JP2017089070A - 不織布及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】質感が良好で、防漏性及び光透過性に優れる不織布及びその製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の不織布は、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を含有する平均繊維径1.5μm未満の繊維からなる繊維集合体を含んで構成され、該シリコーン化合物の含有量が該繊維集合体に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、好ましくはメルトブロー不織布である。本発明の不織布は、吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを具備する吸収性物品において、該裏面シートとして好適に使用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、極細繊維からなる不織布及びその製造方法に関する。
不織布の改質を目的として、構成繊維に各種添加剤を含有させることが従来行われている。例えば特許文献1には、不織布に帯電防止特性及び撥アルコール/撥水特性を付与する目的で、合成ポリマーからなる構成繊維に、表面活性基と共有結合するポリマー中心部分を含む表面改質剤を含有させることが記載されており、該表面活性基としてポリジメチルシロキサンが挙げられている。
また、溶融樹脂を高温高速の流体で牽引細化するいわゆるメルトブロー法によって製造されたメルトブロー不織布は、一般に、他の製法による不織布に比して構成繊維の繊維径が細く、それ故に柔軟性、均一性等に優れており、そうした特長を活かして種々の用途、例えば各種フィルタ等の濾過材料、電池用セパレータ、使い捨ておむつやマスク等の衛生品等に用いられている。メルトブロー不織布の製造に使用される原料樹脂としては、価格と性能とのバランスの良さ等から、ポリプロピレンが多用されている。
例えば特許文献2には、撥水性及び耐摩耗性に優れ、毛羽立ちや破れが生じにくいメルトブロー不織布として、熱可塑性樹脂100重量部に対して特定のポリシロキサン化合物を0.1〜3重量部含有する樹脂組成物を、メルトブロー法によって平均繊維径2〜5μmに繊維化したものの集合体からなる不織布が記載されており、また、該不織布の好適な用途として、該不織布の表面の触感が良好であることから、使い捨ておむつにおいて着用者の肌と接触する側の表面材用途が記載されている。
また特許文献3には、弾性及び通気性を有し、衛生品の素材として使用可能なメルトブロー不織布として、構成繊維の組成が異なる2種類のメルトブロー層の積層体を含む不織布が記載され、また、該メルトブロー層に含有可能な任意成分としてシリコーンゴム、フルオロシリコーン等が記載されている。
特表2009−523921号公報 特開平9−316767号公報 特表2013−521168号公報
メルトブロー法では、溶融樹脂を紡糸孔から紡出すると共に、その紡出された溶融樹脂に、該紡糸孔の近傍に設けられたスリット状気体吹出口から噴出された熱風を吹き付けて該溶融樹脂を牽引細化することで繊維を製造するところ、繊維径の細かい極細繊維からなるメルトブロー不織布を効率良く量産するためには、溶融樹脂に対する熱風の吹き付け量を増加することが有効である。しかしながら、熱風の吹き付け量の増加は、製造コストの高騰に繋がるおそれがあり、また、溶融樹脂の熱風吹き付けによる細径化において繊維が切断される危険性が高まるため、最終製品である不織布において歩留まりの低下や構成繊維の脱落いわゆる繊維抜け等の不都合が生じ、品質の低下を招くおそれがある。また、熱風吹き付けによる繊維化の過程で切断された繊維は、フライなどとも呼ばれる綿状の塊を形成する場合があるところ、大量のフライが製造現場の空間を浮遊する場合があり操業上好ましくない。
