JP2002088581A - 捲縮繊維および解繊糸集合体並びにウェブ - Google Patents

捲縮繊維および解繊糸集合体並びにウェブ

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JP2002088581A JP2000284183A JP2000284183A JP2002088581A JP 2002088581 A JP2002088581 A JP 2002088581A JP 2000284183 A JP2000284183 A JP 2000284183A JP 2000284183 A JP2000284183 A JP 2000284183A JP 2002088581 A JP2002088581 A JP 2002088581A
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健一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層フィルムの層間接着性を高め、延伸性を
向上させるとともに、解繊時における粉落ちをなくし、
高い捲縮性を有する捲縮繊維を提供し、あわせて、該捲
縮繊維からなる解繊糸集合体、それから得られる形状保
持性に優れ、クッション性の良いウェブ、およびその用
途を提供する。 【解決手段】 捲縮繊維は、メルトフローレート(MF
R)の異なる2つの樹脂を2層積層して成形されるフィ
ルムを、解繊して得られる解繊糸からなる捲縮繊維であ
って、該2層のうちの一層に、高メルトフローレート
(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重合体
を、他層に低MFRのプロピレン系重合体を用いること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MFRの異なるプ
ロピレン系重合体の2層フィルムを解繊して得られる捲
縮繊維、それからなる解繊糸集合体並びにウェブおよび
その用途に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂物性の異なる少なくとも2種の合成
樹脂を組み合わせてなる繊維、いわゆる複合繊維が捲縮
性を示すことは知られている。この複合繊維を製造する
方法の一つに、2つの異なる性質の樹脂原料、例えばポ
リプロピレン及びポリエチレンの2層から構成される複
合合成樹脂フィルムを、延伸した後スリットして延伸テ
ープを作成し、この延伸テープを解繊して解繊糸からな
る複合繊維を製造する方法がある(特開昭62−149
905号公報)。
【0003】また、解繊糸を製造するのに使用される複
合合成樹脂フィルムとして、特開平1−221507号
公報(特許第2613614号)には、一層がメルトイ
ンデックス0.5〜10のポリプロピレン70〜95重
量%とメルトインデックス0.5〜20のポリエチレン
5〜30重量%とを混合してなるポリプロビレン層であ
り、他層がメルトインデックス0.5〜20のポリエチ
レン70〜95重量%とメルトインデックス0.5〜1
0のポリプロピレン5〜30重量%とを混合してなるポ
リエチレン層である複合合成樹脂フィルムを用いて、こ
れをスリットした後延伸し、もしくは延伸した後スリッ
トして延伸テープを作成し、この延伸テープを解繊して
解繊糸を得る方法が示されている。
【0004】さらに、解繊糸を製造するのに使用される
複合合成樹脂フィルムとして、特開平8−267629
号公報には、ポリプロピレン樹脂を主成分とする高融点
樹脂層と、該ポリプロピレン樹脂よりも低融点の熱可塑
性樹脂を主成分とする低融点樹脂層とを有する複合樹脂
フィルムを解繊してなる解繊維(A)40〜95重量部
と、ポリプロピレン樹脂よりも高融点の樹脂からなる繊
維(B)60〜5重量部とを含む乾式不織布が提案され
ている。
【0005】しかしながら、このような従来から知られ
ている複合合成樹脂フィルムを解繊して得られる解繊糸
は、層間剥離を起こし易く流動不良を生じることがある
という問題点があり、また複合合成樹脂フィルムそのも
のも、成形時の延伸で剥離することがあるという問題点
があった。たとえばポリプロピレン層とポリエチレン層
とからなる複合合成樹脂フィルムは、その解繊時にポリ
エチレン層が脱落して、いわゆる粉落ちを引き起こすこ
とがあった。
【0006】又、特開平3−220308号公報(特許
第2828757号)には、ポリエチレン層/ポリプロ
