JP2013119672A - 成型品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不織布を基材として用いたときに、成型性が良好で、深絞りの成型品であっても良好に得ることができる成型品の製造方法を提供する。
【解決手段】不織布を基材として熱成型する成型品の製造方法であって、
不織布が、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布であり、
熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する熱を付与することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、所定の成型枠にて成型することを特徴とする成型品の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】不織布を基材として熱成型する成型品の製造方法であって、
不織布が、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布であり、
熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する熱を付与することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、所定の成型枠にて成型することを特徴とする成型品の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、不織布を用いて熱成型する成型品の製造方法に関するものである。
不織布を基材として成型した成型品は、例えば、体型補正するためのブラジャーパット、肩パット等の体の部位に応じたパット材が知られており、不織布は、繊維間空隙が大きく、クッション性を有するため、パット材として好適に用いられている。また、不織布を基材として成型した成型品として、ギフト商品や取り扱い時に傷等がつきやすい商品を箱詰めする際に使用するトレーがある。不織布によるトレーは、合成樹脂製のフィルム成型品やシート成型品と比べて、繊維の風合いを有し、柔らかであり、また、高級感を付与することができる。成型品に用いる不織布には、得られる成型品の強度と形態保持性のために、熱により溶融するバインダー繊維が混合することが知られている(特許文献1)。
しかしながら、不織布は、フィルム等と比べて絞り成型性が良くないことから、底の浅いトレーには適用できるが、底の深い深絞り成型品への適用が困難である。不織布を基材として、底の深い深絞り成型品を得ようとしても、成型金型に追随して均一に伸びずに、局部的に応力がかかって薄い部分が生じてしまい、また、ひどい場合は、成型時に局部にかかる応力に耐えられずに破れてしまうことがある。
本発明は上記問題を解決するものであって、不織布を基材として用いたときに、成型性が良好で、深絞りの成型品であっても良好に得ることができる成型品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、不織布を基材として熱成型する成型品の製造方法であって、
不織布が、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布であり、
熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する熱を付与することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、所定の成型枠にて成型することを特徴とする成型品の製造方法を要旨とするものである。
不織布が、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布であり、
熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する熱を付与することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、所定の成型枠にて成型することを特徴とする成型品の製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成型品の製造方法は、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと、前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとからなるニードルパンチ短繊維不織布を用いて熱成型し、所定形状の成型品を得る。
本発明において、不織布を基材とする成型品であっても、深絞りの成型が可能となる理由のひとつには、ポリエステル短繊維Aに大きな特徴がある。
ポリエステル短繊維Aは、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とするポリエスエルによって構成されるが、このポリエステルの複屈折率が0.015以下である。このように複屈折率が0.015以下のポリエステルによって構成されてなる繊維は、配向結晶化がほとんど生じてなく、構成するポリエステルの融点よりも低い温度を付与した場合であっても容易に軟化する特性をもっているため、不織布を成形する際に、熱と、成型型枠(雄型と雌型)に挟まれることによる圧力との両者が付与されるという相乗効果によって、容易に軟化するため、構成繊維同士を接合するというバインダーとしての役目を担うことができる。
