JP3628266B2 - ラケット用合成ストリング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、打球特性と耐久性に優れかつ低コストで製造できるテニス、バドミントン、スカッシュなどのラケット用合成ストリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケット用ストリングは打球感(打ち昧)が優れていることから、天然ガットが使用されてきたが、湿気の影響を受けやすく耐久性に劣るため、現在では合成繊維とくにポリアミド製のモノフィラメントまたはマルチフィラメントからなるストリングが多く使用されている。
【0003】
この合成繊維製ラケット用ストリングは、モノフィラメントタイプとマルチフィラメントタイプに分類される。モノフィラメントタイプのストリングは、モノフィラメント単独または芯となるモノフィラメントのまわりにそれを取り囲むように皮糸と呼ばれる細いモノフィラメントを巻き付け、接着したストリングであって、一般的に耐久性には優れるが打球感はマルチフィラメントタイプのストリングにくらべ劣っている。
【0004】
一方マルチフィラメントタイプのストリングはマルチフィラメントの束を集束・接着したものを主構成成分としたものであり、構成繊維が細いので打球感はソフトで良好であるが耐久性に劣る傾向がある。
【0005】
このように一般に打球感と耐久性は逆相関にあり、両立させることはむずかしく、モノフィラメントとマルチフィラメントの組み合わせも種々検討されているがすべてを満足するものが得られていないのが現状である。
【0006】
一方、製造工程から見ると、皮糸としてポリアミドモノフィラメントを巻き付け接着する接着剤として、ポリアミド樹脂をフェノール系溶剤に溶解させた接着剤が多く使われており、製品においては独特の臭気が残ることや作業環境、環境汚染の問題もある。
【0007】
このような課題解決のため紡糸段階で芯糸と皮糸を溶着させる例として、たとえば特開昭55−19107号公報においては、マルチフィラメントの溶融未延伸糸を紡糸直下で撚り掛け熱融着させたガットが開示されている。
【0008】
また特開昭55−26903号公報においては、ノズルから芯糸と皮糸を紡糸し冷却槽に入る前に加撚し集束一体化させ皮と芯との隙間がピンホールとして存在するように完全にモノフィラメント化させたガットが開示されている。
【0009】
マルチフィラメントを集束させる場合、上述のものでは、ピンホールと表現されている様に、中心部でも多数の空隙を生じる。この部分がいわば欠陥となりガットにした場合、打球の衝撃で開裂切断しやすくなるので耐久性が乏しいと言う問題がある。
【0010】
後者の芯と皮の場合、芯部には空孔がないので耐久性は上がるが皮同士も一体化しているため、従来の皮糸を巻き、接着したものにくらべ打ち昧が硬く、あたかも一本の太いモノフィラメントで構成されたガットなみになってしまう。
【0011】
さらにこれらの方式は、いずれも撚りかけ後延伸するので、所望の撚り数の数倍の撚り数が未延伸段階では必要となるため延伸性を悪化させ強力が上がらないという問題もある。
【0012】
一方、断面が非円形のモノフィラメントとして紡糸するガットの例として、例えば特開昭56−166863号公報、特開昭58−136819号公報においては、ボールのスピン性を高めるため表面に比較的小さな凹凸有するガットが開示され、ノズルとして歯車型形状のノズルが記載されている。
【0013】
また、特開昭59−149157号公報においては3個以上の突子を持つ変形度の大きい断面形状のガットが開示されている。本発明者らの検討によれば表面凹凸が小さい場合、耐久性低下は小さく、スピン性も丸断面にくらべある程度改良されるが、曲げ硬さはあまり変わらないため打球感はあまり変わらない。一方変形度の大きい形状の場合、曲げ硬さは柔らかくなるのでソフトな打球感が得られるが、直径(外径)の太さの割りには強力が低く、また、打球による変形や損傷が大きいため切断しやすくなり耐久性が著しく低下する問題がある。すなわち、いずれの方法においてもソフトな打球感が得られる変形度の高い領域では耐久性が低く、打球感と耐久性を両立させるガットは得られていないのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は実質的にモノフィラメントでありながら、マルチフィラメントなみのソフトな打ち味を有し、かつ耐久性が高いストリングを提供しようとするものである。また、本発明の第2の目的は溶剤を用いず、かつ低コストで従来の皮糸巻きタイプと同等以上の性能、外観を有する合成ストリングを提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、変形度の大きい断面において耐久性を上げるために、中心部に空孔(ピンホール)がない構造にするとともに、外周部の溝は開口幅を狭く繊維比率を高めることが重要であることを見出し本発明に到った。
【0016】
