JP2001115367A - 柔軟性不織布 - Google Patents

柔軟性不織布

Info

Publication number
JP2001115367A
JP2001115367A JP2000224398A JP2000224398A JP2001115367A JP 2001115367 A JP2001115367 A JP 2001115367A JP 2000224398 A JP2000224398 A JP 2000224398A JP 2000224398 A JP2000224398 A JP 2000224398A JP 2001115367 A JP2001115367 A JP 2001115367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
bis
rac
zirconium dichloride
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000224398A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kishine
真佐寛 岸根
Yasuhiro Sudo
康浩 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2000224398A priority Critical patent/JP2001115367A/ja
Publication of JP2001115367A publication Critical patent/JP2001115367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度に優れ、かつ柔軟性と耐毛羽立性が
共に良好でそのバランスのとれた不織布を提供するこ
と。 【解決手段】 示差走査熱量計(DSC)で測定した最
高強度の融点ピークの半値幅が5℃以上であるか、また
は融点ピークの数が複数あるエチレン系重合体(A)か
らなる不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性を有する不織布
に関する。さらに詳しくは、柔軟性に優れると共に毛羽
立ちにくい不織布に関する。
【0002】
【従来技術】近年、不織布は通気性、柔軟性に優れてい
るため各種用途に用いられ、またその用途が拡大されて
いる。そのため、その用途に応じて各種の特性が求めら
れるとともに、特性の向上が要求されている。不織布の
柔軟性と耐毛羽立性(耐摩耗性)はともに要求されてい
る特性であるが、従来知られている柔軟性に優れる不織
布は一般に毛羽立ちやすいという問題があり、柔軟性と
耐毛羽立性は相反した特性である。そのため、柔軟性と
耐毛羽立性の両方の特性に満足できる不織布の製造は従
来困難であり、柔軟性と耐毛羽立性が共に良好でそのバ
ランスのとれた不織布の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、強度に優
れ、かつ柔軟性と耐毛羽立性が共に良好でそのバランス
のとれた不織布を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、示差走
査熱量計(DSC)で測定した最高強度の融点ピークの
半値幅が5℃以上であるか、または融点ピークの数が複
数あるエチレン系重合体(A)からなる不織布が提供さ
れる。
【0005】上記不織布において、密度が0.85〜
0.97のエチレン系重合体(A)を用いる態様は、本
発明の好ましい態様である。
【0006】本発明によれば、また前記エチレン系重合
体が、シングルサイト触媒を用いて製造された不織布が
提供される。
【0007】さらに本発明によれば、結晶性プロピレン
系重合体からなる芯部と、請求項1から3のいずれかに
記載のエチレン系重合体からなる鞘部とから構成される
芯鞘型複合繊維から形成される不織布が提供される。芯
部を構成する結晶性プロピレン系重合体がプロピレンと
エチレンのランダム共重合体である芯鞘型複合繊維から
形成される不織布は、本発明の好ましい態様である。
【0008】さらにまた、本発明によれば、不織布がス
パンボンド不織布である前記不織布が提供される。
【0009】
【発明を実施する態様】以下、本発明の不織布及びその
不織布よりなる積層体について詳細に説明する。本発明
のエチレン系重合体(A)は、その密度が0.85〜
0.97g/cm 3の範囲にあるエチレン系重合体であ
って、エチレンの単独重合体、またはエチレンとプロピ
レン、1−プテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1―
オクテン等の炭素数3ないし20、好ましくは3ないし
8のα―オレフィンから選ばれた少なくとも1種のα―
オレフィンとの共重合体である。該エチレン系重合体
は、1種単独でも、もしくは2種以上を組み合わせても
用いられる。このエチレン系重合体のMFRは通常10
〜1000g/10分、好ましくは20〜200g/1
0分である。本発明において、エチレン系重合体のMF
Rは、ASTMD1238に基づいて、190℃、荷
重:2.16kgで測定されるものである。
【0010】本発明のエチレン系重合体(A)の密度は
上記範囲にあるが、柔軟性と耐毛羽性が共に優れる不織
布が得られる点で0.89〜0.93g/cm3の範囲
のものが好ましい。
【0011】本発明のエチレン系重合体(A)の示差走
査熱量計(DSC)で測定したとき、最高強度の融点ピ
ークの半値幅は5℃以上か、または融点ピークの数が複
数あることを特徴とする。示差走査熱量測定では、融点
が曲線上のピークとして得られる。融点ピークの数が複
数あるというのは、ピークとして複数認められることを
意味するが、ピークが互いに重なり合って現れる場合も
ある。ピークが互いに重なり合って現れる場合もピーク
の形状からピークの存在が認められる場合には、ピーク
は複数存在するものとする。最高強度の融点ピークの半
値幅とは、曲線上のピークが単一の場合はそのピークの
半値幅を指し、ピークが複数現れるときは、ピークの高
さが最も高い最高強度のピークの半値幅を指す。複数の
融点ピークが重なり合っているときは、当該最高強度の
ピークの形状から、他のピークの影響を排したピークを
推定して、その半値幅を測定する。
【0012】本発明で好適に使用されるエチレン系重合
体(A)は、従来公知の触媒を用いてエチレンと上記α
−オレフィンを共重合させることにより得ることができ
る。たとえば触媒の例としては、チーグラー型触媒や、
メタロセン触媒などのシングルサイト触媒を挙げること
ができる。
【0013】本発明のエチレン系重合体を生成しうるチ
ーグラー型触媒の具体例としては、例えば特公昭46−
34092号、特公昭47−14728号、特公昭47
−41676号、特公昭54−1356号、特開昭51
−120992号、特開昭54−142192号、特開
昭55−78005号、特開昭56−8111号、特開
昭56−67311号、特開昭56−125407号、
特開昭56−155205号、特開昭57−18061
2号、特開昭59−182805号、特開昭63−16
8411号、特開平2−51505号、特開平2−69
504号、特開平5−301921号などを挙げること
ができる。
【0014】また、本発明のエチレン系重合体を生成し
うるメタロセン触媒などのシングルサイト触媒の具体例
としては、例えば特開昭58−19309号、特開昭6
0−245604号、特開昭60−35002号、特開
昭61−130314号、特開昭62−230802
号、特開昭63−152608号、特開昭63−191
811号、特開昭63−222178号、特開平2−1
67302号、特開平3−163088号などを挙げる
ことができる。
【0015】上記のような触媒を用いてエチレンと上記
α−オレフィンを共重合させる条件は、当業者が公知の
条件から適宜選択しうる。
【0016】エチレン系重合体(A)が、メタロセン触
媒などのシングルサイト触媒により製造された場合、特
に紡糸性に優れているため、安定した紡糸を行うことで
き、優れた耐毛羽立性を有する不織布を得る事ができ
る。しかも、細デニール化が可能で、繊維径の細い不織
布を得ることができる。
【0017】このエチレン系重合体(A)をシングルサ
イト触媒を用いて製造する方法について以下に説明す
る。シングルサイト触媒の好適な例としては、メタロセ
ン触媒を含む触媒を挙げることができる。シングルサイ
ト触媒としては、種々の触媒を選択できる。すでに公知
のものから選択することもできるし、本発明の目的にあ
わせて適宜合成することも可能である。
【0018】本発明のエチレン系重合体(A)は、たと
えば特開平6−9724号、特開平6−136195
号、特開平6−136196号、特開平6−20705
7号等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、い
わゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、
エチレン、またはエチレンとと炭素原子数3〜20のα
-オレフィンとを共重合させることによって製造するこ
とができる。
【0019】このようなメタロセン系触媒は通常、
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少な
くとも1個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物か
らなるメタロセン触媒成分、(b)該メタロセン系遷移
金属化合物(A)を活性化させ得る化合物であって、(B
−1)有機アルミニウム化合物、(B−2)有機アルミニ
ウムオキシ化合物、および(B−3)前記メタロセン系遷
移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とからなる
ものである。必要に応じて微粒子状担体(c)を使用す
ることができる。
【0020】本発明で好ましく用いられるメタロセン触
媒成分(A)としては、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の
遷移金属化合物がある。このような遷移金属化合物とし
ては、たとえば下記の一般式(I)で示される遷移金属
化合物が挙げられる。 ML1 x ・・・ (I) 式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周
期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体
的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。中
でも、ジルコニウムが好ましい。L1は、遷移金属原子
Mに配位する配位子であり、これらのうち、少なくとも
1個の配位子L1は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子である。
【0021】上記のような遷移金属原子Mに配位するシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子L1としては、
具体的には、シクロペンタジエニル基等のアルキル置換
シクロペンタジエニル基、あるいはインデニル基、4,5,
6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが
挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。
【0022】上記一般式(I)で表わされる化合物がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、
シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリ
レン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基
などを介して結合されていてもよい。
【0023】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)としては、アルミノオキサンが好ましく用いられ
る。具体的には、式 −Al(R)O− (ただし、Rはアルキル基である) で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程度のメチル
アルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエ
チルアルミノオキサン等が用いられる。
【0024】オレフィン重合用触媒の調製で用いられる
微粒子状担体(c)は、無機あるいは有機の化合物であ
って、粒径が通常10〜300μm程度であり、好まし
くは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の固体で
ある。
【0025】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2
TiO2 等を例示することができる。
【0026】オレフィン重合用触媒の調製において必要
に応じて用いられる有機アルミニウム化合物触媒成分
(d)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウム
クロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチル
アルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウム
セスキハライドなどを例示することができる。
【0027】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、たとえばUSP5,321,106号に記載さ
れたトリフェニルボロン、MgCl2、Al23、Si
2−Al23 等のルイス酸;トリフェニルカルベニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の
イオン性化合物;ドデカボラン、ビスn-ブチルアンモニ
ウム(1-カルベドデカ)ボレート等のカルボラン化合物
が挙げられる。
【0028】本発明で用いられるエチレン系重合体
(A)は、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下
に、気相、またはスラリー状あるいは溶液状の液相で種
々の条件で、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレ
フィンとを共重合させることにより得ることができる。
【0029】シングルサイト触媒の一例を示すと、
(A)下記式(II)で表されるメタロセン系遷移金属化
合物と
【化1】 このメタロセン系遷移金属化合物(A)を活性化させ得
る化合物であって、(B−1)有機アルミニウム化合
物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)前記メタロセン系遷移金属化合物(A)と反
応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物(B)とからなるものである。
【0030】前記メタロセン系遷移金属化合物を表す式
(II)において、M1は、周期律表第IV〜VIB族の
遷移金属原子である。この遷移金属原子としては、例え
ば、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングス
テン等が挙げられる。これらの中でも、ジルコニウム、
チタニウムまたはハフニウムが、高活性である点で好ま
しい。
【0031】また、R1、R2、R3およびR4は、互いに
同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水
素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素
含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン
含有基、水素原子またはハロゲン原子である。
【0032】R1、R2、R3およびR4は、互いに隣接す
る基の一部が結合して、それらの基が結合する環状炭化
水素の炭素原子とともに環を形成していてもよい。ま
た、式中、それぞれ、2つ示されているR1、R2、R3
よびR4は、それそれ同一の基でもよく、相異なる基で
あってもよい。例えば、2つのR1は、それぞれ同一の基
でもよくまた相異なる基でもよい。さらに、Rで示され
る基のうち同一の添字を有する基は、相互に結合して、
環を形成していてもよい。
【0033】炭素原子数1〜20の炭化水素基として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、オクチル、ノニル、ドデシル、エイコシル等のア
ルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボル
ニル、アダマンチル等のシクロアルキル基;ビニル、プ
ロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基;ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールア
ルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリ
メチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、
ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニ
ル、フェナントリル等のアリール基などが挙げられる。
【0034】これらの炭化水素基が結合して形成する環
としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アセナ
フテン環、インデン環等の縮合環式炭化水素基、あるい
該縮合環式炭化水素基の有する水素原子が、メチル、エ
チル、プロピル、プチルなどのアルキル基で置換されて
なる基が挙げられる。
【0035】ハロゲン化炭化水素基としては、例えば、
前記炭素原子数1〜20の炭化水素基の水素原子がハロ
ゲンに置換されてなるハロゲン化炭化水素基が挙げられ
る。
【0036】ケイ素含有基としては、例えば、メチルシ
リル、フェニルシリル等のモノ炭化水素基置換シリル;
ジメチルシリル、ジフェニルシリル等のジ炭化水素基置
換シリル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ
プロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェ
ニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニ
ルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル等の
トリ炭化水素基置換シリル;トリメチルシリルエーテル
等の炭化水素置換シリルのシリルエーテル;トリメチル
シリルメチル等のケイ素置換アルキル基;トリメチルフ
ェニル等のケイ素置換アリール基などが挙げられる。
【0037】さらに、ケイ素含有基として、前記以外の
下記式: −SiR8 (ただし、R8は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のア
ルキル基、または炭素数6〜10のアリール基)で表さ
れる基も挙げられる。式中、ハロゲン原子としては、例
えば、塩素等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等
が挙げられ、炭素数6〜10のアリール基としては、例
えば、ベンジル基、メチルベンジル基等が挙げられる。
【0038】酸素含有基としては、例えば、ヒドロキシ
基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のア
ルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチル
フェノキシ、ナフトキシ等のアリーロキシ基;フェニル
メトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基
などが挙げられる。
【0039】さらに、酸素含有基として、下記式: −OSiR3 (ただし、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、または炭素数6〜10のアリ−ル基)で表され
る基も挙げられる。式中のハロゲン原子、アルキル基お
よびアリール基としては、前記ケイ素含有基について例
示のものと同様のものが挙げられる。
【0040】イオウ含有基としては、例えば、前記含酸
素含有基の酸素がイオウに置換された置換基などが挙げ
られる。
【0041】さらに、イオウ含有基として、前記以外の
下記式: −SR (ただし、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、または炭素数6〜10のアリール基)で表され
る基が挙げられる。式中のハロゲン原子、アルキル基お
よびアリール基としては、前記ケイ素含有基について例
示のものと同様のものが挙げられる。
【0042】窒素含有基としては、例えば、アミノ基;
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプ
ロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミ
ノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニ
ルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチル
フェニルアミノ等のアリールアミノ基、またはアルキル
アリールアミノ基などが挙げられる。
【0043】さらに、窒素含有基として、前記以外の下
記式: RNR2 (ただし、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、または炭素数6〜10のアリール基)で表され
る基が挙げられる。式中のハロゲン原子、アルキル基お
よびアリール基としては、前記ケイ素含有基について例
示のものと同様のものが挙げられる。
【0044】リン含有基としては、例えば、ジメチルフ
オスフィノ、ジフェニルフオスフィノ等のフオスフィノ
基などが挙げられる。
【0045】さらに、リン含有基として、前記以外の下
記式: −PR2 (ただし、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、または炭素数6〜10のアリール基)で表され
る基が挙げられる。式中のハロゲン原子、アルキル基お
よびアリール基としては、前記ケイ素含有基について例
示のものと同様のものが挙げられる。
【0046】また、式(II)中のR1、R2、R3および
4で表されるハロゲンとしては、例えば、フツ素、塩
素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0047】前記式(II)において、R1、R2、R3
たはR4は、炭化水素基であることが好ましく、特に、
メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜4の
炭化水素基、または炭化水素基が結合して形成されたベ
ンゼン環、もしくは炭化水素基が結合して形成されたベ
ンゼン環上の水素原子が、メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、
tert−ブチル等のアルキル基で置換された基である
ことが好ましい。
【0048】さらに、式(II)において、X1およびX2
は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、
ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケ
イ素含有基、水素原子またはハロゲン原子である。
【0049】X1またはX2の炭化水素基としては、炭素
原子数1〜20の炭化水素基が好ましく、具体的には、
1、R2、R3およびR4について例示したものと同様の
基を挙げることができる。
【0050】ハロゲン化炭化水素基としては、炭素原子
数1〜20のハロゲン化炭化水素基が好ましく、具体的
には、R1、R2、R3およびR4について例示したものと
同様の基を挙げることができる。
【0051】酸素含有基またはハロゲン原子としては、
1、R2、R3およびR4について例示したものと同様の
基または原子が例示できる。
【0052】イオウ含有基としては、R1、R2、R3
よびR4について例示したものと同様の基、ならびにメ
チルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネー
ト、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネー
ト、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンス
ルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネー
ト、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロ
ベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基;メチル
スルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンス
ルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチル
ベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フィネート等のスルフィネート基などが挙げられる。
【0053】ケイ素含有基としては、前記R1、R2、R
3およびR4について例示したものと同様のケイ素置換ア
ルキル基、ケイ素置換アリール基などが挙げられる。
【0054】これらの中でも、X1またはX2は、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはスルフ
ォネート基であることが好ましい。
【0055】さらに、式(II)において、Y1は、炭化
水素基、2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含
有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、
−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−
Ge−、−Sn−、−NR5−、−P(R5)−、−P
(O)(R5)−、−BR5−または−AlR5−であ
る。ただし、R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基である。R
5のハロゲン原子としては、塩素等が挙げられ、炭化水
素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙
げられる。また、ハロゲン化炭化水素基としては、モノ
クロルメチル基、ジクロルエチル基等が挙げられ、アル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げら
れる。
【0056】Y1の炭化水素基としては、炭素数1〜2
0の2価の炭化水素基が好ましく、具体的には、メチレ
ン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2-
エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,
2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキ
レン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレ
ン等のアリールアルキレン基などが挙げられる。
【0057】ハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1
〜20の2価のハロゲン化炭化水素基が好ましく、具体
的には、クロロメチレン等の上記炭素数1〜20の2価
の炭化水素基をハロゲン化した基などが挙げられる。
【0058】2価のケイ素含有基としては、例えば、シ
リレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチル
シリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピ
ル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチル
フェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリ
ル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のア
ルキルシリレン基;アルキルアリールシリレン基;アリ
ールシリレン基;テトラメチル−1,2−ジシリル、テ
トラフェニル−1,2−ジシリル等のアルキルジシリ
ル、アルキルアリールジシリル基;アリールジシリル基
などが挙げられる。
【0059】2価のゲルマニウム含有基としては、上記
2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した
基などが挙げられる。
【0060】これらの中で、Y1としては、ジメチルシ
リレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリ
レン基等の置換シリレン基が特に好ましい。
【0061】前記式(II)で表される遷移金属化合物
(A)の具体例として、下記の化合物が挙げられる。ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2,3,5-トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2,4-トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-tert-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン-(4-メチ
ルシクロペンタジエニル)(3-メチルインデニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピリデン- (4-tert-ブ
チルシクロペンタジエニル)(3-メチルインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、イソプロピリデン- (4-tert-
ブチルシクロペンタジエニル)(3-tert-ブチルインデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン-(4
-メチルシクロペンタジエニル)(3-メチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン-(4-t
ert-ブチルシクロペンタジエニル)(3-メチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン-(4-t
ert-ブチルシクロペンタジエニル)(3-tert-ブチルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
-(3-tert- ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン-(3
-tert- ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド
【0062】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(α- ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(1-アントラセニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(9-フェナントリル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニ
ル)フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ブロ
モフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフ
ェニル)-1-インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-エチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ベンジル
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ビフェ
ニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリメチル
シリレンフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-フェニル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジエチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジシクロヘキ
シルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビ
ス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン-ビス
{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-メチル-4-フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エ
チレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレン-ビ
ス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルスタニレン-ビス{1-(2
-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジメチル、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムクロリドSO2Me、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-エチル-4-(2-メチル-1- ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-メチルフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジメチルフェニル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-クロロフェニル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2- エチル-4-(2,3-ジクロロフェニ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2- エチル-4-(4-トリメチルシ
リルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n- プロピル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2-メチ
ル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-
(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4
-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α- ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(8-メチ
