JP2000073266A - 熱成型用不織布の製造方法 - Google Patents

熱成型用不織布の製造方法

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JP2000073266A JP10235142A JP23514298A JP2000073266A JP 2000073266 A JP2000073266 A JP 2000073266A JP 10235142 A JP10235142 A JP 10235142A JP 23514298 A JP23514298 A JP 23514298A JP 2000073266 A JP2000073266 A JP 2000073266A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の型に熱成型しやすい不織布の製造方法
を提供する。 【解決手段】 潜在延伸性を有する未延伸熱可塑性短繊
維を準備する。この短繊維と、所望によりレーヨン短繊
維等の他種短繊維とを用いて、カード法で繊維ウェブ作
成する。この繊維ウェブに、高圧柱状水流を施すことに
よって、短繊維相互間を緊密に絡合させる。その後、1
00℃前後の温度、即ち、未延伸熱可塑性短繊維の潜在
延伸性が破壊されない温度以下で乾燥し、高圧柱状水流
によって不織布中に含有された水を蒸発させる。以上の
ようにして、熱成型用不織布を得る。また、高圧柱状水
流を施すのに代えて、繊維ウェブにニードルパンチを施
して゛熱成型用不織布を得ても良い。熱成型用不織布
は、予熱することなく、熱型に導入して成型する。この
成型方法により、未延伸熱可塑性短繊維が良好に伸長
し、所定の形状に成型される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構成繊維の潜在延
伸性を利用することによって、所定の型に熱成型しやす
い不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不織布よりなる衛生マスクや濾過材は、
一定の型に成型されていることが多い。例えば、不織布
よりなる衛生マスクは、それを着用したままで、話やす
いようにするため、中央部が凹部となるように成型し、
唇等がマスク本体と接触しないようにされている。ま
た、濾過材は、濾過面積を増加させるために、多数の折
り目を設けること(プリーツ加工)が行われている。特
に、コーヒー用濾過材(コーヒー用フィルター)におい
ては、漏斗の形に合致する形状に成型することが行われ
ている。
【0003】従来より、成型用不織布としては、延伸熱
可塑性短繊維よりなるニードルパンチ不織布が用いられ
ている。このニードルパンチ不織布は、延伸熱可塑性短
繊維相互間が絡合されたもので、フェルト状の比較的厚
みの厚いもの(目付100g/m2程度以上)である。
このようなニードルパンチ不織布を成型すると、延伸熱
可塑性短繊維相互間の絡合点が移動し、構造的に変形す
る。従って、その変形度が大きくなると、ニードルパン
チ不織布の厚みが薄くなり、更に変形度が過大になる
と、孔が開いてしまうということもあった。
【0004】また、成型用不織布として、融点又は軟化
点の低い未延伸ポリエステル短繊維と、この未延伸ポリ
エステル短繊維よりも融点又は軟化点の高い延伸ポリエ
ステル短繊維とを混合してなるものも提案されている
(特開平6−10255号公報)。この成型用不織布
は、未延伸ポリエステル短繊維の溶融又は軟化によっ
て、延伸ポリエステル短繊維相互間が結合されたもので
ある。そして、成型前に、予め未延伸ポリエステル短繊
維を再度、溶融又は軟化させた後、成型用金型内で成型
するというものである。このような成型は、延伸ポリエ
ステル短繊維相互間の結合の解除及び再結合を伴うもの
であり、得られた成型不織布の引張強力等の機械的物性
が変化しやすいということがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の方法
と異なり、不織布を構成する短繊維として、潜在延伸性
を有する未延伸熱可塑性短繊維を採用し、この未延伸熱
可塑性短繊維自体を伸長することによって所定の形状に
成型しうる熱成型用不織布を提供しようというものであ
る。
【0006】特開平6−10255号公報に記載されて
いるように、未延伸熱可塑性短繊維は、不織布を構成す
る同種の延伸短繊維相互間を結合するための結合材とし
て用いられている。これは、未延伸短繊維の融点が、同
種の延伸短繊維のそれに比べて、低いからである。一
