JP3437887B2 - 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材 - Google Patents

柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材

Info

Publication number
JP3437887B2
JP3437887B2 JP32708195A JP32708195A JP3437887B2 JP 3437887 B2 JP3437887 B2 JP 3437887B2 JP 32708195 A JP32708195 A JP 32708195A JP 32708195 A JP32708195 A JP 32708195A JP 3437887 B2 JP3437887 B2 JP 3437887B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cut resistance
spun yarn
fiber
gloves
fiber structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32708195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09157981A (ja
Inventor
武 波多野
周二郎 上田
文弘 安井
勝己 竹野
一浩 安宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Toray Co Ltd, Toray Industries Inc filed Critical Du Pont Toray Co Ltd
Priority to JP32708195A priority Critical patent/JP3437887B2/ja
Publication of JPH09157981A publication Critical patent/JPH09157981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3437887B2 publication Critical patent/JP3437887B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/44Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
    • D02G3/442Cut or abrasion resistant yarns or threads
    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2331/00Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products
    • D10B2331/02Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyamides
    • D10B2331/021Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyamides aromatic polyamides, e.g. aramides

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Gloves (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラ系全芳香族ポ
リアミド繊維からなる柔軟で耐切創性に優れた紡績糸お
よびそれを用いた編織物等の繊維構造物、防護材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族系ポリアミド繊維を使用した手袋
や、腕カバー、前かけなどの防護衣料等は、当該繊維が
刃物で切断されにくいので、木綿などを使用した従来の
手袋、腕カバー、前かけなどの防護衣料に比べて耐切創
性が画期的に高く、例えば自動車産業や、洗濯機、冷蔵
庫等の家電製品産業において、バリの出た板金加工品を
扱う作業、あるいは割れ易いガラス製品を扱うガラス産
業、または金属片やガラス片が混入している可能性のあ
る一般塵芥を扱うゴミ収集作業のような、切創事故を起
