JP2009197396A - ユニット式建物の基礎構造 - Google Patents

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Abstract


【課題】止水性、防蟻性、および断熱性に優れた地下室が構築可能なユニット式建物の基礎構造を提供する。
【解決手段】地盤面から所定深さに設けられる底版部21と、底版部21から立ち上がって形成され、かつ建物ユニット4を支持する側壁部22とを備える深基礎2を設け、深基礎2の側壁部22の内側面および底版部21の上面に連続してアスファルトシート50を貼り付けるとともに、このアスファルトシート50の内側面にパネル状の防蟻断熱部材52を設けた。このため、側方地盤および下方地盤からの水の浸入を防ぐことができるとともに、側方地盤からの蟻の侵入を防止でき、断熱性が向上する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ユニット式建物の基礎構造に関する。
従来、略直方体形状に形成された骨組みを有する建物ユニットを複数配置して構成されるユニット式建物がある。ユニット式建物の基礎としては、コンクリート製であり、建物ユニットを載置する載置部が通常の布基礎よりも高い位置に設定された高基礎と、底版部および側壁部を有した深基礎とがある。高基礎の内部空間は、車庫として利用され、深基礎の内部空間は、地下室として利用されている。
このような深基礎は、底版部を介して鉛直荷重を地盤に伝達して建物を支持するものであり、側壁部に作用した側方地盤の土圧は、側壁部と側壁部の上部に載置される建物ユニットの下梁とで支持されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の深基礎は、ベース部と前壁部と、後壁部と、左右の壁部とを備える。左右の壁部には、建物ユニットが配置され、建物ユニットの底部と、ベース部と、前壁部と、後壁部と、左右の壁部とで地下室用可能な空間が形成されている。
そして、左右の壁部の内側面に沿って内壁パネルが取り付けられるとともに、ベース部の上面に沿って床パネルが取り付けられている。これらのパネルなどにより、地下室が仕上げられる。
特開平8−41905号公報
しかしながら、特許文献1のような深基礎では、左右の壁部の内面に沿って内壁パネルを取り付け、ベース部の上面に床パネルを取り付けて内装を仕上げる構成が開示されているものの、止水構造や防蟻・断熱構造に関しては十分に開示されていない。
通常は、外防水であったり、壁部の外面に薬剤を吹き付ける構造などが行われているが、地下室として利用する上で要求される止水・防蟻・断熱性を十分に確保することができない。
本発明の目的は、止水性、防蟻性、および断熱性に優れた地下室が構築可能なユニット式建物の基礎構造を提供することである。
本発明のユニット式建物の基礎構造は、図面を参照して説明すると、建物ユニット4を複数配置して構成されるユニット式建物1の基礎構造であって、地盤面から所定深さに設けられるコンクリート製の底版部21と、この底版部から立ち上がって土圧を受け、かつ上側に前記建物ユニットを支持する側壁部22と、を備え、前記底版部と前記側壁部と前記建物ユニットの底面とで囲まれて収納空間5が形成され、前記側壁部の内側面と前記底版部の上面とに連続する止水部材としてのアスファルトシート50が設けられるとともに、前記アスファルトシートの内側面および上面のうち少なくとも内側面に防蟻断熱部材52が設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、側壁部の内側面および底版部の上面にアスファルトシートが連続して設置された、すなわち側壁部の内側面および底版部の上面にアスファルトシートが凹状に連続配置されたから、止水構造を有しない場合や、外防水などの場合と比較して、側方地盤および下方地盤からの浸水を防ぐことができ、優れた止水性を確保することができる。
また、アスファルトシートの少なくとも内側面に防蟻断熱部材が設置されたから、少なくとも側方地盤からの蟻の侵入を防止できるとともに断熱性が向上し、優れた防蟻性および断熱性を確保することができる。