尚、本発明のモノフィラメントの断面形状は、複数のモノフィラメントを接着剤で巻き付け集束したストリングと近似した断面で、しかも接着面に相当する部分は一体化しているので接着力は強く、接着加工工程が不要で接着溶剤の残存による臭気もないという特徴も有している。
【0017】
(1)すなわち、本発明のラケット用合成ストリングは、断面が、外周表面から中心部方向に複数本の溝部を有し中心部は実質的に空孔がなく一体化している形状である溶融紡糸により一体的に形成されたモノフィラメントにおいて、外周表面の外接円径(直径a)と中心部の内接円径(直径b)の平均値((a+b)/2)で示される溝の半分の深さ部分における開口幅の合計長さcがその部分の円周長dに対して45%未満であり、かつ溝部で区画されている突起部の最大幅を有する部分の幅が突起部の根元部の幅より大きい先太形状であることを特徴とする。
【0018】
(2)また、前記(1)項に記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、前記ラケット用合成ストリング内接円径(b)と外接円径(a)が下式の関係を満たすことが、ソフトな(衝撃の少ない)打球感と耐久性をバランスよく発揮しうるストリングが得られ好ましい。
【0019】
【数2】
0.2≦b/a≦0.8
【0020】
(3)また、前記(1)〜(2)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、溝本数が3から25本であることが、ソフトな(衝撃の少ない)打球感と耐久性をバランスよく発揮しうるストリングが得られ好ましい。
【0021】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、前記モノフィラメントが、1m当たり5から300回の撚り(ねじれ)を有するモノフィラメントであることが、得られるストリングの外観が、主要な従来品である皮糸と呼ばれる細いモノフィラメントを巻き付け、接着したストリングと外観が類似し好ましい。また、この範囲の撚りでは強力を低下させるおそれもなく、物理的なスプリング効果を与えるためか、反発性も向上し好ましい。
【0022】
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、モノフィラメント表面が更に樹脂被覆されていることが好ましい。必要に応じ樹脂を被覆(コーティング)することにより、樹脂が溝内部に入り接着力を高くするとともに、物理的に剥離しにくい形状とすることで耐久性が大幅に向上できるので、好ましい。
【0023】
(6)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、モノフィラメントの断面形状が、外周表面がほほ円形で溝部が均等に分割された花びら型であることが好ましい。
【0024】
この断面形状のものは他の異形断面形状のものに比べて、強力や結節強力が大きく、耐久性に優れた特徴を有しており好ましい。
【0025】
(7)また、前記(6)項に記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、モノフィラメント表面に、更に樹脂被覆が施されていることがソフトな打球感を損なわずに、耐久性が向上でき好ましい。
【0026】
(8)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、モノフィラメントの断面形状が、中心の円形のまわりに小さな円形が取り囲む形状であって、前記小円同士は分離しているが各小円と中心円とは連結している形状であることが好ましい。小さな円形が芯を取り囲む断面形状は、得られるストリングの外観が、主要な従来品である皮糸と呼ばれる細いモノフィラメントを巻き付け、接着したストリングと類似し好ましい。しかもこのような外観が類似したものが上記従来品より安価に製造できる利点がある。更に、各小円と中心円とが一体となって連結している構造であるので、従来品の如く皮糸を接着しているストリングに比べ接着強度がはるかに強く、耐久性が良好になる。
【0027】
(9)また、前記(8)項に記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、モノフィラメント表面に、更に樹脂被覆が施されていることがソフトな打球感を損なわずに、耐久性が向上でき好ましい。特に、樹脂被覆が一層剥離しにくくなり、耐久性向上の点で好ましい。
【0028】
(10)また、前記(1)〜(10)項のいずれかに記載の本発明のラケット用合成ストリングにおいては、突起部の最大幅を有する部分が、突起部の根本から外周表面までの長さの根本から4/10より上側の位置にあるものが、耐久性が良好になり好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の理解を容易にするために、本発明について詳述する。
【0030】