また、衛生品の一種である使い捨ておむつには、おむつの交換時期を知らせる目的で、尿と接触すると色の変わるホットメルト接着剤、色が流れるインク、模様が浮かび上がる印刷等のインジケーターが配置されたものがあり、着用者が着用中に排尿してインジケーターが変色した場合に、その変色をおむつの外部から目視で視認可能になされている。このようなインジケーターを備えたおむつにおいて、おむつの外面(非肌対向面)を形成する防漏材の素材には、防漏性が高いことに加えてさらに、インジケーターの視認性を確保する観点から光透過性が高いことが要望される。しかしながら、防漏性の向上の観点から防漏材の構成繊維の繊維径を細くすると、防漏材の光透過性が低下してインジケーターの視認性の低下に繋がるおそれがあり、また前述したように、不織布の製造時にフライが発生しやすくなる。繊維抜けが少なく質感が良好で、防漏性及び光透過性に優れ、インジケーターを備えた衛生品の防漏材として好適な不織布を効率良く製造し得る技術は未だ提供されていない。
従って本発明の課題は、質感が良好で、防漏性及び光透過性に優れる不織布及びその製造方法を提供することに関する。
本発明は、ポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を含有する平均繊維径1.5μm未満の繊維からなる繊維集合体を含んで構成され、該シリコーン化合物の含有量が該繊維集合体に対して0.5質量%以上10質量%以下である不織布を提供するものである。
また本発明は、吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを具備する吸収性物品であって、前記裏面シートが前記の本発明の不織布である吸収性物品を提供するものである。
また本発明は、ポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を0.5質量%以上10質量%以下含有する樹脂組成物を、メルトブロー法によって平均繊維径1.5μm未満に繊維化し捕集する工程を有する不織布の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、質感が良好で、防漏性及び光透過性に優れる不織布が提供される。本発明の不織布の製造方法によれば、フライの発生を抑制しつつ、斯かる高品質の不織布を効率良く製造することができる。また、本発明の吸収性物品は、斯かる高品質の不織布を裏面シートとして具備しているため、質感及び漏れ防止性に優れ、且つインジケーターを具備している場合はその視認性にも優れる。
本発明の不織布は、ポリオレフィンを主成分とする繊維からなる繊維集合体を含んで構成されており、通常、該繊維集合体は本発明の不織布そのものである。繊維に含有されている全樹脂成分の70質量%以上がポリオレフィンである場合、該繊維は「ポリオレフィンを主成分とする繊維」である。本発明の不織布の構成繊維におけるポリオレフィンの含有量は、該繊維の全質量に対して、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
本発明で用いるポリオレフィンとしては、メルトブロー不織布の構成繊維の素材として通常用いられている熱可塑性樹脂を特に制限なく用いることができ、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂を構成する重合性単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、及びそれらのエステル、酸無水物とを共重合したもの等を用いることもできる。
ポリオレフィンの中でも、価格と性能とのバランスの良さ等から、ポリプロピレンが特に好ましい。また、細径化のしやすさ及び不織布化した場合の防漏性の高さと溶融紡糸する際の糸切れのしにくさとのバランスの観点から、ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1000g/10min以上、さらに好ましくは1200g/10min以上、そして、好ましくは2100g/10min以下、さらに好ましくは1900g/10min以下である。MFRは、ASTM D−1238に準拠して測定される。尚、その測定条件は、230℃、荷重2.16kgである。一般に、MFRが1000g/10min以上の樹脂を主成分とする原料を用いてメルトブロー法によって不織布を製造すると、溶融紡糸の際に糸切れが発生しやすくフライ発生の頻発が懸念されるが、本発明においては、後述するように、原料樹脂にシリコーン化合物を含有することによって斯かる懸念を払拭している。
尚、本発明の不織布の構成繊維は、ポリプロピレン等のポリオレフィン以外の他の樹脂を含有していても良く、該他の樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の不織布の構成繊維において、ポリオレフィン以外の他の樹脂は、該繊維の全質量に対して好ましくは20質量%以下の量で用いられる。
