JPH08100340A - 融着仮より加工糸およびその製造方法 - Google Patents

融着仮より加工糸およびその製造方法

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JPH08100340A
JPH08100340A JP23631994A JP23631994A JPH08100340A JP H08100340 A JPH08100340 A JP H08100340A JP 23631994 A JP23631994 A JP 23631994A JP 23631994 A JP23631994 A JP 23631994A JP H08100340 A JPH08100340 A JP H08100340A
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yarn
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untwisted
processed
twist
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JP23631994A
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Toshiaki Shimizu
敏昭 清水
Hisao Inuyama
久夫 犬山
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】むら感を軽減し、“しまり感、はり、こし、し
ゃり感”のある織、編物に加工できる。 【構成】、平均長が3mmを超えない少なくとも100
個/mの未解撚部と、実質的に撚りのない開繊部と、平
均長が10mmを超えず、平均より数(T)が、T=
(3.16×104 /D1/2 )α (ただし、α:0.
2〜0.6、 D:糸条の実繊度[デニール])で示さ
れる、仮より解撚方向の撚を有するオーバー解撚部と、
が混在する単一のポリエステルマルチフィラメントであ
る。延伸後の単糸繊度が2.5デニール以下になる未延
伸糸を用い、解撚促進ガイド8を仮よりツイスター出口
の解撚ポイント15から2cm以内に設け、ヒーター温
度を230℃〜250℃に、かつ、走行糸と解撚促進ガ
イドとが作る屈曲角度を40〜180度に保って製造す
るとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸むら感を解消した融
着仮より加工糸およびその製造方法に関する。本発明に
かかる融着仮より加工糸を利用すれば、融着糸に特有の
粗硬感がなく、ソフトな風合、豊かな表情の織編物を得
ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来から織編物に“はり、こし、しゃり
感”をもたせる目的で、熱可塑性合成繊維マルチフィラ
メントを部分的に融着させた仮より加工糸が開発されて
いる(たとえば、特公昭59−20007号公報、特公
昭62−35491号公報、特開昭54−82464号
公報、特開昭61−47838号公報、特開平6−73
630号公報などに記載の仮より加工糸)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の融着仮
より加工糸は、実質的に未解撚部の長さが長く、織編物
に加工すると、強いむら感が発生したり、複数本の原糸
や特殊原糸を用いる必要があったり、コストが高くなる
などの欠点があった。本発明者は、むら感を軽減し、独
特な“しまり感、はり、こし、しゃり感”のある織、編
物に加工できる融着仮より加工糸、およびその経済的な
製造方法を課題に鋭意研究し、本発明を完成することが
できた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の融着仮より加工
糸およびその製造方法を図面を参照して説明する。本発
