JP5243376B2 - ラケット用ストリング - Google Patents

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本発明は、テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケット用合成ストリングに関する。とくに反発性、スピン性、耐久性に優れたポリエステル系複合モノフィラメントからなるラケット用ストリングに関するものである。
従来、テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケット用ストリング素材として、ナイロンが多く使用されているが、近年ポリエステル素材のストリングも増大している。ポリエステルはトッププロの使用率が高く、耐久性も高い特徴がある。トッププロの使用率が高いのは、ナイロンほどの反発性がないことから、打球のコントロール性に優れ、かつスピンがかかりやすいからである。しかし、一般プレーヤーには反発性が低い(飛びが悪い)、テンションロスが大きいなどの問題があり、改善が要望されている。反発性が低く飛びが悪いと、一般プレーヤーは肘を痛めやすい問題がある。テンションロスが高いと、ストリングをラケットに張設した後に緩みやすい問題がある。
加えて、ポリエステルはナイロンにくらべ風合いが硬く接着性が低いので、ナイロンのように、側糸の巻きつけやマルチフィラメントの集束接着が困難であり、市販されているほとんどのポリエステルストリングはモノフィラメント単体構造である。したがって、改良の手段も限定され、実用的には下記のような手段がある。
(1) 共重合などの素材の改質
(2) ポリマーブレンドによる改質
(3) 2成分以上の複合モノフィラメントによる改質
本発明者らの検討によれば、反発性を改善するためソフトで高反発の樹脂をブレンドすると反発性は向上しても耐久性が低下してポリエステルとしての特徴がなくなるという問題があることがわかった。これは前記(1),(2)のような改良をしても同様である。前記(3)の複合モノフィラメントの例として2つのタイプがある。一つは島(芯)が主成分で海(鞘)が柔軟成分であるタイプで、例えば特許文献1が挙げられる。この場合ストリングの表面が柔軟成分であるので、耐久性に問題がある。
もう一つのタイプとして海(鞘)が主成分で島(芯)を柔軟成分とするタイプがあり、この例として例えば特許文献2が挙げられる。この例においては、海(鞘)成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)、島(芯)成分としてポリプロピレンテレフタレート(PPTまたはPTT)があげられている。本発明者らの検討によれば、この場合、表面はPETであり耐擦過性には優れるが、ラケットへの張り上げにおけるテンションやクランプ把持の際、PETとPPTの界面で部分剥離が生じ、張り上げ時に剥離によると思われる異音の発生や割れ、張り切れ、剥離によるショック切れの問題があることがわかった。以上のように従来ポリエステル(PET)の耐久性を保持しながら反発性、柔軟性を改善することは困難であった。
一方、ポリエステルストリングのスピン性能について、非特許文献1ではラケットに張設した状態でボールと衝突した場合、縦糸と横糸の交差点がずれ、戻るときの復元力でスピン量が増すことが開示され、潤滑剤を交差点に塗布するとスピン量が増すことが記載されている。しかしながらこの方法では実用的には効果の安定性、持続性が乏しく、潤滑剤を頻繁に塗布する必要がある。
特開2007−229284号公報 特開2004−68217号公報
川副嘉彦ら著「テニスラケットのスピン性能のメカニズム」日本機械学会論文集(C編)72巻718号(2006-6)P196-203
本発明は前記従来の問題を解決し、反発性、スピン性に優れ、かつ耐久性にも優れたポリエステル系ラケット用ストリングを提供する。
本発明のラケット用ストリングは、ポリエステル系合成繊維からなる複合モノフィラメントで構成されるラケット用ストリングであって、断面から見た場合、海部の中に複数の島部が配置され、外周部は前記海部で覆われており、前記島部を構成するポリマー成分の割合が10〜60重量%、前記海部を構成するポリマー成分の割合が40〜90重量%であり、前記島部を構成するポリマー成分は、下記A成分が40〜80重量%、B成分が20〜60重量%の混合物であり、前記海部を構成するポリマー成分は、下記A成分が85〜99重量%、C成分が1〜15重量%の混合物であることを特徴とする。