底版部の厚さ寸法が十分に大きい場合、蟻の侵入が抑えられ、底版部への防蟻部材の配設を省略することができる。
この際、前記側壁部の上側に載置される前記建物ユニットの底面には、底面防蟻部材としての防蟻シート46が設けられ、前記建物ユニットを載置した状態で前記防蟻断熱部材と前記防蟻シートとが連続して設けられた構成が好ましい。
ここで、防蟻断熱部材と防蟻シートとが連続するにあたって、防蟻シートの底面が防蟻断熱部材の上端部に面接触する構成でもよい。例えば、防蟻断熱部材の上端部が防蟻シートの底面に対向するように内側に折れ曲がって設けられても良く、防蟻断熱部材が所定の厚さを有し、その上端面が防蟻シートの底面に対向するように設けても良い。
この構成の発明では、防蟻断熱部材の上端部と防蟻シートの底面との間から蟻の侵入を確実に防止することができる。
さらに、前記防蟻断熱部材と前記防蟻シートとの間に充填される充填剤60が設けられることが好ましい。
この構成の発明では、防蟻断熱部材と防蟻シートとの間に間隙等がなくなり優れた防蟻性が確保できる。
充填剤としては、例えば、防蟻薬剤入りの接着剤や接着材、コーキング材などが挙げられる。
側壁部に建物ユニットを載置する際には、防蟻断熱部材の上端面を接着面とし、接着面には充填剤を設ける。一方、建物ユニットの底面には、予め工場にて防蟻シートを貼り付ける。そして、現場にて防蟻シートが防蟻断熱部材の接着面に連続する状態に建物ユニットを側壁部に載置する。
なお、防蟻断熱部材の上端部が所定寸法上方に突出した状態で建物ユニットを側壁部に載置する構成でもよい。この場合、建物ユニットの自重により防蟻断熱部材が上下方向に圧縮された状態となり、建物ユニットの底面に防蟻断熱部材が当接する。このような構成によれば、密圧効果により、防犠牲が向上する。
そして、充填剤の他に建物ユニットの底面と側壁部の上端部との間にクッション材が挿入される構成や防蟻剤などが充填される構成でもよい。
また、前記底版部および側壁部は、現場打ちコンクリート製であり、前記底版部および前記側壁部の外側には、連続して外側止水部材としてのアスファルトシート24Aが設けられた構成を採用してもよい。
この構成の発明では、例えば、底版部と側壁部とを打継ぎを設けて打設した場合、底版部のコンクリートを打設した後に側壁部の型枠を組み立ててから、そのコンクリートを打設することができるので、スムーズに施工でき、施工の作業性が向上する。
また、打継ぎの外側には、アスファルトシートが底版部および側壁部に連続して設けられているので、打継ぎ部分からの浸水を確実に防止することができる。
一方、底版部と側壁部とを一体に打設した場合では、打継ぎが形成されないので、防水性が向上する。しかし、底版部と側壁部との屈曲部分は、老朽化などによりひびが入り、浸水のおそれがある。
この場合、底版部および側壁部の外側に連続してアスファルトシートが設けられるので、底版部と側壁部と屈曲部分から浸水することがなく、確実に止水することができる。
また、前記止水部材がアスファルトシート50であり、前記防蟻断熱部材が防蟻薬剤を含浸させた硬質発砲樹脂性パネルであることが好ましい。
この構成の発明によれば、シート状のアスファルトシート50を用いたことで、底版部および側壁部にアスファルトシートを連続して貼り付けやすくなり、間隔等が形成されることを防止して止水性が確保できる。また、壁部の外面に止水のための薬剤を吹き付けたりしなくて済むので、簡便な施工で確実に止水できる。
そして、防蟻薬剤が含浸された硬質発砲樹脂性パネルを用いたことで、容易な施工で確実に防蟻性および断熱性が得られる。硬質発砲樹脂性パネルとしては、例えば、スタイロフォームAT(登録商標)などが挙げられる。
なお、防蟻断熱部材はパネル形状以外にも、シート形状のものでも良い。
また、前記収納空間は、天井高さが1.4m程度に設定されることが好ましい。
