JP2005500181A - 木材構造物への木材害虫の接近を防ぐバリア - Google Patents
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Abstract
保護対象の建物または構造物の寿命と同程度の長い寿命を有する多層木材害虫バリア。少なくとも1つの農薬を継続または非継続ポリマーマトリクス層に結合することで、マトリクスからの農薬の放出を実質的に減らすことにより、同寿命の保護を達成する。マトリクスからの農薬の放出率は、カーボンブラックなどの担体を用いることで制御可能である。また、バリアからの農薬の放出は、バリアから農薬をほぼ放出させないことができる追加層を入れることにより、更に制御することができる。
Description
【0001】
関連発明の参考文献
本出願は、2000年12月3日出願の米国仮特許出願第60/251,112号及び、2000年12月4日出願の米国仮特許出願第60/251,141号の有効出願日を主張する。
【0002】
また、本出願は、1999年7月13日出願の米国特許出願第09/353,494号及び、1999年11月16日出願の米国特許出願第09/030,690号の有効出願日を主張する。
【0003】
上記仮出願及び通常出願の開示内容はここでは参考文献として示すことで、その内容全部を引用するものとする。
【0004】
発明の分野
本発明は、例えば、家屋や建物、木製構造物等の保護領域及び/または建造物の長期保護の為に、木材害虫(例えば、シロアリや穿孔虫(boring insect)がこれらの領域及び/または建造物に接近するのを防止するためのバリアに関する。更に詳しくは、本発明は、害虫が保護領域及び/または建造物、特に木造物を含む領域や、木材を含む構造から害虫の侵入を防ぐ長期保護バリア及び方法に関する。また本発明は、保護バリアの製造方法及び領域及び/または建造物の周りにそれらを結合する方法に関する。
【0005】
発明の背景
例えば木造建築物におけるコンクリートに接触している木材や、例えば塀の支柱、ユティリティポール、線路のまくら木、木製支持部などのように地面に接触している木材は、シロアリ、蟻、及びその他穿孔虫を含む、ただしこれらに制限されない木造害虫の活動により、その構造が劣化することがある。このような害虫の活動から木材を保護するために、殺虫剤がある。
【0006】
木材穿孔虫などの害虫を制御するために現在行われている商業的方法には、殺虫剤の散布や、構造物全体を密閉してその中に殺虫剤を放出することなどによる殺虫剤による薫蒸消毒、また、シロアリなどの昆虫を撃退及び/または根絶するために、建物の基礎の下の土壌に間隔を開けて殺虫剤を置き、建築前及び建築後の基礎の下の土壌を長期残留殺虫剤で処理する方法を含む。これらの現在の商業的方法は、様々な欠点を有する。
【0007】
例えば、一般的な方法として、シロアリの蔓延を防ぐために、新たに建築された建物の基礎の下の土壌を殺虫剤を用いて予め処理する方法がある。建築前に土壌の表面及び土壌内に殺虫剤を散布するのが普通である。農薬散布者と建築作業員との連絡が悪いために、処理された土壌の連続性が建築中に失われることがしばしばある。その上、現在の土壌殺虫剤は時間が経過すると処理土壌にシロアリの侵入を防ぐ効果が無くなるところまで生物活性を失う傾向がある。
【0008】
散布や薫蒸消毒に殺虫剤を用いることで、環境や、家屋に住む人間及び動物にダメージを与えることもある。更に、散布による、及びデバイスからの殺虫剤の大量放出は急速放出であり、害虫の侵入に対する保護を比較的短い時間しかできない。急速放出のため、効果を持続させるには、数日から数ヶ月、または1年の毎に、定期的に繰り返し殺虫剤を散布しなければならない。
【0009】
殺虫剤を土壌中に置く場合、通常、大量の殺虫剤がその周辺に放出される。このように放出されることは、殺虫剤の散布者にも、殺虫剤を用いた場所に住む人やそこを訪れる人にとっても有害であると同時に、環境にとっても有害である。
【0010】
また、あまりに長期間に亘って効果を得るのに充分な量の殺虫剤を用いることも望ましいことではない。大量の殺虫剤を用いることは環境及び健康面での問題があり、更に、殺虫剤の不快なにおいや、土壌濾過、揮発を起こす。殺虫剤を大量に用いたとしても、殺虫剤は比較的短期間で散ってしまい、殺虫剤を再度用いることが必要になる。殺虫剤を大量に用いる別の欠点としては、最初は濃度が効果を上げるための最小限レベルを大きく上回っていても、急速に低下し、建築物の寿命と比較して短時間でバリアの有効性を保つのに必要な最小限のレベルよりも低くなってしまう。従って、土壌中のシロアリの集団は、構造物の下及び周辺に薬品を追加使用しない限り、その時に構造物に侵入するかもしれない。
【0011】
薬品を追加使用する一般的な方法は、コンクリートの基礎の下の土壌に注入するか、建築物の周囲を覆う土壌を浸すか、両方を行うことにより薬品を浸透させる方法である。このタイプの建築後処理は労働集約的な型であって、継続保護を充分に達成できない。
【0012】
従って、上述した欠点を伴わない方法及びデバイスを用いた、領域及び木造構造物等の構造物の長期保護の提供及び継続に対する需要がある。
【0013】
発明の概要
本発明は、保護する建築物や構造物の寿命と同じ位の長さの寿命を持つ、多層木材害虫バリアを提供することである。少なくとも1種類の農薬を継続または非継続ポリマーマトリクス層に結合して、マトリクスからの実質的な農薬の放出を減少させることにより、耐用期間分の保護を実現することができる。マトリクスからの農薬の放出率は、カーボンブラックやガスブラックなどの担体を用いることで制御することができる。バリアからの農薬の放出率は、バリアをほぼ非放出性にすることができる層を追加することによって、更に制御することができる。
【0014】
更に、バリアは例えば、スクリム、メッシュ、シート及びそれらの組み合わせの層を含んでも良い。追加層も、多層バリアのポリマーマトリクス層に含まれる農薬と同じまたは異なる1種類以上の農薬を含んでいても良い。バリア及び/または追加層は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体からなるグループから選ばれたポリマーから作られる。農薬をポリマー内部に入れることにより、農薬は、木造構造物にダメージを与える害虫に対する毒薬または忌避剤として長期に亘って効果が持続すると共に、バリアを破って昆虫が侵入しないようにバリア中に十分な濃度の農薬が残るような率で、保持または放出される。
【0015】
本発明の一様態によれば、脆い結合混合物としての担体に農薬が結合した高分子担体システムを提供する。この混合物から形成される高分子マトリクスは、薄い高分子シートまたは膜に成型される。そして、脆い結合混合物を有するシートを木造構造物の近くに置き、木材害虫が侵入しないバリアを提供する。追加層は、木造構造物周辺のバリアを超えた土壌にバリア領域を形成するために、揮発性殺虫剤をゆっくり、比較的一定量で放出する手段を提供する。ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体を含み、農薬はピレトリンとして知られている科の殺虫剤を含む。
【0016】
本発明の別の一様態によれば、射出形成物を保護する木造構造物の側に置くことにより、排除ゾーンが形成される。射出形成物は、農薬の徐放を行うことができる担体を含む高分子デリバリーシステムを持つ。このシステムは、非常に長い時間、排除ゾーン内で、一定且つ効果的な農薬濃度を保つことができる。
【0017】
本発明の別の一様態によれば、木造構造物の排除ゾーンにおいて、蟻、シロアリ、その他の木材穿孔虫に対する農薬の濃度を安定させ、持続させるために、ポリマーと農薬とを含むペレットを提供する。ペレットは、シロアリや、蟻、その他の穿孔虫から木材構造物を保護するために土壌を処理するために、木造構造物の近辺に置く。ペレットは様々な手段により構造物の近くに置くことができる。加えて、ペレットはボードに埋め込んだり、フォーム中に入れたりすることもできる。好適な実施形態では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体を含み、殺虫剤はピレトリンである。
【0018】
本発明の別の一様態によれば、排除ゾーンはホットメルト高分子混合物を注入することにより形成する。徐放性デバイスは、1以上のピレトリンを含み、ポリマーは熱可塑性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体からなるグループから選ばれる。
【0019】
本発明の別の一様態によれば、温度変動の徐放性デバイスを、排除ゾーンを提供するために用いる。
【0020】
本発明の別の一様態によれば、徐放性デバイスを構造物を薫蒸消毒するために用いる。木造構造物と、そのような構造物にダメージを与えることができる昆虫との接触を避けるために、バリアを置くか、ゾーンを形成することが好ましい。排除ゾーンは、より長い時間、木造構造物を保護するために必要である。
【0021】
更に、本発明の別の一様態によれば、信頼性のある排除ゾーンを提供するために、殺虫剤の放出率の低い低揮発性の殺虫剤を有する高密度ポリマーを、より高揮発性の殺虫剤を含む低密度(ソフト)ポリマーと混合する。
【0022】
本発明の別の一様態によれば、多層バリアは、バリアの取り付け者や、保護領域または構造物を訪問また住む人、また、環境への悪影響を回避しながら、うようよいる穿孔虫やシロアリのような害虫が、保護領域または構造物に侵入することをより長期間に亘って防ぐ。バリアは、農薬を含み、放出する、内部活性層(つまり、農薬放出層)を含む。バリアはまた、ほんの微量の農薬しかバリアの外に放出させない、2層の農薬保持層を含む。バリアから農薬がほぼ放出されないようにするように、この内部活性層は2層の農薬保持層で挟まれる。1層以上の追加層を農薬保持層と農薬放出層との間に入れることもできる。
【0023】
本発明の一様態によれば、バリアは、柔軟な薄膜を形成するために1つに結合された、複数の高分子層を含む。膜は、シロアリはその他害虫などのうようよいる昆虫から保護する必要のある領域(例えば、家屋の基礎な)を取り囲むように設置することができる。本発明の別の一様態によれば、バリアフィルムは、例えば家屋の基礎用穴などの意図する場所にバリアフィルムを設置する前に、その場所に合うように現場から離れたところで予め成型される。
【0024】
更に、本発明の一様態によれば、多層バリアは、シートまたは膜に強度を与え、穴あき防止となる、少なくとも1層を含む薄いシートまたは薄膜の形状である。また、本発明の別の一様態によれば、多層バリアは、設置時及び設置後にバリアが太陽光に晒された時に紫外線(UV)からバリアを守る外側保護層を含む。
【0025】
更に、本発明の一様態によれば、略非放出バリアの達成を助けるような制御された状態で、農薬は活性層から放出される。言い換えれば、活性層からの放出を制御することで、ほんの微量の農薬だけをバリアから放出することができる。
【0026】
また本発明は、従来の商業的に入手可能な機器を用いて多層バリアを作る効果的な方法を提供する。本発明の一様態によれば、活性層を作るためのプレミックスで、ランプブラックまたはガスブラックを用いる。ランプブラックは、プレミックスの望ましい流動性を達成するが、他の多くのタイプのカーボンブラックと違って、ランプブラックは農薬の活動にとって不利益となる影響を与えない。ランプブラックは、農薬を非活性化したり、分解したりしないことが分かっている。
【0027】
本発明の別の一様態によれば、プレミックスを作るために、農薬を加える前に、カーボンブラック全てまたは少なくとも一部をポリマー分子と混ぜ合わせる。このようにすることで、農薬の活性度に対して不利益となるカーボンブラックの影響を最低限に抑えることができる。
【0028】
更に、本発明の一様態によれば、バリアの層を互いにしっかりしたものにするために、1層以上の結合層が用いられる。結合層を用いる利点の1つは、農薬保持層または追加層に結合可能である必要の無いポリマーで活性層を作ることができることである。このことにより、融点が低い活性層ポリマーを用いることができる。処置温度を低くすることで、活性層を作るときの農薬の損失を減らすことができる。
【0029】
従って上記によれば、本発明の目的は、木造構造物を保護するための殺虫剤のバリアまたはゾーンを提供することである。
【0030】
また、本発明の更なる目的は、周辺土壌を守るために、長期低揮発性バリアと、高揮発性短期バリアとを有するバリア及び排除ゾーンを提供することである。
【0031】
また、本発明の更なる目的は、比較的に長期間または約10〜20年に亘ってバリアを維持することである。
【0032】
また、本発明の更なる目的は、約10〜20年といった比較的長期間に亘って排除領域を維持することである。
【0033】
本発明は、その目的及び効果も含め、添付図面を参照して以下に示す詳細な説明を参照することにより、最もよく理解されるであろう。本発明のその他の様態及び利点は、この明細書及び添付の請求項を研究することにより、当業者には明らかになるであろう。
【0034】
本発明の詳細な説明
木製構造物の周辺土壌中において、殺虫剤のバリアまたはバリア及び排除ゾーンが非常に長い期間保たれた場合に、木製構造物にダメージを与え得る昆虫を大幅に減らすか、または駆除できることが知られている。排除ゾーンとは、動物相の活動を妨げる、十分な量の化学剤を有するゾーンのことである。本発明では、化学剤とは殺虫剤のことであり、動物相とは昆虫、特に、例えばシロアリや蟻といった穿孔虫のことである。本発明によれば、殺虫剤は、バリア内に保持され、そして/または、ポリマーマトリクスシステムを含む徐放性デバイスから放出され、少なくとも6年、しばしば10年、また長ければ30年持続する。
【0035】
また、害虫からの長期保護は、農薬放出層を2つの略非放出層で挟むことにより達成することができることが分かっている。この略非放出層は、農薬の微少量のみがその間から放出されるように、農薬の放出を調節する。この微小量の農薬は、少なくとも殆どの害虫を撃退するのに十分な量であり、バリアは害虫が超えるのを防ぐ。農薬は非常にゆっくり消耗されるため、本発明のバリアは、10年、長ければ30年に亘って、保護領域及び/または構造物に害虫が侵入するのを防ぐために用いることができる。農薬の放出をほぼ防ぐために農薬放出層を囲む層を用いることで、内側の農薬排出層はバリアのレートよりも高いレートで農薬を放出することができる。このため、活性層(つまり、農薬放出層)を略非放出層を作るために用いることができない材料及び処理条件を用いて作ることができる。農薬放出層からの放出は、農薬をポリマーマトリックス内に入れ、カーボンブラック(ランプブラック及びガスブラックを含む)等の担体を更に用いることにより調節することができる。
【0036】
なお、「徐放性デバイス」とは、その表面へ、そして、表面から例えば土壌などの周辺媒体中に生物活性化学物質の放出を制御及び維持するデバイスを指す。また、ここでは「生物活性」は有機体を刺激するという意味で用い、通常、抑止物としての目的である、死及びそれに至るまでの意味を含む負の意味において用いる。また、ここで用いる「農薬」は、バリア内に害虫が侵入するのを調節し、撃退し、減らし、及び/または妨害する生物活性薬剤のどのようなものも意味し、含む。また、「害虫」とは、望ましくない植物、動物、または、節足動物、クモガタ綱の動物、オオサシガメ(triatomes)、昆虫(例えば、蟻、シロアリ、その他の木材穿孔虫)、菌などの微生物を含むものである。農薬に含まれるものとしては、具体的には殺虫剤、除草剤、また、例えば殺菌剤(bactericides, fungicides)や、殺ウイルス剤、線虫駆除剤を含む生物を殺す物質、及びその他の生物制御剤または管理物質が含まれる。従って本発明のバリアは、その致死特性及び/または撃退特性のために死ぬ全ての害虫に対して用いることを意図している。「農薬の有効量」、「殺虫剤の有効量」、または「殺菌剤の有効量」とは、望みの農薬、殺虫剤、殺菌剤の活性レベルを得るのに充分な活性物質の使用量のことを言う。
【0037】
本発明の別の視点によれば、本発明のデバイスは、周辺環境に対する生物活性化学物質の放出を制御する方法を提供する。徐放性デバイスは、最初は高いレートで殺虫剤を放出し、後に低い、一定のレートで放出する。更に、最初の農薬は、後で長期に亘って放出されるものとは異なる。この放出特性により、保護領域及び/または木造物や木材を含む構造物などの構造物を比較的短時間で保護できると共に、最低有効レベルに達した後は、減少した分の殺虫剤に置き換わるのに必要な量だけ放出される。この放出特性により、処理における潜在的な環境及び健康問題は減るとともに、処理コストを下げる。デバイス放出率はデバイス構造とデバイスの構成にのみ依存し、例えば水などの外部要因には依存しない。
【0038】
本発明の別の視点によれば、徐放性デバイスは、昆虫の侵入を防ぐのに必要な殺虫剤の「最小有効レベル」を有するゾーンを生成するために、所望のレートで土壌中に殺虫剤を放出する。ここでは、「最小効果レベル」とは、そのゾーンに昆虫が侵入するのを防ぐためにそのゾーンで必要な殺虫剤のレベルのことを指し、具体的なレベルは昆虫及び殺虫剤に依存する。基礎または平面より下の構造部分近辺に置かれた場合、排除ゾーンは徐放性デバイス近辺の土壌内に作られる。非木造構造部分と、それに取り付けられた木造構造部分の間に置かれた場合、非木造構造部分と、それに取り付けられた木造構造部分間の取り付け面に排除ゾーンができる。
【0039】
商業的に用いられる場合、一般的に用いられる殺虫剤は、合衆国環境保護局(EPA)等の国家取り締まり機関がシロアリ、蟻、及びその他の穿孔虫を駆除または忌避する為の殺虫剤として承認したものでなければならない。本発明で使用するのに現在好ましいものは、テフルトリン、ラムダシハロトリン、シフルトリン、及びデルタメトリンを含むピレトリンである。しかし、イソフェンフォス、フェンバレレート、サイパーメトリン、ペルメトリン、天然ピレトリン等、その他の効果的な殺虫剤を使用できることは当業者には明らかであろう。これらは、ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)、モベイ(Mobay)、シンジェンタ・クロップ・プロテクション・インク(Syngenta Crop Protection, Inc.,)、ベルシコル(Velsicol)、FMC等の多数の商業ソースから入手することができる。殺虫剤同士の組み合わせ、または1以上の殺虫剤と殺菌剤などその他の生物活性成分との組み合わせも本発明に属する。
【0040】
図を参照すると、図1に示すように本発明の第1の徐放実施形態では、排除ゾーンを作るために殺虫剤の徐放性高分子担体デバイスを用いる。本実施形態は、スパンボンド高分子シート20と、ポリマーと殺虫剤の物理的溶解結合混合物とを含む(図1及び図3乃至図5の斑点21として示す)。スパンボンド高分子シート20は、織布または不織布のいずれでも良く、また、高分子シートであっても良い。このような布は、リーメイ(Reemay)、エクソン・ファイバーズ(Exxon Fibers)、フィリップス・ファイバーズ(Phillipes Fibers)等、多数の製造業者から入手可能である。当該布はポリプロピレンの織布または不織布であることが好ましい。
【0041】
溶解結合混合物中のポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体のいくつを含んでいても良い。ポリマーの選択は、望ましい放出率、ポリマーと殺虫剤との親和性、及び環境条件に依存する。本発明を限定するものでは無いが、一例としては、以下に示すポリマーを使用することができる。すなわち、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酢酸ビニル、ウレタン、ポリエステル、サントプレン(santoprene)、シリコン、またはネオプレンである。しかし、好ましいポリマーは高密度及び低密度ポリエチレンである。ここで記述したものとは異なる別の農薬を用いることもできるが、いくつかの実施形態では、クロルピリフォス(chlorphyrifos)が好適な農薬である。
【0042】
ポリマーと殺虫剤の混合物を、スパンボンド高分子シート上に斑点状に戴置しても良い。これらの斑点の間隔は、排除ゾーンにおいて最小効果レベルを超えるような殺虫剤の量を十分に維持できるような間隔である。最小効果レベルは、昆虫の侵入を防ぐためにゾーン内で必要とされる、最低限の殺虫剤の量のことである。図1及び図3乃至図5の斑点21は、好ましくは直径約0.5〜1.5cm、高さ約0.5〜1.5cmである。斑点の大きさ及び形状はユーザーの好みに応じており、また、消費者の意図する仕事に合わせて作ることも可能である。斑点21は、互いに約1.5〜4cmの間隔を開けて列に並べるようにしても良い。特定の用途に応じて、この他の斑点の構成であっても良いことは当業者には明らかであろう。殺虫剤を放出する高分子シートは、殺虫剤を徐放して排除ゾーンを創出するために、木製構造物の近くまたは周辺に設置される。
【0043】
本発明の第2の徐放実施形態もまた、殺虫剤の徐放のために高分子担体デリバリーシステムを用い、スパンボンド高分子シート20と、ポリマーと殺虫剤の物理溶解結合混合物とを含む。高分子シート20は、第1の実施形態で説明したように織布または不織布ポリプロピレンのいずれであっても良く、その上に物理溶解結合混合物が結合される(図2のストライプ22に示す)。同様に、このセクションで説明した実施形態においても、第1の実施形態で上述したポリマーと殺虫剤を用いることができる。
【0044】
第2の実施形態に係るポリマーと殺虫剤の混合物は、例えば図2に示すようなストライプ形状にする押し出しシステムを用いて、スパンボンド高分子シート上に置くようにしてもよい。ストライプ22は、例えば、高さ約1cmで、ストライプの間隔は約5〜15cmである。最も好ましくは、ストライプの間隔は約10cmがよい。殺虫剤の最初の大量放出の後、排除ゾーンにおいて殺虫剤が一定濃度を維持するような配置にストライプを形成することが望ましい。高分子シートにストライプを付けた後、シートは、昆虫から守るべき木製構造物上またはその近辺に戴置される。
【0045】
結合充填剤及び/または担体を、本発明の全ての実施形態に含めるようにしてもよい。結合充填剤及び/または担体を含むことにより、より多くの量の殺虫剤をある決められた放出率で放出したり、ある決められた量の農薬をより低い放出率で放出できるようになる。結合担体は農薬を結合する。農薬を結合することが確認されている結合担体は、例えば、カーボンブラック(ランプブラックとガスブラックを含む。)、活性炭、及びこれらの組み合わせなどの、カーボンベースの担体を含む。アルミナ、シリコアルミネート(silicoaluminate)、ヒドロキシアパタイト、及びこれらの組み合わせをカーボンの代わりに生物活性化学物質を結合するために用いることができると考えられている。
【0046】
カーボンベースの担体を使用する時は、まず第1にカーボンが乾燥していることを確認してから液状の殺虫剤をカーボンと混ぜる。十分なカーボンブラック(充填剤)のみを用いて、ぽろぽろの易壊性の混合物を作る。「ぽろぽろ」とは、ほぼ乾燥しているか、または粘着性の無い、可流粒子のことを言う。ある種の農薬には、液状化するために熱を加えなければならないものある。液状の殺虫剤は、細かく分けられたカーボンブラックの非常に広い表面領域に粘着または結合し、混合物は、ポリマー内で一体化させるために冷却される。カーボンを利用した場合に用いられるポリマーは、ポリエチレン(低密度及び高密度のポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合体または混合物、ポリブチレン、エポキシポリマー、ポリアミド、アクリル酸アクリロニトリルスチレン(acrylate−styrene−acrylonitrile)、芳香性または非飽和ポリエステル、ポリウレタン、シリコン、またはその他の適したポリマー、またはこれらの共重合体である。
【0047】
第1及び第2の実施形態におけるカーボンと殺虫剤の混合物(またはカーボンが使用されていない場合には単に殺虫剤)は、溶解、パウダー、液体のいずれかの段階において、ポリマー、好ましくはポリウレタンと混ぜられる。次に、この混合物を高分子シートに接着させる。本発明の第1及び第2の実施形態においては、ポリマーと殺虫剤は高分子シートに溶解接着される。
【0048】
ポリマーと殺虫剤の混合物を高分子シートに接着するやり方の1つに「押出鋳込」がある。「押出鋳込」では、溶解された材料を加熱されたノズルから多孔ウェブを通して鋳型に注入する。溶解された材料は、圧力をかけられてウェブを流れ、鋳型の中で固化する。溶解された材料が押し出される間、多孔ウェブは空気を逃がすが、溶解した材料が冷えるまで、多孔ウェブは圧力下で溶解した物質を保持することができる。
【0049】
ポリマーと殺虫剤の混合物を高分子シートに接着する別の方法としては、溶かしたポリマーと殺虫剤との混合物をスパンボンド高分子シート上に戴置する方法がある。混合物が溶けている場合、冷却し、硬化し、固化できるようにしなければならない。以降、「ポリマーと殺虫剤の溶解混合物」は、ポリマーが溶かされたか、すでに液状となっていることを言う。殺虫剤は、融点に応じて、溶解した状態であっても、スラリー溶液中に含まれていても良い。「ポリマーと殺虫剤との溶解混合物」は、溶解はしないが、溶解ポリマー−殺虫剤の物質と一緒に流れるカーボンまたは他の添加剤を含んでも良い。
【0050】
本発明の第1及び第2の実施形態は、排除ゾーンにおいて昆虫を駆除または忌避させる為に効果的な殺虫剤の濃度を保つのに十分であって、且つ、長期間にわたり効果的な濃度を保つ為に十分にゆっくりとした放出率を提供する。
【0051】
すなわち、本発明の第1及び第2の実施形態における好ましい組成は、質量の約70〜95の割合の担体ポリマーと、約0〜15重量%の割合のカーボンと、約5〜30重量%の割合の殺虫剤である。徐放性デバイスの設計要件は、ユーザーの好みや地理的条件といった要因に応じて変わる。最初の殺虫剤の大量放出後、本第1及び第2の実施形態における高分子デリバリーシステムの定常放出率は、蟻やシロアリなどの昆虫に対するバリアとして、少なくとも6年間は維持される。しかし、本発明の均衡濃度は、それぞれのユーザーの要望に合わせて簡単に調整することができる。
【0052】
また、図1乃至図5に示す実施形態は、金属化箔などの農薬不浸透性シート(不図示)を有しても良い。金属化箔またはポリマーを押し出したシートは、殺虫剤が流れる方向を決めるために、スパンボンド高分子シートの片面に重ねる。
【0053】
本発明の別の実施形態は害虫不浸透性シートのバリアであって、生物活性化学物質または農薬とカーボン担体との易壊性の結合混合物がポリマー内に置かれ、生物活性化学物質はほぼ放出されない。なお「ほぼ放出されない」、及び「微少量のみ放出する」とは、0.4μm/cm2/日未満の放出率であるとし、好ましくは0.1μm/cm2/日未満、最も好ましくは、0.05μm/cm2/日未満の放出率のことをいう。本実施形態は、検出限界を下回る放出率を含む。本実施形態では、害虫は、ポリマー表面の「臭いを嗅いだり」、「ひっかいたり」し、害虫に有害な生物活性化学物質が存在することを感知して、接近を止める。このバリアの寿命は高放出率のバリアと比べてかなり長い。更に、ポリマーの傷または破れによっても、生物活性化学物質が「漏れる」状態になりにくい。従って、完璧なバリアを維持するためには、本実施形態を2層以上にすることが好ましい。複数層にすることにより、1層が破れたり、穴が空いたりしても、害虫は2層目または破れていない隣の層を通り抜けることができない。また、破れを防ぐために、バリア層の片面または両面に、例えばスクリムなどの保護層を設置するのも好ましい。
