JP2002069820A - スパンボンド不織布および吸収性物品 - Google Patents

スパンボンド不織布および吸収性物品

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JP2002069820A
JP2002069820A JP2000188726A JP2000188726A JP2002069820A JP 2002069820 A JP2002069820 A JP 2002069820A JP 2000188726 A JP2000188726 A JP 2000188726A JP 2000188726 A JP2000188726 A JP 2000188726A JP 2002069820 A JP2002069820 A JP 2002069820A
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雅英 石川
Akihiko Kurahashi
明彦 倉橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン系樹脂などからなるスパン
ボンド不織布の有する強度、剛軟性などの特性を実質的
に保持し、しかも、柔軟性、風合い、肌触り性などにす
ぐれ、特に、使い捨てオムツなどの吸収性物品用として
好適に用いることができるポリオレフィン樹脂不織布お
よびその用途の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂からなり、平均繊維
径が5〜60μm、目付が5〜200g/m2 であるス
パンボンド不織布であって、静摩擦係数が0.1〜0.
4であることを特徴とするスパンボンド不織布。たとえ
ば、不織布が滑剤(脂肪酸アミド化合物)を含有するス
パンボンド不織布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂不織布に関し、特に、柔軟性、風合い、肌触り感が良
好で、強度、剛軟性、二次加工性にすぐれ、各種の用
途、特に使い捨てオムツなどの吸収性物品用材料として
好適に用いることができるポリオレフィン樹脂からなる
スパンボンド不織布およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】スパンボンド不織布などの熱可塑性樹脂
長繊維不織布は、引張強さなどの機械的性質、剛軟性、
通気性などの特性とともに、連続紡糸、生産性にすぐれ
ることから、多くの分野で用いられてきている。これら
の長繊維不織布に用いられる熱可塑性樹脂としては、溶
融紡糸性、繊維特性などからポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂が用いられてきたが、汎用樹脂であるポリ
プロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂が
多用されるようになってきている。
【0003】これらのポリオレフィン樹脂からなる不織
布は、たとえば、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン
の単独重合体にあっても、結晶性の異なった多くの樹脂
があり、また、プロピレンとエチレン、ブテン−1など
との共重合体によって融点、強度、弾性率など各種特性
を有する樹脂が知られている。このようなポリプロピレ
ン系樹脂を用いた不織布は、結晶性の高い樹脂の場合に
は、紡糸性は良好であるが、柔軟性に劣り、風合いに問
題がある。また、結晶性や融点が低いポリプロピレン系
樹脂の場合には、柔軟性はあるが、ぬめり感があり、紡
糸時の繊維相互間、繊維と他の金属などとの摩擦抵抗が
大きくなり、紡糸性が極めて悪くなったり、吸収性物品
などの肌に触れる物品では使用感に劣るなどの問題点が
ある。
【0004】また、不織布用のポリプロピレン系樹脂と
して、最も多く用いられている、結晶性の指標である、
アイソタクチックペンタッド分率が90モル%前後であ
る樹脂の場合には、強度、剛性などの特性と共に、紡糸
性も比較的良好であるが、得られた不織布の風合い、肌
触りなどの使用感が使い捨てオムツ、生理用ナプキン、
失禁パッドなどの吸収性物品に用いられる場合には必ず
しも十分ではないと言う問題がある。
【0005】これら、ポリプロピレン系樹脂長繊維から
なるスパンボンド不織布についての各種改良が提案され
ている。たとえば、特開平8−13238号公報に
は、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)が2〜15で、アイソタクチックペ
ンタッド分率が96%以上である結晶性ポリプロピレン
樹脂100質量部と脂肪酸アミド化合物0.01〜1質
量部とを含有する繊維用ポリプロピレン樹脂組成物が開
示されている。