こし易い作業において、作業者の手や体を保護するため
に広く使用されてきた。しかしながら、当該作業者等か
らはより一層安全な手袋や前かけ、腕カバーなどの防護
衣料等の防護材が強く要望されている。
【0003】一般に、芳香族系ポリアミド繊維等の高強
度繊維は、耐切創性に優れている一方で剛性が高いため
に、切創性と着用時の作業性の指標である柔軟性は相互
に取り合いの関係にある。
【0004】また、作業用手袋や作業衣のような安全防
護衣料においては、着用者に作業の妨げとなる疲労感や
不快感を与えることは好ましくなく、やむを得ない場合
でもこれらは許される最小の程度でなければならない。
耐切創性に優れていても、手袋や前かけ、腕カバー、作
業衣などの防護衣料では柔軟性が欠けていると着用者に
疲労感を与え、更に、安全防護衣料としては硬い繊維端
の刺激による、いわゆるちくちく感のような不快感を着
用者に与えることも好ましくない。柔軟性があり、ちく
ちく感が少なく、耐切創性の高い手袋や前かけ、腕カバ
ーなどの防護衣料等の防護材を工業的に生産することは
当該業界にとって極めて重要なことである。
【0005】芳香族系ポリアミド繊維を使用した手袋に
ついては、例えば実開平1−45708号公報に、単糸
繊度が3デニール以下の全芳香族ポリアミドフィラメン
トが、互いに無作為に交絡した嵩高ヤーンを編織するこ
とにより耐切創性の優れた手袋を作る考案が提案されて
いる。また、耐切創性の向上ではないが、実公平4−5
4168号公報に、地組織用糸およびループパイル用糸
に、単糸繊度が3デニール以下である複数本のパラ系全
芳香族ポリアミドフィラメントが、互いに無作為に交絡
した嵩高ヤーンを用いたパイル編みで構成した耐熱性、
断熱性に優れた手袋が提案されている。しかしながら、
より一層高い耐切創性の達成を意図する場合には、必ず
しも十分ではないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性がありちくちく感がなく快適で、耐切創性の高い作業
用手袋、前かけ、腕カバー、足首カバーなどの防護材等
に有用な紡績糸を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、かかる紡績糸を用い
た柔軟で耐切創性の高い編織物等の繊維構造物、および
それからなる防護衣料、防護シート等の防護材を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の柔軟で耐切創性
に優れた紡績糸は上記目的を達成せんとするものであっ
て、以下の構成を有する。
【0009】すなわち、パラ系全芳香族系ポリアミド繊
維からなる紡績糸であって、単糸繊度が3.5〜5.5
デニール、平均繊維長が3〜5インチ、撚係数が1.5
〜3.0であることを特徴とする柔軟で耐切創性に優れ
た紡績糸である。
【0010】本発明では、かかる紡績糸を用いて柔軟で
耐切創性の優れた編織物等の繊維構造物を製造でき、更
に、かかる紡績糸または繊維構造物を用いて柔軟で耐切
創性の優れた手袋、前掛け、腕カバー、足首カバー、防
護衣等の防護衣料を含む防護材を製造することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる芳香族
系ポリアミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソタルアミド
や、3,4′−ジアミノジフェニルエーテルなどを共重
合した芳香族ポリアミド共重合体等からなる繊維が挙げ
られ、特にパラ系全芳香族系ポリアミド繊維が好適であ
る。かかる繊維は要求される強度等特性から、引張強度
が約15〜30g/d、破断伸度が約2〜5%であるこ
とが好ましい。
【0012】芳香族系ポリアミド繊維は一般に、単糸繊
度が太くなるにつれ、切断されにくくなることがわかっ
た。この原理は第1図に示したように、刃1が単糸を1
本ずつを順次切断していくものと考えられ、太い単糸2
の1本が刃1を支える長さは、細い単糸3のそれよりよ
り長いので太い単糸2の方が切れにくいことが理解でき
る。このように、手袋や前かけ、腕カバーなどの防護衣
料の耐切創性を向上させるためには、単糸繊度を大きく
することが原理的に有効である。ここに特公昭55−1
4170号公報に、単糸繊度が最大20デニールのパラ
系全芳香族系ポリアミド繊維を生産することが示されて
いる。従って、この技術を適用すれば耐切創性の優れた
