JP2005053813A - 害虫の防除方法および防除剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】殺虫作用による耐性種の発生をもたらすことなく、環境中への蓄積なく、害虫に対して速やかな忌避効果を示す化合物を含有する害虫防除剤、該化合物を用いる害虫の防除方法、その方法に用いる装置の提供を課題とする。
【解決手段】以下の式(I)
【化1】
Figure 2005053813

を有する化合物を含有する害虫防除剤、該化合物を用いる害虫の防除方法、その方法に用いうる装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、以下の式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物を含有する害虫防除剤、ならびに、害虫の忌避を意図する空間内に式(I)を有する化合物の気体を特定の濃度で充満させることにより、該空間内に害虫が嫌う環境を作り、該空間外への害虫の退去を促すと同時に新たな侵入をも防ぐ害虫の防除方法および該方法において用いる装置に関する。
害虫は農作物に被害を及ぼしたり、人間に対して不快感や吸血危害を与えるのみではなく、日本脳炎、マラリア、赤痢、ペストなどの重篤な病気を媒介したり、家畜の疾病を媒介したりすることがよく知られている。昨今の食品輸入量の増大や航空旅客のグローバル化により害虫侵入の危険性は増大しており、また、地球温暖化と家屋の平均温度の上昇により害虫が越冬する可能性が生じることが予想される。さらに、特定の地域固有の農作物害虫が他の地域へと伝播したり、マラリア蚊や西ナイル熱病蚊等を始めとする熱帯性害虫が温帯地方へ上陸したりする可能性も高くなってきている。加えて、在来種の害虫に関しても、自然界の食物連鎖によって害虫個体数のバランスを自然に取る能力は、従来の農薬漬け防除によって崩れており、昨今の低農薬、無農薬の流れが家庭用防虫剤の世界にも及ぶことによって過剰繁殖の歯止めがなくなり、害虫が大発生する可能性が大きくなってきている。また、外来種の害虫は一旦上陸すると、天敵がいない環境とその旺盛な繁殖力により、短期間に大発生して人間、家畜および農作物に被害を与えることが予想され、これらの事態への対策が求められている。
従来、害虫防除剤として有機リン系、カルバメート系などの殺虫作用を有する薬剤が多用されてきたが、これらは、ヒトや家畜に対する有害性が問題となっている。近年になり、低毒性のピレスロイド系の薬剤が多数出現してきたが、その有効性発現機序が殺生物活性に基づくものである限り、ヒトや家畜の健康および環境に対する影響の懸念は排除できない。
一方、殺虫活性ではなく、忌避作用に基づく害虫防除剤が知られている。殺生物活性を有さない忌避作用に基づく害虫防除剤には、高い安全性と害虫防除性能の両立を期待することができる。従来、カ、アリ、アブ、ゴキブリなどの幅広い種類の害虫に対して忌避作用を発揮する薬剤としてN,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)が知られている。しかし、DEETは環境において生分解され難いこと、若干の神経障害性を有すること、大気中で比較的短時間で揮散してしまうため、その忌避作用を長時間にわたって維持することが困難であることなどの問題を有している。
また、人類を含む自然界が長期間に亘って慣れ親しんできた天然物の中から防虫剤になりうる化合物を探索する試みの一つとして、メントール、シトロネラール、リナロール、ゲラニオールなどのテルペン系化合物が有する忌避作用を利用する多数の提案がなされてきたが、それらの提案の多くは総炭素数10の沸点の低いモノテルペン化合物を使用するものであり、「有効期間が長いこと」および「少量で効果があること」という一般的に害虫防除剤に求められる観点からは、必ずしも実用に耐える有効性を保持しているとは言えない(非特許文献1参照)。
本発明者らは、以下の構造を有する化合物
Figure 2005053813
がダニ忌避性を有することを見出し、該化合物を含有するダニ防除剤を提案した(特許文献1参照)。このダニ防除剤は、従来公知の有機リン系、ピレスロイド系またはカルバメート系その他の殺ダニ剤と比較し、(1)殺ダニ活性が低く、強力なアレルゲンであるダニの死骸を環境中に残すことなくダニを排除することができる点、(2)ダニが耐性を獲得し難い点、(3)人や家畜に対する安全性も高い点などの利点を有するものである。
さらに、本発明者らは、上記化合物およびその類似化合物群がダニ以外の広範な害虫に対しても優れた忌避作用を有することを見出し、ファルネシルアセトンおよび水素添加によりファルネシルアセトンの二重結合を還元して安定化させた化合物群からなる害虫防除剤を提案した(国際出願番号PCT/JP03/01302,未公開)。しかし、このファルネシルアセトンおよび水素添加によりファルネシルアセトンの二重結合を還元して安定化させた化合物群は非常に沸点が高く、これらを散布してもその蒸気濃度が有効濃度に達するまでに若干の時間が必要であり、数ヶ月以上の長期間に亘って効果を持続することが求められるような用途には優れるものの、即効性を要求される用途にこれらの化合物を使用する場合には、気化を強制的に促進する気化増強手段の使用が必要であった。
一方、特許文献2、特許文献3および特許文献4には、ファルネシルアセトンよりもイソプレン単位が一つ少なく使い易い沸点を有するゲラニルアセトン
Figure 2005053813
がダニ類の誘引物質として提案されており、非特許文献2には、ダニに対する忌避作用を有する化合物の一つとしてゲラニルアセトンが記載されている。しかしながら、該化合物をダニ以外の害虫の忌避に使用しうることおよび害虫の存在が所望でない空間にゲラニルアセトンを有効濃度範囲内に保つことによって、格別顕著な忌避作用が得られることは開示されていない。
特開平10−316507号公報 特開平10−117657号公報 特開2001−247410号公報 特開2002−308706号公報 野村正人他,「日本農芸化学会誌」,1993年,第67巻,p.693−700 ダブリュー・ルワンデ(W. Lwande)他,「フィトケミストリー(Phytochemistry)」,1998年,第50巻,第3号,p.401−405
