JP2013099412A - ラケット用ガット - Google Patents

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Abstract

【課題】芯糸と皮糸の接触面積が大きくなることにより強固な接着が可能になると同時に、芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くて、高強力で、耐久性があり、打球感の良好なラケット用ガットを提供する。
【解決手段】モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントから成る芯糸の周囲に複数本の皮糸を配したラケット用ガットにおいて、前記皮糸の断面周縁の少なくとも一部に直線部分を有することを特徴とするラケット用ガット。
【選択図】図1

Description

本発明は、テニス、バドミントン、スカッシュ等に使用するラケットガットに関するものであり、さらに詳しくは、皮糸の断面周縁の少なくとも一部分を直線にしてその直線部分を芯糸に沿わせて芯糸と皮糸の接着面積を増やすことにより、強固な接着が可能となると同時に芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたときに細くても高強力で耐久性があり、打球感の良好なラケット用ガットに関するものである。
近年、プレースタイルの変化、ラケットの進歩等により従来のラケットガットより細いラケットガットの開発が望まれているが、ラケットガットを細くすると耐久性に欠けるものになってしまうことから、細くて高強力、さらに耐久性にも優れたラケットガットの開発が求められている。
従来のラケット用ガットとしては、モノフィラメントまたはマルチフィラメントを芯糸として、その周りに皮糸としてのモノフィラメントを編組または巻き付けたもの、モノフィラメントをそのまま使用したもの、モノフィラメントの表面にコーティングのみ施したもの等が一般的に使用されている。
一般に、ラケットガットに求められる機能としては、耐久性、打球性および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、張設後の応力緩和による弛みの程度や打球毎の摩耗による切断のし易さ等を言い、打球性とは、反発性、制球性等のほか、打球時の感覚や打球音、振り抜き易さ等の打球感を言い、ラケットガットを細くすることにより、優れた打球感を得ることができる。さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言い、この3つの性能が一つでも欠けると実用性に欠けたラケットガットとなる。
前記ラケットガットの一般的な作成方法としては、芯糸に熱可塑性樹脂溶液接着剤を塗布した後、丸断面の皮糸用モノフィラメントを巻き付ける方法や、芯糸に皮糸用モノフィラメントを編組した後、溶融樹脂をコーティングして芯糸と皮糸を一体化する方法、溶融樹脂の代わりに光硬化樹脂を使用する方法、更に皮糸の融点以上の温度を掛けて熱融着させる方法等が知られているが、いずれの方法で得られるラケット用ガットであっても、皮糸の形状が丸断面のため、芯糸と皮糸の接着面が線接触であること、及び芯糸と皮糸の接着面に隙間が出来てしまうことから、芯糸と皮糸の接着が弱く、耐久性にかけるものであったり、太いラケットガットとなってしまったりするといった問題があった。
モノフィラメントの接着を改善させる方法としては、6角形のモノフィラメントを引きそろえることにより、隣り合うモノフィラメントの側面同士を面接触させて接着性を改善する方法(例えば、特許文献1参照)、がすでに提案されているが、この方法によると、モノフィラメント同士の接着力は向上するものの、複数本のモノフィラメントを強力に接着することにより、異型断面モノフィラメントをガットとして使用した場合と同じになり、複数本のモノフィラメントを使用する効果が薄れてしまうことから細径化、高耐久性の両方を充分に満足するものではなかった。
また、ガットを細く仕上げる方法としては、丸断面糸を複数個つなぎ合わせた形状の皮糸を使用して、皮糸が重なることなく均一に芯糸に巻きつけることにより、ガットの直径を細くする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、この方法によれば、確かに皮糸を簡単に引きそろえることができ、皮糸の重なり部分を減少させることにより細径化は可能であるものの、丸断面を複数個つなぎ合わせた形状であることから、芯糸と皮糸の接着面はやはり線接触となってしまい、芯糸と皮糸の接着強力が低くなり耐久性が充分ではないという欠点が残る。
さらに、皮糸の10〜50%がアラミド繊維および/又はPEEKを等間隔に配置することにより、細径かつ耐久性に優れたガット(例えば、特許文献3参照)についても提案されているが、このガットは皮糸にアラミド繊維やPEEKフィラメントを使用することにより耐摩耗性が向上し、耐久性は改善されるものの、アラミド繊維やPEEKフィラメントとは接着性が悪く、充分な効果を得るためには他素材の皮糸と併用するまたは2重に皮糸を巻く必要があるため製造コストが掛かるばかりか、ガットが太くなってしまうという問題があった。
特開2006―345963号公報 特開2008―48867号公報 特開平7―275404号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、芯糸と皮糸の接着面積を増やすことにより、強固な接着が可能となると同時に、芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くても高強力で耐久性があり、かつ打球感の良好なラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントからなる芯糸の周囲に複数本の皮糸を配したラケット用ガットにおいて、前記皮糸の断面周縁の少なくとも一部に直線部分を有することを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては
前記皮糸の直線部分の長さが0.06〜0.4mmの範囲であること、
前記皮糸の直線部分が芯糸に接するように引きそろえて巻きつけてあること、および
バドミントンラケット用ガットであること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たした場合には、さらに優れた効果を期待することができる。
本発明によれば、皮糸の断面周縁の一部分を直線にしてその直線部分を芯糸に沿わせて芯糸と皮糸の接着面積を増やすことにより、芯糸と皮糸の強固な接着が可能となると同時に芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くても高強力で耐久性があり、かつ打球感の良好なラケット用ガットを得ることができる。
本発明のラケット用ガットの一例を示す断面図である。 従来のラケット用ガットの一例を示す断面図である。 (イ)〜(ニ)は本発明の皮糸の断面形状の一例を示す断面図、(ホ)、(ヘ)は従来のラケット用ガットの一例を示す断面図である。
以下に、本発明のラケット用ガットについて、図面に従って具体的に説明する。
図1は本発明のラケット用ガットの一例を示した断面図であり、Aはラケット用ガットの芯糸、Bはラケット用ガットの皮糸をそれぞれ示している。
また、図2は従来のラケット用ガットの一例を示した断面図であり、Aは芯糸、Bは皮糸、Cは芯糸と皮糸の間にできた隙間をそれぞれ示している。
図3(イ)〜(ニ)は本発明の皮糸の断面形状の一例を示す断面図、(ホ)、(ヘ)は従来のラケット用ガットの一例を示す断面図であり、本発明のラケット用ガットに使用される皮糸B1(イ)は半円、B2(ロ)は半円三連結形状、B3(ハ)は台形、B4(ニ)は長方形、B5(ホ)は真円形、B6(ヘ)は真円三連結形状であり、また、各図のab間の長さは直線部分の長さ、cdは真円の直径、efは真円三連結の長径、hiは同じく短径をそれぞれ示している。
本発明のラケット用ガットの構成は、モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントからなる芯糸Aに、図1および図3から分かるように、断面形状の少なくとも一部に直線部分を有する複数本の皮糸Bを配した構成であることが必須である。
本発明においては、ラケット用ガットの皮糸Bの少なくとも一部に直線部分を有することから、芯糸Aと皮糸Bの接触面積が大きくなることにより強固な接着が可能になると同時に芯糸Aと皮糸Bの接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くて、高強力で、耐久性があり、打球感の良好なラケット用ガットを得ることができる。
ここで、前記皮糸の形状については、少なくとも一部に直線部分がある形状であれば特に限定は無いが、図3に示すB1:半円、B2:半円三連結形状B3:台形、B4:長方形が好ましい例として挙げられ、これらの形状を選択する事により皮糸部分の厚さが薄くなることからガットに加工したときに細いガットとして仕上げやすい傾向となる。直線部分の長さについては図3のab間の長さが0.06〜0.4mm、特に0.08〜0.35mmの範囲にあることが好ましく、直線部の長さが0.06mmより小さくなると、芯糸との接触面積が小さくなり充分な接着強力が得られなくなることから、でき上がったガットの耐久性が低いものになってしまい、0.4mmより長くなると、芯糸に沿わせることが困難になり、結果として芯糸と皮糸の間に隙間ができガットが太いものになってしまうため好ましくない。
また、皮糸の直線部分が芯糸に接するように引きそろえて巻きつけてあることが好ましく、引きそろえずに皮糸を巻きつけた場合には、糸の撚れにより部分的に太い部分ができるばかりか、部分的に芯糸との隙間が大きくなり欠点部分が発生しやすくなるため好ましくない。
次に、本発明のラケット用ガットを構成する芯糸については特に限定するものではなく、熱可塑性樹脂を紡糸して得られたモノフィラメントまたはマルチフィラメントを、ラケットガットの要求特性に合わせて適宣選択できる。また、皮糸の素材についても特に限定されるものではなく、本発明の皮糸の断面形状を維持しておれば、通常の熱可塑性樹脂を紡糸して得られたモノフィラメントを適宣選択できるが、高強度、細径化、高耐久性を高次元で実現するためには、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロンMXD6等のポリアミド樹脂、ナイロン6/66、ナイロン6/12等の共重合ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂やこれらを主成分とする共重合ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の生分解樹脂として知られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や共重合ポリオレフィン樹脂が上げられるが、中でもポリアミド系樹脂が好ましく使用される。
本発明のラケット用ガットにおいては、ナイロンマルチフィラメントの芯糸に、ナイロンモノフィラメントの皮糸を組み合わせることが、細くて、高強力で、耐久性があり、打球感の良好なラケット用ガットを得るために好ましく採用される。また、前記芯糸、皮糸には要求特性を阻害しない範囲であれば可塑剤、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、結晶化抑制剤、染料、顔料等の各種着色剤等の添加剤を含有せしめることができる。