ル-9- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α- ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(2-メチル-1-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ペンチル-4-フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α- ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-n- ブチル-4-フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-n- ブチル-4-(α- ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-n- ブチル-4-(2-メチル-1- ナフチル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-i- ブチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α- ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-i- ブチル-4-(2-メチル-1- ナフチル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2- ネオペンチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2- ネオペンチル-4-(α- ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-n- ヘキシル-4-フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2-n-ヘキシル-4-(α- ナフチル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン
-ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス
{1-(2-エチル-4-(α- ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1
-(2- エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル
-4-(α- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4
-(4-ビフェリニル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン
-ビス{1-(2- エチル-4-(α- ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス{1
-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-エチレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α- ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルゲルミル-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミル
-ビス{1-(2-エチル-4-(α- ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミル
-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド
【0063】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-
n-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロ
ピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキシルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロルメチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメチルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリルメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジエ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-プロ
ピル)シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフ
ェニルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフ
ェニルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレ
ン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレン-
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-t-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-トリメチルシリル
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-トリメ
チルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,3,7-トリメ
チル-4-フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,3,7-ト
リメチル-4-フェニルジクロルメチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2,3,7-トリメチル-4-クロルメチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス{1
-(2,3,7-トリメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ(シクロヘキシル)シリレ
ン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシ
リレン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-i-プロピルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシ
リレン-ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン- ビス{1-(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチルイ
ンデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチ
ルインデニル)}ジルコニウム-ビス(メタンスルホナ
ト)、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-i-
プロピル-7-メチルインデニル)}ジルコニウム-ビス
(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-3-メチル-4-i-プロピル-7-メチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2-メチル-4,6-ジ-i-プロピルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチ
ル-4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}チタニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-
4-i-プロピル-7-メチルインデニル)}ハフニウムジク
ロリド
【0064】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-メチル-
4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4,5-ベンゾ
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン-ビス{1-(2-メチル- α- アセナフトイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニ
ルシリレン- ビス{1-(2-メチル- α- アセナフトイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-1,2-エタンジ
イル- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ドなど。
【0065】また、式(II)で表される遷移金属化合物
(A)の具体例として、上記に例示した化合物中のジル
コニウムを、チタニウム、ハフニウム、バナジウム、ニ
オブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステ
ンに代えた化合物をも挙げることができる。
【0066】本発明で用いるプロピレン系重合体の製造
において、通常前記式(II)で表される遷移金属化合物
のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型または
S型を用いることもできる。
【0067】この遷移金属化合物(A)は、例えば、Jo
urnal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67
頁、欧州特許出願公開第0,320,762号、特開平
4−268307号、EP549900号およびカナダ
特許2084017号に記載されている方法により合成
することができる。
【0068】本発明で用いるエチレン系重合体の製造に
おいては、前記遷移金属化合物(A)は、1種単独でも
2種以上を組み合わせても用いることもできる。
【0069】本発明で用いるエチレン系重合体の製造に
おいて、シングルサイト触媒として用いられるメタロセ
ン系触媒は、上記遷移金属金属化合物(A)と、該遷移
金属化合物(A)を活性化させうる化合物(B)(以下
成分(B)ともいう)として、(B−1)有機アルミニ
ウム化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合
物、および(B−3)前記遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物とから形成されるものである。
【0070】有機アルミニウム化合物(B−1)とし
て、例えば下記一般式(b−1a): R6 nAlX3-n (b−1a) で表される化合物が挙げられる。式(b−1a)におい
て、R6は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハ
ロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3の整数で
ある。炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば、
アルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であ
り、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、トリル基などである。
【0071】この式(b−1a)で表されるような有機
アルミニウム化合物の具体例として、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウム等
のトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウ
ム等のアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロ
ピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウム
クロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキ
ルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキク
ロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロ
ピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウム
セスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等
のアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミ
ニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イ
ソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドラ
イドなどを挙げることができる。
【0072】また、有機アルミニウム化合物(B−1)
として、下記式(b−1b): R6 nAlY3-n (b−1b) で表される化合物をも用いることができる。式(b−1
b)中、R6は上記の式(b−1a)と同様であり、Y
は式: −OR7、 −OSi(R83、 −OAl(R92、 −N(R102、 −Si(R113 または −N(R12)Al(R132 で表される基であり、nは1〜2である。R7、R8、R
9およびR13は、同一でも異なっていてもよく、例え
ば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基等である。R10は、
例えば、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、フェニル基、トリメチルシリル基等である。また、
11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、例え
ば、メチル基、エチル基等である。
【0073】これらの式(b−1b)で表される有機ア
ルミニウム化合物の具体例として下記のものが例示され
る。 (1)R6 nAl(OR73-nで表される化合物として
は、例えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウム
メトキシド等が挙げられる。 (2)R6 nAl(OSi(R83)3-n で表される化合
物としては、例えば、Et 2Al(OSiMe3)、(iso-
Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiEt
3)等が挙げられる。 (3)R1 nAl(OAlR9 2)3-n で表される化合物と
しては、例えば、Et2AlOAlEt2、(iso-Bu)2
lOAL(iso-Bu)2等が挙げられる。 (4) R6 nAl(NR10 2)3-nで表される化合物として
は、例えば、Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2
AlNHEt、Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2
lN(SiMe3)2等が挙げられる。 (5)R6 nAl(SiR11 3)3-n で表される化合物とし
ては、例えば、(iso-Bu)2AlSiMe3等が挙げられ
る。 (6)R6 nAl(N(R12)Al(R132)3-n で表さ
れる化合物としては、例えば、Et2AlN(Me)AlE
t2、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2等が挙げ
られる。
【0074】これらの中でも、式:(R63Al、R6 n
Al(OR73-n 、またはR6 nAl(OAlR9 2)3-n
で表わされる化合物が好ましく、特にR6がイソアルキ
ル基であり、nが2である化合物が好ましい。これらの
有機アルミニウム化合物は、1種単独でも2種以上を組
合わせても用いることができる。
【0075】また、有機アルミニウムオキシ化合物(B
−2)は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノキサン
であってもよく、また特開平2−276807号で開示
されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物であってもよい。
【0076】上記の有機アルミニウムオキシ化合物(B
−2)として用いられるアルミノキサンは、例えば下記
のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、例えば、塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物等の炭化水素媒体懸濁液に、有機
アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
【0077】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等の媒体中で、有機アルミニウ
ム化合物に、直接水、氷または水蒸気を作用させる方
法。
【0078】(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒
体中で、有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキ
シド、ジブチルスズオキシド等の有機スズ酸化物を反応
させる方法。
【0079】アルミノキサンを製造する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、有機ア
ルミニウム化合物(B−1)として示したものと同様の
ものが挙げられる。これらのうち、トリアルキルアルミ
ニウムおよびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好
ましい。
【0080】アルミノキサンの製造の際に用いられる溶
媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、
シメン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オ
クタデカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油等の石油留
分;あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ま
たは脂環式炭化水素のハロゲン化物、特に、塩素化物、
臭素化物等が挙げられる。また、その他、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることも
できる。これらの溶媒の中でも、特に芳香族炭化水素が
好ましい。
【0081】また、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。さらに、回収された上記の
アルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アル
ミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解し
てもよい。
【0082】また、有機アルミニウムオキシ化合物(B
−2)として用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl
成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以
下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して
不溶性あるいは難溶性であるものである。この有機アル
ミニウムオキシ化合物のベンゼンに対する溶解性は、1
00ミリグラム原子のAlに相当する有機アルミニウム
オキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した後、攪
拌下60℃で6時間混合した後、ジャケット付G−5ガ
ラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行ない、
フィルター上に分離された固体部を60℃のベンゼン5
0mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在するA
l原子の存在量(xミリモル)を測定することにより求
められる(x%)。
【0083】これらの有機アルミニウム化合物(B−
2)は、1種単独でも、2種以上を組合せても用いるこ
とができる。
【0084】さらに、前記遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物(B−3)としては、特
開平1−501950号、特開平1−502036号、
特開平3−179005号、特開平3−179006
号、特開平3−207703号、特開平3−20770
4号、米国第547718号等に記載されたルイス酸、
イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げることが
できる。
【0085】ルイス酸の具体例としては、トリフェニル
ボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス
(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリ
ス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al23、Si
2-Al23等を挙げることができる。
【0086】イオン性化合物の具体例としては、トリフ
ェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート等を挙げることができる。
【0087】カルボラン化合物の具体例としては、ドデ
カボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアン
モニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルア
ンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-
ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7- カルバ
ウンデカ)ボレートなどを挙げることができる。これら
の化合物(b−3)は、1種単独でも、2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0088】本発明において、遷移金属化合物(A)を
活性化させうる化合物(B)として、上記の有機アルミ
ニウム化合物(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合
物(B−2)または化合物(B−3)を1種単独でも、
2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0089】本発明でシングルサイト触媒として用いら
れるメタロセン系触媒は、上記遷移金属化合物(A)お
よび成分(B)を、不活性炭化水素溶媒中またはオレフ
ィン溶媒中で混合することにより調製することができ
る。
【0090】メタロセン系触媒の調製に用いられる不活
性炭化水素溶媒としては、例えば、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロ
オクタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロ
ルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、
ガソリン、灯油、軽油等の石油留分、あるいはこれらの
混合物などを用いることができる。
【0091】これらの各成分を用いてメタロセン系触媒
を調製するに際して、遷移金属化合物(A)は、約10
-8〜10-1モル/リットル(重合容積)、好ましくは1
-7〜5×10-2モル/リットルの濃度で用いることが
望ましい。
【0092】化合物(B)として有機アルミニウム化合
物(B−1)および/または有機アルミウニムオキシ化
合物(B−2)が用いられる場合には、遷移金属化合物
(A)の遷移金属に対する化合物(B)中のアルミニウ
ムの原子比(Al/遷移金属)で、通常、10〜100
00、好ましくは20〜5000の量で用いられる。こ
の有機アルミニウム化合物(B−1)と有機アルミニウ
ムオキシ化合物(B−2)とが併用されるときには、
(B−1)中のアルミニウム原子(Al−1)と(B−
2)中のアルミニウム原子(Al−2)の原子比(Al
−1/Al−2)が0.02〜3、さらには0.05〜
1.5となる量で用いられることが望ましい。
【0093】また、化合物(B)として化合物(B−
3)が用いられる場合には、遷移金属化合物(A)と化
