JP7125070B2 - 木製建物用パッキン装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、気密基礎構造の木製建物に好適なパッキン装置に関するものである。
木造住宅では、コンクリート製の基礎を地面に施工してから、基礎の上面に木製の土台を載置し、土台の上に建物の上部分を構築しており、基礎と土台との間にロングタイプのパッキンを配置して気密基礎構造としたり、リング状のスペーサを介在させて通気基礎構造に構成したりすることが行われている。
気密基礎構造と成しているのは、白蟻の侵入防止や断熱性向上のためであり、その例として特許文献1の図4には、パッキンを防蟻性のシートに形成して、その上面に2本の突条を設けることが開示されている。また、特許文献1では、基礎の外面に断熱層を設けて、断熱層の外面を覆うように側面用防蟻シートを配置し、この側面用防蟻シートの上部で土台の外側面を覆っている。
基礎部を通気構造にしているのは、床下空間の乾燥を促進して、白蟻が嫌う生息環境にするためであるが、通気構造と解される特許文献2には、基礎と土台との間に台輪を配置して、台輪と土台との間に介在させた防蟻シートを、土台の内外両側に大きくはみ出る広幅に形成して、はみ出し部を上に立ち上げて土台の側面を覆うことが開示されている。
特許文献2では、施工工程において、基礎のアンカーボルトに台輪を嵌め入れて、台輪を基礎上に配置してから、防蟻シートをアンカーボルトで突き破ることにより、防蟻シートを基礎上に仮止めして、次いで、土台を台輪上に配置している。また、特許文献2において、はみ出し部のうち土台の外側面に重なる部分は、水切り材によって土台の外側面に押さえ固定されており、水切り材に、白蟻の這い上がりを防止する蟻返しの機能を保持させている。
特許第3527654号公報 特許第3813916号公報
さて、ベタ基礎の建物の場合、基礎で囲われた内部からの白蟻の侵入はないが、基礎の外側においては、白蟻が基礎の外側面を這い上がって土台に至ることがある。そして、特許文献1では、側面用防蟻シートを別に設けて、この側面用防蟻シートで土台の外側面を覆っているため、白蟻の這い上がりも防止できると云えるが、2種類の防蟻シートが必要であるため、コスト嵩むと共に施工も面倒になることは否めない。
また、パッキンとして機能する防蟻シートを基礎の上面にセンター合わせてして配置するに当たっては、防蟻シートの所定部位に刃物で切り込みを入れるなどしてアンカーボルトの嵌め込み位置を設定することになるが、現場で位置合わせして切り込みを入れるのは作業が面倒であり、従って、作業性が良くないという問題もある。
他方、特許文献2では、1枚の防蟻シートで土台の下面も外側面も覆われているため、白蟻が基礎の外面を這い上がってきても、1枚の(あるいは1種類の)防蟻シートで土台を白蟻から保護できる。従って、特許文献1に比べると施工は容易であると云える。
しかし、特許文献2においても、防蟻シートを位置決めしてから、アンカーボルトに嵌め込みできるように切り込みなどを形成する等の作業は必要であるため、特許文献1と同様に、作業性についてまだ改善の予知が残っていると云える。また、特許文献2では、台輪を使用せずに、基礎と土台との間に防蟻シートを直接介在させると、一応は気密構造になると云えるが、この場合は、基礎の上面の不陸を吸収できないため、特許文献2は、気密構造用の防蟻装置として高い機能を発揮できるとは言い難い。
本願発明は、このような現状を改善すべくなされたものである。
本願発明は、多彩な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。
請求項1の発明は木製建物用パッキン装置の上位概念を成すものであり、
「コンクリート製の基礎と木製土台との間に配置される剛体構造のパッキン本体と、前記木製土台の側面を覆う防蟻シートとを備えており、
前記パッキン本体は、前記基礎及び土台の長手方向に長く延びるロングタイプであり、前記防蟻シートが、前記パッキン本体から立ち上げて前記土台の側面を覆うように、前記パッキン本体にその全長に亙って取付けられている」