本発明の合成ストリングを構成するモノフィラメントの素材として用いられる合成繊維としてはとくに限定されないが、溶融紡糸可能なものが用いられる。たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン9T、ナイロン6T、ナイロンMXD6やこれらの共重合体などで代表されるポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT,PTT)などの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解ポリエステルとして知られる脂肪族ポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ弗化ビニリデン、熱可塑性ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。
【0031】
これらのポリマーは各種の添加剤、たとえば、耐熱剤、耐光剤、染顔料、充填剤、柔軟剤、可塑剤、平滑剤などを含んでいても良く、また、ポリマーブレンド、複合などによる改質と組み合わせることもできる。
【0032】
本発明の合成ストリングは断面形状において外周表面から中心部において複数本の溝部を有しているが中心部分は実質的に空孔がなく一体化している。溝の数は好ましくは3から25本であり、各溝は中心に向かって放射状になっており、ほぼ均等に分割されているのが好ましい形状である。溝の数は3から25本、より好ましくは5から15本程度であり、溝の数をこの範囲とすることによりソフトな(衝撃の少ない)打球感と耐久性をバランスよく発揮しうるストリングが得られ好ましい。
【0033】
本発明の合成ストリングの代表的な断面形状を図に示す。
【0034】
図1は外周表面から中心部2方向に向かう5本の楔形(V字形)の溝1を有し、モノフィラメントの外側部分が溝1で互いに区画された5本に分割された突起部3を有する5弁の花びら型断面の例である。突起部3の外周表面4は全体的に見た場合ほぼ円形である。中心部は2で示されており、中心部2には実質的に空孔(ピンホール)がない構造になっている。すなわち中心部2の周りには、溝1で互いに区画された突起部3を有している。
【0035】
図2は中心部2の円形モノフィラメントの周辺に、突起部3として12個の小さなほぼ円形のモノフィラメントが芯となる中心部2のモノフィラメントとはつながっているが外周部の細いモノフィラメントからなる突起部3同士の間は分離している形状の例である。溝1の形状は、その側面が二つの突起部3を構成する円形モノフィラメントにはさまれ、溝1の底部は中心部2の芯のモノフィラメントで区画されており、溝の中間部に細いくびれを持った略I字形様の溝1を12個有している。
【0036】
本発明のストリングにおいては溝の形に限定されるものではないが、突起部3の外周表面4の外接円5の径(直径a)と中心部2の内接円6の径(直径b)の平均値((a+b)/2)で示される溝の深さの半分に相当する部分7における溝部の開口幅の総和cが7の部分の円周長さdの45%未満であり、かつ突起部3の最大幅を有する部分の幅が根元部(内接円6の位置がほぼ根本となる)の幅より大きい先太形状となっている。
【0037】
以上に説明した事項は、本発明のストリングにおいて、皮層部分(突起部3の占める部分)の繊維の比率が比較的高いことを意味し、実用的な耐久性を得るためには溝部の開口幅の総和cがその部分の円周長に対して45%未満(すなわち7の部分における繊維比率が55%以上)であることが必要である(以下、これを「開口部比率(%)」と略称することがある。)。下限についてはとくに限定がなく測定精度にもよるが、顕微鏡下で分離しているのが認められるがほぼ接触しており幅が測定できない場合は本発明ではゼロとして扱っている。
【0038】
特に好適な範囲としては、表層に樹脂コーティングをしない場合は、開口部比率が30%未満のものが耐久性がよく好ましい。表層に樹脂被覆を行う場合は樹脂が溝内部に入り込む方が好ましく、開口部比率は30〜40%が好適である。
【0039】
また、本発明のストリング断面形状においては、上述の如く、突起部3の最大幅を有する部分が、突起部3の根本部分より外側の位置にあり、先太形状になっていて、当該最大幅部分の幅は、突起部3の根本部分の幅より大きい。本発明においては、突起部2が先太形状になっているとは、突起部3の外周表面4の部分の幅が最も大きくなっている場合に限られると言う意味ではなく、突起部2の根本部分より外側のいずれかの位置の突起部3の幅が最大となっていることを意味している。突起部3の幅とは、ストリングを長さ方向に対して垂直に切断した場合の切断面における突起部の幅である。
【0040】
好ましくは突起部3の根本から外周表面4までの長さの根本から3/10より上側の位置に、より好ましくは突起部3の根本から外周表面4までの長さの根本から4/10より上側の位置に、根本の幅よりも大きい幅の最大幅の部分を有していることが好ましい。
【0041】