本発明は、殺虫作用による耐性種の発生をもたらすことがなく、自然界で容易に分解するので環境中への蓄積がなく、害虫に対して速やかな忌避作用を示す化合物、該化合物を用いる害虫の防除方法、その方法に用いる装置の提供を課題とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、害虫の忌避を意図する空間に気体状のゲラニルアセトンを忌避有効濃度で存在させることによって、害虫を特に効果的に防除することができ、またさらにはゲラニルアセトンのみならず、一般式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物(以下、化合物(I)ともいう)を用いた場合にそのような害虫防除効果を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 以下の式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物を含有する害虫防除剤。
〔2〕 以下の式(II)
Figure 2005053813
を有する化合物をさらに含む、〔1〕に記載の害虫防除剤。
〔3〕 式(II)を有する化合物がファルネシルアセトンである、〔2〕に記載の害虫防除剤。
〔4〕 害虫の忌避を意図する空間に以下の式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物を存在させることを特徴とする害虫の防除方法。
〔5〕 式(I)を有する化合物を気化増強手段により気体にすることを含む、〔4〕に記載の方法。
〔6〕 以下の式(II)
Figure 2005053813
を有する化合物を併用することを含む、〔4〕または〔5〕に記載の方法。
〔7〕 以下の式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物を含有する薬剤用の貯留手段と
該式(I)を有する化合物の気化増強手段と
を備える、害虫防除用の装置。
〔8〕 式(I)
Figure 2005053813
を有する化合物を含有する薬剤が、以下の式(II)
Figure 2005053813
を有する化合物をさらに含有する、〔7〕に記載の装置。
〔9〕 式(I)を有する化合物の気化増強手段が式(II)を有する化合物の気化増強手段でもある、〔8〕に記載の方法。
〔10〕 気化増強手段が式(I)を有する化合物の気化面積拡張手段である、〔7〕に記載の装置。
〔11〕 気化増強手段が式(I)を有する化合物および式(II)を有する化合物の気化面積拡張手段である、〔9〕に記載の装置。
〔12〕 気化増強手段が加熱手段である、〔7〕または〔9〕に記載の装置。
〔13〕 気化増強手段が送風手段である、〔7〕または〔9〕に記載の装置。
化合物(I)のうち、
Figure 2005053813
が二重結合であるゲラニルアセトンはトマトに含まれる天然物として公知の化合物であり、ネロリドールやファルネソール等のセスキテルペン化合物を合成するための原料として工業的にも生産されている。
このゲラニルアセトンには、二重結合への接続位置の違い(シス、トランス)に基づく、幾何異性体が2種存在する。本発明で使用する化合物(I)はその由来は天然であっても合成であってもよく、またその幾何異性体のいずれであってもよく、これら幾何異性体の混合物であってもよい。混合物である場合、その混合比は特に制限されない。
化合物(I)のうち分子内に二重結合を有するものは、保存中に空気酸化を受けて変質する恐れがあり、それを防ぐために酸化防止剤を配合するのが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE類、ブチルヒドロキシトルエン、イルガノックス1010、イルガノックス1076などのフェノール型の酸化防止剤;タンニン酸、没食子酸などのポリフェノール型の酸化防止剤が使用される。
その使用量は、化合物(I)に対して0.001〜10重量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜5重量%の範囲であるのがより好ましい。
本発明の害虫防除剤は、化合物(I)のみを有効成分として含有するものであってもよいが、必要に応じ他の有効成分を併用して用いてもよい。例えば、忌避作用を有する化合物であって長期の残効性を有するが即効性には劣るような化合物と、化合物(I)とを組み合わせることによって、短期および長期の両方の防虫効果が期待できる害虫防除剤とすることも望ましい。具体的には、例えば、化合物(I)以外に、以下の式(II)
Figure 2005053813
を有する化合物(以下、化合物(II)ともいう;例えば、ファルネシルアセトン)のような化合物(I)よりも遅効性で残効期間の長い化合物をさらに配合して、両化合物の長所(短期作用および長期作用)を兼ね備えた害虫防除剤とすることができる。
また、化合物(I)を含む害虫防除剤に、害虫防除に有効な他の成分または添加剤等を配合して製剤となし、種々の相加・相乗作用を期待することもできる。併用可能な有効成分としては、ファルネシルアセトン、フィトン、ファルネシルアセトンの部分水添物、ジエチルトルアミド、2,3,4,5−ビス(Δ2−ブチレン)−テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート・ジ−n−ブチルサクシネート、2−ヒドロキシエチルオクチルサルファイド、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1−エチニル−2−メチル−ペンテニル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、N−ヘキシル−3,4−ジクロルマレイミド、ヒノキチオール、メントール、p−メンタン−3,8−ジオール、カンファー、その他害虫に対して忌避作用を有する化合物が挙げられる。
本明細書に記載する化合物(I)を含有する害虫防除剤(以下、本発明の害虫防除剤ともいう)は、その剤形は特に限定されず、化合物(I)単独であってもよく、化合物(I)を希釈剤で希釈して得られた液剤であってもよく、その他必要な添加物を加えて任意の剤形に加工したものであってもよい。すなわち、化合物(I)を含有する害虫防除剤は液剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール、散剤、粉剤、錠剤、ペレット、カプセル、クリーム、軟膏、シートを始めとする成形物、化合物(I)を含む塗料など、いかなる剤形をもとりうる。
化合物(I)を含む液剤を作成するために用いる希釈剤は、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を及ぼさないものであれば、無機・有機を問わず、任意の希釈剤を使用することができる。例えば、溶剤、保香剤、保湿剤などが希釈剤として使用できる。その中でも、医薬品や化粧品用の原料として使用されているような安全性の高い希釈剤が望ましく、そのようなものには、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類(低沸点物)、シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ホホバオイル、スクアラン、流動パラフィン、菜種油、綿実油、桐油、椿油、その他の植物油(高沸点油)などが挙げられる。その使用量は製剤全体に対して10〜99重量%の範囲内であるのが好ましく、50〜95重量%の範囲内であるのがより好ましい。
