JP2520888B2 - 熱成型用積層体シ−トとその製造方法 - Google Patents

熱成型用積層体シ−トとその製造方法

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JP2520888B2 JP61308795A JP30879586A JP2520888B2 JP 2520888 B2 JP2520888 B2 JP 2520888B2 JP 61308795 A JP61308795 A JP 61308795A JP 30879586 A JP30879586 A JP 30879586A JP 2520888 B2 JP2520888 B2 JP 2520888B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、少なくとも一方の表面が微少な凹部を有す
る不織シートと樹脂シートから成る熱成型用積層体シー
トに関する。更に詳しくは、少なくとも一方の表面が密
度の高い微少な凹部を有し、その凹部の面積比率が5〜
50%で実質的に密度差を有する半延伸ポリエステル系長
繊維不織シートと、熱可塑性樹脂シートを積層体にした
熱成型性に優れた積層体シート及びその製造方法に関す
る。
かかる積層体シートは、装飾性,耐熱性,クッション
性,耐衝撃強さなどに優れている為、食品容器類、自動
車内装材、インテリヤ材などの成型材料として利用され
る。
〔従来の技術〕
熱可塑性シート状物を成型して成型品として用いるこ
とが知られている。その際の成型方法として押型を用い
たプレス法,真空成型法あるいは圧空成型法等が用いら
れる。プレス法は一般に雄型,雌型を用いなければなら
ず生産速度も遅く非能率的である。一方真空成型法ある
いは圧空成型法は簡便な装置で能率良く加工できるとい
う利点はあるが通気性の少ない熱可塑性シート状物を用
いることが必要となる。
かかる観点から従来熱可塑性樹脂シートが成型材料と
して広く利用されている。しかし熱可塑性樹脂シートは
装飾性,耐熱性,クッション性,耐衝撃強さなどに劣
る。これらの欠点を改善する為に、公知の不織シートと
樹脂シートを積層体としたものが成型材料に利用されて
いる。この場合必要なことは、成型加工時の応力で不織
シートの繊維組織のずれによる地割れが生じないことで
ある。地割れが発生すると、表面の耐摩耗性が低下し毛
羽が立ち易くなること、外観不良、強力斑、変形等の欠
点が生じる。一方、地割れを防止しようとして、繊維同
志を熱融着させたり或は接着剤で接着させたりして繊維
組織を固定すると、成型加工時、外力を加えてもシート
の変形が難しく、深い凹凸形状、複雑な形状の成型加工
が難しくなる。
前記欠点を改善する方法として、加熱下の外力に対し
て、伸び易い半延伸ポリエステル系繊維不織シートを利
用しようとしたものが特公昭56−39254に開示されてい
る。しかし、この方法は、前記半延伸系と延伸系との複
合、又は積層した不織シートであるため多少の成型加工
性はあるが地割れを完全に防止することは出来ない。
又、上記半延伸系のみの不織シートを使用したものが、
特公昭55−7432に開示されている。しかし、単に半延伸
繊維を利用するだけでは種々問題が生じ実用であるとは
いえない。例えば、公知の半延伸繊維は、加熱すると収
縮する性質がある為、樹脂シートとの積層加工、及び、
成型加工時に、熱収縮性を防止する対策が必要であり、
四方をクランプすることなどの対策がとられる。
従って、不織シートと、樹脂シートとの積層体シート
を、成型材料に利用する場合に必要なのは、真空成型、
圧空成型を含めたあらゆる成型方法を用いて成形する際
に、成型加工性に優れていること、(広い温度範囲にわ
たって、深い凹凸の成型、或は、複雑な形状の成型が可
能であること)及び成型品の保型性に優れていること、
(成型品が外力で容易に型くずれし難く、形状が加熱等
によって収縮、又は、変形することが少ないこと)など
の性質を持つことである。更に、得られた成型品の実用
特性が優れていることも必要である。
ここでいう実用特性とは、少なくとも一方の表面が不
織シートから成る為、外観が繊維調となり触感、意匠性
などの装飾性が優れていること、180℃〜220℃の加熱雰
囲気中でも使用可能な耐熱性があること、耐衝撃強さ、