本発明の不織布の主たる特徴の1つとして、構成繊維がシリコーン化合物を含有している点が挙げられる。シリコーン化合物は、前述した本発明が解決しようとする課題、即ち、1)繊維径の細い構成繊維からなる不織布の製造効率の向上、2)不織布製造時におけるフライ(溶融紡糸時における糸切れ)の発生抑制及びそれに伴う不織布の高品質化(歩留まりの向上、繊維抜けの低減)、3)不織布の防漏性及び光透過性の向上を実現するのに不可欠な成分である。不織布の構成繊維にシリコーン化合物を含有させることによって前記1)〜3)の課題が解決され得る理由は定かではないが、前記1)に関しては、繊維に含まれる樹脂の表面エネルギーがシリコーン化合物によって低下することで、溶融紡糸において繊維の細径化が容易になることによるものと推察され、また前記2)に関しては、構成繊維の表面潤滑性がシリコーン化合物によって向上することで、繊維どうしの絡まりが抑制されることによるものと推察される。
本発明の不織布で特に特徴的なのは前記3)、即ち防漏性と光透過性とを高いレベルで両立している点である。不織布の構成繊維の繊維径に関しては、一般に、防漏性の向上の観点からは細い方が好ましく、光透過性の向上の観点からは太い方が好ましい。本発明が提案する「主成分としてのポリオレフィン(好ましくはポリプロピレン)とシリコーン化合物との組み合わせ」によれば、このような二律背反の関係にある不織布の防漏性と光透過性とを高いレベルで両立することが可能となるのである。不織布の構成繊維にシリコーン化合物を適量含有させることにより、防漏性を向上させるために繊維径を1.5μm未満に細くしても充分な光透過性を発揮できることを見出したのである。
従来、射出成型、押出成形、ブロー成形等に使用されるプラスチック材料について、その表面潤滑性、粘着防止性、金属離型性、耐摩耗性、ブロッキング防止、撥水性等の向上を目的として、該プラスチック材料にシリコーン化合物を含有させることは実施されているが、斯かるプラスチック材料とは桁違いの高いMFRを有する、つまり低分子量であることが必要なメルトブロー不織布用原料樹脂に、シリコーン化合物を含有させることは、従来実施されておらず、自ずと、メルトブロー不織布にシリコーン化合物を含有させることと前記1)〜3)の課題解決との関係は、本発明者らが新規に知見したものである。一般的なプラスチック材料(従来シリコーン化合物が添加されていた樹脂)のMFRは0.1〜100g/10min程度であるのに対し、メルトブロー不織布用原料樹脂のMFRは通常500g/10minを超える。
本発明で用いるシリコーン化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリオレフィン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、シリコーンレジン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのシリコーン化合物の中でも特にポリジメチルシロキサン、ポリオレフィン変性シリコーンはポリオレフィンへの混和性と高い改質効果のため、本発明で好ましく用いられる。また、シリコーン化合物は、これとポリオレフィン等の熱可塑性樹脂とを含む、不織布構成成分のマスターペレットのハンドリング性の向上の観点から、室温(雰囲気温度25℃)で固体のもの、即ち流動性を有しないものが好ましい。同様の観点から、シリコーン化合物の重量平均分子量は、好ましくは10万以上、さらに好ましくは20万以上である。
シリコーン化合物の含有量は、本発明の不織布を構成する繊維集合体(本発明の不織布)の全質量に対して、0.5質量%以上、好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上であり、また、10質量%以下、好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。シリコーン化合物の含有量が0.5質量%未満ではこれを使用する意義に乏しく、シリコーン化合物の含有量が10質量%を超えると、不織布の強度が低下するおそれがある。
