JP6699165B2 - 融着延伸仮撚加工糸 - Google Patents

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Description

本発明は、品位良好な天然繊維調の杢感・絣模様を表現し、かつシャリ感、ドライ感に優れた麻調編織物を提供できる融着延伸仮撚加工糸に関する。
合成繊維は、機械的特性をはじめ、様々な優れた特性から一般衣料用分野に広く利用されている。その中で編織物にした際に天然繊維調の杢感・絣模様を表現する素材として、またシャリ感、ドライ感のある麻調風合いの素材として、融着延伸仮撚加工糸が多く提案されている。これらは、仮撚加工時に加熱されたマルチフィラメントが部分的に融着し、撚り方向と同一方向に融着固定された未解撚部と、撚り方向と反対方向に過度に解撚されたオーバー解撚部とを、交互に糸条の長手方向に存在させた構造の加工糸である。これらは未解撚部とオーバー解撚部の糸条直径差や、撚りの形態差により編織物にした際に、布帛上で糸の過密領域と粗密領域が現れるため、そのコントラストにより杢感、また絣模様のある編織物となる。そしてこれらの未解撚部とオーバー解撚部の長さ、および存在割合によって模様表現を変化させることが可能であり、特に未解撚部の平均長さについては長短様々な加工糸の提案がされている(特許文献1〜3)。しかしながら、いずれの加工糸も、未解撚部、オーバー解撚部の平均長さを長く維持するためには、糸条の加熱融着を低く抑える必要があり、そのためシャリ感、ドライ感の良好で麻調風合いの編織物が得られなかった。また一方で硬く融着固化させた糸条によりシャリ感、ドライ感を強調した風合い素材として融着延伸仮撚加工糸も提案されているが、未解撚部、オーバー解撚部の長さが短くなり、糸の長手方向での糸条の直径差、撚りの形態差の間隔が短いため、天然繊維調の杢感・絣模様を表現した編織物が得られなかった(特許文献4)。
特開昭59−9651号公報 特開昭63−32893号公報 特開昭60−1409号公報 特許第5050751号公報
本発明の目的は、品位良好な天然繊維調の杢感・絣模様を表現し、かつシャリ感、ドライ感に優れた麻調編織物が得られる融着延伸仮撚加工糸を提供することである。
上記課題を解決するため、融着延伸仮撚加工糸の未解撚部、およびオーバー解撚部の平均長さと、未解撚部が存在する割合の未解撚比率を鋭意検討した。
その結果、本発明は、糸条長手方向に撚り方向と同一方向の未解撚部と、該未解撚部と反対方向の撚り方向のオーバー解撚部が交互に存在させ、糸条1m当たりに存在する未解撚部の平均長さを20mm〜50mm、オーバー解撚部の平均長さを35mm〜80mm、かつ2mm以下のオーバー解撚部が2個以下とし、未解撚比率を35%〜45%とし、未解撚部の撚り密度(T/m)が、23200/√dtex〜27400/√dtexとすることで課題解決に至ったものである。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の好ましい態様によれば、オーバー解撚部における単繊維が、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している数の割合が糸条全体の20%〜60%である。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の好ましい態様によれば、降伏応力が0.33cN/dtex〜0.43cN/dtexである。
本発明によれば、品位良好な天然繊維調の杢感・絣模様を表現し、かつシャリ感、ドライ感に優れた麻調編織物を提供できる。
本発明の融着延伸仮撚加工糸を例示説明するための模式側面図である。 本発明の融着延伸仮撚加工糸の加工機を説明するための概略図である。
次に、本発明の融着延伸仮撚加工糸について、詳細に説明する。
図1は、本発明の融着延伸仮撚加工糸の一部を示す模式側面図である。
本発明の融着延伸仮撚加工糸は、加撚されたマルチフィラメントが加熱により融着し、撚りが固定、集束した撚り方向と同一方向の未解撚部(図1−1)と、撚り方向とは反対方向に過剰に解撚されたオーバー解撚部(図1−2)が、糸の長手方向に交互に存在している。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の糸条1m当たりに存在する未解撚部の長さの平均値である平均未解撚長は20mm〜50mmであり、好ましくは25mm〜45mmである。平均未解撚長が20mmより短い場合、糸条長手方向にて未解撚部の繰り返し距離が短くなり、布帛での粗密領域と過密領域のコントラストが細かくなるため、目標とする天然繊維調の杢感・絣模様の編織物が製作できなくなる。また平均未解撚長が50mmより長い場合は、コントラストが過剰に粗くなり、目標とする杢感が得られない。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の糸条1m当たりに存在するオーバー解撚部の長さの平均値である平均オーバー解撚長は35mm〜80mmであり、かつ2mm以下のオーバー解撚部が糸条1mあたりに2個以下である。