JP7164099B2 - 気密基礎構造の建物及びこれに使用するパッキン材 - Google Patents

気密基礎構造の建物及びこれに使用するパッキン材 Download PDF

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Description

本願発明は、気密基礎構造の建物及びこれに使用するパッキン材に関するものである。
木造住宅やプレハブ式住宅では、コンクリート製の基礎を地面に施工してから、基礎の上面に木製の土台を載置し、土台の上に建物の上部分を構築しており、基礎と土台との間にパッキンを配置して気密基礎構造とすることが行われている。
このような気密基礎構造を採用するのは、白蟻の侵入防止や断熱性向上のためであり、その例として特許文献1の図4には、パッキンを防蟻性のシートに形成して、その上面に2本の突条を設けることが開示されている。
特許第3527654号公報
シート状のパッキン材(例えばゴムシート)は潰れ変形量が僅かであるため、基礎と土台との間にシート状のパッキンを挟んだだけの構成であると、基礎の上面の不陸がある程度大きいと、基礎とパッキンとの間、又は、パッキンと土台との間に隙間が生じるおそれがあるが、特許文献1の図3,4のようにパッキン材に突条を設けると、突条の変形量は大きいため、基礎の不陸が大きくても、基礎と土台との間の隙間を塞いで高い気密性を確保できる利点がある。
しかし、単に突条付きのパッキンを基礎と土台との間に介在させただけでは、突条が潰れ過ぎて劣化が早まる可能性が懸念される。また、基礎には所定間隔で多数のアンカーボルトを立設しており、アンカーボルトに嵌まった多数本の土台を若干ずらしながら連結して全体として枠体に組み込んでいるが、土台が単にパッキンに載っているだけであると、摩擦が大きいため、土台同士を連結するに際して、土台をずらしにくくなるおそれも懸念される。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、気密性に優れて免震構造への対応性にも優れた気密基礎構造の技術を開示せんとするものである。
本願発明は気密基礎構造の建物とパッキン材とを含んでおり、典型的な構成を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は気密基礎構造の建物に関するものであり、
コンクリート製基礎と、前記基礎の上に配置された土台と、前記基礎の上に突出して前記土台に貫通したアンカーボルトの群と、前記基礎と土台との間のうち前記アンカーボルトの箇所に配置されたスペーサの群と、前記基礎と土台との間に介在して当該基礎及び土台の全長に亙って延びるパッキン材と、を備えている」
という基本構成である。
そして、請求項1では、
「前記スペーサは、地震時に水平方向に相対動可能であって、前記土台を前記コンクリート製基礎に支持した状態で前記アンカーボルトが貫通した上下2枚のプレートを有している一方、
前記パッキン材は、軟質材より成る帯状のシート材と、前記アンカーボルトを挟んだ両側において前記シート材の上面又は下面若しくは両面に設けた複数本の軟質発泡材製突条とから成っていて、前記シート材は前記スペーサの下又は上に配置され前記アンカーボルトが貫通しており、かつ、少なくとも前記突条に防蟻剤を混入させている」
という特徴を有している。
請求項2の発明は請求項1を好適に具体化したもので、この発明では、
前記突条は発泡シリコーンからなっていて、前記防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている
という構成になっている。
請求項2では防蟻剤としてチアメトキサムを混入したが、防蟻剤としては他にも様々なもの(殺虫剤)を使用できる。例えば、チアメトキサムと同じネオニコチノイド系のものであると、クロニアチジン、イミダクロプリド、ジノテフランなどが挙げられる。
