JP2016006024A - 徐放性粒子、その製造方法、成形材料および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】徐放性に優れながら、耐アルカリ性に優れ、かつ、堅牢な徐放性粒子、その製造方法、この徐放性粒子を用いた成形材料および成形品を提供すること。【解決手段】徐放性粒子1の製造方法は、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備え、油相成分調製工程、水分散工程および重合工程のいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させ、重合工程では、重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェル7を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、徐放性粒子、その製造方法、成形材料および成形品、詳しくは、抗生物活性化合物を徐放する徐放性粒子、その製造方法、成形材料および成形品に関する。
殺虫剤、防虫剤、防蟻剤、殺菌剤、防腐剤、除草剤、防藻剤、忌避剤などの抗生物活性化合物をマイクロカプセル化することにより、抗生物活性化合物を徐放して、効力持続性を担保する粒子が知られている。
例えば、ネオニコチノイド系化合物、分散媒およびポリイソシアネート成分を含むスラリーを水分散させ、その後、ポリアミンを配合して界面重合することにより、ネオニコチノイド系化合物をマイクロカプセル化する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2000−247821号公報
しかるに、粒子には、用途および目的によっては、徐放性が要求される場合がある。しかし、特許文献1に記載のような方法によって得られるマイクロカプセルは、上記した要求を十分に満足できないという不具合がある。
また、粒子には、耐アルカリ性が要求される場合がある。しかし、特許文献1に記載のマイクロカプセルは、上記した要求を十分に満足できないという不具合がある。
さらに、特許文献1に記載のマイクロカプセルを樹脂やゴムに対して混練するときに、マイクロカプセルが混練時の剪断によって破壊されるという不具合がある。
本発明の目的は、徐放性に優れながら、耐アルカリ性に優れ、かつ、堅牢な徐放性粒子、その製造方法、この徐放性粒子を用いた成形材料および成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記した目的の徐放性粒子、その製造方法、この徐放性粒子を用いた成形材料および成形品について鋭意検討したところ、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備え、重合工程では、重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成する製造方法により、徐放性および耐アルカリ性に優れ、堅牢な徐放性粒子、これを用いた成形材料および成形品を得ることができるという知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)
溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、前記疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、前記油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備え、前記油相成分調製工程、前記水分散工程および前記重合工程の少なくともいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させ、前記重合工程では、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、前記疎水性シェル形成成分および前記親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成することを特徴とする、徐放性粒子、
(2)
界面重合を、懸濁重合の開始と同時に開始し、または、懸濁重合の開始より前に開始することを特徴とする、上記(1)に記載の徐放性粒子、
(3)
前記疎水性シェル形成成分が、ポリイソシアネートを含有し、前記親水性シェル形成成分が、ポリアミンを含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の徐放性粒子、
(4)
前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の徐放性粒子、
(5)
前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、上記(4)に記載の徐放性粒子、
(6)
重合体からなるマトリクスと、重合体を生成するためのモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物からなり、前記マトリクス中に分散するドメインと、前記マトリクスを被覆するシェルとを含むことを特徴とする、徐放性粒子、
(7)
前記シェルは、ポリウレアからなることを特徴とする、上記(6)に記載の徐放性粒子、
(8)
前記シェルの表面に、抗生物活性化合物が付着していることを特徴とする、上記(6)または(7)に記載の徐放性粒子、
(9)
前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、上記(6)〜(8)のいずれか一項に記載の徐放性粒子、
(10)
前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、上記(9)に記載の徐放性粒子、
(11)
粒剤として調製されていることを特徴とする、上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の徐放性粒子、
(12)
熱可塑性樹脂と、上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の徐放性粒子とを含有することを特徴とする、成形材料、
(13)
熱可塑性樹脂と、上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の徐放性粒子とを含有することを特徴とする、成形品、
(14)
溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、前記疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、前記油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備え、前記油相成分調製工程、前記水分散工程および前記重合工程の少なくともいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させ、前記重合工程では、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、前記疎水性シェル形成成分および前記親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成することを特徴とする、徐放性粒子の製造方法、
(15)
重合工程では、界面重合を、懸濁重合の開始と同時に開始し、または、懸濁重合の開始より前に開始することを特徴とする、上記(14)に記載の徐放性粒子の製造方法、
(16)
前記疎水性シェル形成成分が、ポリイソシアネートであり、前記親水性シェル形成成分が、ポリアミンであることを特徴とする、上記(14)または(15)に記載の徐放性粒子の製造方法、
(17)
重合工程により得られた懸濁液と固体担体とを配合し、それらを乾燥させて、粒剤を調製する工程をさらに備えることを特徴とする、上記(14)〜(16)のいずれか一項に記載の徐放性粒子の製造方法、
(18)
前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、上記(14)〜(17)のいずれか一項に記載の徐放性粒子の製造方法、
(19)
前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、上記(18)に記載の徐放性粒子の製造方法
である。
本発明の徐放性粒子は、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備える製造方法により得られるので、徐放性および耐アルカリ性に優れ、堅牢な徐放性粒子を得ることができる。
本発明の徐放性粒子の製造方法によれば、堅牢であるとともに、徐放性および耐アルカリ性に優れる徐放性粒子を得ることができる。
さらに、本発明の徐放性粒子は、重合工程では、重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成するので、抗生物活性化合物の内包率を高くすることができるとともに、抗生物活性化合物の耐アルカリ性に優れる。
本発明の徐放性粒子は、重合体からなるマトリクスと、抗生物活性化合物からなるドメインであって、マトリクス中に分散するドメインとを含むので、抗生物活性化合物の徐放性に優れるとともに、堅牢性に優れるため、樹脂との混練性に優れる。
さらに、本発明に徐放性粒子は、マトリクスを被覆するシェルを含むので、抗生物活性化合物の徐放性および耐アルカリ性に優れる。
本発明の成形材料は、上記した徐放性粒子を含有するので、本発明の成形品に、抗生物活性化合物の優れた徐放性および耐アルカリ性を付与することができる。
図1は、本発明の徐放性粒子の第1実施形態の概略断面図を示す。 図2は、本発明の徐放性粒子の第2実施形態の概略断面図を示す。 図3は、実施例1の徐放性粒子のSEM写真の画像処理図を示す。 図4は、実施例2の徐放性粒子のSEM写真の画像処理図を示す。 図5は、実施例6の徐放性粒子のSEM写真の画像処理図を示す。 図6は、実施例30の徐放性粒子のSEM写真の画像処理図を示す。 図7は、実施例35の徐放性粒子のSEM写真の画像処理図を示す。 図8は、実施例2の徐放性粒子のTEM写真の画像処理図を示す。 図9は、参考例1の徐放性粒子のTEM写真の画像処理図を示す。 図10は、参考例2の徐放性粒子のTEM写真の画像処理図を示す。 図11は、参考例3の徐放性粒子のTEM写真の画像処理図を示す。
<徐放性粒子の製造方法の説明>
本発明の徐放性粒子の製造方法について説明する。
徐放性粒子の製造方法は、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程を備える。また、徐放性粒子の製造方法では、油相成分調製工程、水分散工程および重合工程の少なくともいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させる。
この徐放性粒子の製造方法では、好ましくは、油相成分調製工程において、抗生物活性化合物を重合性ビニルモノマー中に分散して疎水性スラリーを調製し、次いで、疎水性スラリーと疎水性シェル形成成分とを配合して、疎水性スラリーおよび疎水性シェル形成成分を含む油相成分を調製する。また、徐放性粒子の製造方法では、好ましくは、水分散工程および重合工程の少なくともいずれかの工程において、親水性シェル形成成分を含有させ、より好ましくは、重合工程において、親水性シェル形成成分を配合する。
以下、上記した抗生物活性化合物、重合性ビニルモノマー、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分について順次説明する。
(抗生物活性化合物)
抗生物活性化合物としては、殺虫(殺蟻を含む)、防虫(防蟻を含む)、殺菌、抗菌、防腐、除草、防藻、防かびなどの抗生物活性を有する、殺虫剤(殺蟻剤を含む)、防虫剤(防蟻剤を含む)、殺菌剤、抗菌剤、防腐剤、除草剤、防藻剤、防かび剤、誘引剤、忌避剤および殺鼠剤などから選択される。