好ましくは平均オーバー解燃長40mm〜70mmであり、かつ2mm以下のオーバー解撚部が糸条1mあたりに1個以下である。平均オーバー解撚長が35mmより短い場合、糸条長手方向にてオーバー解撚部の繰り返し距離が短くなり、布帛での粗密領域と過密領域のコントラストが細かくなるため、目標とする天然繊維調の杢感・絣模様の編織物が製作できなくなる。また平均オーバー解撚長が80mmより長い場合は、コントラストが過剰に粗くなり、目標とする杢感が得られない。平均未解撚長を20mm〜50mmの範囲とし、かつ平均オーバー解撚長は35mm〜80mmとすることにより、布帛にした場合、糸の粗密領域と過密領域とのコントラストが粗く、良好な天然繊維調の杢感・絣模様の編織物を製作できる。また2mm以下のオーバー解撚部が糸条1mあたりに2個を越える場合、布帛にて極小的なスジ状の糸過密部が目立ってしまい、品位が良好な編織物が得られない。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の一定の長さ間の糸の長手方向に未解撚部分が占める割合である未解撚比率は、35%〜45%であり、好ましくは37%〜43%である。未解撚比率が35%を下回る場合、融着延伸仮撚加工糸特有のシャリ感とドライ感が不足する。未解撚比率が45%を上回る場合、剛直な未解撚部分の割合が過剰に多く、風合いが硬くなり、適度なシャリ感を持つ布帛を得られない。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の加撚されたマルチフィラメントが融着し、撚りが固定、集束した未解撚部の撚り密度は、23200/√dtex〜27400/√dtex T/mであることが好ましい。未解撚部の撚り密度を、この範囲の糸条とすることにより、延伸仮撚中の撚り数を抑え、未解撚部とオーバー解撚部の撚り数差が小さくすることができ、未解撚部、オーバー解撚部の平均長さの増長を容易にできる。また未解撚部の撚り密度が23200/√dtex以上の場合、それに伴いオーバー解撚部の撚り数も多くなり、布帛にすると良好なシャリ感の織編物となる。また27400/√dtex以下とすることで、2mm以下のオーバー解撚部の発生が抑制され、布帛品位の優れた編織物を得ることができる。より好ましくは、23700/√dtex〜26500/√dtex T/mである。
本発明の融着延伸仮撚加工糸のオーバー解撚部における単繊維が、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している数の割合<融着率>が糸条全体の20%〜60%であることが好ましい。オーバー解撚部の融着具合が、肌と接触した際にシャリ感、ドライ感に大きく寄与するため、上記範囲とすることでシャリ感、ドライ感に優れた麻調編織物が得られる。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の降伏応力が0.33cN/dtex〜0.43cN/dtexであることが好ましい。この範囲の糸条とすることにより、整経、分割、製織、編立工程での負荷張力に対する抗張力が高く、未解撚部の破壊が抑制されるので用途展開が格段に広がる。
次に、本発明の融着仮撚加工糸の製造方法を記載する。本発明に用いる原料ポリマーはポリエステルであることが好ましく、特に機械的性質と布帛風合いの観点から、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。これらは常法により溶融紡糸を行うことで、部分配向未延伸糸(マルチフィラメント)を得ることができる。すなわち、部分配向未延伸糸は、原料ポリマーを好ましくは280℃〜300℃の温度で溶融し、紡糸口金から吐出し、糸条を形成させ、冷却風を吹き付けることによって糸条を冷却して、収束した後、油剤と交絡を付与し、巻取った巻取ったパッケージとすることができる。部分配向未延伸糸は、一般的に紡速2000m/分〜4000m/分程度の速度条件で紡糸、巻取られたパッケージのことであり、ポリマー分子鎖の配向が進んでいる部分とそうでない部分が混在した状態ではなく、糸条長手方向で均一な分子鎖の配向状態である。また多数の単繊維からなるマルチフィラメントであり総繊度、および単繊維数は任意に採用できる。さらには本発明の目的を逸脱しない範囲で、第2成分や第3成分を共重合、添加させてもよく、短繊維の断面形状は丸断面以外に3葉〜8葉を持った異形断面形状としてもよい。上記の製造方法により得られた部分配向未延伸糸は、延伸仮撚り時の品位安定、操業性の観点から残留伸度が110%〜210%の範囲であることが好ましく、また総繊度についても、品位安定の観点から250dtex以下であることが好ましい。
次いで、部分配向未延伸糸を延伸仮撚加工することにより、本発明の融着延伸仮撚加工糸を得ることができる。図2は、本発明の融着延伸仮撚加工糸の加工機を説明するための概略図である。延伸仮撚加工は、マルチフィラメント部分配向未延伸糸を延伸しながら、仮撚を施す加工方法であり、糸条は加熱されながら加撚され、その後、解撚されて嵩高な風合いとなる。本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、マルチフィラメントを延伸仮撚加工する際に、第1ヒーター(図2−5)温度をポリマー融点近傍の温度にて加工することにより、加撚時に加熱によってマルチフィラメントの単繊維間で融着が発現し、撚りが固定された未解撚部となる。また単繊維間での融着の弱い部分において解撚時に融着が解かれるため、過剰に解撚されたオーバー解撚部が形成される。その後、第2ヒーター(図2−10)を用いて糸条のトルクを除去してパッケージに巻き取る。
