JP2001040564A - 柔軟性不織布及びその不織布積層体 - Google Patents

柔軟性不織布及びその不織布積層体

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JP2001040564A
JP2001040564A JP11208434A JP20843499A JP2001040564A JP 2001040564 A JP2001040564 A JP 2001040564A JP 11208434 A JP11208434 A JP 11208434A JP 20843499 A JP20843499 A JP 20843499A JP 2001040564 A JP2001040564 A JP 2001040564A
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Yasuhiro Sudo
康浩 須藤
Masahiro Kishine
真佐寛 岸根
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性が良好でかつ柔軟性と伸度に優れた柔
軟性不織布、特に柔軟性に優れたスパンボンド不織布及
びこれとメルトブローン不織布との積層体からなる柔軟
性不織布積層体を提供する 【解決手段】柔軟性不織布は、ポリエチレン系樹脂から
なる芯部と、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる鞘部
とから構成される芯鞘型複合繊維から形成される。又、
柔軟性不織布積層体は、ポリエチレン系樹脂からなる芯
部と、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる鞘部とから
構成される芯鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド
不織布(S)と、結晶性ポリプロピレン系樹脂から得ら
れるメルトブローン不織布(M)をSMあるいはSMS
構造に積層させた不織布積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性不織布に関す
る。さらに詳しくは、紙おむつなどの街生材料用素材、
包装材、産業資材などに適した柔軟性不織布及び該不織
布からなる柔軟性不織布積層体に関する。
【0002】
【従来技術】不織布は通気性、柔軟性に優れているため
各種用途に用いられ、またその用途が拡大されている。
そして、その用途に応じて各種の特性が求められるとと
もに、特性の向上が要求されている。中でもスパンボン
ド不織布は、毛羽立ちが無く、しかも耐抜毛性に優れる
等の利点があり、紙おむつ等の吸収性物品の表面材とし
て使用されている。近年、風合い並びに肌への触感を改
善する要請が大きくなってきたため、従来のスパンボン
ド不織布およびこれを用いた積層不織布にも、柔軟性の
改良が望まれていた。また、紙おむつ生産時の加工性か
ら高い伸度の不織布が望まれていた。本発明者らは、優
れた柔軟性と高い伸度を有するスパンボンド不織布およ
びこれを用いた積層不織布の開発を鋭意進めた結果本発
明に到達した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、耐摩耗性
が良好でしかも柔軟性に優れかつ高い破断伸度を有する
柔軟性不織布、特に柔軟性に優れたスパンボンド不織布
及びその積層体からなる柔軟性不織布積層体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ン系重合体からなる芯部と、結晶性プロピレン系重合体
からなる鞘部とから構成される芯鞘型複合繊維から形成
される柔軟性不織布が提供される。不織布がスパンボン
ド不織布である柔軟性不織布は好ましい態様の一つであ
る。また本発明によれば、エチレン系重合体からなる芯
部と、結晶性プロピレン系重合体からなる鞘部とから構
成される芯鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド不
織布(S)と、結晶性プロピレン系重合体から得られる
メルトブローン不織布(M)とが積層された柔軟性不織
布積層体が提供される。少なくとも一つの結晶性プロピ
レン系重合体から得られるメルトブローン不織布(M)
の層の両側に、エチレン系重合体からなる芯部と、結晶
性プロピレン系重合体からなる鞘部とから構成される芯
鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド不織布(S)
の層が存在する構造である柔軟性不織布積層体は、上記
柔軟性不織布積層体の好ましい態様の一つである。さら
に本発明は、前記のスパンボンド不織布(S)と前記の