【0054】
第1及び第2の実施形態の高分子担体デリバリーシステムができあがると、昆虫から保護しようとする構造の側に設置される。図3〜図5は、本発明における、斑点またはストライプのシートの様々な利用例を示す図である。図1の構成が図3〜図5で示されているが、図2に示す構成やその他も構成であってもよい。
【0055】
図3では、高分子担体デリバリーシステム1は木製構造物100のコンクリート基礎の下及び基礎に沿って設置されており、シロアリ、蟻及びその他の穿孔虫から構造物を守るために排除ゾーン10が創出されている。
【0056】
図4は、高分子担体デリバリーシステム2が、排除ゾーン10を提供するために、ポーチ、パティオ、歩道等の構造物部品24の下、または木製構造物101の横の基礎土台の下に設置された図を示す。
【0057】
図5は、高分子担体デリバリーシステム3が、排除ゾーン10を創出するために、木製構造物102の木製部25の下であって、コンクリート基礎23の上及び横に設置された図を示す。
【0058】
図6及び図7に、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態は、図6に示す押し出し成型されたフレキシブルシリンダー26や、図7に示す押し出し成型されたフレキシブル平面ストリップ27などのような、突出成型物に関係する。大きく4つのサブグループに分類できる、様々な種類のポリマーを使用することができる。そのグループとは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、及び上記3つのグループの共重合体である。その一例として、4つのグループから使用できるポリマーをいくつか例に挙げると、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチル−酢酸ビニル(EVA)、酢酸ビニル、ウレタン、ポリエステル、サントプレン(santoprene)、シリコン、ネオプレン、ポリイソプレンがある。いくつかの実施形態では、殺虫剤については、上述した殺虫剤を用いることはできるが、クロルピリフォスが好ましい。充填剤を加えても良い。
【0059】
シリンダーは、直径約5〜15mmの大きさであることが好ましいが、排除ゾーンへの殺虫剤の最良の定常デリバリーを行うためには、直径約10mmであることが最も好ましい。平面ストリップは、厚さ約1〜6mm、幅約5〜15mmであることが好ましい。しかし、シリンダーと平面ストリップの両方とも、ユーザーによる様々な条件に合わせて設計することができる。
【0060】
全体としては、より長期に亘って排除ゾーンにおける農薬の均衡濃度を維持するために、本発明の本実施形態の成分は、質量の約70〜約95の割合のポリマーと、質量の約0〜約30の割合のカーボンと、約5〜約30重量%の割合の農薬とからなる。しかし、この押出成型物の構成はユーザーの要望に合わせることができる。排除ゾーンはシリンダーで少なくとも6年間、平面ストリップでも同様の期間、保持することができると見積もられている。
【0061】
押出成型物は、排除ゾーンを創出するために様々な位置に置くことができる。図8は、図6に示す押出成型物の使い方を示す。1以上のフレキシブルシリンダ26が、構造物のコンクリート基礎23’と木製部25’との間に設置される。フレキシブルシリンダ26は、排除ゾーンを創出すべく制御された率で殺虫剤を放出する。この構成の利点は、フレキシブルシリンダ26はすでに建設された構造物の下に設置することが可能なことである。同様に、不図示であるが、フレキシブルシリンダは、水平方向と対照的に、垂直に地面内に設置することもできる。押出成型物は、個別の使用目的に応じて、他の適切な形状にしたり、適切な設置場所に設置しても良いことは、当業者には明らかであろう。
【0062】
図9は、図7のフレキシブル平面ストリップの押出成型物を用いる方法を示す。1以上のフレキシブル平面ストリップ27を構造物のコンクリート基礎23”と木製部25”との間またはこれらに沿って設置することで、排除ゾーンを創出する。フレキシブル平面ストリップ27は、不図示ではあるが、一例として、壁に沿って垂直に設置することも可能である。ここでも、平面ストリップの適切な設置の仕方は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0063】
図10〜図13の実施形態に示すように、ペレットを使用することで、殺虫剤の放出を便利良く制御することができる。ペレット13は、ポリマー、殺虫剤を含み、充填剤も含むことが好ましい。本実施形態では、種々のポリマーを使用することができる。それらは、熱可塑性ポリマーと、熱硬化性ポリマーと、弾性ポリマーと、これらの共重合体とからなる4つのサブグループのポリマーを含む。これら4つのサブグループからのポリマーの選択は、好ましいポリマーが高密度ポリエチレンであるか、低密度ポリエチレンであるかを考慮した設計要件に応じて行われる。また、好ましい殺虫剤はテフルトリンであるが、以下に示す殺虫剤を用いても良い。すなわち、イソフェンフォス、フェンバレレート、サイパーメトリン、ペルメトリン、及びその他のピレトリンである。最良の結果を得るためには、カーボンなどの担体を混合物に組み入れることもできる。
【0064】
ペレット31は、排除ゾーンを確立するために、より長期に亘り制御された率で殺虫剤を放出する。土壌中のゾーンの保持のために、そのようなペレットで必要とされる成分は、質量の約70〜約95の割合のポリマーと、質量の約0〜約30の割合のカーボンブラックと、質量の約5〜約30の割合の殺虫剤である。その他、ユーザーの好みに応じてペレットの成分を変えても良い。
【0065】
ペレットは使用目的に応じて都合の良い大きさにすれば良く、例えば、直径(または、長方形であれば幅及び厚さ)約1〜25mm、長さ2〜20cm以上である。また、ユーザーの特定の要望に合わせるために、ペレットの大きさ及び殺虫剤の濃度は、簡単に調整することができる。しかし、排除ゾーンは少なくとも6年間は維持される。
【0066】
更に、ペレット31は、およそどこにでも、簡便に設置することができるという利点を有する。本発明の本実施形態のペレットを図10に示す。ペレット31は、木製構造物25の近くに挿入されている。図10に示すペレットは、木製構造物にダメージを与え得る昆虫を排除するために、木製構造物25’”の周りにゾーン10が創出されるように、セメント基礎23’”や、木製構造物のすぐ下(不図示)に置くことができる。図11は、表面40上に埋め込まれたペレット31の断面図である。
【0067】
ペレットは、非常に様々な用途に、簡単に用いることができる。図12は、ペレットがコンクリートの構造物表面40上に吹き付けられる様子50を示す。図15は、予め形成されたボード300上にペレット33を戴置することによる表面の処理を示す。
【0068】
図13に示すように、ペレット32は、土壌またはコンクリートなどの表面40にフォーム41を用いて付けられる。ペレットは、まず、従来知られている技術によってフォーム内に混入される。そして、微小ペレットを含むフォーム41は、図12に示すように、表面に保護コーティングを施すために、自動吹きつけ塗装器70により表面41上に吹き付けられる50。そして、ペレット32は、害虫から木材を守るために、土壌中に保護バリアを創出すべく、殺虫剤を放出する。最良の結果を得るためには、フォーム50をポリウレタンで構成する。また、シリコン、ポリエステル、またはポリ酢酸ビニルを使用することもできる。ペレット32は、フォームの厚み及び排除ゾーンにおける殺虫剤の望ましい濃度に応じて、その大きさを変更することができる。表面に塗布するフォームの厚みは、ユーザーの好みに応じて変えることができる。排除ゾーンは、少なくとも6年間は維持することができる。フォームは、殺虫剤の担体として用いられる他に、セメントを保存し、断熱材としての役割も果たす。
【0069】
図14に示すように、ペレット33を埋め込んだ成型済みボードを本発明の一実施形態として用いることができる。ボード300は、ペレット33を適切に保持することのできるどのような材料からでも作ることができる。ボードは、ダウ・ケミカル・カンパニーの登録商標であるスタイロフォーム(styrofoam)により作ることが好ましい。ボードは、様々な方法で用いることができ、更に、断熱材としても機能する。一応用例を図15に示す。ここでは、ペレット33を含むボード300がコンクリート表面42上に置かれている。埋め込まれたペレットは、工夫された殺虫剤の量に応じて、一定間隔を置いて配置されている。
【0070】
図16及び図17に示す別の実施形態によれば、ポリマーマトリクスと殺虫剤とを含む徐放性デバイスをホットメルトにより適用することができる。この実施形態は、すでに設置された構造物の必要性に応じて設計されたものである。上述の通り、ポリマーマトリクスは、上述の4つのポリマーグループを含むことができる。同様に、上述の殺虫剤のいずれでも使用することができる。しかし、高密度または低密度ポリエチレンをピレトリンのいずれかと共に用いることが好ましい。ユーザーに応じて作る場合でも、最良の結果を得るためには、ホットメルト適用時の様々な物質の濃度は、約70〜約95のポリマー、約5〜約30の殺虫剤、及び約0〜約30の充填材/担体である。
【0071】
図16は、シリンジ400によりコンクリート基礎43近辺の地面に注入されるホットメルト50を示す。コンクリート構造43は木製構造物250を支えている。図17は、すでに地中に注入されたホットメルト50の間隔を示す図である。
【0072】
別の実施形態において、図18及び図19は、構造物500を薫蒸消毒するために殺虫剤を使用しているところを示す。薫蒸消毒される構造物の中または近くに徐放性デバイスを注入または戴置することにより、徐放性デバイスから放出される殺虫剤は蒸発し、これにより構造物を薫蒸消毒することができる。図18は、建築ブロック502からなる構造物500を薫蒸消毒するためにプラグ34を用いる場合を示す。同様に、図19は、ドリル800を使ってセメントスラブ900に穴700を開け、セメントスラブ900に徐放性デバイスを用いる場合を示す。挿入が完了すると、プラグは構造物を薫蒸消毒することができる。
【0073】
本発明のデバイスの別の実施形態を図20に示す。低蒸気圧殺虫剤を含む中または高密度ポリマーである第1ポリマー200と、より揮発性が高く、高蒸気圧の殺虫剤を含む低密度の第2ポリマー202とを混ぜる。高密度、中密度、低密度は、ポリマー内の架橋結合の度合いを示す用語で、ポリマーの技術分野では良く知られている。高蒸気圧とは、約1mPaを越える蒸気圧のことを言い、好ましくは、約10〜約100mPaの間である。低蒸気圧とは、1mPaを下回る蒸気圧を言い、好ましくは、約0.05〜約0.5mPaの間である。第1ポリマー200は、約1/32〜1/8インチの厚さであることが好ましい。低蒸気圧殺虫剤は、ペルメトリンまたはラムダシハロトリンであることが好ましい。第1ポリマー200の素材には、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンの中から選ぶことが好ましい。第2ポリマー202は、第1ポリマー200の近隣及び好ましくは第1ポリマー200に密着して設置される。第1ポリマー200は水及びラドン不透過性であることが好ましい。従って、第1ポリマー200はフィルムまたはスパンボンドなどのシートであることが好ましい。本発明によれば、第1ポリマー200は2つのサブパートからなり、その一方は、低蒸気圧殺虫剤を含む透水性の中密度または高密度ポリマーであるサブパート204で、もう一方は、殺虫剤を含まない非透水性層のサブパート206である。非透水性層は、設置者が生物活性化学物質にさらされたり、接触するのを防ぐまたは減らす働きがある。非透水性の層としては、例えば、マイラー(Myler)、サラン、サラネックスがある。
【0074】
第2ポリマー202は低密度ポリマーであり、好ましくは、エチレン−酢酸ビニル、低密度ポリエチレン、またはそれらを混合したものである。第2ポリマー内の、より揮発性が高い、または、より高い蒸気圧を有する殺虫剤は、好ましくは、例えばテフルトリン等の合成ピレトロイドである。
【0075】
第2ポリマー202は、すでに説明したようにペレット形状であっても良く、第1ポリマーを基礎上の土台板の下に設置し、第2ポリマーを基礎周辺の土壌内に散らすように、第1及び第2ポリマーを展開する。より好ましくは、第2ポリマー202は、図示されるように織布または不織布のいずれか一方であるオープンメッシュの形状をしている。メッシュの開放口は、封印されていない程度のわずかな大きさから、約1〜4インチ角の範囲の大きさであり、リブ208は、断面幅約1ミル〜約1/8インチである。ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステルから作ることのできるスクリムをメッシュとして用いることができる。第1ポリマー200シート及び第2ポリマー202オープンメッシュを用いて、第1ポリマー200及び第2ポリマー202を組み合わせたデバイスを地面の下に設置することが好ましい。第1ポリマーシート200は、第2ポリマー202オープンメッシュの隣に設置され、第1ポリマー200シートは基礎43に接触するかその近辺であって、基礎と第2ポリマー202オープンメッシュの間にある。メッシュの材料は生物活性化学物質を吸収し、生物活性化学物質の貯蔵器の一助としても良い。
【0076】
使用中、第1ポリマー200は昆虫の侵入に対して、物理的/化学的バリアを維持する。しかし、第1ポリマー200の放出はゆっくりである為、設置されてから約1年以内に排除ゾーンを創出することができる程度の非常に少量の殺虫剤が放出される。更に、例えば、配電や配管などによる貫通や、建築中に穴または破れを作らずに欠点の無いバリアを設置することは不可能である。従って、第2ポリマー202は設置後の数日間で排除ゾーンを創出することができるように展開され、第1ポリマー200の不完全な部分を介しての昆虫の接近を防ぐことができる。従って、第1ポリマー200は3つの機能を有する。すなわち、昆虫に対するバリア、蒸気/湿気バリア、そしてラドンバリアである。第1ポリマー200は少なくとも10年間、好ましくは20年以上保たれるように設計される。第2ポリマー202は少なくとも5年間、好ましくは約10年間保たれるように設計される。第2ポリマー202が消耗し、昆虫に対する効果が無くなるまでには第1ポリマー200が排除ゾーンを保持するのに十分な殺虫剤の放出濃度にすることができる。
【0077】
好適な多層バリア
本発明の別の実施形態は、少なくとも3層を有する多層バリアである。なお3層とは、農薬放出層と、2層の農薬保持層である。農薬保持層は、農薬放出層の両サイドにある。農薬放出層(つまり、「活性」または農薬活性成分を含む層)は、少なくとも1つの農薬を含む。農薬放出層は少なくともその1つの農薬を放出する。農薬放出層は、微少量の農薬しかバリアの外に放出しない。内側の活性層は、2つの農薬保持層により挟まれるため、バリアからは農薬がほぼ放出されない。バリアの厚さは通常、約0.010インチ(10ミル)〜約0.030インチ(30ミル)であり、約0.014インチ(14ミル)〜約0.016インチ(16ミル)であることが好ましい。多層バリアはシートやフィルムの形状に成型することができ、シロアリやその他害虫等の地面を這う昆虫から保護する必要がある家屋の基礎部分などの領域を取り巻くように敷設することができる。
【0078】
この多層バリアは、保護領域及び/または構造物に地面を這う穿孔虫やシロアリなど害虫が侵入するのを防ぎ、そして、そのバリアを害虫が超えるのを撃退し、及び/または防ぐことにより、この領域及び/または構造物を保護する。多層バリアはより長い期間、領域及び/または構造物を保護すると同時に、バリアの設置者や、保護領域及び/または構造物を訪問し、または占有する人々、更には環境に対する悪影響を及ぼさない。有害な影響なく設置者がバリアを取り扱えるように、バリアからの農薬の放出は最小限である。農薬を最小限放出することで環境に与える影響を最小限にすると共に、バリアを長期間、通常は10年、更には30年に亘って持続することができる。多層バリアは、地面を這う木材穿孔虫やシロアリなどの害虫からの長期保護を新築の地主に提供できるように、建築前に建築物の基礎の下に設置することができる。害虫を保護領域及び/または構造物の外に追いやっておくことに加え、多層バリアは湿気及びラドンなどの有毒ガスが保護領域及び/または構造物に浸透することを防ぐのを助ける。
【0079】
本発明の本実施形態のバリアは1以上の追加層を含んでも良い。追加層は、農薬放出層及び農薬保持層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、農薬放出層と農薬保持層との間に設置することが好ましい。
【0080】
本発明の本実施形態のバリアは、バリアを補強し、穴開き防止のための追加層を含む。この追加層は必要な層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、農薬放出層と農薬保持層との間に設置することが好ましい。多層バリアは薄いシートまたはフィルムの形態をしていても良く、その場合、シートまたはフィルムを補強し、穴開き防止のための層を少なくとも含む。補強・穴開き防止層の厚さは通常約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の間であり、好ましくは約0.004インチ(4ミル)である。
【0081】
本発明の本実施形態のバリアは、紫外線などの環境要因からバリアを保護するための1以上の追加保護層を含んでいても良い。追加保護層は、設置時及び設置後バリアに太陽が当たるときに、バリアをUV光線から保護する。追加保護層はその他の層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、通常はバリアのその他の層の外側に配置される。保護層は、バリアの断熱性を促進するために、断熱ポリマーで作ることができる。保護層の厚さは通常約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の間であり、好ましくは約0.001(1ミル)である。保護層は通常、バリアの約15重量%〜約30重量%の間であり、好ましくはバリアの約22重量%である。保護層の面積密度は原料約13g/m2〜原料約78g/m2の間であり、好ましくは原料約26g/m2である。
【0082】
バリアの層はまとめられているか、互いに結合されており、単一の多層製品を形成している。各層は直接或いは結合層を用いて互いに結合することができる。例えば、補強・穴開き防止層を、結合層を用いて活性層(つまり、農薬放出層)及び農薬保持層に結合することができる。同様に、補強・穴開き防止層を、結合層を用いて農薬放出層に結合することができる。バリアの各層を互いに固定するために1層以上の結合層を用いる利点は、活性層を農薬保持層または追加層に結合可能である必要のないポリマーで作れることである。これにより、活性層(つまり、農薬放出層)において融点の低いポリマーを使用することができる。処理温度が低くて済むために、活性層を作る処理時に農薬の損失を減らすことができる。
【0083】
農薬保持層は、バリアから農薬がほぼ放出されないように、微少量の農薬しか透過できないような高分子原料から作ることが好ましい。好適なポリマーは、ミシガン州ミッドランドにあるダウ・ケミカル・カンパニーのサラネックス(登録商標)である。各農薬保持層の厚さは、約0.001インチ(1ミル)〜約0.005インチ(5ミル)の間であり、好ましくは0.002インチ(2ミル)である。農薬保持層は、バリアの約20重量%〜約40重量%の間であり、好ましくは、バリアの約25重量%〜約35重量%、更に好ましくはバリアの約30重量%である。農薬保持層の面積密度は、原料約26g/m2〜原料約130g/m2の間であり、好ましくは原料約60g/m2である。本発明の本実施形態では、農薬放出層ではなく、農薬保持層がバリアからの農薬の放出を制御する。しかし、農薬放出層は、農薬放出層からの農薬の放出を調整することにより、確実に微少量の農薬しか放出されないように助けることができる。バリアからの放出率は、場合によっては、検出限界を下回る。
【0084】
農薬放出層は、高分子マトリクスと、高分子マトリクス全体に分散された農薬とから構成することができる。高分子マトリクスは、フィルム内に形成される徐放性高分子マトリクスであってもよい。本発明の一実施形態によれば、高分子マトリクスは低密度ポリエチレンから作られる。線状低密度ポリエチレンは、他のポリエチレンに比べて融点が低いため、高分子マトリクス素材として現時点では好ましい。低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒の低密度ポリエチレンが考えられる。高分子マトリクスで用いるのに適したポリマーとしては他に、これらに限られるものではないが、ウレタン、ポリウレタン、エポキシ、シリコン、ポリエチレン+ワックス(PE+ワックス)、芳香族ポリエステル、ペレタン(pellethane)、エチル−酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリエステル、サントプレン、ネオプレン、ポリイソプレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合体または混合物、ポリブチレン、エポキシポリマー、ポリアミド、アクリル酸アクリロニトリルスチレン、非飽和ポリエステル、シリコン、またはそれらの組み合わせを含む。高分子マトリクスで用いられるポリマーは疎水性であってもよい。
【0085】
農薬放出層で用いるのに適している農薬は、本発明がこれらに限られるものではないが、例えばピレトロイド、ネオニコチノイド、イソフェンフォス、フェンバレート、ピレトリン、及びこれらのタイプの化合物の混合物を含む。農薬放出層で用いるのに好適な農薬は、テフルトリン、ペルメトリン、ラムダシハロトリン、レズメトリン、デルタメトリン、サイパーメトリン、シフェノトリン、シフルトリン、デルタメトリン、クロルピリフォス、フェノキシカーブ、ジアジノン、ジクロルフェン、メチルイソチオカネート、ペンタクロルフェノール、トラロメトリン、クロルフェナピル、フィプロニル、ネオニコチノイド、及びこれらの化合物の混合物を含む。適したネオニコチノイドの例としては、これらに限るものではないが、チアメトキサン、ナイテンピラン、イミダクロプリド、クロチアニディン、アセトアミプリド、チアクロプリドを含む。農薬放出層で用いるのに好適な農薬はラムダシハロトリンである。ラムダシハロトリンは合衆国で最も重要なシロアリの種類であるレチカルタームス・フラヴァイプ(Reticulitermes flavipes)に対して、0.0001μg/シロアリの内、実験用シロアリ(LC99の99%を殺傷する致死濃縮液を含む非常に効果のある殺シロアリ剤である。いくつかの実施形態では、農薬放出層内の農薬の少なくとも1つが、農薬放出層の少なくとも5重量%分存在する。別の実施形態では、農薬放出層内の農薬の少なくとも1つが、農薬放出層の少なくとも10重量%分存在する。
【0086】
多層バリアは、シロアリに対して様々な働き方をする。多層バリアは、バリアに短時間接触したシロアリに対して致死量の農薬が与えられるように、バリアにおけるラムダシハロトリンなどの農薬を用いて殺虫保護を提供する。また、多層バリアはシロアリに対して防虫保護をする。更に多層バリアは、シロアリがバリアを食べ始められないように、滑らかで強い外部農薬保持層を含むことが好ましいため、シロアリに対して物理的保護を提供する。
【0087】
高分子マトリクスと該マトリクス内に拡散された農薬とから作られた農薬放出層は、カーボンブラック(ランプブラック、ガスブラックを含む)などの担体を含んでも良い。ランプブラックの形態のカーボンブラックは、農薬を非活性化または変質させること無く、押出形成が容易で、且つ固化させないことが容易であるという利点を有することが分かっている。ランプブラックの形態でカーボンブラックを使用することにより、ほぼ乾燥したまたは非粘着性の流動性のある粒子のぽろぽろの易壊性の混合物を生成することを助け、押出形成中に農薬が蒸発することを防ぐ一助となる。農薬放出層の厚さは通常約0.001インチ(1ミル)〜約0.020インチ(20ミル)の間であり、好ましくは約0.001インチ(1ミル)〜約0.005インチ(5ミル)の間、更に好ましくは、約0.002インチ(2ミル)または0.0037インチ(3.7ミル)である。農薬放出層は、通常、バリアの約15重量%〜約30重量%の間、好ましくはバリアの約22重量%〜約25重量%の間、更に好ましくはバリアの約24重量%である。農薬放出層の面積密度は、通常原料約22g/m2〜約115g/m2の間であり、好ましくは原料約45%である。
【0088】
農薬放出層は、農薬を抑制して放出することが好ましい。この徐放は、ほぼ放出しないバリアを達成するために、農薬保持層が微少量の農薬しかバリアから能出されないようにする助けとなる。言い換えれば、バリアから微少量の農薬のみを放出することを、活性層(つまり、農薬放出層)からの放出を制御することにより助けることができる。
【0089】
昆虫を撃退し、その侵入を防ぐ農薬に加えて、バリアに1以上の殺菌剤を含むことが好ましい。殺菌剤は、殺虫剤を含む農薬放出層または個別の殺菌放出層に入れることができる。個別の殺菌放出層は農薬放出層内にあっても良い。菌によるバリア全体の質の低下を防ぐために、1以上の殺菌剤を含めることができる。
【0090】
ここで用いている「殺菌剤」とは、植物生病原菌に対して有効な、非常に広い範囲の化合物クラスに属する化合物を指すものとする。好適な対菌活性化合物が属する化合物クラスの例としては、室温(25℃)で固体及び液体の殺菌剤を含み、これらに限られるものではないが、トリアゾール誘導体、ストロビルリン(strobilurins)、カルバミド酸塩(チオ及びジチオカルバミド酸塩(dithiocarbamates)を含む)、ベンゾイミダゾール(例えばチオベンダゾール)、N−トリハロメチルチオ(N−trihalomethylthio)化合物(例えばカプタン)、置換ベンゼン(substituted benzenes)、カルボキシアミド(carboxamides)、フェニルアミド(phenylamides)、フェニルピロール(phenylpyrroles)、及びこれらの混合物を含む。好適な殺菌剤は、トリクロルニトロメタン、メチルイソチオシアネートと1,3−ジクロルプロパンの混合物、N−メチルジチオ岩酸塩ナトリウム、2,3,5,6−テトラクロル−1,9−ベンゾキノン、カルシウムシアナミド、ビフェニル、ナフテン酸銅、ジクロルフェン、フェンティン水酸化物、及びこれらの化合物の混合物を含む。
【0091】
殺菌活性化合物は、多層バリアの活性層において殺菌効果のある量が用いられる。本発明の実施においては、上述した1以上の殺菌活性化合物の混合物を活性化合物として用いることもできる。
【0092】
本発明の本実施形態のバリアは1以上の補強・穴開き防止層を含むが、この補強・穴開き防止層はスクリムで作ることが好ましい。補強・穴開き防止層は、破れや穴開きを防ぎ、また、バリアに張力強度を与える助けをする。好適なスクリムは、織布ポリマーで作られる。特に好ましくは、高密度ポリエチレンから作られた織布ポリマーである。スクリムの圧さは通常約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の間であり、好ましくは約0.004インチ(4ミル)である。スクリム層は一般的にバリアの約11重量%〜約24重量%であり、好ましくはバリアの約17重量%〜約18重量%である。スクリム層の面積密度は通常、原料約30g/m2〜約95g/m2の間であって、好ましくは、原料約62g/m2である。
