JP2008121179A - ポリエステル融着延伸仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(1)〜(4)の特性を満足する長手方向に未解撚部と、該未解撚部と逆方向の撚形態のオーバー解撚部とを有するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
(1)未解撚部分の長さの平均を平均未解撚長Lとしたとき、
8.0mm≦L≦18.0mm
(2)糸の長手方向に未解燃撚部の占める割合を平均未解撚比率Pとしたとき、
35%≦P≦45%
(3)平均未解撚長Lの標準偏差をLσとしたとき、
Lσ≦1.5
(4)平均未解撚比率Pの標準偏差をPσとしたとき、
Pσ≦1.5
【選択図】図1
Description
[1]下記(1)〜(4)の特性を満足する長手方向に未解撚部と、該未解撚部と逆方向の撚形態のオーバー解撚部を有するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
(1)未解撚部分の長さの平均を平均未解撚長Lとしたとき、
8.0mm≦L≦18.0mm
(2)糸の長手方向に未解燃撚部の占める割合を平均未解撚比率Pとしたとき、
35%≦P≦45%
(3)平均未解撚長Lの標準偏差をLσとしたとき、
Lσ≦1.5
(4)平均未解撚比率Pの標準偏差をPσとしたとき、
Pσ≦1.5
[2]降伏応力をSとしたとき、以下の特徴を有する請求項1記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
[3]第1フィードローラーと第2フィードローラー間に接触型の加熱体、冷却装置、および仮撚り部材を配置した延伸仮撚り加工装置を用いてポリエステル高配向未延伸糸の延伸と仮撚りを同時に行う延伸仮撚り加工工程において、前記第1フィードローラーから糸が離れる点を延伸開始点とし、加熱体に糸が最初に接触する点を加熱開始点としたとき、該延伸開始点から加熱開始点までの距離Lを10cm以上20cm以下とし、下記(1)〜(3)の条件を満たすように融着延伸仮撚加工を施すことを特徴とするポリエステル融着延伸仮撚加工糸の製造方法。
(1)高配向未延伸糸の複屈折率を△nとしたとき、
0.025≦△n≦0.050
(2)高配向未延伸糸の破断伸度をEとしたとき、延伸倍率DRが、
(0.0025×E)+1≦DR≦(0.0030×E)+1
(3)延伸仮撚り時の加熱体の温度をTとしたとき、
243℃≦T≦249℃
(1)高配向未延伸糸の複屈折率を△nとしたとき、
0.025≦△n≦0.050
(2)高配向未延伸糸の破断伸度をEとしたとき、延伸倍率DRが、
(0.0025×E)+1≦DR≦(0.0030×E)+1
(3)延伸仮撚り時の加熱体の温度をTとしたとき、
243℃≦T≦249℃
延伸開始点から加熱開始点までの距離は、好ましくは15cm以上18cmである。10cm未満であると仮撚加工時に糸切れの問題が発生する。また、20cmを越えると未延伸糸の分子鎖の配向が隣接する錘間にてバラツキが発生しやすくなり、高品質なポリエステル融着延伸仮撚加工糸を得ることができにくくなる。
R=(((180×X)+θ)/180)×587.5
D:単糸直径μ
X:糸断面の縞数
θ:糸断面の切り口の縞の間隔がなくなり縞が寄り合った状態のアナライザースライダー角度
また、仮撚加工時の延伸倍率をDRとし、高配向未延伸糸の破断伸度をEとしたとき、
(0.0025×E)+1≦DR≦(0.0030×E)+1
とする。
また、仮撚加工時の加熱体の温度をTとしたとき、該加熱体の温度Tは243℃以上249℃以下とする。243℃未満であると平均未解撚長L、平均未解撚比率Pが低くなり、かつサージング現象による糸切れが発生する。249℃より高いと平均未解撚長、平均未解撚比率が高くなってしまう。
○:良い
△:やや悪い
×:悪い
また、延伸仮撚加工時の糸切れがないときのみを合格とした。
36ホールの紡糸口金を使用して、紡糸速度3000m/分で高速紡糸してポリエチレンテレフタレートの未延伸糸150dtex−36フィラメントの複屈折率△nが0.0375、破断伸度Eが165%の未延伸糸を得た。仮撚加工において150cmの接触型加熱体、25℃の接触型冷却装置を用い、約2900T/mの仮撚数にて延伸仮撚りを実施した。そこで、延伸開始点から加熱開始点までの距離を17cmとし、延伸倍率DR1.454、加熱体の温度Tを247℃とした結果、表1から明らかなように仮撚加工時の糸切れの発生なく、平均未解撚長Lが11.0mm、平均未解撚比率Pが38.5%となり、N数を100とした時の平均未解撚長の標準偏差(バラツキ)Lσが1.0、平均未解撚比率の標準偏差(バラツキ)Pσが0.7、降伏応力Sが0.30となった。
加熱体温度Tを245℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした結果、表1からも明らかなように加工時の糸切れの発生もなく、平均未解撚長Lが8.5mm、平均未解撚比率Pが36.5%、と、実施例1に比べて若干融着性が低下したが、織物でのタテスジ・ヨコムラも問題ないレベルの麻調織物を得た。
延伸倍率DRを1.495としたこと以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした結果、表1からも明らかなように加工時の糸切れの発生もなく、平均未解撚長Lが8.5mm、平均未解撚比率Pが35.5%と、実施例1対比、若干融着性が低下したが、織物でのタテスジ・ヨコムラも問題ないレベルの麻調織物を得た。