A成分:ポリエチレンテレフタレート又はエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステル
B成分:ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート又はトリメチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合物ポリエステル
C成分:熱可塑性ポリエステル系エラストマー
本発明によれば、ポリエステル系合成繊維では従来困難とされてきた、打感がソフトでかつ反発性が高く、スピン性に優れ、かつ耐久性も高いポリエステル系ラケット用ストリングを得ることができる。
図1は本発明の一実施例におけるラケット用ストリングの断面図である。
本発明のストリングは、島部を構成するポリマー成分の割合が10〜60重量%、海部を構成するポリマー成分の割合が40〜90重量である。海部と島部の割合が前記の範囲であると、耐久性を高く維持でき、張り切れを防止でき、反発性も高く維持できる。海成分が40重量%未満の場合は海成分が少なく、島と島、島と表面との厚みが薄くなるため耐久性低下や張り切れを起こしやすくなる。また、90重量%を超えると反発性などの改質効果が小さくなる。本発明において、ポリエステル系の海成分と島成分の界面剥離を防止するために、島成分にも海成分と同じ主成分樹脂(本発明の場合ポリエチレンテレフタレート(PET)系ポリエステル)を40〜80重量%含有させる。さらにスピン性を付与するために海成分側に熱可塑性ポリエステルエラストマーを配合することで、ラケットに張設した場合、目ずれ戻り性およびその持続性が向上し、スピン性が向上する。加えて、打感がソフトでかつ反発性が高く、かつ耐久性も高いストリングが得られる。
本発明において、海部はA成分が85〜99重量%、C成分が1〜15重量%の混合物であり、ストリングの外周部は前記海部で覆われていることにより、強靭で耐久性が発現し、かつ前記したとおり、目ずれ戻り性およびその持続性が向上し、スピン性が向上する。
前記島部を構成するポリマー成分は、A成分が40〜80重量%、B成分が20〜60重量%の混合物であることにより、打感がソフトでかつ反発性が高いものとなる。
さらに海部はA成分が85〜99重量%混合され、島部にもA成分が40〜80重量%混合されていることにより、海部と島部の界面の相溶性が良好で一体性が良く、ラケットに張設する際に剥離が生じることもなく、剥離によると思われる異音の発生や割れもなく、張り切れや剥離によるショック切れの発生も防止できる。
前記において海部を構成するポリマー成分は、好ましくはA成分が90〜98重量%、C成分が2〜10重量%の混合物である。この組成であれば、さらに強靭で耐久性、目ずれ戻り性およびその持続性が向上し、スピン性が向上する。
前記において、島部を構成するポリマー成分は、好ましくはA成分が45〜70重量%、B成分が30〜55重量%の混合物である。これにより、さらに打感がソフトでかつ反発性が高いものとなる。
前記において、好ましくは島部の割合が25〜50重量%、海部を構成するポリマー成分の割合が50〜85重量である。これにより、さらに海部と島部は相溶性が良好で一体性が良く、ラケットに張設する際に剥離が生じることもなく、剥離によると思われる異音の発生や割れもなく、張り切れや剥離によるショック切れの発生も防止できる。
本発明において、A成分はポリエチレンテレフタレート(PET)又はエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステルである。ここで共重合し得るモノマーとしては、イソフタル酸、2,6−ナフタレン酸、アジピン酸等の公知の2塩基酸、ポリエチレングリコール、ブタンジオール(1,4−テトラメチレングリコール)、プロピレングリコール等の公知のグリコールが挙げられる。A成分は強靭で耐久性が高い作用がある。
B成分はポリブチレンテレフタレート(PBT)、ブチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)又はトリメチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合物ポリエステルである。ここで共重合し得るモノマーとしては、イソフタル酸、2,6−ナフタレン酸、アジピン酸等の公知の2塩基酸、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の公知のグリコールが挙げられる。B成分は、A成分よりも柔軟なポリマーであり、ストリングの柔軟性と反発性を向上させる作用がある。
