JP6359869B2 - 作業手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた耐切創性と滑り止め性を兼ね備えた作業手袋に関する。
従来、ハードな作業や一般使用での危険防止のために着用される作業手袋として、パラ系アラミド繊維を使用した手袋が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、かかる作業手袋は耐切創性には優れるものの、重いものを持つ際に滑り易いという問題点があった。
一方、滑り止め効果に主眼を置いた作業手袋として、軍手の手のひらに天然ゴムや塩ビ(PVC)やシリコン等の樹脂のボツ等の滑り止めを付けた軍手や、手袋をゴムでコーティングしたゴム引き手袋などがあるが、耐切創性に問題点があった。
実公平3−42005号公報 実開平4−53013号公報 特開平11−21706号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた耐切創性と滑り止め性を兼ね備えた作業手袋を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aを含むポリエステル糸条と、アラミド繊維とを用いて作業手袋を構成すると優れた耐切創性と滑り止め性を兼ね備えた作業手袋が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aを含むポリエステル糸条と、アラミド繊維とを両者の重量比20:80〜80:20の範囲内で含み、かつ軍手編み機を使用して製編してなることを特徴とする作業手袋。」が提供される。
その際、前記ポリエステルフィラメント糸Aのフィラメント数が500本以上であることが好ましい。また、前記ポリエステルフィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条であることが好ましい。また、前記ポリエステル糸条が、単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aと単繊維径が5〜40μmのポリエステルフィラメント糸Bとで構成された糸条であることが好ましい。また、前記アラミド繊維がパラ系アラミド繊維であることが好ましい。
本発明の作業手袋において、作業手袋を構成する生地の目付けが200〜600g/mの範囲内であることが好ましい。また、作業手袋を構成する生地の生地厚さが0.7〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。また、前記ポリエステル糸条が手袋の外層(外気側表層)に配置され、前記アラミド繊維が手袋の内層(手側表層)に配置されることが好ましい。また、自動車部品製造、電子機器部品製造、鉄鋼、溶接、機械加工、運搬、引っ越し、廃棄物処理、清掃、農業、水産業、園芸、アウトドアの群より選択されるいずれかの用途で使用されることが好ましい。
本発明によれば、優れた耐切創性と滑り止め性を兼ね備えた作業手袋が得られる。
摩擦抵抗値の測定方法を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の作業手袋には、単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aを含むポリエステル糸条と、アラミド繊維とが含まれる。
ここで、前記ポリエステルフィラメント糸A(「ナノファイバー」と称することもある。)において、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1500nm(好ましくは250〜800nm、特に好ましくは510〜800nm)の範囲内であることが肝要である。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1500nmよりも大きい場合は、滑り止め性能が得られないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記ポリエステルフィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、滑り止め性能、ソフトな風合いなどを得る上で500本以上(より好ましくは2000〜60000本)であることが好ましい。
前記ポリエステルフィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記ポリエステルフィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としてはポリエステル系ポリマーであれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルや、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸でもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明の作業手袋に含まれるポリエステル糸条は、前記ポリエステルフィラメント糸Aだけで構成されていてもよいが、前記ポリエステルフィラメント糸Aと、他の繊維として単繊維径が5〜40μm(好ましくは8〜30μm)のポリエステルフィラメント糸Bとで構成されると、糸条の保形性が向上し好ましい。