【0093】
バリアの端から農薬放出層の農薬が放出されるのを減らすために、農薬保持層を対応する農薬放出層よりも幅広く長くしてもよく、農薬保持層を互いに直接接合するか、接合層により接合するとよい。
【0094】
1以上の追加層(つまり、農薬放出層以外の層)を農薬保持層内に設置することで、バリアに害虫が侵入した場合にも有理である。農薬が放出されるにつれて、追加層には農薬が染み込んでゆく。従って、追加層はバリアを通り抜ける害虫に対して物理的且つ農薬による保護を更に提供することになる。
【0095】
本発明の本実施形態における多層バリアの利点の1つは、全体または一部が木材で作られた構造物に、シロアリ、木材穿孔蟻及びその他の害虫が侵入することをバリアが防ぐことができる点である。別の利点としては、10年、または30年にも亘る長期機関、害虫がバリアを超えることをバリアが防ぐことができる点がある。更なる別の利点としては、バリアを設置するときにバリアの外側の面にほぼ農薬が無い状態であることである。これにより、バリアの取扱者及び設置者の安全を高めることができる。本発明の本実施形態における更なる利点は、バリアの製造処理が効率的で、且つ、従来商業的に用いられている設備を用いて大量のバリアを製造できることである。保護する領域及び構造物に害虫を近づけないことに加えて、本発明の本実施形態のバリアは、保護する領域及び構造物に湿気及び有毒ガスが侵入することを防ぐ。
【0096】
本発明の一様態によれば、バリアは、柔軟で薄いフィルムを形成するために互いに接合された複数の高分子層から成る。フィルムは、家の基礎などの、シロアリやその他の害虫などの地面を這う昆虫から守る必要のある領域を囲うように設置することができる。
【0097】
本発明における現在好適な多層バリアは、8層の薄い高分子フィルムから成る。層は柔軟性のあるフィルムを形成するために互いに接合される。現在好適なバリアフィルムの厚さは、約0.015インチ(15ミル)〜約0.016(16ミル)の間である。現在好適なバリアフィルムの幅は、約81インチ〜約83インチの間である。現在好適なバリアフィルムの重さは、約327g/m2である。現在好適なフィルムの8層を、図21の断面図に概略的に示す。
【0098】
図21において、バリアフィルム110は外部層112と114を含む。外部層112及び114は、押出コーティンググレードのポリオレフィンプラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニーからアフィニティ(Affinity)(登録商標)PT1450の商品名で販売されている。)と、濃縮色素(カナダ国オンタリオ州ブラントンのカラーテック・インク(Colortech Inc.)により製造されている、
【0099】
キャボット・コーポレーション・アンド・LDPE(Cabot Corporation and LDPE)により製造されているカーボンブラックバルカン(Vulcan)(登録商標)9のブレンド)と、押出コーティンググレードのポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッド(Nova Chemicals Canada Ltd.)のノバポール(Novapol)(登録商標)LC−0522−A)をブレンドしたものから作られる。外側層112及び114を作るために用いられる原料は、以下において、「新世代樹脂」または「NGR」とも呼ぶ。外側層112及び114を作るために用いられる原料は、紫外線からの保護及び断熱性をバリアに与える助けをする。外側層112及び114の融点は約110℃である。外側層112及び114の予想寿命は、現在建築中に用いられる防湿バリアに匹敵すると予想されており、地中に設置された場合、原料は無期限にもつと予測されている。本発明によれば、外側層112及び114は約0.0011インチ(1.1ミル)の厚みを有し、原料約26g/m2の重さを有する。
外側層112及び114の内側には、農薬保持層116及び118がある。農薬保持層116及び118は、ダウ・ケミカル・カンパニーの製品であるサラネックス(登録商標)14で作られている。サラネックス(登録商標)14の融点は143℃より高く、生物劣化及び光劣化は無いと考えられている。サラネックス(登録商標)14は5層の同時押出製品で、低密度ポリエチレンと、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体(例えばサラン)と、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成る。好適な実施形態によれば、サラネックス(登録商標)14から成る層(つまり、層116及び118)の厚みは約0.002インチ(2ミル)で、材料約53g/m2の面積密度を有する。
【0100】
農薬保持層116の内部には、農薬保持層116をスクリム層122に結合する結合層120がある。結合層120は農薬保持層112及び114と同じ材料で作られる。好適な実施形態によれば、結合層120は約0.0011インチ(1.1ミル)の厚みを有し、面積密度はLDPEが約26g/m2である。
【0101】
スクリム層122は高密度ポリエチレン、特に、ノバ・ケミカルズ・コーポレーション(Nova Chemicals Corporation)のスクレア(Sclair)(登録商標)HDPE No.99Gである。スクリム層は好ましくは織布HDPEである。スクリム層122を作るために用いられるHDPEはシート状に押出形成され、テープ状に細長く切られる。その後テープに予め圧力を加え、シートに織られてバリアフィルム110に一体化され、張力強度と、穴開き防止を提供する。スクリム層112を作るために用いられるHDPEは、一般的な水道管を作るのに用いられる樹脂に非常に似ているため、それに匹敵する寿命を持つと考えられる。好適な実施形態によれば、スクリム層112の厚さは約0.004インチ(4ミル)、面積密度は、原料約63g/m2である。
【0102】
結合層126は、スクリム層122を活性層128に結合する。結合層126は、ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドの押出コーティンググレードの低密度ポリエチレンであり、例えばノバポール(登録商標)LC−0522−Aである。結合層126の融点は約165℃である。好適な実施形態によれば、結合層126の厚さは約0.001インチ(1ミル)、面積密度は、材料約25g/m2である。
【0103】
結合層126と農薬保持層118との間には、活性層128がある。本発明のいくつかの実施形態では、活性層128は、約0.82重量%〜約1%の工業ラムダシハロトリン(lambda cyhalotorin technical)(85%w/w)と、約0.85重量%〜約1.05重量%のカーボンブラックとしてジェネラル・カーボン・カンパニー(General Carbon Company)のランプブラック#6(ランプブラックスーパーファイン(Lamp black Superfine)#6としても知られている)と、約20.9重量%〜約23.1重量%の低密度(LDPE)ポリエチレン樹脂から成る。別の実施形態では、活性層128は、85.2重量%の精製溶媒(technical solution)中の11.74重量%のラムダシハロトリンと、10.87重量%のランプブラック#6と、77.39重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂から作られる。LDPE樹脂は、好ましくはダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400.00(PE XU59400としても知られている)であって、メタロセン触媒の押出コーティンググレードのLDPEである。このLDPEは融点が低く、約80℃であって、押出コーティング能力を有するために選ばれたものである。好適な実施形態に置いて、活性層128はバリアフィルム110の約23重量%で、厚さ約0.002インチ(2ミル)、面積密度は原料約45g/m2である。
【0104】
上述した8層バリアフィルムにおいて、外側層112及び114と結合層120は、併せて、バリアフィルム110の約22.2重量%を占める。農薬保持層116及び118は、併せて、バリアフィルム110の約29.7重量%を占める。スクリム層122はバリアフィルム110の約17.8重量%を占める。結合層126はバリアフィルム110の約6.4重量%を占める。活性層128はバリアフィルム110の約23.9重量%を占める。
【0105】
結合層126からその他の層までの生物活性化学物質の放出率は、バリアフィルム110からバリアフィルム110の外部への生物活性化学物質の放出率よりも高い。好適な8層の実施形態では、ラムダシハロトリンの放出率は、一日当たり、フィルムでは0.002μg/cm2未満と計測された。バリアフィルム110は、土壌やその他周辺環境におけるラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造物に入るのを防ぐ役割をする。
【0106】
別の好適な多層バリアは、6層の高分子薄膜で構成しても良く、各層が互いに結合されて柔軟性の高い膜を構成している。一実施形態では、6層の高分子知恵有無の厚さは約0.012インチ(12ミル)、幅は約81インチ〜約83インチの間、重さは約263g/m2である。ある好適な6層の膜の層を、図24の断面図に概略的に示し、以下説明する。
【0107】
図24において、バリアフィルム210は外側膜212及び214を含む。バリアフィルム210は、土壌やその他周辺環境中のラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造体に入るのを防ぐ役割をする。一実施形態では、外側層212及び214は、8層膜を参照して説明し、「新世代樹脂」または「NGR」と呼んだように、押出コーティンググレードのポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、押出コーティンググレードのポリエチレンとの混合物で作られる。外側層212及び214は約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の厚さで、材料約13g/m2〜約78g/m2である。
【0108】
外側層212及び214の内側には、農薬保持層216及び218がある。一実施形態では、農薬保持層216及び218は、上述したようにサラネックス(登録商標)14で作られている。層116及び118は約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の厚さで、原料約26g/m2〜約130g/m2である。
【0109】
農薬保持層216の内側には、構造層222がある。一実施形態では、構造層222は上述したHDPEにより作られている。構造層216は約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の厚さを有し、原料約31g/m2〜93g/m2である。
【0110】
構造層222と農薬保持層218の間に活性層228がある。一実施形態では活性層216は、85重量%の精製溶媒中の0.91重量%のラムダシハロトリンと、0.95重量%のランプブラック#6と、22重量%のLDPE樹脂から作られる。活性層216は約0.002インチ(2ミル)から約0.005インチ(5ミル)の厚さで、原料約22g/m2から115g/m2の材料を有する。
【0111】
6層の実施形態におけるラムダシハロトリンの放出率は、一日当たり、フィルム1cm2について0.002μgよりも少ないと計測された。バリアフィルム210は、土壌やその他周辺環境中のラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造物に入るのを防ぐ役割をする。
【0112】
本発明は、また、従来の商業的に入手可能な機材を用いて多層バリアを作る効果的な方法を提供する。本発明の一様態によれば、ランプブラックまたはガスブラックが活性層を作るためのプレミックスに用いられる。ランプブラックは、望ましいプレミックスの流動性を達成するが、他の多くのタイプのカーボンブラックと違って、ランプブラックは農薬を非活性化すると言った、農薬の活動にとって不利益となる影響を与えない。
【0113】
バリアフィルムの製造方法
上述した多層バリアフィルムは様々な方法により形成することができる。一方法では、カーボンブラックなどの担体をポリマーの粒子と混ぜて混合物を形成する。1以上の農薬を液体の状態で混合物に添加するが、その間、易壊性のプレミックスを形成するために、農薬が変質する温度より低く、かつ、農薬の融点温度より高い温度に混合物を保っておく。このプレミックスは、薄い活性フィルムを形成するために溶解押出される。プレミックスは、バリアフィルムを形成するために、望みの追加層と共に押出形成される。望みの層の数、選択する層の種類、層の順番及び層を作る原料は、様々な要因に依存し、その要因は、これらに限るものではないが、バリアフィルムの最終的な用法、害虫の侵入に対して保護する望みの長さ、保護する領域及び/または構造物のタイプ、害虫の具体的タイプ、製造コスト及び能力などである。
【0114】
活性層は、農薬または生物活性化学物質に担体を混ぜてぽ易壊性の結合ミックスを形成し、この易壊性の結合ミックスを高分子マトリックスに加えることで準備することができる。また、活性層は、ポリマーと担体とを混ぜてポリマー−担体混合物を形成し、それに農薬または生物活性化学物質を添加することにより準備することもできる。
【0115】
上述した8層バリア層110は以下の好適な方法により形成することができる。活性層128を生成するために、ポリエチレン樹脂と、ランプブラックの形態のカーボンブラックとを混合し、混ぜる。好適なミキサーはマリオンタイプのミキサーである。マリオンタイプのミキサーを用いる場合、ミキサーを密閉してから攪拌器を動作させる。ポリエチレン樹脂とカーボンブラックは、それらが良く混ざり、カーボン塊の大きさが小さくなるまで混ぜられる。ポリエチレン樹脂はペレット状であることが好ましく、低温で35メッシュパウダーに砕く。混合物の大半の温度は、60℃以下にしておくことが好ましい。
【0116】
次に、ポリエチレン樹脂とカーボンブラックの混合物の撹拌を続けながら、溶かしたラムダシハロトリンをスプレーで徐々に加えていく。好適な実施形態では、85.2重量%の工業用ラムダシハロトリンの溶媒が用いられる。中身が均一に混ざるまで撹拌を続ける。そして、混合物は例えばプラスチックを内側に貼ったドラムに保存される。
【0117】
次に混合物は、型に適合した押出機/造粒機に入れられてペレットとなる。好適な実施形態では、1/8インチのスタンド型に適合した押出機/造粒機を用い、押出温度は、押出バレルの長さ及び型に亘って約85℃に保たれる。押出機スタンドは、造粒する前に水冷を必要とする可能性がある。ペレットは、好適な実施形態では約1/8インチ長である。次に、ペレットを乾かす。温風サイクロンドライヤー内でペレットを乾かすが、より完全に乾かさなければならない場合、60℃の強制排気オーブン内で平らなトレイ上に並べて乾かす。
【0118】
プレミックスのペレットは、積層工程により2つの多層フィルムの間に押し出され積層される。具体的には、プレミックスペレットは、生物活性プレミックス原料を最終的なバリアフィルム110内に保持するように、2つの多層フィルムの間に押し出され積層される。シングルスクリューまたはダブルスクリュー押出機のような従来の押出機を層128を押出形成するために用いても良い。
【0119】
積層工程で用いられる多層フィルムは、予め成型加工されている。第1の多層フィルムは、上述したように層114及び118から成る(つまり、サラネックス(登録商標)14から成る農薬保持層と、その隣のNGR層)。第2の多層フィルムは上述したように、層112、116、120、122、126、114、118から成る(つまり、NGR層と、その隣のサラネックス(登録商標)14から成る農薬保持層と、その隣のNGR層と、その隣のHDPE層と、その隣のLDPE層)。第2多層フィルムの層は、第1NGR層(つまり層112)が、最終的にでき上がる製品の外側面となるように置かれる。
【0120】
プレミックスペレットは、新しいポリエチレン樹脂で希釈し、所望のラムダシハロトリンの濃度にして、押出機に入れられて第1及び第2多層フィルム間に直接積層され、バリアフィルム110が形成される。好適な方法では、バリアフィルム110のラムダシハロトリン濃縮物は、0.77重量%、または、バリアフィルム110の1m2あたり2.75gである。バリアフィルム110は巻き取られて、販売用またはサイズ調整及び縫製用に梱包される。
【0121】
プレミックスの湿気、特にカーボンブラックからの湿気は、活性層128が押出型から出てくるときに気泡が生じてしまうといった製造中の問題となることがある。これは、プレミックスを約54℃に設定した定温機で約12時間乾燥することにより解決することができ、こうすることで気泡が生じない所までプレミックスをほぼ乾燥することができることが分かっている。また、濃縮プレミックスに接する雰囲気中の湿気を減らす処理もしなければならない。
【0122】
更に、カーボン塊があると、バリアフィルム110の表面は大きくでこぼこしてしまう。カーボン塊は、活性層128内で生物活性成分(例えばラムダシハロトリン)が不均等に分布することになるために問題である。この問題は、使用前にスクリム層122のカーボンブラック成分を100メッシュの網でふるい分けることで減らすことができる。また、ヘンシェル型(Henschel−type)攪拌機及びツインスクリュー押出機などの、高エネルギー攪拌機を用いたり、親練りを用い、ポリマー溶解粘性を上げるために大量のカーボンを入れることで押出機内のせん断応力を上昇させてカーボンの拡散をすることで、カーボンブラックを適切に分散することができる。押出温度を低くしたり、高せん断撹拌セクションを有する押出スクリューを用いることも、よりカーボンを分散させる効果がある。せん断攪拌機を有する押出スクリューの一例は、スクリュー内に作り込まれた溝付きバリアフライトを有するスクリューの設計である。そのようなスクリューを用いた場合、ポリマー溶解物は、押出バレルに近いバリアフライトの上を流されることになる。これにより、ポリマー溶解物に高せん断率を適用させるので、混合物内でカーボンをより分散させることができる。
【0123】
製造工程においては約160℃を超える温度でラムダシハロトリンの熱分解及び蒸発が起こり、約160℃から約170℃の間でラムダシハロトリンの損失は非常に大きくなる。処理条件の安全を見て、処理温度を約150℃にするとよい。
【0124】
バリアフィルムをオフサイトプレ形成する好適な方法
現在好適なバリアフィルムの使用法は、シロアリやその他地面を這う木材穿孔虫の侵入から家屋を守ることである。土壌から昆虫が家屋に侵入するのを防ぐために、本発明のバリアフィルムは、土壌と、土壌に接する家屋の基礎や土壌近辺の基礎との間、及び土壌近くに敷設しなければならない。
【0125】
現在、本発明のバリアフィルムを家屋の基礎よりも小さいシート状に作るのが商業上好まれる。従って、多数のシートを組み合わせて、バリアフィルムで基礎を完全に覆う必要がある。隣のシートとのギャップが無いようにするために、シートは目張りされるか、結合されるかなど、互いに付けられる。
【0126】
本発明の別の一様態によれば、バリアフィルムは、例えば家屋の基礎用の穴など、意図する場所にバリアフィルムを敷設する前に、意図する場所に合わせてオフサイトで予め成型または形成する。オフサイトでバリア素材のシートを結合して家屋の基礎全体を包み込むバリアを予め成型し、その後搬送して基礎の穴に据え付けることは有益である。シートをオフサイトで結合して基礎の形に成型することにより、シートが破れたり、ギャップができてしまうようにシートが不適切に目張されてしまうといったことを減らすことができる。
【0127】
図22は、多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアを示す。バリアの様々な断片を張り合わせることで、予め整形されたバリアを生成することができる。好ましくは、バリアの様々な断片を張り合わせるために用いられる熱可塑性シートを多層バリアの外側層にする。しかしながら、バリア片は、近隣のバリアシートの熱可塑性素材片を重ね合わせるといった他の手段を用いて望みのシートに形成することができる。断片は例えば、熱可塑性素材のパッチ形状または短冊形状を取る。図23は、図22に示す予め成型されたバリアを受ける基礎のための穴を示す。
【0128】
1mm2あたりラムダシハロトリン2.75μgを充填したバリアフィルムの実施形態では、バリアフィルムの各mm2はRフラバイプ(R flavipes)を少なくとも24,000個体殺虫するのに充分なラムダシハロトリンを含む。シロアリ及びその他の穿孔害虫に対する抵抗力は、バリアフィルムに穴や裂け目ができた場合であっても、バリアフィルムによって維持される。例えば、2mm以下の穴または裂け目では、Rフラバイプが穴を通り抜けようとしたときに活性成分と接触するので、その結果、シロアリの殺虫率は高くなる。
【0129】
本発明の全ての実施形態が、上述した全ての利点を供するものではない。また、本明細書を調べることで、本発明の更なる利点が明らかになることもあり得る。
【0130】
例
以下に示す例は、説明及び本発明の様々な視点を示すためのものである。そのため、これらの例は単に具体化のために供されるものであり、あらゆる意味において本発明を限定するものではない。
【0131】
例1
クロルピリフォスの放出率を決めるために実験を行った。殺虫剤の充填率は、ポリマーによって5重量%または10重量%のいずれかであった。全てのデバイスに対して、50℃で放出率を決定した。
【0132】
評価するポリマーは、低溶解ポリエチレン、ポリウレタン、2種類のエポキシ、シリコンゴム、クロルピリフォスの熱分解を削減するための高ワックスの低溶解ポリエチレンを含む。この調査によれば、クロルピリフォスの熱分解は、約240℃を超える温度で多く起こった。従って、ポリマーの選択は、高温度での熱処理を必要としない製剤に限られた。
【0133】
表1はこれらの調査から得られた結果の概要を示す。概要としては、クロルピリフォスに対するポリマーの適合性は、適用する充填率における問題とはならない。ポリウレタンポリマーを用いた場合に、物理的全体性が若干損なわれたが、それ以外のポリマーシステムでは50℃で目に見える劣化は観察されなかった。放出率は、シリコンゴムの10μg/cm2/日からエポキシBの0.3μg/cm2/日の範囲であった。
【0134】
表1に示すデータを用いて、製品の寿命を見積もることができる。10%充填の0.5gのデバイスの場合、50mgのクロルピリフォスを放出可能である。従って、面積4cm2、1μg/cm2/日の放出率を有するポリマーシステムでは、高温で30年間分の十分な殺虫剤がある。これらの計算により、様々な殺虫剤製品を作ることができる。
【0135】
例2
80%純粋ピレトリンを用いて、例1と同様なポリマーシステムについて調べた。40℃での放出率を表2に示す。
【0136】
放出率はウレタンとシリコンで最も高く、エポキシで最も低かった。放出率は様々であり、適切な結合剤を評価する必要がある。
【0137】
表2に示すデータから、簡単な計算を用いて殺虫剤システムの可能な寿命を判断することができる。例1で述べたように、排除領域の寿命を変えることができる多数の変数がある。
【0138】
例3
徐放性デバイスを作り、放出率をテストした。全ての熱可塑性ポリマーは、10%の殺虫剤と、液体農薬を吸収するための3または7%のカーボンブラックと、83〜87重量%であって1/8インチ厚のシートに射出成型したポリマーで処方される。具体的には、熱可塑性ポリマーとデルタメトリンとラムダシハロトリンから作られたデバイスは、3%のカーボンブラックを含む。残りの農薬及び熱可塑性ポリマーから作られたデバイスは、7%のカーボンブラックを含む。
【0139】
S−113ウレタン(熱硬化性ポリマー)から作られたデバイスは、重さにして、60%のS−113と、40%のひまし油と、5%のTIPA触媒を含むポリマー混合物から作られた。このポリマー混合物は、デバイス総重量の90%を占める。農薬とデルタメトリンがデバイスの残り10%を占める。このデバイスではカーボンブラックは使わなかった。ポリマー/農薬混合物を1/8インチ厚のシートに鋳造し、鋳造したシートが硬化するように約60℃で40〜60分間加熱した。
【0140】
この射出成型または鋳造された薄いシートから1インチ角を切り取り、その放出率をテストした。以下に示す放出率が得られた。
【0141】
例4
ラムダシハロトリン(ピレトロイド)の濃度と殺虫剤/ポリマーの組み合わせによる、ポリマーからの殺虫剤の放出率に与える影響を調べるために、実験を行った。データの概略を表4に示す。
【0142】
例5
シロアリに対する排除ゾーンの有効性を判断するために実験を行った。最も一般的であるイースタン・サブテラニアン・ターマイト(Eastern subterranean termites)と、最も活動的なフォーモザン・サブテラニアン・ターマイト(Formosan subterranean termites)の2種類のシロアリを選択してテストに用いた。
【0143】
テスト容器は、ガラス容器を組み立てて作った。容器の底にかんなくずを敷いた。かんなくずの上に殺虫剤を染み込ませたポリマーを、該ポリマーの上側からかんなくずへの通り道または隙間が無いように置いた。栄養の無いオーガーを殺虫剤を染み込ませたポリマーの上に置いた。オーガーの表面を0データとし、殺虫剤を染み込ませたポリマーをオーガーの表面の下5cmに設置した。シロアリをオーガーの表面に置き、殺虫剤を染み込ませたポリマーへのオーガーを抜ける進行度を毎日記録した。
【0144】
殺虫剤を染み込ませたポリマーの組み合わせを表5に示す。
【0145】
ポリマーバリアにピレトロイドを入れない制御も用いた。結果は図25及び図26に示す。全ての制御において、シロアリはポリマーを食い破り、かんなくずへ到達した。エチルビニル酢酸を通過しての到達速度はポリエチレンよりも遅かった。全ての殺虫剤を染み込ませたポリマーでは、貫通することは無かった。フォーモザン・サブテラニアン・ターマイトは非常に活動的であるため、比較的大人しいイースタン・サブテラニアン・ターマイトよりも殺虫剤を染み込ませたポリマーに近づいた。実際、ペルメトリンを含むポリエチレンは、フォーモザン・ターマイトの顎の後がついたが、穴が開いたり貫通することは無かった。12〜14日後には、フォーモザン・ターマイトですら殺虫剤の放出により活動が抑えられ、殺虫剤を染み込ませたポリマーから退いた。
【0146】
例6
結合担体の放出率に対する効果を示すための実験を行った。活性化学物質はテフルトリンとラムダシハロトリンで5重量%、結合担体はカーボンブラックで0重量%と10重量%で、バランス高密度ポリエチレン(MA778−000)を含む。放出率は製造後6週間測定し、サンプルは表面に堆積された放出された活性化学物質を取り除くため、毎週拭いた。
【0147】
結果を下記の表6に示す。
【0148】
例7
この例は、後で本発明のバリアの活性層(すなわち、農薬放出層)を作る時にに用いられるプレミックスを作るための一方法を示す。
【0149】