メルトブローン不織布(M)の積層を熱エンボス加工に
よる加圧・加熱処理の下に行った請求項3又は4記載の
柔軟性不織布積層体を提供する。
【0005】
【発明の実施の態様】以下、本発明の柔軟性不織布及び
その積層体について詳細に説明する。本発明の柔軟性不
織布を構成する繊維は、その芯部がエチレン系重合体で
あり、鞘部が結晶性プロピレン系重合体からなる複合繊
維であることが特徴である。
【0006】本発明の芯鞘型複合長繊維の芯を構成する
エチレン系重合体とは、エチレンの単独重合体およびエ
チレンと他のα―オレフィンとの共重合体を含む意味で
ある。α―オレフィンとしては、プロピレン、1−プテ
ン、1−ペンテン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1―オクテン等の炭素数3〜20、好ましくは
3〜8のα―オレフィンをあげることができる。これら
の単独重合体または共重合体は、1種単独でも、もしく
は2種以上を組み合わせても用いられる。また、本発明
のエチレン系重合体は、MFRは通常10〜1000g
/10分、好ましくは20〜200g/10分であるこ
とが好ましい。本発明において、ポリエチレンのMFR
は、ASTMD1238に基づいて、190℃、荷重:
2.16kgで測定される。
【0007】本発明のエチレン系重合体は、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは
通常は1.5〜4であるが、紡糸性、柔軟性および耐摩
耗性の点で1.5〜3のものがさらに好ましい。また、
本発明のエチレン系重合体は、密度が0.85〜0.9
7g/cm3であるものが好ましく、柔軟性と耐摩耗性
の点で、0.89〜0.96g/cm3であるものがよ
り好ましく、特に0.91〜0.95g/cm3である
ものが好ましい。
【0008】本発明の芯鞘型複合長繊維の鞘を構成する
結晶性プロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合
体、またはプロピレンを主成分とし、少なくとも一種の
他のα―オレフィンを含む共重合体である。他のα―オ
レフィンとしては、エチレン、1−プテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチルー1−ペ
ンテン等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8の
α―オレフィンを挙げることができる。これらの単独重
合体または共重合体は、1種単独でもしくは2種以上を
組み合わせても用いることができる。これらの中でも、
紡糸性、生産性および柔軟性の点で、プロピレンと少量
のエチレンのランダム共重合体であって、エチレンに由
来する構造単位の合有量が0.5〜5mol%であるも
のが好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡
糸ノズルからの吐き出し時および延伸中に糸切れを生じ
ず、フィラメントの融着が生じないことをいう。
【0009】本発明の結晶性プロピレン系重合体は、M
FRが通常10〜1000g/10分、好ましくは20
〜200g/10分である。該MFRは、ASTM D
1238に基づいて、230℃、荷重:2.16kgで
測定されるものである。
【0010】本発明の結晶性プロピレン系重合体は、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw
/Mnは通常は1.5〜4である。紡糸性が良好で、か
つ繊維強度に優れ、繊維径を細しやすい点で、1.5〜
3であるのが好ましい。本発明において、Mw/Mn
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)によって、通常の方法で測定されるものである。
【0011】本発明で使用される結晶性プロピレン系重
合体の結晶性については、X線回折法によって測定した
結晶化度は、繊維の紡糸性および強度の観点から、15
〜60%、好ましくは20〜50%である。
【0012】本発明において、芯鞘型複合長繊維の芯ま
たは鞘を構成するエチレン系重合体、結晶性プロピレン
系重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に
応じて、他の重合体、着色剤、耐熱安定剤、核剤、滑剤
などを含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、酸
化チタン、炭酸カルシウム等の無機系着色剤、フタロシ
アニン等の有機系着色剤などが挙げられる。耐熱安定剤
としては、例えば、BHT(2,6−ジーtert―プ
テルー4−メチルフェノール)等のフェノール系安定剤
などが挙げられる。滑剤としては、例えば、オレイン酸
アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げ
られる。
【0013】本発明では、芯鞘型複合長繊維におけるエ
チレン系重合体/結晶性プロピレン系重合体の重量構成
比は、通常は10/90〜90/10であり、好ましく
は不織布の柔軟性の観点から、70/30〜80/20
が好ましい。
【0014】本発明で用いられる芯鞘型複合長繊維の断
面積における芯と鞘の面積比は、通常、重量構成比とは
ぼ等しく、10/90〜90/10である。
【0015】本発明の不織布において、この芯鞘型複合
繊維の繊度は通常は、5d以下であり、より柔軟性に優
れた不織布が得られる点で、好ましくは3d以下であ
る。本発明における芯鞘型の複合繊維とは、繊維断面に
おいて、円形状の芯部が,芯を同じくするドーナツ状の
鞘部に包まれる同心型、芯部と鞘部の芯がずれてかつ芯
部が鞘部に包まれる偏心型、または、偏心した芯部が鞘
部に包まれていない並列型の形態を有する。
【0016】本発明の不織布の目付量は、エチレン系重
合体から形成されるスパンボンド不織布については、通
常3〜100 g/m2、好ましくは7〜30 g/m2
ある。又、結晶性プロピレン系重合体から形成されるメ
ルトブローン不織布については、通常1〜50 g/
2、好ましくは3〜30g/m2である。目付量は用途
に応じて適宜決めればよい。
【0017】本発明のエチレン系重合体から形成される
スパンボンド不織布の製造は、芯鞘型複合繊維の芯を構
成するエチレン系重合体と、鞘を構成する結晶性プロピ
レン系重合体とを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、
各溶融物を所望の芯鞘構造を形成して吐出するように構
成された複合紡糸ノズルを有する紡糸回金から吐出させ
て、芯鞘型の複合長繊維を紡出させる。紡出された複合
長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによ
って長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕
集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させた後、ニー
ドルパンチ、ウオータージェット、超音波シール等の手
段によって交絡処理する方法、あるいは熱エンボスロー
ルによる熱融着等の方法にしたがって行うことができ
る。
【0018】本発明の結晶性プロピレン系重合体から形
成されるメルトブローン不織布の製造は、従来公知の方
法を採用することができる。たとえば結晶性プロピレン
系重合体を溶融押出し、メルトプロー紡糸口金から紡糸
された繊維を、高温高速の気体によって極細繊維流とし
てブロー紡糸し、捕集装置で極細繊維ウエブとし、必要
に応じて熱融着処理することにより製造することができ
る。このメルトブローン不織布を形成する繊維の平均繊
維径は、通常1〜30μm程度であり、好ましくは2〜
10μm程度である。
【0019】エチレン系重合体からなる芯部と、結晶性
プロピレン系重合体からなる鞘部とから構成される芯鞘
型複合繊維から形成されるスパンボンド不織布(S)は
結晶性プロピレン系重合体から得られるメルトブローン
不織布(M)と積層されていてもよい。少なくとも一組
のスパンボンド不織布からなるS層であるスパンボンド
不織布層/メルトプローン不織布層のSM構造からなる
不織布積層体は優れた柔軟性を示す。SM構造が繰り返
されていてもいい。また、少なくとも一つの結晶性プロ
ピレン系重合体から得られるメルトブローン不織布
(M)の層の両側に、エチレン系重合体からなる芯部
と、結晶性プロピレン系重合体からなる鞘部とから構成
される芯鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド不織
布(S)の層が存在する構造を有する積層体であっても
いい。すなわちスパンポンド不織布層/メルトプローン
不織布層/スパンボンド不織布層のSMS構造の不織布
積層体であってもよいし、その構造が繰り返されていて
もよい。積層体の強度と柔軟性のバランスの点からは、
SMSの不織布積層体が好ましい。SMSの目付量は通
常7〜100g/m2、好ましくは10〜70g/m2
ある。さらに好ましくは、10〜50g/m2である。
【0020】本発明の柔歌性不織布積層体の製造方法
は、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布とを積
層し、両者を一体化して積層体を形成できる方法であれ
ば、いずれの方法にしたがって行ってもよく、特に制限
されない。たとえばメルトブローン法によって形成され
る繊維をスパンボンド不織布の上に直接堆積させてメル
