JP6699165B2 - 融着延伸仮撚加工糸 - Google Patents
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Description
平均未解撚長L、平均オーバー解撚長L’は、糸条1mをサンプリングし、断面部分の糸密度が高く糸の外径が小さい未解撚部と、糸密度が低く糸の外径が大きいオーバー解撚部とを、目視により視察し、各々長さと個数を測定、計測して以下の式より平均値を算出した。
平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/n
平均オーバー解撚長L’=(L’1+L’2・・・L’n)/n 。
糸条1mをサンプリングし、糸密度が低く糸の外径が大きいオーバー解撚部を、目視により視察し、各々長さを測定して2mm以下の個数を計測した。
未解撚比率Pは、糸条1mをサンプリングし、断面部分の糸密度が高く糸の外径が小さい未解撚部を目視により測定して未解撚部が占める全長を割合として算出した。
降伏応力Sは、ORIENTEC社製RTC−121OA型にて、試料長:20cm、引張速度20cm/min、記録紙速度:30cm/min、初荷重:(0.088×融着延伸仮撚加工糸の繊度(dtex))cNにて伸長させ、S−S曲線の初期立ち上がりの接線と一次降伏部の接線の交点の降伏値を、伸長前のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の繊度(dtex)で割ったものを計算にて求める。
未解撚部の撚り数は、マイクロスコープにて拡大視察し、加撚された撚り1周あたりの糸条長手方向の長さを測定し、1m当たりの撚り数として算出する。測定は6箇所にて行い、その平均値を撚り密度(T/m)として算出した。
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、ポリエステル延伸仮撚加工糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中のオーバー解撚部を切断したものをCCDカメラにて撮影して視察した。全単繊維のうち、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している単繊維の個数を数えて、オーバー解撚部の融着率を以下の式にて算出した。
オーバー解撚部の融着率=少なくとも一つ以上融着した単繊維数/全単繊維数
<シャリ感、ドライ感および杢感、絣模様の評価>
融着延伸仮撚加工糸を使用した織物を作製し、シャリ感、ドライ感および杢感、絣模様について、10人のパネラーに10点満点で採点してもらい以下の4段階で評価し、○、○○を合格とした。
○○:10人のパネラーの平均値が9点以上
○ :10人のパネラーの平均値が7点以上9点未満
△ :10人のパネラーの平均値が5点以上7点未満
× :10人のパネラーの平均値が5点未満
(実施例1)
36ホールの紡糸口金を使用して、溶融温度284℃、紡糸速度2900m/分で溶融紡糸して145dtex−36フィラメント、残留伸度166%のポリエチレンテレフタレートの部分配向未延伸糸を得た。仮撚加工において1500mmの接触型加熱体(第1ヒーター)、25℃の接触型冷却装置、フリクションディスクが2枚構成の仮撚装置、ディスクからの距離152mm位置のローラーを用いて、第1ヒーター温度を244℃、延伸倍率を1.466倍、加工張力比を2.0とした条件にて延伸仮撚を実施し、繊度100dtexの融着延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸の平均未解撚長Lは30mm、平均オーバー解撚長L’は52mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは42%であり、未解撚部撚り密度は2560T/m、オーバー解撚部の融着率は42%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
第1ヒーター温度を242℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは48mm、平均オーバー解撚長L’は79mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは43%であり、未解撚部撚り密度は2670T/m、オーバー解撚部の融着率は47%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
加工張力比を2.2としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は1個であった。未解撚比率Pは43%であり、未解撚部撚り密度は2450T/m、オーバー解撚部の融着率は45%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
第1ヒーター温度を246℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは36mm、平均オーバー解撚長L’は60mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2730T/m、オーバー解撚部の融着率は58%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
第1ヒーター温度を242℃、加工張力比を1.8としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは40mm、平均オーバー解撚長L’は66mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは36%であり、未解撚部撚り密度は2350T/m、オーバー解撚部の融着率は21%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感が良好で、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様に優れた麻調織物を得た。結果を表1に示す。
第1ヒーター温度を248℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは21mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2730T/m、オーバー解撚部の融着率は61%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感を有し、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様のある麻調織物を得た。結果を表1に示す。
