JPH11158766A - 不織布積層体 - Google Patents
不織布積層体Info
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- JPH11158766A JPH11158766A JP32424797A JP32424797A JPH11158766A JP H11158766 A JPH11158766 A JP H11158766A JP 32424797 A JP32424797 A JP 32424797A JP 32424797 A JP32424797 A JP 32424797A JP H11158766 A JPH11158766 A JP H11158766A
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Abstract
し、縦方向に適度な強度を有し、ヒートシール性、成形
加工性等に優れた不織布積層体を提供すること。 【解決手段】不織布積層体は、少なくとも1層の(a)ス
パンボンド不織布を加熱下に縦方向に1.2〜3.0倍
延伸してなる横伸長性スパンボンド不織布層と、少なく
とも1層の(b)伸縮性メルトブロー不織布層とからな
り、少なくとも一方の表面層が(a)横伸長性スパンボン
ド不織布層である積層体であって、前記スパンボンド不
織布が、Mw/Mnが2〜4のプロピレン系重合体と、Mw/
Mnが1.5〜4のエチレン系重合体とからなり、かつプ
ロピレン系重合体とエチレン系重合体との重量構成比
(PP/PE)が5/95〜30/70の範囲にある複
合繊維からなる。
Description
し、さらに詳しくは、通気性および柔軟性に優れ、横方
向に伸縮性を有するとともに縦方向に適度な強度を有
し、かつヒートシール性、ホットメルト塗工性、接着
性、成形加工性に優れた、紙おむつなどの衛生材料の伸
縮性部材、湿布材等の基布などに適した不織布積層体に
関する。
優れているため各種用途に用いられ、またその用途が拡
大されている。そして、その用途に応じて各種の特性が
求められるとともに、特性の向上が要求されている。た
とえば紙おむつのギャザー、生理用ナプキン等の衛生材
料の一部、湿布材の基布等に用いられる不織布は、使用
される箇所によっては通気性に優れるとともに、伸縮性
に優れることが要求され、さらに、工業的生産における
加工成形に際して適度な強度を有することが要求されて
いる。
は、熱可塑性エラストマーおよび/またはポリオレフィ
ンを含む組成物を用い、メルトブローン法によって成形
した不織布、潜在捲縮繊維からなる不織布等が知られて
いる。
は、一般的なポリオレフィンからなる不織布と比べて、
破断強度/目付量の比が小さい。そのため、所要の強度
のものを得るためには、高目付量にしなければならず、
高コストとなる。また、縦方向にも低応力で伸長性を有
し、不織布原反の巻出し時に原反の幅落ち、巻取り時の
巻物の硬さ等の問題があり、加工成形に適するものでは
なかった。一方、潜在捲縮繊維からなる伸縮性不織布に
おける伸縮性は、繊維の捲縮と伸長に伴う構造変化によ
って発現するため、その伸縮性には限界があり、小さい
ものにとどまり、また、所要の強度のものを得るために
は、ある程度高目付量のものにする必要があり、高コス
トにならざるを得なかった。
不織布として、ポリプロピレンからなる伸長性不織布と
熱可塑性エラストマーからなる伸縮性不織布とを積層し
た横方向に100%伸長のヒステリシスループの測定に
よる永久歪みが30%以下、かつ縦方向に5%伸長した
ときの引張強度が250g/25mm以上である複合不織布
を先に特願平8−165514号(特開平9−7843
5号)として提案した。
性不織布として特定のスパンボンド不織布を用いること
により、より柔軟性に優れた不織布積層体が得られるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
されたものであって、通気性および柔軟性に優れ、横方