本発明のラケット用ガットに使用される芯糸用モノフィラメントおよび皮糸用モノフィラメントの製造方法については何ら特殊な方法を使用する必要はなく、口金の形状を本発明に使用される皮糸の形状に合わせる以外は、公知の溶融紡糸方法を採用することができ、例えば、ポリアミド樹脂をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量押出された押出ポリマーを、10〜80℃の冷却浴で冷却した後、前記口金を通して押し出し冷却槽で冷却固化したモノフィラメントの未延伸糸を、引き続き80〜120℃で3.0〜4.5倍に延伸し、さらに150〜300℃でトータル延伸倍率4.5〜7.0倍に延伸した後、150〜200℃でリラックス処理することにより、本発明ラケット用ガットに使用される皮糸用モノフィラメントを得ることができる。
なお、本発明のラケット用ガットは、芯糸の周囲に複数本の皮糸に接着剤をつけながら編組したり、巻いたりする方法、芯糸の周囲に複数本の皮糸を編組したり、巻いたりした後に、熱融着させる方法により作成することができ、更に表層に樹脂コーティングを施すこともできる。
こうして得られた本発明のラケット用ガットは、皮糸の少なくとも一部に直線部分を有することから、芯糸と皮糸の接触面積が大きくなることにより強固な接着が可能になると同時に、芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くて、高強力で耐久性があり、かつ打球感の良好なラケット用ガットとなり、特にバドミントン用ガットとして好適である。
以下に、本発明のラケット用ガットを実施例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、実施例におけるモノフィラメントの評価およびラケットガットの評価は以下の方法で行った。
[皮糸の断面形状]
ミクロトームで鋭利にカットしたモノフィラメント試料の断面を、(株)KEYENCE製デジタルマイクロスコープVHX−500Fを使用して、目視で確認した。
[皮糸の直線部分の長さ]
ミクロトームで鋭利にカットしたモノフィラメント試料の断面を、(株)KEYENCE製デジタルマイクロスコープVHX−500Fを使用して、拡大し、直線部分ab間の長さを測定した。
[ラケット用ガットの直径]
MITUTOYO社製「デジタルマイクロメータ」を使用し、ラケット用ガットの長径と短径をそれぞれ5点測定してその平均値をガットの直径とした。
[ラケット用ガットの破断強力/伸度]
JIS L1013の規定に準じて測定した。すなわち、ラケット用ガットを20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、島津社製オートグラフ「AG−1」型引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強力および引張破断伸度を1サンプルに対して5回測定し、その平均を求め強度を算出した。
[ラケット用ガットの耐久性評価]
本発明のラケット用ガットを、実際にバドミントン用ラケットに20ポンドの張力で張設した。そして、バドミントン用ラケットのフェースに、時速100km、打ちだし間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40°の条件でシャトルを衝突させ、ガットが切断するまでのシャトルの打ち出し回数(単位:回)で耐久性を評価した。
[ラケット用ガットの打球性評価]
上記「ラケット用ガットの耐久性評価」で作製した同じバトミントン用ラケットを、実際に上級レベルのバドミントンプレーヤーにシャトルを試打してもらい、従来の合成樹脂製ラケットガットを使用した場合と比較して、制球性、反発性、打球音について、次の2段階で評価した。
○:従来の合成樹脂製ラケットガットよりも制球性、反発性、耐久性に優れていた、
×:従来の合成樹脂製ラケットガットと同等もしくはそれ以下であった。
[ラケット用ガットの張設性評価]
本発明のラケット用ガットをバドミントン用ラケットに20ポンドの張力で張設し、その際の張設のしやすさについて次の2段階で評価した。
○:従来の合成樹脂製ラケットガットと同等もしくは張設しやすかった、
×:張設途中に切れたりして、従来の合成樹脂製ラケットガットよりも張設が困難であった。
[実施例1]
芯糸としてナイロン6樹脂(東レ製、M1041)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを丸断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、さらに290℃でトータル延伸倍率5.3倍に延伸した後、さらに200℃でリラックス処理することにより、本発明のラケット用ガットに使用される直径0.520mmの芯糸用モノフィラメントを得た。
次に、皮糸用モノフィラメントBとして、ナイロン6/66共重合樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)2030)を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを半円断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、本発明ラケット用ガットに使用される皮糸用モノフィラメントを得た。
得られた皮糸用モノフィラメントBの断面形状は図3―B1に示す通りであり、直線部分の長さabは、0.115mmであった。
