JP5953819B2 - ポリエステル融着延伸仮撚加工糸 - Google Patents

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Description

本発明は、カチオン染料で染色可能なポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸に関するものである。
合成繊維は、機械的特性をはじめ、様々な優れた特性から一般衣料用分野をはじめ各種分野に広く利用されている。衣料用途では、編織物にした際にシャリ感やドライ感を有した麻調素材として、ポリエステル融着延伸仮撚加工糸が多く提案されている。これらは、仮撚加工時に加撚されたマルチフィラメントが加熱により軽く融着し、撚りが固定、集束した撚り方向と同一方向の未解撚部と撚り方向とは反対方向に過剰に解撚されたオーバー解撚部を交互に糸の長手方向に存在させ、未解撚部の長さと割合によって、肌触り、風合いおよび編織物の模様表現を変化させることが可能である。
従来、このような観点から、糸中の未解撚部の長さと数をある数量以上存在させることにより、実撚糸様の風合いや淡い絣模様を呈する布帛を形成し得る融着延伸仮撚加工糸が提案されている(特許文献1参照。)。
また別に、融着延伸仮撚加工糸の未解撚長を短くすることにより、豊かな表情の編織物を作製可能な融着仮撚加工糸も提案されている(特許文献2参照。)。
これらの仮撚加工糸は、いずれもホモポリマーからなるポリエチレンテレフタレートを使用した融着延伸仮撚加工糸であり、糸条長手方向での未解撚部とオーバー解撚部の染色性の違いを利用して淡い絣模様を表現する、または、融着部の未解撚長を規制し、編織物の模様表現を変化させるというように、ホモポリマーからなるポリエステル融着仮撚加工糸特有の効果を積極的に利用したものであった。
特開昭55−67025号公報 特開平08−100340号公報
しかしながら、前記提案の従来技術は、いずれもホモポリマーからなるポリエチレンテレフタレートを使用した融着延伸仮撚加工糸であり、これらは一般的に染色されにくく、染色後の布帛の色彩として鮮明な色が出しにくい。また、未解撚部の平均長さと未解撚比率は正比例の関係があり、未解撚部の平均長さが短い場合は、未解撚比率も小さく、融着延伸仮撚加工糸特有のシャリ感やドライ感が不足し、一方で未解撚部が長い場合は、未解撚比率も大きく、風合いが硬くなるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、融着延伸仮撚加工糸が従来もつ適度なシャリ感とドライ感に加え、しなやかさと染色後の鮮やかな高発色性を発現させることを課題可能としたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであって、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、カチオン染料で染色可能なポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸の長手方向にほぼ均一に存在し、前記未解撚部の長さが3.0mm〜8.0mmであり、前記ポリエステルマルチフィラメントの総繊度が40dtex〜85dtex、未解撚部の撚り密度が、3300T/m〜3700T/mとすることを特徴とする融着延伸仮撚加工糸である。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の好ましい態様によれば、前記のポリエステルマルチフィラメントを構成する少なくとも1本の単繊維の横断面が、2以上の凹部を有する断面形状からなることである。
本発明によれば、融着延伸仮撚加工糸が従来もつ適度なシャリ感とドライ感に加え、しなやかさと染色後の鮮やかな高発色性を発現させることができるポリエステル融着延伸仮撚加工糸が得られる。さらに、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸を、他種のホモポリエステル繊維や天然繊維からなる糸条と交編または交織することにより、染色性や染色温度の違いから、清涼感とドレープ感があり、かつ新規な模様表現の編織物を得ることができる。
図1は、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸を例示説明するための模式側面図である。
次に、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸について、詳細に説明する。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、カチオン染料で染色可能なポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸の長手方向に存在している、多数の単繊維からなるポリエステルマルチフィラメント長繊維糸条である。
上記のカチオン染料で染色可能なポリエステルマルチフィラメントを構成するポリエステルとしては、好適には、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分とポリアルキレングリコール成分が共重合したコポリマーからなり、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから形成されるエステル結合を有する溶融形成可能な重合体である改質ポリエステルが挙げられる。
本発明で好適に用いられる改質ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート単位を少なくとも80モル%以上含み、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分が全カルボン酸に対し好ましくは0.7〜2.4モル%共重合されており、そして、好ましくは重量平均分子量90〜6000のポリアルキレングリコール成分が、ポリエステルに対し好ましくは0.2〜10質量%共重合されたカチオン染料で染色可能な改質ポリエステルが挙げられる。
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸としては、例えば、ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートやビス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートなどが挙げられる。また、併用するポリアルキレングリコール成分の代表例としては、次の一般式
HO−(CH−CH−O)m−R−O−(CH−CH−O)nH