第1ヒーター温度を242℃、加工張力比を2.3としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は37mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは36%であり、未解撚部撚り密度は2720T/m、オーバー解撚部の融着率は18%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感を有し、かつ、天然繊維調の杢感、絣模様のある麻調織物を得た。結果を表1に示す。
フリクションディスクを5枚としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは16mm、平均オーバー解撚長L’は33mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は6個であった。未解撚比率Pは35%であり、未解撚部撚り密度は2830T/m、オーバー解撚部の融着率は58%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
第1ヒーター温度を246℃、加工張力比を1.5としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは55mm、平均オーバー解撚長L’は93mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は1個であった。未解撚比率Pは44%であり、未解撚部撚り密度は2710T/m、オーバー解撚部の融着率は64%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は剛直となり、また杢感、絣模様が乏しい織物であった。結果を表2に示す。
加工張力比を2.7としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は39mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は8個であった。未解撚比率Pは37%であり、未解撚部撚り密度は2900T/m、オーバー解撚部の融着率は25%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
第1ヒーター温度を238℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは23mm、平均オーバー解撚長L’は42mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は0であった。未解撚比率Pは34%であり、未解撚部撚り密度は2350T/m、オーバー解撚部の融着率は19%であった。これらを用いて製作した織物は、杢感、絣模様は良好であったが、シャリ感・ドライ感のない織物であった。結果を表2に示す。
第1ヒーター温度を250℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは25mm、平均オーバー解撚長L’は40mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は2個であった。未解撚比率Pは46%であり、未解撚部撚り密度は2700T/m、オーバー解撚部の融着率は67%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は過度に剛直となり、また杢感、絣模様が乏しい織物であった。結果を表2に示す。
フリクションディスクを3枚、加工張力比を2.4としたこと以外は実施例1と同様にして延伸仮撚加工をした結果、融着延伸仮撚加工糸の平均未解撚長Lは22mm、平均オーバー解撚長L’は38mmで、糸条1m中に2mm以下のオーバー解撚部は4個であった。未解撚比率Pは42%であり、未解撚部撚り密度は2810T/m、オーバー解撚部の融着率は56%であった。これらを用いて製作した織物は、シャリ感・ドライ感は良好であるが、杢感、絣模様の品位の悪い織物であった。結果を表2に示す。
2:オーバー解撚部
3:部分配向未延伸糸
4:第1フィードローラー
5:第1ヒーター
6:冷却装置
7:フリクションディスク
8:ローラー
9:第2フィードローラー
10:第2ヒーター
11:融着延伸仮撚加工糸
Claims (3)
- 下記(1)〜(4)の特性を満足する糸条長手方向に未解撚部と、該未解撚部と反対方向の撚形態のオーバー解撚部を有する融着延伸仮撚加工糸。
(1)糸条1m当たりに存在する各未解撚部分の長さをL1〜Lnとし、平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/nとしたとき、
20mm≦L≦50mm
(2)糸条1m当たりに存在する各オーバー解撚部分の長さをL‘1〜L’nとし、平均オーバー解撚長L’=(L’1+L’2・・・L’n)/nとしたとき、
35mm≦L’≦80mm、かつ2mm以下のオーバー解撚部が2個以下
(3)糸の長手方向に未解燃撚部の占める割合を平均未解撚比率Pとしたとき、
35%≦P≦45%
(4)未解撚部の撚り密度(T/m)が、23200/√dtex〜27400/√dtex - オーバー解撚部における単繊維が、少なくとも1箇所以上が隣り合う単繊維と融着している割合が糸条全体の20%〜60%であることを特徴とする請求項1記載の融着延伸仮撚加工糸。
- 降伏応力が0.33cN/dtex〜0.43cN/dtexであることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
Priority Applications (1)
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JP2015251789A JP6699165B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | 融着延伸仮撚加工糸 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015251789A JP6699165B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | 融着延伸仮撚加工糸 |
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Family Applications (1)
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JP2015251789A Active JP6699165B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | 融着延伸仮撚加工糸 |
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- 2015-12-24 JP JP2015251789A patent/JP6699165B2/ja active Active
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