【0006】この公報では、高結晶性のポリプロピレン
樹脂を用いた、6倍以上の高倍率延伸による高強度繊維
の製造における延伸性と光沢を改善するために、滑剤を
添加し、延伸時のケバ立ちによる延伸不良を改良しよう
とするものである。すなわちこの提案は、ポリプロピレ
ン系樹脂不織布で多用されている結晶性の範囲とは異な
るとともに、柔軟性、風合い、肌触りが必ずしも良くな
く、不織布等の産業資材に好適に用いられるとの記載が
あるのみで、吸収性物品用としての不織布ではなく、強
度などの向上を図った特殊用途の繊維に関するものであ
る。
【0007】他方、吸収性物品などに用いる不織布とし
ての風合い、肌触り、柔軟性などを改良するために各種
方法が提案されている。まず、繊維径が数μmであると
ころのメルトブローン不織布は、風合いがソフトである
と言う利点がある。しかし、その反面、不織布強度が低
い、剛軟性が非常に低い、毛羽立ちがあり、抜け毛し易
い、紡糸時にポリマー玉が発生し易く、ザラツキ感があ
り、これが皮膚を刺激するなどの特性上の問題点や生産
性が低く高価になることから、メルトブローン不織布単
独では吸収性物品には殆ど使用されていないのが実情で
ある。
【0008】このため、メルトブローン不織布の風合い
とスパンボンド不織布の強度、剛軟性、生産性などのそ
れぞれの特徴を複合化してなる積層不織布がいろいろ提
案されている。たとえば、特開平2−88056号公
報には、積層条件を特定した積層不織布、特開平9−
143853号公報には、融点差が10℃以上の二種か
らなる複合スパンボンド不織布と融点差が10℃以上の
2種類のメルトブローン不織布を低融点の樹脂と不織布
で融着してなる積層不織布が提案されている。しかし、
この場合の風合いはメルトブローン不織布が担うわけで
あり、メルトブローン不織布の有する表面特性である、
前記した問題点は依然と解決されていない。また、複合
不織布は製造において、装置が複雑になるとともに、複
合樹脂間の融点、流動性が異なり紡糸も困難である場合
がある。
【0009】このため、強度、生産性に優れるポリプロ
ピレン系スパンボンド不織布の風合いなどを改善する方
法が要望されている。スパンボンド不織布の風合いの改
善方法としては、繊維径を細くすることがまず考えられ
る。しかし、繊維径を細くしすぎると強度が低下すると
共に、剛軟性、すなわち不織布のコシが低下し、二次加
工によって使い捨てオムツなどの吸収性物品の製造にお
いて、不織布の送り、シールなどの工程において問題と
なり自動化、高速製造が困難となり、大量、安価な製品
が得られないため、実用化が困難となる場合がある。
【0010】このため、ポリプロピレン系樹脂として、
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体を用いる方法
がある。しかし、この場合にあっても風合いはかなり改
善されるものの、これは剛軟性の低下によるものであ
り、二次加工性が低下することに変わりはない。また、
紡糸性も低下する。
【0011】また、特開平10−88459号公報で
は、オレフィン系二元共重合体及びオレフィン系三元共
重合体から選ばれた少なくとも1種の低融点または低軟
化点の樹脂を第一成分とし、結晶性熱可塑性樹脂を第二
成分とした熱融着性複合長繊維からなり、少なくとも第
一成分中に炭化水素系滑剤を含有し、前記炭化水素系滑
剤の含有率が繊維中濃度にして2〜20質量%であるこ
とを特徴とする長繊維不織布が提案されている。
【0012】すなわち、この提案は、不織布の柔軟性や
肌触りの改良のために、ポリプロピレン系樹脂として、
融点の低い軟質のプロピレンランダム共重合体を用い、
この共重合体を用いることからくる紡糸性の低下を炭化
水素系滑剤の添加により改善しようとするものである。
したがって、ポリプロピレン系樹脂、特にプロピレン単
独重合体が有する本来の耐熱性、強度、剛軟性などの特
性が失われるとともに、プロピレンランダム共重合体
に、さらに低分子量、低融点である炭化水素系滑剤を比
較的多く含有させるものであり、これらの滑剤のブリー
ドなどによる、例えば、不織布のヒートシール性、接着
性などの低下が心配される。
【0013】また、不織布として、前記特開平10−8
8459号公報記載のような、樹脂の種類、融点の異な
る2種の樹脂を芯鞘構造または並列構造の複合紡糸して
なる複合不織布が知られている。しかし、この複合繊維
不織布は熱融着性は向上するものの、低融点のポリプロ
ピレン樹脂中のコモノマーの割合が増す場合には、不織
布として表面のぬめり感があり、使い捨てオムツ、ナプ
キンなどの吸収性物品の表面材として、さらっと感が低
下し、不快感を与える場合がある。
【0014】また、特開平11−290381号公報
には、ポリプロピレン系メルトブローン不織布からなる
層とポリプロピレン系湿式不織布層からなる層とが交互