前記ポリエステルフィラメント糸Bの単繊維径が5μm未満であると、糸条の保形性が損われるおそれがある。単繊維径が40μmより大きいと、ソフトな風合いが得られないおそれがある。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、前記と同様、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記ポリエステルフィラメント糸Bにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、1〜400本の範囲内であることが好ましい。また、かかるポリエステルフィラメント糸Bの繊維形態は特に限定されず紡績糸でもよいが、長繊維(マルチフィラメント)を使用することが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえなく、またポリエステルフィラメント糸B以外にさらにフィラメント糸C、D、E・・・と繊度や種類の違う複数の組合せでもよい。
前記ポリエステルフィラメント糸Bを形成するポリマーの種類としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルやポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸でもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明のポリエステル糸条において、例えば、ポリエステルフィラメント糸Aと、ポリエステルフィラメント糸Bとを、インターレース空気ノズルなどにより空気混繊させた複合糸や、ポリエステルフィラメント糸Aとポリエステルフィラメント糸Bを複合仮撚捲縮加工した複合糸や、ポリエステルフィラメント糸Bのまわりにポリエステルフィラメント糸Aをカバリングした複合糸などでもよい。例えば、ポリエステルフィラメント糸Aを鞘部に配し、ポリエステルフィラメント糸Bなどの他の繊維を芯部に配した複合糸とすることも好ましい。
前記のポリエステル糸条は、例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、海成分と、ポリエステルからなりその径が10〜1500nmである島成分とで形成される海島型複合繊維(ポリエステルフィラメント糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維マルチフィラメント(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
すなわち、海成分ポリマーとしては、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1500nmの範囲とする必要がある。その際、島成分の形状が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維(延伸糸)とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。かかる海島型複合繊維において、単繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単繊維繊度0.5〜10.0dtex、フィラメント数5〜75本、総繊度30〜170dtexの範囲内であることが好ましい。
次いで、前記海島型複合繊維と、必要に応じてポリエステルフィラメント糸Bとを用いて糸条を製造する。ここで、ポリエステルフィラメント糸Bを用いる場合は、ポリエステルフィラメント糸Bが複合糸の表面に露出しにくいように、糸条を三層構造として中間層にポリエステルフィラメント糸Bを配す方法や、海島型複合繊維が鞘部に位置し、ポリエステルフィラメント糸Bが芯部に位置する複合糸条として製造することが好ましい。その際、用いる機械は限定されず、従来公知の混繊加工機、仮撚捲縮加工機またはカバリング機でよい。また、得られた複合糸条に500回/m以下の撚りを施してもよい。
次いで、該糸条にアルカリ水溶液処理を施し、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することにより、海島型複合繊維を単繊維径が10〜1500nmのポリエステルマルチフィラメント糸Aとすることにより、前記のポリエステル糸条が得られる。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度1〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜98℃の温度で処理するとよい。
また、該アルカリ水溶液による溶解除去の前および/または後に糸条に染色加工を施してもよい。さらに、常法の起毛加工、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明の作業手袋に含まれるアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)は、その繊維形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)であっても、紡績糸であっても、長繊維と紡績糸の両方が含まれてもよい。
該アラミド繊維が長繊維(マルチフィラメント)の場合は、その繊度は110〜1800dtex(好ましくは400〜1100dtex)の範囲内であることが肝要である。該繊度が110dtexよりも小さい場合は得られた手袋が薄くなり過ぎ耐切創性が低下するため好ましくない。逆に、該繊度が1800dtexよりも大きい場合は、得られた手袋は厚くなり過ぎ細かい作業が困難になるおそれがあるため好ましくない。長繊維(マルチフィラメント)の場合、フィラメント数は特に限定されないが、耐切創性およびソフトな風合いを得る上で10〜1200本(より好ましくは50〜1000本)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
該アラミド繊維が紡績糸の場合は、その繊度は3〜40綿番手(好ましくは10〜30綿番手)の範囲内であることが肝要である。該繊度が3綿番手よりも小さい場合は得られた手袋は厚くなり過ぎ細かい作業が困難になるおそれがあるため好ましくない。逆に、該繊度が40綿番手よりも大きい場合は得られた手袋が薄くなり過ぎ耐切創性が低下するため好ましくない。