方、未延伸熱可塑性短繊維は、その製造方法にもよる
が、潜在延伸性を持つことがある。しかし、この潜在延
伸性を利用した不織布については、従来より、何らの提
案もされていない。これは、未延伸熱可塑性短繊維が潜
在延伸性を持っていたとしても、不織布製造工程におい
て、その潜在延伸性が破壊されることが多いからであ
る。例えば、未延伸熱可塑性短繊維を結合材として用
い、加熱して溶融又は軟化させてしまうと、その潜在延
伸性は破壊されてしまうからである。また、未延伸熱可
塑性短繊維を構成繊維とする繊維ウェブを作成した後、
接着樹脂等の結合剤を付与し、この結合剤を硬化させる
ために加熱処理を行うと、未延伸熱可塑性短繊維の潜在
延伸性は破壊されてしまうからである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、潜在
延伸性を有する未延伸熱可塑性短繊維を含む繊維ウェブ
を作成し、この未延伸熱可塑性短繊維の潜在延伸性を損
なわれないようにしながら、未延伸熱可塑性短繊維相互
間を絡合して不織布を得ることよって、不織布の構成繊
維である未延伸熱可塑性短繊維に潜在延伸性を維持させ
ようというものである。そして、この潜在延伸性を利用
して、所望の形状に熱成型しやすくしようというもので
ある。
【0008】まず、本発明に用いる潜在延伸性を有する
未延伸熱可塑性短繊維について説明する。一般に、熱可
塑性短繊維は、溶融紡糸した後、加熱下で延伸すること
により、結晶化及び配向を促進させて製造されている。
このようにして、引張強力の高い延伸熱可塑性短繊維が
得られるのであり、短繊維不織布製造用の構成繊維は、
その殆どが延伸熱可塑性短繊維である。一方、溶融紡糸
した後、加熱下で延伸することなく得られた熱可塑性短
繊維は、未延伸熱可塑性短繊維と呼ばれ、不織布製造用
の構成繊維としては、殆ど用いられていない。しかし、
この未延伸熱可塑性短繊維は、その融点が同種の延伸熱
可塑性短繊維に比べて低いので、構成繊維である延伸短
繊維相互間を結合するための結合材として用いられてい
ることは、前記したとおりである。
【0009】このような未延伸熱可塑性短繊維は、その
製造条件により、潜在延伸性を持つものとすることがで
きる。例えば、ポリエステル又はポリアミドを原料とし
て、未延伸熱可塑性短繊維を得るには、溶融紡糸後、急
冷することによって、結晶化を促進させずに巻き取り、
その後、所望の繊維長に裁断することによって、潜在延
伸性の未延伸ポリエステル短繊維又はポリアミド短繊維
を得ることができる。溶融紡糸後、冷却を徐々に行う
と、結晶化が促進され、未延伸ポリエステル短繊維又は
未延伸ポリアミド短繊維であっても、潜在延伸性が少な
くなる場合があるので、好ましくない。また、ポリオレ
フィンを原料として、未延伸熱可塑性短繊維を得るに
は、溶融紡糸後、急冷せずに結晶化をあまり促進させな
いような冷却条件を採用しながら巻き取り、その後、所
望の繊維長に裁断することにって、潜在延伸性の未延伸
ポリオレフィン短繊維を得ることができる。溶融紡糸
後、急冷すると、結晶化が促進され、未延伸ポリオレフ
ィン短繊維であっても、潜在延伸性が少なくなる場合が
あるので、好ましくない。
【0010】本発明で用いる未延伸熱可塑性短繊維の潜
在延伸性の程度は、その伸長度が2倍〜6倍程度である
のが好ましい。ここで言う伸長度とは、当初の未延伸熱
可塑性短繊維の長さをL0とし、これを伸長させて破断
に到った時点における短繊維の長さをL1としたとき、
(L1/L0)で表されるものである。伸長度が2倍未満
であると、熱成型時において、深絞りした箇所が存在す
ると、その箇所で十分に伸長せず、所望の形状に成型し
にくくなる。また、伸長度が6倍を超えても差し支えな
いが、一般的に、上記した製造方法では、製造しにく
い。なお、熱成型時に深絞りがなされない場合には、伸
長度が2倍未満であっても良く、また伸長度が2倍以上
のものであっても、現実の成型時には、2倍未満しか伸
長しない場合があることは、言うまでもない。
【0011】本発明で用いる未延伸熱可塑性短繊維の繊
度は、1〜10デニール程度であり、特に1〜3デニー
ル程度であるのが好ましい。繊度が1デニール未満の未
延伸熱可塑性短繊維は、一般的に製造しにくい。繊度が
10デニールを超える未延伸熱可塑性短繊維は、繊維径
が太いため、得られる不織布の地合や風合いが低下する
傾向がある。また、未延伸熱可塑性短繊維の繊維長は、
20〜100mm程度であり、特に30〜50mm程度
であるのが好ましい。繊維長が20mm未満であると、