に積層された積層体の一方の表面層がポリプロピレン系
湿式不織布層からなる吸収性物品用バックシートが開示
されている。すなわち、短繊維湿式不織布の採用によ
り、表面の滑り性、液バリヤー性を確保しようとするも
のである。しかしながら、湿式不織布の繊維径は比較例
細く、剛軟性が低下し、製造方法が複雑になるとともに
二次加工性も低下する問題点がある。
【0015】特開平11−293554号公報には、
少なくとも表面層が直径10〜15μmの複合短繊維で
構成されており、不織布の摩擦係数(MIU)が0.2
5以下、単位面積当たりの反射率が1.2%以上である
熱融着不織布が開示されている。しかし、具体的に実施
例で示されているのは、芯成分としてポリエステルを、
鞘成分として高密度ポリエチレンからなる芯鞘構造を有
し、繊維径が13μm、繊維長が45mmの複合短繊維
からの不織布が開示されているのみである。
【0016】さらに、スパンボンド不織布での風合いの
改良として、特開平8−92856号公報には、エチ
レン含有量が0.5〜8質量%のプロピレン・エチレン
ブロツク共重合体を用い、表面にコブのあるフィラメン
ト群を得た後、コロナ処理し加熱ロールで熱圧着する柔
軟性、肌触り性に優れた不織布の製造方法が開示されて
いる。しかし、この方法では生産コストなどが問題であ
ると共に、最も一般的なポリプロピレン単独重合体には
適用できない大きな制限がある。
【0017】以上のように、従来のポリオレフィン樹脂
スパンボンド不織布の柔軟性、風合い、肌触り感などの
改良手法は、ポリプロピレン樹脂スパンボンド不織布そ
れ自体の特徴を保持したものではない。すなわち、生産
性よく安価に製造でき、強度、剛軟性、二次加工性に優
れるスパンボンド不織布の特長を放棄し、繊維径の細
化、柔らかい樹脂の採用、短繊維化、複合紡糸、あるい
はこれらとスパンボンド不織布との積層化などによるも
のにすぎない。したがって、特に、紡糸性、剛軟性など
の二次加工性などから、不織布としては、風合い、肌触
りなどが十分でないにも係わらず、依然としてポリプロ
ピレンスパンボンド不織布が汎用的に使用されているの
が実情である。したがって、ポリプロピレンスパンボン
ド不織布の、強度、通気性、特に剛軟性を維持して、柔
軟性、風合い、肌触り感などの問題点が改良されること
が、使い捨てオムツなどの吸収性物品の生産者、使用者
から待望されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン系樹脂スパンボンド不織布などの有する耐熱性、強
度、剛軟性などの特性を実質的に保持し、しかも、柔軟
性、風合い、肌触り性などにすぐれ、特に、使い捨てオ
ムツ、生理用ナプキンなどの吸収性物品用として好適に
用いることができるポリオレフィン樹脂不織布およびそ
の用途を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリオレ
フィン樹脂、特にポリプロピレン系樹脂スパンボンド不
織布の有する透湿性、通気性、柔軟性、強度、剛軟性、
耐熱性、二次加工性、自動化適性などの機能を生かしな
がら、紡糸性、得られた不織布の風合い、肌触り感な
ど、不織布の最終製品、特に吸収性物品において求めら
れる使用感について鋭意検討した。その結果、同一の繊
維径、同一の目付け、同一の樹脂からなるスパンボンド
不織布であっても、その摩擦特性を制御することによ
り、柔軟性、風合い、肌触りなどの使用感を大きく改善
できることを見いだし、この知見にもとづいて本発明を
完成したものである。
【0020】すなわち、本発明は、 (1) ポリオレフィン樹脂からなり、平均繊維径が5
〜60μm、目付が5〜200g/m2 であるスパンボ
ンド不織布であって、静摩擦係数が0.1〜0.4であ
ることを特徴とするスパンボンド不織布。 (2) 不織布が滑剤を含有する(1)記載のスパンボ
ンド不織布。 (3) 滑剤が脂肪酸アミド化合物であり、その含有率
が0.05〜1.0質量%である(1)または(2)記
載のスパンボンド不織布。 (4) ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン系樹脂で
ある(1)〜(3)のいずれかに記載のスパンボンド不
織布。 (5) 繊維が親水性付与処理されたものである(1)
〜(4)のいずれかに記載のスパンボンド不織布。 (6) (1)〜(5)のいずれかに記載のスパンボン
ド不織布を用いてなる吸収性物品。 (7) 吸収性物品が使い捨てオムツ、生理用ナプキン
または失禁パットである(6)記載の吸収性物品を提供
するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のポリオレフィン樹脂不織布は、スパンボン
ド不織布であって、平均繊維径が5〜60μm、目付が
5〜200g/m2 であり、静摩擦係数が0.1〜0.