手袋や編織物を作ることはできるが、単繊維の曲げ硬さ
は繊維径の増大とともにとともに飛躍的に高くなるの
で、単純に従来の製造方法を適用しただけでは、手袋や
編織物に柔軟性がなく、また、ちくちく感の多い手袋や
編織物等しか作ることができない。
【0013】手袋や編織物等の繊維構造物の耐切創性を
大幅に向上させるために、芳香族系ポリアミド繊維の単
糸繊度は3.5〜5.5デニールの範囲、より好ましく
は3.8〜5デニールの範囲にある。単糸繊度が小さす
ぎると耐切創性の改善が少なく、反対に大きすぎると、
以下に述べる繊維長さや紡績糸の撚り係数の適正化でも
手袋や編織物に柔軟性がなく、ちくちく感を解消するこ
とが困難である。
【0014】繊維の太さd(デニール)は、繊維長をL
(m)、その重量がW(g)であるとき、d=(W/
L)×9000で示され、このデニール数が大きいほ
ど、繊維は太くなる。
【0015】一般にステープルにおいては、繊維長が大
きいほど撚り数を低く設定でき、柔軟性のある紡績糸を
得ることができる。一方、繊維径が太いほど剛性の方が
高くなるので、繊維の皮膚への刺激であるちくちく感が
高くなる。
【0016】手袋や編織物等の繊維構造物を柔軟にし、
同時にちくちく感を解消するためには、第一に、単糸繊
度に適した長さの繊維長の短繊維からなる紡績糸が採用
される。パラ系全芳香族系ポリアミド繊維の単糸繊度が
3.5〜5.5デニールの場合、平均繊維長が3〜5イ
ンチの範囲のステープルからなる紡績糸を使用すること
で、これらの課題を一挙に解決することができる。
【0017】単糸繊度3.5デニール以上において、平
均繊維長が2.5インチより小さい場合、良好な紡績性
を得るためには下記に示した撚り係数を3より大きくす
る必要があるが、かかる条件では撚数が多いために、手
袋や防護衣料に使用する編織物に適した柔らかな風合い
の紡績糸を得ることは困難である。また、平均繊維長が
6インチより大きいと、既存の紡績設備では紡績糸の製
造が困難である。
【0018】また、良好な紡績性を得るために、ステー
プルの捲縮数は、約3〜約12山/インチが望ましい。
更に、これに限定されるものではないが、本発明で用い
られるステープルの一例であるパラ系芳香族ポリアミド
繊維の強度は、約10〜約30g/d、伸度は約2〜約
5%、熱分解点は約500℃である。脂肪族ポリアミド
繊維やポリエステル繊維のような一般の合成繊維より強
度がはるかに高く、刃物に対する切創抵抗が高いのであ
る。また、この繊維は500℃では溶融せずに炭化する
ので、脂肪族ポリアミド繊維やポリエステル繊維などの
熱可塑性繊維のように熱により溶融したポリマーで火傷
することもなく、熱と切創に対する防護衣料材料として
特に優れている。
【0019】柔軟でちくちく感を解消するための第二の
要件として、紡績糸を次式で計算した撚係数1.5〜
3.0、好ましくは1.7〜2.5の範囲で加撚するこ
とが採用される。
【0020】撚り係数K=T/S1/2 ここに、Tは撚数(回/インチ)、Sは次式で示される
綿番手である。そして、糸長L(m)の重量がW(g)
であるとき、S=0.5908L/Wとなり、撚係数が
1.5より小さいと短繊維同士の絡みが弱く、連続した
紡績糸を生産することが困難である。また、撚係数が
3.0より大きいと短繊維同士の絡みが強くなりすぎ、
手袋や編織物としての柔軟性に欠けることになる。その
ため紡績糸の太さは、用途にもよるが、通常40/1〜
5/1番手の範囲で好ましく使われる。
【0021】本発明の実施において、パラ系全芳香族ポ
リアミド繊維は従来公知の製法(特開昭55−1417
0号公報他)で製造することができ、これを通常スクエ
アカットにより所定の長さに切断してステープル化され
る。またステープル化は、平均繊維長±2インチのバリ
アブルカットによっても行なわれ、長繊維を把持した一
対以上のローラ間の速度差によってカットする牽切方式
によりステープル化する方法によってもよい。
【0022】本発明の実施において、パラ系全芳香族ポ
リアミド繊維からなる紡績糸は、通常の紡績等の手段で
製造でき、また、本発明の効果を妨げない範囲で、例え
ば30%重量以下で他の繊維を混用することができる。
【0023】本発明の例えば単糸繊度4d、カット長
4.5インチのパラ系芳香族ポリアミド繊維紡績糸の綿
番手20/1の物性は、引張り強さが1820g/dで
一般合成繊維の紡績糸より高い引張り強さを特徴として