C成分は熱可塑性ポリエステル系エラストマーであり、B成分と同等ないしそれ以上の柔軟性があり、弾性を有する。好ましい熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレート、ソフトセグメントとしてはポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレンエーテルグリコールからなるポリエーテル、脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトンなどのポリエステルからなるブロック共重合体が挙げられる。とくに好ましくは、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするポリエステルエラストマーを不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性された変性ポリエステルエラストマーが用いられる。さらに好ましくは、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有率が58〜73重量%である飽和ポリエステル系熱可塑性エラストマーを、ラジカル発生剤の存在下、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性して得られるものである。具体的には、三菱化学社製、商品名“プリマロイAP”として販売されており、特開2002−155135、特開2008−74008にも開示されている。C成分は目ずれ戻り性、柔軟性、反発性を向上させる効果があると考えられる。
本発明においては、島部の数が7個以上であることが好ましい。島本数が7島以上の多島構造であると、得られるストリングの柔軟性、張設性などが向上する。さらに好ましい島部の数は7〜300個程度の範囲であり、19〜250個がさらに好ましく、37〜170個が特に好ましい。
前記島部を構成するポリマー成分には、さらにC成分を0〜10重量%加えてもよい。これにより、島部と海部の界面の剥離強度がさらに向上する。
本発明の島成分と海成分の樹脂には、必要に応じて染料、顔料、耐熱剤、耐光剤、平滑剤などの添加剤や改質剤を添加することができる。また、改質効果や耐久性を阻害しない範囲で他の樹脂をブレンドすることもできる。
また、断面において表層部の海成分樹脂の厚みが薄いと使用中の摩擦摩耗により島成分が露出しやすく耐久性が低くなるため、とくに海成分比率が小さい場合、表層の厚みがやや厚くなるような構造がより好ましい。具体的には海部の最外層被覆部の厚みを30〜300μmとするのが好ましい。ここで海部の最外層被覆部の厚みとは、最外部にある島部の外側からモノフィラメント表面(海部)までの距離(長さ)をいい、各島から表面までの平均値をいう。測定は断面の顕微鏡写真から計測することができる。
本発明の複合モノフィラメントの直径についてはとくに限定されず。用途により必要な太さとすることができる、例えば、直径0.5〜1.5mmで、伸度20〜35%程度、強度2.5〜5.5CN/dtex程度が好ましい範囲である。モノフィラメントの断面についてはとくに限定されず、丸型のほかに扁平、多角形などの異形断面も可能である。
次に本発明のモノフィラメントの製造方法について一例を説明する。本発明において、複合モノフィラメントを製造するための複合モノフィラメント紡糸設備および多島複合形状を得るための紡糸パック構造については基本的には公知であり、得ようとするモノフィラメント径と島本数、断面形状などから複合紡糸口金を設計することができる。樹脂の混合方法についてはとくに限定はなく、紡糸時に樹脂ペレットを混合する方法や、あらかじめ所定の混合割合で溶融混練しペレット化する方法などが挙げられる。紡糸の条件については使用する個々の樹脂の押出し条件と複合吐出後の紡糸、延伸条件を検討し適正化することで本発明の要件を満足するモノフィラメントを得ることができる。通常2台の押出し機で、海成分となる樹脂と島成分となる樹脂をそれぞれ溶融押出しして、紡糸パック内に導入し、所定の複合断面形状になるように合流複合して紡糸口金から押出しされる。押し出した樹脂は水または温水中などの液体中で冷却固化した後、常法通り延伸、熱処理し巻き取られる。冷却および延伸条件は、樹脂成分および複合比などにより適正な条件を選定することができる。樹脂種類にもよるが本発明のポリエステル系素材であれば、通常冷却温度は30〜80℃、延伸は湿熱および/または乾熱中で3〜8倍程度延伸される。延伸温度は素材にもよるが、ガラス転移点以上融点以下の温度が通常である。さらに必要に応じ定長または弛緩熱処理を行い巻き取る。延伸、熱処理時間にもよるが雰囲気温度は融点以上であっても良い。