また、本発明の害虫防除剤を水和剤とする場合、用いられる乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキル基を含む4級アンモニウム塩、脂肪族モノまたはジエタノールアミド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪族エーテル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、N−アルキルベタイン型またはスルホベタイン型の界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどの化粧品原料としても使用されている安全性の高いものが好ましい。その使用量は製剤全体に対して0.01〜10重量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜5重量%の範囲であるのがより好ましい。
また、本発明の害虫防除剤を乳化剤を含む製剤とする場合、製剤の保存安定性を高めるため増粘剤を用いることができる。増粘剤としては、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を与えないものであれば、製剤分野で通常使用されるいかなる増粘剤でも使用可能であるが、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マクロゴール、アラビアゴム、デンプンなどが挙げられる。
本発明の害虫防除剤をエアゾールとする場合、用いることのできる液化ガスには、液化石油ガス、液化プロパンガス、ジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明の害虫防除剤を、散剤、粉剤とする場合、化合物(I)を種々の担体に担持させたり、または化合物(I)をマイクロカプセル化させたりすることができる。製剤化した散剤、粉剤は、そのまま用いてもよいが、散剤、粉剤を後述の成形体の中に練りこんで使用してもよいし、例えば繊維を始めとする成形体の表面に散剤、粉剤をバインダーを用いて付着させて使用してもよいし、また、この散剤、粉剤を塗料に配合して、壁等に塗布することもできる。
本発明の害虫防除剤を散剤または粉剤とする場合、化合物(I)を担持させる担体は、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を与えないものであればいかなる担体でも使用可能であるが、例えば合成あるいは天然の多孔質無機系粒体、小麦粉や籾殻、クルミや桃の実の殻粉、木粉、木のチップ等の有機質粒体が挙げられる。
本明細書中で用いる「害虫忌避作用」とは、害虫を殺滅することなく、害虫の忌避を意図する空間内からその空間外へと害虫を追い出すか、または害虫の忌避を意図する空間内へその空間外から害虫が侵入するのを阻止する作用を示すものである。
多孔質無機系粒体とは、難溶性ないしは不溶性の無機粉体からなる多孔質粒体であり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸金属塩類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩類、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどの金属硫酸塩類、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩類、カオリン、モンモリロナイト、タルク、パイロフィライト、ゼオライトなどの粘土鉱物、その他珪藻土、軽石を砕いたものなどの天然に産出する鉱物が挙げられる。その大きさは1〜200μm、より好ましくは2〜20μmの平均粒子径を有し、50m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上のBET表面積を有するものである。この平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置など一般的な粒度分布測定装置によって粒子径を測定し、その値の平均を求めたものである。合成の多孔質無機系粒体は、金属アルコキシド等を用いたゾル・ゲル法、金属の可溶性塩を用いたイオン交換法等により合成するか、あるいは天然から得られたものを精製してまたはそのまま使用してもよい。この合成あるいは天然より得られた無機物が多孔質構造を有する固体である場合には、この多孔質固体を粉砕・篩別等の手段を用いて適宜使用し易い大きさに調整したものを担体として、これに化合物(I)を適用(例えば、含浸)してもよいが、無機物の多孔質構造が脆弱であり上述のような手法がとれない場合には、合成であるいは天然から得られた無機物を水等の溶媒に懸濁させたものをスプレードライ法により造粒したり、スラリーあるいは粉末を乾燥させながら回転させる造粒機等により所望の粒子径に造粒したりして、大きさを整え、必要な場合にはこれを焼結するなどして粒の安定性を確保し、担体とすることができる。また、変法として、4級アンモニウム塩類で処理して層間を拡大した粘土鉱物を担体として用いたり、無機粉末同士の結合を良くするための有機高分子物質から構成されるバインダーと化合物(I)とを同時に造粒して無機質担体の中に化合物(I)を導入したりすることもでき、また、化合物(I)を含有する有機高分子物質をバインダーとしてこれらの無機粉末と混合し、その混合粉末を造粒することもできる。
また、本発明の害虫防除剤を散剤、粉剤とする場合には、化合物(I)を含むマイクロカプセルを使用してもよい。そのようなマイクロカプセルとしては、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法、物理的もしくは機械的製法またはこれら公知の方法を組み合わせて調製されたマイクロカプセルが使用されうる。マイクロカプセルの壁材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ乳酸樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミンなどが挙げられる。マイクロカプセルの平均粒子径は特に限定されるものではないが、10μm〜1mmの範囲であるのが好ましく、20μm〜500μmの範囲であるのがより好ましい。この平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置など一般的な粒度分布測定装置によって粒子径を測定し、その値の平均を求めたものである。この範囲が好ましい理由は、マイクロカプセルの粒子が細か過ぎる場合には、短期間に内部の化合物(I)が放出されてしまうので、マイクロカプセル化した本発明の害虫防除剤の有効期間が短くなり、一方、あまりにマイクロカプセルの粒子が粗い場合には、成形品への練り込み等が困難になり、これを配合し得る物品の種類が限定されるからである。例えば、繊維製品にバインダーを用いてマイクロカプセル化した本発明の害虫防除剤を接着させた場合、マイクロカプセルの粒子が粗すぎると、本発明の害虫防除剤は明らかな異物と見なされて人為的に排除されたり、意図的に押し潰されて繊維製品を汚したりすることになる。