いるが、耐切創性は繊維本来の性質によるもので、撚り
によって引張り強さが左右される紡績糸の引張り強さと
は直接関係がない。
【0024】使用される紡績糸の形態は、単糸でもよ
く、単糸を2本引揃えて単糸と反対方向の撚りをかけた
双子または三子でもよい。一般に織物では、単糸または
双子が使用される。手袋用には、糸のトルクによる編地
のよじれを生じさせないように、残留トルクのない双子
を使用することが好ましい。
【0025】また、繊維構造体は、本発明の紡績糸10
0%で構成してもよく、交織交編のように他の繊維や糸
条との併用でもよい。本発明の防護材の種類によって
は、パイル織物のような立毛布帛とすることもできる。
【0026】更に、本発明の防護材は、全てを、かかる
紡績糸または繊維構造体等で構成してもよく、またはそ
れらを必要部分に部分的に使用することでもよい。例え
ば、作業用手袋では、作業内容により指先部分や掌部分
だけのように、特定の部分に本発明の紡績糸や繊維構造
体等を使うことができる。繊維構造体や防護材には必要
に応じ、樹脂コーティングを施すこともできる。
【0027】本発明の防護材は、厳しい使用環境条件が
要求される用途に特に適しており、これには、直接防護
目的として使用されるものはもちろん、結果的に防護機
能が果たされるものも含まれ、具体的には、上述の作業
用または工業用手袋、腕カバー、前かけ、足首カバーの
他、作業靴、地下足袋、溶接用作業衣、スポーツ用とし
て、スクリューによる切創から身体を保護する競艇選手
用上着、同ズボン、野球やサッカー用のソックス、武道
具としてフェンシングユニフォーム、また、溶接作業用
カーテン、消防服、消防用ホース、などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0028】以下、実施例によって本発明を詳しく説明
する。
【0029】なお、実施例における特性値等の測定法は
次のとおりである。
【0030】(1)耐切創性 第2図に示すように、中央部に巾10mm長さ50mm
のスリット4を有する板状の2枚のサンプル支持板5の
間に、1枚の試験片6を挟んで固定し、この試験片6を
V字型の刃物7、すなわち角度60度で2辺に刃のある
刃物7を試験片6に垂直に立てて当て、刃先を試験片6
に500mm/分の速度で押しつけ、試験片6が切創さ
れるときの最大荷重を測定し、n=10の平均値で示し
た。
【0031】(2)柔軟性 編物及び手袋については、JIS−L−1018「メリ
ヤス生地試験方法」6.21.1に準じて、ガーレ式試
験機により剛軟度として測定した。手袋は、中指部分を
先端から6.4cmを切りとって筒編み状の試験片と
し、指先部分が振り子に触れるようにチャックに取付け
た。また、織物の柔軟性は、JIS−L−1096「一
般織物試験法」6.20.1により剛軟度として測定し
た。それぞれ、剛軟度が低いほど柔軟性が改善されてい
ると判定した。
【0032】(3)ちくちく感 手袋は、それを着用した10人の感触により、また、編
織物はその生地に対する10人の感触により判定した。
60%以上がちくちく感が無いと判定したものを、ちく
ちく感なしと判定した。
【0033】
【実施例】(実施例1〜6) デュポン・東レ・ケブラー(株)製の単糸繊度が3.5
〜5デニールのパラ系全芳香族ポリアミド繊維(登録商
標名ケブラー)に、5山/インチの割合で捲縮をかけ、
2.5〜6インチにカットしてステープルとした。これ
を開綿機、カード、練条またはギルの順で通しスライバ
ーとした。次に、これをリング精紡機にかけ、撚り係数
が1.6〜3の撚りを加えて綿番手20/1の紡績糸を
得た。これを2本引揃え、ダブルツイスターで単糸の7
0%の逆撚りを加えてトルクをなくし、綿番手20/2
に加工した。更に、これを5本引揃えて島精機(株)の
7ゲージの手袋編み機に供給し、重量60g/双、甲部
掌部あわせて厚さ4.0mmの手袋を編み上げた。これ
らの手袋の耐切創性、耐切創性改善率、柔軟性、ちくち
く感を第1表にまとめた。耐切創性改善率は、次の参考
例1の手袋、すなわち現在市販されているパラ系全芳香
族ポリアミド繊維(登録商標名ケブラー)製手袋と同条
件の手袋の耐切創性に対する改善率で示した。ちくちく
感無を○、ちくちく感有を×で示した。
【0034】(参考例1〜5)上記実施例と同じ方法
で、単糸が1.5、3.5、4.0および6.0デニー
ルのステープルを製造し、撚り係数を1.4、2、2.