明は、前記の課題を解決するために、平均長が3mmを
超えない、少なくとも100個/mの未解撚部1と、実
質的に撚りのない開繊部2と、平均長が10mmを超え
ず、平均より数(T)が(1)式で示される、 T=(3.16×104 /D1/2 )α (1) ただし、α:0.2〜0.6 D:糸条の実繊度[デニール] 仮より解撚方向の撚りを有するオーバー解撚部3と、が
混在する単一のポリエステルマルチフィラメントである
ことを特徴とする、融着仮より加工糸を提供する。本発
明の融着仮より加工糸では、オーバー解撚部の外直径に
対する未解撚部の外直径を0.7〜1の範囲に保つこと
が好ましい。
【0005】また、本発明は、フィードローラ5とデリ
ベリローラ10との間に、ヒータ6とツイスター7と仮
よりツイスター7出口の解撚ポイント15から2cm以
内の距離Lに設けられた解撚促進ガイド8とからなる融
着仮より加工装置を用い、延伸後の単糸繊度が2.5デ
ニールを超えない未延伸ポリエステルマルチフィラメン
ト4を、ヒーター温度を230℃〜250℃に、かつ、
走行糸と解撚促進ガイドとが作る屈曲角度θを40〜1
80度に保ち、融着仮より加工することを特徴とする、
融着仮より加工糸の製造方法を提供する。
【0006】
【作用と実施態様例】以下、本発明を図面を参照し実施
態様例をあげながら、具体的にに説明する。図1は本発
明の融着仮より加工糸の一部を示す側面形態図、図2は
本発明の融着仮より加工糸の製造方法の一例を示す概略
工程図、図3は本発明における解撚促進ガイド部で糸が
走行している状態を示す模式図である。
【0007】本発明の融着仮より加工糸は、基本的に、
所定の形態を有する、未解撚部1と開繊部2とオーバー
解撚部3とが混在して構成されている。未解撚部1は、
仮より加工時の加熱によって軽く融着し撚りが固定した
部分であって、織・編物に“しゃり感”をもたらす作用
を有すると考えられている。開繊部2は、仮より加撚方
向と仮より解撚方向との反転部であって、実質的に撚り
のない部分である。オーバー解撚部3は、仮より解撚方
向の撚りを有し融着がないか、あってもごく僅かな部分
であって、織・編物に通常の仮より加工糸を追撚したも
のと同じような、ソフトな風合いとミニしぼによるクレ
ープ効果などをもたらす作用を有すると考えられてい
る。本発明の融着仮より加工糸には、未解撚部を1、開
繊部を2、オーバー解撚部を3で示す3つの部分が、糸
軸方向に沿って1−2−3−2を主たる基本構成単位と
して繰返し存在し、さらに、1−3−2、1−3−2−
3、1−2−1などの構成単位も、基本構成単位の前後
に不規則に存在するのである。この様な構成単位で前記
の3つの部分が不規則に混在することが、3つの部分の
糸構造や形態差に起因する“むら”を分散し、本発明の
融着仮より加工糸を用いた織・編物の表面を均整にする
作用をもたらすものと考えられる。なお、本発明の融着
仮より加工糸は、前記の未解撚部と開繊部とオーバー解
撚部以外に、これらの中間的な形態部分などが、若干、
混在することを制限するものではない。
【0008】さらに、本発明の融着仮より加工糸は、こ
れを使用した織編物の“むら感”を十分に軽減させるの
に、未解撚部1、開繊部2およびオーバー解撚部3を、
所定の形態に加工している。すなわち、未解撚部1は、
少なくとも100個/m混在させ、平均長は3mmを超
えない。平均長が3mmを超えると、“むら感”を呈
し、また、100個/mに満たなければ、いわゆるタイ
トスポット的な欠点となるばかりでなく、目的とする
“しまり感”などを実現し難くなるためでもある。
【0009】開繊部2は、実質的に撚りがなければ足り
る。「実質的に」の意味は、視覚的には若干の撚りが存
在しても、糸条全体としては無撚りと見做される状態で
ある。オーバー解撚部3は、平均長が10mmを超え
ず、かつ、前記(1)式で示される平均より数Tが、α
を0.2〜0.6とする範囲内にある。平均長が10m
mを超えると“むら感”を呈し、また平均より数がαを
0.2とする値を下まわれば、撚りによる集束性が不足
