JP2019027169A - 建物及びその防蟻施工方法並びにこれに使用する防蟻性発泡カートリッジ - Google Patents

建物及びその防蟻施工方法並びにこれに使用する防蟻性発泡カートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】防蟻性と気密性とに優れて免震機能も損なわない基礎構造を提供する。【解決手段】コンクリート製の基礎1の上面に、パッキン材3及びスペーサ4を介して土台2が載置されている。パッキン材3は、柔軟な樹脂又はゴム製のシート材11と、その上面に設けた複数本の突条12とで構成されている。突条12は発泡シリコーンからなっており、防蟻剤として、安全性と効果とに優れた遅効性のチアメトキサムが混合されている。突条12はスペーサ4の箇所で切除されており、スペーサ4の周囲の空間には、チアメトキサムが配合された2液混合型発泡シリコーンからなる防蟻層15が、ガン14を使用した吹き付けによって形成されている。2液混合型発泡シリコーンは均質で接着力・弾性に富んでいて信頼性に優れている。スペーサ4が免震機能を有する場合、シート材11及び土台2から剥離することなく大きく弾性変形するため、免震機能も損なわない。【選択図】図4

Description

本願発明は、防蟻性建物及びその施工方法、並びにこれに使用する防蟻性発泡カートリッジに関するものである。
木造住宅やプレハブ式住宅では、建物を白蟻の食害から守るための様々な工夫が成されている。例えば、木造住宅では、コンクリート製の基礎を地面に施工してから、基礎の上面に木製の土台を載置し、土台の上に建物の上部分を構築しているが、特許文献1には、基礎の上面に防蟻シートを重ねて、防蟻シートの上にスペーサを飛び飛びで配置すること、及び、防蟻シートの防蟻効果が低減したら液状の防蟻剤を防蟻シートに吹き付けて、防蟻シートの防蟻性能を復活させることが開示されている。
また、特許文献2には、発泡ウレタンの原液に防虫剤を添加して、ウレタン原液を圧縮ガスによって噴出させて、建物の施工部(例えば、パネル間の目地部)に発泡ウレタンフォーム層を形成することが開示されている。更に特許文献3には、防蟻剤が添加された水性の樹脂エマルジョンを圧縮空気式ガンによって施工部に吹き付けることが開示されている。
他方、特許文献4には、基礎と土台との間に防蟻シートを介在させるにおいて、防蟻シートの上面に2本の突条を設けることが開示されている。
特開2003−119919号公報 特開2002−166201号公報 特許第4634943号公報 特開2000−273977号公報
さて、建物に使用する防蟻剤としては、効果と人体に対する安全性とを両立させる必要がある。この点、天然由来の成分は安全性には優れているが、経時的に防蟻効果が薄れてしまい易いという問題がある。他方、ネオニコチノイド系のように化学合成された防蟻剤は農薬として製造されたもので高い防蟻効果を備えているが、その多くは人体への安全性に問題があるのが実情である。
この点、チアメトキサムは、遅効性であるが高い防蟻効果を発揮すると共に人体に対する安全性にも優れており、現状では、建物用の防蟻剤として最も優れているといえる。しかし、チアメトキサムは分解温度が139℃と低いため、チアメトキサムが添加された発泡樹脂で建物の施工部を覆う場合、発泡樹脂は常温で発泡するものが要請される。
他方、近年、木造の建物でも免震・減震機能が求められており、そのための手段として、基礎と土台との間に免震スペーサを配置することが行われており、その1つとして、基礎と土台との間の間隔を狭くした気密タイプの免震スペーサがあるが、基礎と土台との間に僅かでも隙間があると、白蟻が侵入してしまうため被害を防止することは困難である。従って、特許文献1,3のような液状の防蟻剤では、空間を通って侵入する白蟻の対策としては十分とは言い難い。
他方、特許文献2に記載されている防虫ウレタンフォームを使用すると、目地などの空間(隙間)を封止できるため、白蟻が空間を通って侵入すること防止できると云えるが、常温で噴霧するスプレー式のウレタンフォームは、接着力や密度、耐久性などの条件を備えているか否か疑問である。
更に述べると、基礎と土台との間に免震スペーサを配置した場合、地震によって基礎と土台とが相対動するが、その相対動に追従してウレタンフォームが基礎と土台とに接着した状態で変形してくれるか否かも疑問であり、従って、特許文献2は信頼性が不明確であると云える。