クッション性などを有することである。しかしながら前
述のような性能を有する熱成型用積層体シートは、これ
までに得られていない。
本発明者等は、前述のように、熱成型用積層体シート
に要求される特性を鋭意検討を行った結果半延伸ポリエ
ステル系長繊維ウエブを、特定条件下で熱処理して得ら
れた不織シートと、熱可塑性樹脂シートとの積層体が、
これらの特性を満足させることを見い出し、本発明に到
達した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、前述の従来の成型材料の有す欠点が
改良され、真空成型、圧空成型、プレス成型も含めた公
知成型法が適用でき、深い凹凸の形状、複雑な形状の成
型品への成型加工性、成型品の保型性にすぐれ、脱プラ
スチックイメージの装飾性、耐磨耗性、耐熱性、クッシ
ョン性、耐衝撃強さ等の実用特性に優れた成型品を得る
ことができる熱成型用積層体シート、及びその製造方法
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、結晶化度指数が15〜45%のポリエス
テル系長繊維から成る不織シートと、熱可塑性樹脂シー
トとの積層体シートであって、該積層シートの沸水収縮
率が10%以下、120℃での破断伸度が100%以上、120℃
での伸長応力が実質的に50kg/cm2以下であり、かつ該積
層体シートの不織シート側の表面に密度の高い微小な凹
凸を有し、凹部一個当たりの面積が0.1〜10mm2その凹部
の面積比率が5〜50%で、不織シート全面の平均見掛密
度と凹部の平均見掛密度差が0.05g/cm3以上であること
を特徴とする熱成型用積層体シートによって達成され
る。
前記、熱成型用積層シートは、破断伸度が100%以
上、複屈折率が0.01〜0.07のポリエステル系長繊維から
成る長繊維ウエブを二次転移点温度以上、二次転移点+
50℃以下の表面温度に保ったエンボスロールを用いて、
圧着面積率3〜40%で部分熱圧着させた後、加熱しなが
ら収縮させて、結晶化度指数が15〜45%、表面に密度の
高い微小な凹凸を有し、凹部一個当たりの面積が0.1〜1
0mm2その凹部の面積比率が5〜50%で、不織シート全面
の見掛密度と凹部の平均見掛密度差が0.05g/cm3以上で
ある不織シートとし、該不織シートをその微小な凹凸を
有する表面の反対面で熱可塑性樹脂シートに積層するこ
とによって製造できる。
本発明に用いる不織シートは、半延伸ポリエステル系
長繊維ウエブを、一対のエンポスロールで部分熱圧着を
行った後、加熱しながら収縮させる熱処理を施すことに
より得られる。
本発明の熱成型用積層体シートは、かくして得た前記
不織シートを熱可塑性樹脂シートを積層して得られる。
本発明の積層体シート中の不織シートに用いられるポ
リエステル系半延伸糸を製造するポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、又は、エチレンテレフタレ
ートの繰り返し単位からなるものを主体とした共重合ポ
リエステルであり、二次転移点が室温以上で、実質的に
非晶性の半延伸糸が安定して製造でき、又、加熱処理に
より結晶化させることができるポリマーを用いるとよ
い。特にポリエチレンテレフタレートが熱成型加工性、
成型品の耐熱性、強度などで本発明の目的に優れた結果
をもたらす。
尚、本発明の目的を損わない範囲で、他の繊維例え
ば、ポリオレフィン、ポリアミドなどの繊維を混合して
用いてもよい。
繊維の繊度は、30デニール以下、好ましくは0.5〜10
デニールである。
本発明に用いる不織シートの目付は、50〜600g/m2
あることが好ましい。
以下、本発明で用いられる不織シートについて詳細に
説明する。
本発明に用いられる不織シートは、公知のスパンボン
ド法などによって得られる。例えば、紡糸速度が1600m/
分〜4000m/分で、破断伸度が100%以上、複屈折率が0.0
1〜0.07である半延伸ポリエステル系長繊維ウエブを、
二次転移点以上、二次転移点+50℃以下の表面温度に保
ったエンボスロールを用いて、圧着面積率3〜40%の部
分熱圧着させた後、水蒸気或いは、熱水等で加熱しなが
ら熱処理させ、次いで脱水、乾燥して得られる。
前記部分熱圧着は、本発明に用いる不織シートの微少
な凹部を形成させる為に必要であり、部分熱圧着をより