し、オーバー解撚部が見掛上嵩高になって“むら感”が
強くなる傾向になり、αを0.6とする値を超えるよう
になると、オーバー解撚部の撚り集束が強く糸条全体が
硬くなる傾向になるためである。
【0010】また、本発明の融着仮より加工糸のオーバ
ー解撚部3の外直径と未解撚部1の外直径とが大きく異
ならないことが織・編物の“むら感”の軽減には効果的
であって、オーバー解撚部の外直径に対する未解撚部の
外直径を0.7〜1の範囲に保つことが好ましい。本発
明の融着仮より加工糸は、ポリエチレンテレフタレート
を主たる成分としておれば、共重合糸や異形断面糸であ
っても特に限定されないが、織・編物に独特の“しまり
感”を実現するためには、糸条全体が融着状態となり得
る単一のマルチフィラメントで構成されている必要があ
る。本発明の未解撚部およびオーバー解撚部の平均長お
よび個数の測定方法について説明する。250mmの融
着仮より加工糸をチーズからランダムサンプリングす
る。サンプルに0.1g/デニールの荷重をかけて台紙
に貼り付け、スケールをあて、拡大鏡を通して観察す
る。未解撚部およびオーバー解撚部の個数と長さとをそ
れぞれに測定し、測定値を算術平均し、1m当りの数値
に換算する。また、未解撚部およびオーバー解撚部の外
直径は、走査型電子顕微鏡を用いて得られたサンプルの
拡大写真により測定する。
【0011】次に、本発明の融着仮より加工糸の製造方
法を実施態様例をあげて説明する。本発明の融着仮より
加工糸の製造には、フィードローラ5とデリベリローラ
10との間に、ヒータ6とツイスター7と仮よりツイス
ター7出口の解撚ポイント??から2cm以内の距離L
に設けられた解撚促進ガイド8とからなる融着仮より加
工装置を用いる。使用する仮よりツイスター7としては
一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ
などの仮よりツイスターを用いることができるが、なか
でも糸掛け操作性に有利なフリクションタイプが好まし
い。また、ヒーター6に特別の制限はなく、電熱方式な
どを用いることができるが、温度均一性にすぐれた、例
えばダウサムなどの熱媒加熱方式が好ましい。原糸4に
は延伸後の単糸繊度が2.5デニールを超えないポリエ
ステル未延伸糸を用いる。延伸後の単糸繊度が2.5デ
ニールを超えると加工糸の粗剛感が増し、ソフトな“は
り、こし”を有する織・編物への加工が難しくなる。ま
た、充分な融着レベルを得るための熱処理条件が厳しく
なって、糸強度などの物性低下を招くおそれがある。ま
た、融着をしやすくする観点から、延伸後のトータル繊
度で150デニール以下のものを用いることが好まし
い。本発明の加工糸は、一般に、前記のポリエステル未
延伸糸4を、フィードローラ5からヒータ6を通し、解
撚促進ガイド8を有する仮よりツイスター7に供給し、
解撚促進ガイド8を介してデリベリーローラ10に導
き、融着仮より加工を施す。さらに、必要に応じ第2ヒ
ータ11と第2デリベリーローラ12とを設け再熱処理
する。
【0012】本発明では、ヒータ6を230〜250℃
に加熱しておく。ヒータ6の温度が230℃以下である
と、融着による未解撚部1の形成が不充分となり、ま
た、開繊部2およびオーバー解撚部3がかさ高になり、
あるいは“糸むら感”を生じるので、好ましくない。一
方、250℃を越えると、“糸むら感”は小さくなる
が、過度な融着によって加工時の糸切れが増加し、製造
した加工糸の粗硬感が強くなって、ソフトな“はり、こ
し”を有する織・編物に加工することが難しくなる。さ
らに、本発明の融着仮より加工糸の製造方法において
は、図3に示すように、解撚促進ガイド8を、仮よりツ
イスター7出口の解撚ポイント15から2cm以内(図
中Lで示す距離)に設けることが好ましい。本発明でい
う解撚ポイント15とは、撚り掛作用が終了する点をい
い、具体的には、たとえば、フリクションツイスターで
は最終ディスクにおいて糸条の離れる点、ベルトニップ
ツイスターではニップの終了する点、ピン仮撚機ではピ