本願発明はこのような現状を契機として成されたものであり、建物を防蟻構造にするとにおいて、高い防蟻効果と信頼性とを確保せんとするものである。
本願発明は、建物とその防蟻施工方法とこれに使用するカートリッジとを備えており、これらは請求項の群で特定している。このうち請求項1は建物に関するものであり、基礎部又は壁部若しくは他の躯体の防蟻施工部が、防蟻剤を混合した2液混合型発泡シリコーンからなる防蟻層で形成されている。他の躯体には、天井部や屋根部が含まれている。
請求項2の発明も建物に関するものあり、この発明は、コンクリート製基礎の上に土台が配置されており、前記基礎と土台との間に、前記基礎及び土台の長手方向に飛び飛びに配置されたスペーサを介在させている構成において、前記基礎と土台との間の空間のうち隣り合ったスペーサの間の空間は防蟻パッキン材で塞がれて、前記スペーサの周囲の箇所は、防蟻剤を混合した2液混合型発泡シリコーンによって塞がれている。
請求項3の発明は防蟻施工方法に関するもので、建物の基礎部又は壁部若しくは他の躯体に防蟻処理を施す方法において、混合すると発泡する2種類の発泡シリコーン原液を用意して、いずれか一方の原液又は両方の原液に防蟻剤を添加しておいてそれぞれカートリッジに充填しておき、先端にノズルを備えていて前記カートリッジがセットされるガンを使用して、前記2種類の原液を混合して前記ノズルの先端から施工部に噴出させることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、カートリッジに関するものであり、混合すると発泡する2種類のシリコーン原液カートリッジがセットになっており、ノズルを備えたガンを使用して建物の防蟻処理部に供されるものであって、前記2種類のシリコーン原液カートリッジのうちいずれか一方又は両方に防蟻剤が添加されている。
請求項5の発明は請求項1〜4を好適に具体化したもので、前記防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている。防蟻剤としては他にも様々なもの(殺虫剤)を使用できる。例えば、チアメトキサムと同じネオニコチノイド系のものであると、クロニアチジン、イミダクロプリド、ジノテフランなどが挙げられる。
他の化学系防蟻剤として、カーバメート系のフェノブカブル、ピレスロイド系のペルメトリン、ビフェントリン、トラロメトリン、ピレスロイド系のエトフェンプロックス、フェニルピラゾール系のフィプロニル、フェニルピロール系のクロルフェナピルなどが挙げられる。ホウ酸や天然系薬剤なども採用可能である。また、複数種類の防蟻剤を混入することも可能である(A液とB液とにそれぞれ異なる種類の防蟻剤を混入しておくことも可能である。)。
本願発明では、建物の空間(隙間)を防蟻剤入りの発泡シリコーンで塞ぐことができるため、白蟻が空間に侵入することを防止して、建物を白蟻から守ることができる。そして、本願各発明は2液型シリコーン樹脂を採用した点に特徴を有するが、2液型シリコーン樹脂は現場で混合させて発泡させるものであるため、品質の安定性・均一性や耐久性、接着力、弾性に優れており、長期に亙って高い信頼性を確保できる。
また、いずれかの原液に防蟻剤を添加しておけば防蟻発泡シリコーンを形成できるが、シリコーン樹脂の発泡は常温で行われるため、チアメトキサムのような分解温度が低い防蟻剤であっても問題なく使用できる。従って、請求項5の構成とすることにより、高い防蟻効果と安全性とを確保することができる。
請求項2の構成は建物の基礎部の構造に特徴があるが、建物の安定性を確保する上では、スペーサはできるだけ大きいのが好ましい。すると、特許文献4のような突条付きのパッキン材を使用した場合、スペーサがパッキン材と重なるため、パッキン材の突条をスペーサの箇所で切除せねばならず、すると、防蟻性能が低下してしまう。
この点については、特許文献4のようなパッキン材を使用せずに、基礎と土台との間の空間全体に発泡シリコーンを充填するということも可能ではあるが、これは、発泡シリコーンの注入作業に多大の手間がかかる。これに対して請求項2の構成を採用すると、隣り合ったスペーサの間の空間は防蟻パッキン材で塞がれて、スペーサの周辺部のみが発泡シリコーンで保護されているため、作業能率と高い防蟻効果とを両立させることができる利点がある。
請求項1,2の構成は、請求項4のカートリッジを使用して、請求項3の方法によって実現できる。発泡シリコーンの原液を混合して吐出させるガンは従来からあるものをそのまま使用できるため、本願発明は現実性に優れている。