不織布に十分な強力を与えにくくなる。即ち、本発明に
おいて、未延伸熱可塑性短繊維は、不織布の構成繊維と
して用いられるものであるため、繊維長が短いと、構成
繊維相互間の絡合が不十分になり、高強力の不織布が得
られにくくなるのである。また、繊維長が100mmを
超えると、未延伸熱可塑性短繊維相互間の絡合が不十分
となり、高強力の不織布が得られにくくなる。即ち、高
圧柱状水流やニードルパンチによる、構成繊維相互間の
絡合は、構成繊維の自由端の運動によって促進されるた
め、繊維長が長すぎると、自由端の割合が少なくなり、
このため、絡合が十分に促進されないのである。
【0012】未延伸熱可塑性短繊維の種類としては、上
記したように、未延伸ポリエステル短繊維,未延伸ポリ
アミド短繊維,未延伸ポリオレフィン短繊維等が用いら
れる。特に、熱の影響によって潜在延伸性が阻害されに
くい、未延伸ポリエステル短繊維を用いるのが好まし
い。
【0013】本発明においては、この未延伸熱可塑性短
繊維を構成繊維として繊維ウェブを作成する。繊維ウェ
ブは、未延伸熱可塑性短繊維100重量%で構成されて
いても良いが、他種短繊維が混合されていても良い。他
種短繊維としては、レーヨン短繊維や綿繊維等を採用す
ることができる。他種短繊維を混合するときであって
も、未延伸熱可塑性短繊維の含有割合は50重量%以上
であり、他種短繊維の含有割合は50重量%以下である
のが好ましい。未延伸熱可塑性短繊維の含有割合が50
重量%未満であると、伸長する構成繊維の割合が少なく
なり、成型時に、所望の形状に成型しにくくなる。本発
明において、他種短繊維を混合するときは、未延伸熱可
塑性短繊維60〜90重量%とレーヨン短繊維40〜1
0重量%の割合で混合するのが好ましい。この程度のレ
ーヨン短繊維の存在によって、吸水性に優れた不織布と
することができ、吸水・吸液性を必要とする用途に用い
ることができるからである。また、本発明においては、
未延伸ポリエステル短繊維50重量%以上と延伸ポリエ
ステル短繊維50重量%以下の割合で混合することも好
ましいことである。この場合、ポリエステル製の熱成型
用不織布でありながら、レギュラータイプのポリエステ
ル短繊維である延伸ポリエステル短繊維が混入されてい
るので、耐熱性や耐候性に優れるからである。
【0014】繊維ウェブの目付は、50〜300g/m
2程度であるのが好ましい。この目付が50g/m2未満
であると、単位面積当たりの繊維量が少なく、後の工程
で、未延伸熱可塑性短繊維等の構成繊維相互間を絡合し
にくくなる。また、得られる不織布の目付も少なく、こ
れを成型すると、全体的に薄くなりすぎて孔が開く恐れ
もある。一方、目付が300g/m2を超えると、単位
面積当たりの繊維量が多くて、高圧柱状水流のエネルギ
ーでは、構成繊維相互間を絡合しにくくなる。
【0015】繊維ウェブを作成した後、この繊維ウェブ
に、高圧柱状水流を施す。この高圧柱状水流によって、
繊維ウェブ中の未延伸熱可塑性短繊維は、相互に緊密に
絡合する。このように、未延伸熱可塑性短繊維相互間が
緊密に絡合するのは、繊維ウェブ中において、未延伸熱
可塑性短繊維が未結合の状態となっており、高圧柱状水
流の付与によって、各未延伸熱可塑性短繊維の自由端が
運動し、相互に絡み合うからである。ここで、高圧柱状
水流とは、微細な直径のノズル孔を通して高圧で水を噴
出させて得られるものである。具体的には、直径0.0
1〜0.3mm程度のノズルを用いて、圧力10〜20
0kg/cm2で水を噴出させて得られるものである。
【0016】絡合を終えた繊維ウェブは、高圧柱状水流
による水を多量に含んでいるため、乾燥工程に導入され
る。ここで留意すべき点は、未延伸熱可塑性短繊維の潜
在延伸性が破壊されない温度以下で乾燥することであ
る。具体的には、100℃前後の温度で乾燥することで
ある。例えば、未延伸熱可塑性短繊維が、未延伸ポリエ
ステル短繊維である場合には、130℃程度以下の温度
で乾燥するのが好ましい。また、未延伸ポリオレフィン
短繊維や未延伸ポリアミド短繊維の場合には、120℃
程度以下の温度で乾燥するのが好ましい。これより高い
温度で乾燥すると、未延伸熱可塑性短繊維の潜在延伸性
が破壊されてしまい、成型時に、未延伸熱可塑性短繊維
の十分な伸長が得られなくなる恐れがある。以上のよう
な乾燥工程を経て、本発明に係る熱成型用不織布が得ら
れる。
【0017】また、前記した高圧柱状水流を付与する方
法に代えて、ニードルパンチによる方法を採用しても良
い。ニードルパンチは、繊維ウェブにバーブ(とげ付き