ンに巻付けた糸条がピンから離れる点をいう。
【0013】また、走行糸9と解撚促進ガイド8との屈
曲角度θは、40〜180度の範囲に保つことが好まし
い。これは、ヒータ6からの受熱によって撚りを融着固
定した未解撚状態を、積極的に短いピッチで繰返し解撚
させるためであって、融着−解撚の繰返ピッチのパター
ンは、距離Lと屈曲角度θとで調整することができる。
短いピッチで未解撚状態の糸条の解撚を繰返すには、解
撚するピッチを静的に規制する距離Lを小さくして実質
的な解撚ゾーンを短くすればよい。具体的には、Lを2
cm以下に押えることによって、“糸むら感”を軽減し
た融着仮より加工糸が得られる。また、解撚促進ガイド
8上で解撚ピッチを動的に左右する角度θを適正化し
て、未解撚部に“しごき”作用を付与し、かつ、ガイド
と走行糸との間の摩擦による糸の振動を誘発させること
が有効である。屈曲角度θが40度に満たなければ、実
質的な解撚ゾーンの距離を規制する効果が得られないこ
とに加え、糸への“しごき”効果が低く、糸振動を誘発
しないため充分に解撚ピッチを短くすることが難しくな
る。一方、180度を超えると距離規制、“しごき”効
果、糸振動の誘発には有効に作用するが、通常、加工時
の解撚張力の増加が著しく、仮より加撚張力に悪影響を
与え、仮より加工が不安定となり、糸切れ増加の原因と
もなり、生産管理が困難になる。融着仮より加工を施さ
れた糸条は巻取りパッケージに巻取られる。あるいは、
必要に応じ、デリベリーローラ10と第2デリベリーロ
ーラ12との間の第2ヒータ11で再熱処理し、仮より
トルクを低減させた後、巻取りパッケージ14に巻取ら
れる。以上に説明したように、使用する未延伸糸の条
件、加工温度条件、解撚促進ガイドなどの使用条件を見
出だしたことによって、織・編物の“むら感”を軽減
し、ソフトで、かつ、独特な“しまり感、はり、こし、
しゃり感”を実現できる融着仮より加工糸を製造するこ
とができるようになったのである。
【0014】
【実施例】次に、本発明の融着仮より加工糸を製造し、
従来の融着仮より加工糸と比較したので、その結果につ
いて説明する。しかし、本発明はこれらの実施例や比較
例により限定されるものではない。なお、本実施例およ
び比較例で得られた融着仮より加工糸の特性は、とくに
注記した場合を除いて、いずれも前記の測定法によっ
た。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレートを速度2700m/min
で溶融紡糸し、延伸後には繊度が30デニール、単糸数
24フィラメントになる、55デニール、24フィラメ
ントの未延伸糸を製造した。製造した未延伸糸を、図2
に示す工程に準じた工程により、表1に示す条件下で、
本発明の融着仮より加工糸に加工した。得られた融着仮
より加工糸には、未解撚部と、実質的に撚のない開繊部
と、仮より解撚方向の撚りを有するオーバー解撚部とが
混在していた。この加工糸の特性の測定結果を表2に示
す。この加工糸を用いてトリコット編地を編成した。得
られた編地は、糸の形態差による“むら”が殆どみられ
ず、ソフトタッチでありながら“しまり感、ミニしぼ
感”のある、すぐれた風合いを持っていた。
【0015】実施例 2 ポリエチレンテレフタレートを紡速2800m/min
で溶融紡糸し、延伸後の繊度が50デニール、単糸数が
48フィラメントになる、85デニール、48フィラメ
ントの未延伸糸を製造した。製造した未延伸糸を、図2
に示す工程に準じた工程により、表1に示す条件下で、
本発明の融着仮より加工糸に加工した。得られた融着仮
より加工糸には、未解撚部と、実質的に撚のない開繊部
と、仮より解撚方向の撚りを有するオーバー解撚部とが
混在していた。この加工糸の特性の測定結果を表2に示
す。この加工糸を用いてトリコット編地を編成した。得
られた編地は、“むら”が殆どみられず、ソフトタッチ
でありながら“はり、こし”のある、すぐれた風合いを
持っていた。
【0016】比較例 1 実施例1に用いたのと同じ未延伸糸を、図2に示す工程