図1に示した例では、突起部3の最大幅部分の位置は、突起部3の根本から外周表面4までの長さの根本からおよそ8.3/10程度の位置にある。また、図2に示した例では、最大幅部分の位置は、突起部2の根本から外周表面4までの長さの根本からおよそ5/10程度の位置にある。
【0042】
以下、更に理解を容易にするために、図面を用いて具体的に説明する。図1、2において突起部3の外周表面4の外接円5の径(以下、「外接円径」と略称する)はa、中心部2の内接円6の径(以下、「内接円径」と略称する)はbで示される。この両者の平均径(a+b)/2は溝1の深さの半分の位置を意味する。この部分の円周長はπ(a+b)/2となる。この円周上7における各溝部1の開口幅をW1,W2…Wnで示すと、溝部の開口幅の総和cはW1+W2+・・十Wnとなる。したがって開口幅総和cの円周7の長さに対する割合(%)は次式で表わされる。尚、前述したように、これを「開口部比率(%)」と略称することがある。
【0043】
【数3】
(W1+W2+・・十Wn)×100/[π(a+b)/2]
【0044】
本発明においてこれらの数値は断面顕微鏡観察から測定したものである。
【0045】
次に本発明においては突起部の最大幅が根元の幅より大きい形状であることを特徴とする。図1、2において突起部3の根元の幅はYi、最大幅はYmで示され、Yi<Ymとなる。
【0046】
このように突起部3の形状は外側の方が太くなっていることが耐久性が向上し好ましい。尚、その定義は前述したとおりである。本発明においてこのような形状にすることにより、突起部分(内接円と外接円の間の領域)において繊維比率が高くストリング直径(外径)に対して強力が上がるとともに、打球の衝撃による突起部分の変形が小さく抑えられるため、耐久性が高くできると推定される。また、根元が細いことで剪断力に対してもクッション効果でスピン性(ボールに回転をかける能力)が高くなると考えられる。
【0047】
次に溝の深さについては本発明者等の検討では、通常、溝1が深い方が曲げに対し柔らかく、打球感もソフトになるが、中心部2の一体部分が細くなると耐久性が悪くなる傾向がある。逆に溝1が浅いと柔軟効果や打球感の改善は期待できない。したがって本発明においては内接円径bと外接円径aの比b/aは好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.8となる形状が好ましい。
【0048】
本発明においてそれぞれの溝の深さや開口幅、突起形状はほぼ揃っており、ばらつきが小さいのが品質、打ち味の安定性の点で望ましい。また、空孔(ピンホール)が存在するとその部分が欠陥となり耐久性や強力が低下するのでとくに中心部は実質的に空孔が存在しない構造にする必要がある。
【0049】
図3〜図5に本発明のストリングの別の多弁型断面の例を示した。図3は突起部3が3分割で表面層(外周表面)4は全体として見た場合にほぼ円形のもの、図4は突起部3が7分割で表面層(外周表面)4は全体として見た場合にほぼ円形の例である。図5は突起部3が5分割で表面層(外周表面)4が外側に膨らんだ梅花型断面の例である。図5の様な場合の外接円径aの外接円としては、図2の場合と同様に、表面層(外周表面)4が外側に最も膨らんだ部分に外接する円となる。
【0050】
図6に示した本発明のストリングの断面形状は、図2に示したものとほぼ同様で、中心部2の芯糸となるモノフィラメントのまわりに突起部3としての皮糸がそれぞれ中心部2の芯部とは連結しているが、突起部3としての皮糸同士は分離した断面形状を有する。図2に示したものと異なる点は、突起部3の数が、図2に示したものは12個であるのに対し、図6に示したものは、突起部3の数が、15個になっている点である。突起部3としての皮糸は本発明のストリングの更に別の態様の断面図の図7に示した例のように一部3bのように太さが異なるものや非円形のものも使用できる。図7の様に突起部3として大きな突起部3bを含む場合には、先に定義した外接円径aの外接円は、大きな突起部3bの外周表面4bの外接円として定義される。
【0051】
本発明における延伸配向されているモノフィラメントはそのままラケット用ストリングとして使用できるが、必要に応じ加撚熱固定や樹脂被覆工程あるいはその他の公知の加工を施すことができる。なお、本発明におけるモノフィラメントは、当然、延伸配向されたものであり、前述の加撚熱固定や樹脂被覆工程を施す場合、延伸配向されたモノフィラメントを用いて行う。
【0052】
撚り加工において好ましい撚り数は5〜300回/mである。得られるストリングの外観が、主要な従来品である皮糸と呼ばれる細いモノフィラメントを巻き付け、接着したストリングと類似し好ましい。また、この範囲の撚りでは強力を低下させるおそれもなく、物理的なスプリング効果を与えるためか、反発性も向上し好ましい。
【0053】