具体的には、抗生物活性化合物として、例えば、殺虫剤としては、クロチアニジン((E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン)、イミダクロプリド(1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン)、チアクロプリド、チアメトキサム((EZ)−3−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン(ニトロ)アミン)、ジノテフランなどのネオニコチノイド系殺虫剤、フルベンジアミド、クロラントラニリプロールなどのジアミド系、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、テブフェノジド、メトキシフェノジド、シロマジンなどの昆虫成長制御剤、クロフェンテジンなどの殺ダニ剤、ピメトロジン、オレイン酸ナトリウムなどのその他合成薬剤などが挙げられる。例えば、殺菌剤としては、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、オキシン銅などの銅系殺菌剤、金属銀などの銀系殺菌剤、ポリカーバメートなどの有機硫黄系殺菌剤、フサライド、トリシクラゾールなどのメラニン生合成阻害剤、チオファネートメチル、カルベンダジン(MBC)、ジエトフェンカルブなどのベンゾイミダゾール系殺菌剤、イソチアニルなどの酸アミド系殺菌剤、トリホリンなどのステロール生合成阻害剤、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾロン系殺菌剤、ジクロミジン、フルオルイミド、キャプタン、クロロタロニル、キノチメオアート、オキソリニック酸、ベンチアバリカルブイソプロピル、ジアゾファミド、ジンクピリチオンなどのその他合成阻害剤などが挙げられる。例えば、除草・防藻剤としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、クミルロン、カルブチレートなどの尿素系薬剤、エトキシスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、ニコスルフロン、チフェンスルロンメチル、イマゾスルフロン、シクロスルファムロン、フルセトスルフロン、トリフロキシスルフロンナトリウム塩などのスルホニルウレア系薬剤、シマジン(CAT)、アトラジン、トリアジフラム、レナシル、シブルトリン、テルブトリンなどのトリアジン系薬剤、グリホサートなどのアミノ酸系、フルミオキサジンなどのフェニルフタルイミド系、メソトリオンなどのトリケトン系、キノクラミン、ピリフタリドなどのその他薬剤などが挙げられる。抗生物活性化合物として、好ましくは、種選択性、安全性の観点から、ネオニコチノイド系殺虫剤、および、汎用性、効力の観点からジンクピリチンが挙げられ、より好ましくは、難溶性の観点から、クロチアニジン、イミダクロプリド、ジンクピリチオンが挙げられ、さらに好ましくは、クロチアニジン、イミダクロプリドが挙げられる。とりわけ好ましくは、哺乳動物に対する安全性の観点から、クロチアニジンが挙げられる。
抗生物活性化合物は、実質的に疎水性であって、具体的には、例えば、水に対する室温(20〜30℃、より具体的には、25℃)における溶解度が極めて小さく、より具体的には、例えば、室温の溶解度が、1.5質量部/水100容量部(15g/L)以下、好ましくは、0.5容量部/水100質量部(5g/L)以下、さらに好ましくは、0.1質量部/水100容量部(1g/L)以下である。
抗生物活性化合物は、重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性であって、具体的には、例えば、重合性ビニルモノマーに対する室温(20〜30℃、より具体的には、25℃)における溶解度が極めて小さく、具体的には、室温の溶解度が、例えば、0.1質量部/(使用する)重合性ビニルモノマー(混合物)100容量部(1g/L)以下、好ましくは、0.05質量部/(使用する)重合性ビニルモノマー(混合物)100容量部(0.5g/L)以下である。
また、抗生物活性化合物の融点は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、抗生物活性化合物が金属原子を含まない化合物であれば、例えば、300℃以下である。
(重合性ビニルモノマー)
重合性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、芳香族ビニルモノマー、ビニルエステル系モノマー、マレイン酸エステル系モノマー、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、窒素含有ビニルモノマー、架橋性モノマーなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、メタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルであって、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル(i−BMA/i−BA)、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのアルキル部分が直鎖状、分岐状または環状の炭素数1〜6のアルキル部分を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル部分を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、とりわけ好ましくは、メタクリル酸イソブチル(i−BMA)が挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン(ビニルベンゼン)、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー(モノビニルベンゼン)などが挙げられる。
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸エステル系モノマーとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニルとしては、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニリデンとしては、例えば、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
窒素含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、ビニルピリジンなどが挙げられる。
架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのモノまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(PETA/PETM)などのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系架橋性モノマー、例えば、アリル(メタ)メタクリレート、トリアリル(イソ)シアヌレートなどのアリル系モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの芳香族架橋性モノマーが挙げられる。好ましくは、モノまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、より好ましくは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンが挙げられる。
重合性ビニルモノマーは、単独使用または併用することができる。
重合性ビニルモノマーとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと架橋性モノマーとの組合せ、芳香族ビニルモノマーと架橋性モノマーとの組合せが挙げられる。
重合性ビニルモノマーが(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと架橋性モノマーとの組合せである場合には、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの含有割合は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと架橋性モノマーとの総量100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、70質量部以下である。重合性ビニルモノマーが芳香族ビニルモノマーと架橋性モノマーとの組合せである場合には、芳香族ビニルモノマーの配合割合が、芳香族ビニルモノマーと架橋性モノマーとの総量100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、70質量部以下である。
重合体は、室温で堅牢な表面を有するために、ガラス転移温度が、例えば、30℃以上、好ましくは、50℃以上であり、このガラス転移温度となるように重合性ビニルモノマーが選ばれる。
重合性ビニルモノマーは、例えば、実質的に疎水性であって、具体的には、例えば、水に対する室温における溶解度が極めて小さく、より具体的には、室温における溶解度が、例えば、10質量部/水100容量部(100g/L)以下、好ましくは、8質量部/水100容量部(80g/L)以下である。なお、重合性ビニルモノマーは、異なる種類が併用される場合には、重合性ビニルモノマー全体(つまり、異なる種類の重合性ビニルモノマーの混合物)として実質的に疎水性である。
(疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分)
疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分は、重付加または重縮合(縮合重合)などにより反応する、互いに異なる2つの成分である。
疎水性シェル形成成分は、例えば、実質的に疎水性であって、具体的には、水に対する室温における溶解度が極めて小さく、より具体的には、例えば、室温の溶解度が、1質量部/水100容量部(10g/L)以下、好ましくは、0.5質量部/水100容量部(5g/L)以下、より好ましくは、0.1質量部/水100容量部(1g/L)以下である。
疎水性シェル形成成分は、親水性シェル形成成分と重付加または重縮合することによりシェルを形成する油溶性化合物であって、例えば、ポリイソシアネート、ポリカルボン酸クロライド、ポリスルホン酸クロライドなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート(芳香族ジイソシアネート)、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート(脂肪族ジイソシアネート)、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート(脂環族ジイソシアネート)、例えば、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ポリイソシアネート(芳香脂肪族ジイソシアネート)などが挙げられる。
また、上記したポリイソシアネートの多量体も挙げられ、具体的には、二量体、三量体(イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、環状トリマー)、五量体、七量体などが挙げられる。好ましくは、三量体、具体的には、IPDIの三量体が挙げられる。
さらに、上記したポリイソシアネートの変性体(多量体を除く)も挙げられ、例えば、
トリメチロールプロパンのIPDIアダクトなどのポリオール変性ポリイソシアネートなどが挙げられる。
ポリカルボン酸クロライドとしては、例えば、セバシン酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、アゼライン酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、トリメシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
ポリスルホン酸クロライドとしては、例えば、ベンゼンスルホニルジクロライドなどが挙げられる。
疎水性シェル形成成分は、単独使用または併用することができる。
疎水性シェル形成成分として、好ましくは、ポリイソシアネート、より好ましくは、ジイソシアネートの環状トリマー、トリメチロールプロパンのアダクトが挙げられる。
親水性シェル形成成分は、界面重合の前には、水相に存在する水溶性化合物である。親水性シェル形成成分は、活性水素基含有化合物であって、そのような活性水素基含有化合物は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基などの活性水素基を有する化合物であり、具体的には、例えば、ポリアミン、ポリオール、水などが挙げられる。
ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノトルエン、フェニレンジアミン、ピペラジンなどのジアミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン、ペンタミンペンタエチレンヘキサミンなどの、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。好ましくは、3価以上のポリアミン、より好ましくは、ジエチレントリアミンが挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール、例えば、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなどが挙げられる。
親水性シェル形成成分は、単独使用または併用することができる。
親水性シェル形成成分として、好ましくは、ポリアミン、ポリオール、より好ましくはポリアミンが挙げられる。
次に、油相成分調製工程、水分散工程および重合工程について順次説明する。
(油相成分調製工程)
油相成分調製工程では、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散して疎水性スラリーを調製し、次いで、疎水性スラリーと疎水性シェル形成成分とを配合して、疎水性スラリーおよび疎水性シェル形成成分を含む油相成分を調製する。
具体的には、まず、上記した重合性ビニルモノマーおよび抗生物活性化合物を配合し、溶剤(ヘキサン、トルエン、酢酸エチルなどの疎水性の有機溶剤)を配合することなく、攪拌する。これにより、疎水性スラリーを調製する。疎水性スラリーは、油相成分に含まれる。
重合性ビニルモノマーの中に抗生物活性化合物を分散するには、例えば、ペイントシェーカー、ホモディスパー(高速分散機)、ビーズミル(バッチ式ビーズミルを含む)、ボールミル、ロッドミルなどの分散機が用いられる。分散機は、単独使用または併用することができる。分散機として、好ましくは、広い粘度領域で使用可能で、大規模工業生産にも使用できるという観点から、バッチ式ビーズミルが用いられる。