ピレン層/ポリエチレン層の3層フィルムを解繊して得
られる解繊糸とその解繊糸集合体について記載されてい
る。この解繊糸は、例えば使い捨ておむつの吸収体中に
パルプなどと混合し熱処理して使用され、該解繊糸はお
むつ吸収体が濡れた後も形状を保持する役割をする。こ
のとき、解繊維をパルプと混合するときの分散性の良し
悪しが重要であり、分散性が悪いとおむつの吸収能力、
形状保持性の制御が困難な場合があるとともに、目付ム
ラ、厚みの不均一など製品外観に問題を生じることがあ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積層フィル
ムの層間接着性を高め、延伸性を向上させるとともに、
解繊時における粉落ちをなくし、高い捲縮性を有する捲
縮繊維を提供し、あわせて、該捲縮繊維からなる解繊糸
集合体、それから得られる形状保持性に優れ、クッショ
ン性の良いウェブ、およびその用途を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において、(1)
メルトフローレート(MFR)の異なる2つの樹脂を2
層積層して成形されるフィルムを、解繊して得られる解
繊糸からなる捲縮繊維であって、該2層のうちの一層
に、高メルトフローレート(MFR)のプロピレン・エ
チレンブロック共重合体を、他層に低MFRのプロピレ
ン系重合体を用いることを特徴とする捲縮繊維が提供さ
れる。
【0009】(2)前記2層積層して成形されるフィル
ムが、インフレーション法で成形されるインフレーショ
ンフィルムであって、該2層の外層側に、高メルトフロ
ーレート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共
重合体を、内層側に低MFRのプロピレン系重合体を用
いることを特徴とする上記(1)に記載の捲縮繊維であ
る。
【0010】(3)前記プロピレン系重合体が、プロピ
レン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレ
ンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなる群
より選ばれる1種のプロピレン系重合体である上記
(1)または上記(2)に記載の捲縮繊維である。 (4)前記プロピレン・エチレンブロック共重合体のエ
チレン単位の含有量が1.0〜15.0モル%である上
記(1)〜上記(3)のいずれかに記載の捲縮繊維であ
る。
【0011】(5)上記(1)〜上記(4)のいずれか
に記載の捲縮繊維からなる解繊糸集合体が提供される。 (6)上記(5)に記載の解繊糸集合体を拡幅して得ら
れるウェブが提供される。
【0012】(7)上記(6)に記載のウェブからなる
面状ファスナー雌材が提供される。 (8)上記(6)に記載のウェブからなる吸収性物品の
セカンドシートが提供される。 (9)上記(6)に記載のウェブからなるワイパーが提
供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る捲縮繊維は、メルト
フローレート(以下、MFRと略称する。)の異なる2
つ樹脂を2層積層して成形されるフィルムを、解繊して
得られる解繊糸からなる。以下、この捲縮繊維について
詳述する。
【0014】MFRの異なる2つの樹脂として、本発明
で用いることができるものは、プロピレン系重合体であ
って、一方が、相対的に高MFRのプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体であり、他方が相対的に低MFRの
プロピレン系重合体、好ましくは、プロピレン・エチレ
ンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共
重合体、プロピレン単独重合体からなる群より選ばれる
1種のプロピレン系重合体である。
【0015】MFRの違いは、その差が大きいほど、大
きな捲縮性を有する解繊糸が得られる。従って、好まし
い捲縮繊維を得るためには、できるだけ大きなMFRの
差を有する前記2つの樹脂を用いることが好ましいが、
使用できるMFRの上限および下限、或いは範囲は、こ
れらの樹脂からなる積層フィルムの成形手段および得ら
れたフィルムの性状等により自ずと定まる。
【0016】本発明で用いる2つの樹脂のうち、相対的
に高MFRのプロピレン・エチレンブロック共重合体
は、エチレン単位の含有量が好ましくは1.0〜15.
