JP2020162462A - 防蟻シート - Google Patents

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Abstract

【課題】防蟻用の薬剤を用いない防蟻用シートを得る。【解決手段】低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーと相溶性を有しかつこの低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合された複合熱融着繊維にて布帛が構成されている。この布帛を構成する繊維同士の隙間である目が、溶融固化状態の低融点熱可塑性ポリマーによって塞がれている。低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であることが好ましく、また摩擦係数が1.1以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は防蟻シートに関する。
建物などにシロアリが侵入するのを防止するために、防蟻シートが用いられている。
従来の防蟻シートは、たとえば特許文献1に記載されているように、防蟻用の薬剤を練り込んだ合成樹脂シートが一般的に用いられている。あるいは、シート材に防蟻剤を塗布したものも知られている。
特許第5376259号公報
しかし、防蟻用の薬剤は毒性が強いという問題点がある。また、このため何らかの原因で防蟻剤がシートから分離した場合には、建物や住宅環境に悪影響を及ぼすおそれがある。
防蟻用の薬剤を用いない方法としては、シロアリが食いちぎらないような素材、例えば、金属製フィラメントを用いてメッシュシートを作成することが考えられる。しかし、金属は長期に亘っての使用に対して錆びる、重いため取扱い性に劣る等の問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点を解決して、防蟻用の薬剤を用いない防蟻用シートを得ることを目的とする。
本発明は、以下の事項を要旨とする。
(1)低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーと相溶性を有しかつこの低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合された複合型熱融着繊維にて布帛が構成され、この布帛を構成する繊維同士の隙間である目が、溶融固化状態の低融点熱可塑性ポリマーによって塞がれていることを特徴とする防蟻シート。
(2)低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であることを特徴とする(1)の防蟻シート。
(3)低融点熱可塑性ポリマーは、摩擦係数が1.1以下であることを特徴とする(1)または(2)の防蟻シート。
(4)低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーと相溶性を有しかつこの低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合された複合型熱融着繊維にてメッシュ体が構成され、溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、メッシュ体における複合型熱融着性繊維同士が接着されており、前記低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であり、摩擦係数が1.1以下であることを特徴とする防蟻シート。
本発明の防蟻シートによれば、布帛を構成する繊維同士の隙間である目が、溶融固化状態の低融点熱可塑性ポリマーによって塞がれているため、シロアリの侵入を防止することができる。
さらに本発明の防蟻シートによれば、低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であること、および/または、低融点熱可塑性ポリマーは、摩擦係数が1.1以下であることが好ましく、それによってシロアリが防蟻シートをかじることを効果的に防止することができ、このためシロアリによる防蟻シートへの穴あけを防止することができて、シロアリの侵入を確実に防止することができる。
本発明の他の防蟻シートによれば、低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合された複合型熱融着繊維にてメッシュ体が構成され、前記低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であり、摩擦係数が1.1以下であることで、シロアリが防蟻シートをかじることを効果的に防止することができ、このためシロアリによる防蟻シートへの穴あけを防止することができて、シロアリの侵入を確実に防止することができる。
また本発明によると、低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとが相溶性を有するため、溶融固化状態の低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとの境界の部分で両者の一体性を確保することができ、このため境界の部分で隙間ができにくく強固に一体化していることから、シロアリがかじりにくい構成とすることができ、この点からもシロアリによる防蟻シートへの穴あけを防止することができて、シロアリの侵入を確実に防止することができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の防蟻シートは、たとえば複合型熱融着性繊維にて織製された織物を用いて製造することができる。織物の例としては、経糸と緯糸とをメッシュ状に平織りしてシート状としたものを挙げることができる。詳細には、たとえば目合(経糸と緯糸との中心線間の距離)を約1mm、目開き(経糸と緯糸とが交差して形成される孔の天地幅または左右幅)を約0.6mmとすることができる。このほかにも、編物や不織布によってシートを構成することもできる。
