JPH111836A - 複合加工糸および複合仮撚加工糸の製造方法 - Google Patents

複合加工糸および複合仮撚加工糸の製造方法

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JPH111836A
JPH111836A JP9440398A JP9440398A JPH111836A JP H111836 A JPH111836 A JP H111836A JP 9440398 A JP9440398 A JP 9440398A JP 9440398 A JP9440398 A JP 9440398A JP H111836 A JPH111836 A JP H111836A
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yarn
composite
twisting
yarns
false
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JP9440398A
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Hideaki Kunisada
秀明 國貞
Tsugihiko Kai
二男子 甲斐
Kakuji Murakami
確司 村上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウールが持つ張り、腰、反発性を持たせるた
め、繊維軸方向および単繊維間に物性差、特に太さムラ
を付与することによって繊維間空隙を作り出して、反発
性を生み出し、かつ表面のソフトさとふくらみを合わせ
持つ複合加工糸およびその製造方法を提供する。 【解決手段】以下の少なくとも2種の異なる特性を持つ
糸条A、Bにより構成されていることを特徴とする複合
加工糸。 糸条A:複屈折の最小値が80×10-3以上で単繊維の
繊維軸方向に複屈折の範囲(R)が30×10-3以上で
あるとともに、構成単繊維間の複屈折の範囲(R)が3
0×10-3以上である仮撚捲縮を持つポリエステルマル
チフィラメント。 糸条B:沸水収縮率が25%以下であるマルチフィラメ
ント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収縮により繊維軸
方向に太細を発現させることにより、繊維間空隙を作り
出し、反発性を生み出すとともに、構成繊維中の一部の
糸条が糸長差となって表面に現れることにより、ソフト
さとふくらみを合わせ持つ複合加工糸および複合加工仮
撚糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成繊維の繊維軸方向、また
は単繊維間に物性差を付けることによって天然繊維の持
つ自然感に近づける努力がなされてきた。特公昭41−
6616号公報、特公昭43−19627号公報には、
ポリエステル未延伸糸を自然延伸倍率以下の倍率で延伸
することによって繊維軸方向に太さムラ、染着能力ムラ
を有する繊維、いわゆるシックアンドシンヤーンが開示
されている。しかしながら、この方法で得られる糸条は
太さムラや染色ムラが天然繊維のムラに比べて長く、繊
維軸方向に規則的に現れ、単繊維間のムラが揃う傾向に
ある。
【0003】また、特公昭51−7207号公報には未
延伸部が比較的短く、単繊維間での未延伸部の分散性の
良いシックアンドシンヤーンが提案されている。しか
し、単繊維間の分散性は十分ではなく、太繊度の未延伸
部は一般に低配向、低結晶化度であるため、染色処理や
熱処理によって特異的に脆くなる傾向にあった。
【0004】また、ふくらみを得るために、特公昭56
−17453号公報のように、伸度差のある未延伸糸を
引き揃えて、延伸仮撚する製造方法が提案されている。
しかし、高捲縮、高嵩高となるためにふかつきが問題と
なっていた。また、ふかつきを抑えるために中強撚にし
ても、ソフトさややわらかさを得ることはできなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解消し、ウールが持つ張り、腰、反発性
を持たせるため、繊維軸方向および単繊維間に物性差、
特に太さムラを付与することによって繊維間空隙を作り
出して、反発性を生み出し、かつ表面のソフトさとふく