他の化学系防蟻剤として、カーバメート系のフェノブカブル、ピレスロイド系のペルメトリン、ビフェントリン、トラロメトリン、ピレスロイド系のエトフェンプロックス、フェニルピラゾール系のフィプロニル、フェニルピロール系のクロルフェナピルなどが挙げられる。ホウ酸や天然系薬剤なども採用可能である。また、複数種類の防蟻剤を混入することも可能である。
求項1又は2において、前記シート材にも防蟻剤が混入又は塗布された構成にして、このシート材に、前記土台の片側又は両側にはみ出る余白部形成できる。余白部は上に折り返されて前記土台の側面に重ね保持できる。
請求項の発明は、請求項1又は2において、 「前記シート材は前記スペーサの下に配置されていて、前記シート材の上面のうち前記スペーサが重なる範囲を含む位置に前記突条が配置されており、前記突条のうちスペーサが重なる部分は切除されている
という構成になっている。
請求項4ではパッキン材を特定している。このパッキン材は、
「コンクリート製基礎とその上に配置されてアンカーボルトの群によって固定される土台とを有する建物における前記コンクリート製基礎の上に配置されて地震時に水平方向に相対動可能であって前記土台を前記コンクリート製基礎に支持した状態で前記アンカーボルトが貫通した上下2枚のプレートを有しているスペーサの群を介して前記土台を支持するパッキン材であって、
軟質材より成る帯状のシート材と、前記シート材の上面又は下面若しくは両面に設けた複数本の軟質発泡材製突条とを有し、
前記突条は、前記シート材のうち前記アンカーボルトの軸心が通る中心線を挟んだ両側に配置されており、かつ、前記突条は発泡シリコーンからなっていて防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている一方、
前記シート材の中心線上に、前記アンカーボルトが貫通する切り込み又はスリット若しくはミシン線が予め形成されているか、前記中心線を視認できる表示が予め施されており、
前記シート材は前記スペーサの下又は上に配置される」
という構成になっている。
本願発明では、少なくとも突条に防蟻材が含まれているため、白蟻が基礎と土台との間から侵入することを防止して、土台などの木材が白蟻の被害を受けることを防止できる。特に、白蟻は木材の木口から侵入して年輪の柔らかい層を食い進む性質があり、アンカーボルトが嵌まっているボルト挿通穴に侵入すると、穴の内周面から年輪の柔らかい層に至って食害を受けやすいが、本願発明では、白蟻がボルト挿通穴に至ることを防止できるため、土台の食害を防止できる。
また、基礎と土台との間の間隔はスペーサで規定されているため、パッキン材の突条が過度に潰れることはない。このため、突条の耐久性を向上できる。また、土台はスペーサに載っているため、突条が潰れ変形していてもパッキン材と土台との間に大きな摩擦は存在しておらず、土台同士の連結作業において土台を水平方向に若干ずらすことを容易に行える。従って、建物の施工の能率向上にも貢献できる。
更に、本願発明では、スペーサとして免震機能を備えたものを使用可能であり、地震に際しては、基礎と土台とが水平方向に相対動することによって免震(減震)されるが、突条は過剰に潰れていないため、基礎と土台との相対動の抵抗にはならず、免震機能を阻害することはない。
突条に高いシール性を持たせるには、弾性変形量が大きい材料を選択したらよい。他方、防蟻剤は効果と人体への安全性との両方の性質を備えているものが好適であり、チアメトキサムが好適である。しかし、チアメトキサムは耐熱性が低くて、139℃を越えると分解してしまう性質がある。
そして、突条の材料として弾性や強度だけに着目すると、例えば発泡ウレタン樹脂は好適であるといえるが、ウレタン樹脂は発泡温度が一般に150~200℃であるため、チアメトキサムを混合して変質させることなく発泡させることは難しい。
これに対して本願発明の請求項2,のように、突条として発泡シリコーンを使用すると、シリコーンは常温で発泡して固形化するため、チアメトキサムを添加して分解させることなく発泡させることができ、しかも、弾性変形量は大きいため、高いシール性を確保することができる。免震スペーサを使用した場合は、基礎と土台との相対動に対する変形の追従性にも優れているため、免震気密基礎構造としても好適である。