織物の経糸および緯糸を構成する複合型熱融着性繊維は、いずれも、互いに相溶性を有する、低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された連続繊維であるフィラメントにて構成することができる。
複合型熱融着性繊維は、マルチフィラメントの形態であっても構わないし、モノフィラメントの形態であっても構わない。製織性などを考慮すると、マルチフィラメントであることが好ましい。すなわち、マルチフィラメントは、複数本の複合型熱融着性繊維が収束してなるものであり、熱処理前は、柔軟性を有するため、製織しやすい。さらには、後述する目を塞ぐための加熱処理により低融点熱可塑性ポリマーのみを溶融固化させた際には、高融点熱可塑性ポリマーは、熱を付されても溶融することなく繊維形態を維持するため、溶融固化した低融点熱可塑性ポリマーの母体中に存在し、防蟻シートの強度や剛性を向上させ、また、経糸と緯糸との交差点においては、それぞれのマルチフィラメントを構成する低融点熱可塑性ポリマーが溶融固化により全体が強固に一体化し、交差点を強固に接着一体化させることができる。モノフィラメントの場合、1本のフィラメントによって経糸および緯糸を構成するため、1本のフィラメントの径が大きく、マルチフィラメントに比べると柔軟性を有さず、また、経糸と緯糸の交差点において熱の付与により熱融着一体化するモノフィラメント同士の接点のみとなるため、マルチフィラメントの方が交差点において全体としてより強固に接着一体化する。
マルチフィラメントである場合には、マルチフィラメントを構成する複合型熱融着性繊維の単繊維の繊度は、5〜12デシテックス程度がよく、フィラメント数は50〜150本程度がよく、たとえば830d/96fのマルチフィラメントを好適に用いることができる。繊維の複合形態としては、鞘部に低融点熱可塑性ポリマーが配され、芯部に高融点熱可塑性ポリマーが配された芯鞘型熱融着性繊維が挙げられる。そのほかにも、低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとが半々に配されたサイドバイサイド型熱融着性繊維などが挙げられる。複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとの質量比率は、シロアリに食いちぎられないための所要の硬さや、摩擦係数や、耐久性や、接着性などを考慮して、例えば、高融点熱可塑性ポリマー/低融点熱可塑性ポリマーの質量比率で2/8〜8/2がよく、2/1〜3/1がより好ましい。
複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとは、溶融紡糸による製糸性を有することが必要であり、シロアリが分泌する蟻酸に溶解されないことが必要であり、また上述のようにシロアリに食いちぎられないために、相溶性を有することが必要である。また、特に低融点熱可塑性ポリマーは、シロアリに食いちぎられないために、所要の硬さと、所要の摩擦係数とを有することが、きわめて好ましい。詳細には、低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であることがきわめて好ましく、また摩擦係数が1.1以下であることがきわめて好ましい。摩擦係数が1.1以下であるとシロアリが防蟻シートをかじろうとしても、滑ってうまくかじれないという利点がある。
低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとが相溶性を有するようにするためには、両ポリマーが互いに同種類の重合体であることが好ましい。たとえば、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体(ナイロン)、ポリオレフィン系重合体、ポリブチラール系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン重合体などが挙げられる。なかでも、設置場所に応じて、防蟻シートを一部屈曲させて設置する場合には、屈曲させやすく設置場所に応じた形状に馴染みやすいという点で両ポリマーがいずれもポリアミド系重合体であることが好ましく、強度や剛性に優れ、さらに硬さにも優れ、耐候性も併せ持つという点では両ポリマーがいずれもポリエステル系重合体であることが好ましい。
低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとの具体的な好ましい組み合わせは、両者の相溶性や熱融着性を考慮すると、低融点ポリエステルと高融点ポリエステル、低融点ポリプロピレンと高融点ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレン、低融点ナイロンと高融点ナイロン、などが挙げられる。