上記した分散によって、抗生物活性化合物は、湿式粉砕される。
抗生物活性化合物の重合性ビニルモノマーに対する配合割合は、質量割合(つまり、抗生物活性化合物の質量部/重合性ビニルモノマーの質量部)で、例えば、1/99以上、好ましくは、10/90以上、より好ましくは、15/85以上であり、また、例えば、90/10以下、好ましくは、75/25以下、より好ましくは、70/30以下、さらに好ましくは、65/35以下、とりわけ好ましくは、60/40以下である。
また、抗生物活性化合物の配合割合は、重合性ビニルモノマー100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、20質量部以上であり、また、例えば、900質量部以下、好ましくは、300質量部以下、より好ましくは、200質量部以下、さらに好ましくは、150質量部以下である。
上記した分散において、必要により、分散剤(第1の分散剤)を配合することができる。分散剤としては、両親媒性高分子型分散剤、ノニオン系界面活性剤(第1の界面活性剤)などが挙げられる。
両親媒性高分子型分散剤としては、例えば、EFKA4008、EFKA4009(以上チバ・スペシャリティズ製ウレタン系高分子分散剤)、DISPERBYK−2164、DISPERBYK−164(以上ビック・ケミー社製顔料分散用官能基変性共重合体)、NUOSPERSE2008、NUOSPERSE FA−196、NUOSPERSE657(以上エレメンティス社製)、フローレンD−90、ポリフローKL−100、ポリフローKL−700(以上共栄社化学社製)、ホモゲノールL−95(花王社製)などのノニオン系両親媒性高分子型分散剤が挙げられる。また、両親媒性高分子型分散剤としては、例えば、フローレンG−900(共栄社化学社製カルボキシル基変性高分子)、ディスパロンDA−234、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−550、ディスパロンAQ−330(以上楠本化成社製ポリエーテルリン酸エステル塩)などのアニオン系両親媒性高分子型分散剤が挙げられる。さらに、両親媒性高分子型分散剤としては、例えば、ノプコスパース092(サンノプコ社製)などのカチオン系両親媒性高分子型分散剤が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アモーゲンCBH(アルキルベタイン)、アモーゲンSH(アルキルアミドベタイン)、ノイゲン100E(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、ノイゲンEA73(ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル)、ノイゲンES99(モノオレイン酸ポリエチレングリコール)、ダイヤノールCME(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド)、ダイヤノール300(ヤシ油脂肪酸モノエタノールジアミド)、ソルゲン30(セスキオレイン酸ソルビタン)、ソルゲン40(モノオレイン酸ソルビタン)、ソルゲン50(モノステアリン酸ソルビタン)、エパン420(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)、エパン720(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)(以上花王社製)などが挙げられる。
分散剤として、好ましくは、両親媒性高分子型分散剤が挙げられ、より好ましくは、ノニオン系両親媒性高分子型分散剤、アニオン系両親媒性高分子型分散剤が挙げられ、さらに好ましくは、ノニオン系両親媒性高分子型分散剤が挙げられ、とりわけ好ましくは、顔料分散用官能基変性共重合体分散剤、ウレタン系高分子分散剤が挙げられる。
分散剤の配合割合は、抗生物活性化合物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上であり、また、例えば、40質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
疎水性スラリーの調製後、疎水性スラリーと疎水性シェル形成成分とを配合する。
具体的には、疎水性シェル形成成分を、疎水性スラリーに配合する。
好ましくは、疎水性シェル形成成分を、重合開始剤とともに、疎水性スラリーに配合する。
重合開始剤は、懸濁重合で通常用いられるラジカル重合開始剤が挙げられ、具体的には、油溶性重合開始剤などが挙げられる。
油溶性重合開始剤としては、例えば、ジラウロイルパーオキシド(10時間半減温度T1/2:61.6℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度T1/2:65.3℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度T1/2:69.9℃)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(10時間半減温度T1/2:40.5℃)、ベンゾイルパーオキシド(10時間半減温度T1/2:73.6℃)などの油溶性有機過酸化物、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減温度T1/2:60℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(10時間半減温度T1/2:51℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(10時間半減温度T1/2:67℃)などの油溶性アゾ化合物などが挙げられる。好ましくは、ジラウロイルパーオキシド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
また、重合開始剤の10時間半減期温度T1/2は、例えば、40℃以上、好ましくは、50以上であり、また、例えば、90℃以下、好ましくは、80℃以下である。重合開始剤の10時間半減期温度T1/2は、任意の温度数点における濃度半減時間をプロットして得られたグラフの10時間値の温度とされる。
重合開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
重合開始剤の配合割合は、重合性ビニルモノマー100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下、より好ましくは、2.0質量部以下である。重合開始剤の配合割合が上記上限を超える場合には、重合体の分子量が過度に低下する場合があり、上記下限に満たない場合には、転化率が十分に向上せず、未反応の重合性ビニルモノマーが数%以上残存する場合がある。
なお、重合性ビニルモノマーを分割して配合することができ、その場合には、まず、重合性ビニルモノマーの一部を抗生物活性化合物と配合して、それらを分散して疎水性スラリーを調製し、その後、重合性ビニルモノマーの残部に重合開始剤および疎水性シェル形成成分を溶解させ、これを疎水性スラリーに配合する。
これによって、重合開始剤、疎水性シェル形成成分および疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する。
疎水性シェル形成成分の配合割合は、重合性ビニルモノマー100質量部に対して、例えば、2質量部以上、好ましくは、5質量部以上、より好ましくは、10質量部以上、さらに好ましくは、20質量部以上であり、また、例えば、、100質量部以下、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、70質量部以下、さらに好ましくは、60質量部以下である。
また、疎水性シェル形成成分の配合割合は、油相成分に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
一方、抗生物活性化合物の油相成分における含有割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、70質量%以下、より好ましくは、60質量%以下である。
重合性ビニルモノマーの油相成分における含有割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、70質量%以下である。
油相成分における抗生物活性化合物の平均粒子径は、例えば、5μm以下、好ましくは、2.5μm以下であり、また、例えば、0.05μm以上、好ましくは、0.1μm以上である。
なお、上記では、疎水性シェル形成成分および重合開始剤を、疎水性スラリーに対して配合しているが、例えば、疎水性シェル形成成分および重合開始剤を、疎水性スラリーに調製される前の抗生物活性化合物および重合性ビニルモノマーに配合することもできる。具体的には、まず、疎水性シェル形成成分を、抗生物活性化合物および重合性ビニルモノマーに配合し、次いで、それらを分散して疎水性スラリーを調製する。これによって、抗生物活性化合物、重合性ビニルモノマー、疎水性シェル形成成分および重合開始剤を含有する油相成分を、一度に、調製する。
(水分散工程)
次いで、上記した油相成分を水分散(懸濁)させる。
すなわち、油相成分および水を配合し、均一に攪拌することにより、油相成分を水分散(懸濁)させる。これにより、油相成分の水分散(懸濁)液を得る。
水分散の条件は、特に制限されず、例えば、室温で実施してもよく、あるいは、加熱して実施することもできる。
油相成分の水分散では、好ましくは、分散剤(第2の分散剤)、界面活性剤(第2の界面活性剤)を配合する。
分散剤(第2の分散剤)としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化澱粉、ポリアクリル酸およびそのナトリウム塩、スチレンマレイン酸コポリマーおよびそのナトリウム塩などの水溶性ポリマー、例えば、第三燐酸カルシウム、コロイダルシリカ、モンモリナイト、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、亜鉛華などの無機系分散剤などが挙げられる。
分散剤のうち、好ましくは、ポリビニールアルコール(PVA)、第三燐酸カルシウムが挙げられる。さらに好ましくは、ポリビニールアルコール(PVA)が挙げられる。
分散剤の配合割合は、油相成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
界面活性剤(第2の界面活性剤)は、ラジカル重合中の粒子の凝集を有効に防止するために、好ましくは、上記した分散剤(第2の分散剤)と併用され、具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩などのアニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン系界面活性剤などが挙げられる。好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、より好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩が挙げられる。
界面活性剤は、単独使用または併用することができる。好ましくは、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤との組合せが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーと、芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩との組合せが挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。好ましくは、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸などのナフタレンスルホン酸が挙げられる。
塩を形成するためのカチオンとしては、例えば、ナトリウムカチオン、カリウムカチオンなどの1価のアルカリ金属カチオン、例えば、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。好ましくは、1価のアルカリ金属カチオンが挙げられる。
芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩としては、具体的には、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩(ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩)が挙げられる。芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩として、市販品を用いることができ、具体的には、デモールNL(β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩、41%水溶液、花王社製)などが挙げられる。