また、本発明者らは本発明の断面のモノフィラメントからなるストリングに樹脂被覆(コーティング)した場合、溝部内部に樹脂が入り込むため、耐久性が大幅に上がることを見出した。図8に本発明の断面のモノフィラメントからなるストリングに樹脂被覆(コーティング)した場合の本発明のストリングの断面図を示した。図8のストリングは、図2の断面のモノフィラメントからなるストリングに樹脂被覆(コーティング)した場合の断面図である。このような図8に示した形状の場合、溝1は中間部でくびれを有し、被覆樹脂10は溝1の内部で広がるため、物理的にも樹脂コーティングが剥離することがほとんどなくなり耐久性が著しく上昇し好ましい。このようなコーティングを施しても、樹脂部分はモノフィラメント糸部分のように分子配向していないので柔らかく、モノフィラメントと同じ樹脂をコーティングしても本来の柔軟性を失うことはほとんどない。コーティング樹脂については特に限定されず種々の硬さや特性をもつ任意の樹脂が使用できる。本発明においてはモノフィラメントの溝の断面形状により、コーティング樹脂の接着面積が大きくなり、接着形状の点でも樹脂被覆部は剥離しにくい特徴があり、モノフィラメント素材に対し接着力の弱い樹脂の組み合わせも使用可能になり、従来接着性の点で使用できなかったモノフィラメン素材/被覆樹脂の組み合わせで、例えば、ポリエステル/ポリウレタン、ポリエステル/ナイロン、ナイロン/ポリオレフィンなどの組み合わせが使用できると言う特徴もあることが見出された。
【0054】
また、図1や図3〜図5のように外周表面が全体として丸い断面形状の場合、従来通常の円形断面モノフィラメントが使われている芯糸の代わりにも使用することが可能であり、その場合にもより柔らかい打球感を得ることができる特徴を有する。
【0055】
次に本発明の合成ストリングの製造方法について述べるが本発明はこれらに制限されるものではない。
【0056】
本発明の断面形状のモノフィラメントを得るためには、紡糸ノズル孔の形状のほか、紡糸時のポリマ溶融粘度(ポリマー分子量、ポリマー溶融温度)、冷却までのエアギャップ、紡糸速度などが重要な要因でこれらの諸条件を適切にとる必要がある。ノズル孔の孔の断面形状の例として図9〜11に示したがこれらに限定されるものではない。
【0057】
ノズル孔は図9、図10に示したように近接する複数のノズル孔から素材ポリマーを押し出し、口金直下で融着一体化させる場合と、図11に示したようにノズル孔が一つである異型断面ノズルを用いて紡糸する場合があり、得ようとする断面形状により適宜選択することができる。
【0058】
前者の場合、モノフィラメント断面形状において、溝1が深く、開口部が狭い断面形状のものが得られるので、性能の良いストリングが得られるが、ノズル孔形状や紡糸条件の適正化で融着の程度を制御する必要がある。複数のノズル孔から押し出して紡糸直下で撚り掛け合体させることは前述の特開昭55−26903などで開示されているが、この方法では同時に加撚されているため皮糸(突起部)間も融着一体化してしまうので、本発明のような外側の皮糸部(突起部)において、皮糸(突起部)同士は接着せず、開口幅が狭く、深い溝の断面形状を有するモノフィラメントは得られない。本発明で規定したような断面形状を有するモノフィラメントを得るには紡糸口金直下で実質的に撚りを掛けずに、通常の紡糸条件の範囲内で部分的に融着させるのが望ましい。このため種々の要因があるが第1要因として融着する部分のノズル孔間隔を近接させることが重要である。具体的には使用するポリマー、溶融粘度、紡糸速度、吐出圧力などで異なるが、融着する部分のノズル孔間隔を、通常、0.5mm以下にするのが望ましい。一方、前記ノズル孔間隔をあまりに近接しすぎた場合や紡糸するポリマー素材の溶融粘度が低い場合、融着して冷却固化するまでの時間が長い場合などでは融着度合いが大きくなりすぎて、本発明の形状が得られない場合があるのでこれらの諸条件を適切に設定する必要がある。
【0059】
一方、後者の例えば図11で示したようなノズル孔が一つの異型断面紡糸ノズル40を用いて紡糸する場合、得られるフィラメントの断面は、通常、溶融ポリマーの表面張力などの影響でノズル孔の形にくらべ、開口部が広がり、突起部は先細になりやすく、溝も浅くなる傾向があるので、それを見込んだノズル形状にするとともに、ノズル形状に近い糸断面形状とするための紡糸条件設定や口金パック設計が必要である。
【0060】
延伸、熱固定条件は、素材の種類などにより異なるので、一概に規定できないが、延伸、熱固定についてはとくに限定はなく通常のモノフィラメントと同様の装置・加工条件を採用することができる。また紡糸、延伸、熱固定して巻き上げられたモノフィラメントはそのままストリングとして用いることもできるが、より好ましくは、延伸後、(必要に応じてリラックス熱処理し、)加撚し熱固定するのが望ましく、従来の皮糸を巻き付けしたストリングとほとんど同じ外観が得られるとともに、ストリングの張設性、打球感が向上する。
【0061】
撚り加工したモノフィラメントは、ラケット用ストリングとして打ち昧、耐久性とも十分な性能を有する。とくに図1、図3〜5に示した溝の入口部の開口幅が小さく表層部の繊維比率が高い形状の場合、樹脂コーティングを行わなくても、良好な耐久性を示すので、ソフトな打ち昧、スピン性能の良いストリングが低コストで得られる。また、このストリングは接着剤を使う従来の皮糸巻き付け工程が不要であり、コスト、作業環境、製品の臭気がない点でも優れている。
【0062】
本発明においてはさらに必要に応じ、樹脂被覆(コーティング)を行うことにより、耐久性が大幅に向上する。樹脂被覆工程としては、溶融した樹脂脂をコーティングする方法、樹脂溶液あるいはエマルジョンを付与乾燥する樹脂加工法、UV(紫外線)、放射線樹脂加工などの樹脂被覆が可能であるが、とくに溶融コーティングが好ましく用いられる。
【0063】
本発明においてはその他必要に応じて、染色、熱処理、印字、油剤付与などを行い製品化することができる。
【0064】
【実施例】
以下本発明の理解を容易にするため、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
【0065】
(実施例1、2)
ナイロン6/66共重合樹脂(三菱エンプラ社製ナイロン“ノバミッド2320J”)を用い、図9に示したように円を5つに分割した扇形のノズル孔20を近接して配置したノズル断面形状を有するノズル(符号21で示される外径;4.0mm、仕切り部の幅;[符号22で示される中心部0.2mm、符号23で示される外周部0.3mm])を用いてポリマー温度250℃で紡出した。紡出糸はエアギャップ30mmで30℃の冷却水槽に導入し第1ローラー(速度12m/分)に導いたのち連続して湿式(95℃)−乾式(220℃)の2段延伸で、トータル延伸倍率5.0倍に延伸した。引き続き連続して5%のリラックス率でリラックス熱処理(220℃)を行い巻き取った。5本の紡出糸条はノズル直下で中心部分のみ融着するので、得られたモノフィラメントの断面形状は図1に示したように中心部分2が一体化し、深く狭い溝部1を5つ有する(言い換えれば突起部3を5つ有する)5弁型断面をしていた(直径(外径)1.32mm、内接円径と外接円径の比0.6、開口部比率4%)。
【0066】
このモノフィラメントを100回/mのピッチで加撚し、150℃で熱固定して得られたモノフィラメントストリングの物性を表1に示した。
【0067】
このストリングを硬式テニス用ラケットに267N(60ポンド)で張設し、耐久性評価試験機(ボール速度120km/hr、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cmでラケットの4個所に順次打ち出し、ストリングが切断するまでの回数を測定)で評価したところ、耐久性は1510回であった(市販皮巻きタイプストリングの耐久性は1200回〜1600回程度)。
【0068】
このストリングは市販の皮巻きタイプモノフィラメントストリングにくらべ、柔らかく、また、上級プレーヤーによる評価で、打ち昧はソフトでコントロール性、スピン性に優れるとの評価で、耐久性も市販ストリングと遜色ないレベルであった(実施例1)。
【0069】
また、同じ条件で紡糸吐出量を変更し、直径1.29mmのモノフィラメントを得た(内接円径と外接円径の比0.65、開口部比率6%)。同様に撚り加工した後、ナイロン66樹脂で熱溶融コーティングを行った。物性測定結果を表1に示した。このストリングの耐久性は同じ試験条件で1750回と大きく向上した(実施例2)。
【0070】
(参考例)
実施例1においてエアギャップを5mmで冷却槽に導入した場合は、実施例1のような集束した一本のモノフィラメントは得られず、5本の紡出糸条が一部分離した状態であった。
【0071】
(実施例3、4)
ナイロン6樹脂(三菱エンプラ社製“ノバミッド1017J”)を用い、図10に示したノズル孔断面形状のように中心部の円形ノズル孔30の周りに15個の小さな円形ノズル孔31を近接して配置したノズル(芯部ノズル孔30の直径;3.5mm、皮部の小さな円形ノズル孔31の直径0.9mm、ノズル孔30とノズル孔31の間隔;0.15mm)を用いてポリマー温度250℃で紡出し、エアギャップ35mmで30℃の冷却水槽に導入した。第1ローラーに巻いたのち連続して湿式(95℃)−乾式(230℃)の2段延伸で延伸倍率5・0倍に延伸した。引き続き連続して5%のリラックス率でリラックス熱処理(220℃)を行い巻き取った。
【0072】
紡出した糸はノズル直下で周辺の細い糸条が中心の糸に部分的に融着するため、図2で示したように芯糸(中心部2)と皮糸(突起部3)の一部は融着一体化し、突起部3同士は近接しているが分離している断面を有していた(直径(外径)1.31mm、内接円径と外接円径の比0.75、開口部比率22%)。
【0073】
このモノフィラメントを80回/mのピッチで加撚し、150℃で熱固定した。さらに、熱可塑性ポリウレタンを熱溶融コーティングした。得られたストリングの断面は図8で示したようにコーティング樹脂10が溝内部1に入り込んでいた。
【0074】