低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)を低温で挽き、約35メッシュの粒子サイズの粒にする。そして、ポリエチレン粒子をランプブラックカーボン(ジェネラル・カーボン・カンパニーのランプブラックスーパーファイン#6)と、カーボンがポリエチレン全体に拡散されて、乾いたさらさらの均一の混合物となるまでマリオンタイプのパドル内で混ぜ合わせる。そして、内部バルク温度50℃で動作中の混合機で、シンジェンタ・インクのラムダシハロトリンを、溶かしたスプレー状で混合物に加える。ラムダシハロトリンの添加後も混合機による撹拌を続け、均一な混合物にする。プレミックスは約3.2重量%のラムダシハロトリンと、約4重量%のランプブラックカーボンと、約92.8重量%の低密度ポリエチレンとを含む。湿気を減らすために、約60〜70℃の強制排気オーブンにプレミックスを置くようにしても良い。
【0150】
例8
約10.0重量%のラムダシハロトリンと、約11.3重量%のランプブラックカーボンとを有する均一なプレミックスを、例7に記載した手順で作る。
【0151】
例9
例8で記載した方法でプレミックスを作る。ただし、溶解したラムダシハロトリンをランプブラックカーボンに第1ステップとして加え、その後、混合物をよく混ぜて均一の混合パウダーを形成する。そして挽かれた低密度ポリエチレンを加え、むらなく分散された乾いたさらさらの混合物を得るまで、更に撹拌を続ける。
【0152】
例10
約7.9重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーション(Degussa Corporation)のカラーブラック(Colour Black)FW200)と約9.5重量%のラムダシハロトリンを用い、例7で記述した手順を用いてプレミックスを作る。ただし、材料を撹拌するために、高速攪拌器を利用したエイリック(Eirich)タイプのミキサーを用いる。
【0153】
例11
例7、例8、例10のようにしてプレミックスを作るが、乾かさない。プレミックスをひも状に溶解射出して、そのひもをペレットに切り分ける。
【0154】
例12
例7に記述した手順で、約7重量%のラムダシハロトリンと、約5重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)XC72R)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)のバランスを有するプレミックスを作る。
【0155】
例13
例12で準備したプレミックスを射出鋳造して薄い円盤を形成する。鋳造した円盤は、回転ナイフレグラインダーを用いて粉々に切る。
【0156】
例14
例7に記述した手順で、約6重量%のラムダシハロトリンと約94重量%の低密度ポリエチレンを有するプレミックスを作る。得られるプレミックスはべとべとしている。
【0157】
例15
約2重量%のラムダシハロトリン(ゼネカ・インク(Zeneca, Inc.)のもの)と、約1重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)XC72R)と、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニー(Quantum Chemical Company)のマイクロセン(Microthene)(登録商標)MA77800)のバランスの均一な成分を有するシートを作る。
【0158】
第1ステップとして、カーボンブラックを役105℃の強制排気オーブンで12時間、または一定重量となるまで乾燥する。乾燥したカーボンブラックを、ホバルト(Hobart)インダストリアルドウミキサーでほぼ同じ重さの高密度ポリエチレンの粉と混ぜ、完全に撹拌した。そして、撹拌を続けながら、カーボンブラックの重さの約2倍の溶解したラムダシハロトリンを混合物の中にゆっくりと入れる。混合物は、更に十分な量の高密度ポリエチレンと混ぜ合わされ、混合物におけるラムダシハロトリンの濃度を約2重量%に落とす。
【0159】
得られる混合物を約290℃で溶解射出し、約0.03インチ(30ミル)厚の1層のフィルムに鋳造する。
【0160】
例16
例15に記述した手順で、約2重量%のラムダシハロトリンと、約1重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(例えば、キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)SC72R)と、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0161】
例17
例15に記述した手順で、約5重量%のテフルトリンと、約2.5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0162】
例18
例15に記述した手順で、約5重量%のテフルトリンと、約2.5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0163】
例19
例15に記述した手順で、約10重量%のテフルトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0164】
例20
例15に記述した手順で、約10重量%のテフルトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0165】
例21
例15に記述した手順で、約10重量%のペルメトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0166】
例22
例15に記述した手順で、約10重量%のペルメトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0167】
例23
例15に記述した手順で、約1重量%のラムダシハロトリンと、約0.73重量%のカーボンブラック(デグサ・コーポレーションのスペシャルブラック(Special Black)6)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)のバランスとを含むシートを作るが、溶解射出処理を約130℃で行い、鋳造したシートの厚さを約0.002インチ(2ミル)にする。
【0168】
例24
例23に記述した手順でシートを作るが、ラムダシハロトリン濃度を約5重量%とし、カーボンブラック濃度を約3.6重量%にする。
【0169】
例25
例23に記述した手順でシートを作るが、ラムダシハロトリン濃度を約10重量%とし、カーボンブラック濃度を約7.3重量%にする。
【0170】
例26
例23、例24、例25に基づいてシートを作る。これらのシートは熱プレスによりサラネックス(登録商標)14フィルム(ダウ・ケミカル・カンパニー製)で両側を密閉する。
【0171】
例27
例15に記述した手順で、約7.9重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、約9.5重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)のバランスを有するシートを作るが、溶解射出処理を約150℃で行い、鋳造したシートの厚さを約0.002インチ(2ミル)にする。
【0172】
例28
2層のサラネックス(登録商標)14を溶解射出/成層処理によって結合し、シートを作る。結合層は、例26で説明したような成分の混合物から成る。第1ステップとして、結合層の成分をパウダー状のプレミックスとして作る。そして、そのプレミックスを約150℃で2層のサラネックス(登録商標)14の間に直接溶解射出する。
【0173】
例29
この例では、8層シートを作る方法について説明する。シートの各層の成分を以下に示す。
層の説明
1 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテック(Colortech)No. 20413−19)と、射出コーティンググレードのポリオレフィン・プラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニー製のアフィニティー(登録商標)PT1450)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)から成り、厚さ約0.001インチ(1ミル)の新世代樹脂(NGR)(ファブリーン・インク(Fabrene, Inc.)のもの)層;
2 塩化ビニリデン樹脂/塩化ビニル共重合体と、低密度ポリエチレンと、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成る、約0.002インチ(2ミル)厚のサラネックス(登録商標)14(ダウ・ケミカル・カンパニー製)層;
3 上述したようなNGR層;
4 高密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・コーポレーションのスクレア(登録商標)HDPE No. 99G)と、カーボンブラック樹脂(カバット・コーポレーションのプラスブラック(Plasblack)(登録商標)PE1371)とから成り、0.004インチ(4ミル)の厚さを有するスクリム(ファブリーン・インク)のスクリム層;
5 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテックNo. 20413−19)を含み、約0.001インチ(1ミル)厚の低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A);
6 ガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、ラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)とから成り、約0.002インチ(2ミル)厚の活性成分層;
7 上述したようなサラネックス(登録商標)14層
8 上述したようなNGR層
【0174】
8層のシートは、射出コーティング法を用いてNGR層(層1)をサラネックス(登録商標)14(層2)のシートに結合することによって層1−2合成物を形成する。次のNGR層(層3)を溶解射出して層1−2合成物をスクリム(層4)のシートに結合することによって層1−2−3合成物を形成する。射出コーティング法により低密度ポリエチレン(層5)を層1−2−3合成物に付け加えることで、第1外部層を形成する。
【0175】
層7−8合成物は、NGR層(層8)をサラネックス(登録商標)14層(層7)のシートに射出コーティングにより加えて作る。
【0176】
例10の手順を用いて、約7.9重量%のガスブラックカーボンと、9.5重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレンのバランスとを含むプレミックスを作る。例11の手順により、このプレミックスを活性成分ペレットの形状にする。この活性成分ペレットと、低密度ポリエチレンペレット(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)とを約2:1の割合で混ぜ、ペレット混合物の中で、ラムダシハロトリンが約6重量%となるようにする。
【0177】
ペレット混合物を射出器に入れ、第1外側層(つまり、層112,116,120,122,126)と第2外側層(つまり、層118及び114とを溶解射出結合する。全体で約0.014インチ(14ミル)厚の多層積層シートが形成される。形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの濃度は約0.9重量%である。
【0178】
例30
例29の手順でシートを作るが、活性層を約4重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、約4.7重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400またはPE XU59400.00)のバランスとで構成する。形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの濃度は約0.5重量%である。
【0179】
例31−37
ランプブラックカーボン(ジェネラル・カーボン・カンパニーのランプブラックスーパーファイン#6)と、ラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)のプレミックスからシートを作る。例29の手順をほぼ用いてシートを積層シートにするが、形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの最終濃度を以下の表7に示すようにする。
【0180】
例38
以下のようにして、以下の構成を有する6層シートを形成する。
層の説明
1 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテックNo. 20413−19)と、射出コーティンググレードのポリオレフィン・プラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニー製のアフィニティー(登録商標)PT1450)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)から成る新世代樹脂(NGR)(ファブリーン・インクのもの)層;
2 塩化ビニリデン樹脂/塩化ビニル共重合体と、低密度ポリエチレンと、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成るサラネックス(登録商標)14(ダウ・ケミカル・カンパニー製)層;
3 高密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・コーポレーションのスクレア(登録商標)HDPE No. 99G)からなるスクリム層;
4 85重量%のテクニカルソリューション中の0.91重量%のラムダシハロトリンと、0,95重量%のLamp black #6と、22重量5のLDPE樹脂とから成る活性成分層;
5 上述したようなサラネックス(登録商標)14層;
6 上述したようなNGR層;
【0181】
6層シートは、合衆国森林サービス(United States Forest Service: USFS)のコンクリートスラブ法に用いた。コンクリートスラブ法は、流し込みコンクリート基礎を真似たものである。テストプロットを作るために、葉やゴミを取り除いて、24インチ四方の土壌が露出するようにした。1インチ角のトウヒ材のストリップで作った21インチ四方の木材枠を露出した土壌領域の中央に置き、2インチ深さ、2方向の三角形の溝を処理した土壌の上に掘った。湿気を失わないように、また、雨や日光が殺シロアリ剤に与える影響を予め排除するために、PVCパイプにはキャップを被せた。
【0182】
以下の地点におけるコンクリートスラブのフィールド試験の結果を以下の表8に示す。
表8に示すように、6層シートで処理したプロットはいずれもシロアリによる侵入が無かった。
【0183】
本発明を、1以上の具体的な実施形態によって説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更が可能であることは分かるであろう。本発明の精神の範囲にある各実施形態及び変形例は、以下の請求項により定義される発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の第1の実施形態を示し、スパンボンド高分子シーティングと、物理的に溶解結合されたポリマーと殺虫剤の混合物とを含み、ポリマーと殺虫剤の混合物は高分子シーティングに点在するように結合されている。
【図2】
図2は、本発明の第2の実施形態を示し、スパンボンド高分子シーティングと、物理的に溶解結合されたポリマーと殺虫剤の混合物とを含み、ポリマーと殺虫剤の混合物は高分子シーティングにストライプ状に結合されている。
【図3】
図3は、図1及び図2で示される本発明の実施形態を用いる第1の手法と、殺虫剤の放出により形成される排除ゾーンを示す。
【図4】
図4は、排除ゾーンを形成するために本発明の第1及び第2の実施形態を用いた第2の手法を示す。
【図5】
図5は、排除ゾーンを形成するために図1及び図2に示される本発明の実施形態を用いる第3の手法を示す。
【図6】
図6は本発明の第3の実施形態を示し、円筒形の押出成型物の形状を示す。
【図7】
図7は本発明の第4の実施形態を示し、ストライプ状の押出成型物の形状を示す。
【図8】
図8は図6に示す本発明の実施形態を用いて排除ゾーンを形成する手法を示す。
【図9】
図9は排除ゾーンを形成するために、図7に示す本発明の実施形態を用いる手法を示す。
【図10】
図10は本発明の別の実施形態としてペレット状の形状を示し、ペレットは木造構造物近辺の土中に挿入される。
【図11】
図11は表面につけられたペレットの断面図である。
【図12】
図12はフォームを用いてペレットをコンクリート構造物につける場合を示す。
【図13】
図13はフォームがつけられた後のコンクリート基礎の断面図を示す。
【図14】
図14は板の上に設置されたペレットを示す。
【図15】
図15はコンクリート基礎につけられたペレットを含む板を示す。
【図16】
図16はホットメルト注入を示す。
【図17】
図17はホットメルト注入の間隔を示す。
【図18】
図18はプラグ薫蒸消毒セメントブロックを示す。
【図19】
図19は薫蒸消毒セメントブロックにプラグを入れるところを示す。
【図20】
図20は本発明の積層デバイスを示す。
【図21】
図21は本発明の別の実施形態により作られた多層バリアの層を示す側面断面図である。
【図22】
図22は本発明の別の実施形態における多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアの斜視図である。
【図23】
図23は本発明の別の実施形態における多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアの斜視図である。
【図24】
図24は本発明の別の実施形態により作られた多層バリアの層を示す側面断面図である。
【図25】
図25はイースタン・サブテラニアン・ターマイトに対する忌避性を示す図である。
【図26】
図26はフォーモザン・サブテラニアン・ターマイトに対する忌避性を示す図である。
関連発明の参考文献
本出願は、2000年12月3日出願の米国仮特許出願第60/251,112号及び、2000年12月4日出願の米国仮特許出願第60/251,141号の有効出願日を主張する。
【0002】
また、本出願は、1999年7月13日出願の米国特許出願第09/353,494号及び、1999年11月16日出願の米国特許出願第09/030,690号の有効出願日を主張する。
【0003】
上記仮出願及び通常出願の開示内容はここでは参考文献として示すことで、その内容全部を引用するものとする。
【0004】
発明の分野
本発明は、例えば、家屋や建物、木製構造物等の保護領域及び/または建造物の長期保護の為に、木材害虫(例えば、シロアリや穿孔虫(boring insect)がこれらの領域及び/または建造物に接近するのを防止するためのバリアに関する。更に詳しくは、本発明は、害虫が保護領域及び/または建造物、特に木造物を含む領域や、木材を含む構造から害虫の侵入を防ぐ長期保護バリア及び方法に関する。また本発明は、保護バリアの製造方法及び領域及び/または建造物の周りにそれらを結合する方法に関する。
【0005】
発明の背景
例えば木造建築物におけるコンクリートに接触している木材や、例えば塀の支柱、ユティリティポール、線路のまくら木、木製支持部などのように地面に接触している木材は、シロアリ、蟻、及びその他穿孔虫を含む、ただしこれらに制限されない木造害虫の活動により、その構造が劣化することがある。このような害虫の活動から木材を保護するために、殺虫剤がある。
【0006】
木材穿孔虫などの害虫を制御するために現在行われている商業的方法には、殺虫剤の散布や、構造物全体を密閉してその中に殺虫剤を放出することなどによる殺虫剤による薫蒸消毒、また、シロアリなどの昆虫を撃退及び/または根絶するために、建物の基礎の下の土壌に間隔を開けて殺虫剤を置き、建築前及び建築後の基礎の下の土壌を長期残留殺虫剤で処理する方法を含む。これらの現在の商業的方法は、様々な欠点を有する。
【0007】
例えば、一般的な方法として、シロアリの蔓延を防ぐために、新たに建築された建物の基礎の下の土壌を殺虫剤を用いて予め処理する方法がある。建築前に土壌の表面及び土壌内に殺虫剤を散布するのが普通である。農薬散布者と建築作業員との連絡が悪いために、処理された土壌の連続性が建築中に失われることがしばしばある。その上、現在の土壌殺虫剤は時間が経過すると処理土壌にシロアリの侵入を防ぐ効果が無くなるところまで生物活性を失う傾向がある。
【0008】
散布や薫蒸消毒に殺虫剤を用いることで、環境や、家屋に住む人間及び動物にダメージを与えることもある。更に、散布による、及びデバイスからの殺虫剤の大量放出は急速放出であり、害虫の侵入に対する保護を比較的短い時間しかできない。急速放出のため、効果を持続させるには、数日から数ヶ月、または1年の毎に、定期的に繰り返し殺虫剤を散布しなければならない。
【0009】
殺虫剤を土壌中に置く場合、通常、大量の殺虫剤がその周辺に放出される。このように放出されることは、殺虫剤の散布者にも、殺虫剤を用いた場所に住む人やそこを訪れる人にとっても有害であると同時に、環境にとっても有害である。
【0010】
また、あまりに長期間に亘って効果を得るのに充分な量の殺虫剤を用いることも望ましいことではない。大量の殺虫剤を用いることは環境及び健康面での問題があり、更に、殺虫剤の不快なにおいや、土壌濾過、揮発を起こす。殺虫剤を大量に用いたとしても、殺虫剤は比較的短期間で散ってしまい、殺虫剤を再度用いることが必要になる。殺虫剤を大量に用いる別の欠点としては、最初は濃度が効果を上げるための最小限レベルを大きく上回っていても、急速に低下し、建築物の寿命と比較して短時間でバリアの有効性を保つのに必要な最小限のレベルよりも低くなってしまう。従って、土壌中のシロアリの集団は、構造物の下及び周辺に薬品を追加使用しない限り、その時に構造物に侵入するかもしれない。
【0011】
薬品を追加使用する一般的な方法は、コンクリートの基礎の下の土壌に注入するか、建築物の周囲を覆う土壌を浸すか、両方を行うことにより薬品を浸透させる方法である。このタイプの建築後処理は労働集約的な型であって、継続保護を充分に達成できない。
【0012】
従って、上述した欠点を伴わない方法及びデバイスを用いた、領域及び木造構造物等の構造物の長期保護の提供及び継続に対する需要がある。
【0013】
発明の概要
本発明は、保護する建築物や構造物の寿命と同じ位の長さの寿命を持つ、多層木材害虫バリアを提供することである。少なくとも1種類の農薬を継続または非継続ポリマーマトリクス層に結合して、マトリクスからの実質的な農薬の放出を減少させることにより、耐用期間分の保護を実現することができる。マトリクスからの農薬の放出率は、カーボンブラックやガスブラックなどの担体を用いることで制御することができる。バリアからの農薬の放出率は、バリアをほぼ非放出性にすることができる層を追加することによって、更に制御することができる。
【0014】
更に、バリアは例えば、スクリム、メッシュ、シート及びそれらの組み合わせの層を含んでも良い。追加層も、多層バリアのポリマーマトリクス層に含まれる農薬と同じまたは異なる1種類以上の農薬を含んでいても良い。バリア及び/または追加層は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体からなるグループから選ばれたポリマーから作られる。農薬をポリマー内部に入れることにより、農薬は、木造構造物にダメージを与える害虫に対する毒薬または忌避剤として長期に亘って効果が持続すると共に、バリアを破って昆虫が侵入しないようにバリア中に十分な濃度の農薬が残るような率で、保持または放出される。
【0015】
本発明の一様態によれば、脆い結合混合物としての担体に農薬が結合した高分子担体システムを提供する。この混合物から形成される高分子マトリクスは、薄い高分子シートまたは膜に成型される。そして、脆い結合混合物を有するシートを木造構造物の近くに置き、木材害虫が侵入しないバリアを提供する。追加層は、木造構造物周辺のバリアを超えた土壌にバリア領域を形成するために、揮発性殺虫剤をゆっくり、比較的一定量で放出する手段を提供する。ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体を含み、農薬はピレトリンとして知られている科の殺虫剤を含む。
【0016】
本発明の別の一様態によれば、射出形成物を保護する木造構造物の側に置くことにより、排除ゾーンが形成される。射出形成物は、農薬の徐放を行うことができる担体を含む高分子デリバリーシステムを持つ。このシステムは、非常に長い時間、排除ゾーン内で、一定且つ効果的な農薬濃度を保つことができる。
【0017】
本発明の別の一様態によれば、木造構造物の排除ゾーンにおいて、蟻、シロアリ、その他の木材穿孔虫に対する農薬の濃度を安定させ、持続させるために、ポリマーと農薬とを含むペレットを提供する。ペレットは、シロアリや、蟻、その他の穿孔虫から木材構造物を保護するために土壌を処理するために、木造構造物の近辺に置く。ペレットは様々な手段により構造物の近くに置くことができる。加えて、ペレットはボードに埋め込んだり、フォーム中に入れたりすることもできる。好適な実施形態では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体を含み、殺虫剤はピレトリンである。
【0018】
本発明の別の一様態によれば、排除ゾーンはホットメルト高分子混合物を注入することにより形成する。徐放性デバイスは、1以上のピレトリンを含み、ポリマーは熱可塑性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体からなるグループから選ばれる。
【0019】
本発明の別の一様態によれば、温度変動の徐放性デバイスを、排除ゾーンを提供するために用いる。
【0020】
本発明の別の一様態によれば、徐放性デバイスを構造物を薫蒸消毒するために用いる。木造構造物と、そのような構造物にダメージを与えることができる昆虫との接触を避けるために、バリアを置くか、ゾーンを形成することが好ましい。排除ゾーンは、より長い時間、木造構造物を保護するために必要である。
【0021】
更に、本発明の別の一様態によれば、信頼性のある排除ゾーンを提供するために、殺虫剤の放出率の低い低揮発性の殺虫剤を有する高密度ポリマーを、より高揮発性の殺虫剤を含む低密度(ソフト)ポリマーと混合する。
【0022】
本発明の別の一様態によれば、多層バリアは、バリアの取り付け者や、保護領域または構造物を訪問また住む人、また、環境への悪影響を回避しながら、うようよいる穿孔虫やシロアリのような害虫が、保護領域または構造物に侵入することをより長期間に亘って防ぐ。バリアは、農薬を含み、放出する、内部活性層(つまり、農薬放出層)を含む。バリアはまた、ほんの微量の農薬しかバリアの外に放出させない、2層の農薬保持層を含む。バリアから農薬がほぼ放出されないようにするように、この内部活性層は2層の農薬保持層で挟まれる。1層以上の追加層を農薬保持層と農薬放出層との間に入れることもできる。
【0023】
本発明の一様態によれば、バリアは、柔軟な薄膜を形成するために1つに結合された、複数の高分子層を含む。膜は、シロアリはその他害虫などのうようよいる昆虫から保護する必要のある領域(例えば、家屋の基礎な)を取り囲むように設置することができる。本発明の別の一様態によれば、バリアフィルムは、例えば家屋の基礎用穴などの意図する場所にバリアフィルムを設置する前に、その場所に合うように現場から離れたところで予め成型される。