具体的な製造方法の一例として、第1ヒーター温度は、融着性と操業性の観点から、242℃〜248℃が好ましい。第1ヒーター温度は、更に好ましくは243℃〜247℃である。仮撚加工は、回転型フリクションディスク(図2−7)に糸条を接触させて撚りを掛ける。その際、フリクションディスクの使用枚数を3枚以下とし、フリクションディスク以降に糸条と接触して撚りの伝播を妨げるローラー(図2−8)は、ディスクからの距離を150mm以上とする必要がある。フリクションディスクを3枚以下とすることで、仮撚加工時に部分配向未延伸糸の解舒張力変動、錘間の張力バラツキを平準化できるため糸切れが少なく、また個々錘での張力差による物性差の少ない融着延伸仮撚加工糸を得ることができる。より好ましくは、フリクションディスクの使用枚数は2枚である。またディスクから撚りの伝播を妨げるローラーまでの距離が150mmを下回る場合は、平均未解撚長、平均オーバー解撚長が短く、また個々の未解撚部、オーバー解撚部の長さが均一になってしまい、天然繊維調の杢感、絣模様を表現できないことがある。またフリクションディスクの直上の加撚張力T1、フリクションディスク出口の解撚張力T2、および加工張力比=T2/T1とした場合、加工張力比は2.0〜2.5であることが好ましい。通常、フリクションディスクでの仮撚加工では、加工張力比は0.5〜1.5近傍での加工が常法であり、本融着延伸仮撚加工糸の製造方法は積極的に加工張力を高くして仮撚加工する方法が好適である。加工張力比をこの範囲で加工することにより、第2ヒーターでのトルク除去の際の強度低下、降伏応力低下を抑制できる。延伸倍率は部分配向未延伸糸の配向程度や残留伸度に左右されるが1.25〜1.70倍の範囲が好ましい。上記の製造方法により得られた融着延伸仮撚加工糸は、残留伸度20%〜55%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは25%〜45%である。また総繊度については、170dtex以下が好ましく、さらに好ましくは120dtex以下である。
次に、実施例により本発明のポリエステル融着仮撚加工糸について、詳細に説明する。実施例と比較例中に使用した各測定値と評価は、次の測定法により求めた。また、全ての測定値は測定を3回行い、その平均値とした。
<平均未解撚長L、平均オーバー解撚長L’>
平均未解撚長L、平均オーバー解撚長L’は、糸条1mをサンプリングし、断面部分の糸密度が高く糸の外径が小さい未解撚部と、糸密度が低く糸の外径が大きいオーバー解撚部とを、目視により視察し、各々長さと個数を測定、計測して以下の式より平均値を算出した。
平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/n
平均オーバー解撚長L’=(L’1+L’2・・・L’n)/n 。
<2mm以下のオーバー解撚長の数>
糸条1mをサンプリングし、糸密度が低く糸の外径が大きいオーバー解撚部を、目視により視察し、各々長さを測定して2mm以下の個数を計測した。
<未解撚比率>
未解撚比率Pは、糸条1mをサンプリングし、断面部分の糸密度が高く糸の外径が小さい未解撚部を目視により測定して未解撚部が占める全長を割合として算出した。
<降伏応力>
降伏応力Sは、ORIENTEC社製RTC−121OA型にて、試料長:20cm、引張速度20cm/min、記録紙速度:30cm/min、初荷重:(0.088×融着延伸仮撚加工糸の繊度(dtex))cNにて伸長させ、S−S曲線の初期立ち上がりの接線と一次降伏部の接線の交点の降伏値を、伸長前のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の繊度(dtex)で割ったものを計算にて求める。
<未解撚部の撚り密度>
未解撚部の撚り数は、マイクロスコープにて拡大視察し、加撚された撚り1周あたりの糸条長手方向の長さを測定し、1m当たりの撚り数として算出する。測定は6箇所にて行い、その平均値を撚り密度(T/m)として算出した。
<オーバー解撚部の融着率>
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、ポリエステル延伸仮撚加工糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中のオーバー解撚部を切断したものをCCDカメラにて撮影して視察した。全単繊維のうち、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している単繊維の個数を数えて、オーバー解撚部の融着率を以下の式にて算出した。
オーバー解撚部の融着率=少なくとも一つ以上融着した単繊維数/全単繊維数
<シャリ感、ドライ感および杢感、絣模様の評価>