本発明の不織布の構成繊維は、該不織布に高い防漏性を付与する観点から、繊維径の細いものが好ましく、具体的には平均繊維径が1.5μm未満、好ましくは1μm未満、さらに好ましくは0.4μm以上1.0μm未満の繊維である。このような極細繊維を不織布の構成繊維として用いても、前述したように構成繊維成分としてシリコーン化合物を併用することにより、極細繊維の使用に起因する不都合の発生を回避することが可能となる。ここでいう平均繊維径は、不織布からランダムに小片サンプル5個を採取し、走査型電子顕微鏡等で視野に20〜60本の繊維が映るよう1000〜10000倍に拡大した写真を撮影し、視野内の全ての繊維について、それぞれ1回ずつカウントするよう測定し、平均値の小数点以下第一位を四捨五入し算出することで求められるものをいう。
本発明の不織布の坪量は、特に制限されないが、防漏性と光透過性とをより一層高いレベルで両立させる観点から、好ましくは2g/m2以上、さらに好ましくは4g/m2以上、そして、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以下である。
本発明の不織布は、ポリオレフィン(好ましくはポリプロピレン)を主成分とし且つシリコーン化合物を0.5〜10質量%含有する樹脂組成物を、公知の紡糸法に従って紡糸して平均繊維径1.5μm未満の繊維を得、該繊維を捕集することによって製造することができる。紡糸法としては、例えば、メルトブロー法、スパンボンド法等の溶融紡糸法;乾式カード法;フィルム解繊法等が挙げられる。特にメルトブロー法は、繊維径の細い不織布の量産に適しており、しかもメルトブロー法を採用した場合に懸念される不都合は前述した通り本発明では払拭され得るため、本発明で好ましく用いられる。即ち、本発明の不織布は好ましくはメルトブロー不織布である。
メルトブロー法は周知の通り、原料樹脂を溶融し、その溶融樹脂をメルトブロー用ダイの紡糸孔から紡出すると共に、その紡出された溶融樹脂に熱風を吹き付けてこれを牽引細化して繊維とし、該繊維を捕集することにより不織布を製造する方法である。通常、溶融樹脂に吹き付けられる熱風は、紡糸孔の近傍に設けられたスリット状気体吹出口から噴射され、また、該熱風の温度は、溶融樹脂の温度(紡糸温度)と同程度又はそれ以上とされる。繊維の捕集は例えば、繊維を所定の捕集面上に堆積させることでなされる。本発明の不織布は、前述した、ポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を0.5〜10質量%含有する樹脂組成物を原料として用い、斯かる周知のメルトブロー法を利用して製造することができる。
メルトブロー法による不織布の製造で用いる原料樹脂組成物は、例えば、ポリオレフィン等の原料樹脂及びシリコーン化合物並びに必要に応じて配合される成分を、混練してマスターペレット化し、このマスターペレットと原料樹脂とを所定の配合割合で混合することによって調製することができる。また、不織布の製造時に、原料樹脂に直接、シリコーン化合物を分散混合して調製することもできる。さらに、紡糸装置(押出機)に直接、原料樹脂及びシリコーン化合物並びに必要に応じて配合される成分を投入して調製することもできる。
メルトブロー法において溶融紡糸の際の各種条件は、原料樹脂組成物の組成、繊維の繊維径の目標値等に応じて適宜調整すれば良く特に制限されないが、不織布の構成繊維の平均繊維径を確実に1.5μm未満とする観点から、紡糸孔から紡出された溶融樹脂に吹き付ける熱風の流量は、紡糸幅1m当たり好ましくは500Nm/hr以上、さらに好ましくは900Nm/hr以上であり、また、好ましくは1700Nm/hr以下、さらに好ましくは1300Nm/hr以下である。平均繊維径1.5μm未満を実現するためには、溶融樹脂に吹き付ける熱風の流量を比較的大きくする必要があるが、そうするとフライの発生が懸念される。しかし、本発明においては、シリコーン化合物の使用によって斯かる懸念は払拭されており、熱風の流量を大きくしてもフライの発生が効果的に抑制される。
本発明の不織布は、通常の不織布と同様に使用することができ、通常の不織布が適用可能な種々の用途に適用可能であるが、特に、防漏性及び光透過性に優れるという特性が活かされる吸収性物品用途に有用であり、とりわけ、吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを具備する吸収性物品において、該裏面シートとして有用である。ここでいう「吸収性物品」は、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含し、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等が包含される。例えば、排尿を知らせる公知のインジケーターを具備する使い捨ておむつにおいて、その外面を形成する裏面シートに本発明の不織布を用いることで、該不織布の高い防漏性により、尿等の排泄液の漏れが効果的に防止されると共に、該不織布の高い光透過性により、おむつの着用中に着用者が排尿することによってインジケーターが変色した場合のその変色を、該不織布を介しておむつの外部から目視で容易に確認することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜2及び比較例1〕