請求項5のように防蟻剤としてチアメトキサムを使用すると、既述のとおり、遅効性で高い防蟻効果を長期に亙って発揮し続ける利点と、人に対する安全性に優れている利点とがあって、建物用の防蟻剤として好適である。
第1実施形態を示す図で、(A)は分離斜視図、(B)はパッキン材の部分斜視図である。 施工手順のうち、パッキン材とスペーサとのセット段階を示す図である。 施工手順のうち、土台のセット段階を示す図である。 施工手順のうち、スペーサ周辺部のシール段階を示す図である((A)は断面図、(B)は平面図である。)。 施工手順のうち、シート材の余白部を折り返す工程を示す図である。 施工後の要部断面図である。 第2〜4実施形態を示す図である。 第5実施形態を示す図であり、(B)は(A)のB−B視断面図である。
(1).第1実施形態
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜6に示す第1実施形態を説明する。本実施形態において、建物の基礎部は、図1に示すように、コンクリート製の基礎1と、その上に配置した木製の土台2と、これら基礎1と土台2との間に介在させたパッキン材3及びスペーサ4とを備えている。
本実施形態の基礎1はベタ基礎であり、表面からアンカーボルト5が所定間隔で突設されている。また、基礎1の表裏両面には、コンクリート打設用型枠を兼用する断熱パネル6が貼り付けられている。なお、断熱パネル6は、発泡ポリエチレンや発泡ポリスチレン等の発泡樹脂で製造されている。断熱パネル6は基礎1の外面のみに配置されていてもよい。また、断熱パネル6は、基礎1を施工してから接着剤で接着してもよい。
土台2には、アンカーボルト5が嵌まるボルト挿通穴7を空けている。本実施形態では、土台2の上面に、座金8及びナット9が嵌まる座繰り穴10を空けているが、座繰り穴10を空けずに、座金8を土台2の上面に重ねる場合もある。
パッキン材3は、帯状のシート材11と、その上面に設けた2本の突条12とで構成されている。シート材11は土台2の下面全体に重なるようになっており、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂シートやゴム板等など、柔軟で圧縮変形する材料からなっている。
本実施形態では、シート材11は、基礎1の外側にはみ出る余白部11aを有している。余白部11aの幅は土台2の高さとほぼ同じ寸法になっている。余白部11aは、上に折り返して土台2の外側面に重ね固定される。土台2への余白部11aの固定は、両面粘着テープで行うこともできるし、予め粘着材(接着材)を塗工しておいて、これを離型紙で覆っておいてもよい。なお、図1のとおり、余白部11aの折り目を符号11bで示している。
突条12は発泡シリコーンからなっており、防蟻剤としてチアメトキサムが混入されている。チアメトキサムの混入量は、外掛け重量比で100〜1000ppm程度でよい。突条12は断面角形(四角形)になっているが、断面形状は、台形やカマボコ形、半円状などの様々の形状を採用できる。突条12をシート材11に設ける具体的な方法としては、突条12を押し出し成形や注型成形などで予め製造しておいて、これを接着剤(粘着剤)でシート材11に接着する方法と、溝部を有する治具を使用して、シート材11に一体成形する方法とがある。いずれも採用可能である。シート材11に防蟻機能を持たせることも可能であり、この場合は、防蟻材を練り込んだり塗布したりしたらよい。
スペーサ4はリング板状の形態であり、アンカーボルト5に嵌め込んでいる。アンカーボルト5の外径は、土台2の幅寸法よりも少し小さい寸法になっている。従って、突条12に上から重なるが、突条12のうちスペーサ4と重なる部分は切除しており、スペーサ4はその全体がシート材11に重なっている。
スペーサ4には、免震機能を持たせることが可能である。すなわち、スペーサ4を、上下2枚のプレートを弾性体で連結した構成として、上下2枚のプレートが弾性体の弾性に抗して水平方向に相対動することを許容することにより、土台2の揺れよりも基礎1の揺れを抑制して免震(減震)することができる。このように免震タイプのスペーサ4を使用する場合は、土台2のボルト挿通穴7は通常の場合よりも大径になるし、座金8と座繰り穴10は円形にするのが好ましい(平座金とばね座金とを併用するのも好ましい。)。
(2).施工手順
