JP5229890B2 - 多層構造織編物および繊維製品 - Google Patents

多層構造織編物および繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP5229890B2
JP5229890B2 JP2008266249A JP2008266249A JP5229890B2 JP 5229890 B2 JP5229890 B2 JP 5229890B2 JP 2008266249 A JP2008266249 A JP 2008266249A JP 2008266249 A JP2008266249 A JP 2008266249A JP 5229890 B2 JP5229890 B2 JP 5229890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knitted fabric
yarn
layer
woven
multilayer structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008266249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010095813A (ja
Inventor
尊志 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2008266249A priority Critical patent/JP5229890B2/ja
Publication of JP2010095813A publication Critical patent/JP2010095813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5229890B2 publication Critical patent/JP5229890B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Body Washing Hand Wipes And Brushes (AREA)

Description

本発明は、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有する多層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品に関する。
従来、表層および中間層および裏層の3層構造を有する多層構造織編物はそのクッション性から靴材、インナー衣料、ベットカバー、など巾広く使用されているが、生地と身体とがすべりやすい、風合いが悪いなどの問題があった(例えば、特許文献1参照)。
かかる対策として、別のすべり止めやカバーを取り付けるなどの対策が提案されているが、構造が複雑になったり、軽量感が損われるといった問題があった。
なお近年、ナノファイバーと称せられる超極細繊維が提案されている。例えば、ポリエステルなどの合成繊維を超極細繊維化することにより、これまでの繊維では得ることのできなかった質感や機能を付与することが可能となり、さかんに開発が行われている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
特開平9−241954号公報 特開2000−207319号公報 実用新案登録第2567438号公報 特開2000−8252号公報 特開2007−2364号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有する多層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、3層構造を有する多層構造織編物において、少なくとも表層、裏層どちらか一方に単繊維径が1000nm以下の極細フィラメントを配し、表層、裏層のどちらか一方をメッシュ組織とすることでクッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性をもつ多層構造織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表層および中間層および裏層の3層構造を有する多層構造織編物であって、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、単繊維径が10〜1000nmかつフィラメント数が2000〜10000本のフィラメント糸Aが含まれ、かつ前記表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織がメッシュ組織であることを特徴とする多層構造織編物。」が提供される。
その際、前記表層および裏層のうち、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれる層がメッシュ組織であることが好ましい。また、多層構造織編物が編物組織を有する編物であることが好ましい。また、前記フィラメント糸Aがポリエステルからなることが好ましい。また、前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条であることが好ましい。また、前記中間層に、単糸繊度が10dtex以上の糸条Bが含まれることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の多層構造織編物を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、靴材、医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファーの表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品、空気清浄機用や浄水器用のフィルター製品、電気製品用材料、ワイピングクロス、ボディータオル、ハードデイスク用研磨布、およびメデイカル材料からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有する多層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の多層構造織編物は表層および中間層および裏層の3層構造を有する多層構造織編物であって、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれる。
ここで、前記フィラメント糸Aにおいて、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1000nm(好ましくは100〜800nm、特に好ましくは510〜800nm)の範囲内であることが肝要である。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算すると、0.000001〜0.01dtexに相当する。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1000nmよりも大きい場合は、十分な表面摩擦抵抗が得られず、本発明の主目的である、表面摩擦抵抗が得られ難くなるおそれがある。ここで、単繊維の横断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記フィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、超極細繊維特有の風合いを得る上で500本以上(より好ましくは2000〜10000本)であることが好ましい。また、フィラメント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、5〜150dtexの範囲内であることが好ましい。
前記フィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記フィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としては特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの通常の繊維形成性ポリマーでよい。なかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明の多層構造織編物において、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織がメッシュ組織であることが肝要である。表層および裏層がプレーン組織(メッシュ組織でない通常の組織)の場合は、軽量感が出ず、また通気性も低くなり好ましくない。
本発明の多層構造織編物において、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、前記のフィラメント糸Aが含まれる限り、織編物を構成する繊維は限定されないが、中間層に、単糸繊度が10dtex以上(好ましくは20〜100dtex)の糸条Bが含まれることが好ましい。糸条Bの単糸繊度が10dtex以下であると、表層と裏層を支えることが出来ずで、クッション性が得られ難くなるおそれがある。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、前記と同様、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記糸条Bにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、モノフィラメントであるこことが好適である。また、かかる糸条Bの繊維形態は特に限定されず紡績糸でもよいが、長繊維であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記糸条Bを形成する繊維の種類としては、特に限定されず、ポリエステル系ポリマーからなるポリエステル繊維、ウレタン繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミドからなるポリアミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなるポリオレフィン繊維、アクリル繊維、パラ型もしくはメタ型アラミドからなるアラミド繊維、およびそれらの変性合成繊維、さらには、天然繊維、再生繊維、半合成繊維など衣料に適した繊維であれば自由に選択できる。なかでもポリエステル系繊維が好ましく、かかるポリエステル系繊維を形成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステル、ポリエーテルエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
なお、前記ナノファイバーAおよび糸条Bにおいて、繊維は1種類であることが好ましいが、複数の組み合わせであってもよい。例えば、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル系繊維などからなる弾性繊維糸条と、ポリエステル系繊維糸条とをインターレース空気ノズルなどにより空気混繊させた複合糸や、弾性繊維糸条のまわりにポリエステル系糸条をカバリングした複合糸などや、紡績糸との複合糸でもよい。
本発明の多層構造織編物において、織編組織は3層以上の多層構造であれば特に限定されず、織物であれば、緯糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された緯二重織物、経糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された経二重織物、経糸、緯糸とも表層/裏層に二重になるように配列された完全二重織物、編物であれば、ダブルラッセル、丸編みの両側結節組織などが好適に例示される。特に、ダブルラッセル編物が好ましい。なかでも、優れたクッション性と通気性を得る上で、編物が好ましい。また、前記表層および裏層のうち、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれる層がメッシュ組織であることが好ましい。
本発明の織編物は例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、海成分とその径が10〜1000nmである島成分とで形成される海島型複合繊維(フィラメント糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維マルチフィラメント(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
すなわち、海成分ポリマーとしては、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1000nmの範囲とする必要がある。その際、島成分の形状が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維マルチフィラメント糸は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維マルチフィラメント糸は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。かかる海島型複合繊維マルチフィラメント糸において、単糸繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単糸繊維繊度0.5〜10.0dtex、フィラメント数5〜75本、総繊30〜170dtexの範囲内であることが好ましい。また、かかる海島型複合繊維マルチフィラメント糸の沸水収縮率としては5〜30%の範囲内であることが好ましい。
一方、必要に応じて、単繊維繊度が10dtex以上(好ましく20〜100dtex)である糸条Bを用意する。最終的に得られる織編物内の糸条Bの単繊維繊度を10dtex以上とする上で、単繊維繊度を前記の範囲内とすることが好ましい。
かかる糸条Bにおいて、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれフィラメント数1〜100本、総繊度10〜100dtexの範囲内であることが好ましい。
次いで、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に前記海島型複合繊維マルチフィラメント糸を配して、表層および中間層および裏層の3層構造を有する、前記のような多層構造織編物を常法により製編織する。
次いで、該織編物にアルカリ水溶液処理を施し、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することにより、海島型複合繊維フィラメント糸を単繊維径が10〜1000nmのフィラメントAとすることにより、本発明の多層構造織編物が得られる。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度3〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜65℃の温度で処理するとよい。
また、該アルカリ水溶液による溶解除去の前および/または後に編地に染色加工を施してもよい。さらに、常法のカレンダー加工、起毛加工、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた多層構造織編物において、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、前記の10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれるので高い表面摩擦抵抗を有する。また、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織がメッシュ組織であるので、軽量感に優れ、高い通気性を有する。さらには、該多層構造織編物は3層構造を有するので、優れたクッション性を有する。特に、中間層に前記糸条Bが含まれる場合は、特に優れたクッション性を有する。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<溶融粘度>乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤の含有量:0重量%)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合延伸糸(フィラメントA用繊維)は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は710nmであった。
他方、糸条Bとして、通常のポリエチレンテレフタレートモノフィラメント(総繊度22dtex/1fil)を用意した。
次いで、22ゲージのダブルラッセル機を使用して、前記ポリエチレンテレフタレートモノフィラメント(総繊度33dtex/1fil、糸条B)が編地の中間層に、一方前記海島型複合延伸糸(総繊度56dtex/10fil)が編地の表層側(メッシュ組織)に位置するよう給糸し、ポリエチレンテレフタレートフィラメント仮撚捲縮糸(総繊度84dtex/36fil)が裏層(プレーン組織)に位置するように給糸し、片面メッシュダブルラッセル編地(3層構造)を編成した。その際に、用いた編組織図を図1に示す。なお、下記のように糸を配した。
L2:海島型複合延伸糸56dtex/10fil 3本
L3:海島型複合延伸糸56dtex/10fil 3本
L4:ポリエチレンテレフタレートモフィラメント 33dtex/1fil
L5:ポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮糸 84dtex/36fil
次いで、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために編地を3.5%NaOH水溶液で、70℃にて30%アルカリ減量した。その後、130℃かつ30分間の高圧染色を行い、最終セットとして170℃の乾熱セット行った。
その結果、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性をもつ多層構造織編物が得られた。該多層構造織編物の表層側に単繊維径が710nmのフィラメント糸Aが含まれていた。
次いで、該多層構造織編物を用いて、ボディータオルおよび靴材を得たところ、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有するものであった。
[比較例1]
実施例1において、表層側にも、ポリエステルフィラメント仮撚糸(総繊度84dtex/36fil)を配した。また、アルカリ減量は施さなかった。これ以外は実施例1と同様にした。
得られた多層構造織編物は、高い表面摩擦抵抗を有するものではなかった。
本発明によれば、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有する多層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
実施例1で用いた編組織図である。

Claims (7)

  1. 表層および中間層および裏層の3層構造を有する多層構造織編物であって、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、単繊維径が10〜1000nmかつフィラメント数が2000〜10000本のフィラメント糸Aが含まれ、かつ前記表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織がメッシュ組織であることを特徴とする多層構造織編物。
  2. 前記表層および裏層のうち、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれる層がメッシュ組織である、請求項1に記載の多層構造織編物。
  3. 多層構造織編物が編物組織を有する編物である、請求項1または請求項2に記載の多層構造織編物。
  4. 前記フィラメント糸Aがポリエステルからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造織編物。
  5. 前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条である、請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造織編物。
  6. 前記中間層に、単糸繊度が10dtex以上の糸条Bが含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造織編物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造織編物を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、靴材、医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファーの表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品、空気清浄機用や浄水器用のフィルター製品、電気製品用材料、ワイピングクロス、ボディータオル、ハードデイスク用研磨布、およびメデイカル材料からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
JP2008266249A 2008-10-15 2008-10-15 多層構造織編物および繊維製品 Active JP5229890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008266249A JP5229890B2 (ja) 2008-10-15 2008-10-15 多層構造織編物および繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008266249A JP5229890B2 (ja) 2008-10-15 2008-10-15 多層構造織編物および繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010095813A JP2010095813A (ja) 2010-04-30
JP5229890B2 true JP5229890B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=42257693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008266249A Active JP5229890B2 (ja) 2008-10-15 2008-10-15 多層構造織編物および繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5229890B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5319315B2 (ja) * 2009-01-29 2013-10-16 帝人株式会社 寝装側地および寝装品
JP5778528B2 (ja) * 2011-09-07 2015-09-16 マルコ株式会社 伸縮性生地及びそれを用いた繊維製品
CN102555936B (zh) * 2012-01-20 2014-01-15 宏达高科控股股份有限公司 一种经编起绒汽车内饰材料的生产方法
JP2016204787A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 東レ株式会社 ワイピング用布帛
JP7088652B2 (ja) * 2017-10-10 2022-06-21 帝人フロンティア株式会社 グローブ用布帛および繊維製品
JP2022109196A (ja) * 2021-01-14 2022-07-27 スミノエ テイジン テクノ株式会社 自動車用内装布帛

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02142487U (ja) * 1989-04-27 1990-12-03
JPH09143842A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Toray Ind Inc 多層構造編地
JP3774926B2 (ja) * 1996-03-06 2006-05-17 東レ株式会社 多層構造裏地
CN1372608A (zh) * 2000-09-19 2002-10-02 株式会社可隆 手感优良的经编织物及其制造方法
JP2006336149A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Toray Ind Inc 皮膚洗浄用布帛およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010095813A (ja) 2010-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5178076B2 (ja) 下着
JP5395088B2 (ja) ブラジャー
CN108779585B (zh) 纱线和布帛以及纤维制品
JP5692958B2 (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
JP5584297B2 (ja) 多層構造布帛および繊維製品
JP2009024272A (ja) 冷感に優れた編地および繊維製品
JP2010163712A (ja) 靴下
JP5229890B2 (ja) 多層構造織編物および繊維製品
JP2011012367A (ja) 軽量性に優れた布帛および繊維製品
JP5356771B2 (ja) グローブ用布帛および繊維製品
JP5507871B2 (ja) 繊維構造物および繊維製品
JP2009074187A (ja) 多層構造織編物および繊維製品
JP4902220B2 (ja) 防風編地および繊維製品
JP5495286B2 (ja) 有毛編物の製造方法および有毛編物および繊維製品
JP5216970B2 (ja) ポリエステル編地およびその製造方法および繊維製品
JP5155124B2 (ja) 揚柳調布帛の製造方法および揚柳調布帛
JP5420879B2 (ja) 靴材
JP2010248668A (ja) 布帛および繊維製品
JP5495290B2 (ja) 衣料側地および衣料品
JP2010233865A (ja) 洗浄用具
JP5319315B2 (ja) 寝装側地および寝装品
JP5945622B2 (ja) 布団カバー
JP2010053502A (ja) 立毛布帛および立毛布帛製品
JP5420993B2 (ja) 皮脂取りクロスの製造方法
JP3191753U (ja) 布団カバー

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110705

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110705

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130314

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5229890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250