向に伸縮性を有するとともに縦方向に適度な強度を有
し、かつヒートシール性、ホットメルト塗工性、接着
性、成形加工性に優れた不織布積層体を提供することを
目的としている。
も1層の(a)スパンボンド不織布を加熱下に縦方向に
1.2〜3.0倍延伸してなる横伸長性スパンボンド不
織布層と、少なくとも1層の(b)伸縮性メルトブロー
ン不織布層とからなり、少なくとも一方の表面層が
(a)横伸長性スパンボンド不織布層である積層体であ
って、前記スパンボンド不織布が、Mw/Mnが2〜4
のプロピレン系重合体と、Mw/Mnが1.5〜4のエ
チレン系重合体とからなり、かつプロピレン系重合体と
エチレン系重合体との重量構成比(プロピレン系重合体
/エチレン系重合体)が5/95〜30/70の範囲に
ある複合繊維からなることを特徴としている。
維としては、プロピレン系重合体からなる芯部と、エ
チレン系重合体からなる鞘部とからなる同芯の芯鞘型複
合繊維、プロピレン系重合体からなる芯部と、エチレ
ン系重合体からなる鞘部とからなる偏芯の芯鞘型複合繊
維、プロピレン系重合体と、エチレン系重合体とから
なるサイドバイサイド型(バイメタル型)複合繊維があ
る。
ピレン系重合体が、エチレン成分含量が0.5〜5モル
%のプロピレン・エチレンランダム共重合体であり、エ
チレン系重合体が密度0.88〜0.97g/cm3 のエ
チレン・α−オレフィンランダム共重合体であることが
好ましく、前記複合繊維を構成するエチレン系重合体
が、スリップ剤を0.1〜0.5重量%含有することが
好ましい。
構成する繊維が、エチレン(共)重合体、スチレン・イ
ソプレンブロック共重合体の水素化物およびスチレン・
ブタジエンブロック共重合体の水素化物から選ばれる少
なくとも1種からなることが好ましく、前記エチレン
(共)重合体としては、密度が0.86〜0.92g/
cm3 であり、Mw/Mnが1.5〜4の範囲にあるエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましい。
横方向に100%伸長のヒステリシスループの測定によ
る永久歪みがたとえば30%以下であり、100%伸長
時の引張強度が50%伸長時の引張強度のたとえば1.
2〜2.5倍である。
について具体的に説明する。本発明に係る不織布積層体
は、少なくとも1層の横伸長性スパンボンド不織布層
と、少なくとも1層の伸縮性メルトブローン不織布層と
からなり、少なくとも一方の表面層が横伸長性スパンボ
ンド不織布層である積層体である。
不織布は、Mw/Mnが2〜4のプロピレン系重合体
と、Mw/Mnが1.5〜4のエチレン系重合体とから
なり、かつプロピレン系重合体(PP)とエチレン系重
合体(PE)との重量構成比(PP/PE)が5/95
〜30/70、好ましくは10/90〜25/75、よ
り好ましくは15/85〜20/80の範囲にある複合
繊維からなる。このような複合繊維としては、プロピ
レン系重合体からなる芯部と、エチレン系重合体からな
る鞘部とからなる同芯の芯鞘型複合繊維、プロピレン
系重合体からなる芯部と、エチレン系重合体からなる鞘
部とからなる偏芯の芯鞘型複合繊維、プロピレン系重
合体と、エチレン系重合体とからなるサイドバイサイド
型複合繊維がある。なおこのうち偏芯の芯鞘型複合繊
維およびサイドバイサイド型複合繊維は捲縮繊維とな
る。
(A)は同芯の芯鞘型複合繊維の模式断面を示し、図1
(B)は偏芯の芯鞘型複合繊維の模式断面を示し、図1
(C)はサイドバイサイド型複合繊維の模式断面を示
す。
しては、メルトフローレート(MFR、ASTM D1
238に準拠して230℃で測定)が20〜100g/
10分、好ましくは30〜70g/10分の範囲にあるプロ
ピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレン、1-ブ
テン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンなどのα−オ
レフィンとのランダム共重合体が挙げられる。これらの