本発明の害虫防除剤をペレットやシートなどの、成形体とする場合、化合物(I)を成型体の原料となる保持物質中に吸収させて用いることができる。この保持物質としては、例えば、熱可塑性樹脂、ワックス類、ゲル類などがあり、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を与えないものであれば、いかなる保持物質でも使用可能である。固体成形体としては、顆粒状、ペレット状、棒状、シート状、塊状、フレーク状、スポンジ状などのいずれの形状であってもよく、押入散布剤、床下散布剤などとして、また室内装飾用物品、例えば床の間の置物、花瓶、カレンダーやタペストリー、蝋燭などとして使用してもよい。また、成形体はそのまままたは化合物(I)が容易に気化し得る容器に入れて屋内要所に置いて使用されうる。
化合物(I)の保持物質として使用される熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる軟質アクリル系樹脂、ゴム状部分と硬質樹脂部分とがコアシェル構造をなすように調製された軟質アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリトランスイソプレン樹脂、スチレンとブタジエンまたはイソプレンなどとをブロック共重合させて調製された熱可塑性エラストマー、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−D,L−デカラクトン、ウレタン系樹脂、ポリ乳酸などのような低融点樹脂、軟化点の低い樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂に配合される化合物(I)の量は、実験的に樹脂から化合物(I)のブリードが起こらない上限の配合量を決定し、その限度内で可能な限り多い量が本発明の害虫防除剤の有効期間を長くする観点から好ましい。例えば、熱可塑性樹脂として軟質アクリル系樹脂を用いる場合、化合物(I)の配合量は10〜50重量%の範囲であるのが好ましい。
化合物(I)の保持物質として使用されるワックス類としては、例えば、高級アルコール、キャンデリラワックス、ライスワックス、カルナバワックス、モクロウ、ミツロウ、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、パラフィンワックス、ワセリン、鯨油、牛脂などが挙げられる。これらのワックスに配合される化合物(I)の量は、実験的にワックスから化合物(I)のブリードが起こらない上限の配合量を決定し、その限度内で可能な限り多い量が本発明の害虫防除剤の有効期間を長くする観点から好ましい。例えば、ワックスとしてステアリン酸を用いる場合、化合物(I)の配合量は10〜60重量%の範囲であるのが好ましい。
化合物(I)の保持物質として使用されるゲル類としては、多量の化合物(I)を含ませるために、油性ゲルとなり得るものが好ましい。例えば、化合物(I)にステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、ジベンジリデンソルビトールなどのゲル化成分を配合し、少量のアルコールや水を用いてゲル状物を調製する。このようなゲルへの化合物(I)の配合量は10〜60重量%であることが好ましい。
本発明の害虫防除剤をより使い易いものとするため、必要に応じて他の成分、例えば、塗料、香料、着色料などを配合または併用することもできる。
また、塗料としては、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を与えない塗料であれば、いかなる塗料でも使用可能であるが、例えば、ワニス、エナメル、アセチルセルロースラッカー、エチルセルロースラッカー、アルキド樹脂塗料、塩化ビニル系や酢酸ビニル−メタクリル系やスチレン−ブタジエン系などのビニル塗料、顔料系の油性堅練ペイントなどが挙げられる。これら塗料に化合物(I)を配合する場合には、実験的に乾燥後の塗料がべたつかない上限の配合量を決定し、その限度内で可能な限り多い量が本発明の害虫防除剤の有効期間を長くする観点から好ましい。例えばワニスに配合する場合には塗料中への化合物(I)の配合量は1〜10%の範囲であることが好ましい。
香料としては、化合物(I)の害虫忌避作用に悪影響を与えないものであれば天然香料であっても合成香料であってもよく、いかなる香料でも使用可能である。化合物(I)そのものにも植物性テルペン香料の香りが有り、その香りを生かした芳香剤となし得るような、人間に心地よさを感じさせる香料の添加が好ましい。言うまでもなく生活空間で本発明の害虫防除剤を使用する場合には特に安全性の高い香料を使用するのが好ましい。天然香料としては、例えば、ベルガモット油、ハッカ油、レモングラス油、ユーカリ油、ヒバ油、シトロネラ油、サンダルウッド油などが挙げられ、合成香料としては、例えば、リナロール、酢酸リナリル、ゲラニオール、ネロリドール、シトラール、シネオール、ボルネオールなどが挙げられる。
以上の説明でも述べてきたように、本発明の害虫防除剤は公知の製剤化技術を用いて、任意の剤形に調製することができる。任意の剤形に製剤化した本発明の害虫防除剤は、各種の素材、例えば、織布、編布、湿式不織布(紙)、乾式不織布(紙)、合板、合成樹脂シート、合成樹脂板、木材などに、噴霧、塗布、含浸、展延などの操作により付与される。
本発明の害虫防除剤の有効成分である化合物(I)を、各種の樹脂中に配合し、繊維、フィルム、シート、板などの成形品に加工し、これらの成形品を各種の建材、タタミ、寝具、カーペット、ふとん綿などの住居内の害虫の生息域になる生活資材の製造原料として使用し、また該成形品を害虫防除のための部材として使用する場合、害虫防除効果を発現する前記の成形品、生活資材および各種部材も本発明の範囲に含まれる。
製剤化した場合の本発明の害虫防除剤における化合物(I)の含有量は、0.1〜99重量%の範囲であるのが好ましく、5〜99重量%の範囲であるのがより好ましい。本発明の害虫防除剤の使用量は、害虫防除効果が発現される限り特段の制限はないが、例えば、噴霧、塗布、含浸、展延などの操作の対象となる物品の単位面積1m2当たり、化合物(I)換算で0.01〜10g程度の範囲であるのが好ましく、0.1〜3g程度の範囲であるのがより好ましい。