針やフォーク針)を何度も貫通させることによって、繊
維ウェブ中の未延伸熱可塑性短繊維を運動させ、未延伸
熱可塑性短繊維相互間を緊密に絡合させるというもので
ある。一般的に、繊維ウェブにバーブを貫通させる回数
(パンチ密度)は、80〜300本/cm2程度であ
る。パンチ密度が80本/cm2未満であると、構成繊
維である短繊維相互間の絡合が不十分で、引張強力等の
機械的物性に優れた熱成型用不織布が得られない傾向が
生じる。一方、パンチ密度が300本/cm 2を超える
と、短繊維相互間の絡合が進みすぎて、得られる熱成型
用不織布が高剛性になり、成型しにくくなる傾向が生じ
る。この方法は、高圧柱状水流による方法に比べて、バ
ーブに未延伸熱可塑性短繊維を引っ掛けながら、運動さ
せるため、未延伸熱可塑性短繊維が若干伸長してしまう
という短所がある一方、乾燥工程を経なくても良いとい
う長所がある。従って、繊維ウェブに、ニードルパンチ
を施しただけで、熱成型用不織布が得られることにな
る。
【0018】以上のようにして得られた熱成型用不織布
は、以下の如き方法で熱成型する。即ち、熱成型用不織
布を熱型に導入して、その熱型に合致した形状に成型さ
れるのである。本発明で留意すべき点は、熱成型用不織
布を熱型に導入する前に、未延伸熱可塑性繊維を可塑化
させるために予熱しない点にある。一般に、不織布を熱
成型する場合、不織布の構成繊維或いは構成繊維相互間
を結合している結合材を可塑化させるために予熱し、そ
の後、金型等の成型型に導入することが行われている。
しかし、本発明においては、このような可塑化のための
予熱は施さない。仮に、本発明で得られた熱成型用不織
布を予熱すると、不織布中の未延伸熱可塑性短繊維の潜
在延伸性が破壊されてしまうからである。以上の説明か
ら明らかなとおり、本発明で言う予熱とは、未延伸熱可
塑性短繊維の潜在延伸性が破壊される程度の温度で行う
加熱を言い、その以下の温度における加熱は、予熱の概
念に含まれない。例えば、未延伸ポリエステル短繊維を
含む熱成型用不織布を、100℃前後の温度に加熱して
も、未延伸ポリエステル短繊維の潜在延伸性は破壊され
ない。従って、この程度の加熱は、本発明においては予
熱とは言わない。
【0019】成型時に用いる熱型は、一般的に高温加熱
されている。具体的には、150℃〜400℃程度、特
に200〜300℃程度に加熱されている。熱成型用不
織布は、この熱型に導入され、直ちに加圧等の手段によ
って、熱型の形状に成型される。加圧等の手段は、熱型
に導入されて直ちに行われるため、熱成型用不織布は熱
型の温度に到るまで昇温していない。従って、熱成型用
不織布の変形時には、未延伸熱可塑性短繊維の潜在延伸
性が破壊されておらず、その形状に応じて伸長する。そ
の後、変形した熱成型用不織布は、熱型の温度近傍に昇
温し、熱固定されるのである。この際、未延伸熱可塑性
短繊維が軟化又は溶融し、短繊維相互間が固着する場合
もある。このような固着は、得られた成型体の引張強力
等の機械的物性が向上するので、好ましいものである。
【0020】また、本発明により得られた熱成型用不織
布は、熱型を用いることなしに熱成型することも可能で
ある。例えば、加熱雰囲気中に導入した後、折り畳む等
の変形を施しただけで、所望の形状に熱成型することも
可能である。
【0021】以上のようにして得られた成型体は、衛生
マスクや濾過材(コーヒー用フィルターや空調用フィル
ター)として好適に用いられる。また、その他に、自動
車用内装材等の種々の用途にも用いられる。
【0022】
【実施例】実施例1 繊度2.2デニール,繊維長45mmの未延伸ポリエス
テル短繊維70重量%と、繊度1.5デニール,繊維長
45mmのレーヨン短繊維30重量%と均一に混合した
後、カード法で開繊及び集積して、目付100g/m2
の繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを平板上に載置
し、ノズル径0.12mmのノズルを用いて、圧力10
0kg/cm2で、柱状水流を繊維ウェブ全体に亙って
均一に付与した。なお、ノズルは、その先端が繊維ウェ
ブの上方10cmの位置になるように配設した。この処
理によって、繊維ウェブ中の各短繊維相互間は、緊密に
絡合した。その後、100℃の雰囲気温度に保たれた乾
燥機に導入し、含有水を蒸発させて、熱成型用不織布を
得た。
【0023】この熱成型用不織布を、240℃に加熱さ
れた凹型上に導入し、直ちに、240℃に加熱された凸
型で凹型内に加圧した。この結果、碗型の成型体が得ら