前記アラミド繊維を形成するポリマーの種類としてはパラ型、メタ型いずれでもよいが耐切創性の点でパラ型が好ましい。パラ系アラミド繊維は、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし、共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)でもよい。一方、メタ系アラミド繊維は、コーネックス(商品名)、ノーメックス(商品名)に代表されるものであり、主骨格を構成する芳香環がアミド結合によりメタに結合されてなるものであるが、ポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位であるものを対象とし、特にポリメタフェニレンイソフタルアミドホモポリマーが好ましい。全繰返し単位の15モル%以下、好ましくは5モル%以下で共重合し得る第3成分としては、ジアミン成分として、例えばパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、3,3’−ジクロルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが、また酸成分として、例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸は、その芳香族環の水素原子の一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基によって置換されていてもよい。
本発明の作業手袋には、前記の単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aを含むポリエステル糸条と、アラミド繊維が含まれ、そのポリエステル糸条とアラミド繊維との重量比(ポリエステル糸条:アラミド繊維)は20:80〜80:20(より好ましくは35:65〜65:35)の範囲内であることが重要である。ポリエステル糸条の重量比が該範囲より小さいと滑り止め性能が不十分となるおそれがあり好ましくない。逆に、アラミド繊維の重量比が該範囲より小さいと耐切創性が不十分となるおそれがあり好ましくない。
また、前記ポリエステル糸条が手袋の外層(外気側表層)に配置され、前記アラミド繊維が手袋の内層(手側表層)に配置された多層構造であることが好ましい。
本発明の作業手袋には、目的の効果を損ねない範囲で、前記ポリエステル糸条とアラミド繊維以外の繊維が含まれていてもよい。
次に、本発明の作業手袋において、構成する生地の目付けが200〜600g/m(より好ましくは300〜500g/m)の範囲内であることが好ましい。該目付が200g/mより小さい場合は、耐切創性が不十分である。逆に、該目付が600g/mより大きい場合は、固くなり過ぎ細かい作業が困難になるおそれがある。
さらに、本発明の作業手袋において、構成する生地の厚さが0.7〜3.0mm(より好ましくは1.0〜2.5mm)の範囲内であることが好ましい。該厚さが0.7mmより小さい場合は、耐切創性が不十分となるおそれがある。逆に、該厚さが3.0mmより大きい場合は、厚くなり過ぎ細かい作業が困難になるおそれがある。
本発明の作業手袋は、自動車部品製造、電子機器部品製造、鉄鋼、溶接、機械加工、運搬、引っ越し、廃棄物処理、清掃、農業、水産業、園芸、アウトドアの群より選択されるいずれかの用途で使用されることが好ましい。かかる作業手袋は、前記のポリエステル糸条とアラミド繊維で形成されているので、耐切創性に優れ、かつ優れた滑り止め性を兼ね備えた作業手袋である。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<溶融粘度>
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>
海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、総繊度84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<単繊維径>
生地を電子顕微鏡で写真撮影した後、n数5で単繊維径を測定しその平均値を求めた。
<ポリエステル糸条とアラミド繊維との重量比>
3cm×3cmの正方形の試料を切り取り、該試料に含まれるポリエステル糸条とアラミド繊維の重量を実測し、これの重量比を求めた。
<目付け>
JIS L 1096 6.4.2に従って測定した。
<厚さ>
JIS L 1096 8.5に従って測定した。
<切創力>
ISO 13997に従って測定した。
<動摩擦係数>
温度20℃、湿度65%RHの環境下で、図1に模式的に示すように、平滑な台の上に鉄板を敷いた。次いで、該鉄板の上に、大きさが底面5cm×4cm、高さ3cm、重さが36.5gr(35.8cN)のヘッドであり、下面に試料を貼り付けたヘッドを置いた。次いで、引張り試験機により該ヘッドを100mm/分の速度で引っ張った時の抵抗値(F)(cN)を測定した。ヘッドと生地試験片の合計重量(R)を測り、動摩擦係数(μ)を次の式より求めた。動摩擦係数が0.20以上であれば良好とする。
μ=F/R
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤の含有量:0重量%)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合繊維(ポリエステルフィラメント糸A用繊維、延伸糸)は総繊度56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