シート材にも防蟻性能を持たせるのが好ましいが、その場合、既述のようにシート材の余白部を土台の側面に重ねると、白蟻が基礎と土台との間に入り込むことを防止できるため、建物の防蟻性を一層向上させることができる。この場合、ベタ基礎の場合は、土台のうち建物の外面を構成する側面に余白部を重ねたらよく、布基礎の場合は、余白部を各土台の両側面に重ねたらよい。
スペーサとパッキン材との配置関係を見ると、作業性の点からは、基礎の上にパッキン材を重ねて、その上にスペーサを配置するのが好ましい。そして、スペーサは、土台の安定性を確保するためにはできるだけ大きくするのが好ましく、すると、スペーサは突条に重なりやすくなる。
この場合、スペーサを突条に重ねたままにして、建物の重量によって突条のうちスペーサが載っている部分を押し潰すことも可能であるし、請求項のように、突条のうちスペーサが重なる部分を切除しておくことも可能である。そして、請求項のように構成すると、スペーサの全体がシート材にきっちり重なるため、高い安定性を確保することができて好適であるといえる。
請求項4,5のようにパッキン材の防蟻剤としてチアメトキサムを使用すると、遅効性で高い防蟻効果を長期に亙って発揮し続ける利点と、人に対する安全性に優れている利点とがあって、建物用の防蟻剤として好適である。
また、シート材に切り込み等を形成しておくと、シート材を正確に位置決めできる。切り込み、スリット、ミシン線を形成しておくと、刃物で切り込みを入れる手間は不要であるため、パッキン材の配置作業の能率を向上できる。
第1実施形態を示す図で、(A)は分離斜視図、(B)はパッキン材の部分斜視図である。 施工手順のうち、パッキン材とスペーサとのセット段階を示す図である。 施工手順のうち、土台のセット段階を示す図である。 施工手順のうち、スペーサ周辺部のシール段階を示す図である((A)は断面図、(B)は平面図である。)。 施工手順のうち、シート材の余白部を折り返す工程を示す図である。 施工後の要部断面図である。 パッキン材の別例である第2~5実施形態の平面図である。 第6~10実施形態を示す図である。
(1).第1実施形態
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1~6に示す第1実施形態を説明する。本実施形態において、建物の基礎部は、図1に示すように、コンクリート製の基礎1と、その上に配置した木製の土台2と、これら基礎1と土台2との間に介在させたパッキン材3及びスペーサ4とを備えている。
本実施形態の基礎1はベタ基礎であり、表面からアンカーボルト5が所定間隔で突設されている。また、基礎1の表裏両面には、コンクリート打設用型枠を兼用する断熱パネル6が貼り付けられている。なお、断熱パネル6は、発泡ポリエチレンや発泡ポリスチレン等の発泡樹脂で製造されている。断熱パネル6は基礎1の外面のみに配置されていてもよい。また、断熱パネル6は、基礎1を施工してから接着剤で接着してもよい。
土台2には、アンカーボルト5が嵌まるボルト挿通穴7を空けている。本実施形態では、土台2の上面に、座金8及びナット9が嵌まる座繰り穴10を空けているが、座繰り穴10を空けずに、座金8を土台2の上面に重ねる場合もある。
パッキン材3は、帯状のシート材11と、その上面に平行に設けた2本の突条12とで構成されている。シート材11は土台2の下面全体に重なるようになっており、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂シートやゴム板等など、柔軟で圧縮変形する材料からなっている。突条12は、シート材11の中心線を挟んだ両側に設けている。
本実施形態では、シート材11は、基礎1の外側にはみ出る余白部11aを有している。余白部11aの幅は土台2の高さとほぼ同じ寸法になっている。余白部11aは、上に折り返して土台2の外側面に重ね固定される。土台2への余白部11aの固定は、両面粘着テープで行うこともできるし、予め粘着材(接着材)を塗工しておいて、これを離型紙で覆っておいてもよい。なお、図1のとおり、余白部11aの折り目を符号11bで示している。