に準じた工程により、表1に示す条件下で、融着仮より
加工を行った。得られた融着仮より加工糸の特性の測定
結果を表2に示す。この加工糸は未解撚部の個数が少な
く、かつオーバー解撚部の外直径が大きかった。実施例
1と同様にしてトリコット編地を編成したが、未解撚部
が虫食い状のタイトスポット欠点として確認されたばか
りでなく、“ふかつき”の強いものであった。
【0017】比較例 2 実施例1に用いたのと同じ未延伸糸を、図2に示す工程
に準じた工程により、表1に示す条件下で、融着仮より
加工を行った。得られた融着仮より加工糸の特性の測定
結果を表2に示す。この加工糸は、未解撚部およびオー
バー解撚部の平均長さが長かった。実施例1と同様にし
てトリコット編地に編成したが糸の形態むらが強く現れ
た。
【0018】比較例 3 実施例1に用いたのと同じ未延伸糸を、図2および表1
に示す工程・条件下で加工を行った。得られた融着仮よ
り加工糸の特性の測定結果を表2に示す。実施例1と同
様にしてトリコット編地に編成したが、比較的均整であ
るものの充分ではなく“むら”が目視できるものであ
り、従来品の範ちゅうを越えるものとはならなかった。
【0019】比較例 4 ポリエチレンテレフタレートを紡速3000m/min
で溶融紡糸し、延伸後の繊度が50デニール、単糸数が
12フィラメントとなる、80デニール12フィラメン
トの未延伸糸を製造した。製造した未延伸糸を、図2に
示す工程に準じた工程により、表1に示す条件下で、融
着仮より加工糸に加工した。得られた融着仮より加工糸
の特性の測定結果を表2に示す。この加工糸を用い、実
施例1と同様にしてトリコット編地に編成したが、“む
ら感”は少ないものの粗硬感が強く、いわゆる“じゃり
味”のあるものであった。
【0020】
【表1】 実施例 / 比 較 例 1 2 / 1 2 3 4 ヒータ温度(℃) 245 242 / 228 245 245 250 仮より数 (T/m) 4800 3700 / 4800 4800 4800 3750 L(cm) 1.0 1.5 / 1.0 8.0 1.0 1.0 θ(度) 80 180 / 80 80 30 180 加工速度 (m/min) 450 400 / 450 450 450 400 仮より延伸倍率(倍) 1.52 1.40 / 1.52 1.52 1.52 1.40
【0021】
【表2】 実施例 / 比 較 例 1 2 / 1 2 3 4 未解撚部個数(個/m) 137 163 / 32 42 71 112 平均未解撚部長(mm) 2.1 1.8 / 1.0 7.0 4.3 2.4 平均オーバー解撚部長(mm) 4.7 4.2 / 31.7 13.6 10.2 7.8 オーバー解撚部撚数 (T/m) 2088 1672 / 167 2151 2270 1481 直径比(未解撚部/オーバー解撚部) 0.81 0.79 / 0.59 0.73 0.77 0.83 編地“むら感”* ○ ○ / × × △ ○ (注) *:編地“むら感”は目視による官能評価 ○;ほとんど“むら感”なし △;僅かに“むら感”あり ×;“むら感”強い
【0022】
【発明の効果】本発明の融着仮より加工糸は、未解撚
部、開繊部およびオーバー解撚部に独自の形態を付与し
ているので、この加工糸を用いて織成または編成すれ
ば、得られる織・編物は、“むら感”は軽減されてお
り、ソフトで、かつ、独特な“しまり感、はり、こし、
しゃり感”があり、極めてすぐれた風合を有する。ま
た、本発明の融着仮より加工糸の製造方法を利用して製
造した融着仮より加工糸も、同様に、極めてすぐれた風
合の織・編物に織成または編成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の融着仮より加工糸の一部を示す側面
形態図。
【図2】 本発明の融着仮より加工糸の製造方法の一例
を示す概略工程図。
【図3】 本発明における解撚促進ガイド部で糸が走行
している状態を示す模式図
【符号の説明】