6、2.9、3.2および4とした紡績糸により手袋を
作成して、手袋の耐切創性、耐切創性改善率、柔軟性、
ちくちく感を上記と同様に評価し結果を表1にまとめ
た。
【0035】
【表1】 実施例1〜6は、現在の市販品である参考例1に比べて
切創抵抗が10%以上の改善を示し、柔軟性は900m
g以下で良好であり、ちくちく感も無い。
【0036】これによって、単糸繊度が3.5〜5デニ
ール、繊維長が2.5〜6インチのパラ系全芳香族系ポ
リアミド短繊維で構成され、撚係数が1.5〜3の紡績
糸でできた編地によって柔軟で耐切創性の優れた手袋が
得られることがわかる。
【0037】また、参考例1は現在市販されているもの
で、より高い切創抵抗が望まれている。参考例2および
参考例4は撚り係数が高く、柔軟性は900mg以上で
硬く問題が残る。参考例3は撚り係数が低く、紡績がで
きない。参考例5は繊維長が長すぎて、既存の量産紡績
設備では紡績ができない。参考例6は単糸繊度が太く、
柔軟性は950mgで硬さに問題があり、またちくちく
感がある。
【0038】(実施例、参考例7〜8) 実施例、参考例1及び参考例6で使用したものと同じ
紡績糸20/2を使用して、タテ/ヨコ密度59/47
(本/インチ)、目付け235g/m2厚さ0.45m
mの2/2綾織物を製織した。この仕様の織物は、作業
服、腕カバー、前かけ、縫製手袋などの防護衣料として
使用されている。これらの織物の物性値を表2に示す。
代表的な市販のパラ系全芳香族ポリアミド紡績糸20/
2と同条件の紡績糸からなる織物の参考例7に比べ、実
施例は耐切創性が24%改善され、柔軟性は良好でち
くちく感もなかった。一方、参考例8は、耐切創性は参
考較例7に比べ35%改善されているが、柔軟性に問題
があり、しかもちくちく感があり、防護素材に使用する
織物としては問題がある。
【0039】
【表2】 (実施例、参考例9、10) 実施例、参考例1及び参考例6で使用したものと同じ
紡績糸を、20/2+20/1に引き揃えてインターロ
ック編み機に供給し、31コース/インチ、31ウェー
ル/インチ、目付け465g/m2厚さ1.8mmのス
ムース生地を編み上げた。これらの編物の物性値を表3
に示す。代表的な市販のパラ系全芳香族ポリアミド紡績
糸と同条件からなる編物の参考例9に比べ、実施例
耐切創性が24%改善され、柔軟性は良好でちくちく感
もなかった。一方、参考例10は、耐切創性は参考例9
に比べ35%改善されているが、柔軟性に問題があり、
かつちくちく感があり、防護素材に使用する編物として
は問題がある。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように単糸繊度
と繊維長を大きく、甘撚化した、繊度、繊維長、撚り係
数の結合により、柔軟で切創性の高い紡績糸およびそれ
を用いた編織物等の繊維構造物が得られる。また、本発
明では、耐切創性に優れると共に、柔軟性に優れた防護
衣料等の防護材が得られ、これは着用者に疲労感を与え
ることなく、また、硬い繊維端の刺激による、いわゆる
ちくちく感のような不快感を着用者に与えることもな
い。特に作業用手袋として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、刃による繊維の切断のメカニズムを説
明するための概略図である。
【図2】図2は、耐切創性の試験法を説明するための概
略図である。
【符号の説明】
1:刃 2:単糸 3:単糸 4:スリット 5:支持板 6:試験片 7:刃物 8:引張試験器セル 9:レコーダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 文弘 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ 株式会社瀬田工場内 (72)発明者 竹野 勝己 大阪市北区中之島3丁目4番18号 デュ ポン・東レ・ケブラー株式会社内 (72)発明者 安宮 一浩 東京都中央区日本橋本町1丁目5番6号 デュポン・東レ・ケブラー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−92740(JP,A) 特開 平2−68313(JP,A) 特開 平6−220730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00 D03D 15/00 - 15/121 D01F 6/80

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラ系全芳香族系ポリアミド繊維からな
    る紡績糸であって、単糸繊度が3.5〜5.5デニー
    ル、平均繊維長が3〜5インチ、撚係数が1.5〜3.