突条12は発泡シリコーンからなっており、防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている。チアメトキサムの混入量は、外掛け重量比で100~1000ppm程度でよい。突条12は断面角形(四角形)になっているが、断面形状は、台形やカマボコ形、半円状などの様々の形状を採用できる。突条12をシート材11に設ける具体的な方法としては、突条12を押し出し成形や注型成形などで予め製造しておいて、これを接着剤(粘着剤)でシート材11に接着する方法と、溝部を有する治具を使用して、シート材11に一体成形する方法とがある。いずれも採用可能である。
スペーサ4はリング板状の形態であり、アンカーボルト5に嵌め込んでいる。スペーサ4の外径は、土台2の幅寸法よりも少し小さい寸法になっている。従って、突条12に上から重なるが、突条12のうちスペーサ4と重なる部分は切除しており、スペーサ4はその全体がシート材11に重なっている。
スペーサ4には、免震機能を持たせることが可能である。すなわち、スペーサ4を、上下2枚のプレートを弾性体で連結した構成として、上下2枚のプレートが弾性体の弾性に抗して水平方向に相対動することを許容することにより、土台2の揺れよりも基礎1の揺れを抑制して免震(減震)することができる。このように免震タイプのスペーサ4を使用する場合は、土台2のボルト挿通穴7は通常の場合よりも大径になるし、座金8と座繰り穴10は円形にするのが好ましい(平座金とばね座金とを併用するのも好ましい。)。
(2).施工手順
図2では、パッキン材3とスペーサ4とをセットする工程を示している。この例では、まず、(A)に示すように、パッキン材3を構成するシート材11のうち各アンカーボルト5に対応した部位に切り込み13を入れて、シート材11をアンカーボルト5の群に上から嵌め入れる。図1に示すように、切り込み13は十字状に形成してもよい。
次いで、アンカーボルト5にスペーサ4を嵌め入れて、突条12のうちスペーサ4と重なる部分を刃物で切除する。具体的には、刃物で突条12に2本の切り込み12aを入れて、両切り込みの間の切除部12bをシート材11から引き剥がしたらよい。
次いで、図3に示すように、土台2をアンカーボルト5に嵌め入れる。これにより、突条12は土台2の重量によって潰れて広がり変形し、土台2はスペーサ4の群で支持される。基礎1は建物の壁に相当する部分に形成されており、土台2も多数本で構成されているが、各土台2を連結して土台枠を仕上げてから、ナット9をねじ込んで各土台2を固定する。突条12が潰れてどの程度の範囲まで広がるかは、任意に設定できる。実施形態では、かなり広い範囲に広がるように設定している。
土台2同士を連結する過程で、土台2をアンカーボルト5とボルト挿通穴7とのクリアランスの範囲内でずらすことがあるが、土台2はスペーサ4に載っていて突条12との間に強い摩擦は生じていないため、土台2のずらしを軽快に行える。従って、土台枠の仕上げ作業を能率よく行えるといえる。
スペーサ4の箇所で突条12を切除しているため、白蟻がスペーサ4の箇所から土台2の下方に侵入するおそれがある。そこで、本実施形態では、図4に示すように、手動式の2液混合吐出ガン14により、チアメトキサムが配合された発泡シリコーンフォームをスペーサ4の周囲に噴射し、スペーサ4の周囲の隙間を防蟻層15で充填している。防蟻層15は土台2の外にはみ出ていてもよい。
発泡シリコーンフォームは、2液混合吐出ガン14を使用して、第1カートリッジ16に充填したA液と、第2カートリッジ17に充填したB液とをノズル18で混合させることによって形成されている。チアメトキサムは、いずれの液に混合しておいてもよい(両方の液に混合しておくことも可能である。)。2液混合吐出ガン14は、ハンドル付きのグリップを備えており、ハンドルを引いて両カートリッジ16,17のプランジャを前進させることにより、発泡シリコーンフォームをノズル18から吐出させることができる。手動式のガンに代えて、電動式や空圧式のガンを使用してもよい。