36ホールの紡糸口金を使用して、紡糸速度2700m/分で高速紡糸してポリエチレンテレフタレートの未延伸糸150dtex−36フィラメントの複屈折率△nが0.0300、破断伸度Eが185%の未延伸糸を得た。仮撚加工において延伸開始点から加熱開始点までの距離を17cmとし、延伸倍率DR1.495、加熱体の温度Tを248℃とした結果、表1からも明らかなように融着性が向上し、やや織物が堅目となったが麻調素材として問題無いレベルであり、織物でのタテスジ・ヨコムラも問題ないレベルの麻調織物を得た。
延伸開始点から加熱開始点までの距離を12cmとし、延伸倍率DR1.495、加熱体の温度Tを248℃としたとした以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした。結果、表1からも明らかなように融着性が向上し、やや織物が堅目となったが麻調素材として問題無いレベルであり、織物でのタテスジ・ヨコムラも問題ないレベルの麻調織物を得た。
延伸開始点から加熱開始点までの距離を15cmとし、延伸倍率DR1.465、加熱体の温度Tを243℃としたとした以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした。表1からも明らかなように、若干融着性が低下しやや織物堅さに劣るものとなったが麻調素材として問題無いレベルであり、織物でのタテスジ・ヨコムラも問題ないレベルの麻調織物を得た。
延伸開始点から加熱開始点までの距離を50cmとしたこと以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした。その結果、表1からも明らかなように、加工時の糸切れの発生はなかったが、N数を100としたとき、平均未解撚長や平均未解撚比率のバラツキが大きくなり、織物でのタテスジ・ヨコムラの問題が発生した。
延伸倍率DRを1.320としたこと以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした結果、表1からも明らかなように加工時にサージング発生による糸切れが5錘発生し、平均未解撚長や平均未解撚比率のバラツキも大きくなり、織物でのタテスジ・ヨコムラの問題が発生した。
36ホールの紡糸口金を使用して、紡糸速度4000m/分で高速紡糸してポリエチレンテレフタレートの未延伸糸113dtex−36フィラメントの複屈折率△nが0.0625、破断伸度Eが100%の未延伸糸を得た。仮撚加工において延伸開始点から加熱開始点までの距離を17cmとし、延伸倍率DR1.275、加熱体の温度Tを247℃とした結果、表1からも明らかなように平均未解撚長Lが7.5mm、平均未解撚比率Pが35.0%と低下し、織物での堅さに欠けるものとなった。
延伸倍率DR1.530とした以外は実施例1と同様にして延伸同時仮撚加工をした。その結果、表1からも明らかなように加工時の糸切れの発生はなかったが、平均未解撚長や平均未解撚比率のバラツキも大きくなり、織物でのタテスジ・ヨコムラの問題が発生し織物の堅さに欠けるものとなった。
延伸倍率DRを1.454、延伸開始点から加熱開始点までの距離を8cm、加熱体の温度Tを252℃とした以外は実施例4と同様にして延伸同時仮撚加工をした結果、表1からも明らかなように仮撚加工時の糸切れが10錘発生し、融着性が大幅に向上し得られた織物も堅すぎて麻調素材としては使用不可であった。
2:第1フィードローラー
3:延伸開始点
4:加熱開始点
5:接触型加熱体
6:冷却装置
7:仮撚り部材
8:第2フィードローラー
9:非接触型加熱体
10:融着延伸仮撚加工糸
Claims (3)
- 下記(1)〜(4)の特性を満足する長手方向に未解撚部と、該未解撚部と逆方向の撚形態のオーバー解撚部を有するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
(1)未解撚部分の長さの平均を平均未解撚長Lとしたとき、
8.0mm≦L≦18.0mm
(2)糸の長手方向に未解燃撚部の占める割合を平均未解撚比率Pとしたとき、
35%≦P≦45%
(3)平均未解撚長Lの標準偏差をLσとしたとき、
Lσ≦1.5
(4)平均未解撚比率Pの標準偏差をPσとしたとき、
Pσ≦1.5 - 降伏応力をSとしたとき、以下の特徴を有する請求項1記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
0.25cN/dtex≦S≦0.35cN/dtex - 第1フィードローラーと第2フィードローラー間に接触型の加熱体、冷却装置、および仮撚り部材を配置した延伸仮撚り加工装置を用いてポリエステル高配向未延伸糸の延伸と仮撚りを同時に行う延伸仮撚り加工工程において、前記第1フィードローラーから糸が離れる点を延伸開始点とし、加熱体に糸が最初に接触する点を加熱開始点としたとき、該延伸開始点から加熱開始点までの距離Lを10cm以上20cm以下とし、下記(1)〜(3)の条件を満たすように融着延伸仮撚加工を施すことを特徴とするポリエステル融着延伸仮撚加工糸の製造方法。
(1)高配向未延伸糸の複屈折率を△nとしたとき、
0.025≦△n≦0.050
(2)高配向未延伸糸の破断伸度をEとしたとき際、延伸倍率DRが、
(0.0025×E)+1≦DR≦(0.0030×E)+1
(3)延伸仮撚り時の加熱体の温度をTとしたとき、
243℃≦T≦249℃
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