らみを合わせ持つ複合加工糸および複合仮撚加工糸の製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の複合加工糸は前
記課題を解決するため以下の構成を有する。すなわち、
以下の少なくとも2種の異なる特性を持つ糸条A、Bに
より構成されている複合加工糸。
【0007】糸条A:複屈折の最小値が80×10-3
上で単繊維の繊維軸方向に複屈折の範囲(R)が30×
10-3以上であるとともに、構成単繊維間の複屈折の範
囲(R)が30×10-3以上である仮撚捲縮を持つポリ
エステルマルチフィラメント。
【0008】糸条B:沸水収縮率が25%以下であるマ
ルチフィラメント。
【0009】また、本発明の複合仮撚加工糸の製造方法
は前記課題を解決するため以下の構成を有する。すなわ
ち、2本以上の糸条を用いて複合延伸仮撚加工をするに
あたって、加撚域にて2本以上の糸条を施撚して撚合わ
せる際、撚合わせ点において糸条間に破断伸度差を存在
させ、破断伸度が小さい糸条の方が撚合わせ点への供給
速度が大きく、破断伸度の大きな糸条の温度はTg(ガ
ラス転移温度)以下である複合仮撚加工糸の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合加工糸につい
て詳細に説明する。
【0011】本発明における複合加工糸は少なくとも2
種の異なる特性を持つ糸条A、Bから構成されていて、
そのうち糸条Aは複屈折の最小値が80×10-3以上で
単繊維の繊維軸方向に複屈折の範囲(R)が30×10
-3以上、好ましくは40×10-3以上であるとともにと
もに、構成単繊維間の複屈折の範囲(R)が30×10
-3以上、好ましくは40×10-3以上である仮撚捲縮を
持つポリエステルマルチフィラメントである。従って、
糸条Aには、未延伸部は実質的に存在しない。複屈折の
最小値が80×10-3以下であるとき、未延伸部が残っ
ていることを意味し、染色処理や熱処理によって特異的
に脆くなるポイントを持つこととなる。
【0012】また、単繊維の繊維軸方向に30×10-3
以上の複屈折の範囲(R)を有し、かつ構成単繊維間に
おいて30×10-3以上の複屈折の範囲(R)を有する
ことにより、繊維軸方向には延伸倍率差と収縮率差によ
り熱処理時に太さムラを形成するとともに、単繊維間に
も複屈折の範囲(R)が実質的に必ず存在するため、熱
処理時に繊維間空隙が形成される。
【0013】シックアンドシンヤーンでは単繊維間に複
屈折のバラツキを形成することはできるが、繊維断面方
向における複屈折の範囲(R)が一定でないことが本発
明との大きな違いである。また、仮撚捲縮を持つことに
より、さらに嵩高性と繊維間空隙を生むことができる。
範囲(R)とは、R=(最大値)−(最小値)を意味し
ている。
【0014】さらに、糸条Bとして沸水収縮率が25%
以下である糸条を用いることによって、より一層糸のふ
くらみが増し、ソフトな風合いにすることができる。一
般に自発伸長糸と呼ばれるような、精練時または中間セ
ット時等にマイナスの収縮率を示す糸も好んで用いられ
る。
【0015】ここでいうポリエステルとは、80%以上
のエチレンテレフタレート単位を含有するポリエチレン
テレフタレート系重合体が好ましい。このエチレンテレ
フタレートには、共重合成分として例えばアジピン酸、
セバシン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、
ナフタリンジカルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香
酸等のオキシ酸類及びジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール
類、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の1種または
2種以上を共重合することができる。これらポリエステ
ルに酸化チタン等の艶消し剤、カオリナイト等の微細孔
形成剤、帯電防止剤等が少量添加されていても良い。本
発明の複合加工糸を構成するフィラメントの断面形状
は、丸断面、多葉断面、多角断面、扁平断面、中空断
面、その他特殊異形断面のどのようなものも適用可能で
あり、その組み合わせでも良い。使用原糸として糸条A
は、ポリエステルマルチフィラメントの未延糸、半延伸