この構成の発明によれば、天井高さが1.4m程度の高さであるため、地下室として利用できる収納空間が最低限確保できる。また、天井高さが1.4m程度の高さであるため、居住空間を設ける場合と比較して、地盤の掘削量が少なくて済むため、施工コストを抑制することができる。
また、深基礎構造により収納空間が得られるから、敷地面積が限られた敷地の中で、土地を有効利用できるとともに、建物の内部空間の居室などを広く確保することができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態であるユニット式建物を簡略化して示す斜視図である。図2は、ユニット式建物における建物ユニットを底面側から見た斜視図である。図3は、ユニット式建物の基礎構造を示す縦断面図である。図4は、ユニット式建物の基礎構造の上部を拡大して示す縦断面図である。図5は、ユニット式建物の基礎構造を示す平面図である。
図1において、ユニット式建物1は、コンクリート製の深基礎2と、深基礎2に連続したコンクリート製の浅基礎3と、深基礎2および浅基礎3の上に設けられた建物ユニット4と、建物ユニット4の底面と深基礎2とで形成された地下室としての利用される収納空間5となどを備えた建物である。
建物ユニット4の骨組みは、図2に示すように、四隅の四本の柱41と、これらの柱41の上端同士を接合する各二本の長辺上梁42および短辺上梁43と、柱41の下端同士を接合する各二本の長辺下梁44および短辺下梁45とを含んで構成されている。長辺上梁42と長辺下梁44と二本の柱41とで構成された骨組みの一方には、外壁材46Aが取り付けられ、短辺上梁43と短辺下梁45と二本の柱41とで構成された骨組みの一方にも、外壁材46Aが取り付けられている。なお、この他にも必要に応じてこれらの骨組みには、外壁材、内壁材、天井材、床材等が取り付け可能である。
また、一方の長辺下梁44と他方の長辺下梁44との間には、短辺下梁45の短辺方向に平行になるように、床小梁45Aが複数、所定の間隙を有して設けられている。さらに、一方の長辺上梁42と他方の長辺上梁42との間には、短辺上梁43の短辺方向に平行になるように、天井小梁43Aが複数、所定の間隙を有して設けられている。
深基礎2は、図3に示すように、略長方形状の底版部21と、底版部21から立ち上がって形成され、土圧を受ける側壁部22とから構成される。そして、底版部21と、側壁部22と、側壁部22に支持された建物ユニット4の底面とで囲まれた空間が前述した収納空間5である。底版部21および側壁部22は、現場打ちコンクリート製であり、底版部21の厚さ寸法は、例えば、20cm以上に設定されている。
底版部21の上面と側壁部22の下端縁との間には、打継ぎ23が設けられている。底版部21の外端面および側壁部の外側面には、打継ぎ23を覆うように外側止水部材としてのアスファルトシート24Aが貼り付けられている。アスファルトシート24Aとしては、例えば、改質アスファルトシートなどが挙げられる。打継ぎ23の中央部分には、止水シール23Aが設けられている。止水シール23Aは、底版部21の側端部に沿って四周連続して設けられている。
側壁部22の内側面および底版部21の上面には、アスファルトシート50が連続して凹状に貼り付けられている。アスファルトシート50としては、例えば、改質アスファルトシートなどが挙げられる。
アスファルトシート50の上面には、略平板形状の合板51Aがアスファルトシート50に沿って設けられ、合板51Aの上面には、床パネル51Bを水平方向に支持するための支持具51Cが設けられている。
また、アスファルトシート50の内側面には、図3、5に示すように、略平板状の防蟻断熱部材52が側壁部22に沿って設けられている。防蟻断熱部材52は、防蟻薬剤を含浸させた硬質発砲樹脂性パネルである。硬質発砲樹脂性パネルとしては、例えば、スタイロフォームAT(登録商標)などが挙げられる。
防蟻断熱部材52の内側には、所定幅の空気層53Aを介して壁下地部材53Bが防蟻断熱部材52に沿って設けられている。そして、壁下地部材53Bにおける内側面には、石膏ボードなどの内壁パネル53Cが壁下地部材53Bに沿って設けられている。内壁パネル53Cは、床パネル51Bの端部にて支持されている。