本発明の防蟻シートは、低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとを有する複合型熱融着繊維にて構成された織物などの布帛に、加圧と加熱を行う熱カレンダー加工などの熱プレス加工を施すことによって、低融点熱可塑性ポリマーを融解あるいは軟化させることで、布帛を構成する繊維同士の隙間である目を、上記のように融解あるいは軟化させた低融点熱可塑性ポリマーにより埋めて塞ぐことで、開口を有しないシート状体としたものである。このようなシート状体であると、開口を有しないためにシロアリにかじられる可能性を大きく低減することができる。すなわち、本発明者の観察によると、防蟻シートに開口すなわち目があると、シロアリは開口の縁部をかじりやすく、そこから穴が大きくなってシロアリが侵入してしまう事故が発生する可能性があるが、開口を有しないことで、そのような事故の発生の可能性を著しく低減することができる。
熱プレス加工の際には、上記のように熱融着成分としての低融点熱可塑性ポリマーは融解あるいは軟化されて、場合によっては繊維形態を失ったうえで再固化されるが、そのときに熱プレス加工の処理温度を、低融点熱可塑性ポリマーの融点または軟化点以上の温度かつ高融点熱可塑性ポリマーの融点または軟化点未満の温度とすることにより、高融点熱可塑性ポリマーは繊維形態を保った状態に維持される。このため、本発明の防蟻シートは、繊維状の成分を含んだシートとなるため、このような繊維状の成分を含まない単なる樹脂シートにて構成された防蟻シートに比べて強度的にすぐれたものとすることができる。
さらに、熱プレス加工によって、複合型熱融着性繊維における熱融着成分である低融点熱可塑性ポリマーの溶融・固化により、織物における経糸と緯糸同士を接着させることができる。布帛が編物や不織布である場合も、同様に構成繊維同士を接着させることができる。それらによって防蟻シートの強度を向上させることができる。また熱融着成分である低融点熱可塑性ポリマーを均一に溶融させて固化させることで、防蟻シートの構成繊維の表面を低融点熱可塑性ポリマーにて均一に覆うことができる。
複合型熱融着性繊維に関し、このような防蟻シートの構成を得るために好適な複合形態としては、上述のように芯鞘型やサイドバイサイド型などを挙げることができる。このうち、芯鞘型の複合型熱融着性繊維としては、具体的には、融点が240℃以上の高融点ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)が芯部に配され、融点が110〜200℃の低融点の共重合ポリエステルが鞘部に配された芯鞘型ポリエステル繊維や、融点180℃以上の高融点ポリアミドが芯部に配され、融点80〜150℃の低融点ポリアミドが鞘部に配された芯鞘型ポリアミド繊維が好適に用いられる。
芯鞘型ポリエステル繊維の好ましい具体例について説明する。この具体例において、芯成分を構成する共重合体は、エチレングリコールをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として得られるポリエチレンテレフタレートである。ジカルボン酸成分として、ごく少量の、イソフタル酸などの他の成分が混合されていても差し支えない。エチレングリコールとテレフタル酸との共重合比は、おおむね当モル比である。芯成分の融点は、おおむね260℃程度である。一方、鞘成分は、四元共重合体や三元共重合体によって好ましく構成することができる。このうち、四元共重合体は、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールとジエチレングリコールとをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として得られる共重合ポリエステルである。四元共重合体の共重合モル比は、テレフタル酸100モル%に対して、エチレングリコール9〜79モル%、1,4−ブタンジオール20〜90モル%、ジエチレングリコール1.0〜2.0モル%であるのが好ましい。また、三元共重合体は、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールとをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として得られる共重合ポリエステルである。三元共重合体の共重合モル比は、テレフタル酸100モル%に対して、エチレングリコール10〜80モル%、1,4−ブタンジオール20〜90モル%であるのが好ましい。この四元共重合体および三元共重合体により構成される鞘成分の融点は、芯成分の融点(260℃)よりも50℃〜90℃低くなり、融点はおおむね170℃〜210℃である。また、この四元共重合体および三元共重合体により構成される共重合ポリエステルは、硬度が高く、より好ましい。
また、複合型熱融着性繊維としての芯鞘型熱融着性繊維は、市販品として入手可能である。たとえば、ユニチカ社製の「MELSET(登録商標)」が使用できる。
複合型熱融着性繊維の繊度、強度、伸度などは、本発明の目的が達成される限り特に制限されない。複合型熱融着性繊維の断面形状は、所期の性能が損なわれない範囲であれば、丸断面、異形断面、中空断面等のいずれであってもよい。
複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーおよび高融点熱可塑性ポリマーには、それぞれ独立して、熱安定剤、結晶核剤、艶消剤、顔料、耐光剤、耐候剤、滑剤、酸化防止剤、抗菌剤、香料、可塑剤、染料、界面活性剤、難燃剤、表面改質剤、各種無機、有機電解質などの添加剤が含有されていてもよい。
複合型熱融着性繊維として、低融点熱可塑性ポリマーおよび高融点熱可塑性ポリマーの融点、両者の質量比率、繊度、強度および伸度等の物性がそれぞれ異なる2種類以上の複合型熱融着性繊維が使用されてもよい。