物性を表1(実施例3)に示した。このストリングを硬式テニス用ラケットに267N(60ポンド)で張設し、耐久性評価試験機(実施例1と同じ)で評価したところ、1570回の耐久性であった。実際のプレーにおいて市販の皮糸巻きタイプモノフィラメントストリングにくらべ、柔らかく、打ち味はソフトでコントロール性に優れるとの評価であった。コーティングしていないストリングの耐久性は950回で耐久性はコーティング品に比べて若干不足しているが、コーティングにより耐久性は大幅に向上した。実試打でもコーティング品は市販品以上の耐久性であった。
【0075】
同じモノフィラメントを用いてナイロン66コーティングを行った。得られたストリングの物性を表に示した(実施例4)。硬式テニス用ラケットに267N(60ポンド)で張設したストリングの耐久性は1650回であり、同様に高い耐久性とソフトな打球感が得られた。
【0076】
(実施例5)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨン製“ポリエステルPA−200”)を用い、紡糸ノズルは実施例3と同じものを用いてポリマー温度280℃で紡出しエアギャップ38mmで60℃の冷却水槽に導入し第1ローラーに巻いたのち連続して湿式(98℃)−乾式(225℃)の2段延伸で延伸倍率6.6倍に延伸したのち、2%のリラックス率でリラックス熱処理を(230℃)行い、巻き取った。
【0077】
得られたモノフィラメントは実施例3とほぼ同様の形状の断面であった(直径1.29mm、内接円径と外接円径の比0.73、開口部比率28%)。このモノフィラメントを80回/mのピッチで加撚し、170℃で熱固定した。得られたモノフィラメントに、ポリウレタン樹脂を熱溶融コーティングした。得られたストリングの断面は図8に示したようにコーティング樹脂10が溝内部1に入り込んでいた。物性を表1に示した。
【0078】
硬式テニス用ラケットに267N(60ポンド)で張設したストリングの耐久性は、耐久性評価試験機で3120回であり、このストリングは、市販のモノフィラメントタイプのポリエステルストリングにくらべ、柔らかく張り上げしやすい特徴がある。打ち味についてもソフトでコントロール性に優れ、従来のポリエステルストリングにない打ち味との評価で、耐久性も市販ストリングなみのレベルであった。コーティングしていないストリングの耐久性は1110回で耐久性はコーティング品に比べると若干低くなっているが、耐久性はコーティングにより大幅向上した。実試打でもコーティング品は市販品なみの耐久性であった。
【0079】
(実施例6)
実施例1と同じナイロン6/66共重合樹脂を用い、図10に示したノズル孔断面形状のような中心部の円形ノズル孔30の周りに15個の小さなノズル孔31を有する断面のノズルを用いてポリマー温度250℃で紡出し、エアギャップ35mmで30℃の冷却水槽に導入し第1ローラーに巻いたのち連続して湿式(95℃)−乾式(220℃)の2段延伸で延伸倍率5.0倍に延伸したのち、5%のリラックス率でリラックス熱処理を行い、巻き取った。
【0080】
得られたモノフィラメントは直径0.78mmで図6のような形状の一体化した断面をしていた(内接円径と外接円径の比0・70、開口部比率25%)。このモノフィラメントを80回/mのピッチで加撚し、150℃で熱固定した。得られたストリングの物性を表1に示した。これをバドミントン用ストリングスとして試打評価したところ、打ち味、コントロール性に優れたストリングが得られた。
【0081】
(比較例1)
実施例1のナイロン6/66共重合樹脂(三菱エンプラ社製“ナイロン2320J”)を用いノズル孔断面形状が星型断面からなるノズルを用いてポリマー温度250℃で紡出し、エアギャップ30mmで30℃の冷却水槽に導入し、第1ローラーに巻いたのち連続して湿式(85℃)−乾式(220℃)の2段延伸で延伸倍率5.0倍に延伸したのち、5%のリラックス率でリラックス熱処理を行い、巻き取った。
【0082】
得られたモノフィラメントは直径(外径)1.30mmで図12のような形状の星型断面をしていた(内接円径と外接円径の比0.65、開口部比率60%)。このモノフィラメントを100回/mのピッチで加撚し、150℃で熱固定した得られたモノフィラメントを表1に示した。このストリングを硬式テニス用ラケットに267N(60ポンド)で張設した耐久性は試験機で520回であり耐久性不十分であった。
【0083】
(比較例2)
実施例5と同じポリエチレンテレフタレート樹脂を用いノズル孔断面形状は図13に近い13本の浅い表面凹凸を有する形状で、ポリマー温度280℃で紡出しエアギャップ10mmで60℃の冷却水槽に導入し、第1ローラーに巻いたのち連続して湿式(98℃)−乾式(225℃)の2段延伸で延伸倍率6.6倍に延伸したのち、2%のリラックス率でリラックス熱処理(230℃)を行い、巻き取った。
【0084】
得られたモノフィラメントは直径(外径)1.29mmで図13のような表面に浅い溝状凹凸を有する断面をしていた(内接円径と外接円径の比0.91、開口部比率50%)。このモノフィラメントを80回/mのピッチで加撚し、170℃で熱固定した。得られたモノフィラメントガットの物性を表1に示した。
【0085】