なかではエチレン成分含量が0.5〜5モル%のプロピ
レン・エチレンランダム共重合体が紡糸性、得られる不
織布の柔軟性の点で好ましい。
てはMFR(ASTM D1238に準拠して190℃
で測定)が20〜60g/10分、好ましくは30〜50
g/10分の範囲にあるエチレンの単独重合体(製法は、
低圧法、高圧法のいずれでも良い)またはエチレンとプ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテンなどのα−オレフィンとのランダム共重
合体が挙げられ、なかでも密度が0.88〜0.97g
/cm3 、好ましくは0.92〜0.95g/cm 3 のも
の、特に密度が前記範囲にあるエチレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体が得られる不織布の柔軟性の点で好
ましい。
を構成する複合繊維表面の大部分ないし全部がエチレン
系重合体からなるので、従来のポリプロピレンからなる
不織布に比べ柔軟性に優れる。また不織布を構成する複
合繊維が捲縮繊維であるとさらに柔軟性に優れる。
レイン酸アミド、エルカ酸アミドなどのスリップ剤を
0.1〜0.5重量%の割合で配合してもよい。エチレ
ン系重合体にスリップ剤を配合すると、得られる横伸長
性スパンボンド不織布は、耐毛羽立ち性に優れる。ま
た、本発明ではプロピレン系重合体にスリップ剤を配合
してもよい。
長性スパンボンド不織布は、従来公知の方法により得ら
れたスパンボンド不織布を加熱下、縦方向に1.2〜
3.0倍、好ましくは1.5〜2.5倍に延伸すること
により得られる。
械に不織布原反を供給する方向、すなわち、不織布原反
の流れ方向を言い、「横方向」とは、機械に不織布原反
を供給する方向に対して直角の方向、すなわち、不織布
原反の流れ方向と直角の方向を言う。
り具体的な方法としては、たとえばプロピレン系重合体
とエチレン系重合体の重量比を5/95〜20/80と
し、複合溶融紡糸法によって紡糸して、複合長繊維フィ
ラメントを製造する。次に、紡出されたフィラメントを
冷却流体により冷却し、延伸空気によってフィラメント
に張力を加えて所期の繊度とする。さらに紡糸されたフ
ィラメントを捕集ベルト上に捕集し、たとえば熱エンボ
ス処理を行ってスパンボンド不織布を得る。このスパン
ボンド不織布を形成する繊維の繊維径は、通常5〜30
μm程度であり、好ましくは10〜20μm程度であ
る。
ンド不織布を加熱下に延伸することにより得られるが、
加熱下の縦延伸処理による方法の具体的な方法として
は、たとえば国際公開:WO94/23109、特公昭
62−11106号公報等に記載の方法等に類似の方法
が挙げられる。この方法においては、幅縮みを大きくす
るために、最終延伸倍率に到達するまでの延伸行路長
(延伸処理中に速度差をつけている送出しロールと引取
りロールの間の距離)を長くするか、または多段延伸を
行う必要がある。この延伸処理において、幅縮み量は、
少なくとも60%以上となるように調整される。延伸
は、送出しロールと引取りロールの速度差を調整するこ
とによって行われ、延伸倍率が、通常1.2〜3.0倍
の範囲になるように調整される。行路長は、2.5m以
上、好ましくは5m以上であることが望ましい。延伸速
度は、幅縮み量を大きくするために、2500%/分以
下、好ましくは1500%/分以下となるように調整さ
れる。また、加熱は、オーブン、赤外線ヒーター、熱ロ
ール、熱板ヒーター等を用いて行うことができる。
スパンボンド不織布は、加工適性を損なわないために、
縦方向において低伸長であって、ある程度の強度を有す
ることが必要であり、5%伸長時の引張荷重が250g
/25mm以上、好ましくは500g/25mm以上である。こ
の横伸長性スパンボンド不織布は、メトブローン不織布
と積層する際に横伸長性スパンボンド不織布層の特性を
損なわない点で、横方向の伸長率が100%以上、好ま
しくは200%以上であり、かつ100%伸長時の引張