界面活性剤の配合割合は、油相成分100質量部に対して、例えば、0.0001質量部以上、好ましくは、0.001質量部以上であり、また、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。界面活性剤がノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤との組合せである場合には、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とのそれぞれの配合割合が、油相成分100質量部に対して、例えば、0.0001質量部以上、好ましくは、0.001質量部以上であり、また、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
分散剤、または、分散剤および界面活性剤は、例えば、油相成分および水の配合前または配合後のいずれにおいても、配合することができ、好ましくは、油相成分と配合する前の水に配合する。これにより、分散剤の水溶液、または、分散剤および界面活性剤の水溶液を調製する。
上記した油相成分の水分散(懸濁)では、例えば、ホモミキサー(ホモミクサー)、超音波ホモジナイザー、加圧式ホモジナイザー、マイルダー、多孔膜圧入分散機などの分散機が用いられ、好ましくは、ホモミキサーが用いられる。
水分散の条件は、適宜設定され、ホモミクサーを用いる場合には、その回転数を、例えば、100rpm以上、好ましくは、1000rpm以上であり、また、例えば、10000rpm以下、例えば、8000rpm以下に設定する。
これによって、油相成分が水相に分散された水分散液を調製する。
また、水分散液に分散剤(第2の分散剤)、または、分散剤および界面活性剤が配合されている場合には、分散剤、または、分散剤および界面活性剤によって、水分散液中の油相成分の液滴がより安定化される。
水(または水溶液)の配合割合は、油相成分100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは、100質量部以上、より好ましくは、150質量部以上であり、また、例えば、1900質量部以下、好ましくは、900質量部以下、より好ましくは、400質量部以下となるように、調整される。
(重合工程)
重合工程では、重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成する。つまり、シェルを、懸濁重合により得られる重合体、つまり、懸濁重合体を被覆するように、形成する。
<懸濁重合>
重合工程では、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する。重合性ビニルモノマーを懸濁重合するには、水分散液を所定温度に昇温する。懸濁重合では、水分散液の水分散状態が維持されるように、水分散液を攪拌しながら、重合性ビニルモノマーが反応(具体的には、ラジカル重合)して、重合性ビニルモノマーの重合体が生成される。懸濁重合は、重合体となる重合性ビニルモノマーがすべて水分散粒子(疎水性液相)のみにあることから、インサイチュ(in−situ)重合である。
具体的には、懸濁重合は、水分散液を攪拌しながら加熱することにより、重合性ビニルモノマーがそのまま、水分散粒子中で重合を開始し、重合体を生成する。
攪拌は、例えば、攪拌羽根を有する攪拌器によって実施できる。攪拌速度は、攪拌羽根の周速が、例えば、10m/分以上、好ましくは、20m/分以上であり、また、400m/分以下、好ましくは200m/分以下である。
水分散液を、その温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上、また、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下、より好ましくは、80℃以下となるように、加熱する。
そして、抗生物活性化合物が重合体と非相溶である状態で懸濁重合が進行する。
加熱時間は、例えば、2時間以上、好ましくは、3時間以上であり、また、例えば、12時間以下、好ましくは、8時間以下である。さらに、所定温度に加熱後、その温度を所定時間維持し、その後、加熱および温度維持を繰り返すことにより、段階的に加熱することもできる。
懸濁重合において、抗生物活性化合物は、重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性であり、抗生物活性化合物は、重合開始から重合終了後まで、重合性ビニルモノマーおよび/または重合体に対して、非相溶状態を維持している。
懸濁重合によって、重合性ビニルモノマーから調製される重合体が、懸濁重合体として生成される。
<界面重合>
界面重合を上記した懸濁重合とともに実施するには、例えば、親水性シェル形成成分を、疎水性シェル形成成分を含有する水分散液に含有させるとともに、水分散液を昇温させる。具体的には、親水性シェル形成成分を、疎水性シェル形成成分を含有する水分散液に配合するとともに、水分散液を、懸濁重合が開始する温度(具体的には、重合開始剤の分解温度以上の温度)に昇温させる。
界面重合が開始する温度(開始温度)Tipは、特に限定されず、例えば、0℃以上、好ましくは、10℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下である。なお、界面重合は、温度が、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上、また、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下に加熱されたときに、反応が促進する。
また、懸濁重合が開始する温度(開始温度)Tは、例えば、上記した重合開始剤の10時間半減温度T1/2と下記式(1)の関係にある。
1/2−10≦T≦T1/2+10 (1)
(式中、Tは、懸濁重合の開始温度、T1/2は、重合開始剤の10時間半減温度を示す。)
具体的には、懸濁重合が開始する温度は、例えば、55℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下である。
そのため、懸濁重合の開始温度Tは、例えば、界面重合の開始温度Tipに比べて、高く設定されている。具体的には、懸濁重合の開始温度Tは、界面重合の開始温度Tipに比べて、例えば、5℃以上高く、好ましくは、10℃以上高く、より好ましくは、20℃以上高く設定されており、また、例えば、100℃以下高く設定されている。
<界面重合のタイミング>
界面重合および懸濁重合を開始する方法としては、例えば、(1)界面重合を懸濁重合の開始と同時に開始する方法、(2)界面重合を懸濁重合の開始より前に開始する方法、(3)界面重合を懸濁重合の開始より後に開始する方法が挙げられる。
(1)界面重合を懸濁重合の開始と同時に開始する方法では、例えば、疎水性シェル形成成分を含有する油相成分を含む水分散液を、懸濁重合が開始する温度以上に昇温し、この際、水分散液の温度が懸濁重合が開始する温度に達した時点で、親水性シェル形成成分を、水分散液に配合する。
(2)界面重合を懸濁重合の開始より前に開始する方法では、懸濁重合が開始する温度に昇温する前に、親水性シェル形成成分を、疎水性シェル形成成分を含有する油相成分を含む水分散液に配合する。つまり、まず、親水性シェル形成成分を、例えば、室温(20〜30℃)の水分散液に配合し、その後、常温の水分散液を、懸濁重合が開始する温度に昇温する。
なお、親水性シェル形成成分を、疎水性シェル形成成分を含有する油相成分を含む水分散液に配合した直後に、水分散液を、懸濁重合が開始する温度未満に昇温し、その後、水分散液を、懸濁重合が開始する温度に昇温することもできる。水分散液を、懸濁重合が開始する温度未満に昇温する場合には、水分散液を、その温度が、例えば、55℃未満、好ましくは、50℃未満となるように、加熱する。これによって、懸濁重合を開始する前に、界面重合を十分に促進させることができる。
(3)界面重合を懸濁重合の開始より後に開始する方法では、まず、水分散液を、懸濁重合が開始する温度以上に昇温し、その後、親水性シェル形成成分を水分散液に配合する。具体的には、水分散液を、懸濁重合が開始する温度以上に昇温してから、親水性シェル形成成分を水分散液に配合するまでの時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、また、例えば、8時間以下、好ましくは、5時間以下である。
(1)または(2)の方法は、(3)の方法に比べて、抗生物活性化合物がマトリクス(後述)から脱落することを抑制することができ、そのため、シェルを形成しながら、抗生物活性化合物がマトリクス中に分散した状態に維持することができる。つまり、徐放性粒子において、シェルが、抗生物活性化合物をマトリクス内に確実に内包することができる。そのため、徐放性粒子における抗生物活性化合物の耐アルカリ性を向上させることができる。
(2)界面重合を懸濁重合の開始より前に開始する方法では、シェルを、油相成分の液滴を被覆するように、形成することができるので、懸濁重合中に内包されている抗生物活性化合物が、懸濁重合体から水相界面(すなわち、懸濁重合体と水連続相との界面)に移動することを制御することができる。
親水性シェル形成成分の配合割合は、疎水性シェル形成成分がポリイソシアネートである場合には、疎水性シェル形成成分のイソシアネート基の、親水性シェル形成成分の活性水素基(親水性シェル形成成分がポリアミンである場合には、アミノ基)に対する、当量比(イソシアネート基/アミノ基)が、例えば、0.4以上、好ましくは、0.6以上なる割合であり、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.0以下となる割合である。
なお、上記では、親水性シェル形成成分を、疎水性シェル形成成分を含有する水分散液に配合しているが、例えば、親水性シェル形成成分が水である場合には、別途、親水性シェル形成成分を水分散液に配合せず、水分散液に含有されている水を、親水性シェル形成成分として利用し、この親水性シェル形成成分と疎水性シェル形成成分とを界面重合させることもできる。親水性シェル形成成分が水である場合には、ジブチルチンジラウレートなどの重付加触媒を用いることができる。
界面重合では、油相成分(油相)中の疎水性シェル形成成分と、水相中の親水性シェル形成成分とが、水分散粒子の表面で界面重合する。
界面重合の重合時間は、懸濁重合の温度に依存するが、重合反応液のpHの低下(中和点到達)により、確認できる。界面重合が終了する時間は、重合温度が60〜70℃であれば、例えば、2時間〜4時間である。
界面重合を開始することにより、好ましくは、懸濁重合が開始する前または同時に、油相成分液滴を被覆するシェルを形成することができる。その結果、懸濁重合中に内包されている抗生物活性化合物が、懸濁重合体から水相界面(懸濁重合体と水連続相との界面)に移動することを制御することができる。
さらには、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分の界面重合によって得られる懸濁重合体の表面には、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分の重合体からなるシェルが形成されている。そのため、徐放性粒子中の抗生物活性化合物の徐放速度が遅くなり、長期にわたり徐放性を継続することができる。
界面重合および懸濁重合の後、反応後の水分散液を、例えば、放冷などによって冷却し、100目(メッシュ)の濾布などで濾過することにより、徐放性粒子の水分散液(懸濁液)を得る。
冷却温度は、例えば、室温(20〜30℃、より具体的には、25℃)である。
得られた徐放性粒子における抗生物活性化合物の濃度は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、35質量%以下である。
また、水分散液(懸濁液)における徐放性粒子の含有割合は、油相成分およびそれが分散される水(または水溶液)の配合量によって決定されており、具体的には、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
徐放性粒子におけるシェルの濃度は、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
徐放性粒子の平均粒子径は、例えば、1μm以上、好ましくは、2μm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、10mm以下である。なお、平均粒子径は、メジアン径として算出される。
<本発明の徐放性粒子の効果>
本発明の徐放性粒子は、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散した疎水性スラリー、および、疎水性シェル形成成分を含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、疎水性シェル形成成分と親水性シェル形成成分とを界面重合してシェルとなる重合体を形成し、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、コアとなる重合体を生成する重合工程を備える製造方法により得られるので、徐放性および耐アルカリ性に優れ、堅牢な徐放性粒子を得ることができる。
しかるに、特許文献1に記載のような方法によって得られるマイクロカプセルは、界面重合のみによって得られるので、マイクロカプセル中に分散媒(溶媒)が残存し、そのため、その表面硬度が不十分になる場合がある。その結果、マイクロカプセルの分散液が、高い剪断力がかかる工程を経る場合や長期にわたって保存される場合には、マイクロカプセルが凝集して、再分散が困難となる場合がある。