強固にする為、2段に分けて行ってもよい。この時、必
要なことは、この部分熱圧着で、潜在収縮性を失なわれ
ないようにする事および次いで行なう熱処理で、部分熱
圧着部がはずれないことである。
次に、前記部分熱圧着された不織シートを収縮させる
熱処理を行う。この熱処理は、温度を二次転移点以上、
融点−60℃以下で、不織シートの張力、熱処理時間など
を調節して、熱処理後の面積を、熱処理前に対し、10〜
60%になるようにして行う。この時、水蒸気、熱水など
の水分存在下で熱収縮させることが好ましい。これは不
織シートに対して熱伝導が効率良く、均一に加熱できる
為と推察する。
前記熱処理により得られた、本発明に用いられる不織
シートは、構成繊維の結晶化度指数が15〜45%、好まし
くは20〜40%、平均見掛け密度が0.30〜0.80g/cm3、沸
水収縮率が10%以下、120℃の破断伸度が100%以上、12
0℃の30%伸長応力が50kg/cm2以下で、密度の高い微小
な凹部を有し、凹部1個当りの面積が0.1〜10mm2、その
凹部の面積比率が5〜50%で、実質的に、平均見掛密度
差が0.05g/cm3以上である。前記結晶化度指数は、成型
時の温度での熱劣化を防止し、成型を容易ならしめる
他、成型品の変形防止、寸法安定性をはかる上で必要で
ある。結晶化度指数が15%未満の場合は成型時の温度に
おいて不織シートの劣化、変色、金型への融着が起こ
る。45%を越えると深い凹凸の成型、複雑な形状の成型
が困難となる。
該不織シートは、密度の高い凹部で、繊維相互の結合
が強固になり、耐摩耗性が良好となり、且つ、深い凹凸
の形状、複雑な形状の成型加工に優れている。凹部の面
積比率が5%以下あるいは凹部1個当りの面積が0.1mm2
以下の場合は、構成繊維中の結合部が少なく、摩擦など
で、毛羽立ち易く、且つ、成型加工で伸ばされると、更
に耐摩擦性に劣る。
一方、凹部の面積比率が50%以上、凹部1個当りの面
積が10.0mm2以上の場合は、構成繊維中の結合部が多く
なり、毛羽立ちにくくなるが、成型加工時に構成繊維の
移動が拘束され、金型へのなじみが悪く、成型性に劣
る。
更に、この不織シート全面の平均見掛密度と凹部の密
度差が0.05g/cm3以下の場合、深い凹凸形状などの成型
加工時が実質的に、消えて、表面の耐摩擦性に劣る。
本発明の熱成型用積層体シートは、前記不織シート
と、熱可塑性樹脂シートとを、公知の方法、例えば、押
し出しラミネート、接着剤を用いたラミネート、或は、
超音波等による部分融着ラミネート、一対のエンボスロ
ールなどにより、積層一体化させて得ることができる。
尚、本発明で用いられる熱可塑性樹脂シートとは、ポ
リエチレン、部分架橋ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリウレ
タン系、ポリビニルアルコール系、などの単体又は共重
合体から成る樹脂、更に可塑剤、顔料、添加物などの混
合された樹脂をシートにした物、更に、異種の樹脂フィ
ルムを複合体とした樹脂シート、或は、樹脂の中に空気
又は炭酸ガス、窒素ガスなどのガス体を分散して配置し
た発泡体とした樹脂シートなどである。
かくして得られた本発明の積層体シートは、公知の成
型加工方法、例えば、真空成型、圧空成型或は、プレス
成型などの方法で、適宜積層体シートを予熱等施して行
うことができる。
尚、前記積層体シートは、成型加工で二層又それ以上
に剥離しないことが好ましい。
本発明の熱成型性積層体シートは、弗水収縮率が10%
である。このことは、成型加工時の予熱或は加熱によ
り、積層体シートが収縮変形を起し、成型品に歪が発生
することを防ぎ、良好な部位の成型品を得る上で必要で
ある。
又、120℃での破断伸度と、120℃の30%伸長応力は、
成型加工時の変形の難易、型へのなじみなど成型加工性
に直接関連し、優れた成型加工を得るには、120℃の破
断伸度が100%以上、120℃の30%伸長応力が50kg/cm2
下であることが、深い凹凸の形状、及び複雑な形状の成
型加工に必要である。
更に、成型品の保型性に係ること、即ち、外力に対し
て変形し難いことなどは、成型品の使用する温度付近
で、初期伸長応力が大きいことが好ましい。
本発明の熱成型性積層体シートの沸水収縮率120℃の
破断伸度および120℃の30%伸長応力の値は、前述のよ