なお、発泡シリコーンフォームによる充填作業は、土台2をアンカーボルト5に嵌め込む前に行ってもよい。また、アンカーボルト5とボルト挿通穴7との間の隙間に、発泡シリコーンフォームを注入してもよい。この場合は、白蟻がボルト挿通穴7に入り込むことをシャットアウトできるため、白蟻の食害防止を一層確実化することができる。
次いで、図5に示すように、シート材11の余白部11aを上向きに折り返して土台2の側面に固定する。固定方法は、既述のとおり、両面粘着テープ等を使用したらよい。基礎1が布基礎である場合は、図5(B)に示すように、シート材11に、土台2の両側にはみ出る余白部11aを形成して、両余白部11aを土台2の側面に固定したらよい。
図6では、建物として施工した後の要部の断面の一例を表示している。土台2の外側には、土台2に近い側から順に、外装パネル19、壁断熱材20、通気層21、窯業系等のサイディング22が形成されており、サイディング22の下方には水切り材23が略水平姿勢に配置されている。壁断熱材20の外面には防水シートが配置されているが、図では省略している。通気層21には、隙間を規定する縦長金具が適宜間隔で配置されており、サイディング22は縦長金具で支持されている。
外側の断熱パネル6の外面にはモルタル層24を塗工している。土台2の内側には、大引きや根太を介して床板25が配置されており、床板25の下面には断熱材26が張られている。壁は内装パネル27を備えており、内装パネル27は巾木28で支持されている。なお、図示した壁や床の構造は一例であり、他にも様々に具体化できる。
(3).まとめ
既述のとおり、土台2はスペーサ4を介して基礎1に支持されているため、突条12が過度に潰れることはなくて、高い耐久性を確保できる。特に、免震スペーサ4を使用すると、基礎1と土台2との相対動に追従して突条12を変形させることが容易になるため、免震機能をしっかりと確保できる。
そして、基礎1と土台2との間の隙間が防蟻性の突条12でシールされるため、白蟻が基礎1と土台2との間の隙間に入り込むことを阻止して、白蟻による食害を防止できる。特に、実施形態のように、スペーサ4の箇所に発泡シリコーンフォームからなる防蟻層15を形成すると、白蟻の侵入を土台2の全長にわたってシャットアウトできるため、白蟻の食害防止を確実化できる。
また、発泡シリコーンは大きく弾性変形するため、スペーサ4が免震機能を有する場合、基礎1と土台2とが相対動してもシール性が低下することはない。この点も、本実施形態の大きな利点の一つである。免震機能付きスペーサ4には、上下表面に、水平方向の溝が横断するように形成されている場合があるが、本実施形態では、スペーサ4が防蟻層15で土台2の内外両側から挟まれているため、白蟻がスペーサ4の溝に入り込むことはできない。従って、白蟻が土台2のボルト挿通穴7に侵入したり、土台2の下方を横切って床下空間に入り込んだりすることはできず、高い防蟻性能を確保できる。
更に、本願発明のように、シート材11に余白部11aを設けてこれを土台2の側面に重ね固定すると、白蟻が基礎1と土台2との間の箇所に至ることは無理になるため、防蟻性能は一層高くなる。なお、基礎1に張っている断熱パネル6にも、チアメトキサム等の防蟻剤が混入されている。従って、基礎部の防蟻性能は極めて高くなっている。
(4).他の実施形態
次に、図7,8に示す他の実施形態を説明する。まず、図7に示す実施形態を説明する。図7の実施形態はパッキン材3の変形例であり、このうち(A)に示す第2実施形態では、シート材11に、アンカーボルト5の中心が通る縦長中心線30を表示している。このように縦長中心線30を設けておくと、図1(A)、図2(A)のようにアンカーボルト5が嵌まるための切り込み13を形成するにおいて、切り込み13を正確な位置に形成できる。従って、パッキン材3の横ずれを防止できる。