さらに、マイクロカプセルの表面硬度が不十分であることから、マイクロカプセルがブロッキングし易く、マイクロカプセルを乾燥粒子として取り出すことが困難となる場合がある。
一方、本発明の徐放性粒子は、溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散した疎水性スラリー、および、疎水性シェル形成成分を含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、疎水性シェル形成成分と親水性シェル形成成分とを界面重合してシェルとなる重合体を形成し、重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、コアとなる重合体を生成する重合工程を備える製造方法により得られるので、上記した界面重合における溶剤の存在に起因する、徐放性粒子の表面硬度の低下を防止して、堅牢な徐放性粒子を得ることができ、ひいては、得られる徐放性粒子の再分散性および耐ブロッキング性に優れる。
この徐放性粒子の製造方法によれば、堅牢であるとともに、再分散性および耐ブロッキング性に優れる徐放性粒子を得ることができる。
そして、この徐放性粒子の製造方法によれば、懸濁重合された懸濁重合体を被覆するシェルを形成するので、抗生物活性化合物の内包率(徐放性粒子における抗生物活性化合物の濃度)を高くすることができるとともに、抗生物活性化合物の徐放性および耐アルカリ性に優れる。なお、徐放性粒子の徐放性と、徐放性粒子における抗生物活性化合物の耐アルカリ性とは、互いに関連しており、具体的には、徐放性粒子における抗生物活性化合物の耐アルカリ性が向上すると、徐放性粒子の徐放性が向上する。
とりわけ、疎水性シェル形成成分がポリイソシアネートを含有し、親水性シェル形成成分がポリアミンを含有する場合には、シェルがポリウレアからなるので、熱可塑性ウレタン樹脂との溶融混和性に優れる徐放性粒子となる。
このような徐放性粒子は、各種の工業製品に適用することができ、例えば、屋内外の塗料、ゴム、繊維、樹脂(プラスチックを含む)、接着剤、目地剤、シーリング剤、建材、コーキング剤、木材処理剤、土壌処理剤、製紙工程における白水、顔料、印刷版用処理液、冷却用水、インキ、切削油、化粧用品、不織布、紡糸油、皮革などに、添加することができる。なお、これらの工業製品に対する徐放性粒子中の抗生物活性化合物の添加量は、例えば、10mg/kg〜100g/kg(製品質量)である。
次に、徐放性粒子から製剤化された粉剤を熱可塑性樹脂と配合する態様について説明する。
この方法では、まず、徐放性粒子の懸濁液を乾燥させて、粉剤に製剤化する。
次いで、粉剤および熱可塑性樹脂を溶融混練して、混練物を調製する。
混練物を調製するには、例えば、具体的には、押出機、バンバリーミキサーが用いられる。押出機としては、例えば、二軸押出機、単軸押出機が用いられる。混練物は、成形品を成形するための成形材料であって、具体的には、一旦、冷却してペレット状成形材料(混練物ペレット、あるいは、マスターバッチ)として調製する。一方、混練物を、固体の成形材料として取り出さず、そのまま連続して溶融状態のまま(溶融混練物)後述の成形に供することも可能である。
粉剤の抗生物活性化合物の含有割合が、熱可塑性樹脂に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上となり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、3質量%以下となるように、粉剤を熱可塑性樹脂に配合する。ただし、マスターバッチとして、混練物を調製する場合は、この限りではなく、具体的には、抗生物活性化合物の含有割合が、熱可塑性樹脂に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上となり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下となるように、粉剤を熱可塑性樹脂に配合してマスタ−バッチとする。
熱可塑性樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、あるいは、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合樹脂(ABS樹脂)などの、スチレン系、および/またはアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などのハロゲン化ビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、熱可塑性ポリウレタンなどが挙げられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
続いて、混練物ペレット、あるいは、溶融混練物から成形品に成形する。
成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、引抜成形、圧縮成形などが採用される。
これによって、所定形状に成形された、粉剤(徐放性粒子)が添加された成形品が得られる。
上記説明では、徐放性粒子から製剤化された粉剤を、熱可塑性樹脂に添加しているが、樹脂であれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂に添加することもできる。
特に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの液状樹脂に粉剤を好適に混合することができる。
このような成形品は、各種用途に用いられ、例えば、建材、例えば、電線ケーブル材、および、その電線ケーブルの被覆材、例えば、ガスなどの導管、および、その導管の被覆材、例えば、衣類、蚊帳などの繊維製品として使用される。
<本発明の成形品の効果>
そして、このような成形品は、上記した徐放性粒子を含有する成形材料から成形されているので、抗生物活性化合物の優れた徐放性および耐アルカリ性を有する。
そして、上記した徐放性粒子の製造方法により得られる徐放性粒子は、具体的には、次に述べる徐放性粒子の第1実施形態および第2実施形態を含んでいる。
[第1実施形態]
徐放性粒子の第1実施形態について図1を参照して説明する。
この徐放性粒子1は、図1の断面図に示すように、例えば、球状粒子として形成されている。徐放性粒子1は、マトリクス2と、マトリクス2中に分散するドメイン3と、マトリクス2を被覆するシェル7とを含む。
マトリクス2は、上記した重合性ビニルモノマーから調製される重合体からなる。ドメイン3は、上記した抗生物活性化合物からなる。シェル7は、上記した疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分から調製される重合体からなる。
具体的には、徐放性粒子1では、マトリクス2が媒体あるいは連続相を形成し、複数のドメイン3がマトリクス2中に孤立状に分散するマルチドメイン構造あるいは海島構造(または多核構造)が形成されている。また、この徐放性粒子1では、マトリクス2およびドメイン3は、互いに非相溶であって、互いに分離する相分離構造あるいは2相構造を形成する。また、マトリクス2およびドメイン3は、後述するシェル7に対するコアを形成する。
具体的には、複数のドメイン3は、マトリクス2中において、分散相を形成する。ドメイン3の形状は、特に限定されず、例えば、不定形状、球状、塊状、板状など、適宜の形状に形成されている。ドメイン3の最大長さの平均値は、例えば、0.05μm以上、好ましくは、0.1μm以上であり、また、例えば、20μm以下、好ましくは、10μm以下である。
シェル7は、マトリクス2(上記した重合性ビニルモノマーを懸濁重合することにより得られる重合体)の表面に形成されている。具体的には、シェル7は、例えば、マトリクス2の表面の少なくとも一部、好ましくは、マトリクス2の表面の全部を被覆している。すなわち、シェル7は、マトリクス2およびドメイン3からなるコアとともに、コアシェル構造を形成している。
なお、図1では、マトリクス2およびシェル7との間に、断面円形状の界面が明確に形成されているが、図8のTEM写真が参照されるように、マトリクス2およびシェル7の界面が明確に形成されていなくてもよい。図8のTEM写真に示すように、シェル7は、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分から調製される重合体から構成されており、詳しくは、最外層(最表面)は、実質的に界面重合の重合体のみからなり、そして、最外層(最表面)から内側に向かうに従って、マトリクス2(重合体)に対する疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分から調製される重合体の濃度が薄くなるように、構成されている。これにより、シェル7は、ドメイン3を取り囲むように、マトリクス2の表層に位置(偏在)している。
そして、この徐放性粒子1を得るには、上記した徐放性粒子1の製造方法の油相成分調製工程において、徐放性粒子における抗生物活性化合物の濃度が、例えば、30質量%未満となるように、抗生物活性化合物を配合する。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の徐放性粒子1は、重合性ビニルモノマーの重合体からなるマトリクス2と、抗生物活性化合物からなるドメイン3であって、マトリクス2中に分散するドメイン3とを含むので、抗生物活性化合物の徐放性に優れるとともに、堅牢性に優れるため、樹脂との混練性に優れる。
本発明の参考となる参考形態を挙げて、第1実施形態の効果をさらに詳しく説明する。
参考形態では、図9に示すように、ドメイン3は、マトリクス2の内部から外方に突出する突出物4を含む。突出物4は、マトリクス2の表面から露出している。これによって、徐放性粒子1の表面では、マトリクス2およびドメイン3の両方が露出している。突出物4は、マトリクス2の表層部に埋設される埋設部8を有している。また、徐放性粒子1は、マトリクス2およびドメイン3から形成される2相構造を有しており、シェル7を有していない。
図9に示す徐放性粒子1は、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を配合せず、かつ、界面重合を実施しない以外は、上記した製造方法によって、製造される。
上記した図1で示される第1実施形態の徐放性粒子1は、図9の参考形態の徐放性粒子1と異なり、突出物4がなく、懸濁重合体がシェル7によって被覆されているので、長期徐放継続性に優れる。具体的には、第1実施形態によれば、図1に示すように、徐放性粒子1のドメイン3(抗生物活性化合物)をシェル7によって保護することができる。そのため、第1実施形態の徐放性粒子1は、参考形態の徐放性粒子1に比べて、抗生物活性化合物の徐放性および耐アルカリ性に優れる。
<第2実施形態>
徐放性粒子の第2実施形態について、図2を参照して説明する。
図2の断面図に示すように、第2実施形態では、抗生物活性化合物からなる付着物5が、シェル7の表面に付着している。
付着物5の形状は、特に限定されず、例えば、不定形状、球状、塊状、板状など、適宜の形状に形成されている。とりわけ、付着物5の内面(シェル7の表面に接触する接触面)は、シェル7の表面(球面)に対応する凹面、具体的には、外方に凹む湾曲面を形成している。付着物5は、ドメイン3と同じ大きさあるいはそれにより小さく、ドメイン3の最大長さの平均値に対して、例えば、100%以下、好ましくは、50%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、具体的には、付着物5の最大長さの平均値は、例えば、10μm以下、好ましくは、5μm以下であり、例えば、0.05μm以上、好ましくは、0.1μm以上である。付着物5の、シェル7の全表面に対する被覆率は、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上であり、また、例えば、100%以下、好ましくは、90%以下である。
上記した徐放性粒子1を得るには、上記した徐放性粒子1の製造方法の油相成分調製工程において、徐放性粒子における抗生物活性化合物の濃度が、例えば、28質量%超過、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、35質量%となるように、抗生物活性化合物を配合する。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態の徐放性粒子によれば、付着物5によって、耐ブロッキング性をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、第1実施形態の徐放性粒子と、第2実施形態の徐放性粒子との両方を混在して含むことができ、その場合には、質量基準で、それらの配合割合(第1実施形態の徐放性粒子/第2実施形態の徐放性粒子)が、例えば、1/99以上、さらには、10/90以上であり、また、例えば、99/1以下、さらには、90/10以下である。
以下に示す調製例、実施例および参考例の数値は、上記の「発明を実施するための形態」欄に記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。また、調製例、実施例および参考例中、%などの単位については、特段の記載がない限り、質量%を意味する。
まず、各調製例、各実施例、各参考例および各比較例で用いる略号の詳細を次に記載する。