    0であることを特徴とする柔軟で耐切創性に優れた紡績
    糸。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紡績糸で構成したことを
    特徴とする柔軟で耐切創性の優れた繊維構造物。
  3. 【請求項3】 前記繊維構造物が編織物であることを特
    徴とする請求項2記載の耐切創性の優れた繊維構造物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の紡績糸または請求項2も
    しくは3記載の繊維構造物で構成したことを特徴とする
    柔軟で耐切創性の優れた防護材。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の紡績糸または請求項2も
    しくは3記載の繊維構造物で構成したことを特徴とする
    柔軟で耐切創性の優れた防護衣料。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の紡績糸または請求項2も
    しくは3記載の繊維構造物で構成したことを特徴とする
    柔軟で耐切創性の優れた防護手袋。
JP32708195A 1995-12-15 1995-12-15 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材 Expired - Fee Related JP3437887B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32708195A JP3437887B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32708195A JP3437887B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09157981A JPH09157981A (ja) 1997-06-17
JP3437887B2 true JP3437887B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=18195082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32708195A Expired - Fee Related JP3437887B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3437887B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4114112B2 (ja) * 1998-11-12 2008-07-09 東レ・デュポン株式会社 ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維からなる紡績糸、繊維構造物および防護材
JP4114113B2 (ja) * 1998-11-18 2008-07-09 東レ・デュポン株式会社 牽切用ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維トウ
US6341483B1 (en) * 1999-05-13 2002-01-29 Supreme Elastic Corporation Multi-component yarn and making the same
KR100580343B1 (ko) 1999-12-20 2006-05-16 듀폰 도레이 컴파니, 리미티드 내열성 권축사
TW510928B (en) * 2000-09-14 2002-11-21 Toray Du Pont Kk Manufacture method of heat-resistant shrinkable thread
JP4624612B2 (ja) * 2001-09-13 2011-02-02 株式会社クラレ 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸及び防護材料
JP2006214015A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Toyobo Co Ltd 防護カバー
JP2007077537A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Teijin Techno Products Ltd 耐熱性布帛及びそれからなる耐熱性防護服
JP6359869B2 (ja) * 2014-05-01 2018-07-18 帝人フロンティア株式会社 作業手袋
JP6465480B2 (ja) * 2015-01-16 2019-02-06 東レ・デュポン株式会社 紡績糸、繊維構造物および防護材
CN114016174A (zh) * 2021-11-16 2022-02-08 常州科旭纺织有限公司 一种柔软防切割型的纺织纱线和具有其的织物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09157981A (ja) 1997-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4384449A (en) Protective gloves and the like and a yarn with flexible core wrapped with aramid fiber
CA2663184C (en) Multidenier fiber cut resistant fabrics and articles and processes for making same
CA1133654A (en) Protective gloves and the like and a yarn with flexible core wrapped with aramid fiber
JP3437887B2 (ja) 柔軟で耐切創性に優れた紡績糸、繊維構造物および防護材
KR20220053627A (ko) 내절단성 멀티-플라이 가연사 및 직물
JP4114112B2 (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維からなる紡績糸、繊維構造物および防護材
JP2005256212A (ja) 耐熱性複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛
EP2079331B1 (en) Multidenier fiber cut resistant fabrics and articles and processes for making same
JP2001172838A (ja) 複合糸、繊維構造物および防護材
KR100415369B1 (ko) 내절단성사및직물
JP2003147651A (ja) 耐熱性複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛
JP4256039B2 (ja) 複合糸、繊維構造物およびその製造方法
JP3954231B2 (ja) 複合紡績糸を用いてなる布帛
JP6744687B2 (ja) 交編物及び交編手袋
JP6465480B2 (ja) 紡績糸、繊維構造物および防護材
JP4054126B2 (ja) 芯鞘型長短複合紡績糸を用いてなる布帛
JP6351169B2 (ja) 長短複合紡績糸およびそれを用いてなる織編物、防護材
JP7489749B2 (ja) 防護製品用布帛及びそれを用いた繊維製品
JP6685071B2 (ja) 捲縮アラミド短繊維およびそれからなる高強度紡績糸、繊維構造物および防護材
CN110822996A (zh) 用于防刺防割的防护物的织物复合物
KR102561648B1 (ko) 정방교연 장단복합사, 이를 이용한 신축성 및 내세탁성이 우수한 편물 및 이의 제조방법
JP7503884B2 (ja) 繊維構造物
JP6710008B2 (ja) 耐切創性紡績糸
JPH0913264A (ja) 耐切創性布帛および耐切創性繊維製品の製造方法および防護用品
JP2000008253A (ja) 防護布帛

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees