JP5420993B2 - 皮脂取りクロスの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、かかる皮脂取りクロスの皮脂取り性能は十分ではなく、脂取り紙のように押し当てるだけで十分な皮脂除去性は得られなかった。
まず、フィラメント糸A(以下、「ナノファイバー」と称することもある。)において、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1000nm(好ましくは100〜900nm、特に好ましくは550〜900nm)の範囲内であることが肝要である。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算すると、0.000001〜0.01dtexに相当する。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1000nmよりも大きい場合は、十分な皮脂取り性能が得られないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。また、単繊維繊度のばらつきが−20%〜+20%の範囲内であることが好ましい。
次いで、かかる海島型複合繊維マルチフィラメントを単独で用いるか、必要に応じて単繊維径が1000nmより大の弾性繊維糸など他の糸とともに用いて、布帛を製編または製織する。その際、布帛の組織は特に限定されず、通常の方法で得られた、織物または編物または不織布でよい。特に布帛のソフト性および肌へのフィット性を得る上で編物が好ましい。
また、かかる皮脂取りクロスにおいて、布帛の目付けとしては100〜250g/m2の範囲内であることが好ましい。
<溶解速度>海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<ナノファイバーのばらけ状態>繊維構造体を液体窒素に浸漬して固まらせた後カットした後、断面(縦61μm×横80μm、面積4880μm2)を電子顕微鏡で10箇所撮影し(倍率1500倍)、100本以上のナノファイバーが凝集密着したナノファイバー塊の合計個数をカウントした。合計個数が0個の場合は合格、1個以上の場合は不合格である。
<目付>JIS L1096 6.4.2に従って測定した。
<表面粗さ>室温20℃、相対湿度65%にコントロールされた人工気象室内にて、5cm角に裁断した試験片を、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−8700(キーエンス社製)を用い、JIS B 0601−2001に準拠して、最大高さRz、算術平均粗さRaを算出した。
<皮脂除去性能>室温20℃、相対湿度50%にコントロールされた人工気象室内にて、15cm角に裁断し、4辺をオーバーロックミシンで縫製したハンカチを作成した。皮脂の計測には、油分計セブメーターSM815(CK社製)を用い、前額部と小鼻部の皮脂量を事前に計測した。その後、上記ハンカチを3秒間擦ることなく軽くそれぞれの部位に押当て、再び皮脂量をそれぞれの部位にて計測した。皮脂除去率を次の式にて算出した。
皮脂除去率(%)=(押当て前皮脂量−押当て後皮脂量)/押し当て後皮脂量×100
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合延伸糸(フィラメント糸A用)は55dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
次いで、この編地(布帛)に対し、スパンレース用のウオーターニードル装置(噴射孔径:0.1mm、孔ピッチ:1.0mm、孔配列:2列千鳥)にて、水圧60kg/cm2、編地の送り速度2m/分、編地の支持メッシュ:50メッシュの条件で高圧水を噴射した。
次いで、この編地に、粒度#150番のエメリーペーパーを用いてバフ加工を施すことにより、皮脂取りクロスを得た。
得られた皮脂取りクロス(編地)の密度は63コース/60ウエール、編地中のマルチフィラメント糸条の総繊度は37dtex、単繊維径が710nm、単糸数8360、目付け100g/m2であった。該編物においてナノファイバー同士が凝集密着することなく、ばらけた状態で存在しており、ナノファイバー塊の個数は0個であった。また、表面粗さはRzが210、Raは18であった。該皮脂取りクロス(編物)を用いて、皮脂取り性を評価したところ、93%と極めて高い皮脂除去性を示した。
実施例1において、バフ加工を施さないこと以外は実施例1と同様にした。得られた皮脂取りクロス(編地)において、表面粗さはRzが373、Raは38であった。該皮脂取りクロス(編物)を用いて、皮脂取り性を評価したところ、60%と低い皮脂除去性を示した。
Claims (6)
- 単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aを含む布帛で構成される皮脂取りクロスにバフ加工を施すことにより、クロス表面における表面粗さを算術平均高さRaで30μm以下とすることを特徴とする皮脂取りクロスの製造方法。
- 前記布帛が編物組織を有する、請求項1に記載の皮脂取りクロスの製造方法。
- 前記フィラメント糸Aがポリエステルからなる、請求項1または請求項2に記載の皮脂取りクロスの製造方法。
- 前記フィラメント糸Aのフィラメント数が3000本以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮脂取りクロスの製造方法。
- 前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条である、請求項1〜4のいずれかに記載の皮脂取りクロスの製造方法。
- 前記布帛に前記フィラメント糸Aが50重量%以上含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の皮脂取りクロスの製造方法。
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