融着延伸仮撚加工糸を使用した織物を作製し、シャリ感、ドライ感および杢感、絣模様について、10人のパネラーに10点満点で採点してもらい以下の4段階で評価し、○、○○を合格とした。
○○:10人のパネラーの平均値が9点以上
○ :10人のパネラーの平均値が7点以上9点未満
△ :10人のパネラーの平均値が5点以上7点未満
× :10人のパネラーの平均値が5点未満
(実施例1)
36ホールの紡糸口金を使用して、溶融温度284℃、紡糸速度2900m/分で溶融紡糸して145dtex−36フィラメント、残留伸度166%のポリエチレンテレフタレートの部分配向未延伸糸を得た。仮撚加工において1500mmの接触型加熱体(第1ヒーター)、25℃の接触型冷却装置、フリクションディスクが2枚構成の仮撚装置、ディスクからの距離152mm位置のローラーを用いて、第1ヒーター温度を244℃、延伸倍率を1.466倍、加工張力比を2.0とした条件にて延伸仮撚を実施し、繊度100dtexの融着延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸の平均未解撚長Lは30mm、平均オーバー解撚長L’は52mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは42%であり、未解撚部撚り密度は2560T/m、オーバー解撚部の融着率は42%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1ヒーター温度を242℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは48mm、平均オーバー解撚長L’は79mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは43%であり、未解撚部撚り密度は2670T/m、オーバー解撚部の融着率は47%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
加工張力比を2.2としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は1個であった。未解撚比率Pは43%であり、未解撚部撚り密度は2450T/m、オーバー解撚部の融着率は45%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
第1ヒーター温度を246℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは36mm、平均オーバー解撚長L’は60mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2730T/m、オーバー解撚部の融着率は58%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
第1ヒーター温度を242℃、加工張力比を1.8としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは40mm、平均オーバー解撚長L’は66mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは36%であり、未解撚部撚り密度は2350T/m、オーバー解撚部の融着率は21%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
第1ヒーター温度を248℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは21mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2730T/m、オーバー解撚部の融着率は61%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感を有し、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様のある麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例8)
第1ヒーター温度を242℃、加工張力比を2.3としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は37mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは36%であり、未解撚部撚り密度は2720T/m、オーバー解撚部の融着率は18%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感を有し、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様のある麻調織物を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