クロチアニジン:(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、分子量250、融点177℃、水への溶解度:0.33g/L、住友化学社製
イミダクロプリド:1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン、分子量256、融点144℃、水への溶解度:0.48g/L、丸善社製
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート、商品名「ライトエステルEG」、水に不溶、共栄社化学社製
i−BMA:メタクリル酸イソブチル、水への溶解度:0.6g/L、日本触媒社製
DVB−570:商品名、水に不溶、組成:ジビニルベンゼン(上限60%)、エチルビニルベンゼン(上限40%)、新日鐵住金化学社製
スチレン:水への溶解度:0.3g/L、和光特級試薬、和光純薬社製
DISPERBYK−164:商品名、顔料分散用官能基変性共重合体(3級アミン含有ポリエステル変性ポリウレタン系重合体、分子量10000〜50000)の酢酸ブチル溶液、固形分濃度60%、ビッグケミー社製
パーロイルL:商品名、ジラウロイルパーオキシド、10時間半減温度T1/2:61.6℃、日油社製
プロノン208:商品名、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、日油社製
PVA−217:商品名「クラレポバール217」、部分鹸化ポリビニルアルコール、クラレ社製
デモールNL:商品名、β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩の41%水溶液、花王社製
T−1890:商品名「VESTANAT T 1890/100」、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の環状トリマー体、水への溶解度:0.02g/L、エボニック・インダストリーズ社製
DETA:ジエチレントリアミン、和光一級試薬、和光純薬工業社製
(疎水性スラリーの調製)
調製例1(クロチアニジンスラリー(スラリーA)の調製)
EGDMA90gと、i−BMA90gと、DISPERBYK−164 20gと、クロチアニジン100gとを、ガラス瓶中に投入し、さらにジルコニアビーズ径1.0mmをガラス瓶の1/3容量投入し、ペイントコンディショナー(ペイントシェーカー、商品名「THECLASSIC型式1400」、RedDevil社製)で2時間湿式粉砕して、クロチアニジン33.3%含有スラリー(疎水性スラリー、以下、「スラリーA」という。)を得た。
スラリーAにおけるクロチアニジンの平均粒子径は、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子社製)で測定した結果、1.38μmであった。
調製例2(クロチアニジンスラリー(スラリーB)の調製)
DVB−570 7200gと、DISPERBYK−164 804gとを、バッチ式メディア型分散機(バッチ式ビーズミル、商品名「ADミル(AD−5)、ジルコニアビーズ径1.5mm」、浅田鉄工社製)で均一になるまで撹拌分散した後、さらに、クロチアニジン3996gを投入して、150分間で湿式粉砕し、クロチアニジン33.3%含有スラリー(疎水性スラリー、以下、「スラリーB」という。)を得た。
スラリーBにおけるクロチアニジンの平均粒子径は、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子社製)で測定した結果、0.45μmであった。
調製例3〜8
(クロチアニジンスラリー(スラリーC〜H)の調製)
配合処方を表1に記載の処方に変更した以外は、調製例1と同様に処理して、クロチアニジンスラリー(疎水性スラリー、以下、「スラリーC〜H」という。)を得た。
スラリーC〜Hのそれぞれにおけるクロチアニジンの平均粒子径を、表1に記載する。
調製例9
(イミダクロプリドスラリー(スラリーI)の調製)
配合処方を表1に記載の処方に変更した以外は、調製例1と同様に処理して、イミダクロプリドスラリー(疎水性スラリー、以下、「スラリーI」という。)を得た。
スラリーIにおけるイミダクロプリドの平均粒子径を、表1に記載する。
(水分散工程および重合工程)
実施例1(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例2で調製したスラリーB 85gに、T−1890 15g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、T−1890およびパーロイルLをスラリーBに溶解させた。これによって、T−1890、パーロイルLおよびスラリーBを含む油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水240.26g、PVA−217の10%水溶液40g、プロノン208の1%水溶液1gおよびデモールNL 0.24gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数6000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、懸濁液(水分散液)を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頚コルベンに移し、窒素気流下、攪拌した。
次いで、懸濁液にジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを添加して、界面重合を開始させ、その後、懸濁液を昇温して、懸濁重合を開始させた。
具体的には、まず、室温の懸濁液に、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを懸濁液に添加し、その直後に、懸濁液の温度を70℃に昇温して、同温度で5時間維持した。その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で2時間維持した。
界面重合は、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始し、懸濁重合は、懸濁液を70℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始した。
これにより、クロチアニジンが、懸濁重合で形成されたマトリクス中に分散され、マトリクスがポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、クロチアニジンがマトリクス中に分散され、マトリクスが、界面重合で形成されたポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
懸濁液における徐放性粒子のメジアン径を、レーザー回析散乱式粒子径分布測定装置LA−920(堀場製作所社製)により測定した。その結果を表2に記載する。なお、メジアン径の測定は、以下の実施例、参考例および比較例についても同様であり、それらの結果を表2〜6に記載する。
実施例2(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例1で調製したスラリーA 50gに、i−BMA17.5g、EGDMA17.5g、T−1890 15g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、i−BMA、EGDMA、T−1890およびパーロイルLをスラリーAに溶解させた。これによって、i−BMA、EGDMA、T−1890、パーロイルLおよびスラリーAを含有する油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水240.26g、PVA−217の10%水溶液40g、プロノン208の1%水溶液1gおよびデモールNL 0.24gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数5000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、懸濁液(水分散液)を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頚コルベンに移し、窒素気流下、攪拌した。
次いで、懸濁液にジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを添加して、界面重合を開始させ、その後、懸濁液を昇温して、懸濁重合を開始させた。
具体的には、まず、室温の懸濁液に、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを懸濁液に添加し、その直後に、懸濁液の温度を70℃に昇温して、同温度で5時間維持した。その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で2時間維持した。
界面重合は、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始し、懸濁重合は、懸濁液を70℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始した。
これにより、クロチアニジンが、懸濁重合で形成されたマトリクス中に分散され、マトリクスが、界面重合で形成されたポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、クロチアニジンがマトリクス中に分散され、マトリクスがポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
実施例3(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
重合条件を、下記のように、変更した以外は、実施例2と同様に処理することにより、クロチアニジンがマトリクス中に分散され、マトリクスがポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
すなわち、ジエチレントリアミンの水溶液を添加した直後に、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持し、次いで、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持した。
界面重合は、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始し、懸濁重合は、懸濁液を60℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始した。
実施例4(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
重合条件を、下記のように、変更した以外は、実施例2と同様に処理して、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
すなわち、ジエチレントリアミンの水溶液を添加した後に、懸濁液を50℃に昇温して、同温度で2時間維持し、次いで、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持し、続いて、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持した。
界面重合は、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始し、懸濁重合は、界面重合の開始後であって、懸濁液を60℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始した。
実施例5(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
重合条件を、下記のように、変更した以外は、実施例2と同様に処理して、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
すなわち、まず、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持した。その後、ジエチレントリアミンの水溶液を添加し、その直後に、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持した。
つまり、懸濁重合は、懸濁液を60℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始し、界面重合は、懸濁重合の開始後であって、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始した。
実施例10〜13、19〜23、27、28、31および32
(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成)
(実施例10〜13、19〜23、27、31および32:第1実施形態に対応)
(実施例28:第2実施形態に対応)
配合処方を表3〜表5の記載に従って変更した以外は、実施例2と同様に処理して、ポリウレアに被覆され、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