【0024】
更に、本発明の一様態によれば、多層バリアは、シートまたは膜に強度を与え、穴あき防止となる、少なくとも1層を含む薄いシートまたは薄膜の形状である。また、本発明の別の一様態によれば、多層バリアは、設置時及び設置後にバリアが太陽光に晒された時に紫外線(UV)からバリアを守る外側保護層を含む。
【0025】
更に、本発明の一様態によれば、略非放出バリアの達成を助けるような制御された状態で、農薬は活性層から放出される。言い換えれば、活性層からの放出を制御することで、ほんの微量の農薬だけをバリアから放出することができる。
【0026】
また本発明は、従来の商業的に入手可能な機器を用いて多層バリアを作る効果的な方法を提供する。本発明の一様態によれば、活性層を作るためのプレミックスで、ランプブラックまたはガスブラックを用いる。ランプブラックは、プレミックスの望ましい流動性を達成するが、他の多くのタイプのカーボンブラックと違って、ランプブラックは農薬の活動にとって不利益となる影響を与えない。ランプブラックは、農薬を非活性化したり、分解したりしないことが分かっている。
【0027】
本発明の別の一様態によれば、プレミックスを作るために、農薬を加える前に、カーボンブラック全てまたは少なくとも一部をポリマー分子と混ぜ合わせる。このようにすることで、農薬の活性度に対して不利益となるカーボンブラックの影響を最低限に抑えることができる。
【0028】
更に、本発明の一様態によれば、バリアの層を互いにしっかりしたものにするために、1層以上の結合層が用いられる。結合層を用いる利点の1つは、農薬保持層または追加層に結合可能である必要の無いポリマーで活性層を作ることができることである。このことにより、融点が低い活性層ポリマーを用いることができる。処置温度を低くすることで、活性層を作るときの農薬の損失を減らすことができる。
【0029】
従って上記によれば、本発明の目的は、木造構造物を保護するための殺虫剤のバリアまたはゾーンを提供することである。
【0030】
また、本発明の更なる目的は、周辺土壌を守るために、長期低揮発性バリアと、高揮発性短期バリアとを有するバリア及び排除ゾーンを提供することである。
【0031】
また、本発明の更なる目的は、比較的に長期間または約10〜20年に亘ってバリアを維持することである。
【0032】
また、本発明の更なる目的は、約10〜20年といった比較的長期間に亘って排除領域を維持することである。
【0033】
本発明は、その目的及び効果も含め、添付図面を参照して以下に示す詳細な説明を参照することにより、最もよく理解されるであろう。本発明のその他の様態及び利点は、この明細書及び添付の請求項を研究することにより、当業者には明らかになるであろう。
【0034】
本発明の詳細な説明
木製構造物の周辺土壌中において、殺虫剤のバリアまたはバリア及び排除ゾーンが非常に長い期間保たれた場合に、木製構造物にダメージを与え得る昆虫を大幅に減らすか、または駆除できることが知られている。排除ゾーンとは、動物相の活動を妨げる、十分な量の化学剤を有するゾーンのことである。本発明では、化学剤とは殺虫剤のことであり、動物相とは昆虫、特に、例えばシロアリや蟻といった穿孔虫のことである。本発明によれば、殺虫剤は、バリア内に保持され、そして/または、ポリマーマトリクスシステムを含む徐放性デバイスから放出され、少なくとも6年、しばしば10年、また長ければ30年持続する。
【0035】
また、害虫からの長期保護は、農薬放出層を2つの略非放出層で挟むことにより達成することができることが分かっている。この略非放出層は、農薬の微少量のみがその間から放出されるように、農薬の放出を調節する。この微小量の農薬は、少なくとも殆どの害虫を撃退するのに十分な量であり、バリアは害虫が超えるのを防ぐ。農薬は非常にゆっくり消耗されるため、本発明のバリアは、10年、長ければ30年に亘って、保護領域及び/または構造物に害虫が侵入するのを防ぐために用いることができる。農薬の放出をほぼ防ぐために農薬放出層を囲む層を用いることで、内側の農薬排出層はバリアのレートよりも高いレートで農薬を放出することができる。このため、活性層(つまり、農薬放出層)を略非放出層を作るために用いることができない材料及び処理条件を用いて作ることができる。農薬放出層からの放出は、農薬をポリマーマトリックス内に入れ、カーボンブラック(ランプブラック及びガスブラックを含む)等の担体を更に用いることにより調節することができる。
【0036】
なお、「徐放性デバイス」とは、その表面へ、そして、表面から例えば土壌などの周辺媒体中に生物活性化学物質の放出を制御及び維持するデバイスを指す。また、ここでは「生物活性」は有機体を刺激するという意味で用い、通常、抑止物としての目的である、死及びそれに至るまでの意味を含む負の意味において用いる。また、ここで用いる「農薬」は、バリア内に害虫が侵入するのを調節し、撃退し、減らし、及び/または妨害する生物活性薬剤のどのようなものも意味し、含む。また、「害虫」とは、望ましくない植物、動物、または、節足動物、クモガタ綱の動物、オオサシガメ(triatomes)、昆虫(例えば、蟻、シロアリ、その他の木材穿孔虫)、菌などの微生物を含むものである。農薬に含まれるものとしては、具体的には殺虫剤、除草剤、また、例えば殺菌剤(bactericides, fungicides)や、殺ウイルス剤、線虫駆除剤を含む生物を殺す物質、及びその他の生物制御剤または管理物質が含まれる。従って本発明のバリアは、その致死特性及び/または撃退特性のために死ぬ全ての害虫に対して用いることを意図している。「農薬の有効量」、「殺虫剤の有効量」、または「殺菌剤の有効量」とは、望みの農薬、殺虫剤、殺菌剤の活性レベルを得るのに充分な活性物質の使用量のことを言う。
【0037】
本発明の別の視点によれば、本発明のデバイスは、周辺環境に対する生物活性化学物質の放出を制御する方法を提供する。徐放性デバイスは、最初は高いレートで殺虫剤を放出し、後に低い、一定のレートで放出する。更に、最初の農薬は、後で長期に亘って放出されるものとは異なる。この放出特性により、保護領域及び/または木造物や木材を含む構造物などの構造物を比較的短時間で保護できると共に、最低有効レベルに達した後は、減少した分の殺虫剤に置き換わるのに必要な量だけ放出される。この放出特性により、処理における潜在的な環境及び健康問題は減るとともに、処理コストを下げる。デバイス放出率はデバイス構造とデバイスの構成にのみ依存し、例えば水などの外部要因には依存しない。
【0038】
本発明の別の視点によれば、徐放性デバイスは、昆虫の侵入を防ぐのに必要な殺虫剤の「最小有効レベル」を有するゾーンを生成するために、所望のレートで土壌中に殺虫剤を放出する。ここでは、「最小効果レベル」とは、そのゾーンに昆虫が侵入するのを防ぐためにそのゾーンで必要な殺虫剤のレベルのことを指し、具体的なレベルは昆虫及び殺虫剤に依存する。基礎または平面より下の構造部分近辺に置かれた場合、排除ゾーンは徐放性デバイス近辺の土壌内に作られる。非木造構造部分と、それに取り付けられた木造構造部分の間に置かれた場合、非木造構造部分と、それに取り付けられた木造構造部分間の取り付け面に排除ゾーンができる。
【0039】
商業的に用いられる場合、一般的に用いられる殺虫剤は、合衆国環境保護局(EPA)等の国家取り締まり機関がシロアリ、蟻、及びその他の穿孔虫を駆除または忌避する為の殺虫剤として承認したものでなければならない。本発明で使用するのに現在好ましいものは、テフルトリン、ラムダシハロトリン、シフルトリン、及びデルタメトリンを含むピレトリンである。しかし、イソフェンフォス、フェンバレレート、サイパーメトリン、ペルメトリン、天然ピレトリン等、その他の効果的な殺虫剤を使用できることは当業者には明らかであろう。これらは、ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)、モベイ(Mobay)、シンジェンタ・クロップ・プロテクション・インク(Syngenta Crop Protection, Inc.,)、ベルシコル(Velsicol)、FMC等の多数の商業ソースから入手することができる。殺虫剤同士の組み合わせ、または1以上の殺虫剤と殺菌剤などその他の生物活性成分との組み合わせも本発明に属する。
【0040】
図を参照すると、図1に示すように本発明の第1の徐放実施形態では、排除ゾーンを作るために殺虫剤の徐放性高分子担体デバイスを用いる。本実施形態は、スパンボンド高分子シート20と、ポリマーと殺虫剤の物理的溶解結合混合物とを含む(図1及び図3乃至図5の斑点21として示す)。スパンボンド高分子シート20は、織布または不織布のいずれでも良く、また、高分子シートであっても良い。このような布は、リーメイ(Reemay)、エクソン・ファイバーズ(Exxon Fibers)、フィリップス・ファイバーズ(Phillipes Fibers)等、多数の製造業者から入手可能である。当該布はポリプロピレンの織布または不織布であることが好ましい。
【0041】
溶解結合混合物中のポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、またはこれらの共重合体のいくつを含んでいても良い。ポリマーの選択は、望ましい放出率、ポリマーと殺虫剤との親和性、及び環境条件に依存する。本発明を限定するものでは無いが、一例としては、以下に示すポリマーを使用することができる。すなわち、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酢酸ビニル、ウレタン、ポリエステル、サントプレン(santoprene)、シリコン、またはネオプレンである。しかし、好ましいポリマーは高密度及び低密度ポリエチレンである。ここで記述したものとは異なる別の農薬を用いることもできるが、いくつかの実施形態では、クロルピリフォス(chlorphyrifos)が好適な農薬である。
【0042】
ポリマーと殺虫剤の混合物を、スパンボンド高分子シート上に斑点状に戴置しても良い。これらの斑点の間隔は、排除ゾーンにおいて最小効果レベルを超えるような殺虫剤の量を十分に維持できるような間隔である。最小効果レベルは、昆虫の侵入を防ぐためにゾーン内で必要とされる、最低限の殺虫剤の量のことである。図1及び図3乃至図5の斑点21は、好ましくは直径約0.5〜1.5cm、高さ約0.5〜1.5cmである。斑点の大きさ及び形状はユーザーの好みに応じており、また、消費者の意図する仕事に合わせて作ることも可能である。斑点21は、互いに約1.5〜4cmの間隔を開けて列に並べるようにしても良い。特定の用途に応じて、この他の斑点の構成であっても良いことは当業者には明らかであろう。殺虫剤を放出する高分子シートは、殺虫剤を徐放して排除ゾーンを創出するために、木製構造物の近くまたは周辺に設置される。
【0043】
本発明の第2の徐放実施形態もまた、殺虫剤の徐放のために高分子担体デリバリーシステムを用い、スパンボンド高分子シート20と、ポリマーと殺虫剤の物理溶解結合混合物とを含む。高分子シート20は、第1の実施形態で説明したように織布または不織布ポリプロピレンのいずれであっても良く、その上に物理溶解結合混合物が結合される(図2のストライプ22に示す)。同様に、このセクションで説明した実施形態においても、第1の実施形態で上述したポリマーと殺虫剤を用いることができる。
【0044】
第2の実施形態に係るポリマーと殺虫剤の混合物は、例えば図2に示すようなストライプ形状にする押し出しシステムを用いて、スパンボンド高分子シート上に置くようにしてもよい。ストライプ22は、例えば、高さ約1cmで、ストライプの間隔は約5〜15cmである。最も好ましくは、ストライプの間隔は約10cmがよい。殺虫剤の最初の大量放出の後、排除ゾーンにおいて殺虫剤が一定濃度を維持するような配置にストライプを形成することが望ましい。高分子シートにストライプを付けた後、シートは、昆虫から守るべき木製構造物上またはその近辺に戴置される。
【0045】
結合充填剤及び/または担体を、本発明の全ての実施形態に含めるようにしてもよい。結合充填剤及び/または担体を含むことにより、より多くの量の殺虫剤をある決められた放出率で放出したり、ある決められた量の農薬をより低い放出率で放出できるようになる。結合担体は農薬を結合する。農薬を結合することが確認されている結合担体は、例えば、カーボンブラック(ランプブラックとガスブラックを含む。)、活性炭、及びこれらの組み合わせなどの、カーボンベースの担体を含む。アルミナ、シリコアルミネート(silicoaluminate)、ヒドロキシアパタイト、及びこれらの組み合わせをカーボンの代わりに生物活性化学物質を結合するために用いることができると考えられている。
【0046】
カーボンベースの担体を使用する時は、まず第1にカーボンが乾燥していることを確認してから液状の殺虫剤をカーボンと混ぜる。十分なカーボンブラック(充填剤)のみを用いて、ぽろぽろの易壊性の混合物を作る。「ぽろぽろ」とは、ほぼ乾燥しているか、または粘着性の無い、可流粒子のことを言う。ある種の農薬には、液状化するために熱を加えなければならないものある。液状の殺虫剤は、細かく分けられたカーボンブラックの非常に広い表面領域に粘着または結合し、混合物は、ポリマー内で一体化させるために冷却される。カーボンを利用した場合に用いられるポリマーは、ポリエチレン(低密度及び高密度のポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合体または混合物、ポリブチレン、エポキシポリマー、ポリアミド、アクリル酸アクリロニトリルスチレン(acrylate−styrene−acrylonitrile)、芳香性または非飽和ポリエステル、ポリウレタン、シリコン、またはその他の適したポリマー、またはこれらの共重合体である。
【0047】
第1及び第2の実施形態におけるカーボンと殺虫剤の混合物(またはカーボンが使用されていない場合には単に殺虫剤)は、溶解、パウダー、液体のいずれかの段階において、ポリマー、好ましくはポリウレタンと混ぜられる。次に、この混合物を高分子シートに接着させる。本発明の第1及び第2の実施形態においては、ポリマーと殺虫剤は高分子シートに溶解接着される。
【0048】
ポリマーと殺虫剤の混合物を高分子シートに接着するやり方の1つに「押出鋳込」がある。「押出鋳込」では、溶解された材料を加熱されたノズルから多孔ウェブを通して鋳型に注入する。溶解された材料は、圧力をかけられてウェブを流れ、鋳型の中で固化する。溶解された材料が押し出される間、多孔ウェブは空気を逃がすが、溶解した材料が冷えるまで、多孔ウェブは圧力下で溶解した物質を保持することができる。
【0049】
ポリマーと殺虫剤の混合物を高分子シートに接着する別の方法としては、溶かしたポリマーと殺虫剤との混合物をスパンボンド高分子シート上に戴置する方法がある。混合物が溶けている場合、冷却し、硬化し、固化できるようにしなければならない。以降、「ポリマーと殺虫剤の溶解混合物」は、ポリマーが溶かされたか、すでに液状となっていることを言う。殺虫剤は、融点に応じて、溶解した状態であっても、スラリー溶液中に含まれていても良い。「ポリマーと殺虫剤との溶解混合物」は、溶解はしないが、溶解ポリマー−殺虫剤の物質と一緒に流れるカーボンまたは他の添加剤を含んでも良い。
【0050】
本発明の第1及び第2の実施形態は、排除ゾーンにおいて昆虫を駆除または忌避させる為に効果的な殺虫剤の濃度を保つのに十分であって、且つ、長期間にわたり効果的な濃度を保つ為に十分にゆっくりとした放出率を提供する。
【0051】
すなわち、本発明の第1及び第2の実施形態における好ましい組成は、質量の約70〜95の割合の担体ポリマーと、約0〜15重量%の割合のカーボンと、約5〜30重量%の割合の殺虫剤である。徐放性デバイスの設計要件は、ユーザーの好みや地理的条件といった要因に応じて変わる。最初の殺虫剤の大量放出後、本第1及び第2の実施形態における高分子デリバリーシステムの定常放出率は、蟻やシロアリなどの昆虫に対するバリアとして、少なくとも6年間は維持される。しかし、本発明の均衡濃度は、それぞれのユーザーの要望に合わせて簡単に調整することができる。
【0052】
また、図1乃至図5に示す実施形態は、金属化箔などの農薬不浸透性シート(不図示)を有しても良い。金属化箔またはポリマーを押し出したシートは、殺虫剤が流れる方向を決めるために、スパンボンド高分子シートの片面に重ねる。
【0053】
本発明の別の実施形態は害虫不浸透性シートのバリアであって、生物活性化学物質または農薬とカーボン担体との易壊性の結合混合物がポリマー内に置かれ、生物活性化学物質はほぼ放出されない。なお「ほぼ放出されない」、及び「微少量のみ放出する」とは、0.4μm/cm2/日未満の放出率であるとし、好ましくは0.1μm/cm2/日未満、最も好ましくは、0.05μm/cm2/日未満の放出率のことをいう。本実施形態は、検出限界を下回る放出率を含む。本実施形態では、害虫は、ポリマー表面の「臭いを嗅いだり」、「ひっかいたり」し、害虫に有害な生物活性化学物質が存在することを感知して、接近を止める。このバリアの寿命は高放出率のバリアと比べてかなり長い。更に、ポリマーの傷または破れによっても、生物活性化学物質が「漏れる」状態になりにくい。従って、完璧なバリアを維持するためには、本実施形態を2層以上にすることが好ましい。複数層にすることにより、1層が破れたり、穴が空いたりしても、害虫は2層目または破れていない隣の層を通り抜けることができない。また、破れを防ぐために、バリア層の片面または両面に、例えばスクリムなどの保護層を設置するのも好ましい。
【0054】
第1及び第2の実施形態の高分子担体デリバリーシステムができあがると、昆虫から保護しようとする構造の側に設置される。図3〜図5は、本発明における、斑点またはストライプのシートの様々な利用例を示す図である。図1の構成が図3〜図5で示されているが、図2に示す構成やその他も構成であってもよい。
【0055】
図3では、高分子担体デリバリーシステム1は木製構造物100のコンクリート基礎の下及び基礎に沿って設置されており、シロアリ、蟻及びその他の穿孔虫から構造物を守るために排除ゾーン10が創出されている。
【0056】
図4は、高分子担体デリバリーシステム2が、排除ゾーン10を提供するために、ポーチ、パティオ、歩道等の構造物部品24の下、または木製構造物101の横の基礎土台の下に設置された図を示す。
【0057】
図5は、高分子担体デリバリーシステム3が、排除ゾーン10を創出するために、木製構造物102の木製部25の下であって、コンクリート基礎23の上及び横に設置された図を示す。
【0058】
図6及び図7に、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態は、図6に示す押し出し成型されたフレキシブルシリンダー26や、図7に示す押し出し成型されたフレキシブル平面ストリップ27などのような、突出成型物に関係する。大きく4つのサブグループに分類できる、様々な種類のポリマーを使用することができる。そのグループとは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、及び上記3つのグループの共重合体である。その一例として、4つのグループから使用できるポリマーをいくつか例に挙げると、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチル−酢酸ビニル(EVA)、酢酸ビニル、ウレタン、ポリエステル、サントプレン(santoprene)、シリコン、ネオプレン、ポリイソプレンがある。いくつかの実施形態では、殺虫剤については、上述した殺虫剤を用いることはできるが、クロルピリフォスが好ましい。充填剤を加えても良い。
【0059】
シリンダーは、直径約5〜15mmの大きさであることが好ましいが、排除ゾーンへの殺虫剤の最良の定常デリバリーを行うためには、直径約10mmであることが最も好ましい。平面ストリップは、厚さ約1〜6mm、幅約5〜15mmであることが好ましい。しかし、シリンダーと平面ストリップの両方とも、ユーザーによる様々な条件に合わせて設計することができる。
【0060】
全体としては、より長期に亘って排除ゾーンにおける農薬の均衡濃度を維持するために、本発明の本実施形態の成分は、質量の約70〜約95の割合のポリマーと、質量の約0〜約30の割合のカーボンと、約5〜約30重量%の割合の農薬とからなる。しかし、この押出成型物の構成はユーザーの要望に合わせることができる。排除ゾーンはシリンダーで少なくとも6年間、平面ストリップでも同様の期間、保持することができると見積もられている。
【0061】
押出成型物は、排除ゾーンを創出するために様々な位置に置くことができる。図8は、図6に示す押出成型物の使い方を示す。1以上のフレキシブルシリンダ26が、構造物のコンクリート基礎23’と木製部25’との間に設置される。フレキシブルシリンダ26は、排除ゾーンを創出すべく制御された率で殺虫剤を放出する。この構成の利点は、フレキシブルシリンダ26はすでに建設された構造物の下に設置することが可能なことである。同様に、不図示であるが、フレキシブルシリンダは、水平方向と対照的に、垂直に地面内に設置することもできる。押出成型物は、個別の使用目的に応じて、他の適切な形状にしたり、適切な設置場所に設置しても良いことは、当業者には明らかであろう。
【0062】
図9は、図7のフレキシブル平面ストリップの押出成型物を用いる方法を示す。1以上のフレキシブル平面ストリップ27を構造物のコンクリート基礎23”と木製部25”との間またはこれらに沿って設置することで、排除ゾーンを創出する。フレキシブル平面ストリップ27は、不図示ではあるが、一例として、壁に沿って垂直に設置することも可能である。ここでも、平面ストリップの適切な設置の仕方は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0063】
図10〜図13の実施形態に示すように、ペレットを使用することで、殺虫剤の放出を便利良く制御することができる。ペレット13は、ポリマー、殺虫剤を含み、充填剤も含むことが好ましい。本実施形態では、種々のポリマーを使用することができる。それらは、熱可塑性ポリマーと、熱硬化性ポリマーと、弾性ポリマーと、これらの共重合体とからなる4つのサブグループのポリマーを含む。これら4つのサブグループからのポリマーの選択は、好ましいポリマーが高密度ポリエチレンであるか、低密度ポリエチレンであるかを考慮した設計要件に応じて行われる。また、好ましい殺虫剤はテフルトリンであるが、以下に示す殺虫剤を用いても良い。すなわち、イソフェンフォス、フェンバレレート、サイパーメトリン、ペルメトリン、及びその他のピレトリンである。最良の結果を得るためには、カーボンなどの担体を混合物に組み入れることもできる。
【0064】
ペレット31は、排除ゾーンを確立するために、より長期に亘り制御された率で殺虫剤を放出する。土壌中のゾーンの保持のために、そのようなペレットで必要とされる成分は、質量の約70〜約95の割合のポリマーと、質量の約0〜約30の割合のカーボンブラックと、質量の約5〜約30の割合の殺虫剤である。その他、ユーザーの好みに応じてペレットの成分を変えても良い。
【0065】
ペレットは使用目的に応じて都合の良い大きさにすれば良く、例えば、直径(または、長方形であれば幅及び厚さ)約1〜25mm、長さ2〜20cm以上である。また、ユーザーの特定の要望に合わせるために、ペレットの大きさ及び殺虫剤の濃度は、簡単に調整することができる。しかし、排除ゾーンは少なくとも6年間は維持される。
【0066】
更に、ペレット31は、およそどこにでも、簡便に設置することができるという利点を有する。本発明の本実施形態のペレットを図10に示す。ペレット31は、木製構造物25の近くに挿入されている。図10に示すペレットは、木製構造物にダメージを与え得る昆虫を排除するために、木製構造物25’”の周りにゾーン10が創出されるように、セメント基礎23’”や、木製構造物のすぐ下(不図示)に置くことができる。図11は、表面40上に埋め込まれたペレット31の断面図である。
【0067】
ペレットは、非常に様々な用途に、簡単に用いることができる。図12は、ペレットがコンクリートの構造物表面40上に吹き付けられる様子50を示す。図15は、予め形成されたボード300上にペレット33を戴置することによる表面の処理を示す。
【0068】
図13に示すように、ペレット32は、土壌またはコンクリートなどの表面40にフォーム41を用いて付けられる。ペレットは、まず、従来知られている技術によってフォーム内に混入される。そして、微小ペレットを含むフォーム41は、図12に示すように、表面に保護コーティングを施すために、自動吹きつけ塗装器70により表面41上に吹き付けられる50。そして、ペレット32は、害虫から木材を守るために、土壌中に保護バリアを創出すべく、殺虫剤を放出する。最良の結果を得るためには、フォーム50をポリウレタンで構成する。また、シリコン、ポリエステル、またはポリ酢酸ビニルを使用することもできる。ペレット32は、フォームの厚み及び排除ゾーンにおける殺虫剤の望ましい濃度に応じて、その大きさを変更することができる。表面に塗布するフォームの厚みは、ユーザーの好みに応じて変えることができる。排除ゾーンは、少なくとも6年間は維持することができる。フォームは、殺虫剤の担体として用いられる他に、セメントを保存し、断熱材としての役割も果たす。
【0069】
図14に示すように、ペレット33を埋め込んだ成型済みボードを本発明の一実施形態として用いることができる。ボード300は、ペレット33を適切に保持することのできるどのような材料からでも作ることができる。ボードは、ダウ・ケミカル・カンパニーの登録商標であるスタイロフォーム(styrofoam)により作ることが好ましい。ボードは、様々な方法で用いることができ、更に、断熱材としても機能する。一応用例を図15に示す。ここでは、ペレット33を含むボード300がコンクリート表面42上に置かれている。埋め込まれたペレットは、工夫された殺虫剤の量に応じて、一定間隔を置いて配置されている。
【0070】
図16及び図17に示す別の実施形態によれば、ポリマーマトリクスと殺虫剤とを含む徐放性デバイスをホットメルトにより適用することができる。この実施形態は、すでに設置された構造物の必要性に応じて設計されたものである。上述の通り、ポリマーマトリクスは、上述の4つのポリマーグループを含むことができる。同様に、上述の殺虫剤のいずれでも使用することができる。しかし、高密度または低密度ポリエチレンをピレトリンのいずれかと共に用いることが好ましい。ユーザーに応じて作る場合でも、最良の結果を得るためには、ホットメルト適用時の様々な物質の濃度は、約70〜約95のポリマー、約5〜約30の殺虫剤、及び約0〜約30の充填材/担体である。
【0071】
図16は、シリンジ400によりコンクリート基礎43近辺の地面に注入されるホットメルト50を示す。コンクリート構造43は木製構造物250を支えている。図17は、すでに地中に注入されたホットメルト50の間隔を示す図である。
【0072】
別の実施形態において、図18及び図19は、構造物500を薫蒸消毒するために殺虫剤を使用しているところを示す。薫蒸消毒される構造物の中または近くに徐放性デバイスを注入または戴置することにより、徐放性デバイスから放出される殺虫剤は蒸発し、これにより構造物を薫蒸消毒することができる。図18は、建築ブロック502からなる構造物500を薫蒸消毒するためにプラグ34を用いる場合を示す。同様に、図19は、ドリル800を使ってセメントスラブ900に穴700を開け、セメントスラブ900に徐放性デバイスを用いる場合を示す。挿入が完了すると、プラグは構造物を薫蒸消毒することができる。