そして、壁下地部材53Bおよび内壁パネル53Cの上端部には、天井パネル54が配設されている。天井パネル54と、床パネル51Bとの間の天井高さは、1.4m程度に設定されている。
側壁部22の上端部には、図3に示すように、建物ユニット4の底面が跨るように配設されている。具体的には、建物ユニット4の長辺下梁44および短辺下梁45が側壁部22の上に配置されている。この際、側壁部22の上端部には、図5に示すように、アンカー部材22Aが複数設けられており、アンカー部材22Aには、建物ユニット4の柱41の下端部に設けられたアンカーが挿入されている。
短辺下梁45の下端部には、床小梁45Aが短辺下梁45に沿って設けられている。床小梁45Aの上端部には、建物ユニット4の床パネル45Cが配設されている。床小梁45Aの内側には下地材45Bが配設されている。これら床小梁45Aおよび下地材45Bの下端面には、防蟻シート46が取り付けられている。この防蟻シート46の下面は、天井パネル54に対向している。
そして、2本の短辺下梁45のうち一方の外側面には、外壁材46Aが鉛直方向に延びて設けられている。図示しないが、2本の長辺下梁44のうち一方にも同様に、外壁材46Aが設けられている。外壁材46Aの内側には、外壁材46Aに沿って、内壁パネル46Bが設けられている。内壁パネル46Bは、床パネル45Cの端部にて支持されている。なお、短辺下梁45と床小梁45Aとの間、床小梁45Aと他の床小梁45Aとの間、および外壁材46Aと内壁パネル46Bとの間には、それぞれ断熱材が設けられている。
防蟻シート46は、図2、4に示すように、長辺下梁44の下端面、短辺下梁45の下端面、床小梁45Aの下端面、および下地材45Bの下端面にて取り付けられており、建物ユニット4の底面をほぼ覆って設けられている。この防蟻シート46下端面と、防蟻断熱部材52およびアスファルトシート50の上端面との間には、充填剤60が充填されており、充填剤60を介して、防蟻シート46と防蟻断熱部材52およびアスファルトシート50とが接着されている。また、側壁部22の上端面と短辺下梁45の下端面と間には、ウレタンフォーム61、気密シール材62、およびコーキング材63がそれぞれ設けられている。
なお、防蟻シート46と防蟻断熱部材52との間には、充填剤60を設けることなく、防蟻シート46と防蟻断熱部材52とが直接連続する構成でもよい。
次に、本実施形態のユニット式建物1の施工方法を説明する。
現場において、深基礎2および浅基礎3のコンクリートを打設する際には、まず、適宜配筋をしてから深基礎2の底版部21のコンクリートを打設し、底版部21の端部には、止水シール23Aを取り付ける。そして、底版部21の端部に立ち上がるように、側壁部22のコンクリートを打設する。このような手順でコンクリートを打設することで、側壁部22の下端縁と底版部21の上面との間には、打継ぎ23が形成される。打継ぎ23の内部には止水シール23Aが位置する。この打継ぎ23を覆うように、側壁部22の外側面および底版部21の外端面に沿ってアスファルトシート24Aを連続して貼り付ける。また、側壁部22の内側面、および底版部21の上面には、アスファルトシート50を連続して貼り付ける。
一方、工場では、建物ユニット4の骨組みに、屋根、内壁パネル53C,46B、床パネル51B,45C、天井パネル54、外壁材46Aなどを取り付けて建物ユニット4を製造する。また、建物ユニット4の底面においては、短辺下梁45、床小梁45Aおよび下地材45Bのそれぞれの下端面に防蟻シート46を予め貼り付けておく。そして、建物ユニット4を建設現場まで搬送し、建設現場でクレーンにより吊り上げ、深基礎2および浅基礎3上に載置する。
この際、図4に示すように、防蟻シート46における端部の下面が、充填剤60を介して防蟻断熱部材52に接着される。これにより、収納空間5が形成される。また、防蟻断熱部材52と防蟻シート46との間には、収納空間5の内側から外側に向かって順にウレタンフォーム61、気密シール材62、およびコーキング材63をそれぞれ充填する。