実施例6(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例3で調製したスラリーC 50gに、スチレン17.5g、EGDMA17.5g、T−1890 15g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、スチレン、EGDMA、T−1890およびパーロイルLをスラリーCに溶解させた。これにより、スチレン、EGDMA、T−1890、パーロイルLおよびスラリーCを含有する油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水240.26g、PVA−217の10%水溶液40g、プロノン208の1%水溶液1gおよびデモールNL 0.24gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、スチレン、EGDMA、T−1890およびパーロイルLを溶解した油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数5000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、懸濁液(水分散液)を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頚コルベンに移し、窒素気流下、攪拌した。
次いで、懸濁液にジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを添加して、界面重合を開始させ、その後、懸濁液を昇温して、懸濁重合を開始させた。
具体的には、まず、室温の懸濁液に、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液18gを懸濁液に添加し、その直後に、懸濁液の温度を70℃に昇温して、同温度で5時間維持した。その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で2時間維持した。
界面重合は、ジエチレントリアミンの10質量%水溶液を投入した時点で開始し、懸濁重合は、懸濁液を70℃に昇温する途中の温度である55℃到達時点で開始した。
これにより、クロチアニジンが、懸濁重合により形成されたマトリクス中に分散され、マトリクスが、界面重合により形成されたポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、クロチアニジンがマトリクス中に分散され、マトリクスがポリウレアに被覆される徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
実施例7〜9、14〜18、24〜26、29、30、33、34
(ポリウレア被覆/クロチアニジン含有徐放性粒子の合成)
(実施例7〜9、14〜18、24〜26、33および34:第1実施形態に対応)
(実施例29および30:第2実施形態に対応)
配合処方および重合条件を表2〜表5の記載に従って変更した以外は、実施例6と同様に処理して、ポリウレアに被覆され、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
実施例35(イミダクロプリド含有徐放性粒子の合成:第1実施形態に対応)
配合処方を表5の記載に従って変更した以外は、実施例2と同様に処理して、イミダクロプリドを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
参考例1(クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:参考形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例2で調製したスラリーB 100g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、パーロイルLをスラリーBに溶解させた。これにより、パーロイルLおよびスラリーBを含有する油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水258.50g、PVA−217の10%水溶液40gおよびプロノン208の1%水溶液1gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、パーロイルLを配合した油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数6000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を水分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、懸濁液(水分散液)を、攪拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を装備した500mL4頚コルベンに移し、窒素気流下、攪拌しながら昇温して、懸濁重合を実施した。
懸濁重合は、55℃到達時点を重合開始とし、その後、70±1℃で5時間、80±1℃で2時間、連続して実施した。
その後、反応後の懸濁液を30℃以下に冷却することにより、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
参考例2(クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:参考形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例2で調製したスラリーB 100g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、パーロイルLをスラリーBに溶解させた。これによって、パーロイルLおよびスラリーBを含有する油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水258.26g、PVA−217の10%水溶液40g、プロノン208の1%水溶液1gおよびデモールNL 0.24gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数6000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を水分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、参考例1と同様の条件で懸濁重合を実施し、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
参考例3(クロチアニジン含有徐放性粒子の合成:参考形態に対応)
200mLのビーカー(1)に、調製例1で調製したスラリーA 100g、および、パーロイルL 0.5gを仕込み、室温で攪拌することにより、パーロイルLをスラリーAに溶解させた。これによって、パーロイルLおよびスラリーAを含有する油相成分を調製した。
別途、500mLのビーカー(2)に、イオン交換水258.50g、PVA−217の10%水溶液40gおよびプロノン208の1%水溶液1gを仕込み、室温で攪拌することにより、均一な水溶液を得た。
次いで、500mLのビーカー(2)に、油相成分を加え、T.K.ホモミクサーMARK2.5型(プライミクス社製)により回転数6000rpmで5分間攪拌することにより、油相成分を分散させて、懸濁液(水分散液)を調製した。
その後、参考例1と同様の条件で懸濁重合を実施し、クロチアニジンを含有する徐放性粒子の懸濁液(懸濁剤)を得た。
表2〜表5中、重合条件欄における「1」は、懸濁液に、ジエチレントリアミン水溶液を添加した直後に、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で5時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で2時間維持したことを示す。
表2〜表6中、重合条件欄における「2」は、懸濁液に、ジエチレントリアミンの水溶液を添加した直後に、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持し、次いで、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持したことを示す。
表2〜表5中、重合条件欄における「3」は、懸濁液に、ジエチレントリアミン水溶液を添加した直後に、懸濁液を50℃に昇温して、同温度で2時間維持し、次いで、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持し、続いて、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持したことを示す。
表2〜表5中、重合条件欄における「4」は、懸濁液を60℃に昇温して、同温度で1時間維持した後、ジエチレントリアミンの水溶液を添加し、その直後に、懸濁液を70℃に昇温して、同温度で2時間維持し、その後、懸濁液を80℃に昇温し、同温度で1時間維持したことを示す。
また、表2〜表5中、徐放性粒子の形態欄における「1」は、図1で示される第1実施形態の構造を有すること、「2」は、図2で示される第2実施形態の構造を有することを示す。
(徐放性粒子の粉剤と熱可塑性樹脂との混練および成形)
実施例36(実施例1の粉剤とポリエチレンとの混練および成形)
実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液を100目濾布で濾過後、室温で1日乾燥して、徐放性粒子の粉末(粉剤)を得た。得られた徐放性粒子の粉末(粉剤)と、高密度ポリエチレン(HDPE)ハイゼックス6300M(プライムポリマー社製、メルトフローレート0.11g/10分)とをクロチアニジンがHDPEに対して0.25%となるようにドライブレンドし、二軸押出・射出成形併設機DSMXploreMC15M(DSM社製)に投入して、220℃×5分溶融混練してストランドを得、続いて、溶融状態のままで射出成形により短冊型成形品(10mm×76mm×4mm)を得た。
実施例37(実施例27の粉剤とポリエチレンとの混練および成形)
実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液に代えて、実施例27で作製した徐放性粒子の懸濁液を用いた以外は、実施例36と同様に処理して、短冊型成形品を得た。
参考例4(参考例1の粉剤とポリエチレンとの混練および成形)
実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液に代えて、参考例1で作製した徐放性粒子の懸濁液を用いた以外は、実施例36と同様に処理して、短冊型成形品を得た。
参考例5(参考例3の粉剤とポリエチレンとの混練および成形)
実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液に代えて、実施例3で作製した徐放性粒子の懸濁液を用いた以外は、実施例36と同様に処理して、短冊型成形品を得た。
(徐放性粒子の粒剤の製剤化)
実施例38
カガライト2号(カガライト工業社製、軽石の細粒、粒子径425〜1400μm)100質量部に対し、実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液(クロチアニジン濃度7.0質量%)1.4質量部を配合し、次いで、これらを乾燥して、クロチアニジンの粒剤を得た。粒剤におけるクロチアニジン濃度は、約0.1質量%であった。
実施例39
実施例1で作製した徐放性粒子の懸濁液に代えて、実施例27で作製した徐放性粒子の懸濁液(クロチアニジン濃度7.0質量%)1.4質量部を配合した以外は、実施例38と同様に処理して、クロチアニジンの粒剤を得た。粒剤におけるクロチアニジン濃度は、約0.1質量%であった。
参考例6
実施例1で作製した懸濁液に代えて、参考例1で作製した徐放性粒子の懸濁液(クロチアニジン濃度8.3質量%)1.2質量部を配合した以外は、実施例38と同様に処理して、クロチアニジンの粒剤を得た。粒剤におけるクロチアニジン濃度は、約0.1質量%であった。
参考例7
実施例1で作製した懸濁液に代えて、参考例3で作製した徐放性粒子の懸濁液(クロチアニジン濃度8.3質量%)1.2質量部を配合した以外は、実施例38と同様に処理して、クロチアニジンの粒剤を得た。粒剤におけるクロチアニジン濃度は、約0.1質量%であった。
1.SEM(走査型電子顕微鏡、ScanningElectronMicroscope)観察
実施例1、2、6、30および35のそれぞれの懸濁液(懸濁剤)を、試料台に滴下し、その後、水を留去した後、得られた徐放性粒子を、走査型電子顕微鏡日立TM−3000(日立ハイテクノロジーズ社製)で、SEM観察した。実施例1、2、6、30および35で得られた徐放性粒子のSEM画像を、図3〜7にそれぞれ示す。
2.TEM(透過型電子顕微鏡、TransmissionElectronMicroscope)観察
実施例2および参考例1〜3のそれぞれの懸濁液(懸濁剤)を、凍結乾燥し、ビスフェノール型液状エポキシ樹脂に分散して、アミンで硬化させる。これをウルトラミクロトームで切断することにより断面を出し、四酸化オスミウムによって染色、必要に応じてさらに四酸化ルテニウムで染色し、これをウルトラミクロトームで超薄切片に切り出しサンプルを調製した。調製したサンプルを、透過型電子顕微鏡(型番「H−7100」、日立製作所社製)で、TEM観察した。
実施例2および参考例1〜3のTEM写真の画像処理図を、図8〜11にそれぞれ示す。
なお、図8〜図11中、符号3で示される空白は、切り出した超薄切片を水に浮かべて回収する過程において、クロチアニジンが溶解脱落した跡であり、クロチアニジンから形成されるドメインの形を表している。