トブローン不織布を形成した後、スパンボンド不織布と
メルトブローン不織布とを融着させる方法、スパンボン
ド不織布とメルトブローン不織布とを重ね合わせ、加熱
加圧により両不織布を融着させる方法、スパンボンド不
織布とメルトブローン不織布とを、ホットメルト接着
剤、溶剤系接着剤等の接着剤によって接着する方法等を
採用することができる。
【0021】スパンボンド不織布の上に、直接メルトブ
ローン不織布を形成する方法は、熱可塑性樹脂の溶融物
をスパンボンド不織布の表面に吹き付け、繊維を堆積さ
せるメルトブローン法によって行うことができる。この
とき、スパンボンド不織布に対して、溶融物が吹き付け
られる側の面の反対側の面は負圧にして、メルトブロー
ン法によって形成される繊維を吹き付け、堆積させると
同時に、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布を
一体化させて、スパンボンド不織布層とメルトブローン
不織布層とを有する柔軟性不織布積層体を得る。両不織
布の一体化が不十分である場合は、加熱加圧エンボスロ
ール等により十分に一体化させることができる。
【0022】熱融着によリスパンボンド不織布とメルト
ブローン不織布とを融着する方法としては、スパンボン
ド不織布とメルトブローン不織布との接触面の全面を熱
融着する方法、スパンポンド不織布とメルトブローン不
織布との接触面の一部を熱融着する方法がある。本発明
では、熱エンボス加工法によリスパンボンド不織布とメ
ルトブローン不織布とを融着することが好ましく、この
場合融着面積は、スパンボンド不織布とメルトブローン
不織布との接触面積の5〜35%、好ましくは10〜3
0%である。融着面積が前記の範囲にあると柔軟性不織
布積層体は、剥離強度と柔軟性のパランスに優れる。
【0023】接着剤によってスパンボンド不織布とメル
トブローン不織布とを接着する方法において用いられる
ホットメルト接着剤としては、たとえば酢酸ビニル系、
ポリビニルアルコール系等の樹脂系接着剤、スチレンー
ブタジエン系、スチレンーイソプレン系等のゴム系接着
剤などが挙げられる。また、溶剤系接着剤としては、た
とえばスチレンーブタジエン系、スチレンーイソプレン
系、ウレタン系等のゴム系接着剤、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル等の樹脂系の有機溶剤または水性エマルジョン接着
剤などが挙げられる。これらの接着剤の中でも、スチレ
ンーイソプレン系、スチレンーブタジエン系等のゴム系
のホットメルト接着剤が、スパンボンド不織布の特性で
ある風合いを損なわない点で好ましい
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0025】なお、以下の実施例におけるKOSHl値
および耐摩耗性の測定は、下記の方法に従って行った。 (1)KOSHI値の測定(柔軟性の評価) カトーテック(株)製のKES一FBシステムにより、
引張剪断力、圧縮、表面、曲げ試験の測定を行ない、測
定条件はニット高感度条件にて行った。上記結果をニッ
トアンダーウエアー(サマー)条件にて計測を行ないK
OSHI値とした。 KOSHI値はその数値が小さい
程、柔軟性が良いことを示す。
【0026】(2)毛羽立(ブラシ試験)の測定(耐摩
耗性の評価) JIS L1076に準拠して、流れ(MD)方向に2
5cm、横(CD)方向に20cmの不織布の試験片を
3枚採取し、ブラシアンドスポンジ形試験機の資料ホル
ダに取り付け、ブラシアンドスポンジの代わりにフェル
トに押し付け、58min-1法{rpm}の速さで5分
間摩擦する。評価は、摩擦後のサンプルの目視判定によ
り行う。目視判定の結果は、下記基準によって評点で表
した。数値が大きい程、毛羽立が少ないことを示す。 5:毛羽立ちなし 4:ほとんど毛羽立ちなし 3:やや毛羽立ちガ見られる 2:毛羽立ちがひどい 1:毛羽立ちがひどく破れが見られる
【0027】(3)破断伸度の測定 流れ(MD)方向に25cm、横(CD)方向に2.5
cmの不織布の試験片を5枚採取し、チャック間100
mm、引張速度100mm/分の条件で引張試験を実施
して、試験片が破断(荷重ゼロ)したときの伸度(%)
を5枚の試験片について測定し、平均値をその試料の破
断伸度とした。
【0028】(実験例1)芯部を構成するエチレン系重
合体として、密度が0.95g/cm3、Mw/Mnが
3、MFRが30g/10分である高密度ポリエチレン
(HDPE、PE)を用いて、又、鞘部を構成する結
晶性プロピレン系重合体として、エチレン成分含量が
4.0モル%、Mw/Mnが3、MFRが60g/10
分、結晶化度が32%、密度が0.91g/cm3のプ
ロピレン・エテレンランダム共重合体(PP)を用