糸の中から、また、糸条Bを構成するマルチフィラメン
トとしてはどのような素材でも適宜使用できるが、その
中でも熱可塑性繊維は好んで用いられ、その中でも未延
伸糸、半延伸糸、延伸糸から適宜選ぶことができる。
【0016】糸条Aは、繊維軸方向の任意の区間におい
て、構成単糸間に初期引張抵抗度のバラツキが存在して
いる。これまでのシックアンドシンヤーンにおいても未
延伸部が一部残存していて、未延伸部が存在すると初期
引張抵抗度が低くなるため、測定区間中に未延伸部が存
在するか否かで単糸間に初期引張抵抗度のバラツキが生
じていた。しかし、得られた初期引張抵抗度の値は、未
延伸部が測定単糸中に存在している単糸と、存在しない
単糸とで二極化していた。一方、本発明においては糸条
Aに未延伸部は存在せず、特定の初期引張抵抗度に偏在
することなく、初期引張抵抗度のバラツキを有してい
た。熱処理後においても、これら初期引張抵抗度のバラ
ツキが存在し、従来の合成繊維と異なり、単糸間の物性
にバラツキを持たせることにより、単糸間物性に差を有
している天然繊維の風合いに近づけることが可能とな
る。
【0017】単糸初期引張抵抗度のバラツキの範囲
(R)は、大きい方が自然感付与にとってより効果的で
あり、10g/d以上であることが好ましい。また、各
単糸の初期引張抵抗度は8〜160d/g程度の値を取
ることが風合いの面から好ましく、15〜60g/dで
あることはより好ましい。
【0018】繊維軸方向の複屈折の周期は、1〜50m
mの間で、好ましくは5〜30mmの間で変化させてい
る。これまでのシックアンドシンヤーンでは数センチか
ら数十センチまでコントロールできるが、ミリ単位で周
期性を持たせることが難しく、本発明は繊維間空隙形成
のためにはより効果的である。
【0019】糸条Aと糸条Bとの間の収縮差による繊維
間空隙とともに、糸条Aの熱処理時の繊維軸方向及び単
繊維間の収縮ムラを増大させて、よりよい風合いにする
ために、糸条Aの結晶化度は5%以下であることが好ま
しい。
【0020】織物にしたとき、適度な曲げ硬さと反発性
を両立するために、糸条Aの単繊維繊度は好ましくは2
d以上10d以下、より好ましくは4d以上10d以下
であり、かつ糸条Bの単繊維繊度が好ましくは3d以下
0.001d以上、より好ましくは3d以下0.5d以
上とする。
【0021】また、反発感や、ふくらみを残しながら、
ドライタッチな風合いにするために、糸条Aの単繊維繊
度が1d以上3d以下であり、かつ糸条Bの単繊維繊度
が2d以上6d以下にすることも好ましく用いられる。
【0022】糸条Aと糸条Bの繊度の比率を1:5〜
5:1に適宜変えることによって、反発感と表面のふく
らみ、ソフト感のバランスをコントロールできる。
【0023】糸条Bが仮撚捲縮を持つことによって、糸
条Bの単繊維の分散性および織物表面での柔らかさが増
すため、好んで用いられる。また、糸条Aに対して糸条
Bの糸長が長く、好ましくは1%以上40%以下、より
好ましくは3%以上20%以下の糸長差を持たせること
によって、織物表面での糸条Bのふくらみがさらに増
し、好ましい。この場合、糸長差が40%以上存在する
と、糸加工が難しくなるとともに、織物のふかつきも生
じるため、好ましくない。
【0024】本発明による複合仮撚加工糸を製造する方
法として、少なくとも2本以上の糸条を用いて、延伸同
時施撚操作および解撚操作を含む複合仮撚加工をするに
あたって、加撚域にて2本以上の糸条を施撚、撚合わせ
る際、撚合わせ点において、糸条間に破断伸度差が存在
し、破断伸度が小さい糸条の方が撚合わせ点への供給速
度が大きく、破断伸度の大きな糸条の温度はガラス転移
温度(Tg)以下とするものである。
【0025】すなわち、延伸同時施撚操作および解撚操
作を含む複合仮撚加工の加撚域にて2本以上の糸条を施
撚し、撚合わせる際、(1)糸条間に破断伸度差が存在
すること、(2)破断伸度の小さい糸条の方が撚合わせ
点への供給速度が大きいこと、(3)破断伸度の大きな
糸条の温度はTg以下であること、(4)撚合わせ後、
少なくとも破断伸度が大きい糸条が延伸されること、が
重要である。これにより、撚合わせ直後では破断伸度の
小さな糸条の方が供給速度が大きいので、破断伸度の大
きな糸条のまわりに巻き付くのである。しかしながら、
撚合わせ後に破断伸度の大きな糸条が破断伸度の小さい
糸条を中心にして延伸されるために、従来の引き揃えの