また、図8において、シェル7は、ポリウレアから構成されており、具体的には、最外層(最表面)から内側に向かうに従って、マトリクス2に対するポリウレアの濃度が薄くなるように、構成されている。また、シェル7は、ドメイン3を囲むように、マトリクス2の表層部に位置(偏在)している。
一方、図9〜図11から分かるように、参考例1〜3の徐放性粒子1では、シェル7(図8参照)が形成されていない。
3.耐アルカリ性試験
3−1.徐放性粒子の懸濁剤
次の手順で徐放性粒子の懸濁剤の耐アルカリ性試験(試験AおよびB)を実施した。
(試験A)
実施例1〜35のそれぞれの懸濁剤を抗生物活性化合物の濃度(実施例1〜34については、クロチアニジンの濃度、実施例35については、イミダクロプリドの濃度)が0.25%となるように、脱イオン水で稀釈した。希釈した懸濁剤1mLをガラス瓶に秤り取り、飽和水酸化カルシウム溶液4mLを添加して、試験溶液を調製した。この試験溶液を40℃の恒温下で静置した。
静置を開始してから7日後、試験溶液にアセトニトリルを5mLを添加して、抗生物活性化合物を抽出し、HPLCで抗生物活性化合物を定量し、抗生物活性化合物の残存率を算出した。
それらの結果を、表2〜6に示す。
別途、コントロールとして、クロチアニジンの0.25%水溶液、および、イミダクロプリドの0.25%水溶液を用いて同様に試験を実施した。その結果、クロチアニジンの0.25%水溶液の試験Aの残存率は、2.5%であり、イミダクロプリドの0.25%水溶液の試験Aの残存率は、0%であった。
表2〜6から少なくとも以下の点が分かる。
実施例2〜4は、界面重合を懸濁重合の開始の前に開始するので、クロチアニジンを含有するマトリクスとシェルとの相分離を良好に進行させることができる。一方、実施例5は、界面重合を懸濁重合の開始の後に開始するので、マトリクスとシェルとの相分離を良好に進行させることができず、実施例2〜4は、実施例5に比べて、耐アルカリ性に優れる。
実施例6〜8は、界面重合を懸濁重合の開始の前に開始するので、クロチアニジンを含有するマトリクスとシェルとの相分離を良好に進行させることができる。一方、実施例9は、界面重合を懸濁重合の開始の後に開始するので、マトリクスとシェルとの相分離を良好に進行させることができず、実施例6〜8は、実施例9に比べて、耐アルカリ性に優れる。
実施例13、12、11、2および10は、この順で、i−BMAおよびEGDMAに対するT−1890の配合割合が増大している。そのため、実施例13、12、11、2および10は、この順で、シェルの厚み(徐放性粒子におけるシェルの濃度)が大きくなる。従って、実施例13、12、11、2および10は、この順で、耐アルカリ性が向上する。
実施例18、17、16、15、6および14は、この順で、スチレンおよびEGDMAに対するT−1890の配合割合が増大している。そのため、実施例18、17、16、15、6および14は、この順で、シェルの厚み(徐放性粒子におけるシェルの濃度)が大きくなる。従って、実施例18、17、16、15、6および14は、この順で耐アルカリ性が向上する。
実施例28、27および2は、この順で、徐放性粒子におけるクロチアニジンの配合割合が低下しており、実施例28、27および2は、この順で、耐アルカリ性が向上する。
実施例30、29および2は、この順で、徐放性粒子におけるクロチアニジンの配合割合が低下しており、耐アルカリ性が向上する。
より疎水性の高い懸濁重合体の方が、ポリウレアとの相分離が良好に進行する。従って、実施例2および19〜23において、i−BMAの配合割合が比較的高い実施例2および19〜21は、i−BMAの配合割合が極端に低い実施例22および23に比べて、シェルとクロチアニジンを含むマトリクスとの相分離が良好に進行する。そのため、実施例2および20〜21は、実施例22および23に比べて、耐アルカリ性に優れている。
実施例6および23〜26において、スチレンの配合割合が比較的高い実施例6、24および25は、スチレンの配合割合が極端に低い実施例23および26に比べて、シェルとクロチアニジンを含むマトリクスとの相分離が良好に進行する。そのため、実施例6、24および25は、実施例23および26に比べて、耐アルカリ性に優れている。
実施例6は、重合性ビニルモノマーとしてスチレンを含有し、実施例2は、重合性ビニルモノマーとしてi−BMAを含有しており、実施例6のスチレンは、実施例2のi−BMAと比較して、疎水性が高いため、シェルと重合体との相分離が良好に進行する。そのため、実施例6は、実施例2に比べて、耐アルカリ性に優れる。
(試験B)
実施例1、2および参考例1〜3で作製した徐放性粒子の懸濁液を100目濾布で濾過後、室温で1日乾燥して、徐放性粒子の粉末(粉剤)を得た。これら粉末を脱イオン水で1000倍に希釈し、そのうち6.3mLをガラス瓶に測りとり、飽和水酸化カルシウム溶液2mLを添加し試験溶液とした。この試験溶液を40℃の恒温下で静置した。
試験開始から1日後および7日後に試験溶液にアセトニトリル10mLを添加しクロチアニジンを抽出し、HPLCでクロチアニジン量を定量し、残存率を算出した。
コントロールとして、クロチアニジン原体の水溶液を用いて同様に試験を実施した。
結果を表7に示す。
表7から分かるように、シェル(図1における符号7参照)を有する実施例1および2の徐放性粒子を含有する懸濁剤は、クロチアニジンの残存率が、試験開始後1日および7日のいずれにおいても、シェルを有しない参考例1〜3の徐放性粒子を含有する懸濁剤に比べて、高いことが分かる。
3−2.徐放性粒子の粒剤
実施例38、39および参考例6、7で得られた粒剤を1.0g測り取り、脱イオン水3.6mLと飽和水酸化カルシウム水溶液2mLとを添加して試験溶液を調製した。この試験溶液を40℃恒温下で静置した。
試験開始から1日後および7日後に試験溶液にアセトニトリル10mLを添加しクロチアニジンを抽出し、HPLCでクロチアニジン量を定量し、残存率を算出した。
コントロールとして、クロチアニジン原体の水溶液を用いて同様に試験を実施した。
結果を表8に示す。
表8から分かるように、シェル(図1における符号7参照)を有する実施例1および2の徐放性粒子を含有する実施例38および39の粒剤は、クロチアニジンの残存率が、試験開始後1日および7日のいずれにおいても、シェルを有しない参考例1および3の徐放性粒子を含有する参考例6および7の粒剤に比べて、高いことが分かる。
4.成形品の防蟻試験
含水率が8%(シロアリ活動の至適含水率)となるように注水したケイ砂を、プラスチック容器に充填し、次いで、ケイ砂の表面に実施例36および37の短冊型成形品を設置した。
比較対照として、徐放性粒子を混練していないHDPEのみからなる短冊型成形品を設置した試験を実施した。
上記プラスチック容器内にイエシロアリ職蟻50頭を投入し、シロアリの死亡頭数(=死中率)および行動を7日間にわたり観察した(n=2で試験を実施)。実施例36および37の短冊型成形品については、試験開始2および3日目にシロアリは全頭死亡した。
一方、比較対照であるHDPEのみの短冊型成形品では、7日後もシロアリは死亡に至らず、また、シロアリの行動に変化は認められなかった。
すなわち、実施例36および37については、顕著な殺蟻効果が認められた。
1 徐放性粒子
2 マトリクス
3 ドメイン
5 付着物
7 シェル
徐放性粒子の製造方法により得られる徐放性粒子は、各種用途に用いられ、例えば、建材、例えば、電線ケーブル材、および、その電線ケーブルの被覆材、例えば、ガスなどの導管、および、その導管の被覆材、例えば、衣類、蚊帳などの繊維製品に使用される。

Claims (19)

  1. 溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、前記疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、
    前記油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、
    前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程
    を備え、
    前記油相成分調製工程、前記水分散工程および前記重合工程の少なくともいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させ、
    前記重合工程では、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、前記疎水性シェル形成成分および前記親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成することを特徴とする、徐放性粒子。
  2. 界面重合を、懸濁重合の開始と同時に開始し、または、懸濁重合の開始より前に開始することを特徴とする、請求項1に記載の徐放性粒子。
  3. 前記疎水性シェル形成成分が、ポリイソシアネートを含有し、
    前記親水性シェル形成成分が、ポリアミンを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の徐放性粒子。
  4. 前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の徐放性粒子。
  5. 前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項4に記載の徐放性粒子。
  6. 重合体からなるマトリクスと、
    重合体を生成するためのモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物からなり、前記マトリクス中に分散するドメインと、
    前記マトリクスを被覆するシェルと
    を含むことを特徴とする、徐放性粒子。
  7. 前記シェルは、ポリウレアからなることを特徴とする、請求項6に記載の徐放性粒子。
  8. 前記シェルの表面に、抗生物活性化合物が付着していることを特徴とする、請求項6または7に記載の徐放性粒子。
  9. 前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の徐放性粒子。
  10. 前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項9に記載の徐放性粒子。
  11. 粒剤として調製されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の徐放性粒子。
  12. 熱可塑性樹脂と、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の徐放性粒子と
    を含有することを特徴とする、成形材料。
  13. 熱可塑性樹脂と、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の徐放性粒子と
    を含有することを特徴とする、成形品。
  14. 溶剤の不存在下において、疎水性、かつ、疎水性の重合性ビニルモノマーに対して実質的に不溶性の抗生物活性化合物を、前記疎水性の重合性ビニルモノマー中に分散することにより、疎水性スラリーを含有する油相成分を調製する油相成分調製工程、
    前記油相成分を水分散して水分散液を調製する水分散工程、および、
    前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合して、重合体を生成する重合工程
    を備え、
    前記油相成分調製工程、前記水分散工程および前記重合工程の少なくともいずれかの工程において、疎水性シェル形成成分および親水性シェル形成成分を含有させ、
    前記重合工程では、前記重合性ビニルモノマーを懸濁重合するとともに、前記疎水性シェル形成成分および前記親水性シェル形成成分を界面重合して、懸濁重合体を被覆するシェルを形成する
    ことを特徴とする、徐放性粒子の製造方法。
  15. 重合工程では、界面重合を、懸濁重合の開始と同時に開始し、または、懸濁重合の開始より前に開始することを特徴とする、請求項14に記載の徐放性粒子の製造方法。
  16. 前記疎水性シェル形成成分が、ポリイソシアネートであり、
    前記親水性シェル形成成分が、ポリアミンであることを特徴とする、請求項14または15に記載の徐放性粒子の製造方法。
  17. 重合工程により得られた懸濁液と固体担体とを配合し、それらを乾燥させて、粒剤を調製する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の徐放性粒子の製造方法。
  18. 前記抗生物活性化合物が、ネオニコチノイド系殺虫剤であることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の徐放性粒子の製造方法。
  19. 前記ネオニコチノイド系殺虫剤が、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、および、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミンからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項18に記載の徐放性粒子の製造方法。
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