ポリエステル短繊維Aは、前記した複屈折率が0.015以下のポリエステル以外の熱可塑性重合体と複合された複合型の繊維ではなく、複屈折率が0.015以下のポリエステルのみによって構成される単相型の繊維である。したがって、熱が付与された場合に、ポリエステル短繊維A全体が軟化するため、不織布は、成型型枠の形状に応じて変形しやすく、成型型枠に追随して均一に伸び、深絞りの成型が可能になる。
ポリエステル短繊維Aを構成するポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とするが、ホモポリマーであることが好ましく、また、経済性、耐熱性等を考慮してポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
このように複屈折率が0.015以下のポリエステルによって構成される短繊維Aは、例えば、溶融紡糸における紡糸速度を低紡速(800〜1300m/分)で行って、紡糸段階においてもポリエステルの結晶配向化が促進しないようにし、その後、溶融紡糸により得られた繊維は、熱延伸を施さずに結晶配向を促進させないようにすることで得ることができる。
ポリエステル短繊維Aを構成するポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で、リン酸エステル化合物やヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、二酸化チタンのような艶消し剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤、易染化剤などの各種添加剤を1種類または2種類以上添加してもよい。
本発明におけるニードルパンチ短繊維不織布は、前記したポリエスエル短繊維A以外の短繊維Bを含む。ポリエステル短繊維Aは、熱成型の際に、軟化して不織布形態が変形しやすくする機能を担うが、短繊維Bは、熱成型の際に溶融または軟化することなく繊維形態を保持し、得られる成型品の骨格として機能する役割を担う繊維である。ニードルパンチ短繊維不織布中に含まれるポリエステル短繊維Aの量は、得られる成型品の用途や要求性能に応じて適宜設定すればよい。ポリエステル短繊維Aの量が多く、不織布中に大半を占める場合は、成型品は風合いがプラスチック成型品に近くなり、剛性が高いものとなる傾向になる。一方、ポリエステル短繊維Aの量を少なくし、熱成型時の熱の影響を受けない骨格となる短繊維Bが不織布中に半分以上占める場合は、得られる成型品は、繊維独特の風合いを保持し、嵩高で柔軟性を有するものとなる。得られる成型品の形態保持性を考慮すると、ニードルパンチ短繊維不織布における短繊維A/短繊維B(骨格となる繊維)の混合割合は、剛性が高い成型品を得ることを考慮すれば、短繊維Aを50質量%以上混合させることが好ましく、短繊維A/短繊維B(骨格となる繊維)の混合割合は、50/50〜90/10(質量%)がよい。また、繊維独特の風合いの保持した嵩高で柔軟性を有する成形品を得ることを考慮すれば、短繊維Aを50質量%未満混合させることが好ましく、短繊維A/短繊維B(骨格となる繊維)の混合割合は、45/55〜10/90(質量%)がよい。
短繊維B(骨格となる繊維)は、熱成型時の熱処理温度にて熱の影響を受けない繊維であればよい。例えば、天然繊維、再生繊維、合成繊維が挙げられるが、これらの中でも、バインダーとしても機能するポリエステル短繊維Aを構成するポリエステルとの相溶性を考慮すると、短繊維Bは、ポリエステル系合成繊維であることが好ましい。繊維の形態としては、機械捲縮を有する短繊維であっても、立体的な捲縮であるスパイラル捲縮を有する短繊維であってもよいが、スパイラル捲縮を有する短繊維が好ましい。成型時の深い絞りに良好に追随でき、また、柔軟性と肌触りが良好で嵩高(ボリューム感のある)の成型品が得られるためである。
ニードルパンチ短繊維不織布を構成するポリエステル短繊維Aおよび短繊維Bは、その繊維長は25〜100mm程度でよい。繊維長を25mm以上とすることにより、カード機での開繊時に繊維の脱落が発生しにくく操業性が良好であり、一方、繊維長を100mm以下とすることにより、カード機で良好に解繊でき、地合いの均一な不織布が得られる。
ニードルパンチ短繊維不織布の目付は、得られる成型品の形態に応じて適宜選択すればよいが80〜500g/m2程度がよい。
ニードルパンチ短繊維不織布は、ニードルパンチ工程における針密度は、不織布の目付等に応じて適宜設定すればよいが、パンチ密度は40〜60パンチ/cm2程度がよい。