図2では、パッキン材3とスペーサ4とをセットする工程を示している。この例では、まず、(A)に示すように、パッキン材3を構成するシート材11のうち各アンカーボルト5に対応した部位に切り込み13を入れて、シート材11をアンカーボルト5の群に上から嵌め入れる。図1に示すように、切り込み13は十字状に形成してもよい。なお、シート材11のうちアンカーボルト5が通る線に沿ってミシン線やスリットの群、切り込みの群を予め形成しておくと、現場で一々切り込み13を形成することなく、シート材11をアンカーボルト5に嵌め込むことができる。
次いで、アンカーボルト5にスペーサ4を嵌め入れて、突条12のうちスペーサ4と重なる部分を刃物で切除する。具体的には、刃物で突条12に2本の切り込み12aを入れて、両切り込みの間の切除部12bをシート材11から引き剥がしたらよい。
次いで、図3に示すように、土台2をアンカーボルト5に嵌め入れる。これにより、突条12は土台2の重量によって潰れて広がり変形し、土台2はスペーサ4の群で支持される。基礎1は建物の壁に相当する部分に形成されており、土台2も多数本で構成されているが、各土台2を連結して土台枠を仕上げてから、ナット9をねじ込んで各土台2を固定する。突条12が潰れてどの程度の範囲まで広がるかは、任意に設定できる。実施形態では、かなり広い範囲に広がるように設定している。
土台2同士を連結する過程で、土台2をアンカーボルト5とボルト挿通穴7とのクリアランスの範囲内でずらすことがあるが、土台2はスペーサ4に載っていて突条12との間に強い摩擦は生じていないため、土台2のずらしを軽快に行える。従って、土台枠の仕上げ作業を能率よく行えるといえる。
スペーサ4の箇所で突条12を切除しているため、白蟻がスペーサ4の箇所から土台2の下方に侵入するおそれがある。そこで、本実施形態では、図4に示すように、手動式の吐出ガン14により、防蟻剤として例えばチアメトキサムが配合された発泡シリコーンをスペーサ4の周囲に噴射し、スペーサ4の周囲の隙間を防蟻層15で充填している。防蟻層15は土台2の外にはみ出ていてもよい。
発泡シリコーンは2液混合型であり、手動式等の吐出ガン14を使用して、両液を混合させて施工部に吹き付ける。すなわち、発泡シリコーンの原液は、第1カートリッジ16に充填したA液と、第2カートリッジ17に充填したB液とからなっており、両カートリッジ16,17はプランジャで封止されている。吐出ガン14は、二股部を有するノズル18を備えており、ノズル18における2つの基部にカートリッジ16,17の吐出口が接続されている。
チアメトキサム等の防蟻剤は、いずれの液に混合しておいてもよい(両方の液に混合しておくことも可能である。)。吐出ガン14は、ハンドル付きのグリップを備えており、ハンドルによって両カートリッジ16,17のプランジャを同期して前進させることにより、両液が混合した発泡シリコーンフォームをノズル18から吐出させることができる。手動式のガンに代えて、電動式や空圧式の動力式ガンを使用してもよい。なお、施工部への発泡シリコーンの吐出作業(吹き付け作業)は、土台2をアンカーボルト5に嵌め込む前に行ってもよい。
次いで、図5に示すように、シート材11の余白部11aを上向きに折り返して土台2の側面に固定する。固定方法は、既述のとおり、両面粘着テープ等を使用したらよい。基礎1が布基礎である場合は、図5(B)に示すように、シート材11に、土台2の両側にはみ出る余白部11aを形成して、両余白部11aを土台2の側面に固定したらよい。
図6では、建物として完成した後の要部の断面の一例を表示している。土台2の外側には、土台2に近い側から順に、外装パネル19、壁断熱材20、通気層21、窯業系等のサイディング22が形成されており、サイディング22の下方には水切り材23が水平姿勢に配置されている。壁断熱材20の外面には防水シートが配置されているが、図では省略している。通気層21には、隙間の規定する縦長金具が適宜間隔で配置されており、サイディング22は縦長金具で支持されている。
外側の断熱パネル6の外面にはモルタル層24を塗工している。土台2の内側には、大引きや根太を介して床板25が配置されており、床板25の下面には断熱材26が張られている。壁は内装パネル27を備えており、内装パネル27は巾木28で支持されている。なお、図示した壁や床の構造は一例であり、他にも様々に具体化できる。
(3).まとめ
既述のとおり、土台2はスペーサ4を介して基礎1に支持されているため、突条12が過度に潰れることはなくて、高い耐久性を確保できる。特に、スペーサ4が免震機能を有する場合は、基礎1と土台2との相対動に追従して突条12を変形させることが容易になるため、免震機能をしっかりと確保できる。