0モル%、より好ましくは1.0〜10.0モル%、さ
らに好ましくは4.0〜8.0モル%の範囲にあるプロ
ピレンとエチレンのブロック共重合体である。本発明に
おけるプロピレン・エチレンブロック共重合体は、プロ
ピレン重合体ブロックとエチレン重合体ブロックとが必
ずしも結合していなくてもよく、分子オーダーでミクロ
に分散混合したブレンド樹脂も含む。
【0017】一方、相対的に低MFRのプロピレン系重
合体は、プロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量
が好ましくは1.0〜15.0モル%、より好ましくは
5.0〜15.0モル%、さらに好ましくは7.5〜1
2.5モル%の範囲にあるプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体、エチレン単位の含有量が好ましくは15.
0モル%以下、より好ましくは4.0〜12.0モル%
の範囲にあるプロピレン・エチレンランダム共重合体か
らなる群より選ばれる1種のもので、これらの中では、
プロピレン・エチレンブロック共重合体、またはプロピ
レン単独重合体が好ましく、とりわけプロピレン単独重
合体では、より大きな捲縮度が得られる。
【0018】この理由については、次のように推定され
る。プロピレン・エチレンブロック共重合体と、それに
比べて熱変形温度(あるいは融点または軟化点)の比較
的高いプロピレン単独重合体を積層した場合、溶融成形
後の冷却過程において結晶化速度の違いにより、その解
繊糸に大きな捲縮性が発現する。
【0019】本発明においては、2つのプロピレン系重
合体の間に、上記の様なMFRの差、ないしは融点或い
は結晶化温度等の差を有していても、2層フィルムの成
形性に優れる点で、前記の2層積層されて成形されるフ
ィルムが、インフレーション法で成形されるインフレー
ションフィルムであることが好ましい。
【0020】インフレーション法で2層を積層して成形
する場合においては、例えば、高MFRのプロピレン・
エチレンブロック共重合体のMFR(ASTM D1238準拠、
温度230℃荷重2.16kgにより測定)は、通常2.0〜1
0.0g/10分、好ましくは2.0〜8.5g/10分、
さらに好ましくは4.0〜6.5g/10分である。ま
た、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均
分子量)は、2.5〜6.5の範囲にあることが延伸
性、解繊性の点から望ましい。なお、MwおよびMn
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって
公知の方法に従い定法によって求めることができる。
【0021】融点は特に限定されないが、低MFRのプ
ロピレン系重合体と積層フィルムを成形するに支障のな
い範囲の温度で溶融できるものであることが必要であ
り、通常100〜125℃のものが用いられる。
【0022】それに対して、低MFRのプロピレン系重
合体のMFR(ASTM D1238準拠、温度230℃荷重2.16kg
により測定)としては、通常0.1〜3.0g/10分、
好ましくは0.2〜1.0g/10分、さらに好ましくは
0.3〜0.7g/10分である。そして、両者のMFR
の差は、1.8〜7.5g/10分が好ましく、さらには
3.7〜5.8g/10分であることが好ましい。
【0023】また、低MFRのプロピレン系重合体のM
w/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子
量)は、2.5〜6.5の範囲にあることが、成膜性、
延伸性、解繊性の点から望ましい。融点は特に限定され
ず、高MFRのプロピレン系重合体と積層フィルムを成
形するに支障のない範囲の温度で溶融できるものである
ことが必要であり、通常100〜125℃のものが用い
られる。
【0024】このような2つの樹脂を用いて、2層積層
してフィルムを成形すると、層間接着性に優れ、続く次
の延伸操作において延伸性を向上させることができ、成
膜性、成形性、延伸性、解繊性に優れた積層フィルムを
成形することができる。
【0025】インフレーション法では、まず、両方の樹
脂を異なる2つの押出機により溶融し、内層側(チュー
ブ状フィルムの内側)に低MFRの重合体を、外層側
(チューブ状フィルムの外側)に高MFRの樹脂を、多
層フィルム用ダイから押出して、例えば、膨比1.5〜
