JPH0726452A - 自動車内装用表皮材、ならびに自動車内装材およびその製造法 - Google Patents

自動車内装用表皮材、ならびに自動車内装材およびその製造法

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JPH0726452A
JPH0726452A JP16563993A JP16563993A JPH0726452A JP H0726452 A JPH0726452 A JP H0726452A JP 16563993 A JP16563993 A JP 16563993A JP 16563993 A JP16563993 A JP 16563993A JP H0726452 A JPH0726452 A JP H0726452A
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polypropylene
automotive interior
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automobile interior
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Yoshiyuki Sumii
義征 住井
Kiyotaka Kawai
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Kumi Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮材にしわなどの発生がなく、また基材に
も変形などがなく、リサイクル性にすぐれた自動車内装
材およびその製造法、ならびに該自動車内装材に用いら
れる自動車内装用表皮材を提供すること。 【構成】 未延伸ポリプロピレン繊維40〜80重量%
および延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%を含有
した不織布からなる自動車内装用表皮材、前記自動車内
装用表皮材と、ポリプロピレン製基材とが積層一体化さ
れてなる自動車内装材、ならびに前記自動車内装用表皮
材をポリプロピレン製基材に積層し、ついで熱成形を施
すことを特徴とする自動車内装材の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装用表皮材、
ならびに自動車内装材およびその製造法に関する。さら
に詳しくは、たとえば自動車の天井材、リヤパッケージ
材、ドアトリム材、トランク材などに好適に使用しうる
自動車内装材およびその製造法ならびに該自動車内装材
に用いられる自動車内装用表皮材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装用表皮材としては、ポ
リプロピレン発泡シートと、ポリエステル繊維を主体と
する不織布とからなるものが提案されているが、該ポリ
プロピレン発泡シートと不織布との接着強度が充分でな
く、しかも両者とも異なった材料で構成されているた
め、リサイクル性に劣るという問題があった。
【0003】そこで、接着強度の向上が図られ、リサイ
クル性にすぐれた自動車内装用表皮材として、ポリプロ
ピレン発泡シートと、ポリプロピレン繊維を主体とする
不織布とからなるものが提案されている。しかしなが
ら、ポリプロピレン発泡シートと不織布とは、積層状態
で加熱一体化されるが、両者の熱収縮率の差から、すな
わち不織布の熱収縮率がポリプロピレン発泡シートのそ
れよりも大きいことから、不織布の熱収縮による影響で
ポリプロピレン発泡シートが変形するという問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、表皮材にしわなどの発
生がなく、また基材にも変形などがなく、リサイクル性
にすぐれた自動車内装材およびその製造法、ならびに該
自動車内装材に用いられる自動車内装用表皮材を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は未
延伸ポリプロピレン繊維40〜80重量%および延伸ポ
リプロピレン繊維20〜60重量%を含有した不織布か
らなる自動車内装用表皮材、前記自動車内装用表皮材
と、ポリプロピレン製基材とが積層一体化されてなる自
動車内装材、ならびに前記自動車内装用表皮材をポリ
プロピレン製基材に積層し、ついで熱成形を施すことを
特徴とする自動車内装材の製造法に関する。
【0006】
【作用および実施例】本発明の自動車内装用表皮材は、
前記したように、未延伸ポリプロピレン繊維40〜80
重量%および延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%
を含有した不織布で構成される。
【0007】前記未延伸ポリプロピレン繊維は、たとえ
ば溶融したポリプロピレンをノズルから押し出し、冷風
などによって冷却、固化して糸条形成し、巻取ることに
よって製造されるが、この製造工程中に延伸配列が生じ
ないようにするために、結晶化および配向ができるだけ
起きないようにすることが望ましい。
【0008】前記未延伸ポリプロピレン繊維の繊度は、
あまりにも大きいばあいには、えられる自動車内装用表
皮材の風合が硬くなり、またあまりにも小さいばあいに
は、生産性が低下する傾向があるので、通常0.5〜3