という基本構成である。
そして、上記基本構成において、
「前記パッキン本体の下面と上面とに圧縮変形するクッション材が取付けられており、前記防蟻シートは、前記クッション材とパッキン本体との間に挟まれた状態で取付けられているか、又は、クッション材のうち上下方向の露出面に取付けられている」
という構成になっている。クッション材は、シール材と言い換えることも可能である。
請求項の発明は請求項の展開例であり、
「前記パッキン本体の長手方向を前後方向として、前記防蟻シートに、前記パッキン本体の前後両側のうち片側又は両側にはみ出た余長部を設けている」
という構成になっている。
請求項の発明は、請求項1と同じ基本構成において、
「前記パッキン本体は、前記土台の長手中心線を挟んで両側に位置した一対の長手部と、前記一対の長手部を連結するブリッジ部とを有しており、前記防蟻シートは、一対の長手部のうち片方の長手部に取付けられている」
という構成になっている。
請求項の発明は防蟻剤の具体例であり、
「請求項1~3のうちのいずれかにおいて、前記防蟻シートには、忌避性防蟻剤と遅効性防蟻剤とが添加されている」
という構成になっている。
防蟻剤としては様々なものを使用できるが、例えば、防蟻効果と安全性とに優れたものとしてチアメトキサムがある。このチアメトキサムは分解温度が139℃であるため、チアメトキサムを使用して防蟻シートに混入する場合は、押し出し温度が139℃以下の材料しか使用できない。この点、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)の融点は、エチレンと酢酸ビニルとの配合割合によって相違はするが100℃以下であることが多いため、本願発明の防蟻シートとして好適である。
請求項で特定したクッション材としては、発泡樹脂やゴム質素材を使用できる。弾性や強度だけに着目すると、例えば発泡ウレタン樹脂は好適である。クッション材に防蟻性能を持たせる場合は、発泡前の材料に防蟻剤を混入することになるが、ウレタン樹脂は発泡温度が一般に150~200℃であるので、防蟻剤は、この温度に耐えるものを使用する必要がある。
他方、防蟻効果と安全性とを両立できる防蟻剤として既述のチアメトキサムがあるが、チアメトキサムは分解温度が前記のとおり139℃であるため、発泡ウレタン樹脂には使用できない。この点、クッション材として発泡シリコーンを使用すると、シリコーンは常温で発泡して固形化するため、チアメトキサムを添加しても分解させることなく発泡させることができ、しかも、弾性変形量は大きいため、高いシール性を確保することができる。従って、パッキン装置に使用するクッション材として好適である。
本願発明では、防蟻剤の種類には限定はなく、効果を備えていたら、化学系ものでも天然系のものでも制限なく使用できる。例えば、化学系としては、チアメトキサムが含まれるネオニコチノイド系が挙げられるが、他のネオニコチノイド系防蟻剤としては、クロニアチジン、イミダクロプリド、ジノテフランなどが挙げられる。
他の化学系防蟻剤として、カーバメート系のフェノブカブル、ピレスロイド系のペルメトリン、ビフェントリン、トラロメトリン、ピレスロイド系のエトフェンプロックス、フェニルピラゾール系のフィプロニル、フェニルピロール系のクロルフェナピル、エトフェントプロックスなどのピレスロイド系などが挙げられる。無機系防蟻剤としてのホウ酸や、ヒノキチオールなどの天然系薬剤なども使用可能である。また、複数種類の防蟻剤を混合して使用することも可能である。
請求項の具体例としては、忌避性防蟻剤として例えばエトフェントプロックスを採用できる。遅効性防蟻剤としては、例えば既述のチアメトキサムが好適である。
本願各発明では、防蟻シートは剛体構造のパッキン本体に取付けられているため、パッキン本体を基礎の上面にセットすると、防蟻シートも所定の状態に自動的にセットされる。従って、作業能率を格段に向上しつつ、防蟻シートを正確に位置決めした状態で配置できる。