1:未解撚部 2:開繊部 3:オーバー解撚部 4:ポリエステル未延伸糸(原糸) 5:フィードロ
ーラ 6:ヒータ 7:仮よりツイスター 8:解撚促進
ガイド 9:走行糸 10:デリベリーローラ 11:第2
ヒータ 12:第2デリベリーローラ 13:融着仮より加工
糸 14:巻取りパッケージ 15:解撚ポイント L:仮よりツイスター出口の解撚ポイントから解撚促進
ガイドまでの距離 θ:走行糸と解撚促進ガイドとが作る屈曲角度
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】次に、本発明の融着仮より加工糸の製造方
法を実施態様例をあげて説明する。本発明の融着仮より
加工糸の製造には、フィードローラ5とデリベリローラ
10との間に、ヒータ6とツイスター7と仮よりツイス
ター7出口の解撚ポイント15から2cm以内の距離L
に設けられた解撚促進ガイド8とからなる融着仮より加
工装置を用いる。使用する仮よりツイスター7としては
一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ
などの仮よりツイスターを用いることができるが、なか
でも糸掛け操作性に有利なフリクションタイプが好まし
い。また、ヒーター6に特別の制限はなく、電熱方式な
どを用いることができるが、温度均一性にすぐれた、例
えばダウサムなどの熱媒加熱方式が好ましい。原糸4に
は延伸後の単糸繊度が2.5デニールを超えないポリエ
ステル未延伸糸を用いる。延伸後の単糸繊度が2.5デ
ニールを超えると加工糸の粗剛感が増し、ソフトな“は
り、こし”を有する織・編物への加工が難しくなる。ま
た、充分な融着レベルを得るための熱処理条件が厳しく
なって、糸強度などの物性低下を招くおそれがある。ま
た、融着をしやすくする観点から、延伸後のトータル繊
度で150デニール以下のものを用いることが好まし
い。本発明の加工糸は、一般に、前記のポリエステル未
延伸糸4を、フィードローラ5からヒータ6を通し、解
撚促進ガイド8を有する仮よりツイスター7に供給し、
解撚促進ガイド8を介してデリベリーローラ10に導
き、融着仮より加工を施す。さらに、必要に応じ第2ヒ
ータ11と第2デリベリーローラ12とを設け再熱処理
する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均長が3mmを超えない、少なくとも1
    00個/mの未解撚部1と、実質的に撚りのない開繊部
    2と、平均長が10mmを超えず、平均より数(T)が
    (1)式で示される、 T=(3.16×104 /D1/2 )α (1) ただし、α:0.2〜0.6 D:糸条の実繊度[デニール] 仮より解撚方向の撚りを有するオーバー解撚部3と、が
    混在する単一のポリエステルマルチフィラメントである
    ことを特徴とする、融着仮より加工糸。
  2. 【請求項2】オーバー解撚部の外直径に対する未解撚部
    の外直径が、0.7〜1の範囲であることを特徴とす
    る、請求項1記載の融着仮より加工糸。
  3. 【請求項3】フィードローラ5とデリベリローラ10と
    の間に、ヒータ6とツイスター7と仮よりツイスター7
    出口の解撚ポイント15から2cm以内の距離Lに設け
    られた解撚促進ガイド8とからなる融着仮より加工装置
    を用い、延伸後の単糸繊度が2.5デニールを超えない
    未延伸ポリエステルマルチフィラメント4を、ヒーター
    温度を230℃〜250℃に、かつ、走行糸と解撚促進
    ガイドとが作る屈曲角度θを40〜180度に保ち、融
    着仮より加工することを特徴とする、融着仮より加工糸
    の製造方法。
JP23631994A 1994-09-30 1994-09-30 融着仮より加工糸およびその製造方法 Pending JPH08100340A (ja)

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