前記芯糸用モノフィラメントの周囲に、皮糸用モノフィラメントB1の直線部分abが芯糸に接するように18打ち製紐機を用いて編組した後、210℃の熱処理温度で熱融着させてバドミントン用のラケット用ガットを作製した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で得られた芯糸に、接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液を付与した後、皮糸用モノフィラメントB1を直線部分abが芯糸に接するように18本引きそろえて巻きつけた後、余分な接着剤が残らないように孔径0.70mmのダイスを通した後雰囲気温度140℃の乾燥炉で乾燥してバドミントン用のラケット用ガットを作成した。
[実施例3]
芯糸として東レ製ナイロン66マルチフィラメント(1400T−204F−T1783)に70回/mの撚り加工を施した後、共重合ナイロン(東レ製CM8000)の10wt%メタノール溶液でコーティングしたものを作成した。
次に、皮糸用モノフィラメントBとして、ナイロン6/66共重合樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)2030)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを半円3連結断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、本発明ラケット用ガットに使用される皮糸用モノフィラメントを得た。
得られた皮糸用モノフィラメントBの断面形状は図3―B2に示す通りであり、直線部分の長さabは、0.30mmであった。
前記芯糸用マルチフィラメントの周囲に、皮糸用モノフィラメントB2の直線部分abが芯糸に接するように16打ち製紐機を用いて編組した後、210℃の熱処理温度で熱融着させてバドミントン用のラケット用ガットを作製した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
皮糸用モノフィラメントBとして、ナイロン6樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)1020)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを台形断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、本発明ラケット用ガットに使用される皮糸用モノフィラメントを得た。
得られた皮糸用モノフィラメントBの断面形状は図3―B3に示す通りであり、直線部分の長さabは、0.20mmであった。
前記皮糸を実施例3で得られた芯糸に、接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液を付与した後、皮糸用モノフィラメントB3の直線部分abが芯糸に接するように16本引きそろえて巻きつけた後、余分な接着剤が残らないように孔径0.70mmのダイスを通した後、雰囲気温度140℃の乾燥炉で乾燥してバドミントン用のラケット用ガットを作成した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
皮糸用モノフィラメントBとして、ナイロン6樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)1020)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを長方形断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、本発明ラケット用ガットに使用される皮糸用モノフィラメントを得た。
得られた皮糸用モノフィラメントBの断面形状は図3―B4に示す通りであり直線部分の長さabは、0.25mmであった。
前記皮糸を実施例3で得られた芯糸に、接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液を付与した後、皮糸用モノフィラメントB4の直線部分abが芯糸に接するように16本引きそろえて巻きつけた後、余分な接着剤が残らないように孔径0.70mmのダイスを通した後雰囲気温度140℃の乾燥炉で乾燥してバドミントン用のラケット用ガットを作成した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
皮糸用モノフィラメントBとして、ナイロン6樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)2030)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを丸断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、図3−B5に示す丸断面皮糸用モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの直径cdが0.115mmであった。
前記皮糸を実施例3で得られた芯糸の周囲に18打ち製紐機を用いて編組した後、210℃の熱処理温度で熱融着させてバドミントン用のラケット用ガットを作製した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