うに不織シート自体の対応特性の好ましい値と同一であ
る。これは熱可塑性樹脂シートは成型加工の行われる加
熱条件下において不織シートよりも可塑化されやすいた
めであり、熱可塑性樹脂シートは積層シートの通気性を
小さくする機能は果すが、前記加熱条件下では前記特性
に関してはほとんど寄与しないことに帰因する。
なお前述のように熱可塑性樹脂シートは可塑化されや
すい。すなわち熱時モジュラスが低い。したがって熱可
塑性樹脂シート単独で成型加工を行うと部分的に伸長さ
れる場合があり、均一な成型加工ができない。本発明に
よる複合された積層体シートでは、不織シート自体の熱
的モジュラスが熱可塑性樹脂シートより高いために、全
体が均一に伸びて成型することができるという特徴を有
する。一方本発明による積層体シートでは熱可塑性樹脂
シートが用いられているので通気性が小さくなり、不織
シート単体の成型加工では用いることが困難であった真
空成型や圧空成型を用いることができる。又積層体シー
トは不織シートによって保型性が付与されることになる
ので、熱可塑性樹脂シート単体で成型品を作る場合に比
し薄いもの、例えば厚さ100μ以下のシートを用いるこ
とができる。
このようにして得られた本発明による熱成型性積層体
シートを、成型加工に用いることによって、これまで得
られていない表面が繊維調の外観と触感を有し、脱プラ
スチックのイメージを呈する装飾性、ポリエステル系繊
維から成る耐熱性、不織シートの嵩高性に基づくクッシ
ョン性、耐衝撃強さ、などが活かされた優れた成型品が
得られる。
〔実施例〕
以下本発明を実施例をあげて具体的に説明する。尚、
実施例に記載した特性の定義及び測定方法を以下に示
す。
◎ 平均みかけ密度(JIS−L−1096に準ずる) 目付けを試験片20cm×20cmから測定し、厚みをダイヤ
ルゲージ(測定子直径10mmφ、質量80g)で測定して単
位容積当たりの重量を求めて表わす。
◎ 複屈折率 白色光下で偏光顕微鏡ベレックスコンペンセーターを
用いて複屈折率(Δn)を測定する。
◎ 強伸度(JIS−L−1096に準ずる) 島津製作所製Auto Graph DSS−2000型万能引張試験機
により把握長10cm、引張速度20cm/分で25℃,150℃の各
温度で測定して求める。
30%伸長応力は、30%伸長時の強度を試料の断面積で
除した値で表わす。
但し、単糸の場合、初荷重0.1g/dで行なう。
◎ 通気性(JIS−L−1096に準ずる) フラジュール試験機を用いて測定する。
◎ 結晶化度指数 赤道方向のX線回折強度を赤道反射法により、結晶化
度指数を求める。
X線回折強度は理学電機社製X線発生装置(RU−200P
L)とゴニオメーター(SG−9R)、計量管には、シンチ
レーションカウンター、計数部には波高分析器を用い、
ニッケルフィルターで単色化したCu・Kα線(波長=1.
5418Å)で測定する。測定試料の繊維軸がX線回折面に
対して垂直となるようにアルミニウム製サンプルホルダ
ーにセットする。この時、試料の厚みは、0.5m/m位にな
るようにセットする。30kV、80mAでX線発生量を運転
し、スキャニング速度1゜/分、チャート速度10mm/
分、タイムコンスタント1秒、ダイバージェンススリッ
ト1/2゜、レシーピングスリット0.3m/m、スキャッタリ
ングスリット1/2゜において2θが35゜から7゜まで回
折強度を記録する。記録計のフルスケールは、回折強度
曲線がスケール内にはいるように設定する。ポリエチレ
ンテレフタレート繊維は一般に赤道線の回折角2θ=17
゜〜26゜の範囲に3つの主要な反射を有する〔低角度側
(100)(010)(110)面〕。第1図にポリエチレンテ
レフタレート繊維のX線回折強度曲線の一例を示す。
(図中aが結晶部、bが非晶部を表わす。) 結晶化度指数は、得られたX線回折強度曲線より、2
θ=7゜と2θ=35゜の間にある回折強度曲線間を直線
で結びベースラインとする。第4図のように2θ=20゜
付近の谷を頂点とし、低角側及び、高角側のすそにそっ
て直線で結び結晶部と非晶部に分離し、次式に従って面
積法で求める。
◎ 熱劣化 105℃熱風乾燥機中で300時間放置した後、引張試験を
行い、破断伸度を測定する。105℃の曝露前後の破断伸
度から、伸度保持率を求めて表わす。