い、又複合溶融紡糸を行い、芯比率が80wt%(芯部:
鞘部の重量比が80:20)である同芯の芯鞘型複合繊
維を補集面上に推積させ(構成繊維の繊度:2.5
d)、次にこれをエンボス温度80℃、90℃、100
℃、110℃で加熱加圧処理して目付量が23g/m2
であるスパンボンド不織布を得た。該不織布の毛羽立
ち、 KOSHI値の測定結果を表1の1−1〜1−4
に示す。
【0029】(実験例2)芯部を構成するエチレン系重
合体として、密度が0.92g/cm3、Mw/Mnが
2.5、MFRが30g/10分である線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE、PE)を用いた以外は実施例
1と同様にして、エンボス温度を表2に示すように変え
てスパンボンド不織布を得た。この評価結果を表1の2
−1〜2−4に示す。
【0030】(実験例3)実験例1、2に示す鞘成分の
樹脂と同じ樹脂(結晶性プロピレン系重合体)を用いた
単繊維からなるスパンボンド不織布を作成した。すなわ
ち、エチレン成分含量が4.0モル%、Mw/Mnが
3、MFRが60g/10分、結晶化度が32%、密度
が0.91g/cm3のプロピレン・エテレンランダム
共重合体(PP)を用いて溶融紡糸を行い、実施例1
と同様にして、エンボス温度を表3に示すように変えて
スパンボンド不織布を得た。この評価結果を表1の3−
1〜3−4に示す。
【0031】(実験例4)実験例1において、複合繊維
の芯部と鞘部を構成する樹脂を入れ替えた以外は、該実
施例と同様にして複合繊維を溶融紡糸し、同様にしてエ
ンボス温度を表4に示すように変えてスパンボンド不織
布を得た。この評価結果を表1の4−1〜4−5に示
す。
【表1】
【0032】(実験例5)目付量が7g/m2であるこ
と以外は実験例1と同一の条件で得たスパンボンド不織
布(S)と、エチレン成分含量が4.0モル%、Mw/
Mnが2.5、MFRが400g/10分、結晶化度が
32%、密度が0.91g/cm3のプロピレン・エチ
レンランダム共重合体(PP)を用いて得た目付量3
g/m2のメルトブローン不織布(M)を用いて、SM
Sの順にこれら不織布を重ねて、これを表4に示すよう
にフラットロール温度を80℃、90℃、100℃、1
10℃と変えて、エンボスロールで加熱加圧加工して得
られる目付量が17g/m2のSMS構造の不織布積層
体を得た。表2の5−1〜5−4にこのものの評価結果
を示す。
【0033】(実験例6)目付量が7g/m2であるこ
と以外は実験例2と同一の条件で得た樹脂が線状低密度
ポリエチレン(LLDPE)であるスパンボンド不織布
(S)と、実験例5で使用したのと同じプロピレン・エ
チレンランダム共重合体(PP)からなるメルトブロ
ーン不織布(M)を用いて、SMSの順にこれら不織布
を重ねて、これを表4に示すようにフラットロール温度
を80℃、90℃、100℃、110℃と変えて、エン
ボスロールで加熱加圧加工して得られる目付量が17g
/m2のSMS構造の不織布積層体を得た。表2の6−
1〜6−4にこのものの評価結果を示す。
【0034】(実験例7)目付量が7g/m2であるこ
と以外は実験例3と同一の条件で得た、プロピレン・エ
チレンランダム共重合体(PP)の単繊維からなるス
パンボンド不織布(S)と、実施例5で使用したのと同
じプロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)か
らなるメルトブローン不織布(M)を用いて、SMSの
順にこれら不織布を重ねて、これを表6に示すようにフ
ラットロール温度を70℃、80℃、90℃、100℃
と変えて、エンボスロールで加熱加圧加工して得られる
目付量が17g/m2のSMS構造の不織布積層体を得
た。表2の7−1〜7−4にこの不織布積層体の評価結
果を示す。
【0035】
【実験例8】実験例5に示すスパンボンド不織布におい
て、該不織布を構成する複合繊維の芯部と鞘部の樹脂を
入れ替えた以外は、該実施例と同様にしてスパンボンド
不織布(S)を得た。次に同実験例と同じメルトブロー
ン不織布(M)を用いて、同様にして目付量が17g/
2のSMS構造の不織布積層体を得た。表2の8−1
〜8−4にこの不織布積層体の評価結果を示す。
【表2】
【0036】以上の実験例から以下のことがわかった。 (1)スパンボンド不織布 目付量を23g/m2と一定にして、耐摩耗性と柔軟性
を従来の不織布と比較検討した結果次のことがわかっ
た。単繊維からなるスパンボンド不織布(実験例3)、
あるいは、芯部が結晶性プロピレン系重合体、鞘部がエ
チレン系重合体からなる芯鞘型複合繊維から形成される
スパンボンド不織布(実験例4)では、エンボス加工温
度を種種選択しても、耐摩耗性が3以上でかつ柔軟性の
指標であるKOSHI値が9.0以下である、耐摩耗性