フリクションディスクを5枚としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは16mm、平均オーバー解撚長L’は33mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は6個であった。未解撚比率Pは35%であり、未解撚部撚り密度は2830T/m、オーバー解撚部の融着率は58%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
第1ヒーター温度を246℃、加工張力比を1.5としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは55mm、平均オーバー解撚長L’は93mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は1個であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2710T/m、オーバー解撚部の融着率は64%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は剛直となり、また杢感、絣模様が乏しい織物であった。結果を表2に示す。
(比較例3)
加工張力比を2.7としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は39mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は8個であった。未解撚比率Pは37%であり、未解撚部撚り密度は2900T/m、オーバー解撚部の融着率は25%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
(比較例4)
第1ヒーター温度を238℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは23mm、平均オーバー解撚長L’は42mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは34%であり、未解撚部撚り密度は2350T/m、オーバー解撚部の融着率は19%であった。これらを用いて製作した織物は、杢感、絣模様は良好であったが、シャリ感・ドライ感のない織物であった。結果を表2に示す。
(比較例5)
第1ヒーター温度を250℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは25mm、平均オーバー解撚長L’は40mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは46%であり、未解撚部撚り密度は2700T/m、オーバー解撚部の融着率は67%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は過度に剛直となり、また杢感、絣模様が乏しい織物であった。結果を表2に示す。
(比較例6)
フリクションディスクを3枚、加工張力比を2.4としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は4個であった。未解撚比率Pは42%であり、未解撚部撚り密度は2810T/m、オーバー解撚部の融着率は56%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
1:未解撚部
2:オーバー解撚部
3:部分配向未延伸糸
4:第1フィードローラー
5:第1ヒーター
6:冷却装置
7:フリクションディスク
8:ローラー
9:第2フィードローラー
10:第2ヒーター
11:融着延伸仮撚加工糸

Claims (3)

  1. 下記(1)〜()の特性を満足する糸条長手方向に未解撚部と、該未解撚部と反対方向の撚形態のオーバー解撚部を有する融着延伸仮撚加工糸。
    (1)糸条1m当たりに存在する各未解撚部分の長さをL1〜Lnとし、平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/nとしたとき、
    20mm≦L≦50mm
    (2)糸条1m当たりに存在する各オーバー解撚部分の長さをL‘1〜L’nとし、平均オーバー解撚長L’=(L’1+L’2・・・L’n)/nとしたとき、
    35mm≦L’≦80mm、かつ2mm以下のオーバー解撚部が2個以下
    (3)糸の長手方向に未解燃撚部の占める割合を平均未解撚比率Pとしたとき、
    35%≦P≦45%
    (4)未解撚部の撚り密度(T/m)が、23200/√dtex〜27400/√dtex
  2. オーバー解撚部における単繊維が、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している割合が糸条全体の20%〜60%であることを特徴とする請求項1載の融着延伸仮撚加工糸。
  3. 降伏応力が0.33cN/dtex〜0.43cN/dtexであることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
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