熱融着成分としての低融点熱可塑性ポリマーの融点は、繊維形成成分としての高融点熱可塑性ポリマーの融点より20℃以上低いことが好ましい。このような温度特性とすることにより、熱処理に付されても高融点熱可塑性ポリマーの物性は影響を受けず、ストリング形態を良好に保持させることができるという利点がある。低融点熱可塑性ポリマーの融点は、加工性や各種物性等を考慮すると、140〜190℃の範囲内であることが特に好ましい。低融点熱可塑性ポリマーが明確な融点を有さないときは、該低融点熱可塑性ポリマーの軟化点を融点とみなすことができる。
別種の低融点熱可塑性ポリマーをそれぞれ含有する2種類以上の複合型のフィラメントを用いる場合は、融点が最も高い低融点熱可塑性ポリマーの融点を基準とし、この融点が最も高い低融点熱可塑性ポリマーの当該融点より高い温度で熱プレス加工を行えばよい。熱プレス加工の温度は、上記のように、低融点熱可塑性ポリマーの融点より高く、かつ高融点熱可塑性ポリマーの融点より低い温度が好ましい。熱プレス加工の温度が高すぎると、コスト面で不利となるばかりでなく、高融点熱可塑性ポリマーが熱によるダメージを受け、防蟻シートの構成繊維の強度の低下が起こる。
熱処理を施す時間は、低融点熱可塑性ポリマーが充分に溶融する時間であればよい。ただし、熱処理時間が長すぎると、コスト面で不利となるばかりでなく、高融点熱可塑性ポリマーが熱によるダメージを受け、繊維全体として強度の低下を起こすようになる。このため、熱処理時間は、30秒間〜5分間が好ましく、より好ましくは1分間〜3分間である。熱処理を施すための加熱の方法は、特に限定されないが、アイロン、熱風溶接機、熱風乾燥機、テンターマシーンなど周知の手段を用いることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の防蟻シートは、第1の実施の形態における複合型熱融着性繊維にてメッシュ体が構成され、溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、メッシュ体における複合型熱融着性繊維同士が接着された構成を有する。目は開いていても構わない。この場合において、低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であり、かつ摩擦係数が1.1以下であることが必要である。
低融点熱可塑性ポリマーのデュロメータD硬さが50以上であり、かつその摩擦係数が1.1以下であることで、シロアリが防蟻シートをかじることを効果的に防止することができ、このためシロアリによる防蟻シートへの穴あけを防止することができて、シロアリの侵入を確実に防止することができる。
第二の実施の形態の防蟻シートにおいて、上記以外の点は、第1の実施の形態の防蟻シートと同様である。
以下の実施例・比較例において、各物性の評価や性能試験は、以下のようにして行った。
(a)ポリエステルの極限粘度:η
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、濃度0.5g/デシリットル、温度20℃で測定した。
(b)切断強度、切断伸度
JIS L1013に従い、島津製作所社製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引っ張り速度30cm/分で測定した。
(c)融点
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(d)表面硬度
JIS K7215に従い得られたデュロメータD硬さを、使用したポリマーの表面硬度とした。
(e)摩擦係数
JIS K7218 Aに従い、鈴木式摩耗試験A法を用いて、滑り速度500mm/s、試験荷重10N、滑り距離3km、摩耗体に金属(S45C)を用いて、ポリマーの摩擦係数を測定した。
(f)防蟻性能試験
(社)日本木材保存協会規格 JWPAS−TS−(1)(2011)「土壌処理用防蟻剤等の性能基準及びその試験方法」に準じて実施した。なお、試験容器のガラス管の中央に試験体を挟み込み、左右を無処理土壌で固定した。反復回数は3とした。性能基準は、粒状の防蟻材料やシート材料の防蟻材料においては、それが穿孔されない場合、防蟻性能ありとした。
実施例1
芯鞘複合型熱融着繊維を用いた。その複合型繊維の芯成分に、極限粘度η0.85、表面硬度52、摩擦係数0.45のポリエチレンテレフタレート(PET)(融点260℃)を用いた。複合型繊維の鞘成分には、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応で得られたテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とのモル比が1:1.13のPETオリゴマーに、ε―カプロラクトンを酸成分に対して15モル%、および1,4―ブタンジオールをジオール成分に対して50モル%の割合で添加して重合された、極限粘度η0.64、表面硬度52、摩擦係数1.08の共重合エステル(融点160℃)を用いた。そして、芯:鞘の質量比を2.7:1とし、複合紡糸装置を用いて紡糸温度290℃で溶融紡糸を行った。紡出した糸条を加熱延伸して巻き取り、強度4.5cN/dtex、伸度17.5%、1670dtex192フィラメントの芯鞘複合型マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントをS−80回/mで撚糸し、この撚糸を用いて経密度21.5本/インチ、緯密度21.5本/インチの平織組織で製織して織物を得た。
得られた織物を20cm角にカットし、下部の平板状金型(設定温度200℃)と、上部の平板状金型(設定温度265℃)とを備えた熱プレス機を使用して、プレス圧0.5MPaで15秒間熱プレスを行った。これによって、表面が平滑で隙間のないすなわち目の塞がった防蟻シートを得た。