合物(B−3)とのモル比((A)/(B−3))が、
通常、0.01〜10、好ましくは0.1〜5となる量で
用いられる。
【0094】プロピレン系重合体の製造において、メタ
ロセン系触媒を構成する遷移金属化合物(A)および化
合物(B)とは、重合器中で混合してプロピレン系重合
体の製造を行ってもよいし、予め混合したものを重合器
に添加してプロピレン系重合体の製造を行ってもよい。
【0095】予め、これらの遷移金属化合物(A)およ
び化合物(B)を混合して使用する場合には、通常、−
50〜150℃、好ましくは−20〜120℃の温度
で、1分〜50時間、好ましくは5分〜25時間接触さ
せて行うことができる。また、混合接触時には混合温度
を変化させてもよい。
【0096】また、このエチレン系重合体の製造で用い
られるメタロセン系触媒は、遷移金属化合物(A)およ
び化合物(B)の少なくともいずれかが、顆粒状ないし
は微粒子状固体(担体)に担持された固体状触媒であっ
てもよい。
【0097】この担体は、無機担体であっても有機担体
であってもよい。無機担体としては、例えば、Si
2、Al23の多孔質酸化物が好ましく用いられる。
また有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン等の炭素数2〜1
4のα- オレフィンを主成分として生成される(共)重
合体、あるいはビニルシクロヘキサン、スチレン等を主
成分として生成される重合体または共重合体などを用い
ることができる。
【0098】また、メタロセン系触媒は、上記の遷移金
属化合物(A)および化合物(B)に、オレフィンを予
備重合させて予備重合触媒を形成してから用いることも
できる。
【0099】予備重合に用いられるオレフィンとして
は、プロピレン、エチレン、1-ブテン等のオレフィンが
用いられる。また、これらと他のオレフィンとを組合わ
せて用いることもできる。
【0100】さらに、メタロセン系触媒の調製に際し
て、上記のような各成分以外にも、プロピレン系重合体
の重合に有用な他の成分、例えば、触媒成分としての水
などをも用いることができる。
【0101】本発明で用いられるプロピレン系重合体
は、上記メタロセン系触媒の存在下、プロピレンと必要
に応じて用いられる他のオレフィンとを、前記の組成比
の重合体となるように、(共)重合させることによって
得ることができる。
【0102】重合は、懸濁重合、溶液重合等の液相重合
法あるいは気相重合法等のいずれの重合形式によっても
行うことができる。
【0103】重合を懸濁重合法により行う場合には、−
50〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で行うこ
とが望ましい。また、溶液重合法により行う場合には、
0〜250℃、好ましくは20〜200℃の温度で行な
うことが望ましい。さらに、重合を気相重合法により行
う場合には、0〜120℃、好ましくは20〜100℃
の温度で、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧
〜50kg/cm2の圧力下で行なうことが望ましい。
【0104】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0105】得られるエチレン系重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧
力を変化させることによって所望の範囲に調節すること
ができる。
【0106】本発明の複合繊維は、エチレン系重合体以
外に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他
の成分を含有していてもよい。
【0107】この他の成分としては、例えば、従来公知
の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、
スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染
料、顔料、天然油、合成油、ワックス等が挙げられる。
【0108】安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチル−フェノール(BHT)等の老化
防止剤;テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4
- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-
(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸アルキルエステル、2,2'- オキザミドビス[エチル
-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピ
オネート、Irganox 1010(ヒンダードフェノール系酸化
防止剤:商品名)等のフェノール系酸化防止剤;ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシ
ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリ
ンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペン
タエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリト
ールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステア
レート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げる
ことができる。また、これらを組み合わせて用いること
もできる。
【0109】また、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化
チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カ
リウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、ク
レー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモ
リロナイト、ペントナイト、グラファイト、アルミニウ
ム粉、硫化モリブデン等の充填剤を含有していてもよ
い。
【0110】エチレン系重合体と、他の必要に応じて用
いられる任意成分とは、公知の方法を利用して混合する
ことができる。
【0111】本発明におけるシングルサイト触媒により
得られるエチレン系重合体は、通常次のような特徴を有
するものが好適に使用できる。 (1)示差走査熱量計(DSC)で測定した最高強度の
融点ピ−クの半値幅が5℃以上か、または融点ピークを
複数有し、(2)密度が0.85ないし0.97であ
り、(3)Mw/Mnが3以下であり、(4)MFRが
25以上である
【0112】しかしながら、シングルサイト触媒によっ
て、上記以外の特徴を有するエチレン系重合体を製造す
ることも可能である。たとえば、単一の融点ピークを持
つエチレン系重合体の製造が可能である。この場合、シ
ングルサイト触媒によって得られた同士、またはシング
ルサイト触媒によって得られたエチレン系重合体と他の
方法で製造されたエチレン系重合体と混合して使用する
こともできる。
【0113】本発明の上記エチレン系重合体の繊維から
なる不織布は、柔軟性と耐毛羽立性が共に優れている。
本発明の上記エチレン系重合体の繊維からなる不織布を
得る方法としては、種々の従来公知の方法が使用でき
る。本発明に係る不織布の製造法としては、乾式法、湿
式法、スパンボンド法、メルトブロー法などのいずれで
も良いが、生産性が良く、高強度のものが得られる点
で、スパンボンド法が好ましい。
【0114】また本発明のエチレン系重合体(A)の繊
維からなる不織布はそれ自体優れた柔軟性と耐毛羽立性
を有しているので、単一成分からなる繊維として用いて
もいいし、他の重合体との複合繊維とすることもでき
る。複合繊維としては、芯鞘型複合繊維、サイドバイサ
イド型複合繊維、サンドイッチ型複合繊維、海島型複合
繊維を挙げることができる。本発明では、より優れた柔
軟性と耐毛羽立性が得られる点で芯鞘型複合繊維が好ま
しく使用することができる。
【0115】本発明において、エチレン系重合体(A)
と複合繊維を形成する好ましい他の重合体としては、プ
ロピレン系重合体を挙げることができる。これらの好ま
しい重合体の組み合わせによる、好ましい複合繊維の例
は、本発明のエチレン系重合体からなる鞘部と、プロピ
レン系重合体よりなる芯部で構成される芯鞘型複合繊維
である。
【0116】本発明の好ましい態様の芯鞘型複合長繊維
の芯を構成する結晶性プロピレン系重合体とは、プロピ
レンの単独重合体、またはプロピレンを主成分とし、こ
れとエチレン、1−プテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、4−メチルー1−ペンテン等の炭素
数2ないし20、好ましくは2ないし8のα―オレフィ
ンとの共重合体であり、これらの単独重合体または共重
合体は、1種単独でもしくは2種以上を組み合わせても
用いられる。これらの中でも、紡糸性が良好で、生産性
に優れ、良好な柔軟性を有する不織布が得られる点で、
プロピレンと少量のエチレンのランダム共重合体であっ
て、エチレンに由来する構造単位の合有量が0.1〜5
mol%であるものが好ましい。本発明において、良好
な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐き出しおよび延伸中
に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないこと
をいう。
【0117】また、この結晶性プロピレン系重合体は、
MFRが通常10〜1000g/10分、好ましくは2
0〜200g/10分である。該MFRは、ASTMD
1238に基づいて、230℃、荷重:2.16kgで
測定されるものである。
【0118】さらに、この結晶性プロピレン系重合体
は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比Mw/Mnは通常は1.5〜5.0である。紡糸性が
良好で、かつ繊維強度が特に優れる複合繊維が得られる
点で、1.5〜3.0であるのが好ましい。本発明にお
いて、Mw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)によって、通常の方法で測定される
ものである。
【0119】本発明で使用される結晶性プロピレン系重
合体の結晶性については、X線回折法によって測定した
結晶化度は15〜60%、好ましくは20〜50%であ
る。
【0120】本発明において、エチレン系重合体(A)
よりなる繊維、ならびに芯鞘型複合繊維の芯または鞘を
構成する結晶性プロピレン系重合体、エチレン系重合体
(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応
じて、他の重合体、着色剤、耐熱安定剤、核剤、滑剤な
どを含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、酸化
チタン、炭酸カルシウム等の無機系着色剤、フタロシア
ニン等の有機系着色剤などが挙げられる。耐熱安定剤と
しては、例えば、BHT(2,6−ジーtert―ブチ
ルー4−メチルフェノール)等のフェノール系安定剤な
どが挙げられる。滑剤としては、例えば、オレイン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げら
れる。
【0121】本発明では、芯鞘型複合繊維における結晶
性プロピレン系重合体/エチレン系重合体(A)の重量
構成比は、通常は10/90〜90/10であるが、柔
軟性と摩擦堅牢租のバランスの点で20/80〜80/
20が好ましい。
【0122】本発明で用いられる芯鞘型複合長繊維の断
面積における芯と鞘の面積比は、通常、重量構成比とは
ぼ等しく、10/90〜90/10である。
【0123】本発明の不織布において、エチレン系重合
体(A)よりなる繊維、並びに芯鞘型複合繊維の繊度
は、通常5.0d以下であり、より柔軟性に優れた不織
布が得られる点で、好ましくは3.0d以下である。本
発明における芯鞘型の複合繊維とは、繊維断面におい
て、円形状の芯部が,芯を同じくするドーナツ状の鞘部
