JP4447758B2 - 捲縮繊維および解繊糸集合体並びにウェブ - Google Patents

捲縮繊維および解繊糸集合体並びにウェブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MFRの異なるプロピレン系重合体の2層フィルムを解繊して得られる捲縮繊維、それからなる解繊糸集合体並びにウェブおよびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂物性の異なる少なくとも2種の合成樹脂を組み合わせてなる繊維、いわゆる複合繊維が捲縮性を示すことは知られている。この複合繊維を製造する方法の一つに、2つの異なる性質の樹脂原料、例えばポリプロピレン及びポリエチレンの2層から構成される複合合成樹脂フィルムを、延伸した後スリットして延伸テープを作成し、この延伸テープを解繊して解繊糸からなる複合繊維を製造する方法がある(特開昭62−149905号公報)。
【0003】
また、解繊糸を製造するのに使用される複合合成樹脂フィルムとして、特開平1−221507号公報(特許第2613614号)には、一層がメルトインデックス0.5〜10のポリプロピレン70〜95重量%とメルトインデックス0.5〜20のポリエチレン5〜30重量%とを混合してなるポリプロビレン層であり、他層がメルトインデックス0.5〜20のポリエチレン70〜95重量%とメルトインデックス0.5〜10のポリプロピレン5〜30重量%とを混合してなるポリエチレン層である複合合成樹脂フィルムを用いて、これをスリットした後延伸し、もしくは延伸した後スリットして延伸テープを作成し、この延伸テープを解繊して解繊糸を得る方法が示されている。
【0004】
さらに、解繊糸を製造するのに使用される複合合成樹脂フィルムとして、特開平8−267629号公報には、ポリプロピレン樹脂を主成分とする高融点樹脂層と、該ポリプロピレン樹脂よりも低融点の熱可塑性樹脂を主成分とする低融点樹脂層とを有する複合樹脂フィルムを解繊してなる解繊維(A)40〜95重量部と、ポリプロピレン樹脂よりも高融点の樹脂からなる繊維(B)60〜5重量部とを含む乾式不織布が提案されている。
【0005】
しかしながら、このような従来から知られている複合合成樹脂フィルムを解繊して得られる解繊糸は、層間剥離を起こし易く流動不良を生じることがあるという問題点があり、また複合合成樹脂フィルムそのものも、成形時の延伸で剥離することがあるという問題点があった。たとえばポリプロピレン層とポリエチレン層とからなる複合合成樹脂フィルムは、その解繊時にポリエチレン層が脱落して、いわゆる粉落ちを引き起こすことがあった。
【0006】
又、特開平3−220308号公報(特許第2828757号)には、ポリエチレン層/ポリプロピレン層/ポリエチレン層の3層フィルムを解繊して得られる解繊糸とその解繊糸集合体について記載されている。この解繊糸は、例えば使い捨ておむつの吸収体中にパルプなどと混合し熱処理して使用され、該解繊糸はおむつ吸収体が濡れた後も形状を保持する役割をする。このとき、解繊維をパルプと混合するときの分散性の良し悪しが重要であり、分散性が悪いとおむつの吸収能力、形状保持性の制御が困難な場合があるとともに、目付ムラ、厚みの不均一など製品外観に問題を生じることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、積層フィルムの層間接着性を高め、延伸性を向上させるとともに、解繊時における粉落ちをなくし、高い捲縮性を有する捲縮繊維を提供し、あわせて、該捲縮繊維からなる解繊糸集合体、それから得られる形状保持性に優れ、クッション性の良いウェブ、およびその用途を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明において、
(1)メルトフローレート(MFR)の異なる2つの樹脂を2層積層して成形されるフィルムを、解繊して得られる解繊糸からなる捲縮繊維であって、該2層のうちの一層に、高メルトフローレート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重合体を、他層に低MFRのプロピレン系重合体を用いることを特徴とする捲縮繊維が提供される。
【0009】
(2)前記2層積層して成形されるフィルムが、インフレーション法で成形されるインフレーションフィルムであって、該2層の外層側に、高メルトフローレート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重合体を、内層側に低MFRのプロピレン系重合体を用いることを特徴とする上記(1)に記載の捲縮繊維である。