(式中、Rは炭素原子数2〜20の直鎖、環状または側鎖を有する2価の脂肪族炭化水素基を表し、mとnは同一または異なる整数で1≦m+n≦100である。)で示されるグリコールやビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリエステルには、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種の添加剤などの第2成分や第3成分を共重合または混合してもよい。添加剤としては、例えば、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤および螢光増白剤などが挙げられる。
図1は、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の一部を示す模式側面図である。
図1において、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、加撚されたマルチフィラメントが加熱により軽く融着し、撚りが固定、集束した撚り方向と同一方向の未解撚部1と、撚り方向とは反対方向に過剰に解撚されたオーバー解撚部2が、糸の長手方向に交互に存在している。一定の長さ間において未解撚部の長さの平均値である未解撚部の平均長さは3.0mm〜8.0mmであり、好ましくは3.2mm〜7.8mmであり、さらに好ましくは3.4mm〜7.6mmである。未解撚部の平均長さが3.0mmより短い場合、従来ポリエステル融着延伸仮撚加工糸のもつシャリ感とドライ感が不足する。更に、編織物にする際の張力変動により未解撚部分が壊れやすく、染色後タテスジやヨコムラなどが発生する不具合が生じることがある。また、未解撚部の平均長さが8.0mmより長い場合は、糸条が剛直になり、風合いが硬くなる。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸において、一定の長さ間の糸の長手方向に未解撚部分が占める割合である未解撚比率は、25%以上であり、45%以下であることが好ましい。未解撚比率は、更に好ましくは28%以上であり、42%以下である。未解撚比率が25%を下回る場合、融着延伸仮撚加工糸特有のシャリ感とドライ感が不足する傾向がある。未解撚比率が45%を上回る場合、剛直な未解撚部分の割合が多くなり、風合いが硬くなる傾向がある。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、上記平均長さの未解撚部が糸の長手方向にほぼ均一に分布し、未解撚部とオーバー解撚部が糸の長手方向に交互に存在している。
上記の改質ポリエステルを用いることにより、従来のポリエステルホモポリマーを用いたポリエステル融着延伸仮撚加工糸では、成し得なかった未解撚部の平均長さを3.0mm〜8.0mmの範囲としながらも、未解撚比率を25%以上、45%以下の範囲で存在させることが可能である。この効果として、未解撚比率をこの範囲とすることにより、融着延伸仮撚加工糸が従来もつ適度なシャリ感とドライ感を有しながらも、未解撚部の平均長さが短いため、糸条法線方向では非常に曲がり易く、布帛にした場合、ドレープ感のある、しなやかな風合いの編織物が得られるのである。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の総繊度は、40dtex〜85dtexであり、好ましくは42dtex〜83dtexであり、より好ましくは44dtex〜81dtexである。総繊度が85dtexを超えると、他種のホモポリエステル繊維や天然繊維からなる糸条と交編または交織した場合、編織物の布帛にした場合、厚手となり清涼感が不足する。また、総繊度が40dtexを下回ると、シャリ感とドライ感が損なわれる。
ポリエステルマルチフィラメントの単繊維数は、好ましくは10本〜300本であり、さらに好ましくは12本〜288本である。また、平均単繊維繊度は、好ましくは0.12dtex〜8.50dtexであり、さらに好ましくは0.14〜8.00dtexである。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、少なくとも1本の単繊維が2以上の凹部を有する断面形状であることが好ましく、構成するマルチフィラメント全単繊維が2以上の凹部を有していてもよい。そしてこれらの単繊維が分散し混繊して構成されることが好ましく、具体的に、例えば、丸孔断面の単繊維と好ましくは2葉以上六葉までの異形断面の単繊維との混繊したマルチフィラメントが挙げられる。
このような断面形状をすることにより、元来より色鮮やかであった改質ポリエステル融着延伸仮撚加工糸に対して、色彩に奥行き感が加わり、布帛にした際に独特な風合いが発現する。さらに、吸水性も付与することができるため、特に衣料用としての用途が格段に広がる。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の加撚されたマルチフィラメントが融着し、撚りが固定、集束した未解撚部の撚り密度は3300T/m〜3700T/mである。好ましくは3400T/m〜3600T/mである。未解撚部の撚り密度が3300T/mを下回ると、編織物にする際の張力変動により未解撚部分が壊れやすく、シャリ感が不足する傾向がある。加えて、染色後タテスジやヨコムラなどの不具合が生じることがある。また、撚り密度が3700T/mを上回ると、強撚糸のごとく糸全体が剛直となるため風合いが硬くなり、過度なシャリ感、すなわちジャリ感となるため、適度なシャリ感を持つ布帛を得ることができにくくなる。未解撚部の撚り密度が3300T/m〜3700T/mとすることにより、高度な品位の編織物が得られる。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸により作製された織編物は、シャリ感とドライ感に加え、しなやかさと清涼感を持ち、さらに染色後の鮮やかな高発色性を持つ編織物となる。また、カチオン染料で染色可能な改質ポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であるため、染色性や染色温度の違いから他種のホモポリエステル繊維や天然繊維からなる糸条との交織、交編した織編物では、新規な模様表現の編織物が得られる。
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、婦人・紳士用編織物を中心に好適に使用される。
次に、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸の製造方法を記載する。前記した改質ポリエステルの原料ポリマーを用いて、溶融紡糸方法を行うことにより、部分配向未延伸糸(マルチフィラメント)を得る。部分配向未延伸糸は、原料である上記の改質ポリマーを好ましくは280℃〜300℃の温度で溶融し、任意の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条を形成させ、冷却風を吹き付けることによって糸条を冷却して、収束した後、油剤と交絡を付与し、好ましくは紡速2000m/分〜3500m/分の速度で巻き取ったパッケージのことである。部分配向未延伸糸は、ポリマー分子鎖の配向が進んでいる部分とそうでない部分が混在した状態ではなく、糸条長手方向で均一な分子鎖の配向状態である。