皮糸用モノフィラメントとして、ナイロン6樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバミット(商標)1020)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを丸断面3連断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で3.6倍に延伸し、さらに210℃でトータル延伸倍率5.00倍に延伸した後、180℃でリラックス処理することにより、図3−B6に示す丸断面3連結皮糸用モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントのef長さは0.19mm、短径hiは0.04mmであった。
前記皮糸を、実施例3で得られた芯糸に、接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液を付与した後、丸断面3連結モノフィラメント16本を引きそろえて巻きつけた後、余分な接着剤が残らないように孔径0.70mmのダイスを通した後雰囲気温度140℃の乾燥炉で乾燥してバドミントン用のラケット用ガットを作成した。
得られたラケットガットの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
ナイロン6樹脂(東レ製、M1041)をエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練後、ギヤポンプにより計量し、ポリマーを丸断面口金から押し出し、10℃の冷却浴で冷却した後、100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、さらに290℃でトータル延伸倍率5.3倍に延伸した後、さらに200℃でリラックス処理することにより、直径0.700mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントをラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
Figure 2013099412
表1の結果から明らかなように、本発明のラケット用ガット(実施例1〜5)は、いずれも皮糸の少なくとも一部に直線部分を有することから、芯糸と皮糸の接触面積が大きくなることにより、強固な接着が可能であると同時に、芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなるため、ラケット用ガットとして使用されたとき細くて、高強力で、耐久性に優れるばかりか、打球感も良好であり、ラケット用ガットとして、従来のものよりも優れていることがわかる。
一方、皮糸の断面形状が従来通り丸断面を使用したラケット用ガット(比較例1)、丸断面三連形状の皮糸を使用した(比較例2)は、皮糸と芯糸の接触部分が線接触であり、でき上がったガットの直径が太くなってしまうばかりか、芯糸と皮糸の接着力が低くなってしまい、ラケットにガットを張るときに芯糸と皮糸が剥離してしまう部分が発生したり、うまく張れた場合でも耐久性に欠けるものであったり、打球音が鈍く打球性に欠ける物であったりするという欠点を有していた。また、モノフィラメントをそのままガットとして使用した(比較例3)は、ガットの表面が平坦なためラケットに張るときに糸が滑ってしまい、ガットが緩むことから何回も張りなおす必要があったばかりか、耐久性、打球性耐久性にも劣るものであった。
以上説明したように、本発明のラケット用ガットは、皮糸の少なくとも一部に直線部分を有することから、芯糸と皮糸の接触面積が大きくなることにより強固な接着が可能になると同時に、芯糸と皮糸の接着部分に余分な隙間ができ難くなることから、ラケット用ガットとして使用されたとき細くて、高強力で、耐久性があり、打球感も良好であるというラケット用ガットとして好適な特性を具備しており、特にバドミントン用ガットとしてその性能を遺憾なく発揮する。
A :ラケット用ガットの芯糸
B :ラケット用ガットの皮糸
B1:直線部分を有する皮糸の形状であり半円状の断面皮糸。
B2:直線部分を有する皮糸の形状であり半円三連結の断面皮糸。
B3:直線部分を有する皮糸の形状であり台形の断面皮糸。
B4:直線部分を有する皮糸の形状であり長方形の断面皮糸。
B5:従来の皮糸の形状であり丸断面皮糸。
B6:従来の皮糸の形状であり丸断面三連結断面糸。
ab:直線部分を有する皮糸の代表的な直線部分の長さを示す。
cd:従来の丸断面皮糸の直径を示す。
ef:従来の丸断面三連結皮糸の長径を示す。
hi:従来の丸断面三連結皮糸の短径を示す。

Claims (4)

  1. モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントから成る芯糸の周囲に複数本の皮糸を配したラケット用ガットにおいて、前記皮糸の断面周縁の少なくとも一部に直線部分を有することを特徴とするラケット用ガット。
  2. 前記皮糸の直線部分の長さが0.06〜0.4mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
  3. 前記皮糸の直線部分が芯糸に接するように引きそろえて巻きつけてあることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
  4. バドミントンラケット用ガットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112017000354T5 (de) 2016-01-13 2018-09-27 AGC Inc. Prepreg, Verfahren zu seiner Herstellung und Faser-verstärktes Formprodukt

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