【0010】
(3)前記プロピレン系重合体が、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなる群より選ばれる1種のプロピレン系重合体である上記(1)または上記(2)に記載の捲縮繊維である。
(4)前記プロピレン・エチレンブロック共重合体のエチレン単位の含有量が1.0〜15.0モル%である上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載の捲縮繊維である。
【0011】
(5)上記(1)〜上記(4)のいずれかに記載の捲縮繊維からなる解繊糸集合体が提供される。
(6)上記(5)に記載の解繊糸集合体を拡幅して得られるウェブが提供される。
【0012】
(7)上記(6)に記載のウェブからなる面状ファスナー雌材が提供される。
(8)上記(6)に記載のウェブからなる吸収性物品のセカンドシートが提供される。
(9)上記(6)に記載のウェブからなるワイパーが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る捲縮繊維は、メルトフローレート(以下、MFRと略称する。)の異なる2つ樹脂を2層積層して成形されるフィルムを、解繊して得られる解繊糸からなる。以下、この捲縮繊維について詳述する。
【0014】
MFRの異なる2つの樹脂として、本発明で用いることができるものは、プロピレン系重合体であって、一方が、相対的に高MFRのプロピレン・エチレンブロック共重合体であり、他方が相対的に低MFRのプロピレン系重合体、好ましくは、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなる群より選ばれる1種のプロピレン系重合体である。
【0015】
MFRの違いは、その差が大きいほど、大きな捲縮性を有する解繊糸が得られる。従って、好ましい捲縮繊維を得るためには、できるだけ大きなMFRの差を有する前記2つの樹脂を用いることが好ましいが、使用できるMFRの上限および下限、或いは範囲は、これらの樹脂からなる積層フィルムの成形手段および得られたフィルムの性状等により自ずと定まる。
【0016】
本発明で用いる2つの樹脂のうち、相対的に高MFRのプロピレン・エチレンブロック共重合体は、エチレン単位の含有量が好ましくは1.0〜15.0モル%、より好ましくは1.0〜10.0モル%、さらに好ましくは4.0〜8.0モル%の範囲にあるプロピレンとエチレンのブロック共重合体である。
本発明におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体は、プロピレン重合体ブロックとエチレン重合体ブロックとが必ずしも結合していなくてもよく、分子オーダーでミクロに分散混合したブレンド樹脂も含む。
【0017】
一方、相対的に低MFRのプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量が好ましくは1.0〜15.0モル%、より好ましくは5.0〜15.0モル%、さらに好ましくは7.5〜12.5モル%の範囲にあるプロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン単位の含有量が好ましくは15.0モル%以下、より好ましくは4.0〜12.0モル%の範囲にあるプロピレン・エチレンランダム共重合体からなる群より選ばれる1種のもので、これらの中では、プロピレン・エチレンブロック共重合体、またはプロピレン単独重合体が好ましく、とりわけプロピレン単独重合体では、より大きな捲縮度が得られる。
【0018】
この理由については、次のように推定される。プロピレン・エチレンブロック共重合体と、それに比べて熱変形温度(あるいは融点または軟化点)の比較的高いプロピレン単独重合体を積層した場合、溶融成形後の冷却過程において結晶化速度の違いにより、その解繊糸に大きな捲縮性が発現する。
【0019】
本発明においては、2つのプロピレン系重合体の間に、上記の様なMFRの差、ないしは融点或いは結晶化温度等の差を有していても、2層フィルムの成形性に優れる点で、前記の2層積層されて成形されるフィルムが、インフレーション法で成形されるインフレーションフィルムであることが好ましい。
【0020】