本発明においては、上記したニードルパンチ短繊維不織布を用いて熱成型により成型品を得る。ニードルパンチ不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡しているため、すなわち、繊維同士が縦、横および厚み方向においてもランダムに絡みあって形態を保持しているので、繊維に自由度があり、深絞りの成型型枠にも良好に繊維が追随しやすく、所望の絞り成型品を得ることができる。また、熱成型時に、熱が付与されることにより、短繊維Aが軟化して、繊維形態が維持できなくなる。そうすると、構成繊維同士が三次元的に交絡することによって一体化した不織布において、一部の繊維(短繊維A)が軟化することによって繊維の形態が維持できなくなることから、繊維同士の交絡状態が解除され、不織布が伸びやすい状態となる。また、短繊維Aを構成するポリエステルが軟化して、熱の影響を受けない骨格となる短繊維Bの繊維軸に沿って流動する。このとき、構成繊維同士が絡み合っているため、その繊維の絡みに応じて曲がりくねって流動する。したがって、流動の際に、短繊維Aを構成する軟化したポリエステルが不織布から流れ落ちたり、不織布の一部の箇所に偏在することなく、成型体全体にゆき渡らせることができる。なお、成型の基材として用いるニードルパンチ短繊維不織布においては、構成繊維同士は絡合することのみによって不織布の形態を保持しているものであり、短繊維Aがバインダーの役目をすることによって接着したものではない。
本発明においては、上記した短繊維Aを含むニードルパンチ短繊維不織布を、所望の金型を用いて熱成型し、成型品を得る。熱成型の際の設定温度は、短繊維Aが軟化する温度であって、短繊維Bは軟化または溶融しない温度とする。短繊維Aを構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合、具体的な温度としては、180〜240℃で良いが、好ましくは200℃以上、より好ましくは220〜230℃である。
熱成型においては、成型する基材に前記温度に設定した加熱手段にて予備加熱を行い、次いで、この加熱した基材を、雄型と雌型とからなる所望の成型金型に設置して、雄型と雌型を嵌め合わせることにより、所望の形の成型品を得るとよい。
熱成型において、前記の加熱を行うことにより、短繊維Aを構成するポリエステルは、ほぼ配向結晶化していないため、この加熱により、即座に軟化して流動性の高いものとなる。一方、短繊維Bは、熱の影響を受けずに繊維形態を保持している。短繊維Aの軟化したポリエステルは、短繊維Bの繊維軸方向に沿って流動し、不織布全体に分散する。次いで、この予熱した不織布からなる基材を雄型と雌型とからなる所定形状の金型に設置し、成型を行う。予熱した不織布は、上記したように短繊維Aを構成していたポリエステルは軟化流動し、短繊維自体の形態は失っていることから、短繊維Aとの絡みが解かれて骨格である短繊維B自体も動きやすくなり、深絞りの型枠であっても容易に型枠に沿って均一に伸びて追随し、深絞りの成型品を得ることができる。なお、所定温度にて熱処理する処理時間は、3分〜7分程度がよい。
熱成型において、前記の加熱を行うことにより、短繊維Aを構成するポリエステルは、ほぼ配向結晶化していないため、この加熱により、即座に軟化して流動性の高いものとなる。一方、短繊維Bは、熱の影響を受けずに繊維形態を保持している。短繊維Aの軟化したポリエステルは、短繊維Bの繊維軸方向に沿って流動し、不織布全体に分散する。次いで、この予熱した不織布からなる基材を雄型と雌型とからなる所定形状の金型に設置し、成型を行う。予熱した不織布は、上記したように短繊維Aを構成していたポリエステルは軟化流動し、短繊維自体の形態は失っていることから、短繊維Aとの絡みが解かれて骨格である短繊維B自体も動きやすくなり、深絞りの型枠であっても容易に型枠に沿って均一に伸びて追随し、深絞りの成型品を得ることができる。なお、所定温度にて熱処理する処理時間は、3分〜7分程度がよい。
本発明の成型品の製造方法においては、複屈折率が0.015以下のポリエステルにより構成される短繊維Aと、短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布を基材として用い、所定の熱処理を施した上で熱成型を行う。すなわち、熱成型時に、短繊維Aが軟化流動するように、ニードルパンチ短繊維不織布に熱を付与して所定の成型枠にて成型する。ニードルパンチ短繊維不織布は熱が付与されることにより、短繊維Aを構成するポリエステルが容易に軟化して流動することから、骨格となる短繊維Bは短繊維Aとの絡みが解かれて動きやすくなり、また、不織布を構成する繊維同士が交絡のみによって形態を保持しているものであることから、絞りの深い成型型枠であっても、不織布の構成繊維が移動しやすく、不織布は成型型枠に沿って均一に伸びることができる。したがって、基材として不織布を用いたものであっても、良好な深絞りの成型品を得ることができる。また、短繊維Aが軟化、流動して接着剤として機能することから、形態保持性の良好な成型品を得ることができる。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(1)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
実施例1
融点256℃、極限粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量503g/分、紡糸速度1050m/分の条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が1450個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束し延伸を行わず、クリンパーで機械捲縮を付与した。その後、ラウリルホスフェートカリ塩を主成分とする一般紡績用油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長51mmの短繊維を得た。この短繊維の複屈折率は、0.012、伸度350%であった。