突条を有する防蟻シートを基礎と土台との間に配置することは特許文献1に記載されているが、基礎にはアンカーボルトが立設されているため、防蟻シートにアンカーボルトを嵌め込まねばならない。この場合、従来は、ナイフ等の刃物で防蟻シートに十字状等の切り込みを入れてから、アンカーボルトを防蟻シートに貫通させているが、刃物で一々切り込みを入れるのは手間であるし、また、切り込みの位置が基礎の幅方向にずれると、防蟻シートの位置決めが不正確になるおそれがあるという問題がある。
この問題を解消すべく図7(B)に示す第3実施形態では、シート材11のうちアンカーボルト5の中心が通る箇所にミシン線31を予め形成している。この実施形態では、ミシン線31の箇所をアンカーボルト5に上から押し当てて突き破ることにより、アンカーボルト5が嵌まる穴を容易にかつ正確に形成できる。従って、パッキン材3の配置作業の能率を向上できると共に、シート材11を正確に位置決めできる。
図7(C)に示す第4実施形態では、シート材11のうちアンカーボルト5の中心が通る箇所に、切り込み32を飛び飛びで予め多数形成している。アンカーボルト5が切り込み線32の箇所に位置する場合は、シート材11はそのままアンカーボルト5に嵌め込むことができる。アンカーボルト5が隣り合った切り込み32のブリッジ部に位置する場合は、そのブリッシ部を手で又は刃物で千切って、2つの切り込み32を繋げたらよい。
図7(D)に示す第5実施形態は第4実施形態の変形例であり、第4実施形態の切り込み32に代えてスリット33を予め形成している。スリット33の溝幅は、アンカーボルト5の外径よりも小さい寸法に設定してもよいし、アンカーボルト5の外径と同じ程度に設定してもよい。これら図7の実施形態は、本願発明から独立して、軟質シート材に突条を設けたシール材に広く適用することができる。
図8(A)に示す第6実施形態では、突条12はシート材11とは別体に製造してから、これをシート材11に接着剤(粘着剤)34でシート材11に取付けている。そして、接着剤34の接着力をあまり高くせずに、人が手で引っ張るとシート材11から引き剥がしできる程度の強さに設定している。従って、図2(B)(C)のように突条12の一部を切除することを、容易に行える。接着剤の接着力を調節することは、例えば、シート材11の表面に、シリコーン樹脂膜等の接着抑制層を形成するなどしてもよい。
図8(B)に示す第7実施形態では、シート材11に3本の突条12を形成している。突条12の本数は、土台2の大きさ等に応じて任意に設定できる。図8(C)に示す第8実施形態では、突条12を切除せずにそのままスペーサ4を載せて、突条12をスペーサ4で押し潰している。スペーサ4は両突条12の外縁の内側に位置しているため、スペーサ4は全体が突条12で覆われている。
図8(D)に示す第9実施形態では、2本の土台2を、一方の土台2の側面に他方の土台2の端面が重なる状態に連結している場合において、シート材11の余白部11aで一方の土台2の端面(木口面)に重ねている。既に述べたように、白蟻は木材の木口から侵入することが殆どであるため、このように土台2の木口面を外側からシート材11で覆っておくと、白蟻の侵入を的確に防止して防蟻性能を向上できる。
図8(E)に示す第10実施形態では、スペーサ4の下面に突条12と同じ材質で小判形の補助スペーサ35を配置している。補助スペーサ35は、隣り合った突条12の間の空間を詰めるもので、突条12と同じ高さである。施工に際しては、突条12は切除せず、突条12と補助スペーサ35とがスペーサ4で押し潰される。補助スペーサ35は、スペーサ4とは別に用意しておいて現場でアンカーボルト5に嵌め入れてセットしてもよいし、予めスペーサ4の下面に接着しておいてもよい。