また、防蟻シートはパッキン本体に取付けられているため、施工現場に別々に搬入する場合に比べて、管理の手間も軽減できる。防蟻シートの幅寸法はパッキン本体の幅寸法よりも大きいのが普通であるが、この場合は、防蟻シートをパッキン本体に巻いておけばよいため、扱いも容易である。
請求項のようにパッキン本体の上下両面にクッション材を取付けておくと、基礎の上面に不陸があっても、隙間を埋めた状態にパッキン本体を配置できるため、気密性と防蟻性とを向上できる。この場合、クッション材にも防蟻剤を混入しておくと、高い防蟻性を確保する上で特に好適である。
防蟻シートは、パッキン本体の上面に配置しても下面に配置してもよいが、パッキン本体の上下両面にクッション材を設けると、防蟻シートが上であっても下であっても基礎の不陸は吸収できるので、パッキン本体をセットするに際して上下の方向性を無くすことができる。従って、施工の作業性を更に向上できる利点がある。
基礎の平面視形状は建物によってまちまちであるが、1つの辺は数メートル以上あることが普通であるのに対して、パッキン本体の長さは、例えば1メートルや2メートルなどに規格化されていることが多いため、1つの辺の基礎上に、複数本のパッキン本体を直列に並べて使用することが殆どである。
この場合は、隣り合ったパッキン本体の接続部(当接部)の箇所において防蟻シート同士の間に隙間があると、この隙間から白蟻が這い上がって土台等に至ることが有り得る。これに対して、請求項のように余長部を設けると、隣り合ったパッキン本体の防蟻シートの余長部同士を重ね合わせることができるため、土台の側面に露出部が生じることを防止して、高い防蟻性能を確保することができる。建物の出隅部、入り隅部においても同様である。
パッキン本体は、全体を板状に形成することも可能であるが、請求項のように、一対の長手部をブリッジ部で繋いだ構成を採用すると、アンカーボルトは一対の長手部の間の空間に位置しており、かつ、防蟻シートをアンカーボルトで突き破る必要もない。従って、施工性を更に向上できる。
請求項の構成を採用すると、白蟻が防蟻シートまで至ると忌避性防蟻剤によって直ちに撃退できると共に、忌避性防蟻剤の効果が経時的に低下しても、遅効性の防蟻剤によって白蟻を撃退できる。従って、ダブル効果によって、建物を白蟻から長期に亙って保護することができる。既述のとおり、エトフェントプロックスは即効性に優れており、チアメトキサムは安全性と効果の持続性とに優れているため、これらを使用すると特に好適である。
実施形態を適用した斜視図である。 防蟻シートとクッション材との配置例を示す分離正面図である。 施工現場での分離平面図である。 施工手順を示す建物の分離縦断正面図である。 施工後の建物の縦断正面図である。 パッキン装置同士の接合部の処理例を示す断面図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、建物の基礎部は、コンクリート製の基礎1と、その上に配置した木製の土台2と、これら基礎1と土台2との間に介在させた合成樹脂製のパッキン本体3とを備えている。
本実施形態の基礎1は、土間にもコンクリートを打設しているベタ基礎であり、基礎1の表裏両面には、コンクリート打設用型枠を兼用する断熱パネル4が重ね配置されている(すなわち、断熱パネル4は、コンクリートの打設によって基礎1に接合されている。)。外側に位置した断熱パネル4の外面には、耐火層としてモルタル層5が塗工されている。なお、断熱パネル4にも防蟻性を持たせるのが好ましい。
断熱パネル4は、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等の発泡樹脂で製造されている。断熱パネル4は、基礎1の外面のみに配置されていてもよい。また、断熱パネル4は、基礎1を施工してから接着剤で接着することも可能である。更に、断熱パネル4が存在しない構成も採用できる。