また、化合物(I)を各種の樹脂中に配合し、繊維、フィルム、シート、板などの成形品に加工する場合、これらの成形品における化合物(I)の含有量は、1〜60重量%程度の範囲であるのが好ましく、10〜50重量%程度の範囲であるのがより好ましい。
本発明の害虫防除剤がマイクロカプセルである場合、害虫忌避濃度を達成するためのマイクロカプセルの使用量は、底面積1m2当たり1g以上であるのが好ましく、5g以上であるのがより好ましい。マイクロカプセルからの化合物(I)の放出は非常に少なく制限されており、多量に使用する場合においても、生活環境的に問題は生じないが、経済的な理由、また非常に臭気に敏感で化合物(I)の臭気を好まない人も存在するであろうことを考慮すれば、上述の例の場合には、底面積1m2当り50g以下であるのが好ましく、10g以下であるのがより好ましい。
本発明の害虫防除剤を上述のような熱可塑性樹脂に練り込んで成形することにより、害虫防除性が付与されたテープ、フィルム、シート、繊維、その他成形品とすることもできる。これらの成形品を加工することにより、害虫防除性が付与された押入れ用敷材、配置材、衣装用敷材、家具裏用配置材、畳下敷材、床用敷材、絨毯用敷材、自動車用内装材、ベッドマット、マットレス、動物用害虫駆除バンド(首輪)、ペット動物用衣料、ペット動物用敷材などとすることができる。また、本発明の害虫防除剤をバインダーを用いて繊維製品に付着させることにより、広範な繊維製品に害虫防除性を付与することができ、害虫防除性が付与された寝具やコタツ用布団などの繊維製品に加工することができる。本発明の害虫防除剤は塗料、糊剤や噴霧剤に配合することができ、建材用塗料、接着材に配合して用いたり、ペットや動物の小屋やその備品、または動物の体に吹きかけることにより、小屋や動物の体に付いた害虫を追い出すことができる。
本発明はまた、特定濃度範囲の気体状の化合物(I)を害虫の忌避を意図する空間に漂わせることによって害虫を防除する方法、およびそのための装置を提供する。本発明でいう「気体状」には、気化条件、周囲の環境条件などにより、ミスト状態も含まれる。
本明細書における「忌避有効濃度」とは、害虫を殺滅することなく、害虫の忌避を意図する空間内からその空間外へと害虫を追い出すか、または害虫の忌避を意図する空間内へその空間外から害虫が侵入するのを阻止するのに十分な濃度をいい、その濃度は忌避の対象とする害虫の種類に依存する。一度に複数種の害虫を対象としてもよい。
害虫の忌避を意図する空間は、気体状の化合物(I)の忌避有効濃度を達成するように化合物(I)の使用量や使用方法を調整すればよいため、大きさや形状等には特に制限はない。害虫の忌避を意図する空間における気体状の化合物(I)の忌避有効濃度を達成するのに十分な量の液状の化合物(I)を含有する薬剤を気化させる方法は、その目的を達成することができる方法であれば、特に限定されない。以下に、そのような方法およびこれを達成するための装置を具体的に例示する。装置に関しては、害虫の忌避を意図する空間をいくつかの小さな仮想空間に分け、その仮想空間内に適正濃度範囲の化合物(I)の気体を充満させるに適する能力を有する小型装置を一つのユニットとし、害虫の忌避を意図する空間全体の大きさに応じてユニットの数を適宜増減するものであってもよいが、化合物(I)を気化させる能力を適切な範囲に調節する手段を有するものであってもよい。例えば、化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段と、化合物(I)を気化させる気化面積拡張手段および/または加熱手段および/または送風手段を有する装置を一例にとると、気化面積を連続的あるいは段階的に調節することが可能な装置であってもよいし、加熱のために使用するエネルギーを連続的あるいは段階的に調節することが可能な装置であってもよいし、送風量を調節するものであってもよい。
本発明の方法の一実施態様として、素焼きの陶器や焼結金属等の多孔質の壁を有する容器を用い、その内部に化合物(I)を含有する薬剤を入れ、化合物(I)を含有する薬剤が容器の外表面にまで染み出すことによって、外表面の略全体より化合物(I)を気化させる方法も挙げられる。当該方法における多孔質の壁を有する容器は、本発明の装置でいう化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段に相当するものであり、また気化面積拡張手段でもある。化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段は上記の容器に限らず、化合物(I)を含有する薬剤をその気化に備えて貯留し得るものであれば、特に制限はなく、例えば、化合物(I)を含有する薬剤をガラス製やプラスチック製のビンなどの容器に収納し、密閉して流通させ、使用開始時に該容器の一部を切開するか、フタを開けて内容物を気化面積拡張手段を兼ねた容器に移す形態の貯留手段であってもよく、さらに下記に説明する気化面積拡張手段もその態様によって貯留手段たり得る。この素焼きや焼結金属の容器の気化面積を調節する手段としては、素焼きや焼結金属の容器の外表面の一部にフィルムやテープを貼ったり、一部をマスキング材で被覆したりしておくことによって気化面積を減少させることも可能であるが、素焼きや焼結金属の容器の大きさを小空間用の小さなものとしておき、空間の大きさに従って、容器を設置する個数を増減することも調節手段として有効である。
また別の実施態様としては、布状、紐状もしくはスポンジ状の広い表面積を有する気化面積拡張手段の一端を化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段に浸漬することにより、毛管現象によって気化面積拡張手段に化合物(I)を含有する薬剤を染込ませるか、または気化面積拡張手段に化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段から化合物(I)を含有する薬剤を連続的に供給することにより染込ませ、気化面積拡張手段の表面より化合物(I)を蒸発させる方法が挙げられる。この方法で使用される気化面積拡張手段の例としては、パルプ、綿、麻などの天然繊維、ポリエステルなどの合成繊維、ガラス繊維などから製造された紙、織物、編物、フェルト、不織布、合成樹脂やガラスを多孔質構造にしたスポンジ状の成形体、さらには、合成樹脂やガラスから製造された中空糸からなる束、編物、織物などが挙げられるが、化合物(I)を含有する薬剤の気化面積を拡張するものであれば特に限定されない。またその気化に必要な広い表面積は、気化面積拡張手段の素材等の条件によって変化し、害虫の忌避を意図する空間の体積が異なり得るために具体値を示すことは困難であるが、表面積が広ければ広いほど効率的に気化を促すことが可能である。多孔質の物質の表面積や繊維製品の表面積を測定するのは非常に困難であるが、少なくとも5cm2、好ましくは10cm2以上の表面積を有していることが実用的である。この気化面積拡張手段の表面積は、空気中に露出している布状、紐状もしくはスポンジ状の広い表面積を有する気化面積拡張手段の面積を増減することにより調節可能であり、その調節方法は、アルコールランプの芯を引っ張り出してより大きな炎を発生させるようにする操作と同様に、気化面積拡張手段をより多く空気中に露出させて摩擦力でその出し具合を固定する方法であってもよいし、石油ランプの灯芯をハンドルで上下するように、気化面積拡張手段を歯車のような調節具で任意の位置に引っ張り出したり、その位置を固定したりするものであってもよい。
本発明は、化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段と気化増強手段とを備える装置であって、化合物(I)の気化量を増やすことによって格別顕著な害虫防除効果を奏する装置も提供する。化合物(I)を含有する薬剤は、必要に応じ、化合物(II)をさらに含有していてもよい。この装置はさらに、気化速度を調節することによって害虫防除作用の調節を可能にしうる温度制御手段を備えることが好ましい。またこのような装置は、送風手段に供給する電圧を制御する手段をさらに用いて、気化促進に用いられる空気の量を調節することにより、害虫防除作用を適切に調節することも可能である。
気化増強手段としては、化合物(I)の気化を増大させうる手段であれば特に限定されず、いかなる手段をも使用することができ、そのような手段には例えば、加熱手段や送風手段が挙げられる。気化増強手段は化合物(II)の気化を増大させうる能力を兼ね備えてもよいし、また化合物(II)の気化増強手段を化合物(I)の気化増強手段とは別途に設けてもよい。
加熱手段としては、ニクロム線などの電熱線、パイロットランプのような低エネルギー光源による発熱などが挙げられる。また、温度制御手段としては、バイメタルが最も簡便であるが、熱電対、サーミスタなどで検出した温度をCPUに入力して熱電線に供給する電力を制御する方式であってもよい。
また、送風手段を気化増強手段として用いる場合、化合物(I)を含有する薬剤を染込ませた気化面積拡張手段に送風手段を用いて送風することによって化合物(I)を強制的に気化させる装置の使用が例示される。そのような送風手段としては、プロペラ式、シロッコ式などのファン、膜と弁を有するポンプ(例えば、金魚の飼育で水槽に空気をバブリングするといった使われ方をするようなポンプ)などが挙げられる。
また、広い表面積を有する気化面積拡張手段に化合物(I)を含有する薬剤を塗布または散布して、害虫を防除する方法が挙げられる。この場合、気化面積拡張手段は化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段にも相当するものである。また、気化増強手段の場合と同じように、化合物(I)の気化面積拡張手段が化合物(II)の気化面積拡張手段としての能力を兼ね備えてもよいし、化合物(II)の気化面積拡張手段を化合物(I)の気化面積拡張手段とは別途設けてもよい。そのような塗布・散布手段の例としては、刷毛、スプレー、ビン状の容器からの直接散布、スポイトを用いる滴下、ジョウロを使用する散布などが挙げられる。この薬剤を塗布または散布する対象となる物品としては、例えば、絨毯、畳、布団、ぬいぐるみ、花筒、花瓶、置物、造花、その他通常家屋内に配置される物品が挙げられる。気化面積拡張手段への塗布および散布は、単回でも複数回でもよいし、塗布・散布を適宜組み合わせて行ってもよい。複数回塗布または散布を行う場合、各塗布または散布間の期間を化合物(I)の消失時間の実測ないしは理論的推定により算出し、その期間が切れる前または切れる毎に塗布または散布することが好ましく、その旨を記載した使用説明書を添付することを推奨する。
このような使用法で用いるために、また本発明の一実施態様として、化合物(I)を含有する薬剤をフローリングワックスやその他の艶だし剤に配合し、ディスポーザブルモップや再生可能なモップなどに含浸させて、窓や扉の敷居、網戸などに塗布する方法も挙げられる。かかる方法に使用する害虫防除剤としては、化合物(I)以外に、化合物(I)よりも害虫防除作用の残存期間が長い化合物をさらに配合した害虫防除剤が好ましく、それを広い表面積から蒸発させ、室内または塗布面近傍に化合物(I)の蒸気を充満させることにより、害虫の侵入を防ぎかつ追い出すことができる。化合物(I)よりも害虫防除作用の残存期間が長い化合物としては、化合物(II)が好ましく、ファルネシルアセトンがさらに好ましい。化合物(I)を含有する薬剤を付着された物品は化合物(I)を含有する薬剤用の貯留手段と気化面積拡張手段に相当するものである。
化合物(I)を忌避有効濃度で気体状にするための手段・方法には、害虫防除剤を使用する目的に応じて害虫防除剤の使用量を正確に管理する方法もある。例えば、植物の芽が出る時期には害虫を忌避し、花が咲く時期には昆虫に受粉させる場合のように、ある期間のみに効果を発揮して、それ以降は防虫効果を消失させる必要がある場合や、倉庫の中に貯蔵した食物等に対し倉庫内に在る間は害虫の接近を防ぐ必要があるが、食物等を倉庫から出した後には速やかに防虫剤が消失して欲しい場合の用途もある。また、ある害虫の産卵時期にはその害虫の人畜への接近を阻止したいが、産卵時期が過ぎればその害虫の存在は問題にならないケースもある。そのような場合には害虫防除剤に配合する有効成分として残効期間の長い化合物は使用せず、比較的沸点の低い化合物(I)を多く使用し、忌避させたい期間に応じて害虫防除剤中の化合物(I)の含有濃度と害虫防除剤の使用量を管理することにより使用目的に応じた害虫忌避作用をあげることができる。例えば、本発明の害虫防除剤を、化合物(I)の気体濃度が適正濃度で存在させるに適切な一回分の使用量を分包容器に入れ、害虫の忌避を意図する空間の体積あたりの使用量を推奨して供給することが好ましい。例えば、空間内に化合物(I)の気体を忌避有効濃度で存在させ続けるのに必要な量の薬剤を1アンプルに入れ、使用時に忌避を希望する空間の体積に応じた数のアンプルを開封、気化させて、所望の期間に限定した害虫防除作用を狙うことを推奨することも可能である。
また、化合物(I)の害虫防除作用を長期間に亘り得るために、化合物(I)の気化を抑制する必要が生じる場合があり、そのためには化合物(I)を前述したマイクロカプセルに入れたり、高沸点の液体に溶解させてモル分率を下げたり、熱可塑性樹脂やワックスや油性ゲルの中に含ませたりすることによって、化合物(I)の害虫防除作用の長期化が可能である。