得られた複合モノフィラメントは、そのままラケット用ストリングとして使用することができる。また、表面に樹脂をコーティングして製品とすることもできる。コーティングは溶融コーティング、溶液コーティングいずれも可能である。コーティングにより色、外観、耐久性の向上などが可能である。逆にスピン性はコーティング樹脂成分により変化するので注意が必要である。また、複合モノフィラメントに撚り加工(捻り加工)を施すこともできる。これによりソフト感が向上する場合が多い。さらに必要に応じ、着色、熱処理、印字、油剤付与などを行うことができる。
次に図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例におけるラケット用ストリングの断面図である。このラケット用ストリング3は、海部2の中に複数(この例では37個)の島部1が配置され、外周部は海部3で覆われている。
以下実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。以下の実施例においてモノフィラメントおよびガットの評価は下記の方法で行った。
<物性試験>
強力、結節強力、伸度はJIS L1013の測定方法に準じた。直径はマイクロメーターを用い、モノフィラメントを少しずつ回転させながら5回測定し平均値を直径とした。中間伸度は引っ張り試験においてそれぞれの応力における伸び率を測定した。
<耐久性>
ガットを硬式テニス用ラケットに60ポンドで張り上げ、1昼夜放置後、枠に固定した状態で硬式ボールを120km/hrの速度で、ガット面の直角方向に対し40度の方向から打ち付け、次に反対方向で40度の角度でボールを衝突させ、ガットが切れるまでの衝突回数で表わす。
<ソフト感、反発性>
(1)ガット1本を50ポンドの張力をかけ固定する、ガットの直角方向から振り子式のハンマーをガットに衝突させ、その時のガットの変位量(ガットに対し直角方向)とハンマーが受ける応力を測定する。
(2)ソフト感を示す測定量として剛性率(=最大応力/最大変位量 、単位ポンド/インチ)
を求めた。数字が小さい方がソフト感が高いことを示す。
(3)反発性を示す尺度として衝突後の変位量と応力の曲線から、衝突後最大変位量となるまでの仕事量と最大変位量から元の位置にもどるまでの仕事量の比率を反発率とした。数値が大きい方が高反発であることを示す。
<目ずれ戻り性>
前記耐久性試験において、200回ボールを衝突させたのちタテ糸で最もずれの大きい部分のずれ量(ガットに対し直角方向)をmmで測定した。ボール衝突時は瞬間的により大きなずれが生じて戻っていることはビデオ撮影で確認した。スピン性の尺度であり、値が小さい方がスピン性が高い傾向である。
<張り切れ>
ラケットに60ポンドで張り上げを行い、操作途中、または直後で切断した場合を「張り切れ」とした。20回の張り上げで1回以上切れたものは不可とした。
<試打評価>
テニスの上級者5名による試打で、各項目別に5段階評価で通常使用している市販のポリエステル系ガットを3点として評価し、平均値をとった。点数が高いほど良い評価となる。
(実施例1〜2、比較例1)
島成分としてポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学社製、商品名“ノバペックス GG900D”固有粘度:IV=1.1)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンプラ社製、商品名“ノバデュラン 5020H"を重量比で1:1の割合でブレンドしたものを供給した。
海成分として前記ポリエチレンテレフタレート樹脂95重量%、熱可塑性変性ポリエステルエラストマー樹脂(三菱化学社製、商品名“プリマロイAP−GQ331”)を5重量%ブレンドしたものを用い、37島の海島モノフィラメントを紡出した。紡糸温度は島側240〜285℃、海側260〜290℃である。紡出した糸状はただちに60℃の温水中で冷却し、連続して98℃の熱水中で3.5倍の倍率で延伸し、続いて235℃の乾熱で延伸し、つづいて235℃で3%弛緩処理しトータル倍率5.4倍として巻き取り、直径約1.31mmのモノフィラメントを得た。このフィラメントの断面は図1示すとおりである。実施例1の海と島の割合は重量比率で海/島=7/3であった。また、海部の最外層被覆部の厚みは、顕微鏡(光学顕微鏡又はSEM)断面写真の7箇所測定の平均で実施例1が約45μm、実施例2が約37μm、比較例1は約25μmであった。