【0073】
本発明のデバイスの別の実施形態を図20に示す。低蒸気圧殺虫剤を含む中または高密度ポリマーである第1ポリマー200と、より揮発性が高く、高蒸気圧の殺虫剤を含む低密度の第2ポリマー202とを混ぜる。高密度、中密度、低密度は、ポリマー内の架橋結合の度合いを示す用語で、ポリマーの技術分野では良く知られている。高蒸気圧とは、約1mPaを越える蒸気圧のことを言い、好ましくは、約10〜約100mPaの間である。低蒸気圧とは、1mPaを下回る蒸気圧を言い、好ましくは、約0.05〜約0.5mPaの間である。第1ポリマー200は、約1/32〜1/8インチの厚さであることが好ましい。低蒸気圧殺虫剤は、ペルメトリンまたはラムダシハロトリンであることが好ましい。第1ポリマー200の素材には、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンの中から選ぶことが好ましい。第2ポリマー202は、第1ポリマー200の近隣及び好ましくは第1ポリマー200に密着して設置される。第1ポリマー200は水及びラドン不透過性であることが好ましい。従って、第1ポリマー200はフィルムまたはスパンボンドなどのシートであることが好ましい。本発明によれば、第1ポリマー200は2つのサブパートからなり、その一方は、低蒸気圧殺虫剤を含む透水性の中密度または高密度ポリマーであるサブパート204で、もう一方は、殺虫剤を含まない非透水性層のサブパート206である。非透水性層は、設置者が生物活性化学物質にさらされたり、接触するのを防ぐまたは減らす働きがある。非透水性の層としては、例えば、マイラー(Myler)、サラン、サラネックスがある。
【0074】
第2ポリマー202は低密度ポリマーであり、好ましくは、エチレン−酢酸ビニル、低密度ポリエチレン、またはそれらを混合したものである。第2ポリマー内の、より揮発性が高い、または、より高い蒸気圧を有する殺虫剤は、好ましくは、例えばテフルトリン等の合成ピレトロイドである。
【0075】
第2ポリマー202は、すでに説明したようにペレット形状であっても良く、第1ポリマーを基礎上の土台板の下に設置し、第2ポリマーを基礎周辺の土壌内に散らすように、第1及び第2ポリマーを展開する。より好ましくは、第2ポリマー202は、図示されるように織布または不織布のいずれか一方であるオープンメッシュの形状をしている。メッシュの開放口は、封印されていない程度のわずかな大きさから、約1〜4インチ角の範囲の大きさであり、リブ208は、断面幅約1ミル〜約1/8インチである。ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステルから作ることのできるスクリムをメッシュとして用いることができる。第1ポリマー200シート及び第2ポリマー202オープンメッシュを用いて、第1ポリマー200及び第2ポリマー202を組み合わせたデバイスを地面の下に設置することが好ましい。第1ポリマーシート200は、第2ポリマー202オープンメッシュの隣に設置され、第1ポリマー200シートは基礎43に接触するかその近辺であって、基礎と第2ポリマー202オープンメッシュの間にある。メッシュの材料は生物活性化学物質を吸収し、生物活性化学物質の貯蔵器の一助としても良い。
【0076】
使用中、第1ポリマー200は昆虫の侵入に対して、物理的/化学的バリアを維持する。しかし、第1ポリマー200の放出はゆっくりである為、設置されてから約1年以内に排除ゾーンを創出することができる程度の非常に少量の殺虫剤が放出される。更に、例えば、配電や配管などによる貫通や、建築中に穴または破れを作らずに欠点の無いバリアを設置することは不可能である。従って、第2ポリマー202は設置後の数日間で排除ゾーンを創出することができるように展開され、第1ポリマー200の不完全な部分を介しての昆虫の接近を防ぐことができる。従って、第1ポリマー200は3つの機能を有する。すなわち、昆虫に対するバリア、蒸気/湿気バリア、そしてラドンバリアである。第1ポリマー200は少なくとも10年間、好ましくは20年以上保たれるように設計される。第2ポリマー202は少なくとも5年間、好ましくは約10年間保たれるように設計される。第2ポリマー202が消耗し、昆虫に対する効果が無くなるまでには第1ポリマー200が排除ゾーンを保持するのに十分な殺虫剤の放出濃度にすることができる。
【0077】
好適な多層バリア
本発明の別の実施形態は、少なくとも3層を有する多層バリアである。なお3層とは、農薬放出層と、2層の農薬保持層である。農薬保持層は、農薬放出層の両サイドにある。農薬放出層(つまり、「活性」または農薬活性成分を含む層)は、少なくとも1つの農薬を含む。農薬放出層は少なくともその1つの農薬を放出する。農薬放出層は、微少量の農薬しかバリアの外に放出しない。内側の活性層は、2つの農薬保持層により挟まれるため、バリアからは農薬がほぼ放出されない。バリアの厚さは通常、約0.010インチ(10ミル)〜約0.030インチ(30ミル)であり、約0.014インチ(14ミル)〜約0.016インチ(16ミル)であることが好ましい。多層バリアはシートやフィルムの形状に成型することができ、シロアリやその他害虫等の地面を這う昆虫から保護する必要がある家屋の基礎部分などの領域を取り巻くように敷設することができる。
【0078】
この多層バリアは、保護領域及び/または構造物に地面を這う穿孔虫やシロアリなど害虫が侵入するのを防ぎ、そして、そのバリアを害虫が超えるのを撃退し、及び/または防ぐことにより、この領域及び/または構造物を保護する。多層バリアはより長い期間、領域及び/または構造物を保護すると同時に、バリアの設置者や、保護領域及び/または構造物を訪問し、または占有する人々、更には環境に対する悪影響を及ぼさない。有害な影響なく設置者がバリアを取り扱えるように、バリアからの農薬の放出は最小限である。農薬を最小限放出することで環境に与える影響を最小限にすると共に、バリアを長期間、通常は10年、更には30年に亘って持続することができる。多層バリアは、地面を這う木材穿孔虫やシロアリなどの害虫からの長期保護を新築の地主に提供できるように、建築前に建築物の基礎の下に設置することができる。害虫を保護領域及び/または構造物の外に追いやっておくことに加え、多層バリアは湿気及びラドンなどの有毒ガスが保護領域及び/または構造物に浸透することを防ぐのを助ける。
【0079】
本発明の本実施形態のバリアは1以上の追加層を含んでも良い。追加層は、農薬放出層及び農薬保持層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、農薬放出層と農薬保持層との間に設置することが好ましい。
【0080】
本発明の本実施形態のバリアは、バリアを補強し、穴開き防止のための追加層を含む。この追加層は必要な層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、農薬放出層と農薬保持層との間に設置することが好ましい。多層バリアは薄いシートまたはフィルムの形態をしていても良く、その場合、シートまたはフィルムを補強し、穴開き防止のための層を少なくとも含む。補強・穴開き防止層の厚さは通常約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の間であり、好ましくは約0.004インチ(4ミル)である。
【0081】
本発明の本実施形態のバリアは、紫外線などの環境要因からバリアを保護するための1以上の追加保護層を含んでいても良い。追加保護層は、設置時及び設置後バリアに太陽が当たるときに、バリアをUV光線から保護する。追加保護層はその他の層に対してどこでも望みの位置に置くことができるが、通常はバリアのその他の層の外側に配置される。保護層は、バリアの断熱性を促進するために、断熱ポリマーで作ることができる。保護層の厚さは通常約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の間であり、好ましくは約0.001(1ミル)である。保護層は通常、バリアの約15重量%〜約30重量%の間であり、好ましくはバリアの約22重量%である。保護層の面積密度は原料約13g/m2〜原料約78g/m2の間であり、好ましくは原料約26g/m2である。
【0082】
バリアの層はまとめられているか、互いに結合されており、単一の多層製品を形成している。各層は直接或いは結合層を用いて互いに結合することができる。例えば、補強・穴開き防止層を、結合層を用いて活性層(つまり、農薬放出層)及び農薬保持層に結合することができる。同様に、補強・穴開き防止層を、結合層を用いて農薬放出層に結合することができる。バリアの各層を互いに固定するために1層以上の結合層を用いる利点は、活性層を農薬保持層または追加層に結合可能である必要のないポリマーで作れることである。これにより、活性層(つまり、農薬放出層)において融点の低いポリマーを使用することができる。処理温度が低くて済むために、活性層を作る処理時に農薬の損失を減らすことができる。
【0083】
農薬保持層は、バリアから農薬がほぼ放出されないように、微少量の農薬しか透過できないような高分子原料から作ることが好ましい。好適なポリマーは、ミシガン州ミッドランドにあるダウ・ケミカル・カンパニーのサラネックス(登録商標)である。各農薬保持層の厚さは、約0.001インチ(1ミル)〜約0.005インチ(5ミル)の間であり、好ましくは0.002インチ(2ミル)である。農薬保持層は、バリアの約20重量%〜約40重量%の間であり、好ましくは、バリアの約25重量%〜約35重量%、更に好ましくはバリアの約30重量%である。農薬保持層の面積密度は、原料約26g/m2〜原料約130g/m2の間であり、好ましくは原料約60g/m2である。本発明の本実施形態では、農薬放出層ではなく、農薬保持層がバリアからの農薬の放出を制御する。しかし、農薬放出層は、農薬放出層からの農薬の放出を調整することにより、確実に微少量の農薬しか放出されないように助けることができる。バリアからの放出率は、場合によっては、検出限界を下回る。
【0084】
農薬放出層は、高分子マトリクスと、高分子マトリクス全体に分散された農薬とから構成することができる。高分子マトリクスは、フィルム内に形成される徐放性高分子マトリクスであってもよい。本発明の一実施形態によれば、高分子マトリクスは低密度ポリエチレンから作られる。線状低密度ポリエチレンは、他のポリエチレンに比べて融点が低いため、高分子マトリクス素材として現時点では好ましい。低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒の低密度ポリエチレンが考えられる。高分子マトリクスで用いるのに適したポリマーとしては他に、これらに限られるものではないが、ウレタン、ポリウレタン、エポキシ、シリコン、ポリエチレン+ワックス(PE+ワックス)、芳香族ポリエステル、ペレタン(pellethane)、エチル−酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリエステル、サントプレン、ネオプレン、ポリイソプレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合体または混合物、ポリブチレン、エポキシポリマー、ポリアミド、アクリル酸アクリロニトリルスチレン、非飽和ポリエステル、シリコン、またはそれらの組み合わせを含む。高分子マトリクスで用いられるポリマーは疎水性であってもよい。
【0085】
農薬放出層で用いるのに適している農薬は、本発明がこれらに限られるものではないが、例えばピレトロイド、ネオニコチノイド、イソフェンフォス、フェンバレート、ピレトリン、及びこれらのタイプの化合物の混合物を含む。農薬放出層で用いるのに好適な農薬は、テフルトリン、ペルメトリン、ラムダシハロトリン、レズメトリン、デルタメトリン、サイパーメトリン、シフェノトリン、シフルトリン、デルタメトリン、クロルピリフォス、フェノキシカーブ、ジアジノン、ジクロルフェン、メチルイソチオカネート、ペンタクロルフェノール、トラロメトリン、クロルフェナピル、フィプロニル、ネオニコチノイド、及びこれらの化合物の混合物を含む。適したネオニコチノイドの例としては、これらに限るものではないが、チアメトキサン、ナイテンピラン、イミダクロプリド、クロチアニディン、アセトアミプリド、チアクロプリドを含む。農薬放出層で用いるのに好適な農薬はラムダシハロトリンである。ラムダシハロトリンは合衆国で最も重要なシロアリの種類であるレチカルタームス・フラヴァイプ(Reticulitermes flavipes)に対して、0.0001μg/シロアリの内、実験用シロアリ(LC99の99%を殺傷する致死濃縮液を含む非常に効果のある殺シロアリ剤である。いくつかの実施形態では、農薬放出層内の農薬の少なくとも1つが、農薬放出層の少なくとも5重量%分存在する。別の実施形態では、農薬放出層内の農薬の少なくとも1つが、農薬放出層の少なくとも10重量%分存在する。
【0086】
多層バリアは、シロアリに対して様々な働き方をする。多層バリアは、バリアに短時間接触したシロアリに対して致死量の農薬が与えられるように、バリアにおけるラムダシハロトリンなどの農薬を用いて殺虫保護を提供する。また、多層バリアはシロアリに対して防虫保護をする。更に多層バリアは、シロアリがバリアを食べ始められないように、滑らかで強い外部農薬保持層を含むことが好ましいため、シロアリに対して物理的保護を提供する。
【0087】
高分子マトリクスと該マトリクス内に拡散された農薬とから作られた農薬放出層は、カーボンブラック(ランプブラック、ガスブラックを含む)などの担体を含んでも良い。ランプブラックの形態のカーボンブラックは、農薬を非活性化または変質させること無く、押出形成が容易で、且つ固化させないことが容易であるという利点を有することが分かっている。ランプブラックの形態でカーボンブラックを使用することにより、ほぼ乾燥したまたは非粘着性の流動性のある粒子のぽろぽろの易壊性の混合物を生成することを助け、押出形成中に農薬が蒸発することを防ぐ一助となる。農薬放出層の厚さは通常約0.001インチ(1ミル)〜約0.020インチ(20ミル)の間であり、好ましくは約0.001インチ(1ミル)〜約0.005インチ(5ミル)の間、更に好ましくは、約0.002インチ(2ミル)または0.0037インチ(3.7ミル)である。農薬放出層は、通常、バリアの約15重量%〜約30重量%の間、好ましくはバリアの約22重量%〜約25重量%の間、更に好ましくはバリアの約24重量%である。農薬放出層の面積密度は、通常原料約22g/m2〜約115g/m2の間であり、好ましくは原料約45%である。
【0088】
農薬放出層は、農薬を抑制して放出することが好ましい。この徐放は、ほぼ放出しないバリアを達成するために、農薬保持層が微少量の農薬しかバリアから能出されないようにする助けとなる。言い換えれば、バリアから微少量の農薬のみを放出することを、活性層(つまり、農薬放出層)からの放出を制御することにより助けることができる。
【0089】
昆虫を撃退し、その侵入を防ぐ農薬に加えて、バリアに1以上の殺菌剤を含むことが好ましい。殺菌剤は、殺虫剤を含む農薬放出層または個別の殺菌放出層に入れることができる。個別の殺菌放出層は農薬放出層内にあっても良い。菌によるバリア全体の質の低下を防ぐために、1以上の殺菌剤を含めることができる。
【0090】
ここで用いている「殺菌剤」とは、植物生病原菌に対して有効な、非常に広い範囲の化合物クラスに属する化合物を指すものとする。好適な対菌活性化合物が属する化合物クラスの例としては、室温(25℃)で固体及び液体の殺菌剤を含み、これらに限られるものではないが、トリアゾール誘導体、ストロビルリン(strobilurins)、カルバミド酸塩(チオ及びジチオカルバミド酸塩(dithiocarbamates)を含む)、ベンゾイミダゾール(例えばチオベンダゾール)、N−トリハロメチルチオ(N−trihalomethylthio)化合物(例えばカプタン)、置換ベンゼン(substituted benzenes)、カルボキシアミド(carboxamides)、フェニルアミド(phenylamides)、フェニルピロール(phenylpyrroles)、及びこれらの混合物を含む。好適な殺菌剤は、トリクロルニトロメタン、メチルイソチオシアネートと1,3−ジクロルプロパンの混合物、N−メチルジチオ岩酸塩ナトリウム、2,3,5,6−テトラクロル−1,9−ベンゾキノン、カルシウムシアナミド、ビフェニル、ナフテン酸銅、ジクロルフェン、フェンティン水酸化物、及びこれらの化合物の混合物を含む。
【0091】
殺菌活性化合物は、多層バリアの活性層において殺菌効果のある量が用いられる。本発明の実施においては、上述した1以上の殺菌活性化合物の混合物を活性化合物として用いることもできる。
【0092】
本発明の本実施形態のバリアは1以上の補強・穴開き防止層を含むが、この補強・穴開き防止層はスクリムで作ることが好ましい。補強・穴開き防止層は、破れや穴開きを防ぎ、また、バリアに張力強度を与える助けをする。好適なスクリムは、織布ポリマーで作られる。特に好ましくは、高密度ポリエチレンから作られた織布ポリマーである。スクリムの圧さは通常約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の間であり、好ましくは約0.004インチ(4ミル)である。スクリム層は一般的にバリアの約11重量%〜約24重量%であり、好ましくはバリアの約17重量%〜約18重量%である。スクリム層の面積密度は通常、原料約30g/m2〜約95g/m2の間であって、好ましくは、原料約62g/m2である。
【0093】
バリアの端から農薬放出層の農薬が放出されるのを減らすために、農薬保持層を対応する農薬放出層よりも幅広く長くしてもよく、農薬保持層を互いに直接接合するか、接合層により接合するとよい。
【0094】
1以上の追加層(つまり、農薬放出層以外の層)を農薬保持層内に設置することで、バリアに害虫が侵入した場合にも有理である。農薬が放出されるにつれて、追加層には農薬が染み込んでゆく。従って、追加層はバリアを通り抜ける害虫に対して物理的且つ農薬による保護を更に提供することになる。
【0095】
本発明の本実施形態における多層バリアの利点の1つは、全体または一部が木材で作られた構造物に、シロアリ、木材穿孔蟻及びその他の害虫が侵入することをバリアが防ぐことができる点である。別の利点としては、10年、または30年にも亘る長期機関、害虫がバリアを超えることをバリアが防ぐことができる点がある。更なる別の利点としては、バリアを設置するときにバリアの外側の面にほぼ農薬が無い状態であることである。これにより、バリアの取扱者及び設置者の安全を高めることができる。本発明の本実施形態における更なる利点は、バリアの製造処理が効率的で、且つ、従来商業的に用いられている設備を用いて大量のバリアを製造できることである。保護する領域及び構造物に害虫を近づけないことに加えて、本発明の本実施形態のバリアは、保護する領域及び構造物に湿気及び有毒ガスが侵入することを防ぐ。
【0096】
本発明の一様態によれば、バリアは、柔軟で薄いフィルムを形成するために互いに接合された複数の高分子層から成る。フィルムは、家の基礎などの、シロアリやその他の害虫などの地面を這う昆虫から守る必要のある領域を囲うように設置することができる。
【0097】
本発明における現在好適な多層バリアは、8層の薄い高分子フィルムから成る。層は柔軟性のあるフィルムを形成するために互いに接合される。現在好適なバリアフィルムの厚さは、約0.015インチ(15ミル)〜約0.016(16ミル)の間である。現在好適なバリアフィルムの幅は、約81インチ〜約83インチの間である。現在好適なバリアフィルムの重さは、約327g/m2である。現在好適なフィルムの8層を、図21の断面図に概略的に示す。
【0098】
図21において、バリアフィルム110は外部層112と114を含む。外部層112及び114は、押出コーティンググレードのポリオレフィンプラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニーからアフィニティ(Affinity)(登録商標)PT1450の商品名で販売されている。)と、濃縮色素(カナダ国オンタリオ州ブラントンのカラーテック・インク(Colortech Inc.)により製造されている、
【0099】
キャボット・コーポレーション・アンド・LDPE(Cabot Corporation and LDPE)により製造されているカーボンブラックバルカン(Vulcan)(登録商標)9のブレンド)と、押出コーティンググレードのポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッド(Nova Chemicals Canada Ltd.)のノバポール(Novapol)(登録商標)LC−0522−A)をブレンドしたものから作られる。外側層112及び114を作るために用いられる原料は、以下において、「新世代樹脂」または「NGR」とも呼ぶ。外側層112及び114を作るために用いられる原料は、紫外線からの保護及び断熱性をバリアに与える助けをする。外側層112及び114の融点は約110℃である。外側層112及び114の予想寿命は、現在建築中に用いられる防湿バリアに匹敵すると予想されており、地中に設置された場合、原料は無期限にもつと予測されている。本発明によれば、外側層112及び114は約0.0011インチ(1.1ミル)の厚みを有し、原料約26g/m2の重さを有する。
外側層112及び114の内側には、農薬保持層116及び118がある。農薬保持層116及び118は、ダウ・ケミカル・カンパニーの製品であるサラネックス(登録商標)14で作られている。サラネックス(登録商標)14の融点は143℃より高く、生物劣化及び光劣化は無いと考えられている。サラネックス(登録商標)14は5層の同時押出製品で、低密度ポリエチレンと、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体(例えばサラン)と、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成る。好適な実施形態によれば、サラネックス(登録商標)14から成る層(つまり、層116及び118)の厚みは約0.002インチ(2ミル)で、材料約53g/m2の面積密度を有する。
【0100】
農薬保持層116の内部には、農薬保持層116をスクリム層122に結合する結合層120がある。結合層120は農薬保持層112及び114と同じ材料で作られる。好適な実施形態によれば、結合層120は約0.0011インチ(1.1ミル)の厚みを有し、面積密度はLDPEが約26g/m2である。
【0101】
スクリム層122は高密度ポリエチレン、特に、ノバ・ケミカルズ・コーポレーション(Nova Chemicals Corporation)のスクレア(Sclair)(登録商標)HDPE No.99Gである。スクリム層は好ましくは織布HDPEである。スクリム層122を作るために用いられるHDPEはシート状に押出形成され、テープ状に細長く切られる。その後テープに予め圧力を加え、シートに織られてバリアフィルム110に一体化され、張力強度と、穴開き防止を提供する。スクリム層112を作るために用いられるHDPEは、一般的な水道管を作るのに用いられる樹脂に非常に似ているため、それに匹敵する寿命を持つと考えられる。好適な実施形態によれば、スクリム層112の厚さは約0.004インチ(4ミル)、面積密度は、原料約63g/m2である。
【0102】
結合層126は、スクリム層122を活性層128に結合する。結合層126は、ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドの押出コーティンググレードの低密度ポリエチレンであり、例えばノバポール(登録商標)LC−0522−Aである。結合層126の融点は約165℃である。好適な実施形態によれば、結合層126の厚さは約0.001インチ(1ミル)、面積密度は、材料約25g/m2である。
【0103】
結合層126と農薬保持層118との間には、活性層128がある。本発明のいくつかの実施形態では、活性層128は、約0.82重量%〜約1%の工業ラムダシハロトリン(lambda cyhalotorin technical)(85%w/w)と、約0.85重量%〜約1.05重量%のカーボンブラックとしてジェネラル・カーボン・カンパニー(General Carbon Company)のランプブラック#6(ランプブラックスーパーファイン(Lamp black Superfine)#6としても知られている)と、約20.9重量%〜約23.1重量%の低密度(LDPE)ポリエチレン樹脂から成る。別の実施形態では、活性層128は、85.2重量%の精製溶媒(technical solution)中の11.74重量%のラムダシハロトリンと、10.87重量%のランプブラック#6と、77.39重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂から作られる。LDPE樹脂は、好ましくはダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400.00(PE XU59400としても知られている)であって、メタロセン触媒の押出コーティンググレードのLDPEである。このLDPEは融点が低く、約80℃であって、押出コーティング能力を有するために選ばれたものである。好適な実施形態に置いて、活性層128はバリアフィルム110の約23重量%で、厚さ約0.002インチ(2ミル)、面積密度は原料約45g/m2である。
【0104】
上述した8層バリアフィルムにおいて、外側層112及び114と結合層120は、併せて、バリアフィルム110の約22.2重量%を占める。農薬保持層116及び118は、併せて、バリアフィルム110の約29.7重量%を占める。スクリム層122はバリアフィルム110の約17.8重量%を占める。結合層126はバリアフィルム110の約6.4重量%を占める。活性層128はバリアフィルム110の約23.9重量%を占める。
【0105】
結合層126からその他の層までの生物活性化学物質の放出率は、バリアフィルム110からバリアフィルム110の外部への生物活性化学物質の放出率よりも高い。好適な8層の実施形態では、ラムダシハロトリンの放出率は、一日当たり、フィルムでは0.002μg/cm2未満と計測された。バリアフィルム110は、土壌やその他周辺環境におけるラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造物に入るのを防ぐ役割をする。
【0106】
別の好適な多層バリアは、6層の高分子薄膜で構成しても良く、各層が互いに結合されて柔軟性の高い膜を構成している。一実施形態では、6層の高分子知恵有無の厚さは約0.012インチ(12ミル)、幅は約81インチ〜約83インチの間、重さは約263g/m2である。ある好適な6層の膜の層を、図24の断面図に概略的に示し、以下説明する。
【0107】
図24において、バリアフィルム210は外側膜212及び214を含む。バリアフィルム210は、土壌やその他周辺環境中のラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造体に入るのを防ぐ役割をする。一実施形態では、外側層212及び214は、8層膜を参照して説明し、「新世代樹脂」または「NGR」と呼んだように、押出コーティンググレードのポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、押出コーティンググレードのポリエチレンとの混合物で作られる。外側層212及び214は約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の厚さで、材料約13g/m2〜約78g/m2である。
【0108】
外側層212及び214の内側には、農薬保持層216及び218がある。一実施形態では、農薬保持層216及び218は、上述したようにサラネックス(登録商標)14で作られている。層116及び118は約0.0005インチ(0.5ミル)〜約0.003インチ(3ミル)の厚さで、原料約26g/m2〜約130g/m2である。
【0109】
農薬保持層216の内側には、構造層222がある。一実施形態では、構造層222は上述したHDPEにより作られている。構造層216は約0.002インチ(2ミル)〜約0.006インチ(6ミル)の厚さを有し、原料約31g/m2〜93g/m2である。
【0110】
構造層222と農薬保持層218の間に活性層228がある。一実施形態では活性層216は、85重量%の精製溶媒中の0.91重量%のラムダシハロトリンと、0.95重量%のランプブラック#6と、22重量%のLDPE樹脂から作られる。活性層216は約0.002インチ(2ミル)から約0.005インチ(5ミル)の厚さで、原料約22g/m2から115g/m2の材料を有する。
【0111】
6層の実施形態におけるラムダシハロトリンの放出率は、一日当たり、フィルム1cm2について0.002μgよりも少ないと計測された。バリアフィルム210は、土壌やその他周辺環境中のラムダシハロトリンの濃度を無視できるほどにしながら、木材劣化生物が構造物に入るのを防ぐ役割をする。
【0112】
本発明は、また、従来の商業的に入手可能な機材を用いて多層バリアを作る効果的な方法を提供する。本発明の一様態によれば、ランプブラックまたはガスブラックが活性層を作るためのプレミックスに用いられる。ランプブラックは、望ましいプレミックスの流動性を達成するが、他の多くのタイプのカーボンブラックと違って、ランプブラックは農薬を非活性化すると言った、農薬の活動にとって不利益となる影響を与えない。
【0113】
バリアフィルムの製造方法
上述した多層バリアフィルムは様々な方法により形成することができる。一方法では、カーボンブラックなどの担体をポリマーの粒子と混ぜて混合物を形成する。1以上の農薬を液体の状態で混合物に添加するが、その間、易壊性のプレミックスを形成するために、農薬が変質する温度より低く、かつ、農薬の融点温度より高い温度に混合物を保っておく。このプレミックスは、薄い活性フィルムを形成するために溶解押出される。プレミックスは、バリアフィルムを形成するために、望みの追加層と共に押出形成される。望みの層の数、選択する層の種類、層の順番及び層を作る原料は、様々な要因に依存し、その要因は、これらに限るものではないが、バリアフィルムの最終的な用法、害虫の侵入に対して保護する望みの長さ、保護する領域及び/または構造物のタイプ、害虫の具体的タイプ、製造コスト及び能力などである。
【0114】
活性層は、農薬または生物活性化学物質に担体を混ぜてぽ易壊性の結合ミックスを形成し、この易壊性の結合ミックスを高分子マトリックスに加えることで準備することができる。また、活性層は、ポリマーと担体とを混ぜてポリマー−担体混合物を形成し、それに農薬または生物活性化学物質を添加することにより準備することもできる。
【0115】
上述した8層バリア層110は以下の好適な方法により形成することができる。活性層128を生成するために、ポリエチレン樹脂と、ランプブラックの形態のカーボンブラックとを混合し、混ぜる。好適なミキサーはマリオンタイプのミキサーである。マリオンタイプのミキサーを用いる場合、ミキサーを密閉してから攪拌器を動作させる。ポリエチレン樹脂とカーボンブラックは、それらが良く混ざり、カーボン塊の大きさが小さくなるまで混ぜられる。ポリエチレン樹脂はペレット状であることが好ましく、低温で35メッシュパウダーに砕く。混合物の大半の温度は、60℃以下にしておくことが好ましい。
【0116】
次に、ポリエチレン樹脂とカーボンブラックの混合物の撹拌を続けながら、溶かしたラムダシハロトリンをスプレーで徐々に加えていく。好適な実施形態では、85.2重量%の工業用ラムダシハロトリンの溶媒が用いられる。中身が均一に混ざるまで撹拌を続ける。そして、混合物は例えばプラスチックを内側に貼ったドラムに保存される。
【0117】
次に混合物は、型に適合した押出機/造粒機に入れられてペレットとなる。好適な実施形態では、1/8インチのスタンド型に適合した押出機/造粒機を用い、押出温度は、押出バレルの長さ及び型に亘って約85℃に保たれる。押出機スタンドは、造粒する前に水冷を必要とする可能性がある。ペレットは、好適な実施形態では約1/8インチ長である。次に、ペレットを乾かす。温風サイクロンドライヤー内でペレットを乾かすが、より完全に乾かさなければならない場合、60℃の強制排気オーブン内で平らなトレイ上に並べて乾かす。
【0118】
プレミックスのペレットは、積層工程により2つの多層フィルムの間に押し出され積層される。具体的には、プレミックスペレットは、生物活性プレミックス原料を最終的なバリアフィルム110内に保持するように、2つの多層フィルムの間に押し出され積層される。シングルスクリューまたはダブルスクリュー押出機のような従来の押出機を層128を押出形成するために用いても良い。
【0119】
積層工程で用いられる多層フィルムは、予め成型加工されている。第1の多層フィルムは、上述したように層114及び118から成る(つまり、サラネックス(登録商標)14から成る農薬保持層と、その隣のNGR層)。第2の多層フィルムは上述したように、層112、116、120、122、126、114、118から成る(つまり、NGR層と、その隣のサラネックス(登録商標)14から成る農薬保持層と、その隣のNGR層と、その隣のHDPE層と、その隣のLDPE層)。第2多層フィルムの層は、第1NGR層(つまり層112)が、最終的にでき上がる製品の外側面となるように置かれる。
【0120】
プレミックスペレットは、新しいポリエチレン樹脂で希釈し、所望のラムダシハロトリンの濃度にして、押出機に入れられて第1及び第2多層フィルム間に直接積層され、バリアフィルム110が形成される。好適な方法では、バリアフィルム110のラムダシハロトリン濃縮物は、0.77重量%、または、バリアフィルム110の1m2あたり2.75gである。バリアフィルム110は巻き取られて、販売用またはサイズ調整及び縫製用に梱包される。
【0121】
プレミックスの湿気、特にカーボンブラックからの湿気は、活性層128が押出型から出てくるときに気泡が生じてしまうといった製造中の問題となることがある。これは、プレミックスを約54℃に設定した定温機で約12時間乾燥することにより解決することができ、こうすることで気泡が生じない所までプレミックスをほぼ乾燥することができることが分かっている。また、濃縮プレミックスに接する雰囲気中の湿気を減らす処理もしなければならない。
【0122】
更に、カーボン塊があると、バリアフィルム110の表面は大きくでこぼこしてしまう。カーボン塊は、活性層128内で生物活性成分(例えばラムダシハロトリン)が不均等に分布することになるために問題である。この問題は、使用前にスクリム層122のカーボンブラック成分を100メッシュの網でふるい分けることで減らすことができる。また、ヘンシェル型(Henschel−type)攪拌機及びツインスクリュー押出機などの、高エネルギー攪拌機を用いたり、親練りを用い、ポリマー溶解粘性を上げるために大量のカーボンを入れることで押出機内のせん断応力を上昇させてカーボンの拡散をすることで、カーボンブラックを適切に分散することができる。押出温度を低くしたり、高せん断撹拌セクションを有する押出スクリューを用いることも、よりカーボンを分散させる効果がある。せん断攪拌機を有する押出スクリューの一例は、スクリュー内に作り込まれた溝付きバリアフライトを有するスクリューの設計である。そのようなスクリューを用いた場合、ポリマー溶解物は、押出バレルに近いバリアフライトの上を流されることになる。これにより、ポリマー溶解物に高せん断率を適用させるので、混合物内でカーボンをより分散させることができる。
【0123】
製造工程においては約160℃を超える温度でラムダシハロトリンの熱分解及び蒸発が起こり、約160℃から約170℃の間でラムダシハロトリンの損失は非常に大きくなる。処理条件の安全を見て、処理温度を約150℃にするとよい。
【0124】
バリアフィルムをオフサイトプレ形成する好適な方法
現在好適なバリアフィルムの使用法は、シロアリやその他地面を這う木材穿孔虫の侵入から家屋を守ることである。土壌から昆虫が家屋に侵入するのを防ぐために、本発明のバリアフィルムは、土壌と、土壌に接する家屋の基礎や土壌近辺の基礎との間、及び土壌近くに敷設しなければならない。
【0125】
現在、本発明のバリアフィルムを家屋の基礎よりも小さいシート状に作るのが商業上好まれる。従って、多数のシートを組み合わせて、バリアフィルムで基礎を完全に覆う必要がある。隣のシートとのギャップが無いようにするために、シートは目張りされるか、結合されるかなど、互いに付けられる。
【0126】
本発明の別の一様態によれば、バリアフィルムは、例えば家屋の基礎用の穴など、意図する場所にバリアフィルムを敷設する前に、意図する場所に合わせてオフサイトで予め成型または形成する。オフサイトでバリア素材のシートを結合して家屋の基礎全体を包み込むバリアを予め成型し、その後搬送して基礎の穴に据え付けることは有益である。シートをオフサイトで結合して基礎の形に成型することにより、シートが破れたり、ギャップができてしまうようにシートが不適切に目張されてしまうといったことを減らすことができる。
【0127】
図22は、多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアを示す。バリアの様々な断片を張り合わせることで、予め整形されたバリアを生成することができる。好ましくは、バリアの様々な断片を張り合わせるために用いられる熱可塑性シートを多層バリアの外側層にする。しかしながら、バリア片は、近隣のバリアシートの熱可塑性素材片を重ね合わせるといった他の手段を用いて望みのシートに形成することができる。断片は例えば、熱可塑性素材のパッチ形状または短冊形状を取る。図23は、図22に示す予め成型されたバリアを受ける基礎のための穴を示す。
【0128】
1mm2あたりラムダシハロトリン2.75μgを充填したバリアフィルムの実施形態では、バリアフィルムの各mm2はRフラバイプ(R flavipes)を少なくとも24,000個体殺虫するのに充分なラムダシハロトリンを含む。シロアリ及びその他の穿孔害虫に対する抵抗力は、バリアフィルムに穴や裂け目ができた場合であっても、バリアフィルムによって維持される。例えば、2mm以下の穴または裂け目では、Rフラバイプが穴を通り抜けようとしたときに活性成分と接触するので、その結果、シロアリの殺虫率は高くなる。
【0129】
本発明の全ての実施形態が、上述した全ての利点を供するものではない。また、本明細書を調べることで、本発明の更なる利点が明らかになることもあり得る。
【0130】
例
以下に示す例は、説明及び本発明の様々な視点を示すためのものである。そのため、これらの例は単に具体化のために供されるものであり、あらゆる意味において本発明を限定するものではない。
【0131】
例1
クロルピリフォスの放出率を決めるために実験を行った。殺虫剤の充填率は、ポリマーによって5重量%または10重量%のいずれかであった。全てのデバイスに対して、50℃で放出率を決定した。
【0132】
評価するポリマーは、低溶解ポリエチレン、ポリウレタン、2種類のエポキシ、シリコンゴム、クロルピリフォスの熱分解を削減するための高ワックスの低溶解ポリエチレンを含む。この調査によれば、クロルピリフォスの熱分解は、約240℃を超える温度で多く起こった。従って、ポリマーの選択は、高温度での熱処理を必要としない製剤に限られた。
【0133】
表1はこれらの調査から得られた結果の概要を示す。概要としては、クロルピリフォスに対するポリマーの適合性は、適用する充填率における問題とはならない。ポリウレタンポリマーを用いた場合に、物理的全体性が若干損なわれたが、それ以外のポリマーシステムでは50℃で目に見える劣化は観察されなかった。放出率は、シリコンゴムの10μg/cm2/日からエポキシBの0.3μg/cm2/日の範囲であった。
【0134】
表1に示すデータを用いて、製品の寿命を見積もることができる。10%充填の0.5gのデバイスの場合、50mgのクロルピリフォスを放出可能である。従って、面積4cm2、1μg/cm2/日の放出率を有するポリマーシステムでは、高温で30年間分の十分な殺虫剤がある。これらの計算により、様々な殺虫剤製品を作ることができる。
【0135】
例2
80%純粋ピレトリンを用いて、例1と同様なポリマーシステムについて調べた。40℃での放出率を表2に示す。
【0136】
放出率はウレタンとシリコンで最も高く、エポキシで最も低かった。放出率は様々であり、適切な結合剤を評価する必要がある。
【0137】
表2に示すデータから、簡単な計算を用いて殺虫剤システムの可能な寿命を判断することができる。例1で述べたように、排除領域の寿命を変えることができる多数の変数がある。
【0138】
例3
徐放性デバイスを作り、放出率をテストした。全ての熱可塑性ポリマーは、10%の殺虫剤と、液体農薬を吸収するための3または7%のカーボンブラックと、83〜87重量%であって1/8インチ厚のシートに射出成型したポリマーで処方される。具体的には、熱可塑性ポリマーとデルタメトリンとラムダシハロトリンから作られたデバイスは、3%のカーボンブラックを含む。残りの農薬及び熱可塑性ポリマーから作られたデバイスは、7%のカーボンブラックを含む。
【0139】
S−113ウレタン(熱硬化性ポリマー)から作られたデバイスは、重さにして、60%のS−113と、40%のひまし油と、5%のTIPA触媒を含むポリマー混合物から作られた。このポリマー混合物は、デバイス総重量の90%を占める。農薬とデルタメトリンがデバイスの残り10%を占める。このデバイスではカーボンブラックは使わなかった。ポリマー/農薬混合物を1/8インチ厚のシートに鋳造し、鋳造したシートが硬化するように約60℃で40〜60分間加熱した。
【0140】
この射出成型または鋳造された薄いシートから1インチ角を切り取り、その放出率をテストした。以下に示す放出率が得られた。
【0141】
例4
ラムダシハロトリン(ピレトロイド)の濃度と殺虫剤/ポリマーの組み合わせによる、ポリマーからの殺虫剤の放出率に与える影響を調べるために、実験を行った。データの概略を表4に示す。
【0142】
例5
シロアリに対する排除ゾーンの有効性を判断するために実験を行った。最も一般的であるイースタン・サブテラニアン・ターマイト(Eastern subterranean termites)と、最も活動的なフォーモザン・サブテラニアン・ターマイト(Formosan subterranean termites)の2種類のシロアリを選択してテストに用いた。
【0143】
テスト容器は、ガラス容器を組み立てて作った。容器の底にかんなくずを敷いた。かんなくずの上に殺虫剤を染み込ませたポリマーを、該ポリマーの上側からかんなくずへの通り道または隙間が無いように置いた。栄養の無いオーガーを殺虫剤を染み込ませたポリマーの上に置いた。オーガーの表面を0データとし、殺虫剤を染み込ませたポリマーをオーガーの表面の下5cmに設置した。シロアリをオーガーの表面に置き、殺虫剤を染み込ませたポリマーへのオーガーを抜ける進行度を毎日記録した。
【0144】
殺虫剤を染み込ませたポリマーの組み合わせを表5に示す。
【0145】
ポリマーバリアにピレトロイドを入れない制御も用いた。結果は図25及び図26に示す。全ての制御において、シロアリはポリマーを食い破り、かんなくずへ到達した。エチルビニル酢酸を通過しての到達速度はポリエチレンよりも遅かった。全ての殺虫剤を染み込ませたポリマーでは、貫通することは無かった。フォーモザン・サブテラニアン・ターマイトは非常に活動的であるため、比較的大人しいイースタン・サブテラニアン・ターマイトよりも殺虫剤を染み込ませたポリマーに近づいた。実際、ペルメトリンを含むポリエチレンは、フォーモザン・ターマイトの顎の後がついたが、穴が開いたり貫通することは無かった。12〜14日後には、フォーモザン・ターマイトですら殺虫剤の放出により活動が抑えられ、殺虫剤を染み込ませたポリマーから退いた。
【0146】
例6
結合担体の放出率に対する効果を示すための実験を行った。活性化学物質はテフルトリンとラムダシハロトリンで5重量%、結合担体はカーボンブラックで0重量%と10重量%で、バランス高密度ポリエチレン(MA778−000)を含む。放出率は製造後6週間測定し、サンプルは表面に堆積された放出された活性化学物質を取り除くため、毎週拭いた。
【0147】
結果を下記の表6に示す。
【0148】
例7
この例は、後で本発明のバリアの活性層(すなわち、農薬放出層)を作る時にに用いられるプレミックスを作るための一方法を示す。
【0149】
低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)を低温で挽き、約35メッシュの粒子サイズの粒にする。そして、ポリエチレン粒子をランプブラックカーボン(ジェネラル・カーボン・カンパニーのランプブラックスーパーファイン#6)と、カーボンがポリエチレン全体に拡散されて、乾いたさらさらの均一の混合物となるまでマリオンタイプのパドル内で混ぜ合わせる。そして、内部バルク温度50℃で動作中の混合機で、シンジェンタ・インクのラムダシハロトリンを、溶かしたスプレー状で混合物に加える。ラムダシハロトリンの添加後も混合機による撹拌を続け、均一な混合物にする。プレミックスは約3.2重量%のラムダシハロトリンと、約4重量%のランプブラックカーボンと、約92.8重量%の低密度ポリエチレンとを含む。湿気を減らすために、約60〜70℃の強制排気オーブンにプレミックスを置くようにしても良い。
【0150】
例8
約10.0重量%のラムダシハロトリンと、約11.3重量%のランプブラックカーボンとを有する均一なプレミックスを、例7に記載した手順で作る。
【0151】
例9
例8で記載した方法でプレミックスを作る。ただし、溶解したラムダシハロトリンをランプブラックカーボンに第1ステップとして加え、その後、混合物をよく混ぜて均一の混合パウダーを形成する。そして挽かれた低密度ポリエチレンを加え、むらなく分散された乾いたさらさらの混合物を得るまで、更に撹拌を続ける。
【0152】
例10
約7.9重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーション(Degussa Corporation)のカラーブラック(Colour Black)FW200)と約9.5重量%のラムダシハロトリンを用い、例7で記述した手順を用いてプレミックスを作る。ただし、材料を撹拌するために、高速攪拌器を利用したエイリック(Eirich)タイプのミキサーを用いる。
【0153】
例11
例7、例8、例10のようにしてプレミックスを作るが、乾かさない。プレミックスをひも状に溶解射出して、そのひもをペレットに切り分ける。
【0154】
例12
例7に記述した手順で、約7重量%のラムダシハロトリンと、約5重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)XC72R)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)のバランスを有するプレミックスを作る。
【0155】
例13
例12で準備したプレミックスを射出鋳造して薄い円盤を形成する。鋳造した円盤は、回転ナイフレグラインダーを用いて粉々に切る。
【0156】
例14
例7に記述した手順で、約6重量%のラムダシハロトリンと約94重量%の低密度ポリエチレンを有するプレミックスを作る。得られるプレミックスはべとべとしている。
【0157】
例15
約2重量%のラムダシハロトリン(ゼネカ・インク(Zeneca, Inc.)のもの)と、約1重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)XC72R)と、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニー(Quantum Chemical Company)のマイクロセン(Microthene)(登録商標)MA77800)のバランスの均一な成分を有するシートを作る。
【0158】
第1ステップとして、カーボンブラックを役105℃の強制排気オーブンで12時間、または一定重量となるまで乾燥する。乾燥したカーボンブラックを、ホバルト(Hobart)インダストリアルドウミキサーでほぼ同じ重さの高密度ポリエチレンの粉と混ぜ、完全に撹拌した。そして、撹拌を続けながら、カーボンブラックの重さの約2倍の溶解したラムダシハロトリンを混合物の中にゆっくりと入れる。混合物は、更に十分な量の高密度ポリエチレンと混ぜ合わされ、混合物におけるラムダシハロトリンの濃度を約2重量%に落とす。
【0159】
得られる混合物を約290℃で溶解射出し、約0.03インチ(30ミル)厚の1層のフィルムに鋳造する。
【0160】
例16
例15に記述した手順で、約2重量%のラムダシハロトリンと、約1重量%の伝導性グレードのカーボンブラック(例えば、キャボット・コーポレーションのバルカン(登録商標)SC72R)と、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0161】
例17
例15に記述した手順で、約5重量%のテフルトリンと、約2.5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0162】
例18
例15に記述した手順で、約5重量%のテフルトリンと、約2.5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0163】
例19
例15に記述した手順で、約10重量%のテフルトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0164】
例20
例15に記述した手順で、約10重量%のテフルトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0165】
例21
例15に記述した手順で、約10重量%のペルメトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、エチレンビニル共重合体(クオンタム・ケミカル・カンパニーのEVA763)のバランスとを含むシートを作る。
【0166】
例22
例15に記述した手順で、約10重量%のペルメトリンと、約5重量%のカーボンブラックと、高密度ポリエチレン(クオンタム・ケミカル・カンパニーのマイクロセン(登録商標)MA77800)のバランスとを含むシートを作る。
【0167】
例23
例15に記述した手順で、約1重量%のラムダシハロトリンと、約0.73重量%のカーボンブラック(デグサ・コーポレーションのスペシャルブラック(Special Black)6)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)のバランスとを含むシートを作るが、溶解射出処理を約130℃で行い、鋳造したシートの厚さを約0.002インチ(2ミル)にする。
【0168】
例24
例23に記述した手順でシートを作るが、ラムダシハロトリン濃度を約5重量%とし、カーボンブラック濃度を約3.6重量%にする。
【0169】
例25
例23に記述した手順でシートを作るが、ラムダシハロトリン濃度を約10重量%とし、カーボンブラック濃度を約7.3重量%にする。
【0170】
例26
例23、例24、例25に基づいてシートを作る。これらのシートは熱プレスによりサラネックス(登録商標)14フィルム(ダウ・ケミカル・カンパニー製)で両側を密閉する。
【0171】
例27
例15に記述した手順で、約7.9重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、約9.5重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)のバランスを有するシートを作るが、溶解射出処理を約150℃で行い、鋳造したシートの厚さを約0.002インチ(2ミル)にする。
【0172】
例28
2層のサラネックス(登録商標)14を溶解射出/成層処理によって結合し、シートを作る。結合層は、例26で説明したような成分の混合物から成る。第1ステップとして、結合層の成分をパウダー状のプレミックスとして作る。そして、そのプレミックスを約150℃で2層のサラネックス(登録商標)14の間に直接溶解射出する。
【0173】
例29
この例では、8層シートを作る方法について説明する。シートの各層の成分を以下に示す。
層の説明
1 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテック(Colortech)No. 20413−19)と、射出コーティンググレードのポリオレフィン・プラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニー製のアフィニティー(登録商標)PT1450)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)から成り、厚さ約0.001インチ(1ミル)の新世代樹脂(NGR)(ファブリーン・インク(Fabrene, Inc.)のもの)層;
2 塩化ビニリデン樹脂/塩化ビニル共重合体と、低密度ポリエチレンと、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成る、約0.002インチ(2ミル)厚のサラネックス(登録商標)14(ダウ・ケミカル・カンパニー製)層;
3 上述したようなNGR層;
4 高密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・コーポレーションのスクレア(登録商標)HDPE No. 99G)と、カーボンブラック樹脂(カバット・コーポレーションのプラスブラック(Plasblack)(登録商標)PE1371)とから成り、0.004インチ(4ミル)の厚さを有するスクリム(ファブリーン・インク)のスクリム層;
5 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテックNo. 20413−19)を含み、約0.001インチ(1ミル)厚の低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A);
6 ガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、ラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)とから成り、約0.002インチ(2ミル)厚の活性成分層;
7 上述したようなサラネックス(登録商標)14層
8 上述したようなNGR層
【0174】
8層のシートは、射出コーティング法を用いてNGR層(層1)をサラネックス(登録商標)14(層2)のシートに結合することによって層1−2合成物を形成する。次のNGR層(層3)を溶解射出して層1−2合成物をスクリム(層4)のシートに結合することによって層1−2−3合成物を形成する。射出コーティング法により低密度ポリエチレン(層5)を層1−2−3合成物に付け加えることで、第1外部層を形成する。