インフレーション法で2層を積層して成形する場合においては、例えば、高MFRのプロピレン・エチレンブロック共重合体のMFR(ASTM D1238準拠、温度230℃荷重2.16kgにより測定)は、通常2.0〜10.0g/10分、好ましくは2.0〜8.5g/10分、さらに好ましくは4.0〜6.5g/10分である。また、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、2.5〜6.5の範囲にあることが延伸性、解繊性の点から望ましい。なお、MwおよびMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって公知の方法に従い定法によって求めることができる。
【0021】
融点は特に限定されないが、低MFRのプロピレン系重合体と積層フィルムを成形するに支障のない範囲の温度で溶融できるものであることが必要であり、通常100〜125℃のものが用いられる。
【0022】
それに対して、低MFRのプロピレン系重合体のMFR(ASTM D1238準拠、温度230℃荷重2.16kgにより測定)としては、通常0.1〜3.0g/10分、好ましくは0.2〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.3〜0.7g/10分である。そして、両者のMFRの差は、1.8〜7.5g/10分が好ましく、さらには3.7〜5.8g/10分であることが好ましい。
【0023】
また、低MFRのプロピレン系重合体のMw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、2.5〜6.5の範囲にあることが、成膜性、延伸性、解繊性の点から望ましい。融点は特に限定されず、高MFRのプロピレン系重合体と積層フィルムを成形するに支障のない範囲の温度で溶融できるものであることが必要であり、通常100〜125℃のものが用いられる。
【0024】
このような2つの樹脂を用いて、2層積層してフィルムを成形すると、層間接着性に優れ、続く次の延伸操作において延伸性を向上させることができ、成膜性、成形性、延伸性、解繊性に優れた積層フィルムを成形することができる。
【0025】
インフレーション法では、まず、両方の樹脂を異なる2つの押出機により溶融し、内層側(チューブ状フィルムの内側)に低MFRの重合体を、外層側(チューブ状フィルムの外側)に高MFRの樹脂を、多層フィルム用ダイから押出して、例えば、膨比1.5〜2.5、ドラフト比25〜100の条件下で2層積層フィルム(チューブ状フィルム)を成形する。
【0026】
この時、積層する重合体の組み合わせによっては、積層時に一方の樹脂が、他方の樹脂層へ混入し、互いの樹脂が混在した2層フィルムとなることがある。混入する樹脂の割合は、通常、10重量%以下であり、このような2層フィルムであっても、解繊することにより本発明の目的とする捲縮繊維が得られる。
従って、このような2層フィルムを解繊して得られる捲縮繊維も、本発明に包含される。
【0027】
次いで、このフィルムの一端を切り離して、単一の2層フィルムとして解繊処理を行う。この2層フィルムから解繊糸を製造するには、このフィルムにスリット加工を施したのち延伸して解繊を行うか、または、延伸したのちにスリット加工し延伸テープにして解繊を行う。スリット加工は、カッター等を備えた装置により、2層フィルムを細い帯状に裁断して行うことができる。
【0028】
ここで、2層フィルムの延伸は、ニップロール、クローバーロール等を用いる方法、あるいはエアーオーブン、熱板等を用いる単段または多段の連続延伸法などの常法に従って行うことができる。延伸条件としては、熱板を用いる延伸の場合、通常、90〜150℃程度で、6〜10倍程度の延伸倍率で行われる。
【0029】
延伸とスリット加工によって得られた延伸テープは、解繊処理されて、微細な網目状の構造を有する解繊糸に加工する。解繊処理は、鋸歯状に形成されたナイフエッジあるいは外周面に針を植設したロールを有するポーキュパイン機によって行うことができる。得られた解繊糸は、捲縮性を有する捲縮繊維であり、解繊糸集合体として得られる。解繊糸集合体は、必要に応じて、所要の長さに切断される。
【0030】
本発明の捲縮繊維は、捲縮率が通常、30〜90%、好ましくは55〜75%である。
ここで、この捲縮率は以下によって定義される値である。すなわち、成形直後の2層フィルムを解繊して得られる繊維サンプルを1m長さに切断し、該サンプルに初荷重として、表示テックス当たり18dyn(表示デニール当たり2mgf)をかけたときの長さa[mm]を測定し、次いでこれに荷重、表示テックス当たり441dyn(表示デニール当たり50mgf)をかけたときの長さb[mm]を測定する。全荷重を除いて2分間放置後、同様の操作による測定を行う。この操作を20回繰り返し、次式によって算出した捲縮率の平均値を該繊維の捲縮率とした。