L1:曝露前の破断伸度、 L2:暴露後の破断伸度、 ◎ 引裂強度(JISL−1096に準ずる) 試験片5cm×15cmをタテ、ヨコ彷徨それぞれ取り前記
引張試験機を用いて求める。(シングルタング法)。
◎ 沸水収縮率(不織シート) 試料25cm×25cmにタテ、ヨコ各々20cmの位置にマーキ
ングして沸水に5分間浸漬した後、取出して、試料の寸
法変化を測り、収縮率をN=5の平均値で示す。
◎ 耐摩耗性 タテ20cm×ヨク3cmの試験片を摩擦試験機II型(学振
型)を用いて荷重500gで100往復摩擦させた後、試験片
の外観変化を下記の判定基準に照らして判定し耐摩耗性
の目安とした。
(判定基準) A級:まったく毛羽立ちがない。
B級:少し毛羽立ちがあるが目立たない。
C級:毛羽立ちが目立つ。
◎ 耐衝撃強さ 中央部に30mmφの穴があり且つ穴に8mmRの縁取りが施
されているタテ10cm×ヨコ10cm×高さ3cmの鉄製試料取
り付け台に試料10cm角を締め具で四方を固定し、25℃の
温度で荷重150gの金属球を落下させ、試料の破れが起き
ない高さで表わす。
実施例1 孔径0.25cm、孔数1000個の矩型紡糸口金を用いて、吐
出量1000g/分で固有粘度0.75のポリエチレンテレフタレ
ート(TiO20.5%含有)を溶融温度295℃で紡出し、紡糸
口金直下800mmの位置にある牽引用エアーサッカーの圧
力を変えて、紡糸速度1900m/分、2400m/分、3000m/分、
で金網コンベア上に長繊維ウエブ(目付150g/cm2)とし
て取り出した。得られたウエブを構成する繊維の物性
を、第1表に示す。比較例として、紡糸速度1200m/分と
5200m/分の長繊維ウエブを採取し、第1表に併記した。
第1表の特性を有する各繊維ウエブを、エンボスロー
ルの凸部の単位面積が2mm2、圧着面積率14%、上下ロー
ル温度90℃、線圧30kg/cmで部分熱圧着を行う。次いで
前記部分熱圧着のシートを、80℃の熱水中に浸漬し、熱
収縮を発現させてから、サクションドラムで余分の水分
を除いた後フェルトカレンダー(シリンダー表面温度12
5℃、加工速度5m/分)で乾燥を行った。得られた不織シ
ートの特性を第2表に示す。
第2表に示すように、本発明に用いられる不織シート
は、構成繊維が結晶化度指数が15%以上45%以下の半延
伸系から成り、見掛け密度が0.3g/cm3以上の緻密構造
で、沸水収縮率が小さく、120℃の破断伸度が200%以上
と高い伸展性を有し、且つ、120℃30%伸長応力が30kg/
cm2以下と低く、成型加工性が優れていて、又、25℃の3
0%伸長応力が50kg/cm2以上と大きい。したがってこの
不織シートを用いることにより、成型品の保型性を良好
にすることができる。更に、表面に微少な凹部が形成さ
れていることから耐摩耗性に優れて毛羽立ちがなく、熱
劣化の少ない不織シートであった。
一方、比較例実験No.は脆く、伸展性、熱劣化など
に劣り、成型加工材料に適さないものであった。
又、比較例実験No.は、30%伸長応力が大きく、且
つ、破断伸度が小さく、成型加工性の乏しい不織シート
であった。
実施例2. ポリスチレン系樹脂(三井東圧製:トーボレックス)
を、押出し機により樹脂温度290℃でT−ダイスより押
出し、実施例実験No.で得られた不織シートに0.15mm
の厚さでコートした後、表面平滑な3本ロールを通し
て、熱成型用積層体シートを得た。この積層体シートの
特性を第3表に示す。
但し、比較例実験No.に、ポリスチレン樹脂シー
ト、0.15mmのみの特性を示す。
第3表の結果から、本発明の熱成型用積層体シート
は、微小な凹部を有し、沸水収縮率が小さく100℃〜150
℃の成型加工可能な温度範囲に於いて、破断伸度が100
%以上と高い伸展性を有し、且つ、30%伸長応力が50kg
/cm2以下と低く、成型加工性に優れていることが判っ
た。更に、通気性が小さく、真空成型、圧空成型の材料
として好ましく用いられることが判った。次に、積層体
シートは、樹脂シートに比較して、引裂強力が高く、耐
衝撃強さが高く、破れにくい物となった。
一方、比較例実験No.は脆く、伸展性が低く、且つ
引裂強力が低いなどから、成型材料として適性が乏し
い。比較例実験No.は、成型加工時の温度で30%伸長
応力が高く、伸展性が低く、成型材料として乏しい。比
較例実験No.は、伸展性が高く、成型材料に適性であ