4であることを特徴とするものである。本発明の不織布
は、不織布としての静摩擦係数が0.1〜0.4の範囲
を満足するものであればよく、その手段は任意であり、
各種手段の採用が考えられる。しかしながら、本発明の
スパンボンド不織布が優れた柔軟性、風合いを有するの
は長繊維同士のすべり性の向上による効果と考えられる
ので、不織布の表面部分の繊維のすべり性のみでなく、
不織布全体としての繊維のすべり性を向上させ、その結
果表面特性としての静摩擦係数が特定範囲となるもので
ある。
【0022】本発明のスパンボンド不織布の繊維径は、
5〜60μm、好ましくは5〜40μmであり、特に使
い捨てオムツなどの吸収性物品用としては、15〜30
μmである。ここで、5μm未満であると、強度、剛軟
性が十分でなく、また二次加工性が低下する場合がある
と共に、その使用分野が大きく制限されることになる。
また、60μmを超えると柔軟性が低下し、不織布とし
ての特徴が失われ、特に吸収性物品、各種衣料用などへ
の適用が困難になる場合がある。
【0023】また、本発明のスパンボンド不織布の目付
は、5〜200g/m2 、好ましくは7〜60g/
2 、特に使い捨てオムツなどの吸収性物品用としては
10〜30g/m2 の範囲である。ここで、目付が5g
/m2 未満であると、強度が十分でなく、また剛軟性
(コシ)が低く、二次加工性に劣る場合があり、また、
200g/m2 を超えると柔軟性、通気性などが低下し
不織布としての特徴が失われ用途によっては使用が困難
になる場合がある。
【0024】本発明の特徴は、このような従来公知のポ
リオレフィン樹脂からなるスパンボンド不織布におい
て、静摩擦係数が0.1〜0.4、好ましくは0.12
〜0.35である。ここで静摩擦係数が、0.1未満で
あると二次加工においてすべり過ぎにより加工性が逆に
低下すると共に、静摩擦係数の低下のために、一般的に
採用される添加剤や表面処理剤の使用量を多く必要と
し、経済性に劣ることになる場合がある。さらに、二次
加工時のヒートシール、接着剤などによる接合性が低下
する傾向となり好ましくない場合がある。また、0.4
を超えると、柔軟性、風合い、肌触りなどの使用感の改
善効果が十分でなくなる。
【0025】本発明のスパンボンド不織布は、不織布が
用いられる用途、要求性状、通気性、非透水性などを基
に、樹脂、繊維径、目付などを適宜選択/組み合わせる
ことができる。
【0026】本発明のスパンボンド不織布の静摩擦係数
の測定は、ASTM−D1894に準拠して測定するこ
とができる。具体的には、 静摩擦係数測定機:東洋精機製作所(株)製、AN型 荷重板:63.6mm×102.2mm×19.4mm
(高さ)、荷重:8.87Nの鉄板。
【0027】傾斜速度:2.7度/秒 の測定条件に基づいて、不織布の測定面同士を重ね合わ
せて、滑り角度(θ)を測定し、tan θを求め、静摩擦
係数とした。数値が小さいほど滑り性が良好である。
【0028】本発明のポリオレフィン樹脂スパンボンド
不織布としては、スパンボンド不織布であれば特に制限
はなく、各種製造方法で製造できる。また、ボンディン
グ形式としては、エンボス、カレンダー、ホットエヤー
などの熱接着、ニードルパンチ、ウォーターパンチなど
の機械的交絡などが採用できる。しかしながら、生産性
などからエンボスによる熱接着が好ましい。
【0029】本発明のスパンボンド不織布は、他の不織
布類、熱可塑性樹脂フィルム、紙などとの多層材料とす
ることもできる。しかし、多層として用いられる場合に
あっても、少なくとも片面の不織布は、0.1〜0.4
の静摩擦係数などの前記特性を満足する本発明の不織布
を用いる。なお、本発明のポリオレフィン樹脂スパンボ
ンド不織布が多層不織布に用いられる場合の他の不織布
としては、ポリオレフィン樹脂でなく、ポリアミド系樹
脂やポリエステル系樹脂からなる不織布であってもよ
い。
【0030】本発明のポリオレフィン樹脂スパンボンド
不織布に用いられるポリオレフィン樹脂としては、特に
制限はなく、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエ
チレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1などのα−オレフィンの少なく
とも一種との共重合体を挙げることができる。これらの
ポリプロピレン系樹脂としては、重合時の触媒の選択、
重合条件などから各種結晶性、分子量、分子量分布の異
なるものが、不織布に要求される性状に基づいて適宜選
択される。この選択に当たっては、不織布の強度、剛軟
性、用途などの点から検討されるが前記したように、剛
軟性、紡糸性、ぬめり感などから、プロピレンの単独重
合体、共重合比率の低いポリプロピレン共重合体の使用
が好ましい。
【0031】ここで、結晶性としては、不織布が使い捨
てオムツなどの吸収性物品用材料として用いられる場合
には、アイソタクチックペンタッド分率が88〜95モ
ル%、好ましくは89〜93モル%の範囲から選択され
る。ここで、アイソタクチックペンタッド分率(IP
F)とは、例えば、「Macromolecules」
第28巻、第16号、第5403頁(1995年)に記
載の、同位体炭素による核磁気共鳴スペクトル(13C−