そして、基礎1と土台2との間の隙間が防蟻性の突条12でシールされるため、白蟻が基礎1と土台2との間の隙間に入り込むことを阻止して、白蟻による食害を防止できる。更に、スペーサ4の周囲が発泡シリコーンからなる防蟻層15で覆われているため、白蟻がスペーサ4の外周部から土台2の下方に侵入することをシャットアウトできる。従って、白蟻の食害防止を確実化できる。
この場合、スペーサ4はその下面全体がシート材11に重なっているため、スペーサ4は安定良く基礎1に支持されている。従って、建物の高い安定性が確保されている。また、隣り合ったスペーサ4の間の部分は突条12でシールされているため、ガン14を使用した作業はスペーサ4の箇所だけでよい。従って、全体として基礎部の施工を能率よく行える。
また、2液型の発泡シリコーンは、高い接着性を有すると共に大きく弾性変形する性質があるため、スペーサ4が免震機能を有する場合、基礎1と土台2とが大きく相対動しても、防蟻層15は基礎1及び土台2から剥がれることなく、基礎1と土台2との相対動に追従して大きく弾性変形する。従って、地震が発生しても、その後に気密性や防蟻効果が低下することはない。この点も、本実施形態の大きな利点の一つである。
免震機能付きスペーサ4には、上下表面に、水平方向の溝が横断するように形成されている場合があるが、本実施形態では、スペーサ4が防蟻層15で土台2の内外両側から挟まれているため、白蟻がスペーサ4の溝に入り込むことはできない。従って、白蟻が土台2のボルト挿通穴7に侵入したり、土台2の下方を横切って床下空間に入り込んだりすることはできず、高い防蟻性能を確保できる。
更に、本願発明のように、シート材11に余白部11aを設けてこれを土台2の側面に重ね固定すると、白蟻が基礎1と土台2との間の箇所に至ることはできなくなるため、防蟻性能は一層高くなる。なお、基礎1に張っている断熱パネル6にも、チアメトキサム等の防蟻剤が混入されている。従って、基礎部の防蟻性能は極めて高くなっている。
発泡シリコーンとして、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャッパン合同会社から販売されている、2液型の「液状シリコーンフォーム XE18−404」を使用することができる。吐出ガン14による吐出を容易化する等のため、溶剤によって希釈して粘度を調節することも可能である。チアメトキサムの添加量は、パッキン材3の突条12の場合と同様に、A,B両液全体に対する外掛け(重量比)で100〜2000ppm程度でよい。
(4).他の実施形態
次に、図7,8に示す他の実施形態を説明する。まず、図7に示す実施形態を説明する。図7(A)に示す第2実施形態では、アンカーボルト5とボルト挿通穴7との間の隙間に、発泡シリコーンをノズル18から注入している。この場合は、白蟻がボルト挿通穴7に入り込んで長手方向に食い進むことをシャットアウトできるため、白蟻の食害防止を一層確実化することができる。また、発泡シリコーンは圧縮変形するため、スペーサ4の免震機能を損なうこともない。
図7(A)(B)では、発泡シリコーンの用途の別例を示している。このうち(B)に示す第3実施形態では、ガス管や水道管等のパイプ30を建物の壁31に貫通させている場合において、壁31に空いている穴32とパイプ30との間の空間が、防蟻剤入りの発泡シリコーンから成る防蟻層15で塞がれている。従って、白蟻がパイプ30を伝って這い上がっても、壁31に侵入することを防止できる。
図8(B)に示す第4実施形態では、基礎1に設けた貫通穴32に下水用や配線用のパイプ33を挿通している場合において、貫通穴32とパイプ33との間の空間が、防蟻剤入りの2液型発泡シリコーンから成る防蟻層15で塞がれている。この場合も、パイプ33を伝って白蟻が床下空間に侵入することを防止できる。なお、貫通穴32は樹脂管で構成されている。
図8に示す第5実施形態は、外壁をALC板34で構成した軽量鉄骨構造の建物に適用している。すなわち、この実施形態では、ALC板34を鉄骨フレーム材(図示せず)に張り付け固定してなる建物において、窓枠35の外周外側の空間に、チアメトキサム入り発泡シリコーンから成る防蟻層15を充填している。
ALC板34からなる外壁に形成された開口には基礎枠36が固定されており、基礎枠36と外窓枠37との間に調整用空間が空いていて、この調整用空間に防蟻層15が充填されている。外窓枠37の内周には内窓枠(アルミサッシ)38が固定されており、内窓枠38に設けたレール39に引き戸40がスライド自在に嵌め込まれている。ALC板34の内側には木製の内装板41が配置されており、内装板41の縁部と外窓枠37で内側から囲われている。