以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、前後方向はパッキン本体3や基礎1の長手方向として定義し、左右方向はパッキン本体3や基礎1の幅方向として定義している。
パッキン本体3はパッキン装置の主要部材であり、ある程度の厚さの剛体構造になっている。具体的な形態としては、基礎1の長手方向に長い2本の長手部6と、これらを繋ぐ複数のブリッジ部7とから成っている。従って、一対の長手部6の間の部位は、ブリッジ部7で分断された空間になっている。ブリッジ部7は前後対称の位置に配置されている。従って、パッキン本体3は、前後左右対称の形態になっている。長手部6には、軽量化のために、ブリッジ部7と反対側に開口した多数の孔を形成している。
パッキン本体3の上下両面には、防蟻性のクッション材8が接着されている。本実施形態では、クッション材8は断面角形になっており、図1及び図2(A)のとおり、下面に位置したクッション材8は長手部6のうち外側に寄せて配置されて、上面に位置したクッション材8は長手部6のうち内側に寄せて配置されている。クッション材8は、例えば発泡シリコーン等の発泡樹脂製であり、防蟻剤として、例えば、既述のエトフェントプロックス及びチアメトキサムを混入している。防蟻剤の混入量は、外掛け重量比で100~1000ppm程度でよい。
クッション材8とパッキン本体3との接着や、防蟻シート9とパッキン本体3との接着、防蟻シート9とクッション材8との接着は、接着剤を使用して行ってもよいし、両面粘着テープを使用して行ってもよい。作業性は、両面粘着テープを使用するのが優れていると云える。この場合、接着剤や粘着テープの粘着剤(接着剤)に防蟻剤を配合しておいてもよい。
パッキン本体3は前後・左右対称の形態であるので上下の方向性もないが、一方のクッション材8とパッキン本体3との間に防蟻シート9の長手一側部が固定されている。防蟻シート9は、EVAを原料にした押し出し加工品であり、防蟻剤として、忌避性(即効性)のエトフェントプロックスと遅効性のチアメトキサムとが混入されている。混入量は、クッション材8の場合と同様に、それぞれ外掛け重量比で100~1000ppm程度になっている。
図2では、パッキン本体3とクッション材8と防蟻シート9との関係の例を示している。図2(A)の実線で示すのが図1に表示した例であるが、(A)に一点鎖線で示すように、下部のクッション材8の下面に接着することも可能である。この場合は、防蟻シート9が基礎1の上面に重なるので、クッション材8には防蟻性能を保持させなくてもよい。実線のように、防蟻シート9をパッキン本体3に接着すると、基礎1の上面にはクッション材8が接するため、防蟻シート9が保護されると共に、基礎1の上面の不陸にクッション材8が馴染んで、高いシール性を確保できる利点がある(不陸の隙間から白蟻が通過することを確実にシャットアウトできる。)。
図2(B)に示す例では、クッション材8を長手部6よりも幅狭に形成した場合において、防蟻シート9を左右の長手部6に跨がるように配置している。従って、防蟻シート9の押さえ機能は(A)の場合よりも高くなる。但し、この場合は、防蟻シート9は、基礎1から立設したアンカーボルトに貫通させる必要がある(防蟻シート9のうちパッキン本体3の長手中心線の箇所にミシン線を形成しておいて、ミシン線を突き破ってアンカーボルトに貫通させると、パッキン本体3の設置を簡単かつ正確に行える。)。
下部のクッション材8を外側に寄せた場合において、図2(B)に一点鎖線で示すように、上部のクッション材8を長手部6の左右中間部に配置したり、下部のクッション材8と同様に外側寄りに配置したりすることも可能である。また、下部のクッション材8を内側に寄せて、上部のクッション材8を外側に寄せるといった態様や、上下のクッション材8を左右中間部に配置するといったことも可能である。これらのバリエーションは、図2(A)についても適用できる。
図2(C)(D)では、クッション材8の幅寸法を長手部6の幅寸法と同じ寸法に設定している。防蟻シート9の配置態様は、(C)は(A)に対応して、(D)は(B)に対応している。これら(C)(D)の例では、基礎1の上面に不陸があった場合、クッション材8による吸収性を向上できる利点がある。また、土台2との密着性にも優れている。