荷重が、最大引張強度の50%以下、好ましくは5〜2
0%の低応力性を有する不織布である。
ルトブローン不織布は、100%伸長のヒステリシスル
ープより測定される永久歪が30%以下であり、不織布
積層体に伸縮性を付与する。本発明において、100%
伸長のヒステリシスループにより測定される永久歪と
は、引張試験において、100%まで伸長させ、その直
後、同じ速度で伸長を緩和して元に戻した際、試料の長
さが、伸長前の試料の長さに対して伸びた割合を言う。
維は、前記100%伸長後の永久歪を有する伸縮性不織
布を形成できるものであれば、いずれのものでもよく、
特に制限されない。この伸縮性メルトブローン不織布を
構成する繊維の具体例としては、熱可塑性エラストマー
および/または熱可塑性ポリオレフィンで構成される繊
維が挙げられる。また、その繊維径は、通常1〜30μ
m程度であり、好ましくは5〜20μm程度である。
維の素材となる熱可塑性エラストマーとしては、例えば
スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、
エステル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、
ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー等の繊
維化が可能なものが挙げられる。
は、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン
・イソプレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体およびこれらの水素化物であ
るスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共
重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブ
ロック共重合体などが挙げられ、これらは1種単独でま
たは2種以上組合わせて用いることができる。これらの
なかでは、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体の水素化物、スチレン・イソプレン・スチレンブ
ロック共重合体の水素化物が成形性が優れるので好まし
い。
レン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1
-オクテンなどのα−オレフィンのランダムまたはブロ
ック共重合体で結晶化度が50%未満の低結晶性または
非晶性のもので、MFRが20〜100g/10分、好ま
しくは50〜80g/10分の範囲にあるものが挙げられ
る。具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合
体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、プロピレン
・1-ブテンランダム共重合体などのα−オレフィンのラ
ンダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合
体、エチレン・1-ブテンランダムブロック共重合体、プ
ロピレン・1-ブテンランダムブロック共重合体などのα
−オレフィンのブロック共重合体が挙げらる。
ばエチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法のいず
れでも良い)、α−オレフィン成分含量が10モル%以
下のエチレン・α−オレフィン共重合体などのエチレン
(共)重合体、プロピレン単独重合体、α−オレフィン
成分含量が10モル%以下のプロピレン・α−オレフィ
ン共重合体などのプロピレン(共)重合体などが挙げら
れる。これらのなかでは密度が0.86〜0.92g/
cm3 であり、Mw/Mnが1.5〜4の範囲にあるエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましい。
維は、前記熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性ポリオ
レフィンから選ばれる1種の樹脂から形成されていても
よく、また熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性ポリオ
レフィンから選ばれる2種以上の樹脂の組成物であって
もよい。その場合、熱可塑性エラストマーから選ばれる
少なくとも1種の樹脂と、熱可塑性ポリオレフィンから
選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる組成物であって
もよく、熱可塑性エラストマーから選ばれる2種以上の
樹脂からなる組成物であってもよく、熱可塑性ポリオレ
フィンから選ばれる2種以上の樹脂からなる組成物であ
ってもよい。熱可塑性エラストマーから選ばれる2種以
上の樹脂からなる組成物としては、スチレン系エラスト
マーとオレフィン系エラストマーとの組成物が挙げられ
る。
不織布の製造方法としては従来公知の方法を採用するこ
とができ、たとえば上記熱可塑性エラストマーおよび/
または熱可塑性ポリオレフィンを溶融押出し、メルトブ
ロー紡糸口金から紡糸された繊維を、高温高速の気体に
よって極細繊維流としてブロー紡糸し、捕集装置で極細
繊維ウエブとし、必要に応じて熱融着処理することによ
り製造することができる。
1層の(a)横伸長性スパンボンド不織布層と、少なく
とも1層の(b)伸縮性メルトブローン不織布層からな
る。その層構成は、少なくとも一方の表面層が(a)横
伸長性スパンボンド不織布からなる層であれば特に限定
されないが、好ましくは(a)横伸長性スパンボンド不
織布/(b)メルトブローン不織布、(a)横伸長性ス
パンボンド不織布/(b)メルトブローン不織布/
(a)横伸長性スパンボンド不織布の層構成である。な
お、(a)横伸長性スパンボンド不織布層と(b)伸縮
性メルトブローン不織布層とは、(a)横伸長性スパン
ボンド不織布層の伸長方向と(b)伸縮性メルトブロー
ン不織布層の伸縮方向とが一致するように積層される。
00%伸長のヒステリシスループの測定による永久歪み
が30%以下、好ましくは20%以下であり、100%
伸長時の引張強度が50%伸長時の引張強度の1.2〜
2.5倍、好ましくは1.5〜2倍である。
%伸長したときの引張強度が250g/25mm以上であ
る。この縦方向の引張強度は、横伸長性スパンボンド不
織布層の特性に由来する。この縦方向に強度が優れる特
性は、不織布を巻物で取り扱う際の加工適性を損なわな
いため、巻き出し、巻取り時の原反の伸び、さらに原反
の伸びによる幅落ち等を防止するために必要な特性であ
る。
スパンボンド不織布および伸縮性メルトブローン不織布
の目付量は、本発明の不織布積層体の用途、要求される
品質、経済性等に応じて適宜選択することができる。通
常、両不織布の目付量は、それぞれ15〜50g/m2
程度、好ましくは15〜30g/m2 程度である。
求される品質、貼り合わせ等に応じて適宜選択すること
ができる。通常、0.2〜2mmであり、好ましくは0.
5〜1.2mmである。また、横伸長性スパンボンド不織
布からなる伸長層と、伸縮性メルトブローン不織布から
なる伸縮層との厚さの割合は、通常、1:1〜2:1程
度である。
長性スパンボンド不織布と、伸縮性メルトブローン不織
布とを積層し、両者を一体化して横伸長性スパンボンド
不織布からなる伸長層と伸縮性メルトブローン不織布か
らなる伸縮層とを有する積層体を形成できる方法であれ
ば、いずれの方法にしたがって行ってもよく、特に制限
されない。たとえばメルトブローン法によって形成さ
れる繊維を横伸長性スパンボンド不織布の上に直接堆積
させて伸縮性メルトブローン不織布を形成した後、横伸
長性スパンボンド不織布と伸縮性メルトブローン不織布
とを融着させる方法、横伸長性スパンボンド不織布と
伸縮性メルトブローン不織布とを重ね合わせ、加熱加圧
により両不織布を融着させる方法、横伸長性スパンボ