(1)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
実施例1
融点256℃、極限粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量503g/分、紡糸速度1050m/分の条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が1450個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束し延伸を行わず、クリンパーで機械捲縮を付与した。その後、ラウリルホスフェートカリ塩を主成分とする一般紡績用油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長51mmの短繊維を得た。この短繊維の複屈折率は、0.012、伸度350%であった。
一方、短繊維B(骨格繊維)として、ポリエチレンテレフタレートからなる複合繊維(ユニチカ社製 コンジュケートタイプ<38F>3.3dtex×51mm)を用意した。この繊維は、コイルバネ状の立体的な捲縮を有する繊維である。
短繊維Aと短繊維Bとを70/30(質量%)の割合で混綿し、カード機で解繊した後、クロスレイアーで積層し乾式ウェブを作成し、その後バーブ付きニードルを有するニードルロッカーに通して、針密度50パンチ/cm2にてニードリングを行い250g/m2のニードルパンチ短繊維不織布を得た。
実施例2〜3
短繊維Aと短繊維Bを表1に示す混率に変更した以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
短繊維Aと短繊維Bを表1に示す混率に変更した以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
実施例4〜5
ニードリングの針密度を表1に示す数に変更した以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
ニードリングの針密度を表1に示す数に変更した以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
実施例6
短繊維Bとして、ポリエチレンテレフタレートからなり中空部を有する複合繊維(ユニチカ社製 コンジュケートタイプ<H38F>4.4dtex×51mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
短繊維Bとして、ポリエチレンテレフタレートからなり中空部を有する複合繊維(ユニチカ社製 コンジュケートタイプ<H38F>4.4dtex×51mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
比較例1
融点256℃、極限粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量604g/分、紡糸速度1050m/分の条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が1450個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束し、延伸倍率1.20で延伸した後に、クリンパーで機械捲縮を付与した。その後、ラウリルホスフェートカリ塩を主成分とする一般紡績用油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長51mmの短繊維を得た。この短繊維の複屈折率は、0.020、伸度275%であった。
得られた短繊維を短繊維Aとして用い、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
融点256℃、極限粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量604g/分、紡糸速度1050m/分の条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が1450個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束し、延伸倍率1.20で延伸した後に、クリンパーで機械捲縮を付与した。その後、ラウリルホスフェートカリ塩を主成分とする一般紡績用油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長51mmの短繊維を得た。この短繊維の複屈折率は、0.020、伸度275%であった。
得られた短繊維を短繊維Aとして用い、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
比較例2
実施例1において、短繊維Aに代えて、鞘部に非晶性ポリエステル(エチレンテレフタレート単位に酸成分としてイソフタル酸を40モル%共重合した共重合ポリエステル)、芯部にポリエチレンテレフタレートが配されたポリエステル系の芯鞘型バインダー短繊維(ユニチカ社製メルティ<4080>2.2dtex×51mm)を用いたこと、混合割合(芯鞘型バインダー短繊維/短繊維B)を25/75としたこと以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