防蟻シート9は、基礎1の外側に大きくはみ出る幅に設定されている。はみ出し幅寸法W1は、土台2の上方に大きく立ち上げできる寸法になっている。土台2の幅は100~200mmであることが多いので、防蟻シート9のはみ出し幅寸法Wは少なくとも300mmあればよいと言える。現実的には、300~1000mmで足りる。防蟻の確実性と経済性とを考慮すると、500~600mm程度でよいと云える。
防蟻シート9は、立ち上げる前の状態ではモルタル層5の外側に垂らしているが、地面まで届かない程度の幅寸法か、届いても僅かしか地面に当たらないような寸法に設定しておくと、工事中に人に踏まれることを防止できて好適である。
図3に示すように、防蟻シート9の前後両端には、パッキン本体3の前後両側にはみ出る余長部9aを形成している。余長部9aのはみ出し幅寸法W2は、土台2(及びパッキン本体3)の幅寸法W3の半分以上であるのが好ましい。
図3に1か所だけ表示しているが、基礎1には、所定の間隔でアンカーボルト10が立設されている一方、土台2には、アンカーボルト10が嵌まる穴が空いており、土台2とパッキン本体3とは、アンカーボルト10に上からナットをねじ込むことによって基礎1に共締めされている。
そして、本実施形態でのパッキン本体3は、一対の長手部6の間の空間にアンカーボルト10が貫通するが、パッキン本体3は、長手中心線が土台2の長手中心線と重なるように、正確に位置決めすべきである。この点については、図1や図3に示すように、ブリッジ部7に位置決め穴7aを形成して、釘やピンを位置決め穴7aから基礎1に打ち込むことにより、パッキン本体3を正確に位置決めできるように配慮している。
なお、図3に一点鎖線で示すように、アンカーボルト10に平面視角形の位置決め部材11を嵌め込んで、パッキン本体3を位置決め部材11にきっちり嵌め込んだらよい。この場合は、パッキン本体3は、位置決め部材11に対して、長手方向に移動自在で横方向に移動不能に嵌まっている。
建物を構築した後には土台2には建物全体の重量が掛かるため、施工時に位置決めしておいたら、ブリッジ部7を仮固定したり位置決め部材11を使用したりしなくても、実際には、地震が起きてもパッキン本体3と基礎1とが相対動することはないと云える。
(2).基本的な施工手順
図4,5に示すように、土台2の上には所定間隔で柱12が立設されており、隣り合った柱12の間には、内装板13と外装板14とが配置されて、両者の間に壁用断熱材15が挟み込まれている。外装板14の外面には透湿防水シート16が重なっていて、透湿防水シート16は、上下長手の押さえ部材(胴縁)17の群によって外装板14に固定されている。
押さえ部材17の群の外側には、窯業系等のサイディング(外壁材)18が金具を介して配置されている。従って、透湿防水シート16とサイディング18との間には、通気空間が空いており、通気空間の下方には、水平状に長い水切り材19が配置されている。本実施形態では、長い水切り材19は土台2の外面に釘やビスで固定されており、透湿防水シート16の下端部は、水切り材19を部分的に覆っている。土台2の上には多数本の根太20が配置されており、根太20の群で床パネル21が支持されている。
建物の壁部の施工は、大まかには、基礎1を構築する、基礎1にパッキン本体3を配置する、パッキン本体3に土台2を重ねてからアンカーボルトにて基礎1に固定する、柱12の群を立設する、内装板13と壁用断熱材15と外装板14とを組み込む、透湿防水シート16を配置し固定する、サイディング18を組み付けていく、という手順で行われる。
そして、外装板14を施工した後で透湿防水シート16を施工する前の段階で、図4に示すように、防蟻シート9を上向きに立ち上げて、タッカー等によって外装板14(及び柱12)に仮保持し、次いで、透湿防水シート16を配置し、防蟻シート9と透湿防水シート16とを押さえ部材17で一緒に押さえ固定する。