このストリングの耐久性は3200回と良好であるが、張設時にストリングが硬いため張り上げしにくく、実際のプレーにおいては、市販のポリエステルモノフィラメントストリング(断面は円形)とくらベスピン性はあるが、打ち味(硬さ)はほとんど変わらず、実施例3のストリングにくらべ、打ち昧は硬く打球感は劣るものであった。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば従来困難とされてきた、打ち昧のソフト感と耐久性の両立したラケット用合成ストリングを複雑な工程を経ることなく、有機溶剤を使用することなく低コストで得られるので、硬式テニス、軟式テニス、バドミントン、スカッシュ、ラケットボールなどのラケット競技用ストリングとして工業的価値が大きいものである。また、従来接着性の点で困難とされているポリエステル系繊維による皮糸巻き付けタイプに相当するストリングも容易に製造することができるのでこの点からも工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストリング(モノフィラメント)の一実施形態の断面図。
【図2】本発明のストリング(モノフィラメント)の別の一実施形態の断面図。
【図3】本発明のストリング(モノフィラメント)の更に別の一実施形態の断面図。
【図4】本発明のストリング(モノフィラメント)の更に別の一実施形態の断面図。
【図5】本発明のストリング(モノフィラメント)の更に別の一実施形態の断面図。
【図6】本発明のストリング(モノフィラメント)の更に別の一実施形態の断面図。
【図7】本発明のストリング(モノフィラメント)の更に別の一実施形態の断面図。
【図8】本発明のストリングの更に別の一実施形態の断面図。
【図9】本発明のストリング(モノフィラメント)を紡出するために用いるノズル孔断面形状の一実施形態を示す図。
【図10】本発明のストリング(モノフィラメント)を紡出するために用いるノズル孔断面形状の別の一実施形態を示す図。
【図11】本発明のストリング(モノフィラメント)を紡出するために用いるノズル孔断面形状の更に別の一実施形態を示す図。
【図12】比較例1で得られたストリング(モノフィラメント)の断面図。
【図13】比較例2で得られたストリング(モノフィラメント)の断面図。
【符号の説明】
1 溝
2 中心部
3 突起部
3b 大きな突起部
4 突起部3の外周表面
4b 大きな突起部3bの外周表面
5 外周表面4の外接円
6 中心部2の内接円
7 円周
10 被覆樹脂
20 扇形のノズル孔
21 ノズル外径
22 仕切り部の幅(中心部)
23 仕切り部の幅(外周部)
30 中心部の円形ノズル孔
31 小さな円形ノズル孔
40 異型断面紡糸ノズル
Claims (10)
- 断面が、外周表面から中心部方向に複数本の溝部を有し中心部は実質的に空孔がなく一体化している形状である溶融紡糸により一体的に形成されたモノフィラメントにおいて、外周表面の外接円径(直径a)と中心部の内接円径(直径b)の平均値((a+b)/2)で示される溝の半分の深さ部分における溝部の開口幅の合計長さcがその部分の円周長dに対して45%未満であり、かつ溝部で区画されている突起部の最大幅を有する部分の幅が突起部の根元部の幅より大きい先太形状であることを特徴とするモノフィラメントからなるラケット用合成ストリング。
- 溝本数が3から25本である請求項1〜2のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメントが、1m当たり5から300回の撚りを有するモノフィラメントである請求項1〜3のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメント表面が更に樹脂被覆されている請求項1〜4のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメントの断面形状が、外周表面がほほ円形で溝部が均等に分割された花びら型である請求項1〜4のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメント表面に、更に樹脂被覆が施されている請求項6に記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメントの断面形状が、中心の円形のまわりに小さな円形が取り囲む形状であって、前記小円同士は分離しているが各小円と中心円とは連結している形状である請求項1〜4のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
- モノフィラメント表面に、更に樹脂被覆が施されている請求項8に記載のラケット用合成ストリング。
- 突起部の最大幅を有する部分が、突起部の根本から外周表面までの長さの根本から4/10より上側の位置にある請求項1〜9のいずれかに記載のラケット用合成ストリング。
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