JP2010240246A - ラケット用ガット - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットの提供。
【解決手段】見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂からなる直径が0.05〜1.5mmのガットの少なくとも一部に使用してなり、ガット全体の引張強度が400MPa以上であることを特徴とするラケット用ガットであり、ポリアミド樹脂がナイロン6/12共重合樹脂であること、ポリアミド樹脂が低比重樹脂を含有していることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂からなる直径が0.05〜1.5mmのガットの少なくとも一部に使用してなり、ガット全体の引張強度が400MPa以上であることを特徴とするラケット用ガットであり、ポリアミド樹脂がナイロン6/12共重合樹脂であること、ポリアミド樹脂が低比重樹脂を含有していることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するラケット用ガットに関するものである。さらに詳しくは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を兼ね備えたラケット用ガットに関するものである。
一般に、ラケット用ガットに求められる機能としては、耐久性、打球性および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、打球毎の摩耗による切断のし易さや張設後の応力緩和による弛みの程度などを言い、打球性とは、反発性、制球性、ボールへの回転の掛け易さなどのほか、打球時の感覚や打球音などの打球感を言い、さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言う。
そして、この3つの性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされるが、打球性、耐久性がいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に欠けたラケット用ガットとなる。
テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとしては、古くから羊腸、鯨筋などに代表される動物繊維から得られる天然ガットが用いられてきた。
しかし、天然ガットは反発性、制球性および耐衝撃性などに優れているが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では耐久性、量産性、経済性などに優れた合成樹脂製ガットが数多く使用されている。
合成樹脂のモノフィラメントまたはマルチフィラメントを使用した合成樹脂製ガットとしては、例えば芯糸および巻糸の両方にポリアミドを使用したガット(例えば、特許文献1参照)や、ポリエステルモノフィラメントを使用したガット(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
これらの合成樹脂製ガットは、天然ガットに比べ耐久性に優れており、材料の安定供給も可能であるなどの長所を有するが、天然ガット並のソフトな打球感が得られにくいといった問題があった。
また、樹脂被覆層や巻糸にナイロン46樹脂を用いたガット(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
このガットは、反発性、打球感を損なうことなく耐久性の優れたものとされているが、実際には本来低強度のナイロン46樹脂を素材としていることから、十分な強度を得るにはガットを太径にする必要があり、そのために空気抵抗が増して反発性、打球感が損なわれるばかりか、張設性にも劣るといった問題を抱えていた。
このように、従来のラケット用ガットには、耐久性、打球性、および張設性の3つの特性をバランス良く兼ね備え、天然ガット並の性能を有するものが得られにくかったため、その実現が強く望まれていた。
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明の目的は、従来のラケット用ガットに比べて、耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂からなる直径が0.05〜1.5mmのモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなり、ガット全体の引張強度が400MPa以上であることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
前記ポリアミド樹脂がナイロン6/12共重合樹脂であること、
前記ポリアミド樹脂が低比重樹脂を含有していること、
前記低比重樹脂の含有量が1〜10重量%であること、
前記低比重樹脂がポリオレフィンであること
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
前記ポリアミド樹脂がナイロン6/12共重合樹脂であること、
前記ポリアミド樹脂が低比重樹脂を含有していること、
前記低比重樹脂の含有量が1〜10重量%であること、
前記低比重樹脂がポリオレフィンであること
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことでさらに優れた効果を取得することができる。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果をバランス良く発揮する。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のラケット用ガットは、見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂からなる直径が0.05〜1.5mmのモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなり、ガット全体の引張強度が400MPa以上であることを特徴とするものである。