捲縮率(%)={(b−a)/b}×100
【0031】
本発明の捲縮繊維を構成する解繊糸は、通常、繊度10〜50デニール程度の幹繊維と、繊度0.5〜10デニールの枝繊維とを有する微細な網目構造を有するフィブリル構造を有するものである。この幹繊維の大きさが、枝繊維の繊維径に比べて大きいほど解繊性は良い。
これをカーディング装置等によりウェブとすることができる。
【0032】
本発明に係る捲縮繊維の製造について、図に基づいて説明する。
捲縮繊維は、例えば図1に示す押出・製膜工程1、延伸工程2、解繊工程3、巻取工程4を経て得られる。
【0033】
<押出・製膜工程1>
内層側を形成する樹脂を供給する押出機11、外層側を形成する樹脂を供給する別の押出機(図1に記載せず)、および環状の多層フィルム用ダイ12を用い、内層側に低MFRのプロピレン重合体を、外層側に高MFRのエチレン・プロピレン重合体を供給し、環状のダイから押し出された円筒状の溶融膜をエアーリングで冷却する。袋状のインフレーションフィルム51の内部がエアーで加圧されたチューブは、その後ピンチロール13で折り畳まれて引き取られる。
【0034】
<延伸工程2>
スリッター21には、金属又はセラミック製のカッター刃又は青刃(NTカッターTRまたはフェザーTR剃刀の刃)が用いられる。加熱装置23は、金属製のカマボコ型のものを上下に一対組み合わせた形状のもので、この内部にスチームを通して加熱されている。そしてその表面は、スリットされたフィルムを延伸しやすいように、流れ方向にフッ素樹脂で被覆されている。
【0035】
ピンチロール13で折り畳まれたチューブ状フィルム52をある一定間隔にスリッター21を用いてスリットし、送りロール22を通して、加熱装置23の表面に沿わせて延伸ロール24へと送り込む。この際、スリットされたフィルムが2枚重ねの場合には加熱装置23の上表面に、フィルムが1枚ずつの場合には上下のいずれかに沿わせる。
加熱装置23は、スチームを用いて任意の温度にフィルムを加熱でき、延伸倍率は、送りロール22と延伸ロール24との速度比率で決まる。
【0036】
<解繊工程3>
解繊カッター31は、金属シャフトに特殊な金属製の針を多数埋め込んだ形状のロール(例えばパインカッター)を使用できる。延伸ロール24とF(フィールド)ロール32で延伸されたフィルム53をピンチし、解繊カッター31の上を通して解繊する。なお、解繊状態は解繊カッター31の食込み深さと回転数を調整して決められる。食込み深さが深過ぎると解繊切れを生じ易く、逆に浅過ぎると未解繊状態になることがある。また、回転数は速すぎると針が延伸フィルム53に食い込まず未解繊になりやすく、遅すぎると食い込みが深くなって解繊切れをおこすことがある。
【0037】
<巻取工程4>
解繊後、解繊糸の束の浮き上がりを防止するF(フィールド)ロール32から出た解繊糸54あるいは解繊糸集合体(トウ)は、最終ロール41でピンチされ、巻取機42にかけられてトラバースによる紙管及びコイル巻きにして製品とされる。親水処理が必要な場合には、F(フィールド)ロール32と最終ロール41との間に親水ロールを設けて、親水剤の塗布あるいは含浸を行う。
【0038】
この様にして得られる本発明に係る捲縮繊維は、層間接着性と延伸性に優れた積層フィルムを解繊して得られるので、粉落ち等の問題がなく、高い捲縮性を有する。その結果、それからなる解繊糸集合体(トウ)は、形状保持性に優れ、カーディング装置などにより、クッション性の良いウェブが得られる。
【0039】
本発明に係るウェブを用いて、各種の用途に応用することができる。
例えば、幹繊維と枝繊維とからなる微細な網目構造を有する捲縮解繊糸の特長を利用して、面状ファスナー雌材に応用することができる。この面状ファスナー雌材は、他の織布、不織布等に、ホットメルト接着剤、熱エンボス加工、超音波融着などの方法により接着して用いる。この面状ファスナー雌材は、使い捨ておむつのようなディスポーザブル商品用に好適で、厚みが従来のものよりも薄くて柔軟性があり、乳児の肌に対して優しくしかも安価な面状ファスナー雌材となる。
【0040】
また、衛生材などに使用される吸収性物品の、吸収材と肌に接するトップシートとの間に用いられるセカンドシートとして好適である。セカンドシートは、上述の捲縮繊維に界面活性剤塗布等の親水性処理を施してえられたウェブを、定長(20〜100mm)に切断し、解綿を経てカーディングにて積層し、ヒートセットまたはニードルパンチ等をして、トップシート、バックシートとで吸収材を包んで吸収性物品として用いられる。このセカンドシートを用いた吸収性物品は、肌触り感が良好で、液戻り感のないクッション性に優れた吸収性物品であり、生理用品、使い捨ておむつなどの衛生材に好適に用いられる。