2.5、ドラフト比25〜100の条件下で2層積層フ
ィルム(チューブ状フィルム)を成形する。
【0026】この時、積層する重合体の組み合わせによ
っては、積層時に一方の樹脂が、他方の樹脂層へ混入
し、互いの樹脂が混在した2層フィルムとなることがあ
る。混入する樹脂の割合は、通常、10重量%以下であ
り、このような2層フィルムであっても、解繊すること
により本発明の目的とする捲縮繊維が得られる。従っ
て、このような2層フィルムを解繊して得られる捲縮繊
維も、本発明に包含される。
【0027】次いで、このフィルムの一端を切り離し
て、単一の2層フィルムとして解繊処理を行う。この2
層フィルムから解繊糸を製造するには、このフィルムに
スリット加工を施したのち延伸して解繊を行うか、また
は、延伸したのちにスリット加工し延伸テープにして解
繊を行う。スリット加工は、カッター等を備えた装置に
より、2層フィルムを細い帯状に裁断して行うことがで
きる。
【0028】ここで、2層フィルムの延伸は、ニップロ
ール、クローバーロール等を用いる方法、あるいはエア
ーオーブン、熱板等を用いる単段または多段の連続延伸
法などの常法に従って行うことができる。延伸条件とし
ては、熱板を用いる延伸の場合、通常、90〜150℃
程度で、6〜10倍程度の延伸倍率で行われる。
【0029】延伸とスリット加工によって得られた延伸
テープは、解繊処理されて、微細な網目状の構造を有す
る解繊糸に加工する。解繊処理は、鋸歯状に形成された
ナイフエッジあるいは外周面に針を植設したロールを有
するポーキュパイン機によって行うことができる。得ら
れた解繊糸は、捲縮性を有する捲縮繊維であり、解繊糸
集合体として得られる。解繊糸集合体は、必要に応じ
て、所要の長さに切断される。
【0030】本発明の捲縮繊維は、捲縮率が通常、30
〜90%、好ましくは55〜75%である。ここで、こ
の捲縮率は以下によって定義される値である。すなわ
ち、成形直後の2層フィルムを解繊して得られる繊維サ
ンプルを1m長さに切断し、該サンプルに初荷重とし
て、表示テックス当たり18dyn(表示デニール当たり
2mgf)をかけたときの長さa[mm]を測定し、次いで
これに荷重、表示テックス当たり441dyn(表示デニ
ール当たり50mgf)をかけたときの長さb[mm]を測
定する。全荷重を除いて2分間放置後、同様の操作によ
る測定を行う。この操作を20回繰り返し、次式によっ
て算出した捲縮率の平均値を該繊維の捲縮率とした。 捲縮率(%)={(b−a)/b}×100
【0031】本発明の捲縮繊維を構成する解繊糸は、通
常、繊度10〜50デニール程度の幹繊維と、繊度0.
5〜10デニールの枝繊維とを有する微細な網目構造を
有するフィブリル構造を有するものである。この幹繊維
の大きさが、枝繊維の繊維径に比べて大きいほど解繊性
は良い。これをカーディング装置等によりウェブとする
ことができる。
【0032】本発明に係る捲縮繊維の製造について、図
に基づいて説明する。捲縮繊維は、例えば図1に示す押
出・製膜工程1、延伸工程2、解繊工程3、巻取工程4
を経て得られる。
【0033】<押出・製膜工程1>内層側を形成する樹
脂を供給する押出機11、外層側を形成する樹脂を供給
する別の押出機(図1に記載せず)、および環状の多層
フィルム用ダイ12を用い、内層側に低MFRのプロピ
レン重合体を、外層側に高MFRのエチレン・プロピレ
ン重合体を供給し、環状のダイから押し出された円筒状
の溶融膜をエアーリングで冷却する。袋状のインフレー
ションフィルム51の内部がエアーで加圧されたチュー
ブは、その後ピンチロール13で折り畳まれて引き取ら
れる。
【0034】<延伸工程2>スリッター21には、金属
又はセラミック製のカッター刃又は青刃(NTカッター
TRまたはフェザーTR剃刀の刃)が用いられる。加熱装置
23は、金属製のカマボコ型のものを上下に一対組み合
わせた形状のもので、この内部にスチームを通して加熱
されている。そしてその表面は、スリットされたフィル
ムを延伸しやすいように、流れ方向にフッ素樹脂で被覆
されている。
【0035】ピンチロール13で折り畳まれたチューブ
状フィルム52をある一定間隔にスリッター21を用い
てスリットし、送りロール22を通して、加熱装置23
の表面に沿わせて延伸ロール24へと送り込む。この
際、スリットされたフィルムが2枚重ねの場合には加熱
装置23の上表面に、フィルムが1枚ずつの場合には上