海島比率を変えて紡糸し、基本物性とガットとしての基本特性を測定し、結果を表1に示した。さらにこのモノフィラメントにシリコーン油剤を付与し、ラケットに張り、耐久性と目ずれ戻り性を評価した結果を表1下欄に示した。
Figure 0005243376
表1から明らかなとおり、本発明の実施例品は、打感がソフトでかつ反発性が高く、スピン性(目ずれ戻り性)に優れ、かつ耐久性も高いストリングであることが確認できた。
(比較例2)
島成分として実施例2の島成分樹脂の配合をPET樹脂(実施例と同じ)30%とPBT樹脂(実施例と同じ)70%と配合比率を変え、海成分は実施例1と同じ樹脂、配合で、37島の海島モノフィラメントを紡出した。紡糸条件は実施例1、2と同じ条件でモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントは実施例2に対し島成分のPET比率が異なるのみである。
このモノフィラメントにシリコーン油剤を付与し、ラケットに張り評価した結果、表1に示したように比較例2は島、海の界面剥離に起因すると思われる張り切れや短時間切れが発生した。
(比較例3)
島成分として実施例1と同じ樹脂配合、海成分としてPET70%、PBT25%、エラストマー5%の配合比率で海島比6/4で同じ紡糸条件でモノフィラメント得た。モノフィラメント物性とガット特性を表1に示した。本比較例は実施例にくらべ、ガット全体に対してPBT比率が高いため反発性は高いが耐久性が大幅に低くなっており、実用的に問題である。
(参考例)
ガット特性を市販のポリエステルガットと比較するため代表例としてPET100%のモノフィラメントガットの例を表1に示す。
表1から明らかなとおり、本発明の実施例品は、打感がソフトでかつ反発性が高く、スピン性に優れ、かつ耐久性も高いストリングであることが確認できた。本発明の代表例として実施例1のガットをテニス上級者5名で試打評価し、各試打者が通常使用しているポリエステルガットのレベルを3として5段階評価をしたところ、パワー(反発)3.8、コントロール4.0、スピン4.0、フィーリング4.0、耐久性3.4、総合評価で3.8と高い評価であった。
本発明のストリングは、硬式テニス、軟質テニス、バトミントン、スカッシュなどのラケットに有用である。
1 島部
2 海部
3 ラケット用ストリング

Claims (5)

  1. ポリエステル系合成繊維からなる複合モノフィラメントで構成されるラケット用ストリングであって、
    断面から見た場合、海部の中に複数の島部が配置され、外周部は前記海部で覆われており、
    前記島部を構成するポリマー成分の割合が10〜60重量%、前記海部を構成するポリマー成分の割合が40〜90重量%であり、
    前記島部を構成するポリマー成分は、下記A成分が40〜80重量%と、B成分が20〜60重量%の混合物であり、
    前記海部を構成するポリマー成分は、下記A成分が85〜99重量%と、C成分が1〜15重量%の混合物であることを特徴とするラケット用ストリング。
    A成分:ポリエチレンテレフタレート又はエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステル
    B成分:ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート又はトリメチレンテレフタレート単位を80モル%以上含有する共重合物ポリエステル
    C成分:熱可塑性ポリエステル系エラストマー
  2. 前記島部の数が7個以上である請求項1に記載のラケット用ストリング。
  3. 前記C成分の熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするポリエステルエラストマーを不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性された変性ポリエステルエラストマーである請求項1に記載のラケット用ストリング。
  4. 前記島部を構成するポリマー成分には、さらにC成分を0〜10重量%加える請求項1〜3のいずれかに記載のラケット用ストリング。
  5. 前記海部の最外層被覆部の厚みが30〜300μmである請求項1〜4のいずれかに記載のラケット用ストリング。
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