免震(減震)タイプのスペーサ4の場合、上下に重なったプレートを弾性ベルトで連結しているタイプがあり、このタイプでは、スペーサ4の上下両面に、弾性ベルトが嵌まる2本の溝4aが形成されているが、補助スペーサ34を溝4aと平行な姿勢で接着しておくと、溝4aが突条12の外側に開口することはないため、図4のような防蟻層15を不要にすることも可能である。二点鎖線で示すように、シート材11の長手側縁の箇所にも突条12を設けると(従って、この場合は4本の突条12が形成されている)、スペーサ4は突条12で完全に囲われるため、防蟻効果はより一層確実になる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、シート材を積層構造とすることも可能である。或いは、シート材の表裏両面に突条を形成して、下面の突条よりも上面の突条の高さを高くするといったことも可能である。スペーサの平面形状は円形には限らず、正方形や六角形などの多角形、楕円形、小判形などの様々な形状に形成することも可能である。
本願発明は、実際に気密基礎構造の建物及びパッキン材に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 基礎
2 土台
3 パッキン材
4 スペーサ
5 アンカーボルト
6 断熱パネル
7 ボルト挿通穴
11 シート材
11a 余白部
12 突条
13 切り込み
14 2液混合吐出ガン
15 発泡シリコーン製の防蟻層
30 目視できるように施された中心線
31 ミシン線
32 予め形成された切り込み
33 スリット

Claims (5)

  1. コンクリート製基礎と、前記基礎の上に配置された土台と、前記基礎の上に突出して前記土台に貫通したアンカーボルトの群と、前記基礎と土台との間のうち前記アンカーボルトの箇所に配置されたスペーサの群と、前記基礎と土台との間に介在して当該基礎及び土台の全長に亙って延びるパッキン材と、を備えており、
    前記スペーサは、地震時に水平方向に相対動可能であって、前記土台を前記コンクリート製基礎に支持した状態で前記アンカーボルトが貫通した上下2枚のプレートを有している一方、
    前記パッキン材は、軟質材より成る帯状のシート材と、前記アンカーボルトを挟んだ両側において前記シート材の上面又は下面若しくは両面に設けた複数本の軟質発泡材製突条とから成っていて、前記シート材は前記スペーサの下又は上に配置され前記アンカーボルトが貫通しており、かつ、少なくとも前記突条に防蟻剤を混入させている、
    気密基礎構造の建物。
  2. 前記突条は発泡シリコーンからなっていて、前記防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている、
    請求項1に記載した気密基礎構造の建物。
  3. 前記シート材は前記スペーサの下に配置されていて、前記シート材の上面のうち前記スペーサが重なる範囲を含む位置に前記突条が配置されており、前記突条のうちスペーサが重なる部分は切除されている、
    請求項1又は2に記載した気密基礎構造の建物。
  4. コンクリート製基礎とその上に配置されてアンカーボルトの群によって固定される土台とを有する建物における前記コンクリート製基礎の上に配置されて地震時に水平方向に相対動可能であって前記土台を前記コンクリート製基礎に支持した状態で前記アンカーボルトが貫通した上下2枚のプレートを有しているスペーサの群を介して前記土台を支持するパッキン材であって、
    軟質材より成る帯状のシート材と、前記シート材の上面又は下面若しくは両面に設けた複数本の軟質発泡材製突条とを有し、
    前記突条は、前記シート材のうち前記アンカーボルトの軸心が通る中心線を挟んだ両側に配置されており、かつ、前記突条は発泡シリコーンからなっていて防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている一方、
    前記シート材の中心線上に、前記アンカーボルトが貫通する切り込み又はスリット若しくはミシン線が予め形成されているか、前記中心線を視認できる表示が予め施されており、
    前記シート材は前記スペーサの下又は上に配置される、
    気密基礎構造の建物に使用するパッキン材。
  5. 前記シート材にもチアメトキサムが混入又は塗布されている、
    請求項4に記載した気密基礎構造の建物に使用するパッキン材。
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