なお、予め工場にて建物ユニット4の底面に充填剤60、ウレタンフォーム61、気密シール材62、およびコーキング材63を取り付けることも可能である。
以上のような本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)アスファルトシート50を深基礎2の内面に凹状に連続して貼り付けたことで、止水構造を有しない場合や、外防水などの場合と比較して、側方地盤および下方地盤からの水の浸入を防ぐことができ、優れた止水性を確保することができる。
また、アスファルトシート50の内側面に防蟻断熱部材52を設置したから、側方地盤からの蟻の侵入を防止できるとともに断熱性が向上し、優れた防蟻性および断熱性を確保することができる。
さらに、通常、地下室空間の防蟻のために側壁部の厚さを大きくするが、防蟻断熱部材52を設けることにより、側壁部22の厚さを薄くすることができるので、側壁部22に必要なコンクリートの量を少なくでき、経済的である。
(2)打継ぎ23の中央には、止水シール23Aが設けられ、止水シール23Aは、底版部21の側端部に沿って設けられているので、打継ぎ23の隙間からの浸水を防止できる。
(3)建物ユニット4の底面には、防蟻シート46が設けられ、建物ユニット4を載置した状態で防蟻断熱部材52と防蟻シート46とを充填剤60を介して連続して設けるので、防蟻断熱部材52の上端面と防蟻シート46の底面との間から蟻の侵入を確実に防止することができる。
さらに、防蟻断熱部材52と防蟻シート46との間には、ウレタンフォーム61が設けられているので、収納空間5は止水性が向上する。また、ウレタンフォーム61は、軽量であり、予め工場にて建物ユニット4の底面にウレタンフォーム61を取り付けることができる。このため、現場では、深基礎2にウレタンフォーム61を設ける必要がないので、現場での作業がスムーズになる。したがって、施工の作業性が向上する。
(4)さらに底版部21および側壁部22は、現場打ちコンクリート製であり、底版部21の上面と側壁部22の下端縁との間に打継ぎ23が設けられているから、深基礎2の施工の作業性が向上する。
また、打継ぎ23を覆うように、底版部21の外端面と側壁部22の外側面とにアスファルトシート24Aを連続して張り付けるので、打継ぎ23部分からの浸水を確実に防止することができる。また、アスファルトシート24Aは、シート形状なので、側壁部22の外側面および底版部21の外端面に沿って容易に貼り付けられる。
(5)アスファルトシート50がシート形状なので、側壁部22の内側面にアスファルトシート50を容易に貼り付けることができる。
そして、防蟻断熱部材52が防蟻薬剤を含浸させた硬質発砲樹脂性パネルなので、硬質発砲樹脂性パネルを設けることにより、容易な施工で確実に防蟻性および断熱性が得られる。
(6)そして、床パネル51Bと、内壁パネル53Cと、天井パネル54とで囲まれた収納空間5は、天井高さが1.4m程度に設定されているので、地下室として利用できる空間が最低限確保できる。また、深基礎2を設ける際に、天井高さが1.4m程度の高さであるため、住居空間を設ける場合と比較して、掘削量が少なくて済み、施工コストを抑制することができる。
また、深基礎2の構造により収納空間5が得られるから、敷地面積が限られた敷地の中で、土地を有効利用できるとともに、建物の内部空間の居室などを広く確保することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
例えば、防蟻シート46と、防蟻断熱部材52との間には、充填剤60が充填されている構成を示したが、これに限られず防蟻シート46と、防蟻断熱部材52との間には、クッション材などが配設されていても良い。また、充填剤60は、防蟻断熱部材52と同じ防蟻断熱部材であっても良い。すなわち、充填剤60を充填することなく、防蟻断熱部材52の上端部が所定寸法分上方に突出した状態で、建物ユニット4を側壁部に載置してもよい。つまり、防蟻断熱部材52が上下方向に圧縮された状態となり、建物ユニット4の底面に直接連続する。この場合、密圧効果により、防犠牲が向上する。