NMR)を使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中
のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。
【0032】また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフロ
ーレート(MFR)〔JIS K7210に準拠、測定
温度:230℃、測定荷重:21.18N〕としては、
5〜200g/10分、好ましくは10〜100g/1
0分の範囲である。特に、吸収性物品としては、30〜
80g/10分の範囲のものが好適である。
【0033】次に、ポリエチレン系樹脂としては、エチ
レンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合
体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸などの重合性モ
ノマーとの共重合体などが挙げられる。特に、密度が、
880〜960kg/m3 、好ましくは900〜950
kg/m3 、融点が100〜140℃、好ましくは11
0〜130℃の範囲、メルトフローレート(MFR)
〔JIS K 7210に準拠、測定温度:190℃、
測定荷重:21.18N〕が、5〜60g/10分、好
ましくは10〜50g/10分の範囲の前記のエチレン
−α−オレフィン共重合体が紡糸性、融点、強度、剛軟
性の点から好ましく用いられる。
【0034】また、これらのポリプロピレン系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂は、それぞれ2種以上の混合物であっ
てもよいし、必要により、他のエチレン系樹脂、プロピ
レン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどを50質量%以
下含有するものである樹脂組成物として用いることもで
きる。
【0035】次に、本発明の特徴点である、静摩擦係数
が0.1〜0.4の範囲のスパンボンド不織布を得る手
段については、特に制限はなく、各種手段が挙げられ
る。具体的には、大きく分けて、(1)紡糸用ポリオレ
フィン樹脂に滑剤を配合して溶融紡糸する方法、(2)
紡糸後の繊維に対して表面処理する方法などを例示でき
る。
【0036】ここで、滑剤としては、特に制限はなく、
脂肪酸アミド化合物、脂肪酸化合物、パラフィンおよび
炭化水素樹脂、シリコーン系化合物、シリコーン系重合
体、フッ素系化合物、テトラフルオロエチレンとプロピ
レンの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフルオ
ロプロピレンの共重合体などのフッ素系重合体など、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。中でも脂肪酸アミ
ド化合物が好ましく用いられる。
【0037】脂肪酸アミド化合物としては、脂肪酸モノ
アミド化合物、脂肪酸ジアミド化合物、飽和脂肪酸モノ
アミド化合物、不飽和脂肪酸ジアミド化合物が挙げられ
る。具体的には、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン
酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、モンタ
ン酸アミド、N,N’−メチレン−ビス−ラウリン酸ア
ミド、N,N’−メチレン−ビス−ミリスチン酸アミ
ド、N,N’−メチレン−ビス−パルミチン酸アミド、
N,N’−メチレン−ビス−ベヘン酸アミド、N,N’
−メチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N’−メチ
レン−ビス−エルカ酸アミド、N,N’−エチレン−ビ
ス−オレイン酸アミド、N,N’−エチレン−ビス−エ
ルカ酸アミドなどが挙げられ、これらは複数組み合わせ
て用いることもできる。
【0038】これらの脂肪酸アミド化合物の中でも、不
飽和脂肪酸モノアミド化合物であるエルカ酸アミドが好
ましく用いられる。この理由は、スパンボンド不織布の
溶融紡糸時に脂肪酸アミドが不必要に表面に出ることに
よる紡糸性の低下、および後記するところの脂肪酸アミ
ド化合物を含有する不織布のエージングによって、不織
布の静摩擦係数を低下するのに適しているためである。
この脂肪酸アミド化合物の含有量は、ポリオレフィン樹
脂中において、0.05〜1質量%、好ましくは0.1
〜0.5質量%の範囲である。この含有量は、ポリオレ
フィン樹脂の種類、結晶性、MFRなどの樹脂特性、脂
肪酸アミド化合物の種類、得られる不織布の要求性状、
エージング条件等総合的に判断して決定されるものであ
る。
【0039】したがって、たとえば、プロピレンの単独
重合体で、アイソタクチックペンタッド分率が90モル
%程度、エルカ酸アミドを用いる場合には、0.1〜
0.5質量%、特に0.2〜0.4質量%の範囲が好ま
しい。この場合、エージング処理条件にもよるが、0.
2質量%未満であると、不織布の静摩擦係数を0.1〜
0.4の範囲に制御することが難しい場合があり、0.