これにより、防蟻シート9が土台2と外装板14とに密着するため、土台2や外装板14を白蟻からガードすることができる。すなわち、白蟻がモルタル層5を伝って土台2の高さまで這い上がったり、外側の断熱パネル4を食い進んで土台2の高さまで這い上がったりしても、白蟻が防蟻シート9に近づいたり接したりすると、防蟻剤によって死滅したり巣に逃げ帰ったりして、土台2の食害を防止できる。外装板14及び壁用断熱材15にも防蟻性を持たせておくのが好ましい。
白蟻が防蟻シート9に接触すると、チアメトキサムの成分が白蟻に付着することによって、チアメトキサムが巣に持ち帰られるため、多くの白蟻がチアメトキサムに接触して巣において多数が死滅する。従って、高い防蟻効果を得ることができる。少なくとも外側の断熱パネル4にチアメトキサム等の防蟻剤を添加しておくと、白蟻が断熱パネル4を食い進んで這い上がることはないため、土台2の保護を一層確実化できる。
基礎1に不陸があっても、その不陸はクッション材8によって埋められる。従って、白蟻が基礎1の不陸の箇所の隙間を通って内側に入り込むことはない。この場合、クッション材8に防蟻剤を配合しておくと、白蟻の撃退をより確実化できる。
この場合、クッション材8を長手部の外側寄りに配置すると、図4,5に示すように、クッション材8が潰れて土台の外側にはみ出るため(はみ出し部を符号8aで示す。)、パッキン本体3と基礎1との間に外向き開口の隙間ができることを確実に防止できる。従って、基礎1の上面に不陸があっても、パッキン本体3と基礎1との間に白蟻が侵入することを確実に防止できる。
また、実施形態のように、下部のクッション材8を外側に寄せて上部のクッション材8を内側に寄せると、パッキン本体3に対する荷重をできるだけ広い面積で分散できるため、安定性に優れている。
(3).接続部の処理
複数のパッキン本体3が直線状に配置されている場合、隣り合った防蟻シート9の余長部9aを互いに重ね合わせることにより、土台2や外装板14の露出を確実に防止できる。
図6では、建物のコーナーの処理方法を示している。建物の出隅部22では、一方の防蟻シート9の余長部9aを平面視で折り曲げて、他方の防蟻シート9の余長部9aに重ねることにより、土台2の端面と柱12の外面とを防蟻シート9でしっかりと保護できる。この場合、余長部9aの幅寸法W2が土台2の幅寸法W3の半分以上になっているため、出隅部22において、隣り合った防蟻シート9の余長部9aを確実に重ね合わせることができる。白蟻は木材の木口から食い進む性質があるが、本実施形態では、土台2の木口は防蟻シート9の余長部9aで確実に覆われるため、白蟻の食害防止を確実化できる。
防蟻シート9の余長部9aは、パッキン本体3の前後方向の外側に位置した部位9a′も有するが、防蟻シート9のうち平面視で折り曲げられるのは、土台2の外側に露出した部分だけである。従って、余長部9aに特段の処理をしていないと、上向きに立ち上がった余長部9aを折り曲げにくくなる。
この点については、図6(B)に示すように、余長部9aのうちパッキン本体3の外側に位置した部位9a′の付け根部に、パッキン本体3の端面に沿って延びる切り込み23を形成するか、図6(C)に示すように、余長部9aのうちパッキン本体3の外側に位置した部位9a′を切除するかしたらよい(切除した部分を点線で表示している。)。この切り込み23の形成や切除は、現場で行ってもよいし、出荷段階で予め形成しておいてもよい(各パッキン装置について、前後両端に切除部が形成された状態で出荷することも可能である。)。
建物の入り隅部24では、交差した土台2は互いに密着しており、かつ、両者はホゾとほぞ穴とで接合されている。従って、防蟻シート9の余長部9aは土台2の端面(木口)に重ならないようにしておくべきである。従って、図6(A)のとおり、一方の防蟻シート9の余長部9aは折り返して、他方の防蟻シート9は、余長部9aを含む部分を平面視で折り曲げて、折り返し部に重ねたらよい。