下記表1に示す原料を用い、溶融紡糸装置(紡糸孔の直径0.15mm、紡糸孔のピッチ0.85mm)を用いてメルトブロー法によって、坪量10g/mの単層構造のメルトブロー不織布を製造した。溶融紡糸において、熱風の紡糸孔1個当たりの吐出量は0.2g/min、紡糸孔から紡出された溶融樹脂に吹き付ける熱風の流量は紡糸幅1m当たり800Nm/hrであった。
〔実施例3〜7及び比較例2〕
下記表1に示す原料を用い、溶融紡糸装置(紡糸孔の直径0.15mm、紡糸孔のピッチ0.85mm)を用いてメルトブロー法によって、坪量10g/mの単層構造のメルトブロー不織布を製造した。溶融紡糸において、熱風の紡糸孔1個当たりの吐出量は0.2g/min、紡糸孔から紡出された溶融樹脂に吹き付ける熱風の流量は紡糸幅1m当たり1200Nm/hrであった。
〔評価試験〕
各実施例及び比較例の不織布について、構成繊維の平均繊維径を測定すると共に、野村商事株式会社製フォーメーションテスター“FMT−MIII”を使用して平均吸光度を測定し、さらに、紡糸中のフライ発生状況、繊維抜け防止性をそれぞれ下記方法により評価した。それらの結果を下記表1に示す。構成繊維の平均繊維径は、不織布の防漏性の指標となり得、平均繊維径の値が小さいほど、不織布の防漏性が高いと評価できる。また、平均吸光度は、不織布の光透過性の指標となり得、平均吸光度の値が小さいほど、不織布の光透過性が高いと評価できる。
<紡糸中のフライ発生状況>
評価対象の不織布の製造現場を目視で観察し、空間を浮遊しているフライ(捕集されなかった繊維の綿状の塊)の数に基づいて下記評価基準に従って評価する。本評価結果は、不織布の生産性の指標となり得る。
A:フライはほとんど見られない(繊維捕集面を中心とする空間1m3当たりのフライ数5個以下)。
B:ややフライが目立つ(繊維捕集面を中心とする空間1m3当たりのフライ数6〜15個)。
C:フライが大量に発生し、不織布の連続生産が困難(繊維捕集面を中心とする空間1m3当たりのフライ数16個以上)。
<繊維抜け防止性>
評価対象の不織布の表面を手指で軽く撫でた後、その手指に付着した脱落繊維の数に基づいて下記評価基準に従って評価する。本評価結果は、不織布の質感、風合い、外観などの指標となり得る。
A:不織布表面を撫でた手指に構成繊維がほとんど付着しない。(付着繊維本数3本以下)。
B:不織布表面を撫でた手指に構成繊維がやや付着する(付着繊維本数4本以上8本以下)。
C:不織布表面を撫でた手指に構成繊維が多数付着する(付着繊維本数9本以上)。
Figure 2017089070

Claims (6)

  1. ポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を含有する平均繊維径1.5μm未満の繊維からなる繊維集合体を含んで構成され、該シリコーン化合物の含有量が該繊維集合体に対して0.5質量%以上10質量%以下である不織布。
  2. 前記ポリオレフィンがポリプロピレンを含む請求項1に記載の不織布。
  3. メルトブロー不織布である請求項1又は2に記載の不織布。
  4. 吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを具備する吸収性物品であって、前記裏面シートが請求項1〜3の何れか一項に記載の不織布である吸収性物品。
  5. ポリオレフィンを主成分とし且つシリコーン化合物を0.5質量%以上10質量%以下含有する樹脂組成物を、メルトブロー法によって平均繊維径1.5μm未満に繊維化し捕集する工程を有する不織布の製造方法。
  6. 前記ポリオレフィンがポリプロピレンを含む請求項5に記載の不織布の製造方法。
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