下のいずれかに沿わせる。加熱装置23は、スチームを
用いて任意の温度にフィルムを加熱でき、延伸倍率は、
送りロール22と延伸ロール24との速度比率で決ま
る。
【0036】<解繊工程3>解繊カッター31は、金属
シャフトに特殊な金属製の針を多数埋め込んだ形状のロ
ール(例えばパインカッター)を使用できる。延伸ロー
ル24とF(フィールド)ロール32で延伸されたフィ
ルム53をピンチし、解繊カッター31の上を通して解
繊する。なお、解繊状態は解繊カッター31の食込み深
さと回転数を調整して決められる。食込み深さが深過ぎ
ると解繊切れを生じ易く、逆に浅過ぎると未解繊状態に
なることがある。また、回転数は速すぎると針が延伸フ
ィルム53に食い込まず未解繊になりやすく、遅すぎる
と食い込みが深くなって解繊切れをおこすことがある。
【0037】<巻取工程4>解繊後、解繊糸の束の浮き
上がりを防止するF(フィールド)ロール32から出た
解繊糸54あるいは解繊糸集合体(トウ)は、最終ロー
ル41でピンチされ、巻取機42にかけられてトラバー
スによる紙管及びコイル巻きにして製品とされる。親水
処理が必要な場合には、F(フィールド)ロール32と
最終ロール41との間に親水ロールを設けて、親水剤の
塗布あるいは含浸を行う。
【0038】この様にして得られる本発明に係る捲縮繊
維は、層間接着性と延伸性に優れた積層フィルムを解繊
して得られるので、粉落ち等の問題がなく、高い捲縮性
を有する。その結果、それからなる解繊糸集合体(ト
ウ)は、形状保持性に優れ、カーディング装置などによ
り、クッション性の良いウェブが得られる。
【0039】本発明に係るウェブを用いて、各種の用途
に応用することができる。例えば、幹繊維と枝繊維とか
らなる微細な網目構造を有する捲縮解繊糸の特長を利用
して、面状ファスナー雌材に応用することができる。こ
の面状ファスナー雌材は、他の織布、不織布等に、ホッ
トメルト接着剤、熱エンボス加工、超音波融着などの方
法により接着して用いる。この面状ファスナー雌材は、
使い捨ておむつのようなディスポーザブル商品用に好適
で、厚みが従来のものよりも薄くて柔軟性があり、乳児
の肌に対して優しくしかも安価な面状ファスナー雌材と
なる。
【0040】また、衛生材などに使用される吸収性物品
の、吸収材と肌に接するトップシートとの間に用いられ
るセカンドシートとして好適である。セカンドシート
は、上述の捲縮繊維に界面活性剤塗布等の親水性処理を
施してえられたウェブを、定長(20〜100mm)に
切断し、解綿を経てカーディングにて積層し、ヒートセ
ットまたはニードルパンチ等をして、トップシート、バ
ックシートとで吸収材を包んで吸収性物品として用いら
れる。このセカンドシートを用いた吸収性物品は、肌触
り感が良好で、液戻り感のないクッション性に優れた吸
収性物品であり、生理用品、使い捨ておむつなどの衛生
材に好適に用いられる。
【0041】また、例えば、汚れ除去、ゴミ捕集用のワ
イパーに応用することができる。本発明の捲縮繊維を用
いることにより、ごみ、ほこり等の吸着が容易で、かつ
保持力に優れるワイパーが得られる。
【0042】その他、クロス、油吸着材料等の産業資
材、農業用資材等に応用することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 (実施例1) <実験No.1〜6>MFRが5.0g/10分であり、
エチレン単位の含有量が6.0モル%、Mw/Mn=
4.5、融点(DSCによる測定)110℃/165℃
のプロピレン・エチレンブロック共重合体(b−PPと
略す。)と、MFRが0.5g/10分であり、エチレン
単位の含有量が11.0モル%、Mw/Mn=4.5、
融点110℃/165℃のb−PPとを別個に押出機で
溶融し、表1に記載の成形条件で多層フィルム用ダイか
ら押出して、前者を外層に後者を内層とする2層積層フ
ィルムを成形した。これを表1の解繊条件でパインカッ
ターにより解繊し、温度120℃で延伸処理し、捲縮繊
維からなる解繊糸集合体を製造した。評価結果を表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の多層フィルムを解繊して得られ
る捲縮繊維は、多層フィルムの層間接着性が良好で、延
伸性が向上するとともに、解繊時における粉落ちがなく
解繊性が良好であり、また高い捲縮性を有する。そのた
めこの捲縮繊維を使用して柔軟性、弾性回復率、吸収性