に包まれる同心型、芯部と鞘部の芯がずれてかつ芯部が
鞘部に包まれる偏心型、または、偏心した芯部が鞘部に
包まれていない並列型の形態を有する。
【0124】本発明のエチレン系重合体(A)よりなる
繊維、並びに芯鞘型複合繊維の繊度よりなる不織布の目
付量は、通常3〜100g/m2、好ましくは7〜30
g/m2である。
【0125】本発明のスパンボンド不織布の製造は、芯
鞘型複合繊維の芯を構成する結晶性プロピレン系重合体
と、鞘を構成する低密度エチレン系重合体とを、それぞ
れ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を所望の芯鞘構造
を形成して吐出するように構成された複合紡糸ノズルを
有する紡糸口金から吐出させて、芯鞘型の複合長繊維を
紡出させる。紡出された複合長繊維を、冷却流体により
冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて
所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定
の厚さに堆積させた後、ニードルパンチ、ウオータージ
ェット、超音波シール等の手段によって交絡処理する方
法、あるいは熱エンボスロールによる熱融着等の方法に
したがって行うことができる。熱エンボスロールの場
合、エンボスロールのエンボス面積率は、適宜決められ
るが、通常5〜30%が好ましい。
【0126】本発明のエチレン系重合体(A)よりなる
繊維、または結晶性プロピレン系重合体からなる芯部
と、エチレン系重合体(A)からなる鞘部とから構成さ
れる芯鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド不織布
(S)は、メルトブローン不織布(M)と積層された積
層体とすることができる。この積層により、柔軟性不織
布積層体とすることができる。
【0127】メルトブローン不織布の製造は従来公知の
方法を採用することができ、たとえば任意に選択された
重合体を溶融押出し、メルトプロー紡糸口金から紡糸さ
れた繊維を、高温高速の気体によって極細繊維流として
ブロー紡糸し、捕集装置で極細繊維ウエブとし、必要に
応じて熱融着処理することにより製造することができ
る。このメルトブローン不織布を形成する繊維の平均繊
維径は、通常1〜30μm程度であり、好ましくは2〜
10μm程度である。またブローン不織布の目付量は、
通常1〜50g/m2、好ましくは3〜30g/m2であ
る。目付量は用途に応じて適宜決めればよい。
【0128】低密度エチレン系重合体(A)からなる繊
維、または結晶性プロピレン系重合体からなる芯部と、
低密度エチレン系重合体からなる鞘部とから構成される
芯鞘型複合繊維から形成されるスパンボンド不織布
(S)と、低密度エチレン系重合体(B)から得られる
メルトブローン不織布(M)とが積層された好ましい態
様の例は、少なくとも一方の表面層がスパンボンド不織
布からなるS層であるスパンボンド不織布層/メルトプ
ローン不織布層のSM構造からなる不織布積層体、ある
いはスパンポンド不織布層/メルトプローン不織布層/
スパンボンド不織布層のSMS構造の不織布積層体であ
る。スパンボンド不織布層/メルトプローン不織布層の
SM構造が繰り返し構成されていてもよい。この中で
は、成形性および強度の点からSMSの不織布積層体が
好ましい。SMSの目付量は通常7〜100g/m2
好ましくは10〜70g/m2である。
【0129】本発明の柔軟性不織布積層体の製造方法
は、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布とを積
層し、両者を一体化して積層体を形成できる方法であれ
ば、いずれの方法にしたがって行ってもよく、特に制限
されない。たとえばメルトブローン法によって形成され
る繊維をスパンボンド不織布の上に直接堆積させてメル
トブローン不織布を形成した後、スパンボンド不織布と
メルトブローン不織布とを融着させる方法、スパンボン
ド不織布とメルトブローン不織布とを重ね合わせ、加熱
加圧により両不織布を融着させる方法、スパンボンド不
織布とメルトブローン不織布とを、ホットメルト接着
剤、溶剤系接着剤等の接着剤によって接着する方法等を
採用することができる。
【0130】スパンボンド不織布の上に、直接メルトブ
ローン不織布を形成する方法は、熱可塑性樹脂の溶融物
をスパンボンド不織布の表面に吹き付け、繊維を堆積さ
せるメルトブローン法によって行うことができる。この
とき、スパンボンド不織布に対して、溶融物が吹き付け
られる側の面の反対側の面は負圧にして、メルトブロー
ン法によって形成される繊維を吹き付け、堆積させると
同時に、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布を
一体化させて、スパンボンド不織布層とメルトブローン
不織布層とを有する柔軟性不織布積層体を得る。両不織
布の一体化が不十分である場合は、加熱加圧エンボスロ
ール等により十分に一体化させることができる。この場
合、エンボスロールのエンボス面積率は、所要の層間接
着強度に応じて決められるが、通常5〜30%が好まし
い。
【0131】熱融着によリスパンボンド不織布とメルト
ブローン不織布とを融着する方法としては、スパンボン
ド不織布とメルトブローン不織布との接触面の全面を熱
融着する方法、スパンポンド不織布とメルトブローン不
織布との接触面の一部を熱融着する方法がある。本発明
では、熱エンボス加工法によリスパンボンド不織布とメ
ルトブローン不織布とを融着することが好ましく、この
場合融着面積は、スパンボンド不織布とメルトブローン
不織布との接触面積の5〜35%、好ましくは10〜3
0%である。融着面積が前記の範囲にあると柔軟性不織
布積層体は、剥離強度と柔軟性のパランスに優れる。
【0132】接着剤によってスパンボンド不織布とメル
トブローン不織布とを接着する方法において用いられる
ホットメルト接着剤としては、たとえば酢酸ビニル系、
ポリビニルアルコール系等の樹脂系接着剤、スチレンー
ブタジエン系、スチレンーイソプレン系等のゴム系接着
剤などが挙げられる。また、溶剤系接着剤としては、た
とえばスチレンーブタジエン系、スチレンーイソプレン
系、ウレタン系等のゴム系接着剤、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル等の樹脂系の有機溶剤または水性エマルジョン接着
剤などが挙げられる。これらの接着剤の中でも、スチレ
ンーイソプレン系、スチレンーブタジエン系等のゴム系
のホットメルト接着剤が、スパンボンド不織布の特性で
ある風合いを損なわない点で好ましい
【0133】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0134】なお、以下に本発明における測定方法を示
す。 (1)KOSHI値の測定(柔軟性の評価) カトーテック(株)製のKES一FBシステムにより、
引張、剪断、圧縮、表面摩擦、曲げ試験の測定を行な
い、測定条件はニット高感度条件にて行った。上記結果
をニットアンダーウエアー(サマー)条件にて計測を行
ないKOSHI値とした。 KOSHI値はその数値が
小さい程、柔軟性が良いことを示す。
【0135】(2)毛羽立(ブラシ試験)の測定(耐摩
耗性の評価) JIS L1076に準拠して、流れ(MD)方向に2
5cm、横(CD)方向に20cmの不織布の試験片を
3枚採取し、ブラシアンドスポンジ形試験機の資料ホル
ダに取り付け、ブラシアンドスポンジの代わりにフェル
トに押し付け、58min-1法{rpm}の速さで5分
間摩擦する。評価は、摩擦後のサンプルの目視判定によ
り行う。
【0136】目視判定の結果は、下記基準によって評点
で表した。数値が大きい程、毛羽立が少ないことを示
す。 5:毛羽立なし 4:ほとんど毛羽立なし 3:やや毛羽立ガ見られる 2:毛羽立がひどい 1:毛羽立がひどく破れが見られる
【0137】(3)示差走査熱量計による測定(融点の
測定) 不織布をパンにセットし、パーキンエルマー社製のDS
Cにより、30℃から10℃/minの速度で200℃
まで昇温し、融点を測定した。
【0138】(4)引張強度の測定 流れ(MD)方向に25cm、横(CD)方向に2.5
cmの不織布試験片を5枚採取し、チャック間100m
m、引張速度100mm/minで引張試験し、そのと
きの最大荷重を引張強度とした。
【0139】(実験例1)エチレン系重合体(A)とし
て、チーグラー触媒により得られたエチレン含量が96
mol%、1−ブテン含量が4mol%で、Mw/Mn
が2.4で、MFRが30g/10分、結晶化度が52
%、密度が0.915 g/cm3、DSCで測定した最
高強度の融点が106℃で、半値幅は14℃の線状低密
度ポリエチレンLLDPE(PE)を用いて溶融紡糸
を行い、得られた繊維を補集面上に推積させ(構成繊維
の繊度:2.5d)、次にこれをエンボスロールで加熱
加圧処理(フラットロール部の温度90℃、95℃、1
00℃、105℃、110℃、エンボス面積率30%)
して目付量が23g/m2であるスパンボンド不織布を
作成し、不織布の毛羽立、 KOSHI値を測定した。
この結果を表1の1−1〜1−5に示す。
【0140】(実験例2)芯部を構成する結晶性プロピ
レン系重合体として、プロピレン含量が96mol%、
エチレン含量が4mol%で、密度が0.91g/cm
3、Mw/Mnが3、MFRが60g/10分、融点が
140℃のプロピレン・エチレンランダム共重合体(r
−PP)(PP)を用いて、又、鞘部を構成するエチ
レン系重合体(A)として、実験例1で用いた線状低密
度ポリエチレンLLDPE(PE)を用いて複合溶融
紡糸を行い、芯比率が20wt%(芯部:鞘部の重量比
が20:80)である同芯の芯鞘型複合繊維を補集面上
に推積させ(構成繊維の繊度:2.5d)、次にこれを
エンボスロールで加熱加圧処理(フラットロール部の温
度90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、エ
ンボス面積率30%)して目付量が23g/m2である
スパンボンド不織布を作成し、該不織布の毛羽立、 K
OSHI値を測定した。この結果を表1の2−1〜2−
5に示す。
【0141】(実験例3)芯部と鞘部の構成比率を、芯
比率が50wt%(芯部:鞘部の重量比が50:50)と
変えた以外は実験例2と同様にしてスパンボンド不織布
を得た。この評価結果を表1の3−1〜3−5に示す。
【0142】(実験例4)芯部と鞘部の構成比率を、芯
比率が80wt%(芯部:鞘部の重量比が80:20)と
変えた以外は実験例2と同様にしてスパンボンド不織布
を得た。この評価結果を表1の4−1〜4−5に示す。
【0143】(実験例5)エチレン系重合体(A)とし
て、チーグラー触媒により得られたエチレン含量が9
9.5mol%、1−ブテン含量が0.5mol%で、
Mw/Mnが3.4で、MFRが30g/10分、結晶
化度が70%、密度が0.95 g/cm3、DSCで測
定した最高強度の融点が124℃で、半値幅は2.5℃
のポリエチレン(PE)を用いて溶融紡糸を行い、得
られた繊維を補集面上に推積させ(構成繊維の繊度:
2.5d)、次にこれをエンボスロールで加熱加圧処理
(フラットロール部の温度115℃、120℃、123
℃、125℃、エンボス面積率30%)して目付量が2
3g/m2であるスパンボンド不織布を作成し、不織布
の毛羽立、 KOSHI値を測定した。この結果を表2
の5−1〜5−4に示す。
【0144】(実験例6)鞘成分の樹脂として、実験例
5で使用されたポリエチレン(PE)を用いた以外は
実験例2と同様にしてスパンボンド不織布を得た。この
評価結果を表2の6−1〜6−4に示す。
【0145】(実験例7)芯部と鞘部の構成比率を、芯
比率が50wt%(芯部:鞘部の重量比が50:50)
と変えた以外は実験例6と同様にしてスパンボンド不織
布を得た。この評価結果を表2の7−1〜7−4に示
す。
【0146】(実験例8)芯部と鞘部の構成比率を、芯
比率が80wt%(芯部:鞘部の重量比が80:20)
と変えた以外は実験例6と同様にしてスパンボンド不織
布を得た。この評価結果を表2の8−1〜8−5に示
す。
【0147】(実験例9)鞘部を構成するエチレン系重
合体(A)として、メタロセン触媒により得られたエチ
レン含量が96mol%、1−ヘキセン含量が4mol
%で、Mw/Mnが2.1で、MFRが30g/10
分、結晶化度が50%、密度が0.915g/cm3
DSCで測定した最高強度の融点が108℃で、半値幅
は12℃の線状低密度ポリエチレンLLDPE(PE
)を用いるほかは実験例2と同様にして目付量が23
g/m2であるスパンボンド不織布を作成し、不織布の
毛羽立、 KOSHI値を測定した。この結果を表3の
9−1〜9−5に示す。
【0148】(実験例10)芯部を構成する結晶性ポリ
プロピレンとして実験例2と同じPPを用い、また鞘
部を構成するエチレン系重合体(A)として、エチレン
含量が98mol%、4−メチル−1−ペンテン含量が
2mol%で、Mw/Mnが2.2で、MFRが30g
/10分、結晶化度が60%、密度が0.93g/cm
3、DSCで測定した最高強度の融点が115℃で、半
値幅は10℃の線状低密度ポリエチレンLLDPE(P
E)を用いて溶融紡糸を行い、芯比率が20wt%
(芯部:鞘部の重量比が20:80)である芯鞘型複合
繊維を補集面上に推積させ(構成繊維の繊度:2.5
d)、次にこれをエンボスロールで加熱加圧処理(フラ
ットロール部の温度105℃、110℃、115℃、1
20℃、エンボス面積率30%)して目付量が23g/
2であるスパンボンド不織布を作成し、不織布の毛羽
立、 KOSHI値を測定した。この結果を表3の10
−1〜10−4に示す。
【0149】(実験例11)実施例10において、PP
で構成される芯部と、PEで構成される鞘部の重量
比を80:20とするほかは同様にしてスパンボンド不
織布を作成し、不織布の毛羽立、 KOSHI値を測定
した。この結果を表3の11−1〜11−4に示す。
【0150】(実験例12)エチレン系重合体(A)と
して、チーグラー触媒により得られたエチレン含量が9
8mol%、4−メチル−1−ペンテン含量が2mol
%で、Mw/Mnが2.4で、MFRが150g/10
分、結晶化度が59%、密度が0.93g/cm3、D
SCで測定した最高強度の融点が120℃で、半値幅は
10℃の線状低密度ポリエチレンLLDPE(PE)
を用いるほかは実験例10と同様にして目付量が23g
/m2であるスパンボンド不織布を作成し、不織布の毛
羽立、KOSHI値を測定した。この結果を表3の12
−1〜12−4に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】
【0153】
【表3】
【0154】(実験例13)エチレン系重合体(A)と
して、メタロセン触媒により得られたエチレン含量が9
6mol%、4−メチル−1−ペンテン含量が4mol
%で、Mw/Mnが2.1で、MFRが30g/10
分、結晶化度が50%、密度が0.915 g/cm3
DSCで測定した融点ピークの個数は3個で、最高強度
の融点ピークが108℃で、その半値幅は12℃である
線状低密度ポリエチレンLLDPE(PE)を用いて
溶融紡糸を行い、得られた繊維を補集面上に推積させ
(構成繊維の繊度:2.5d)、次にこれをエンボスロ
ールで加熱加圧処理(フラットロール部の温度90℃、
95℃、100℃、105℃、110℃、エンボス面積
率30%)して目付量が23g/m2であるスパンボン
ド不織布を作成し、不織布の毛羽立、KOSHI値を測
定した。この結果を表4の13−1〜13−5に示す。
【0155】
【表4】
【0156】
【発明の効果】本発明の、エチレン系重合体(A)から
なる繊維、または結晶性ポリプロピレン系重合体からな
る芯部と、エチレン系重合体からなる鞘部とから構成さ
れる芯鞘型複合繊維から形成される柔軟性不織布は、強
度に優れ、かつ柔軟性と耐毛羽立性が共に良好でバラン
スがとれているので、医療用、衛生材用、および包装材
等の産業用に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 15/00 A61L 15/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】示差走査熱量計(DSC)で測定した最高
    強度の融点ピークの半値幅が5℃以上であるか、または
    融点ピークの数が複数あるエチレン系重合体(A)から
    なる不織布。
  2. 【請求項2】前記エチレン系重合体(A)の密度が0.
    85〜0.97である請求項1記載の不織布。
  3. 【請求項3】前記エチレン系重合体が、シングルサイト
    触媒を用いて製造されたエチレン系重合体請求項1また
    は2に記載の不織布。
  4. 【請求項4】結晶性プロピレン系重合体からなる芯部
    と、請求項1から3のいずれかに記載のエチレン系重合
    体からなる鞘部とから構成される芯鞘型複合繊維から形
    成される不織布。
  5. 【請求項5】前記結晶性プロピレン系重合体がプロピレ
    ンとエチレンのランダム共重合体である請求項4記載の
    不織布。
  6. 【請求項6】不織布がスパンボンド不織布である請求項
    1から5のいずれかに記載の不織布。
JP2000224398A 1999-08-09 2000-07-25 柔軟性不織布 Pending JP2001115367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000224398A JP2001115367A (ja) 1999-08-09 2000-07-25 柔軟性不織布

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-225013 1999-08-09
JP22501399 1999-08-09
JP2000224398A JP2001115367A (ja) 1999-08-09 2000-07-25 柔軟性不織布

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001115367A true JP2001115367A (ja) 2001-04-24

Family

ID=26526381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000224398A Pending JP2001115367A (ja) 1999-08-09 2000-07-25 柔軟性不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001115367A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234345A (ja) * 2013-05-30 2014-12-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー スキンケア用シートおよびスキンケア製品
WO2020106797A1 (en) * 2018-11-20 2020-05-28 Dow Global Technologies Llc A non-woven fabric having ethylene/alpha-olefin polymer fibers

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63275710A (ja) * 1987-05-07 1988-11-14 Mitsui Petrochem Ind Ltd 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
JPH06179776A (ja) * 1992-09-12 1994-06-28 Hoechst Ag 広範な融点範囲を有するポリオレフィン成形組成物とその調製方法及びその利用
JP2775476B2 (ja) * 1989-07-31 1998-07-16 チッソ株式会社 複合型熱接着性繊維及びこれを用いた不織布
JPH11158766A (ja) * 1997-11-26 1999-06-15 Mitsui Chem Inc 不織布積層体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63275710A (ja) * 1987-05-07 1988-11-14 Mitsui Petrochem Ind Ltd 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
JP2775476B2 (ja) * 1989-07-31 1998-07-16 チッソ株式会社 複合型熱接着性繊維及びこれを用いた不織布
JPH06179776A (ja) * 1992-09-12 1994-06-28 Hoechst Ag 広範な融点範囲を有するポリオレフィン成形組成物とその調製方法及びその利用
JPH11158766A (ja) * 1997-11-26 1999-06-15 Mitsui Chem Inc 不織布積層体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234345A (ja) * 2013-05-30 2014-12-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー スキンケア用シートおよびスキンケア製品
CN105246453A (zh) * 2013-05-30 2016-01-13 3M创新有限公司 皮肤护理片和皮肤护理制品
WO2020106797A1 (en) * 2018-11-20 2020-05-28 Dow Global Technologies Llc A non-woven fabric having ethylene/alpha-olefin polymer fibers
JP7379487B2 (ja) 2018-11-20 2023-11-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エチレン/アルファ-オレフィンポリマー繊維を有する不織布

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5993964A (en) Fibers and fibrous moldings using the same
CA2191124C (en) Fibers and fabrics incorporating lower melting propylene polymers
CN101838362B (zh) 聚烯烃粘合剂组合物和由其制成的制品
CN100516120C (zh) 烯烃嵌段共聚物,其制备方法和用途
JP5663189B2 (ja) ポリプロピレン系不織布
US20030055179A1 (en) Olefin block copolymers processes for producing the same and uses thereof
KR19990063239A (ko) 복합섬유 및 그것의 부직포
JP2013516555A (ja) 新規なバイコンポーネント繊維
JP2001520324A (ja) 繊維及び布のための改善されたプロピレンポリマー
EP2671993B1 (en) Nonwoven fabric and textile product
CN102124151B (zh) 双组分纺粘纤维和由此制备的纺粘织物
JP3895063B2 (ja) 不織布
AU692038B2 (en) Fibers and fabrics of high density polyethylene and method of making same
JPH1087906A (ja) 不織布の製造に用いる成形用ポリオレフィン組成物
JP2003027331A (ja) ポリオレフィン系繊維
JP3969757B2 (ja) ポリプロピレン製不織布およびその製造方法
JP2001115367A (ja) 柔軟性不織布
JP2001355172A (ja) スパンボンド不織布
JP3969758B2 (ja) ポリオレフィン製不織布
JP3742907B2 (ja) 芯鞘構造を有する繊維およびその繊維からなる不織布
JPH09157946A (ja) ポリオレフィン合成パルプ
JP4959497B2 (ja) 不織布
JP2005060896A (ja) 複合繊維、その製造方法およびこれを用いた不織布
DE19639638C2 (de) Synthetische Polyolefinpulpe
US20210040294A1 (en) Resin Composition for Bi-Component Fiber

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100817