この場合も、余長部9aの折り返しを容易にするため、余長部9aのうちパッキン本体3の前後方向の外側にはみ出た部位に、(B)のように切り込み23を形成したり、(C)のように切除したりするとよい。なお、一方の防蟻シート9に折り返し部を形成せずに、折り返し部となる部分を切除してもよい。
(4).その他
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、図示した形態の他にも様々に具体化できる。例えば、パッキン本体は、全体を板状に形成したり、3本以上の長手部をブリッジ部で接続したりすることも可能である。
防蟻シートを立ち上げて柱や外装板に仮保持する手段としては、タッカーのような打ち込みファスナに代えて、接着剤や粘着テープ(片面粘着テープ又は両面粘着テープ)を使用することも可能である。この場合、防蟻シートのうち上端部になる部分に予め両面粘着テープを貼り付けておいて、現場で離型紙を剥がして貼り付けると、作業を迅速に行える。隣り合った防蟻シートの縁部を、防蟻剤入りの粘着テープで固定すると、全体としての一体性が高くなるため、好適である。
布基礎の場合は土台の内側面も防蟻シートで保護する必要があるが、この場合は、パッキン本体の両側にはみ出るように防蟻シートを取付けて、防蟻シートのうち土台の内側に位置した部分を上に引き上げて土台に固定したらよい。この場合は、防蟻シートは、金属製又は合成樹脂製の押さえ部材によって土台に固定するのが好ましい。
本願発明は、パッキン装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 基礎
2 土台
3 パッキン本体
4 断熱パネル
6 パッキン本体の長手部
7 パッキン本体のブリッジ部
8 クッション材
9 防蟻シート
9a 余長部
10 アンカーボルト
12 柱
14 外装板
15 壁用断熱材
16 防水シート
17 押さえ部材(胴縁)
18 サイディング
19 水切り材

Claims (4)

  1. コンクリート製の基礎と木製土台との間に配置される剛体構造のパッキン本体と、前記木製土台の側面を覆う防蟻シートとを備えており、
    前記パッキン本体は、前記基礎及び土台の長手方向に長く延びるロングタイプであり、前記防蟻シートが、前記パッキン本体から立ち上げて前記土台の側面を覆うように、前記パッキン本体にその全長に亙って取付けられている、木製建物用パッキン装置であって、
    前記パッキン本体の下面と上面とに圧縮変形するクッション材が取付けられており、前記防蟻シートは、前記クッション材とパッキン本体との間に挟まれた状態で取付けられているか、又は、クッション材のうち上下方向の露出面に取付けられている、
    木製建物用パッキン装置。
  2. 前記パッキン本体の長手方向を前後方向として、前記防蟻シートに、前記パッキン本体の前後両側のうち片側又は両側にはみ出た余長部を設けている、
    請求項1に記載した木製建物用パッキン装置。
  3. コンクリート製の基礎と木製土台との間に配置される剛体構造のパッキン本体と、前記木製土台の側面を覆う防蟻シートとを備えており、
    前記パッキン本体は、前記基礎及び土台の長手方向に長く延びるロングタイプであり、前記防蟻シートが、前記パッキン本体から立ち上げて前記土台の側面を覆うように、前記パッキン本体にその全長に亙って取付けられている、木製建物用パッキン装置であって、
    前記パッキン本体は、前記土台の長手中心線を挟んで両側に位置した一対の長手部と、前記一対の長手部を連結するブリッジ部とを有しており、前記防蟻シートは、一対の長手部のうち片方の長手部に取付けられている、
    木製建物用パッキン装置。
  4. 前記防蟻シートには、忌避性防蟻剤と遅効性防蟻剤とが添加されている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載した木製建物用パッキン装置。
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