれ以外の合成樹脂との混合物を紡糸機に供給し、溶融混練、押出し、冷却、延伸および熱セットを施す方法が挙げられる。
そして、得られた巻糸および芯糸を使用して、公知のラケット用ガットの製造方法、例えば、芯糸の外周に巻糸を等間隔で螺旋状に巻回し、接着剤や樹脂等で固定する方法などにより、ラケット用ガットに加工される。
以下、本発明のラケット用ガットをさらに具体的に説明するが、本発明のラケット用ガットはその主旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、評価用のテニスラケットは、フェース面積115インチのテニスラケット用のフレームに、得られたラケット用ガットを60Lbのテンションで張設したものを使用し、次の基準に従って評価を行った。
[糸直径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
[ラケット用ガット特性の評価]
A.耐久性
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでのテニスボールの打ち出し回数で耐久性を評価した(単位:回)。
B.打球性
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリアミド製ガットを使用したテニスラケットと比較し、制球性、反発性、耐衝撃性について、次の3段階で感応評価を行った。
◎:天然ガットと同等のものであった、
○:天然ガットより劣るが、ポリアミド樹脂製ガットと同等のものであった、
×:ポリアミド樹脂製ガットより劣るものであった。
C.張設性
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較し、次の2段階で評価を行った。
○:良好であった
×:劣っていた。
A.耐久性
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでのテニスボールの打ち出し回数で耐久性を評価した(単位:回)。
B.打球性
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリアミド製ガットを使用したテニスラケットと比較し、制球性、反発性、耐衝撃性について、次の3段階で感応評価を行った。
◎:天然ガットと同等のものであった、
○:天然ガットより劣るが、ポリアミド樹脂製ガットと同等のものであった、
×:ポリアミド樹脂製ガットより劣るものであった。
C.張設性
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較し、次の2段階で評価を行った。
○:良好であった
×:劣っていた。
[実施例1]
ナイロン6樹脂(東レ製 M1041、以下、N6樹脂またはN6と記す)77重量%と、ナイロン6とナイロン66との共重合体(東レ製 M6151、以下、N6/66樹脂またはN6/66と記す)20重量%と、ポリエチレン樹脂(三井化学製 ハイゼックス2100J、以下、PE樹脂またはPEと記す)3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
ナイロン6樹脂(東レ製 M1041、以下、N6樹脂またはN6と記す)77重量%と、ナイロン6とナイロン66との共重合体(東レ製 M6151、以下、N6/66樹脂またはN6/66と記す)20重量%と、ポリエチレン樹脂(三井化学製 ハイゼックス2100J、以下、PE樹脂またはPEと記す)3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、次いで213℃の乾熱雰囲気中で1.34倍(トータル延伸倍率4.8倍)に延伸した後、さらに185℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.93倍の熱処理を行うことにより、直径0.155mmの巻糸を得た。
また、N6樹脂80重量%とN6/66樹脂20重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、次いで300℃の乾熱雰囲気中で1.35倍(トータル延伸倍率5.4倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、直径0.92mmの芯糸を得た。
そして、芯糸の外周部に巻糸20本を等間隔で螺旋状に巻回し、さらに接着剤で固定することにより、直径1.3mmのラケット用ガットを製造した。
[実施例2]
巻糸中のPE樹脂の含有量を1.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
巻糸中のPE樹脂の含有量を1.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[実施例3]
巻糸中のPE樹脂の含有量を12重量%に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
巻糸中のPE樹脂の含有量を12重量%に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[実施例4]
PE樹脂の変わりにポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ製 ノバテックFY5、以下、PP樹脂またはPPと記す)を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
PE樹脂の変わりにポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ製 ノバテックFY5、以下、PP樹脂またはPPと記す)を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[実施例5]
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井ペット製 J055、以下、PET樹脂またはPETと記す)97重量%と、メタロセンポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン製 カーネルKC−580S、以下MEPE樹脂またはMEPEと記す)3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、300℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに70℃の温水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井ペット製 J055、以下、PET樹脂またはPETと記す)97重量%と、メタロセンポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン製 カーネルKC−580S、以下MEPE樹脂またはMEPEと記す)3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、300℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに70℃の温水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を95℃の温水中で3.0倍に延伸し、次いで200℃の乾熱雰囲気中で1.80倍(トータル延伸倍率5.4倍)に延伸した後、さらに250℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、直径0.155mmの巻糸を得た。