4質量%を越えると不織布表面のエルカ酸アミドの量が
多くなり、白粉発生などの外観の悪化や熱融着性、二次
加工性の低下の原因となる場合がある。
【0040】なお、本発明のポリオレフィン樹脂スパン
ボンド不織布には、不織布の用途、特性付与などのため
に、不織布一般に用いられる公知の添加剤成分を加える
ことができる。これらの公知の添加剤成分としては、ス
テアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの中和
剤、フェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止
剤、熱安定剤、造核剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電
防止剤、難燃剤、顔料、染料、あるいはシリカ、タル
ク、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ムなどの無機粉末などが挙げられる。
【0041】本発明のポリオレフィン樹脂スパンボンド
不織布は、ポリオレフィン樹脂に所定量の脂肪酸アミド
などの滑剤と必要により添加される添加剤成分をドライ
ブレンドした混合物を溶融紡糸することによってスパン
ボンド一次不織布とされる。
【0042】ここで、スパンボンド一次不織布は、たと
えば、前記配合の原料ポリオレフィン樹脂を押出成形機
から溶融押出し、紡糸用口金から紡糸し、紡糸された繊
維をエアサッカーなどの気流牽引装置で引き取り、必要
により開繊し、気流とともに繊維をネットコンベアなど
のウエブ補集装置で補集し、必要に応じて加熱空気、加
熱ロールなどの加熱手段で部分溶着した後、巻き取る公
知の製造方法によって一次不織布を得ることができる。
【0043】なお、このポリオレフィン樹脂スパンボン
ド不織布としては、通常ポリオレフィン樹脂単独からな
る不織布であるが、繊維の外表面の少なくとも50%以
上がポリオレフィン樹脂からなる複合繊維不織布であっ
てもよい。
【0044】これらの複合繊維不織布としては、鞘成分
としてポリオレフィン樹脂、芯成分として、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂などのポリオレフィン樹脂
以外の鞘成分樹脂よりも高融点の樹脂からなる芯−鞘構
造の複合繊維、あるいは繊維の通常50質量%以上がポ
リオレフィン樹脂で、残りが他の樹脂であるサイドバイ
サイド構造の複合繊維とすることもできる。また、この
芯−鞘構造複合繊維、サイドバイサイド構造複合繊維と
しては、ポリオレフィン樹脂の中から異なった2種のポ
リオレフィン樹脂の組み合わせであってもよいことは勿
論である。
【0045】このようにして得られた、スパンボンド一
次不織布は、紡糸性にはすぐれるものの、滑剤の種類、
特に脂肪酸アミド化合物の場合には、それ自体では本発
明の不織布で特定するところの静摩擦係数を発現しない
場合がある。この場合には、本発明のポリオレフィン樹
脂スパンボン布不織布とするためには、この一次不織布
を加熱下にエージング処理することによってはじめて、
本発明で特定する静摩擦係数の範囲にすることができ
る。従来の不織布製造装置においてこのようなエージン
グ装置は組み込まれておらず、一般にエージングは行わ
れていなかったものである。
【0046】ここで、エージング処理条件は、ポリオレ
フィン樹脂の種類、結晶化度、密度、融点などの樹脂特
性、含有する脂肪酸アミド化合物の種類、融点、ポリオ
レフィン樹脂に対する溶解性などにより異なる。したが
って、不織布の原料であるポリオレフィン樹脂の特性や
滑剤としての脂肪酸アミド化合物の特性を考慮して、静
摩擦係数が0.1〜0.4の範囲、最終製品に要求され
る柔軟性、風合い、肌触りなどの要求特性を考慮して、
具体的には実験的に決定される。
【0047】たとえば、脂肪酸アミド化合物を含有する
ポリオレフィン樹脂を溶融紡糸してなるスパンボンド不
織布を、温度30〜60℃で1〜50時間程度エージン
グ処理することにより本発明のポリオレフィン樹脂スパ
ンボンド不織布が得られる。たとえば、プロピレンの単
独重合体で、アイソタクチックペンタッド分率が90モ
ル%程度、エルカ酸アミドの含有量が、0.3質量%の
場合の具体例としては下記のようなエージング処理条件
を設定できる。
【0048】エージング温度が40℃の場合、エージン
グ時間は、5〜50時間、好ましくは8〜12時間程度
である。また、エージング時間を24時間とする場合に
は、エージング温度は32〜50℃、好ましくは33〜
40℃程度である。エージング条件が前記範囲よりも穏
やかであると、静摩擦係数の低下に時間かかり過ぎ、生
産性が低下する場合がある。また、エージング条件が上
記範囲よりも厳しいと静摩擦係数が逆に高くなる場合が
あり好ましくない。
【0049】このエージング処理は通常、不織布がロー
ル状に巻かれた状態で、芯管により、整列させ、加熱空
気を循環するエージング室で行うことができる。このエ
ージングの際に、不織布がロール状に巻かれた状態であ
っても、不織布の通気性のために不織布は略均一なエー
ジング処理効果が得られる。なお、不織布を巻き取った
状態でなく、ロール間を走行させながら、ロール加熱お
よび/または加熱空気によりエージングすることもでき
る。
【0050】次に、本発明のスパンボンド不織布に静摩
擦係数を付与する別の方法は、紡糸して得られた不織布
の繊維の表面処理による方法である。この表面処理剤と