得られた防蟻シートの性能を表1に示す。
実施例2
芯鞘複合型熱融着繊維を用いた。その複合型繊維の芯成分に、実施例1で用いたのと同じポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
複合型繊維の鞘成分には、実施例1で用いたのと同じPETオリゴマーに、1,4―ブタンジオールをジオール成分に対して50モル%の割合で添加して重合された、極限粘度η0.78、表面硬度64、摩擦係数0.73の共重合エステル(融点180℃)を用いた。そして、芯:鞘の質量比を2.7:1とし、複合紡糸装置を用いて紡糸温度285℃で溶融紡糸を行った。紡出した糸条を加熱延伸して巻き取り、強度5.4cN/dtex、伸度15.2%、1670dtex192フィラメントの芯鞘複合型マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントをS−80回/mで撚糸し、この撚糸を用いて経密度21.5本/インチ、緯密度21.5本/インチの平織組織で製織して織物を得た。得られた織物を実施例1と同じ条件で熱プレスして、表面が平滑で隙間のない防蟻シートを得た。
得られた防蟻シートの性能を表1に示す。
実施例3
実施例2と比べて、芯鞘複合型マルチフィラメントの芯:鞘の質量比を2:1にして、強度5.1cN/dtex、伸度13.7%の芯鞘複合型マルチフィラメントを得た点を相違させた。そして、それ以外は実施例2と同様にして、防蟻シートを得た。
得られた防蟻シートの性能を表1に示す。
実施例4
実施例2と比べて、芯鞘複合型マルチフィラメントの芯:鞘の質量比を4:1にして、強度5.6cN/dtex、伸度14.9%の芯鞘複合型マルチフィラメントを得た点を相違させた。そして、それ以外は実施例2と同様にして、防蟻シートを得た。
得られた防蟻シートの性能を表1に示す。
比較例1
芯鞘複合型熱融着繊維を用いた。その複合型繊維の芯成分に、実施例1で用いたのと同じポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
複合型繊維の鞘成分には、表面硬度53、摩擦係数0.55の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製のノバテックLL UJ―960)を用いて、芯:鞘の質量比を2.1:1とし、複合紡糸装置を用いて紡糸温度290℃で溶融紡糸を行った。紡出した糸条を加熱延伸して巻き取り、強度4.2cN/dtex、伸度27.6%、1830dtex128フィラメントの芯鞘複合型マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントをS−80回/mで撚糸し、この撚糸を用いて、経密度21.5本/インチ、緯密度21.5本/インチの平織組織で製織して織物を得た。
得られた織物を20cm角にカットし、下部の平板状金型(設定温度150℃)と、上部の平板状金型(設定温度215℃)とを備えた熱プレス機を使用して、プレス圧0.5MPaで15秒間熱プレスを行った。これによって、表面が平滑で隙間のないすなわち目の塞がった防蟻シートを得た。
得られた防蟻シートの性能を表1に示す。
Figure 2020162462
実施例1〜4の防蟻シートは、防蟻性能試験の結果。シロアリによる穿孔がなく、防蟻性能を有したものであった。一方、比較例1のシートは、複合型繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)と芯成分(ポリエチレンテレフタレート)とが相溶性を有していなかったため、シロアリによる穿孔が散見され、防蟻性はなかった。
また、防蟻試験を実施した実施例1のシート表面をじっくり観察したところ、穿孔はないものの、シロアリがかじった跡とみられる微細な凹部が一部に見受けられた。一方、実施例2〜4について、防蟻試験後のシート表面は、試験結果前のシート表面とほぼ変化がなく、シロアリがかじった跡は見受けられなかった。

Claims (4)

  1. 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーと相溶性を有しかつこの低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合された複合型熱融着繊維にて布帛が構成され、この布帛を構成する繊維同士の隙間である目が、溶融固化状態の低融点熱可塑性ポリマーによって塞がれていることを特徴とする防蟻シート。
  2. 低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であることを特徴とする請求項1記載の防蟻シート。
  3. 低融点熱可塑性ポリマーは、摩擦係数が1.1以下であることを特徴とする請求項1または2記載の防蟻シート。
  4. 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーと相溶性を有しかつこの低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された複合型熱融着性繊維にてメッシュ体が構成され、溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、メッシュ体における複合型熱融着性繊維同士が接着されており、前記低融点熱可塑性ポリマーは、JIS K7215に規定されるデュロメータD硬さが50以上であり、摩擦係数が1.1以下であることを特徴とする防蟻シート。
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