【0175】
層7−8合成物は、NGR層(層8)をサラネックス(登録商標)14層(層7)のシートに射出コーティングにより加えて作る。
【0176】
例10の手順を用いて、約7.9重量%のガスブラックカーボンと、9.5重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレンのバランスとを含むプレミックスを作る。例11の手順により、このプレミックスを活性成分ペレットの形状にする。この活性成分ペレットと、低密度ポリエチレンペレット(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)とを約2:1の割合で混ぜ、ペレット混合物の中で、ラムダシハロトリンが約6重量%となるようにする。
【0177】
ペレット混合物を射出器に入れ、第1外側層(つまり、層112,116,120,122,126)と第2外側層(つまり、層118及び114とを溶解射出結合する。全体で約0.014インチ(14ミル)厚の多層積層シートが形成される。形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの濃度は約0.9重量%である。
【0178】
例30
例29の手順でシートを作るが、活性層を約4重量%のガスブラックカーボン(デグサ・コーポレーションのカラーブラックFW200)と、約4.7重量%のラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400またはPE XU59400.00)のバランスとで構成する。形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの濃度は約0.5重量%である。
【0179】
例31−37
ランプブラックカーボン(ジェネラル・カーボン・カンパニーのランプブラックスーパーファイン#6)と、ラムダシハロトリンと、低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル・カンパニーのPE XU59400またはPE XU59400.00)のプレミックスからシートを作る。例29の手順をほぼ用いてシートを積層シートにするが、形成された積層シートにおけるラムダシハロトリンの最終濃度を以下の表7に示すようにする。
【0180】
例38
以下のようにして、以下の構成を有する6層シートを形成する。
層の説明
1 ブラック樹脂(カラーテック・インクのカラーテックNo. 20413−19)と、射出コーティンググレードのポリオレフィン・プラストマー(ダウ・ケミカル・カンパニー製のアフィニティー(登録商標)PT1450)と、低密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・カナダ・リミッテッドのノバポール(登録商標)LC−0522−A)から成る新世代樹脂(NGR)(ファブリーン・インクのもの)層;
2 塩化ビニリデン樹脂/塩化ビニル共重合体と、低密度ポリエチレンと、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素とから成るサラネックス(登録商標)14(ダウ・ケミカル・カンパニー製)層;
3 高密度ポリエチレン(ノバ・ケミカルズ・コーポレーションのスクレア(登録商標)HDPE No. 99G)からなるスクリム層;
4 85重量%のテクニカルソリューション中の0.91重量%のラムダシハロトリンと、0,95重量%のLamp black #6と、22重量5のLDPE樹脂とから成る活性成分層;
5 上述したようなサラネックス(登録商標)14層;
6 上述したようなNGR層;
【0181】
6層シートは、合衆国森林サービス(United States Forest Service: USFS)のコンクリートスラブ法に用いた。コンクリートスラブ法は、流し込みコンクリート基礎を真似たものである。テストプロットを作るために、葉やゴミを取り除いて、24インチ四方の土壌が露出するようにした。1インチ角のトウヒ材のストリップで作った21インチ四方の木材枠を露出した土壌領域の中央に置き、2インチ深さ、2方向の三角形の溝を処理した土壌の上に掘った。湿気を失わないように、また、雨や日光が殺シロアリ剤に与える影響を予め排除するために、PVCパイプにはキャップを被せた。
【0182】
以下の地点におけるコンクリートスラブのフィールド試験の結果を以下の表8に示す。
表8に示すように、6層シートで処理したプロットはいずれもシロアリによる侵入が無かった。
【0183】
本発明を、1以上の具体的な実施形態によって説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更が可能であることは分かるであろう。本発明の精神の範囲にある各実施形態及び変形例は、以下の請求項により定義される発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の第1の実施形態を示し、スパンボンド高分子シーティングと、物理的に溶解結合されたポリマーと殺虫剤の混合物とを含み、ポリマーと殺虫剤の混合物は高分子シーティングに点在するように結合されている。
【図2】
図2は、本発明の第2の実施形態を示し、スパンボンド高分子シーティングと、物理的に溶解結合されたポリマーと殺虫剤の混合物とを含み、ポリマーと殺虫剤の混合物は高分子シーティングにストライプ状に結合されている。
【図3】
図3は、図1及び図2で示される本発明の実施形態を用いる第1の手法と、殺虫剤の放出により形成される排除ゾーンを示す。
【図4】
図4は、排除ゾーンを形成するために本発明の第1及び第2の実施形態を用いた第2の手法を示す。
【図5】
図5は、排除ゾーンを形成するために図1及び図2に示される本発明の実施形態を用いる第3の手法を示す。
【図6】
図6は本発明の第3の実施形態を示し、円筒形の押出成型物の形状を示す。
【図7】
図7は本発明の第4の実施形態を示し、ストライプ状の押出成型物の形状を示す。
【図8】
図8は図6に示す本発明の実施形態を用いて排除ゾーンを形成する手法を示す。
【図9】
図9は排除ゾーンを形成するために、図7に示す本発明の実施形態を用いる手法を示す。
【図10】
図10は本発明の別の実施形態としてペレット状の形状を示し、ペレットは木造構造物近辺の土中に挿入される。
【図11】
図11は表面につけられたペレットの断面図である。
【図12】
図12はフォームを用いてペレットをコンクリート構造物につける場合を示す。
【図13】
図13はフォームがつけられた後のコンクリート基礎の断面図を示す。
【図14】
図14は板の上に設置されたペレットを示す。
【図15】
図15はコンクリート基礎につけられたペレットを含む板を示す。
【図16】
図16はホットメルト注入を示す。
【図17】
図17はホットメルト注入の間隔を示す。
【図18】
図18はプラグ薫蒸消毒セメントブロックを示す。
【図19】
図19は薫蒸消毒セメントブロックにプラグを入れるところを示す。
【図20】
図20は本発明の積層デバイスを示す。
【図21】
図21は本発明の別の実施形態により作られた多層バリアの層を示す側面断面図である。
【図22】
図22は本発明の別の実施形態における多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアの斜視図である。
【図23】
図23は本発明の別の実施形態における多層高分子フィルムで作られた予め成型されたバリアの斜視図である。
【図24】
図24は本発明の別の実施形態により作られた多層バリアの層を示す側面断面図である。
【図25】
図25はイースタン・サブテラニアン・ターマイトに対する忌避性を示す図である。
【図26】
図26はフォーモザン・サブテラニアン・ターマイトに対する忌避性を示す図である。
Claims (76)
- 少なくとも1層の農薬放出層と、
少なくとも1種類の農薬を含む前記農薬放出層と並行に位置し、微量の農薬だけを放出する、少なくとも1層の農薬保持層と
を有することを特徴とする害虫用の多層バリア。 - 前記農薬保持層は、サラネックス(Saranex)(登録商標)を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 2層の農薬保持層を、前記農薬放出層の両側に位置することを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記農薬保持層は高分子材料から作られ、前記高分子材料はバリアから農薬がほぼ放出されないようにすることを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記農薬放出層は、
高分子マトリクスと、
前記マトリクス内の農薬と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。 - 前記農薬は、ピレトロイド、ネオニコチノイド(neonicotinoid)、イソフェンフォス(isofenphos)、フェンバレレート(fenvalerate)、ピレトリン、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 前記農薬は、テフルトリン(tefluthrin)、ペルメトリン(permethrin)、ラムダシハロトリン(lambda cyhalothrin)、レズメトリン(resmethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、サイパーメトリン(cypermethrin)、シフェノトリン(syphenothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、デルタメトリン、クロルピリフォス(chlorpyrifos)、フェノキシカーブ(fenoxycarb)、ジアジノン(diazinon)、ジクロルフェン(dichlorophen)、メチルイソチオカネート(methyl isothiocyanate)、ペンタクロルフェノール(pentachlorophenol)、トラロメトリン(tralomethrin)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、フィプロニル(fipronil)、ネオニコチノイド、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 前記農薬はラムダシハロトリンであることを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 前記高分子マトリクスは、低密度ポリエチレンから作られることを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 前記ポリエチレンは、リニアの低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 前記農薬放出層に、菌によるバリアの劣化を防ぐための少なくとも1層の殺菌剤放出層を有することを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記バリアの補強及び穴あき防止のために、前記農薬保持層に、少なくとも1層の補強/耐性層を有することを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記補強/耐性層は、高分子スクリムから作られることを特徴とする請求項12に記載の多層バリア。
- 前記強度/耐性層は、ポリエチレンから作られることを特徴とする請求項13に記載の多層バリア。
- 前記農薬は、シロアリ、木材穿孔あり、及び木材穿孔虫に対して効果を有することを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記バリアは、領域または構造物を囲むように成型されることを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記バリアからの前記農薬の放出率は、0.4μg/cm2/日より低いことを特徴とする請求項1に記載の多層バリア。
- 前記マトリクスはポリマーを含み、更に、前記マトリクスからの前記農薬の放出率を調整する担体を含むことを特徴とする請求項5に記載の多層バリア。
- 木材穿孔虫が領域または木材を含む構造物に到達することを防ぐために用いられるバリアフィルムの活性層のプレミックスを作る方法であって、
(a) カーボンブラックをポリマーと混ぜて混合物を形成する工程と、
(b) 液状の1以上の農薬を添加して、易壊性のプレミックスを形成する工程と
を有することを特徴とする方法。 - 木材穿孔虫が領域または木材を含む構造物に到達することを防ぐために用いられるバリアフィルムであって、
保護樹脂を含む第1層と、
農薬が通り抜けるのをほぼ防ぐ、農薬保持素材を含む第2層と、
保護樹脂を含む第3層と、
補強/穴あき防止フィルムを含む第4層と、
結合ポリマーを含む第5層と、
カーボンブラックと、1以上の農薬とを含む高分子マトリクスを有する第6層と、
前記農薬保持素材を有する第7層と、
保護樹脂から作られた第8層とを有し、前記第6層から他層への前記農薬の放出率は、前記バリアフィルムからの農薬放出率よりも高く、前記バリアフィルムそのものからは、前記農薬がほぼ放出されないことを特徴とするバリアフィルム。 - 前記保護樹脂は、ポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、ポリエチレンとの混合物を含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記保護樹脂は、前記バリアへの紫外線を防ぐことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記農薬保持素材は、前記バリアフィルムからの農薬の放出をほぼ防ぐことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第2及び第7層の前記素材は、約143℃を超える融点を有し、生物劣化及び光劣化しないことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第2及び第7層の農薬保持素材はサラネックス(登録商標)14を含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記サラネックス(登録商標)14は、低密度ポリエチレンと、塩化ビニリデン樹脂/塩化ビニル共重合体(例えばサラン(Saran))と、エチレン/酢酸ビニル共重合体と、二酸化ケイ素から成ることを特徴とする請求項25に記載のバリアフィルム。
- 前記第3層の樹脂は、ポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、ポリエチレンの混合物を含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第4層は、高密度ポリエチレン織布から作られることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第5層は、約165℃の融点を有する低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記カーボンブラックは、ランプブラックであることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の高分子マトリクスは、低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の高分子マトリクスは、メタロセン触媒の(metallocene−catalyzed)低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記低密度ポリエチレンは、約80℃の融点を有することを特徴とする請求項31に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、約10年未満の間で尽きない量であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、前記第6層の少なくとも5重量%の量であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、前記第6層の少なくとも10重量%の量であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、ラムダシハロトリンであることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記ラムダシハロトリンは、前記バリアフィルム1m2につき、少なくとも約2.75g含まれていることを特徴とする請求項37に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、低揮発性生物活性化学物質であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、ピレトロイド、イソフェンフォス、フェンバレレート、サイパーメトリン、ピレトリン、フェノキシカーブ、クロルピリフォス、ジアジノン、ジクロルフェン、メチルイソチオカネート、ペンタクロルフェノール、トラロメトリン、及びこれらの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、テフルトリン、ペルメトリン、ラムダシハロトリン、レズメトリン、デルタメトリン、サイパーメトリン、シフェノトリン、シフルトリン、デルタメトリン、クロルピリフォス、フェノキシカーブ、ジアジノン、ジクロルフェン、メチルイソチオカネート、ペンタクロルフェノール、トラロメトリン、クロルフェナピル、フィプロニル、ネオニコチノイド、及びこれらの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層の前記農薬の少なくとも1つは、チアメトキサン(thiamethoxam)、ナイテンピラン(nitenpyram)、イミダクロプリド(imidacloprid)、クロチアニディン(clothianidin)、アセトアミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、及びこれらの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層は、前記農薬と前記カーボンブラックとを混ぜて易壊性の結合混合物を構成し、この易壊性の結合混合物を前記高分子マトリクスに加えることにより準備することを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記第6層は、少なくとも1つの殺菌剤が混ぜられた少なくとも1つの農薬を含むことを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記殺菌剤は、トリクロルニトロメタン(trichloronitoromethane)、メチルイソチオシアネートと1,3−ジクロルプロパン(dichloropropane)の混合物、N−メチルジチオ岩酸塩ナトリウム、2,3,5,6−テトラクロル−1,9−ベンゾキノン、カルシウムシアナミド、ビフェニル、ナフテン酸銅、ジクロルフェン、フェンティン(fentin)水酸化物、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項44に記載のバリアフィルム。
- 前記高分子マトリクスは、前記第6層の約77重量%であり、前記第6層は、前記バリアフィルムの約23重量%であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記カーボンブラックは、前記第6層の約11重量%であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記高分子マトリクスは、疎水性であることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 前記バリアフィルムは、約0.010インチ〜約0.030インチの厚さであることを特徴とする請求項20に記載のバリアフィルム。
- 木材穿孔虫が領域または木材を含む構造物に到達することを防ぐために用いられるバリアフィルムであって、
ポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、ポリエチレンの混合物を含む保護樹脂を含む第1層と、
農薬が通り抜けるのをほぼ防ぐ、農薬保持素材を含む第2層と、
ポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、ポリエチレンの混合物を含む保護樹脂を含む第3層と、
高密度ポリエチレンを含む補強/穴あき防止フィルムを含む第4層と、
低密度ポリエチレンを含む第5層と、
カーボンブラックと、1以上の農薬とを含む高分子マトリクスを有する第6層と、
前記農薬保持素材を有する第7層と、
ポリオレフィンプラストマーと、濃縮色素と、ポリエチレンの混合物を含む保護樹脂から作られた第8層とを有し、前記第6層から他層への前記農薬の放出率は、前記バリアフィルムからの農薬放出率よりも高く、前記バリアフィルムそのものからは、前記農薬がほぼ放出されないことを特徴とするバリアフィルム。 - 前記農薬保持素材は、サラネックス(登録商標)14を含むことを特徴とする請求項50に記載のバリアフィルム。
- 前記カーボンブラックは、ランプブラックであることを特徴とする請求項50に記載のバリアフィルム。
- バリアフィルムを作るための方法であって、
カーボンブラックをポリマーの粒子と混ぜ合わせて混合物を作る工程と、
農薬が分解する温度よりも低く、且つ、農薬の融点よりも高い温度を保ちながら、1以上の液状の農薬を添加して混合物を作り、易壊性のプレミックスを作る工程と、
前記プレミックスを溶解射出して薄い活性層を形成する工程と、
第1及び第2保護樹脂と、多層フィルムと、低密度ポリエチレンと、スクリムに沿ってプレミックスを射出し、8層のバリアフィルムを形成する工程とを含み、
第1層は、第1保護樹脂を含み、
第2層は、前記農薬が通り抜けるのをほぼ防ぐ、農薬保護フィルムを含み、
第3層は、第2保護樹脂を含み、
第4層は、スクリムを含み、
第5層は、低密度ポリエチレンを含み、
第6層は、第6層の高分子マトリクスと、カーボンブラックと、1以上の農薬の混合物を含む活性層を含み、
第7層は、前記農薬保護フィルムを含み、
第8層は、第1保護樹脂を含み、前記第6層から他層への前記農薬の放出率は、前記バリアフィルムからの農薬放出率よりも高く、前記バリアフィルムそのものからは、前記農薬がほぼ放出されないことを特徴とする方法。 - 前記農薬保持フィルムは、サラネックス(登録商標)14を含むことを特徴とする請求項53に記載のバリアフィルム。
- 前記カーボンブラックは、ランプブラックであることを特徴とする請求項53に記載のバリアフィルム。
- 前記カーボンブラックは、ガスブラックであることを特徴とする請求項53に記載のバリアフィルム。
- 農薬と担体とからなる高分子マトリクスであって、前記マトリクスと前記担体が前記マトリクスからの農薬の放出を制御するマトリクスを含む少なくとも1層の農薬放出層と、
前記農薬放出層の両側に位置し、少なくとも1つの農薬を含み、微量の農薬だけを放出する2層の農薬保持層と
を有することを特徴とする害虫用の多層バリア。 - 前記農薬保持層は、サラネックス(登録商標)を含むことを特徴とする請求項57に記載のバリアフィルム。
- 前記農薬保持層は高分子マトリクスから作られ、当該高分子マトリクスは、前記バリアから前記農薬がほぼ放出されないようにすることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬保持層の厚さは、約0.001〜約0,005インチであることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬は、ピレトロイド、ネオニコチノイド、イソフェンフォス、フェンバレレート、ピレトリン、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬は、テフルトリン、ペルメトリン、ラムダシハロトリン、レズメトリン、デルタメトリン、サイパーメトリン、シフェノトリン、シフルトリン、デルタメトリン、クロルピリフォス、フェノキシカーブ、ジアジノン、ジクロルフェン、メチルイソチオカネート、ペンタクロルフェノール、トラロメトリン、クロルフェナピル、フィプロニル、ネオニコチノイド、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬は、チアメトキサン、ナイテンピラン、イミダクロプリド、クロチアニディン、アセトアミプリド、チアクロプリド、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬はラムダシハロトリンであることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記高分子マトリクスは、低密度ポリエチレンから作られることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記ポリエチレンは、リニアの低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項65に記載の多層バリア。
- 前記担体はランプブラックであることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬放出層の厚さは、約0.001〜約0,005インチであることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬放出層は、トリクロルニトロメタン、メチルイソチオシアネートと1,3−ジクロプロパンの混合物、N−メチルジチオ岩酸塩ナトリウム、2,3,5,6−テトラクロル−1,9−ベンゾキノン、カルシウムシアナミド、ビフェニル、ナフテン酸銅、ジクロルフェン、フェンティン水酸化物、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの殺菌剤を含むことを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記農薬保持層に、菌によるバリアの劣化を防ぐための少なくとも1層の殺菌剤放出層を有することを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記バリアの補強及び穴あき防止のために、前記農薬保持層に、少なくとも1層の補強/耐性層を有することを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記補強/耐性層は、高分子スクリムから作られることを特徴とする請求項71に記載の多層バリア。
- 前記補強/耐性層は、高密度ポリエチレン織布から作られることを特徴とする請求項71に記載の多層バリア。
- 前記バリアの厚さは、約0.010〜約0.030インチであることを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記バリアを紫外線から守り、前記バリアの密閉性を守るための少なくとも1層の保護層を更に含むことを特徴とする請求項57に記載の多層バリア。
- 前記保護層は、断熱ポリマーから作られることを特徴とする請求項75に記載の多層バリア。
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