【0041】
また、例えば、汚れ除去、ゴミ捕集用のワイパーに応用することができる。本発明の捲縮繊維を用いることにより、ごみ、ほこり等の吸着が容易で、かつ保持力に優れるワイパーが得られる。
【0042】
その他、クロス、油吸着材料等の産業資材、農業用資材等に応用することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
(実施例1)
<実験No.1〜6>
MFRが5.0g/10分であり、エチレン単位の含有量が6.0モル%、Mw/Mn=4.5、融点(DSCによる測定)110℃/165℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体(b−PPと略す。)と、MFRが0.5g/10分であり、エチレン単位の含有量が11.0モル%、Mw/Mn=4.5、融点110℃/165℃のb−PPとを別個に押出機で溶融し、表1に記載の成形条件で多層フィルム用ダイから押出して、前者を外層に後者を内層とする2層積層フィルムを成形した。これを表1の解繊条件でパインカッターにより解繊し、温度120℃で延伸処理し、捲縮繊維からなる解繊糸集合体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004447758
【0045】
【発明の効果】
本発明の多層フィルムを解繊して得られる捲縮繊維は、多層フィルムの層間接着性が良好で、延伸性が向上するとともに、解繊時における粉落ちがなく解繊性が良好であり、また高い捲縮性を有する。そのためこの捲縮繊維を使用して柔軟性、弾性回復率、吸収性能(吸収の速度、リウェット、永続性)等の品質がより優れた衛生材、吸収性物品に応用することができる。また、高い捲縮性を利用して面状ファスナー雌材や、ワイパーに応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる捲縮繊維の製造工程を示す概要図である。
【符号の説明】
1 押出・製膜工程 2 延伸工程
3 解繊工程 4 巻取工程
11 押出機 12 ダイ
13 ピンチロール
21 スリッター 22 送りロール
23 加熱装置 24 延伸ロール
31 解繊カッター 32 F(フィールド)ロール
41 最終ロール 42 巻取機
51 インフレーションフィルム 52 折り畳まれたチューブ
53 延伸フィルム 54 解繊糸

Claims (9)

  1. メルトフローレート(MFR)の異なる2つの樹脂を2層積層して成形されるフィルムを、解繊して得られる解繊糸からなる捲縮繊維であって、該2層のうちの一層に、高メルトフローレート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重合体を、他層に低MFRのプロピレン系重合体を用いることを特徴とする捲縮繊維。
  2. 前記2層積層して成形されるフィルムが、インフレーション法で成形されるインフレーションフィルムであって、該2層の外層側に、高メルトフローレート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重合体を、内層側に低MFRのプロピレン系重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載の捲縮繊維。
  3. 前記プロピレン系重合体が、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなる群より選ばれる1種のプロピレン系重合体である請求項1または2に記載の捲縮繊維。
  4. 前記プロピレン・エチレンブロック共重合体のエチレン単位の含有量が1.0〜15.0モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の捲縮繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の捲縮繊維からなる解繊糸集合体。
  6. 請求項5に記載の解繊糸集合体を拡幅して得られるウェブ。
  7. 請求項6に記載のウェブからなる面状ファスナー雌材。
  8. 請求項6に記載のウェブからなる吸収性物品のセカンドシート。
  9. 請求項6に記載のウェブからなるワイパー。
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