実施例1において、短繊維Aに代えて、鞘部に非晶性ポリエステル(エチレンテレフタレート単位に酸成分としてイソフタル酸を40モル%共重合した共重合ポリエステル)、芯部にポリエチレンテレフタレートが配されたポリエステル系の芯鞘型バインダー短繊維(ユニチカ社製メルティ<4080>2.2dtex×51mm)を用いたこと、混合割合(芯鞘型バインダー短繊維/短繊維B)を25/75としたこと以外は、実施例1と同様にしてニードルパンチ短繊維不織布を得た。
<成型品の製造>
前記得られたニードルパンチ短繊維不織布を適宜の大きさに裁断し、220℃×5分の予熱を行った後に、図2に示す雄型と雌型とからなる成型プレス機に設置し、雄型と雌型とを嵌合により加圧して成形品を得た。なお、比較例2においては、予熱温度を140℃とした。
得られた成型品について、下記評価を行い、その評価結果等を表1に示す。
1.地合
得られた成型品表面の地合を目視にて判断し、全体的に均一であり良好であるものを「○」、部分的に薄い個所がある、あるいは破れが発生しているものは不良として「×」の2段階で評価した。
2.形状保持性
得られた略円錐形の成型品の頂点を上にして置き、頂点部分を上から手で軽く押して、手を離したときに変形しているか否かについての形状を目視し、変形のないものを「○」、成型品が形崩れしたものを「×」として、2段階で評価した。
3.耐久性
得られた成型品の表面(外層、内層)を手で擦った後の状態で判断し、毛羽の発生がない(○)、毛羽の発生や損傷がある(×)の2段階で評価した。
前記得られたニードルパンチ短繊維不織布を適宜の大きさに裁断し、220℃×5分の予熱を行った後に、図2に示す雄型と雌型とからなる成型プレス機に設置し、雄型と雌型とを嵌合により加圧して成形品を得た。なお、比較例2においては、予熱温度を140℃とした。
得られた成型品について、下記評価を行い、その評価結果等を表1に示す。
1.地合
得られた成型品表面の地合を目視にて判断し、全体的に均一であり良好であるものを「○」、部分的に薄い個所がある、あるいは破れが発生しているものは不良として「×」の2段階で評価した。
2.形状保持性
得られた略円錐形の成型品の頂点を上にして置き、頂点部分を上から手で軽く押して、手を離したときに変形しているか否かについての形状を目視し、変形のないものを「○」、成型品が形崩れしたものを「×」として、2段階で評価した。
3.耐久性
得られた成型品の表面(外層、内層)を手で擦った後の状態で判断し、毛羽の発生がない(○)、毛羽の発生や損傷がある(×)の2段階で評価した。
表1から明らかなように、実施例1〜6で得られた成型品は全体的に均一であり、薄い箇所もなく地合が非常に良好であった。また、形状保持性、耐久性ともに優れたものであった。不織布中に短繊維Aの占める割合が適量であった実施例1や、実施例4〜6は、成型品表面が繊維独特の風合いを保持し、クッション性があり、肌触りの良好なものであった。
一方、比較例1の成形品は、形状保持性と耐久性に乏しいものであった。これは、複屈折率が0.020の短繊維は、実施例にて用いた短繊維Aと比べて配向結晶化の度合が高いものであり、熱により軟化流動しにくかったため、成型性に劣ったものと推察する。比較例2の成型品は、加圧成型時に型枠に追随することができずに均一に伸びなかったため、極端に薄い箇所があり、成型品の頂点箇所は破れが発生していた。これは、ニードルパンチ短繊維不織布を構成するバインダー短繊維において、熱接着剤として機能する鞘部が非晶性ポリエステルであり、熱成型の際の予熱処理ではバインダー成分が軟化するものの流動しにくく、かつ芯成分が熱の影響を受けずに全く伸びがないため、成型型枠に沿って伸びることができなかったと推察する。
Claims (4)
- 不織布を基材として熱成型する成型品の製造方法であって、
不織布が、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンナフタレートのいずれか1種を主たる繰り返し単位とし、かつ複屈折率が0.015以下であるポリエステルによって構成されるポリエステル短繊維Aと前記ポリエステル短繊維A以外の短繊維Bとによって構成されるニードルパンチ短繊維不織布であり、
熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する熱を付与することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、所定の成型枠にて成型することを特徴とする成型品の製造方法。 - 熱成型の際に、ポリエステル短繊維Aが軟化する温度で予熱することにより、ポリエステル短繊維Aを軟化させ、次いで、所定の成型枠にて成型することを特徴とする請求項1記載の成型品の製造方法。
- 短繊維Bが、スパイラル捲縮を有する短繊維であることを特徴とする請求項1または2項記載の成型品の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の成型品の製造方法により得られた成型品。
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CN109468786A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-03-15 | 苏州爱慕内衣有限公司 | 分区域控温模具 |
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