ることが判ったが、外観品位、引裂強さ、耐衝撃強さな
どに乏しい。
以上の結果、実施例実験No.〜は、本発明の目的
を満足できる積層体シートが得られたが、一方、比較例
実験No.〜は、本発明の目的を満足することができ
なかった。
実施例3. 実施例2の積層体シートを用いて、成型加工を行っ
た。成型加工は、直径10cm、最大半径5cmの半球状の金
型を120℃に加熱して、プレス成型を行った。
実施例実験No.〜は、地割れが起こらず、成型品
の高さが4.9cmとなり、得られた成型品に荷重100gを乗
せても変形が生じない保型性に優れた物が得られた。こ
の結果、本発明の熱成型用積層体シートは、成型加工
性、成型品の保型性に優れていることが判った。
一方、比較例実験No.〜は、本発明の目的とす
る、成型加工性、成型品の保型性など満足する結果は得
られなかった。
実施例4. 25μのポリアミドシートと、30μポリプロピレンシー
トを接着剤で貼り合わせてから、ポリプロピレンシート
の面を、実施例1の実験No.の不織シートに接着し
て、本発明の熱成型用積層体シートを得た。但し、貼り
合わせて用いた接着剤は、いずれも、常温反応型ウレタ
ン接着剤(武田薬品工業製、2液反応タイプ)を用い
た。
前記積層体シートを、温度150℃に予熱した。縦10cm
×横10cm×深さ3cmの直方体金型の圧空成型機で成型し
た。地割れ、変形など起こらず、成型加工性、成型品の
保型性に優れていた。
〔発明の効果〕
本発明の熱成型用積層体シートは、成型加工温度に於
いて、熱収縮が小さく、伸び易く、且つ、室温付近の温
度に於いては、適当な剛性を有している。ポリエステル
系長繊維不織シートと熱可塑性樹脂シートとの積層体で
あるため、深い凹凸の形状、複雑な形状の成型加工が可
能であり、成型品の保型性に優れ、脱プラスチックのイ
メージの装飾性、耐熱性、クッション性、耐衝撃強さな
ど実用特性に優れている為、従来使用されていた。成型
プラスチックの代替品として広く利用でき、又、従来に
ない機能を持つ為、汎用プラスチックでは問題があった
分野へも展開可能である。
例えば、食品、化粧箱などの各種トレイ、自動車内装
材、壁装材、建材などの成型材料として広く利用でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ポリエチレンテレフタレート繊維のX線回折
強度の一例を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶化度指数が15〜45%のポリエステル系
    長繊維から成る不織シートと、熱可塑性樹脂シートとの
    積層体シートであって、該積層シートの沸水収縮率が10
    %以下、120℃での破断伸度が100%以上、120℃での伸
    長応力が実質的に50kg/cm2以下であり、かつ該積層体シ
    ートの不織シート側の表面に密度の高い微小な凹凸を有
    し、凹部一個当たりの面積が0.1〜10mm2その凹部の面積
    比率が5〜50%で、不織シート全面の平均見掛密度と凹
    部の平均見掛密度差が0.05g/cm3以上であることを特徴
    とする熱成型用積層体シート。
  2. 【請求項2】樹脂シートが単層、又は積層フィルムであ
    る特許請求の範囲1項記載の成型用積層体シート。
  3. 【請求項3】破断伸度が100%以上、複屈折率が0.01〜
    0.07のポリエステル系長繊維から成る長繊維ウエブを二
    次転移点温度以上、二次転移点+50℃以下の表面温度に
    保ったエンボスロールを用いて、圧着面積率3〜40%で
    部分熱圧着させた後、加熱しながら収縮させて、繊維の
    結晶化度指数が15〜45%であって、表面に密度の高い微
    小な凹凸を有し、凹部一個当たりの面積が0.1〜10mm2
    の凹部の面積比率が5〜50%で、不織シート全面の平均
    見掛密度と凹部の平均見掛密度差が0.05g/cm3以上であ
    る不織シートとし、該不織シートをその微小な凹凸を有
    する表面の反対面で熱可塑性樹脂シートに積層すること
    を特徴とする熱成型用積層体シートの製造方法。
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