見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂モノフィラメントをガットの少なくとも一部に使用することにより ガット全体が軽量化されるため、ラケットの振りぬきを容易に行うことが可能となり、反発性、打球感が優れたガットが得られる。見掛け比重1.0未満でなおかつガットに必要な強力を得られるポリアミドは存在しない。また、見掛け比重が1.13より大きくなると通常のナイロン6と同様に、耐久性向上の効果を発揮するには至らない。
さらに、ガット全体の引張強度は400MPa以上であることが重要であり、引張強度が400MPa未満の場合には、ガットとしての実用上の強度が得られないため好ましくない。
ここで、本発明で使用する見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂は、溶融紡糸可能な熱可塑性合成樹脂であれば特に限定はされず、例えば、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、ナイロン610、ナイロン612などを挙げることができるが、中でもナイロン6とナイロン12の相互共重合体であるナイロン6/12が高強度で低比重の点から最も好適に用いられる。
本発明で使用するポリアミド樹脂は、低比重樹脂を含有させてさらに低比重化を図ったものであってもよい。
低比重樹脂としては、ポリアミド樹脂の強度低下を招かずに低比重化できるものであれば特に制限なく使用することができるが、中でも強度と低比重の効果が大きいとの理由から、ポリオレフィン樹脂、特にポリエチレン樹脂の使用が好ましい。なお、ポリエチレン樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂などのほか、メタロセン触媒を使用して重合されたメタロセンポリエチレンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
低比重樹脂の含有量は、1〜10重量%の範囲が好ましい。含有量が1重量%未満では低比重化の効果が発揮されない。また含有量が10重量%を超えると、十分な強度が得られない傾向となる。
さらに、本発明においては、上述のポリアミド樹脂に、各種着色剤、結晶化抑制剤、耐光剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤および可塑剤などの添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することも可能である。
本発明のラケット用ガットの態様としては、上記モノフィラメントを単線として使用したガット、上記モノフィラメントを芯線としてこれに他のモノフィラメントあるいはマルチフィラメントを巻線したガット、他のモノフィラメントあるいはマルチフィラメントを芯線としてこれに上記モノフィラメントを巻線したガット、および上記モノフィラメントを芯線としてこれに上記モノフィラメントを巻線したガットなどが挙げられ、これらの各態様別にモノフィラメント直径の最適値が存在する。
上記モノフィラメントを単線としてラケット用ガットとする場合において、直径が1.5mmを上回ると打球性が低下しやすくなり、また0.5mm未満では、実用上の強力を得られない傾向となる。
また、上記モノフィラメントを芯線として用いてラケット用ガットとする場合において、直径が1.0mmを上回ると、打球性が低下しやすくなり、直径が0.5mm未満では、所定の太さにするために巻線が増え、打球性が低下しやすい傾向となる。
さらに、上記モノフィラメントを巻線として用いてラケット用ガットとする場合において、直径が0.5mmを上回ると、ガットへの巻線加工ができなくなり、0.05mm未満では、線径斑が大きくなり、ガットへの巻線加工ができなくなる傾向となる。
本発明のラケット用ガットは、以下に説明する方法により効率的に製造することができる。
まず、見掛け比重1.0〜1.13のポリアミドモノフィラメントを溶融紡糸するに際しては、公知の紡糸機を使用することができ、またその条件としては、例えば、ポリマー温度200〜350℃、押出圧力1〜50MPa、口金孔径0.1〜5mm、紡糸速度0.3〜200m/分などといった通常の条件を採用することができる。
初めに、見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂を紡糸機に供給し、紡糸機内で溶融混練した後、口金から紡出する。
その後、紡出したモノフィラメントは、短い気体ゾーンを通過した後、冷却浴内で冷却されるが、ここでの冷却温度は、冷却浴内におけるモノフィラメントの蛇行を防止し、モノフィラメントの真円性を高められることから、5〜50℃とすることが好ましい。
なお、冷却浴の冷却媒体としては、ポリマーに不活性な液体、通常は水、ポリエチレングリコールおよびグリセリンなどを挙げることができる。
次に、冷却固化されたモノフィラメントは、引き続き1段乃至2段の延伸行程に送られる。ここで、高強度かつ耐久性に優れたモノフィラメントを得るためには、1段目の延伸を比較的低温かつ低倍率の条件で行うことが好ましく、具体的には、60〜120℃の温度で2.0〜5.0倍に延伸することが好ましい。
さらに、延伸工程を経た複合モノフィラメントは、延伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長および/または弛緩熱処理を行っても良い。
なお、延伸工程および定長/弛緩熱処理工程における雰囲気(浴)としては、温水、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体浴、乾熱気体浴および水蒸気浴などを使用することができる。
こうして得られたラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合には、これらの効果を如何なく発揮する。