れた。なお、未延伸ポリエステル短繊維は、この成型に
よって、成型箇所にもよるが、成型の程度が大きい箇所
で、概ね1.4〜1.7倍程度の伸長度で伸長せしめら
れていた。
【0024】実施例2 目付を200g/m2とする他は、実施例1と同様の方
法により、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブに、とげ
付き針よりなるバーブを用いて、パンチ密度120本/
cm2で、全体に亙って均一にニードルパンチを施し
た。この処理によって、各短繊維相互間が緊密に絡合し
た熱成型用不織布が得られた。
【0025】この熱成型用不織布を、250℃に加熱さ
れた一対の歯車間に導入した。この結果、ジャバラ状の
成型体が得られた。なお、未延伸ポリエステル短繊維
は、この成型によって、成型箇所にもよるが、成型の程
度が大きい箇所で、概ね1.8〜2.2倍程度の伸長度
で伸長せしめられていた。
【0026】実施例3 繊維ウェブとして、繊度2.7デニール,繊維長38m
mの未延伸ポリエステル短繊維100重量%よりなるも
のを用いる他は、実施例1と同様の方法で、熱成型用不
織布を得た。この熱成型用不織布を、実施例1と同様の
方法で熱成型したところ、良好に成型された成型体が得
られた。
【0027】実施例4 未延伸ポリエステル短繊維に代えて、繊度2.5デニー
ル,繊維長45mmの未延伸ポリプロピレン短繊維を用
いる他は、実施例1と同様の方法で熱成型用不織布を得
た。この熱成型用不織布を、実施例1と同様の方法で熱
成型したところ、良好に成型された成型体が得られた。
【0028】
【作用】本発明に係る製造方法は、潜在延伸性を有する
未延伸熱可塑性短繊維を原料とし、この未延伸熱可塑性
短繊維の潜在延伸性が破壊されないような条件を採用し
ながら、即ち、高温下にさらすことなく、高圧柱状水流
を施すことにより又はニードルパンチを施すことによ
り、熱成型用不織布を得るというものである。従って、
得られた熱成型用不織布中の未延伸熱可塑性短繊維は、
概ね、当初の潜在延伸性を有しており、外力を与えたと
きに、良好に伸長する。
【0029】
【発明の効果】従って、本発明に係る製造方法で得られ
た熱成型用不織布は、構成繊維である潜在延伸性を有す
る未延伸熱可塑性短繊維が伸長しやすく、容易に所望の
形状に成型することができるという効果を奏する。ま
た、この熱成型用不織布は、構造的にも変形するが、主
として構成繊維の伸長による変形であるため、変形度を
大きくしても、孔が開きにくく、不良品の成型体の発生
を少なくすることができるという効果も奏する。更に、
成型前の構成繊維相互間の緊密な絡合は、成型後も、概
ね、そのままに維持されているため、成型体の引張強力
等の機械的物性が低下することも防止しうるという効果
を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜在延伸性を有する未延伸熱可塑性短繊
    維を含む繊維ウェブに、高圧柱状水流を施すことによっ
    て、該未延伸熱可塑性短繊維相互間を緊密に絡合させた
    後、該未延伸熱可塑性短繊維の潜在延伸性が破壊されな
    い温度以下で乾燥することを特徴とする熱成型用不織布
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 潜在延伸性を有する未延伸熱可塑性短繊
    維を含む繊維ウェブに、ニードルパンチを施すことによ
    って、該未延伸熱可塑性短繊維相互間を緊密に絡合させ
    ることを特徴とする熱成型用不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 繊維ウェブは、未延伸熱可塑性短繊維5
    0重量%以上とレーヨン短繊維50重量%以下とが混合
    されてなるものである請求項1又は2記載の熱成型用不
    織布の製造方法。
  4. 【請求項4】 繊維ウェブは、未延伸ポリエステル短繊
    維50重量%以上と延伸ポリエステル短繊維50重量%
    以下とが混合されてなるものである請求項1乃至3のい
    ずれか一項に記載の熱成型用不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    方法で得られた熱成型用不織布を、予熱することなく、
    熱型に導入して成型することを特徴とする不織布よりな
    る成型体の製造方法。
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