ンド不織布と伸縮性メルトブローン不織布とを、ホット
メルト接着剤、溶剤系接着剤等の接着剤によって接着す
る方法等を採用することができる。
伸縮性メルトブローン不織布を形成する方法は、熱可塑
性エラストマーおよび/または熱可塑性ポリオレフィン
の溶融(混練)物を横伸長性スパンボンド不織布の表面
に吹き付け、繊維を堆積させるメルトブローン法によっ
て行うことができる。このとき、横伸長性スパンボンド
不織布に対して、溶融混練物が吹き付けられる側の面の
反対側の面は負圧にして、メルトブローン法によって形
成される繊維を吹き付け、堆積させると同時に、横伸長
性スパンボンド不織布とメルトブローン不織布を一体化
させて、横伸長性スパンボンド不織布からなる伸長層と
メルトブローン不織布からなる伸縮層とを有する不織布
積層体を得る。両不織布の一体化が不十分である場合
は、加熱加圧エンボスロール等により十分に一体化させ
ることができる。
布と伸縮性メルトブローン不織布とを接着する方法にお
いて用いられるホットメルト接着剤としては、たとえば
酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系等の樹脂系接着
剤、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系
等のゴム系接着剤などが挙げられる。また、溶剤系接着
剤としては、たとえばスチレン−ブタジエン系、スチレ
ン−イソプレン系、ウレタン系等のゴム系接着剤、酢酸
ビニル、塩化ビニル等の樹脂系の有機溶剤または水性エ
マルジョン接着剤などが挙げられる。これらの接着剤の
中でも、スチレン−イソプレン系、スチレン−ブタジエ
ン系等のゴム系のホットメルト接着剤が、伸長性スパン
ボンド不織布の特性である風合いを損なわない点で好ま
しい。
性に優れ、横方向に伸縮性があり、かつ縦方向に伸長性
が小さく、引張強度が大きく、しかも加工適性に優れる
ものであり、安価に製造することができる。そのため、
本発明の不織布積層体は、各種の用途に好適に用いるこ
とができる。たとえば紙おむつ、生理用ナプキン等の衛
生材料の伸縮性部材、湿布材等の基布、使い捨てカイ
ロ、ストレッチテープ、手袋、包帯、サポーター、衣料
品用のゴム紐等の用途に好適に用いることができる。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
張強度、伸度)および永久歪の測定は、下記の方法にし
たがって行った。 (1)伸長特性の測定 幅25mmの試験片を、引張試験機のチャック間距離1
00mmのチャックの間に保持し、室温下、引張速度10
0mm/分で引張試験を行った。試験は、縦方向(MD方
向)および横方向(CD方向)の2方向について行っ
た。縦方向の引張試験においては、伸び率が5%の時の
荷重を測定し、さらに破断するまで引張試験を継続し、
破断したときの荷重を最大強度として測定し、また、そ
のときの伸度を最大伸度として測定した。横方向の引張
試験においては、伸び率が5%、25%、50%、10
0%および150%であるときの荷重を、それぞれ測定
し、さらに、破断するまで引張試験を継続し、破断した
ときの荷重を最大強度として測定し、また、そのときの
伸度を最大伸度として測定した。 (2)永久歪の測定(ヒステリシスループによる測定) 幅25mmの試験片を、引張試験と同様に、引張試験機の
チャック間距離100mmのチャックの間に保持し、室温
下、引張速度100mm/分で50%または100%まで
伸長させた後、同じ速度で縮めさせ、応力が0となった
伸び率を永久歪として測定した。 (3)平均静摩擦係数(MIU)の測定 摩擦感テスター(カトーテック(株)製、KES−SE
型)を用いて、横伸長性スパンボンド不織布層表面の平
均静摩擦係数を測定した。この値は滑りやすさの度合い
を表わす。
0.90g/cm3 、MFR(ASTM D1238に準
拠して230℃で測定)が50g/10分のプロピレン・
エチレンランダム共重合体と、1-ブテン成分含量が4.