と柔軟性が共に優れた不織布を得ることはできなかっ
た。また、耐摩耗性が3以上での破断伸度はいずれも1
00%以下であった。これに対して、芯部がエチレン系
重合体、鞘部が結晶性プロピレン系重合体からなる芯鞘
型複合繊維から形成される本発明のスパンボンド不織布
(実験例1,2)においては、エンボス加工温度の広い
範囲において、耐摩耗性が3以上でかつKOSHI値が
9.0以下の耐摩耗性と柔軟性が共に優れた不織布を得
ることができた。また、耐摩耗性が3以上での破断伸度
はいずれも100%以上と伸度の優れた不織布を得るこ
とができた。
【0037】(2)不織布積層体 スパンボンド不織布(S)の目付量を7g/m2、メル
トブローン不織布(M)の目付量を3g/m2、SMS
の不織布積層体の目付量を17g/m2と一定にして、
このSMS不織布積層体の耐摩耗性と柔軟性を従来の不
織布積層体と比較検討し以下のことがわかった。スパン
ボンド不織布(S)を構成する繊維が単繊維か芯鞘の複
合繊維かの違いによる影響については、実験例5と実験
例7のデータからわかるように、本発明の芯鞘複合繊維
からなるスパンボンド不織布(S)を使用した場合に
は、耐摩耗性が3以上でかつKOSHI値が9.5以下
の耐摩耗性と柔軟性が共に優れたSMS不織布積層体を
得ることができた。また、このときの伸度は100%以
上を有していた。単繊維からなるスパンボンド不織布
(S)を使用した場合はエンボス加工温度を種種選択し
ても達成できなかった。また、芯部が結晶性プロピレン
系重合体、鞘部がエチレン系重合体からなる芯鞘型複合
繊維から形成されるスパンボンド不織布を用いて、同様
にして得られるSMS不織布積層体((実験例8)につ
いて、エンボス加工温度を種種選択して調べたが、この
場合には耐摩耗性が3以上でかつKOSHI値が10.
0以下の耐摩耗性と柔軟性が共に優れたSMS不織布積
層体を得ることはできなかった。また、耐摩耗性が3以
上で破断伸度100%以上のSMSを得ることはできな
かった。
【0038】
【発明の効果】本発明の、エチレン系重合体からなる芯
部と、結晶性プロピレン系重合体からなる鞘部とから構
成される芯鞘型複合繊維から形成される不織布及び該不
織布からなる不織布積層体は、柔軟性と耐摩耗性が共に
優れており、また高い伸度を有している。そのため、従
来から不織布が用いられている各種の用途、たとえばメ
ディカル用途、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材
料、湿布材等の基布、包装材等の用途に好適に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK04A AK04C AK05 AK07A AK07B AK07C AK63 AK64 BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA13 DG15A DG15B DG15C DG20A DG20C EJ17 EJ39 EJ42 GB15 GB66 GB72 HB21 JA11A JA11B JA11C JK08 JK09 JK13A JK13C 4L047 AA14 AA27 AB04 BA09 BB09 CA04 CB01 CB07 CB08 CC04 CC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系重合体からなる芯部と、結晶性
    プロピレン系重合体からなる鞘部とから構成される芯鞘
    型複合繊維から形成される柔軟性不織布。
  2. 【請求項2】不織布がスパンボンド不織布である請求項
    1記載の柔軟性不織布。
  3. 【請求項3】エチレン系重合体からなる芯部と、結晶性
    プロピレン系重合体からなる鞘部とから構成される芯鞘
    型複合繊維から形成されるスパンボンド不織布(S)
    と、結晶性プロピレン系重合体から得られるメルトブロ
    ーン不織布(M)とが積層された柔軟性不織布積層体。
  4. 【請求項4】少なくとも一つの結晶性プロピレン系重合
    体から得られるメルトブローン不織布(M)の層の両側
    に、エチレン系重合体からなる芯部と、結晶性プロピレ
    ン系重合体からなる鞘部とから構成される芯鞘型複合繊
    維から形成されるスパンボンド不織布(S)の層が存在
    する構造を有する請求項3記載の柔軟性不織布積層体。
  5. 【請求項5】前記のスパンボンド不織布(S)と前記の
    メルトブローン不織布(M)の積層を熱エンボス加工に
    よる加圧・加熱処理の下に行った請求項3又は4記載の
    柔軟性不織布積層体。
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