本発明が防除対象とする害虫は、昆虫綱、ムカデ綱、コムカデ綱、ヤスデ綱、ヤスデモドキ綱、腹足綱、ヒル綱に属するものである。これには、例えば、
ミゾガシラシロアリ科、レイビシロアリ科、オオシロアリ科、シロアリ科などの等翅目に属する害虫、
チャバネゴキブリ科、ゴキブリ科、バッタ科、キリギリス科、コオロギ科、ケラ科などの直翅目に属する害虫、
アブラムシ科、ウンカ科、ヨコバイ科、ヒメヨコバイ科、カメムシ科、ツチカメムシ科、マルカメムシ科、ツノカメムシ科、ヘリカメムシ科、ナガカメムシ科、メクラカメムシ科、コナカイガラムシ科、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科、コナジラミ科、キジラミ科などの半翅目に属する害虫、
カツオブシムシ科、コガネムシ科、テントウムシ科、カミキリムシ科、ハムシ科、キクイムシ科、ゾウムシ科、オサゾウムシ科、マメゾウムシ科などの甲虫目に属する害虫、
アリ科、ハバチ科、スズメバチ科、キバチ科、タマバチ科などの膜翅目に属する害虫、
カ科、イエバエ科、タマバエ科、キモグリバエ科、ミバエ科、ハモグリバエ科、ユスリカ科、ハナバエ科などの双翅目に属する害虫、
スガ科、ヤガ科、ヒロズコガ科、ハモグリガ科、ホソガ科、コハモグリ科、スズメガ科、スカシバガ科、ハマキガ科、メイガ科、ドクガ科、スズメガ科、アゲハチョウ科、シロチョウ科などの鱗翅目に属する害虫
など昆虫綱に属する害虫;
ナメクジ科などの腹足綱に属する害虫;ヒル綱に属する害虫
などが挙げられる。
さらに具体的には、例えば、以下のものが例示される。
I.昆虫綱
・ミゾガシラシロアリ科
ヤマトシロアリ、イエシロアリなど
・レイビシロアリ科
サツマシロアリなど
・オオシロアリ科
オオシロアリなど
・チャバネゴキブリ科
チャバネゴキブリ、ヒメチャバネゴキブリなど
・ゴキブリ科
クロゴキブリ、ワモンゴキブリなど
・バッタ科
ツチバッタ、ツチイナゴなど
・アブラムシ科
エンドウヒゲナガアブラムシ、リンゴアブラムシ、ダイコンアブラムシなど
・ウンカ科
ヒメトビウンカなど
・ヨコバイ科
イネマダラヨコバイ、リンゴマダラヨコバイなど
・カメムシ科
アオクサカメムシ、イネカメムシなど
・コナカイガラムシ科
イネネコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシなど
・コナジラミ科
イチゴコナジラミ、オンシツコナジラミなど
・キジラミ科
リンゴキジラミ、ナシキジラミなど
・カツオブシムシ科
ヒメマルカツオブシムシ、ヒメカツオブシムシなど
・コガネムシ科
カナブン、クロコガネ、ハナムグリなど
・テントウムシ科
ジュウニマダラテントウ、ニジュウヤホシテントウなど
・カミキリムシ科
ゴマダラカミキリ、リンゴカミキリ、ノコギリカミキリなど
・ハムシ科
ウリハムシ、イチゴハムシ、イネネクイハムシなど
・キクイムシ科
ニホンキクイムシ、マツノキクイムシ、ミカンノキクイムシなど
・アリ科
クロオオアリ、ミカドオオアリ、クロヤマアリなど
・ハバチ科
イチゴハバチ、モモハバチなど
・スズメバチ科
スズメバチ、キイロスズメバチなど
・カ科
アカイエカ、コガタアカイエカなど
・イエバエ科
イエバエ、クロイエバエ、オオイエバエなど
・タマバエ科
ミカンツボミタマバエ、リンゴツボミタマバエなど
・キモグリバエ科
イネキモグリバエ、ムギキモグリバエなど
・ミバエ科
ミカンバエ、ウリミバエ、カボチャミバエなど
・ハモグリバエ科
イネハモグリバエ、アブラナハモグリバエなど
・ユスリカ科
イネユスリカなど
・スガ科
コナガ、リンゴスガなど
・ヤガ科
タマナキンウワバ、イネヨトウなど
・ヒロズコガ科
コクガ、イガなど
・ハモグリガ科
モモハモグリガなど
・ホソガ科
リンゴホソガ、ナシホソガなど
・コハモグリガ科
ミカンハモグリガ、ブドウハモグリガなど
・スズメガ科
ブドウスズメ、モモスズメなど
・スカシバガ科
コスカシバ、ブドウスカシバなど
・ハマキガ科
リンゴモンハマキ、イチゴオオハマキなど
・メイガ科
モモノメイガ、ニカメイガなど
・ドクガ科
マイマイガ、リンゴドクガなど
・スズメガ科
モモスズメなど
・シロチョウ科
モンシロチョウ、モンキチョウなど
・アゲハチョウ科
アゲハ、クロアゲハなど
II.サソリ綱
ダイオウサソリなど
III.ムカデ綱
アカズムカデ、イッスンムカデ、ゲジ、ヨコジムカデなど
IV.コムカデ綱
ナミコムカデ、ミゾコムカデ、サヤコムカデなど
V.ヤスデ綱
キシャヤスデ、ヒメヤスデ、ミコシヤスデ、フトケヤスデなど
VI.ヤスデモドキ綱
ヤスデモドキなど
VII.腹足綱
チャコウラナメクジ、フタスジナメクジ、キイロナメクジなど
VIII.ヒル綱
チスイヒル、シマイシヒルなど
このように広範囲の害虫に適用可能であることから、本発明の害虫防除剤は、各種害虫からの農作物、貯蔵穀物などの保護、生活環境などの安全衛生面の改善などに有効に利用される。
本発明の害虫防除剤は、昆虫綱に属する害虫に適用するのが好ましく、等翅目、直翅目、半翅目、膜翅目、双翅目に属する害虫に適用するのがより好ましく、ミゾガシラシロアリ科、レイビシロアリ科、オオシロアリ科、チャバネゴキブリ科、ゴキブリ科、アリ科、カ科に属する害虫に適用するのがさらに好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
参考例:ゲラニルアセトンとファルネシルアセトンとの揮発性の違い
3cm×5cmの長方形の濾紙を、酸化防止剤としてビタミンEを1%添加した供試材料に含浸し、その濾紙を25±2℃の大気中に開放、放置し、それぞれの供試材料の重量変化を経時的に追跡した。試験は3回行い、得られた値を平均した。結果を表1に示す。
Figure 2005053813
炭素数13のゲラニルアセトン(C1322O;分子量194)は炭素数18のファルネシルアセトン(C1830O;分子量262)に比較して、その気化性ははるかに優れており、約1週間で90%以上のゲラニルアセトンが蒸散していた。
一方、ゲラニルアセトンの23℃における蒸気圧は1×10-2mmHgであったが、1気圧22.4Lの空気の中にこの蒸気圧を占めるゲラニルアセトンが混入するとして計算するとゲラニルアセトンが空気中に飽和した状態の濃度は110μg/Lである。ゲラニルアセトンがミストとして供給された場合には、その濃度はもっと濃くなる。
1)イエシロアリに対する忌避試験
直径8mmの濾紙を、表2に示す供試材料(およびその濃度)のアセトン溶液に浸漬し、供試材料を含ませた濾紙を風乾したものを試験試料とした。直径8mmの濾紙を供試材料を含まないアセトンに含浸させて風乾させたものを比較試料とした。
直径9cmのシャーレの下皿に、シャーレの底面を試験区と対照区の2つの区域に分けるようにシャーレ中央部に約5mmの溝ができるように適度に吸水させた石英砂を1mm程度の厚みで敷き詰めた。