0モル%、密度が0.948g/cm3 、MFR(AST
M D1238に準拠して190℃で測定)が30g/
10分であるエチレン・1-ブテンランダム共重合体(スリ
ップ剤としてオレイン酸アミドを0.2重量%含有)と
を用い複合溶融紡糸を行なって形成した、芯部がプロピ
レン・エチレンランダム共重合体であり、鞘部がエチレ
ン・1-ブテンランダム共重合体(芯部:鞘部の重量比が
1:4)である同芯の芯鞘型複合繊維を補集面上に堆積
させ目付量が18g/m2 であるスパンボンド不織布
(構成繊維の繊度:3d、MD/CD=1500/50
0g/25mm)を製造した。このスパンボンド不織布を1
30℃の雰囲気下、延伸機にて縦に1.3倍延伸して2
8g/m2 の横伸長性スパンボンド不織布(S-1)を得
た。この横伸長性スパンボンド不織布(S-1)の横方向
の伸度は220%、100%伸長時の引張強度は10g
/25mm(最大引張強度:220g/25mm)であった。
ブロック共重合体(スチレン重合体ブロック/エチレン
・ブチレン共重合体ブロック=30/70)と、エチレ
ン・1-ブテン共重合体(MFR(190℃,2.16k
g):69g/10分、密度:0.889g/cm3 )と
を、40/60の重量比でドライブレンドして原料混合
物を調製した。この原料混合物を、成形温度260℃で
溶融混練し、得られた溶融混練物を、孔径0.38mmφ
の吐出孔を650mm幅で769個有する紡糸口金から、
吐出孔1個当り0.2g/分の吐出量で吐出するととも
に、吐出孔出口において260℃の加熱空気を、加熱空
気量/樹脂吐出量の比26で吹付けるメルトブローン法
によって、平均繊維径14μmの繊維からなる目付量3
1g/m2の伸縮性メルトブローン不織布(M-1)を製
造した。
(S-1)、伸縮性メルトブローン不織布(M-1)および
横伸長性スパンボンド不織布(S-1)をこの順序で重ね
3層とした後に、120℃に加熱した刻印面積25%の
熱エンボスロールにて線圧30kg/cm2 、速度50m/
分で3層を一体化して不織布積層体を得た。得られた不
織布積層体の伸長特性、ならびに50%伸長後および1
00%伸長後の永久歪を測定した。結果を表1に示す。
・エチレンランダム共重合体とエチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体とを用い複合溶融紡糸を行なって形成し
た、芯部がプロピレン・エチレンランダム共重合体であ
り、鞘部がエチレン・1-ブテンランダム共重合体(芯
部:鞘部の重量比が1:4)である偏芯の芯鞘型複合繊
維を補集面上に堆積させ目付量が20g/m2 であるス
パンボンド不織布(構成繊維の繊度:3d、MD/CD
=1500/500g/25mm)を製造した。このスパン
ボンド不織布を130℃の雰囲気下、延伸機にて縦に
1.4倍延伸して36g/m2 の横伸長性スパンボンド
不織布(S-2)を得た。この横伸長性スパンボンド不織
布(S-2)の横方向の伸度は280%、100%伸長時
の引張強度は10g/25mm(最大引張強度:220g/
25mm)であった。
(S-2)、実施例1で製造した伸縮性メルトブローン不
織布(M-1)および前記横伸長性スパンボンド不織布
(S-2)をこの順序で重ね3層とした後に、120℃に
加熱した刻印面積25%の熱エンボスロールにて線圧3
0kg/cm2 、速度50m/分で3層を一体化して不織布
積層体を得た。得られた不織布積層体の伸長特性、なら
びに50%伸長後および100%伸長後の永久歪を測定
した。結果を表1に示す。
・エチレンランダム共重合体とエチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体とを用い複合溶融紡糸を行なって形成し
た、プロピレン・エチレンランダム共重合体とエチレン
・1-ブテンランダム共重合体との重量比が1:3のサイ
ドバイサイド型複合繊維を補集面上に堆積させ目付量が
20g/m2 であるスパンボンド不織布(構成繊維の繊
度:3d、MD/CD=1500/500g/25mm)を
製造した。このスパンボンド不織布を130℃の雰囲気
下、延伸機にて縦に1.5倍延伸して37g/m2 の横
伸長性スパンボンド不織布(S-3)を得た。この横伸長
性スパンボンド不織布(S-3)の横方向の伸度は280
%、100%伸長時の引張強度は10g/25mm(最大引
張強度:220g/25mm)であった。
(S-3)、実施例1で製造した伸縮性メルトブローン不
織布(M-1)および前記横伸長性スパンボンド不織布