以下、本発明のラケット用ガットをさらに具体的に説明するが、本発明のラケット用ガットはその主旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、評価用のテニスラケットは、フェース面積115インチのテニスラケット用のフレームに、得られたラケット用ガットを60Lbのテンションで張設したものを使用し、次の基準に従って評価を行った。
[見掛け比重測定]
JIS Z8807の規定に準じて測定した。
JIS Z8807の規定に準じて測定した。
[糸直径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
[引張強度]
JIS L1013の規定に準じて測定した。
JIS L1013の規定に準じて測定した。
[ラケット用ガット特性の評価]
A.面圧保持性
面圧測定機(スイス製RaTest)を使用して、張設直後と張設後1週間後の面圧を測定し、張設直後の面圧に対する保持率(%)で評価した。保持率が大きいほど面圧保持性に優れていることを示す。
A.面圧保持性
面圧測定機(スイス製RaTest)を使用して、張設直後と張設後1週間後の面圧を測定し、張設直後の面圧に対する保持率(%)で評価した。保持率が大きいほど面圧保持性に優れていることを示す。
B.耐久性
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでの打ち出し回数で耐久性を評価した。
テニスラケットのフェースに、時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40度の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでの打ち出し回数で耐久性を評価した。
C.打球性
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリアミド樹脂製ガットを使用したテニスラケットと比較して、制球性、反発性および耐衝撃性を次の3段階で感応評価した。
◎:天然ガットと同等のものであった、
○:天然ガットより劣るが、ポリアミド樹脂製ガットと同等のものであった、
×:ポリアミド樹脂製ガットより劣るものであった。
上級レベルのテニスプレーヤーにテニスラケットを使用して実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来のポリアミド樹脂製ガットを使用したテニスラケットと比較して、制球性、反発性および耐衝撃性を次の3段階で感応評価した。
◎:天然ガットと同等のものであった、
○:天然ガットより劣るが、ポリアミド樹脂製ガットと同等のものであった、
×:ポリアミド樹脂製ガットより劣るものであった。
D.張設性
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較して、次の2段階で評価した。
○:良好であった、
×:劣っていた。
ラケット用ガットを張設してテニスラケットを制作する際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設する場合と比較して、次の2段階で評価した。
○:良好であった、
×:劣っていた。
[実施例1]
ナイロン6/12(EMS製 CR8)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに20℃の水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
ナイロン6/12(EMS製 CR8)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに20℃の水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で3.8倍に延伸し、次いで290℃の乾熱雰囲気中で1.34倍(トータル延伸倍率4.8倍)に延伸した後、さらに185℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.93倍の熱処理を行うことにより、直径0.900mmの芯糸を得た。
また、ナイロン6(東レ製 M1021TM)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、次いで200℃の乾熱雰囲気中で1.35倍(トータル延伸倍率5.4倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、直径0.115mmの巻糸を得た。
そして、芯糸の外周部に巻糸20本を等間隔で螺旋状に配置し、巻き付け角35度で螺旋状に巻き付け、さらに接着剤で固定することにより、直径1.3mmのラケット用ガットを製造した。
[実施例2]
ナイロン6(東レ製 M1041)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
ナイロン6(東レ製 M1041)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、次いで300℃の乾熱雰囲気中で1.325倍(トータル延伸倍率5.3倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、直径0.900mmの芯糸を得た。
また、ナイロン6/12(EMS製 CR−8)92重量%と、ポリエチレン(三井化学製 ハイゼックス2100J)8重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、次いで200℃の乾熱雰囲気中で1.33倍(トータル延伸倍率4.8倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.92倍の熱処理を行うことにより、直径0.160mmの巻糸を得た。
そして、芯糸の外周部に巻糸12本を等間隔で螺旋状に配置し、巻き付け角35度で螺旋状に巻き付け、さらに接着剤で固定することにより、直径1.25mmのラケット用ガットを製造した。
[実施例3]