また、PET樹脂をエクストルーダー型紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、孔径4.0mmの口金を通して押出し、直ちに70℃の温水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を90℃の温水中で2.9倍に延伸し、次いで230℃の乾熱雰囲気中で1.90倍(トータル延伸倍率5.5倍)に延伸した後、さらに250℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.95倍の熱処理を行うことにより、直径1.0mmの芯糸を得た。
そして、芯糸の外周部に巻糸20本を等間隔で螺旋状に巻回し、さらに接着剤で固定することにより、直径1.3mmのラケット用ガットを製造した。
[実施例6]
巻糸の直径を0.06mm、芯糸の直径を0.78mmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
巻糸の直径を0.06mm、芯糸の直径を0.78mmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[比較例1]
巻糸にPE樹脂を含有させなかったこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
巻糸にPE樹脂を含有させなかったこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造した。
[比較例2]
実施例1に記載の芯糸の直径を1.30mmに変更し、巻糸を使用せず、この芯糸のみをラケット用ガットとして使用した。
実施例1に記載の芯糸の直径を1.30mmに変更し、巻糸を使用せず、この芯糸のみをラケット用ガットとして使用した。
[比較例3]
N6樹脂77重量%と、N6/66樹脂20重量%と、PE樹脂3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
N6樹脂77重量%と、N6/66樹脂20重量%と、PE樹脂3重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、次いで300℃の乾熱雰囲気中で1.35倍(トータル延伸倍率5.4倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、直径1.3mmの芯糸を得た。
そして、巻糸を使用せず、この芯糸のみをラケット用ガットとして使用した。
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たすラケット用ガット(実施例1〜6)は、従来のラケット用ガット(比較例1および2)に比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたものであることが分かる。
中でも、ポリオレフィン樹脂の選定、巻糸中のポリエチレン樹脂の含有量、巻糸の直径などが、さらに適正条件を満たしたラケット用ガット(実施例1)は、さらに優れた効果を有するものであることが分かる。
一方、本発明の条件を満たさないラケット用ガット(比較例1〜3)は、耐久性が従来のものと同等またはそれ以下であり、天然ガット並の打球性と張設性を期待できないものであることが分かる。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性と張設性を兼ね備えたものであるため、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合にはこれらの効果を如何なく発揮し、極めて有用なものとなる。
Claims (5)
- ポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂を主たる構成成分とする繊維を巻糸および芯糸とし、前記芯糸の外周に前記巻糸を螺旋状に巻回した複合体からなるラケット用ガットであって、少なくとも前記巻糸に第二成分としてポリオレフィン系樹脂が含有されていることを特徴とするラケット用ガット。
- 前記巻糸にポリオレフィン系樹脂が1〜10重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
- 前記巻糸に含有されるポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
- 前記巻糸および芯糸を構成するポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜3に記載のラケット用ガット。
- 前記巻糸の直径が0.05〜0.50mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4に記載のラケット用ガット。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2159305A1 (en) * | 2008-08-14 | 2010-03-03 | Luxilon Industries, naamloze vennootschap | Polymer string |
WO2016050795A1 (en) * | 2014-09-29 | 2016-04-07 | Monsma Research Bv | Sports racket and filament |
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- 2005-03-16 JP JP2005074702A patent/JP2006255069A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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BE1018246A3 (nl) * | 2008-08-14 | 2010-07-06 | Luxilon Ind Nv | Kunststofsnaar. |
WO2016050795A1 (en) * | 2014-09-29 | 2016-04-07 | Monsma Research Bv | Sports racket and filament |
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