(S-3)をこの順序で重ね3層とした後に、120℃に
加熱した刻印面積25%の熱エンボスロールにて線圧3
0kg/cm2 、速度50m/分で3層を一体化して不織布
積層体を得た。得られた不織布積層体の伸長特性、なら
びに50%伸長後および100%伸長後の永久歪を測定
した。結果を表1に示す。
230℃で測定)が10g/10分のポリプロピレンを用
い溶融紡糸を行って均質繊維を補集面上に堆積させ目付
量が50g/m2 であるスパンボンド不織布(構成繊維
の繊度:3d、MD/CD=1500/500g/25m
m)を製造した。
1で製造した伸縮性メルトブローン不織布(M-1)およ
び前記スパンボンド不織布をこの順序で重ね3層とした
後に、120℃に加熱した刻印面積25%の熱エンボス
ロールにて線圧30kg/cm2、速度50m/分で熱接着
しようとしたが積層体を形成できなかった。
を示し、図1(B)は偏芯の芯鞘型複合繊維の模式断面
を示し、図1(C)はサイドバイサイド型複合繊維の模
式断面を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】少なくとも1層の(a)スパンボンド不織
布を加熱下に縦方向に1.2〜3.0倍延伸してなる横
伸長性スパンボンド不織布層と、 少なくとも1層の(b)伸縮性メルトブローン不織布層
とからなり、少なくとも一方の表面層が(a)横伸長性
スパンボンド不織布層である積層体であって、 前記スパンボンド不織布が、Mw/Mnが2〜4のプロ
ピレン系重合体と、Mw/Mnが1.5〜4のエチレン
系重合体とからなり、かつプロピレン系重合体とエチレ
ン系重合体との重量構成比(プロピレン系重合体/エチ
レン系重合体)が5/95〜30/70の範囲にある複
合繊維からなることを特徴とする不織布積層体。 - 【請求項2】 前記スパンボンド不織布を構成する複合
繊維が、プロピレン系重合体からなる芯部と、エチレン
系重合体からなる鞘部とからなる同芯の芯鞘型複合繊維
である請求項1に記載の不織布積層体。 - 【請求項3】 前記スパンボンド不織布を構成する複合
繊維が、プロピレン系重合体からなる芯部と、エチレン
系重合体からなる鞘部とからなる偏芯の芯鞘型複合繊維
である請求項1に記載の不織布積層体。 - 【請求項4】 前記スパンボンド不織布を構成する複合
繊維が、プロピレン系重合体と、エチレン系重合体とか
らなるサイドバイサイド型複合繊維である請求項1に記
載の不織布積層体。 - 【請求項5】 前記複合繊維を構成するプロピレン系重
合体が、エチレン成分含量が0.5〜5モル%のプロピ
レン・エチレンランダム共重合体であり、エチレン系重
合体が密度が0.88〜0.97g/cm3 のエチレン・
α−オレフィンランダム共重合体である請求項1ないし
4のいずれかに記載の不織布積層体。 - 【請求項6】 前記複合繊維を構成するエチレン系重合
体が、スリップ剤を0.1〜0.5重量%含有する請求
項1ないし5のいずれかに記載の不織布積層体。 - 【請求項7】 前記伸縮性メルトブローン不織布を構成
する繊維が、エチレン(共)重合体、スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体の水素化物およびスチ
レン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素化
物から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1ないし
6のいずれかに記載の不織布積層体。 - 【請求項8】 前記エチレン(共)重合体が、密度が
0.86〜0.92g/cm3 であり、Mw/Mnが1.
5〜4の範囲にあるエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体である請求項7に記載の不織布積層体。 - 【請求項9】 横方向に100%伸長のヒステリシスル
ープの測定による永久歪みが30%以下であり、100
%伸長時の引張強度が50%伸長時の引張強度の1.2
〜2.5倍である請求項1〜8のいずれかに記載の不織
布積層体。
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1997
- 1997-11-26 JP JP32424797A patent/JP3844390B2/ja not_active Expired - Lifetime
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