0デニール、なかんづく0.5〜15デニールであるこ
とが好ましい。
【0009】前記延伸ポリプロピレン繊維は、前記未延
伸ポリプロピレン繊維を100〜125℃、好ましくは
110〜120℃の加熱下で延伸させることによってえ
られるものであり、その延伸倍率(延伸後の長さ/延伸
前の長さ)は、あまりにも大きいばあいには、延伸によ
って生じる繊維中の歪みが大きくなって熱による収縮が
大きくなり、またあまりにも小さいばあいには、繊維強
度が低下する傾向があるので、通常3〜10倍、なかん
づく3〜5倍であることが好ましい。
【0010】前記延伸ポリプロピレン繊維の繊度は、あ
まりにも大きいばあいには、えられる自動車内装用表皮
材の風合が硬くなり、またあまりにも小さいばあいに
は、生産性が低下する傾向があるので、通常0.5〜3
0デニール、なかんづく0.5〜15デニールであるこ
とが好ましい。
【0011】また、前記未延伸ポリプロピレン繊維およ
び延伸ポリプロピレン繊維の繊維長は、いずれもあまり
にも大きいばあいには、生産性が低下し、またあまりに
も小さいばあいには、えられる自動車内装用表皮材の強
度が低下する傾向があるので、通常5〜200mm、な
かんづく10〜100mmであることが好ましい。
【0012】前記不織布において、未延伸ポリプロピレ
ン繊維の含有率が前記範囲よりも小さく、また延伸ポリ
プロピレン繊維の含有率が前記範囲よりも大きいばあい
には、えられる自動車内装用表皮材を基材に積層し、熱
成形を施したときに、熱収縮によって該表皮材に変形が
生じるようになる。また、未延伸ポリプロピレン繊維の
含有率が前記範囲よりも大きく、また延伸ポリプロピレ
ン繊維の含有率が前記範囲よりも小さいばあいには、え
られる自動車内装用表皮材の表面の耐摩耗性が低下する
ようになる。
【0013】本発明に用いられる不織布は、前記したよ
うに、未延伸ポリプロピレン繊維40〜80重量%およ
び延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%を含有した
ものであればとくに限定がないが、えられる自動車内装
用表皮材の機械的強度を向上させるためには、ニードル
パンチなどの絡合処理が施されたニードルパンチ不織布
などであることが好ましい。
【0014】前記不織布の目付は、あまりにも大きいば
あいには、製造、運搬の際の作業性が低下するばかりで
なく、自動車部品における軽量化の要請に反するように
なり、またあまりにも小さいばあいには、基材などが透
けて見え、装飾効果が失われるうえに、強度や耐摩耗性
が低下する傾向あるので、通常100〜300g/
2 、なかんづく150〜250g/m2 であることが
好ましい。
【0015】なお、前記不織布には、必要により、樹脂
が含浸されていてもよい。
【0016】かくして本発明の自動車内装用表皮材がえ
られるが、該自動車内装用表皮材には、熱収縮温度、た
とえば120〜160℃程度にあらかじめ加熱すること
により、熱収縮処理が施されていてもよい。熱収縮処理
を施すばあい、該自動車内装用表皮材の熱収縮率は、1
0〜50%、なかんづく20〜40%程度とすればよ
い。
【0017】前記自動車内装用表皮材と、ポリプロピレ
ン製基材とを積層し、一体化することにより、本発明の
自動車内装材がえられる。
【0018】前記ポリプロピレン製基材としては、たと
えば表裏にフイルムなどのスキン層を有している、ある
いは有していないポリプロピレン発泡シート、ポリプロ
ピレンシートなどがあげられるが、本発明はかかる例示
のみに限定されるものではない。なお、本発明において
は、押圧したときにソフトでしなやかな触感を付与させ
るために、前記ポリプロピレン製基材としてポリプロピ
レン発泡シートを用いるばあいには、該ポリプロピレン
発泡シートの厚さは2〜5mm程度、またその発泡倍率
は2〜5倍程度であることが好ましい。
【0019】前記自動車内装用表皮材をポリプロピレン
製基材に積層し、ついで熱成形することにより、本発明
の自動車内装材がえられる。
【0020】つぎに、本発明の自動車内装材の製造法を
図面にもとづいて説明する。
【0021】図1は、本発明の自動車内装材の製造法の
概略説明図である。
【0022】図1において、1はポリプロピレン製基
材、2は自動車内装用表皮材である。まず、押出機から
押し出された直後の発泡ポリプロピレンシートなどから
なるポリプロピレン製基材1と自動車内装用表皮材2と
を積層したのち、プレスロール3、4を介して該ポリプ
ロピレン製基材1と自動車内装用表皮材2とが一体化さ
れ、ついでポリプロピレン製基材1は、たとえばクリッ
プ5などによって固定される。ポリプロピレン製基材1
がクリップ5で固定された状態で、ポリプロピレン製基
材1と自動車内装用表皮材2との積層体は、たとえば赤
外線ヒータなどの加熱装置6によってたとえば200〜
300℃に熱成形される。
【0023】つぎに、前記積層体は、成形型7、8によ
り所定の形状に成形される。
【0024】成形後には、トリミングを行なうことによ
り、所定形状を有する自動車内装材がえられる。
【0025】かくしてえられる本発明の自動車内装材
は、表皮材にしわなどの発生がなく、また基材にも変形
などがなく、しかも同一素材から構成されるので、リサ
イクル性にもすぐれたものであり、たとえば自動車の天
井材、リアパッケージ材、ドアトリム材、トランク材な