次いで、部分配向未延伸糸を上記の延伸仮撚加工することにより、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸を得ることができる。通常、延伸仮撚加工は、マルチフィラメント部分配向未延伸糸を延伸しながら、仮撚を施す加工方法であり、糸条は加熱されながら加撚され、その後、解撚されて嵩高な風合いとなる。本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、マルチフィラメントを延伸仮撚加工する際に、仮撚ヒーター温度をポリマー融点近傍の温度にて加工することにより、加撚時に加熱によってマルチフィラメントの単繊維間で軽い融着が発現し、撚りが固定された未解撚部となり、融着延伸仮撚加工糸特有のシャリ感とドライ感を発現させる。また単繊維間での融着の弱い部分のみにおいて解撚時に融着が解かれるため、過剰に解撚されたオーバー解撚部となる。これらは、未解撚部に比べ、嵩高で曲がり易く、しなやかな部分である。
具体的な製造方法の一例として、仮撚ヒーター(第1ヒーター)温度は、融着性と操業性の観点から、225℃〜235℃が好ましい。仮撚ヒーター温度は、更に好ましくは227℃〜233℃である。仮撚加工は、回転型フリクションディスクに糸条を接触させ、撚りを掛ける。加工時の糸速度に対するフリクションディスク表面速度は、1.5倍〜2.5倍で加工することが好ましく、また加撚部の糸張力T1に対する解撚部の糸張力T2を表す、張力比T2/T1は0.5〜1.5が好ましい。仮撚後に、第2ヒーターを用いて糸条のトルクを除去してパッケージに巻き取る。延伸倍率は1.05〜1.50倍の範囲が好ましい。
次に、実施例により本発明のポリエステル融着仮撚加工糸について、詳細に説明する。実施例と比較例中に使用した各測定値と評価は、次の測定法により求めた。また、全ての測定値は測定を3回行い、その平均値とした。
<マルチフィラメントの総繊度>
総繊度の測定は、ポリエステル融着延伸仮撚加工糸を解舒張力1/11.1g/dtexで枠周1.0mの検尺機で100回巻き、天秤を用いて質量を測定し、100倍することにより総繊度(10000mの質量)とした。
<平均単繊維繊度>
得られたマルチフィラメントの総繊度を、糸条を構成する単繊維数で割り返した値を平均単繊維繊度とした。
<未解撚部の平均長さおよび未解撚比率>
未解撚部の平均長さおよび未解撚比率の測定は、東レエンジニアリング株式会社製のFPD−500を用いて、測定速度3.0m/分で、測定長6.0mで、断面部分の糸密度が高く糸の外径が小さい未解撚部と、密度が低く糸の外径が大きいオーバー解撚部とを、光センサーにて判別させることで測定した。未解撚部の平均長さは、測定長6.0m間にある未解撚の長さを測定した平均値であり、未解撚比率は、測定長6.0m間にある糸の長手方向に未解撚部の占める割合である。
<未解撚部の撚り密度>
未解撚部の撚り密度の測定は、20mmのポリエステル融着仮撚加工糸をサンプリングし走査型電子顕微鏡を用いて拡大倍率を30倍に拡大し、単位長さ当たりのマルチフィラメント融着部の巻数を測定し、50倍することにより1m当たりの未解撚部撚り密度とした。
ポリエステル融着延伸仮撚加工糸の筒編みにおける発色性、シャリ感およびドライ感、およびホモポリエステル繊維からなる糸条との交織した織物の清涼感、風合いおよび模様表現については、官能評価を実施した。評価をそれぞれ次のように示し、○を合格とした。
○:良い
△:普通
×:悪い。
参考例1)
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタル酸が全カルボン酸に対し、1.6モル%、重量平均分子量1000のポリエチレングリコールがポリエステルに対して1.2質量%共重合した改質ポリエチレンテレフタレート(改質PET)を溶融後、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2400m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度230℃、第2ヒーター温度210℃、加工倍率1.19倍の条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは7.8mm、総繊度は74.1dtex、未解撚部撚り密度は3720T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈ていた。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は清涼感、風合いおよび模様表現を有していた。結果を表1に示す。
(実施例3)
参考例1同様の改質PETを溶融後、吐出量を変更して、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2500m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは6.5mm、総繊度は41.6dtex、未解撚部撚り密度は3540T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈し、かつシャリ感とドライ感を有していた。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は、優れた清涼感、風合いおよび模様表現を有していた。結果を表1に示す。
(実施例4)
参考例1同様の改質PETを溶融後、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3200m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは3.3mm、総繊度は71.2dtex、未解撚部撚り密度は3420T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈し、かつシャリ感とドライ感を有していた。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は、優れた清涼感、風合いおよび模様表現を有していた。結果を表1に示す。
(実施例7)
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタル酸が全カルボン酸に対し、0.8モル%、重量平均分子量1000のポリエチレングリコールがポリエステルに対して1.2質量%共重合した改質ポリエチレンテレフタレート(改質PET)を溶融後、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2400m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは7.0mm、総繊度は73.5dtex、未解撚部撚り密度は3680T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈し、かつシャリ感とドライ感を有していた。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は、優れた清涼感、風合いおよび模様表現を有していた。結果を表1に示す。