能(吸収の速度、リウェット、永続性)等の品質がより
優れた衛生材、吸収性物品に応用することができる。ま
た、高い捲縮性を利用して面状ファスナー雌材や、ワイ
パーに応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる捲縮繊維の製造工程を示す概
要図である。
【符号の説明】
1 押出・製膜工程 2 延伸工
程 3 解繊工程 4 巻取工
程 11 押出機 12 ダイ 13 ピンチロール 21 スリッター 22 送り
ロール 23 加熱装置 24 延伸
ロール 31 解繊カッター 32 F
(フィールド)ロール 41 最終ロール 42 巻取
機 51 インフレーションフィルム 52 折り
畳まれたチューブ 53 延伸フィルム 54 解繊
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/15 A41B 13/02 E 4L047 D04H 1/42 A61F 13/18 303 13/02 310Z // A44B 18/00 (72)発明者 鈴木 健一 三重県四日市市朝明町1番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 本村 茂之 三重県四日市市朝明町1番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 3B029 BB02 BB07 BC02 BC07 3B074 AA02 AA08 AB01 AC00 3B100 DA00 DB02 4C003 AA16 BA02 BA08 4L041 AA28 BA02 BA09 BA59 BD07 BD11 BD20 CA42 DD01 DD03 DD15 4L047 AA14 AB05 BA03 BA07 BA13 BD02 CA06 CC03 CC14 EA02 EA10 EA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート(MFR)の異なる
    2つの樹脂を2層積層して成形されるフィルムを、解繊
    して得られる解繊糸からなる捲縮繊維であって、該2層
    のうちの一層に、高メルトフローレート(MFR)のプ
    ロピレン・エチレンブロック共重合体を、他層に低MF
    Rのプロピレン系重合体を用いることを特徴とする捲縮
    繊維。
  2. 【請求項2】 前記2層積層して成形されるフィルム
    が、インフレーション法で成形されるインフレーション
    フィルムであって、該2層の外層側に、高メルトフロー
    レート(MFR)のプロピレン・エチレンブロック共重
    合体を、内層側に低MFRのプロピレン系重合体を用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の捲縮繊維。
  3. 【請求項3】 前記プロピレン系重合体が、プロピレン
    ・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンラ
    ンダム共重合体、プロピレン単独重合体からなる群より
    選ばれる1種のプロピレン系重合体である請求項1また
    は2に記載の捲縮繊維。
  4. 【請求項4】 前記プロピレン・エチレンブロック共重
    合体のエチレン単位の含有量が1.0〜15.0モル%
    である請求項1〜3のいずれかに記載の捲縮繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の捲縮繊
    維からなる解繊糸集合体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の解繊糸集合体を拡幅し
    て得られるウェブ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のウェブからなる面状フ
    ァスナー雌材。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のウェブからなる吸収性
    物品のセカンドシート。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のウェブからなるワイパ
    ー。
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