ナイロン6/12(EMS製 CR−8)92重量%と、ポリエチレン(三井化学製 ハイゼックス2100J)8重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
ナイロン6/12(EMS製 CR−8)92重量%と、ポリエチレン(三井化学製 ハイゼックス2100J)8重量%との混合物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、孔径2.5mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、次いで290℃の乾熱雰囲気中で1.34倍(トータル延伸倍率4.8倍)に延伸した後、さらに185℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.93倍の熱処理を行うことにより、直径0.900mmの芯糸を得た。
また、ナイロン6/12(EMS製 CR−8)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、エクストルーダー型紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、孔径1.0mmの口金を通して押出し、直ちに10℃の冷水浴中で冷却固化させて未延伸糸を得た。
その後、この未延伸糸を100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、次いで200℃の乾熱雰囲気中で1.33倍(トータル延伸倍率4.8倍)に延伸した後、さらに200℃の乾熱雰囲気中でリラックス倍率0.92倍の熱処理を行うことにより、直径0.160mmの巻糸を得た。
そして、芯糸の外周部に巻糸12本を等間隔で螺旋状に配置し、巻き付け角35度で螺旋状に巻き付け、さらに接着剤で固定することにより、直径1.25mmのラケット用ガットを製造した。
[比較例1]
芯糸の成分をナイロン6(東レ製 M1041)としたこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
芯糸の成分をナイロン6(東レ製 M1041)としたこと以外は、実施例1と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
[比較例2]
巻糸の直径を0.04mmとし、巻本数を80本としたこと以外は、実施例2と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
巻糸の直径を0.04mmとし、巻本数を80本としたこと以外は、実施例2と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
[比較例3]
巻糸の成分をポリエチレン(三井化学製 ハイゼックス2100J)のみにしたこと以外は、実施例3と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
巻糸の成分をポリエチレン(三井化学製 ハイゼックス2100J)のみにしたこと以外は、実施例3と同じ条件でラケット用ガットを製造して使用した。
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たすラケット用ガット(実施例1〜3)は、本発明の条件を満たさないラケット用ガット(比較例1〜3)に比べて、いずれも耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を兼ね備えたものであることが分かる。
特に、巻糸にポリエチレンを用いたラケット用ガットは、60Lbのテンションで張設しようとすると、伸びるため、極めて張設性に欠けるばかりか、反発性、制球性および耐衝撃性が悪く、実用性の低いラケット用ガットであった。
本発明のラケット用ガットは、従来のラケット用ガットに比べて耐久性に優れ、天然ガット並の打球性を備えたものであるため、テニス、バドミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに使用した場合にはこれらの効果を如何なく発揮することができる。
Claims (5)
- 見掛け比重1.0〜1.13のポリアミド樹脂からなる直径が0.05〜1.5mmのモノフィラメントを、ガットの少なくとも一部に使用してなり、ガット全体の引張強度が400MPa以上であることを特徴とするラケット用ガット。
- 前記ポリアミド樹脂がナイロン6/12共重合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
- 前記ポリアミド樹脂が低比重樹脂を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
- 前記低比重樹脂の含有量が1〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
- 前記低比重樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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---|---|---|---|
JP2009094122A JP2010240246A (ja) | 2009-04-08 | 2009-04-08 | ラケット用ガット |
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JP2013215328A (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-24 | Toray Monofilament Co Ltd | ラケット用ガットおよびその製造方法 |
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2009
- 2009-04-08 JP JP2009094122A patent/JP2010240246A/ja active Pending
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