どに好適に使用しうるものである。
【0026】つぎに、本発明を実施例にもとづいてさら
に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定
されるものではない。
【0027】実施例1〜4および比較例1〜3 未延伸ポリプロピレン繊維(繊度7デニール、繊維長6
4mm)および延伸ポリプロピレン繊維(繊度7デニー
ル、繊維長76mm、延伸倍率3.8倍)を表1に示す
割合で混合したウェブにニードルパンチを施して目付1
80g/m2 の不織布からなる自動車内装用表皮材をえ
た。
【0028】えられた自動車内装用表皮材と、200℃
の温度で押出機から押し出された直後のポリプロピレン
押出発泡シート(厚さ2.4mm、発泡倍率2倍)とを
積層し、プレスロールを介して一体化したのち、ポリプ
ロピレン押出発泡シートをクリップで固定した状態で2
50℃のドライヤーで加熱した。
【0029】つぎに前記ポリプロピレン押出発泡シート
と自動車内装用表皮材の積層体を成形型を用いて60℃
でコールドプレス成形を行なったのち、トリミングを行
なって自動車内装材をえた。
【0030】えられた自動車内装材の物性として、
(イ)基材の変形および(ロ)耐摩耗性を以下の方法に
したがって調べた。その結果を表1に示す。
【0031】また、各実施例および比較例で用いた自動
車内装用表皮材を160℃で10分間収縮させたときの
面積収縮率〔(収縮前の面積−収縮後の面積)×100
/収縮前の面積〕を求め、その結果を併せて表1に示し
た。
【0032】(イ)基材の変形 えられた自動車内装材を目視にて観察し、その基材の変
形の程度を調べ、以下の評価基準に基づいて評価する。
【0033】(評価基準) A:基材には、変形が認められない。 B:基材には、変形がやや認められる。 C:記材には、実用上好ましくない変形が認められる。
【0034】(ロ)耐摩耗性 えられた自動車内装材の不織布面をテーバー式ロータリ
ーアブレッサにより、摩耗輪CS−10に250gの荷
重をかけて試験片と接触させ、60rpmの速度で50
0回回転させたのち、試験片の表面状態を調べ、以下の
評価基準に基づいて評価する。
【0035】(評価基準) 5級:変化がまったく認められない。 4級:変化がわずかに認められるが、目立たない。 3級:変化がわずかであるが、明らかに認められる。 2級:変化がややいちじるしい。 1級:変化がいちじるしい。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示された結果から、実施例1〜4に
用いられた自動車内装用表皮材は、面積収縮率が比較的
小さく、ポリプロピレン製基材との収縮率差が小さいた
め、えられた自動車内装材は、いずれも基材に波打ちな
どの変形がなく、しかも耐摩耗性にすぐれたものである
ことがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の自動車内装用表皮材は、ポリプ
ロピレン発泡シートなどの押し出し直後の基材と接着し
たばあいであっても、基材との熱収縮率差が小さいもの
であり、該自動車内装用表皮材を用いてえられる本発明
の自動車内装材は、同一素材から構成されるものである
のでリサイクル性にすぐれ、しわや基材の変形がなく、
耐摩耗性にすぐれたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車内装材の製造法の概略説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン製基材 2 自動車内装用表皮材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未延伸ポリプロピレン繊維40〜80重
    量%および延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%を
    含有した不織布からなる自動車内装用表皮材。
  2. 【請求項2】 未延伸ポリプロピレン繊維40〜80重
    量%および延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%を
    含有した不織布からなる自動車内装用表皮材と、ポリプ
    ロピレン製基材とが積層一体化されてなる自動車内装
    材。
  3. 【請求項3】 未延伸ポリプロピレン繊維40〜80重
    量%および延伸ポリプロピレン繊維20〜60重量%を
    含有した不織布からなる自動車内装用表皮材をポリプロ
    ピレン製基材に積層し、ついで熱成形を施すことを特徴
    とする自動車内装材の製造法。
JP16563993A 1993-07-05 1993-07-05 自動車内装用表皮材、ならびに自動車内装材およびその製造法 Expired - Fee Related JP3081731B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000073266A (ja) * 1998-08-21 2000-03-07 Shinwa Kk 熱成型用不織布の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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