しては、たとえば、ジメチルシロキサン、メチル水素ポ
リシロキサン、脂肪酸アミド含有化合物などの溶液を用
いることができる。しかしながら、この表面処理には、
湿式処理工程、乾燥工程、不織布の厚みによっては、内
部まで処理できない場合などの問題があり、不織布の形
態、用途、静摩擦係数の範囲などによっては、前記の滑
剤の溶融混合による方法が好ましい場合が多い。
【0051】本発明のポリオレフィン樹脂からなるスパ
ンボンド不織布は、一般に疎水性であり、吸収性物品の
用途によっては、たとえば、使い捨てオムツや生理用ナ
プキンなどのトップ材としての使用の場合には、水など
が透過するだけの親水性が要求される場合がある。この
場合には、不織布を親水性付与処理することができる。
【0052】この親水性付与処理は、オゾン処理による
カルボキシル基などの親水性基の導入や親水性化合物に
よる表面処理があるが、効果の点からは親水性化合物溶
液による処理が好ましい。処理方法としては、スプレー
法、コーティング法、浸漬法などが例示できる。また、
親水性化合物としては、たとえば、ポリオキシエチレン
を含む炭素数8〜26の多価アルコールなどのアルキル
−エステル系、アルキル−エーテル系、脂肪酸アミド基
含有ポリエーテル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン
エステル誘導体、アルキルホスフェート金属塩、アルキ
ルサルフェート金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルサルフェート金属塩、アルキルスルホサクシネー
ト金属塩、グルコース環を有する糖誘導体などを例示で
きる。
【0053】本発明のポリオレフィン樹脂からなるスパ
ンボンド不織布は、このエージング処理や表面処理によ
る静摩擦係数の低下によって、ポリオレフィン樹脂自体
の有する本質的な不織布の特性はそのまま維持し、柔軟
性、風合い、肌触り感などの感触、使用感が格段に改良
される。したがって、各種吸収性物品(衛生材料など)
用材料、各種衣料材料、医療用材料、包装用材料などと
して用いることができるものである。
【0054】また、この不織布の感触に関する特性は、
不織布材料の表面での問題であり、強度、透湿度、通気
性、粉体バリヤー性、熱溶着性などの特性を改良するた
めに、脂肪酸アミド化合物を含まない一般のポリオレフ
ィン樹脂不織布、他の熱可塑性樹脂不織布、透湿性のフ
ィルム、耐水性フィルム、防水性フィルムなど他の素材
との多層材料とすることもできる。
【0055】この場合、通常は前記のエージング処理済
のポリオレフィン樹脂スパンボンド不織布が少なくとも
片面にくるように積層される。しかし、場合によって
は、他の不織布やフィルムなどと積層後にエージング処
理することも可能である。この場合の他の不織布として
は、メルトブロー不織布、短繊維不織布などが挙げられ
る。たとえば、スパンボンド不織布上にメルトブロー不
織布を紡糸し、さらにその上にスパンボンド不織布を多
段で連続的に製造するに際し、少なくとも一方のスパン
ボンド不織布用のポリオレフィン樹脂に脂肪酸アミドを
含有して多層不織布をあらかじめ製造し、ついで、この
多層不織布をエージング処理する方法が挙げられる。
【0056】ここで、ポリオレフィン樹脂以外の不織布
としては、たとえばポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、特に融点が150℃以上、特に150〜300℃
の不織布を挙げることができる。ここでポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリナフタレンテレフタレートなどのホモポリエス
テル、およびこれらを主成分単位とする他の成分を共重
合したコポリエステル、さらにはこれらの混合ポリエス
テルを挙げることができる。
【0057】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6
(ポリカプロラクタミド)、ナイロン6,6(ポリヘキ
サメチレンアジポアミド)、ナイロン6,10(ポリヘ
キサメチレンセバカミド)、ナイロン11(ポリウンデ
カンアミド)、ナイロン7(ポリ−ω−アミノヘプタン
酸)、ナイロン9(ポリ−ω−アミノノナン酸)、ナイ
ロン12(ポリラウリンアミド)などを例示できる。中
でも、ナイロン6、ナイロン6,6が好ましく用いられ
る。
【0058】この多層不織布にする積層手段としては、
熱接着、接着剤接着などの各種積層手段があるが、簡
便、安価な熱接着積層手段、特に熱エンボスロール法が
採用できる。この熱エンボスロール法は、エンボスロー
ルとフラットロールによる公知の積層装置を用いて積層
することができる。ここで、エンボスロールとしては、
各種形状のエンボスパターンを採用でき、各溶着部が連
続した格子状、独立した格子状、任意分布などがある。
また、エンボス面積率としては、5〜40%程度の範囲
である。
【0059】さらに、本発明のポリオレフィン樹脂スパ
ンボンド不織布は、他の不織布との積層に加えて、透湿
性樹脂層(フィルム)、耐水性樹脂層(フィルム)、防
水性樹脂層(フィルム)との多層材料とすることもでき
る。この場合には押出ラミネート方法、熱エンボスロー
ル法、ドライラミネート法などが採用できる。
【0060】熱エンボスロール積層条件としては、ポリ
オレフィン樹脂スパンボンド不織布の融点、他の不織布
の融点、他のフィルムなどのどちらの層をエンボス面と
するかによっても異なり、それぞれの要素を勘案して適