施工手順としては、外窓枠37と基礎枠36との間隔を多数本のねじ棒42で調整し、外窓枠37を位置決めしてから、吐出ガン14のノズル18から調整用空間に発泡シリコーンを注入して防蟻層15を形成し、次いで、外窓枠37に内窓枠38を重ねてビスで固定し、それから引き戸40を嵌め入れる。
隣り合ったALC板34の間の部位には、モルタルや樹脂系の目地材を充填しているが、図8(A)に点線の矢印で示すように、白蟻が目地を伝って這い上がることがあり、調整用空間に単なるシーリング剤を充填しているに過ぎない場合は、白蟻がシーリング剤を食い進んでALC板34の内側に至り、内装板41や木製の柱、梁材等に食害が及ぶことがある。しかし、本実施形態では、窓枠35の外側の調整用空間は防蟻層15で密閉されているため、白蟻が目地を伝って這い上がってきてもALC板34の内側に侵入することはできない。従って、建物が白蟻の被害を受けることはない。
ALC板34そのものは白蟻の被害を受けないため、軽量鉄骨建物においては白蟻対策は不要と誤信されていることがあり、目地から這い上がって窓枠35から侵入して白蟻によって思わぬ被害を受けることがあるが、本実施形態では、軽量鉄骨建物においても白蟻対策を万全のものとすることができる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、発泡シリコーンを使用した防蟻層は、排気管と壁との間の空間など、防蟻性を求められる様々な部位に形成できる。垂木や梁のような屋根材の端面(木口面)を樹脂製等のカバーで覆っている場合、屋根材とカバーとの間の空間に本願発明の防蟻発泡シリコーンを充填すると、アメリカカンザイシロアリの被害を防止することもできる。基礎と土台との間にスペーサを配置する場合、スペーサの平面形状は円形には限らず、正方形や六角形などの多角形、楕円形、小判形などの様々な形状に形成することができる。
本願発明は、建物及び施工方法並びにカートリッジに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 基礎
2 土台
3 パッキン材
4 スペーサ
5 アンカーボルト
6 断熱パネル
7 ボルト挿通穴
11 パッキン材を構成するシート材
12 パッキン材を構成する突条
14 吐出ガン
15 発泡シリコーンより成る防蟻層
16,17 カートリッジ
18 ガンのノズル

Claims (5)

  1. 基礎部又は壁部若しくは他の躯体の防蟻施工部が、防蟻剤を混合した2液混合型発泡シリコーンからなる防蟻層で形成されている、
    建物。
  2. コンクリート製基礎の上に土台が配置されており、前記基礎と土台との間に、前記基礎及び土台の長手方向に飛び飛びに配置されたスペーサを介在させている構成であって、
    前記基礎と土台との間の空間のうち隣り合ったスペーサの間の空間は防蟻パッキン材で塞がれて、前記スペーサの周囲の箇所は、防蟻剤を混合した2液混合型発泡シリコーンによって塞がれている、
    建物。
  3. 建物の基礎部又は壁部若しくは他の躯体に防蟻処理を施す方法であって、
    混合すると発泡する2種類の発泡シリコーン原液を用意して、いずれか一方の原液又は両方の原液に防蟻剤を添加しておいてそれぞれカートリッジに充填しておき、先端にノズルを備えていて前記カートリッジがセットされるガンを使用して、前記2種類の原液を混合して前記ノズルの先端から施工部に噴出させることを特徴とする、
    建物の防蟻施工方法。
  4. 混合すると発泡する2種類のシリコーン原液カートリッジがセットになっており、ノズルを備えたガンを使用して建物の防蟻処理部に供されるものであって、前記2種類のシリコーン原液カートリッジのうちいずれか一方又は両方に防蟻剤が添加されている、
    防蟻性発泡カートリッジ。
  5. 前記防蟻剤はチアメトキサムである、
    請求項1又は2に記載した建物若しくは請求項3に記載した建物の防蟻施工方法若しくは請求項4に記載した防蟻性発泡カートリッジ。
JP2017148303A 2017-07-31 2017-07-31 建物及びその防蟻施工方法並びにこれに使用する防蟻性発泡カートリッジ Pending JP2019027169A (ja)

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