得られた海島型複合繊維を2本と、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(総繊度56dtex/48fil;単繊維径11μm、ポリエステルマルチフィラメント糸B)1本とを引き揃えて複合仮撚捲縮加工にてポリエステル糸条を得た。
次いで、該ポリエステル糸条に含まれる海島型複合繊維の海成分を除去するために、2.0%NaOH水溶液で、70℃にて25%減量(アルカリ減量)した。
得られたポリエステル糸条は、単繊維径が700nmのポリエステルフィラメント糸Aと単繊維径が11μmのポリエステルフィラメント糸Bから構成されており、総繊度は157dtexであった。
一方、パラ系アラミド繊維として、帝人社製テクノーラ(商品名)総繊度440dtex/263fil(マルチフィラメント)を用意した。
得られたポリエステル糸条5本と、パラ系アラミド繊維(帝人社製テクノーラ(商品名)総繊度440dtex/263fil)を2本、さらにポリウレタン弾性繊維(総繊度22dtex)をナイロン加工糸77dtex/24filでカバリングした糸条1本を用いて、ポリエステル糸条が外層(外気側表層)に、パラ系アラミド繊維、およびポリウレタン弾性繊維をナイロン加工糸でカバリングした糸条が内層(手側表層)に位置するように、通常の軍手編み機を使用して10ゲージで手袋を製編した。
得られた手袋のポリエステル糸条とパラ系アラミド繊維との重量比(ポリエステル糸条:パラ系アラミド繊維)は47:53で、目付けは486g/m、厚さは1.4mmであった。切創力は7.0Nと防護性能に優れ、動摩擦係数は0.36と滑り止め性能に優れていた。
[実施例2]
実施例1と同様にして単繊維径が700nmのポリエステルフィラメント糸Aと単繊維径が11μmのポリエステルフィラメント糸Bから構成されたポリエステル糸条を得た。また、パラ系アラミド繊維としてトワロン(商品名)20綿番手(紡績糸)を得た。得られたポリエステル糸条5本と、パラ系アラミド繊維(トワロン(商品名)20綿番手)3本を用いて、ポリエステル糸条が外層に、パラ系アラミド繊維が内層になるように、通常の軍手編み機を使用して10ゲージで手袋を製編した。
得られた手袋のポリエステル糸条とパラ系アラミド繊維との重量比(ポリエステル糸条:パラ系アラミド繊維)は51:49で、目付けは433g/m、厚さは1.4mmであった。切創力は7.7Nと防護性能に優れ、動摩擦係数は0.22と滑り止め性能に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル糸条3本と、ポリウレタン弾性繊維22dtexをナイロン加工糸77dtex/24filでカバリングした糸条1本のみを用いて、通常の軍手編み機を使用して15ゲージで手袋を製編した。得られた手袋の目付けは288g/m、厚さは0.6mmであった。動摩擦係数は0.43と滑り止め性能に優れていたが、切創力は3.1Nと防護性能は不十分であった。
[比較例2]
実施例1において、パラ系アラミド繊維であるトワロン(商品名)10綿番手(紡績糸)5本のみを用いて、通常の軍手編み機を使用して7ゲージで手袋を製編した。得られた手袋の目付けは555g/m、厚さは2.4mmであった。切創力は11.9Nと防護性能は優れていたが、動摩擦係数は0.13と滑り止め性能は不十分であった。
本発明によれば、優れた耐切創性と滑り止め性を兼ね備えた作業手袋が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:滑車
2:ヘッド
3:試料
4:鉄板

Claims (9)

  1. 単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aを含むポリエステル糸条と、アラミド繊維とを両者の重量比20:80〜80:20の範囲内で含み、かつ軍手編み機を使用して製編してなることを特徴とする作業手袋。
  2. 前記ポリエステルフィラメント糸Aのフィラメント数が500本以上である、請求項1に記載の作業手袋。
  3. 前記ポリエステルフィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条である、請求項1または請求項2に記載の作業手袋。
  4. 前記ポリエステル糸条が、単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aと単繊維径が5〜40μmのポリエステルフィラメント糸Bとで構成された糸条である、請求項1〜3のいずれかに記載の作業手袋。
  5. 前記アラミド繊維がパラ系アラミド繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載の作業手袋。
  6. 作業手袋を構成する生地の目付けが200〜600g/mの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の作業手袋。
  7. 作業手袋を構成する生地の生地厚さが0.7〜3.0mmの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の作業手袋。
  8. 前記ポリエステル糸条が手袋の外層(外気側表層)に配置され、前記アラミド繊維が手袋の内層(手側表層)に配置される、請求項1〜7のいずれかに記載の作業手袋。
  9. 自動車部品製造、電子機器部品製造、鉄鋼、溶接、機械加工、運搬、引っ越し、廃棄物処理、清掃、農業、水産業、園芸、アウトドアの群より選択されるいずれかの用途で使用される、請求項1〜8のいずれかに記載の作業手袋。
JP2014094463A 2014-05-01 2014-05-01 作業手袋 Active JP6359869B2 (ja)

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