宜選定される。これらのエンボスパターン、エンボス面
積率、温度、圧力などは各不織布の繊維径、厚み、目
付、通気性、加工速度、さらには他の不織布、フィルム
などの融点、厚みなどによって適宜選定できる。
【0061】本発明のスパンボンド不織布は、使い捨て
オムツ、生理用ナプキンまたは失禁パットなどの吸収性
物品をはじめ、医療用、衣料用、包装用に用いられる。
【0062】
【実施例】以下、本発明のポリオレフィン樹脂からなる
スパンボンド不織布を一製造例を基に説明するが、本発
明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0063】実施例1 結晶性ポリプロピレン樹脂〔アイソタクチックペンタッ
ド分率:91モル%、MFR:60g/10分、融点:
160℃〕100質量部に、フェノール系酸化防止剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノッ
クス1010):0.035質量部、リン系酸化防止剤
(サンド社製、サンドスタブP−EPQ):0.035
質量部、中和剤(協同薬品(株)製、ステアリン酸カル
シウム0.025質量部及びエルカ酸アミド:0.3質
量部をスーパーミキサーでドライブレンドした後、65
mmφ押出成形機を用いて220℃で溶融混練し、紡糸
口金より押し出し溶融紡糸した。この場合の紡糸口金
は、口金口径:0.3mmで、巾方向:200個、押し
出し方向15個のものであった。
【0064】ついで、紡糸された繊維群はエアサッカー
に導入され牽引延伸され、吸引装置を有するベルト上に
補集され、引き続き熱エンボスロール〔140℃のエン
ボスロール/140℃のフラットロール〕に送られ部分
接着された後、紙管に巻き取って、一次スパンボンド不
織布を得た。得られた巻き取り不織布を40℃・24時
間の条件でエージング処理して本発明のポリオレフィン
樹脂スパンボンド不織布を得た。得られた不織布は、平
均繊維径:16μm、目付:20g/m2 、静摩擦係
数:0.19、剛軟度:5.3cm、肌触り:◎、風合
い:◎であった。また、紡糸は糸切れや糸の揺れも全く
見られず、安定して紡糸できた。
【0065】なお、不織布の評価は、下記に基づいて行
った。 (1)静摩擦係数 ASTM−D1894の静摩擦係数測定法に準拠して測
定した。なお、詳細は前記記載 (2)剛軟度〔タテ〕(cm) JIS L 1096(45°カンチレバー法)に準拠
して測定した。 (3)肌触り・風合い モニター20人により、肌触り・手触りによる官能試験
を行い、◎、○、△の評価を行った。
【0066】実施例2 実施例1において、エルカ酸アミドの含有量を、0.4
質量部、口金口径:0.3mm、押出速度、ベルト速度
を変更した以外は、実施例1に準じて行った。得られた
不織布は、平均繊維径:24μm、目付:20g/
2 、静摩擦係数:0.19、剛軟度:5.3cm、肌
触り:◎、風合い:◎であった。また、紡糸は糸切れや
糸の揺れも全く見られず、安定して紡糸できた。
【0067】
【発明の効果】本発明の、ポリオレフィン樹脂スパンボ
ンド不織布は、ポリオレフィン樹脂本来の特性である強
度、耐熱性、剛軟性、特に剛軟性を損なうことなく、紡
糸性にすぐれると共に、柔軟性、風合い、肌触り感など
に極めてすぐれている。したがって、使い捨てオムツ、
生理用ナプキン、失禁パットなどをはじめとする吸収性
物品(衛生用材料など)、各種医療用、各種衣料品用、
各種包装用材料として好ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 3/16 A41B 13/02 E // A61F 13/49 Fターム(参考) 3B029 BB07 4C003 BA08 4C098 AA09 CC01 CE01 CE11 DD10 DD24 4L047 AA14 AA27 AA29 AB03 AB07 BA08 BB09 CA19 CB01 CB07 CB10 CC03 CC04 DA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂からなり、平均繊維
    径が5〜60μm、目付が5〜200g/m2 であるス
    パンボンド不織布であって、静摩擦係数が0.1〜0.
    4であることを特徴とするスパンボンド不織布。
  2. 【請求項2】 不織布が滑剤を含有する請求項1記載の
    スパンボンド不織布。
  3. 【請求項3】 滑剤が脂肪酸アミド化合物であり、その
    含有率が0.05〜1.0質量%である請求項1または
    2記載のスパンボンド不織布。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン系
    樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のスパンボン
    ド不織布。
  5. 【請求項5】 繊維が親水性付与処理されたものである
    請求項1〜4のいずれかに記載のスパンボンド不織布。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の不織布
    を用いてなる吸収性物品。
  7. 【請求項7】 吸収性物品が使い捨てオムツ、生理用ナ
    プキンまたは失禁パットである請求項6記載の吸収性物
    品。
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