そして、打継ぎ23の中央部分には、止水シール23Aを設ける構成を示したが、止水シール23Aの代わりに、塗布防水を施してもよい。また、止水シール23Aとともに、塗布防水を施しても良い。
さらに、底版部21の上面と側壁部22の下端縁との間に打継ぎ23が設けられる構成を示したが、例えば、打継ぎを設けることなく、底版部21および側壁部22を一体にコンクリート打ちしても良い。この場合、打継ぎが設けられないので、さらに止水性が向上する。
そして、天井パネル54と、床パネル51Bとの間の天井高さは、1.4m程度に設定されている構成を示したが、これに限られず、空間高さが1.4mよりも大きく設けられていても良い。この場合、空間高さが1.4m以上であると、居住部として利用することも可能となる。
また、底版部21の厚さ寸法は、20cm以上である構成を示したが、これに限られず、例えば、20cm未満でもよい。この場合、底版部21上に適宜、防蟻部材を設けても良い。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
本発明は、深基礎構造を有するユニット式建物に利用できる。
本発明の実施形態であるユニット式建物を簡略化して示す斜視図である。 ユニット式建物における建物ユニットを底面側から見た斜視図である。 ユニット式建物の基礎構造を示す縦断面図である。 ユニット式建物の基礎構造の上部を拡大して示す縦断面図である。 ユニット式建物の基礎構造を示す平面図である。
符号の説明
1……ユニット式建物
2……深基礎
4……建物ユニット
5……地下室用収納空間
21…底版部としてのベース部
22…側壁部
50…止水部材としてのアスファルトシート
52…防蟻断熱部材

Claims (6)

  1. 建物ユニットを複数配置して構成されるユニット式建物の基礎構造であって、
    地盤面から所定深さに設けられるコンクリート製の底版部と、
    この底版部から立ち上がって土圧を受け、かつ上側に前記建物ユニットを支持する側壁部と、
    を備え、
    前記底版部と前記側壁部と前記建物ユニットの底面とで囲まれて収納空間が形成され、前記側壁部の内側面と前記底版部の上面とに連続する止水部材が設けられるとともに、前記止水部材の内側面および上面のうち少なくとも内側面に防蟻断熱部材が設けられた
    ことを特徴とするユニット式建物の基礎構造。
  2. 請求項1に記載のユニット式建物の基礎構造であって、
    前記側壁部の上側に載置される前記建物ユニットの底面には、底面防蟻部材が設けられ、前記建物ユニットを載置した状態で前記防蟻断熱部材と前記底面防蟻部材とが連続して設けられた
    ことを特徴としたユニット式建物の基礎構造。
  3. 請求項2に記載のユニット式建物の基礎構造であって、
    前記防蟻断熱部材と前記底面防蟻部材との間に充填される充填剤が設けられた
    ことを特徴としたユニット式建物の基礎構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のユニット式建物の基礎構造であって、
    前記底版部および側壁部は、現場打ちコンクリート製であり、前記底版部および側壁部の外側には、連続して外側止水部材が設けられた
    ことを特徴としたユニット式建物の基礎構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のユニット式建物の基礎構造であって、
    前記止水部材がアスファルトシートであり、前記防蟻断熱部材が防蟻薬剤を含浸させた硬質発砲樹脂性パネルである
    ことを特徴としたユニット式建物の基礎構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のユニット式建物の基礎構造であって、
    前記収納空間は、天井高さが1.4m程度に設定された
    ことを特徴としたユニット式建物の基礎構造。
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