Figure 0005953819
(比較例1)
ホモポリマーからなるポリエチレンテレフタレート(ホモPET)を溶融後、24ホール丸形の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3300m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度247℃、第2ヒーター温度230℃、加工倍率1.525の条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは7.8mm、総繊度は77.0dtex、未解撚部撚り密度は3355T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編は、シャリ感とドライ感は不足し、染色品は発色性に劣るものであった。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物の風合いは優れていたが、清涼感、模様表現は劣るものであった。結果を表2に示す。
(比較例2)
ホモポリマーからなるポリエチレンテレフタレート(ホモPET)を溶融後、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3300m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。比較例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは5.6mm、総繊度は79.2dtex、未解撚部撚り密度は3405T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であった。作製した筒編はシャリ感とドライ感は不足し、染色品は発色性に劣るものであった。また、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物の風合いは優れていたが、清涼感と模様表現は劣るものであった。結果を表2に示す。
(比較例3)
参考例1同様の改質PETを溶融後、24ホール丸形の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2200m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは8.8mm、総繊度は76.6dtex、未解撚部撚り密度は3660T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈し、かつシャリ感とドライ感を有していた。しかしながら、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は清涼感、模様表現は優れていたが、風合いは硬く劣るものであった。結果を表2に示す。
(比較例4)
参考例1同様の改質PETを溶融後、12ホール丸形と12ホールの六葉形、合計24ホールの吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3300m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは2.6mm、総繊度は70.2dtex、未解撚部撚り密度は3540T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈すものの、シャリ感とドライ感は不足していた。総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は風合い、模様表現は優れていたが、清涼感は不足し、劣るものであった。結果を表2に示す。
(比較例5)
参考例1同様の改質PETを溶融後、吐出量を変更して、24ホール丸形の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3000m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは3.7mm、総繊度は87.6dtex、未解撚部撚り密度は3365T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈し、かつシャリ感とドライ感を有していた。しかしながら、総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は厚手となり、模様表現は優れていたが、清涼感は不足し、風合いは、劣るものであった。結果を表2に示す。
(比較例6)
参考例1同様の改質PETを溶融後、吐出量を変更して、24ホール丸形の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速3000m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。参考例1同様の仮撚り条件で延伸仮撚加工を施し、巻き取った。得られた加工糸の未解撚部の平均長さは3.9mm、総繊度は38.2dtex、未解撚部撚り密度は3410T/mであった。得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸中に存在した形状であり、得られたポリエステル融着延伸仮撚加工糸を用いて作製した筒編の染色品は、鮮やかな発色性を呈すものの、シャリ感とドライ感は不足していた。総繊度56dtex、24フィラメント、単繊維断面が丸形のホモポリエステル繊維からなる糸条と交織した織物は、清涼感は不足し、風合いと模様表現も劣るものであった。結果を表2に示す。
Figure 0005953819
1:未解撚部
2:オーバー解撚部

Claims (2)

  1. カチオン染料で染色可能なポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部が交互に糸の長手方向に存在し、前記未解撚部の平均長さが3.0mm〜8.0mmであり、マルチフィラメントの総繊度が40dtex〜85dtex、未解撚部の撚り密度が、3300T/m〜3700T/mであることを特徴とするポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
  2. ポリエステルマルチフィラメントを構成する少なくとも1本の単繊維の横断面が、2以上の凹部を有する断面形状であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
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