シャーレ上の試験区に上記の試験試料を3枚、対照区に比較試料を3枚設置し、イエシロアリの職蟻10匹を投入し、温度28±2℃、湿度70%以上の恒温恒湿器内で飼育し、所定時間ごとに観察して試験区と対照区にいるイエシロアリの数を数えた。この試験を3回繰り返し、3回分の結果を総合して忌避率を計算した。忌避率は以下の式により計算し、%表示した。結果を表1に示す。
Figure 2005053813
Figure 2005053813
以上の結果より、以前に本発明者らが提案したファルネシルアセトンのイエシロアリに対する忌避作用の発現は若干緩やかで、ファルネシルアセトンを適用してから強力な効果を発揮するまでに1〜2日間を要するのに対し、ゲラニルアセトンはイエシロアリに対して非常に短時間のうちに強力な忌避作用を発揮し、即効性に優れることが分かった。
また、ファルネシルアセトンとゲラニルアセトンとを混合して用いると、忌避作用の発現までに要する時間が短くかつ忌避作用の持続性も長いという、両化合物の長所を併せ持つ害虫防除剤となりうることが明らかとなった。
2)オオクロアリに対する忌避試験
直径10cmの濾紙を表3に示す供試材料の1%濃度のアセトン溶液に浸漬し、供試材料を含ませた濾紙を風乾したものを試験試料とし、無処理のものを対照試料とした。初夏の日中に活発なオオクロアリの巣を1つ選び、試験当日に作成した上記試験試料のうちの1つをオオクロアリの巣の入口を中心とする直径50cmの同心円を三等分した地点に置き、試験試料の中心に粉砂糖約1gをおいた。1時間経過後に試験試料上の砂糖に集まったアリを透明な粘着シートで捕獲する試験を、試験試料の位置を変えながら、3回続けて繰り返した。捕獲されたアリの数を計数した。結果を表3に示す。
Figure 2005053813
3)ヤブカに対する忌避試験
表4に示す供試材料の5%濃度のアセトン溶液を調製した。盛夏の正午過ぎより夕方にかけて、半袖シャツを着用した被験者が、前述のアセトン溶液を右前腕部にスプレーし、周囲に木立のある畑地にて1時間読書をしていた際に、供試材料をスプレーした右前腕部より吸血した蚊の数と、スプレーしなかった左前腕部より吸血した蚊の数とを比較した。右前腕部が試験側で、左前腕部が対照側である。
Figure 2005053813
4)ゴキブリに対する忌避試験
ゲラニルアセトン10gとファルネシルアセトン20gとを軟質アクリル系樹脂(商品名パラペットSA−N、株式会社クラレ製)150gに混合し、室温にて15分馴染ませてから2本ロール混錬機にて130℃にて1分間溶融混錬し、135℃にて50kg/cm2で1分間プレス成形して、厚み0.3mmの軟らかいゴム状シートを試作した。このゴム状シートを切断して幅1cmのテープを作成し、このテープを住居の冷蔵庫の下と、床と壁との接合部に貼り付けておくと、このテープを貼付した部屋にはゴキブリが出没しなくなった。
5)ムカデ等に対する忌避
ゲラニルアセトン10gとファルネシルアセトン20gとを木粉1kgに混合し、均一に撹拌してゲラニルアセトンとファルネシルアセトンとを含む粉末を試作し、これを山の近くの古い住居の床下および犬走りに撒いたところ、その晩から1年以上、ムカデ、ヤスデ、アリ等の出没が見られなかった。
6)ゲラニルアセトンを室内に揮散させる装置
直径7cmで高さが2.5cmの円筒状の薬剤貯留部の上部が絞られて内径1.5cmの開口部を持つガラスビンに、ビンの内外を直径8mmの木綿のマルチフィラメントからなる紐状の蒸発面積拡張手段が連通するための穴を持つ中栓を設け、その中栓と木綿の紐とが自在に引き出したり押し込んだりすることが可能で、中栓と紐との摩擦力で紐を任意の位置で固定可能な装置を、ゲラニルアセトンの気化装置として用いた。薬剤貯留部にゲラニルアセトンを注入し、一端をゲラニルアセトンの液中に浸漬した蒸発面積拡張手段を中栓の上端より3cm引き出し、マルチフィラメントをバラバラにほぐして、この装置2個を換気回数1時間当たり3回で広さ10m2の部屋の一隅に置いた。2時間後にこの部屋に入ったところ、この部屋の中にゲラニルアセトンの植物系香料的な香りはするが、検出限界5μg/Lのガスクロマトグラフィーではゲラニルアセトンの濃度は検出できなかった。しかし、その後、数週間にわたりこの部屋への蚊やゴキブリの侵入は見られなかった。
本発明によれば、従来の殺虫作用による害虫防除に見られるような耐性種の発生をもたらすことがなく害虫を防除することが可能である。また本発明で使用する化合物は、害虫に対して忌避効果に基づく速やかな防除作用を示すばかりでなく、自然界で容易に分解するので環境中への蓄積がない。

Claims (13)

  1. 以下の式(I)
    Figure 2005053813
    を有する化合物を含有する害虫防除剤。
  2. 以下の式(II)
    Figure 2005053813
    を有する化合物をさらに含む、請求項1に記載の害虫防除剤。
  3. 式(II)を有する化合物がファルネシルアセトンである、請求項2に記載の害虫防除剤。
  4. 害虫の忌避を意図する空間に以下の式(I)
    Figure 2005053813
    を有する化合物を存在させることを特徴とする害虫の防除方法。
  5. 式(I)を有する化合物を気化増強手段により気体にすることを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 以下の式(II)
    Figure 2005053813
    を有する化合物を併用することを含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 以下の式(I)
    Figure 2005053813
    を有する化合物を含有する薬剤用の貯留手段と
    該式(I)を有する化合物の気化増強手段と
    を備える、害虫防除用の装置。
  8. 式(I)
    Figure 2005053813
    を有する化合物を含有する薬剤が、以下の式(II)
    Figure 2005053813
    を有する化合物をさらに含有する、請求項7に記載の装置。
  9. 式(I)を有する化合物の気化増強手段が式(II)を有する化合物の気化増強手段でもある、請求項8に記載の方法。
  10. 気化増強手段が式(I)を有する化合物の気化面積拡張手段である、請求項7に記載の装置。
  11. 気化増強手段が式(I)を有する化合物および式(II)を有する化合物の気化面積拡張手段である、請求項9に記載の装置。
  12. 気化増強手段が加熱手段である、請求項7または9に記載の装置。
  13. 気化増強手段が送風手段である、請求項7または9に記載の装置。

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