複合仮撚では実現しない延伸倍率差が生じる。これが複
屈折の範囲(R)として現れ、織物内では単繊維間に太
さムラを生んでいる。つまり、破断伸度の大きい糸条が
前記した複屈折の範囲(R)を有する糸条Aとなり、破
断伸度が小さい糸条が前記した糸条Bとなる。上記のよ
うに、撚りによる延伸ムラにより、複屈折の範囲(R)
を形成しているので、従来のシックアンドシンヤーンと
異なり、構成単繊維間の複屈折の範囲(R)は、繊維軸
方向のいずれの点でもほぼ等しくなる。
【0026】撚合わせ点から回転仮撚糸までの間は、糸
条Aと糸条Bとの物性差が小さくなるため、糸条をTg
以上に加熱しないことが好ましい。つまり、鞘糸により
加熱される以外の熱によって、糸条AをTg以上に加熱
しないことが好ましい。ただし、加工張力を下げる等の
目的のために糸条をTg未満の温度まで加熱することは
好ましく用いられる。
【0027】撚合わせ点において、破断伸度が大きい糸
条が織編物中にて繊維軸方向に太さムラを生じ、繊維間
空隙を形成するのであるが、この太さムラをより大きく
発現させるために、また糸加工の安定化、特に加撚張力
の低下を図るために、最も破断伸度の小さい糸条が他の
糸条と撚合わせする前に、Tg以上に、好ましくは80
℃以上に、より好ましくは80〜220℃に加熱されて
いるとよい。使用する糸条Bのポリマー、繊度の組み合
わせ、加工速度等により異なるため、適宜最適な温度を
選択すればよい。
【0028】加工の安定と加工糸に未解撚部を作らない
ようにするために、ガイド等によって撚合わせ点は実質
的に固定するとよい。つまり、撚合わせ点を実質的に固
定すると、2本以上の糸条を安定に撚合わせることが可
能となる。
【0029】撚合わせ点における糸条間の破断伸度差
は、小さ過ぎると効果的な延伸倍率差を生じさせにくく
なり、平凡な加工糸となってしまう。一方、大きすぎる
と安定加工性に欠けてしまうことになる。よって撚合わ
せ点における糸条間の破断伸度差は、好ましくは20%
以上170%以下、より好ましくは20%以上100%
以下である。
【0030】本発明においては、糸物性の周期的変化を
2本以上の糸条を用いた撚りによる延伸ムラによって作
り出しているため、周期の長さを撚数によってコントロ
ールできる。つまり、2本以上の糸条を撚合わせした
後、仮撚装置前の撚係数Kの値が10000≦K≦32
000の範囲に入るように適宜撚数を設定すればよい。
繊度(D)の組み合わせ、構成フィラメント数により撚
数(回/m)を変化させることで、周期的変化の長さを
コントロールできる。ただし、ここでの繊度は撚数測定
位置の繊度を意味している。
【0031】本発明の製造方法における仮撚工程は捲縮
発現も目的としているが、むしろ繊維軸方向に糸物性の
変化を付けることが重要であって、従来からの仮撚捲縮
ほどの嵩高性は求めていない。そのため、撚係数は低く
ても本発明の効果は得られる。しかし、撚係数が100
00より少ないと加工張力が高くなり、生産性が低下す
るため不利であり、撚係数が17000以上がより好ま
しい。特に施撚しにくいフィラメントでない限り、可能
な限り大きな仮撚数の方が有利であり、すなわち糸の破
断が起こりにくい撚係数が32000以下の、安定に加
工が可能な撚係数にて生産するのが好ましい。
【0032】本発明に用いる仮撚回転子としては、外接
型摩擦仮撚装置、ベルトニップ仮撚加工装置等摩擦仮撚
具を用いて製造することが好ましく、場合によってスピ
ンドル仮撚装置を用いても良い。スピンドル仮撚装置を
用いる時は撚係数を低い値から設定できるようになる。
【0033】使用原糸としては、撚合わせ点において破
断伸度が大きい糸条は、熱可塑性マルチフィラメントで
あれば制限はなく、未延糸、半延伸糸の中から適宜選択
すれば良く、撚合わせ点において破断伸度が小さい糸条
は繊維素材に制限はなく、未延伸糸、半延伸糸、延伸糸
の組み合わせの中から適宜選ぶことができるものであ
り、少なくとも2本の糸条Aと糸条Bに用いる糸条の種
類は異なっていても良いし、同じ種類でも良い。熱可塑
性のポリマーとして、例えばポリエステル系繊維、ポリ
アミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化
ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリプロピ
レン系繊維、セルロース系繊維等を単独で、もしくは2
種以上を組み合わせて用いることができる。もちろん、
該繊維の繊維形状、例えば、繊度、フィラメント数、断
面形状、染着性、光沢、ヨリの有無に限定されることは
ない。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。実施例中下記の測定が行われた。
【0035】[レーザーラマン分光分析]装置としては
Ramanor T−64000(Jobin Yvo
n)を顕微ラマンとして用い、対物レンズを×100、
光源としてAr+レーザー(NEC GLG3460)
の5145オングストローム、分光器はSingleモ
ードで1800gr/mmの回折格子を用い、Slit
幅 100μm、検出器としてCCD(Jobin Y
von 1024×256)を用いた。繊維軸方向に平
行な偏光配置での1615cm-1ラマンバンドの強度を
1615(P)、繊維軸方向に垂直な偏光配置での161
5cm-1ラマンバンドの強度をI1615(V)とした時、
強度比R=I1615(P)/I1615(V)と定義し、換算
複屈折Δn(×10-3)=275×(R−1)/(R+
2)と定義した。また、1730cm-1付近のラマンバ
ンドの半値全幅をΔν1730(cm-1)とした時、結晶化
度χ(%)はχ=100×((305−Δν1730)/2
09−1.335)/(1.455−1.335)と定
義した。ただし、換算複屈折は1軸延伸のフィルムを標
準として求めたものであり、結晶化度は、種々のPET
試料の半値幅から経験的に求められたものである。
【0036】[破断伸度測定]装置としてINSTRO
N4301型試験機を用い、試長200mm、引っ張り
速度200mm/minにて測定を行った。試料は解撚
された状態で測定した。
【0037】[密度]密度勾配管を用いて、n−ヘプタ
ン/四塩化炭素中で25℃で測定した。
【0038】[沸水収縮率]JIS規格 L1090−
1992の熱水収縮率A法(かせ収縮率)の試験法に基
づいて求めた。
【0039】[単糸初期引張抵抗度]測定するマルチフ
ィラメントの任意の場所で、すべての構成単糸を繊維軸
方向に同じ位置にて測定する。装置としてINSTRO
N4301型試験機を用い、試長20mm、引っ張り速
度20mm/minにて測定を行なう。このとき、0.
5〜2.0mmのユルミを持たせながら、糸を固定す
る。図5に示すように、得られた初期荷重−伸長曲線か
ら、原点近くで伸び変化に対する荷重変化の最大点Mに
おける切線が、伸び軸と交わる点をT、点Mから垂線を
描き、伸び軸と交わる点をH、点Mから垂線を描き、荷
重軸と交わる点をPとする。このとき、初荷重がかかっ
たときのユルミ長はT(mm)、荷重P(g)に対応す
る伸びは(H−T)(mm)となる。初期引張抵抗度は
下記式1を用いて求める。
【0040】 初期引張抵抗度(g/d)={P×(20+T)}/{d×(H−T)} …(式1) ここで、dは単糸繊度(d)であり、マルチフィラメン
トの繊度を構成単糸本数で除した値を用いる。
【0041】実施例1 ポリエチレンテレフタレートセミダルポリマーを常法に
より溶融紡糸し、125デニール、18フィラメントで
ある切断伸度188%の糸条Aおよび85デニール、4
8フィラメントである切断伸度185%の糸条Bを高配
向未延伸糸(以下、POY)としてそれぞれ巻き取り、
糸条Bはあらかじめ120℃の熱板を用いて1.52倍
に延伸したものを用いた。上記の糸条Aおよび糸条Bを
図1のプロセスを用いて複合仮撚加工を実施した。
【0042】糸条Aを仕掛けた第1ローラ1を205m
/分、糸条Bを仕掛けた第1ローラ2を312m/分、
第2ローラ5の速度を339m/分に設定し、糸条Aお
よび糸条Bとも加熱しないで室温にて、撚合わせガイド
Pにて撚合わせし、仮撚回転子4として三軸ツイスタを
用いて、複合仮撚加工を行い、ついで、ローラ5とロー
ラ7間でインターレースノズル6によって交絡を付与
し、複合糸の集束性を向上させて巻取りパッケージ8と
して巻き取った。このとき冷却板3上での糸条の撚数は
2000回/mであった。
【0043】本実施例の撚合わせガイドPにて撚合わせ
する直前の糸条を加工走行中に採取し、繊度を測定した
ところ、糸条Aは117D、糸条Bは56Dであった。
また、インストロンを用いて破断伸度を測定したとこ
ろ、加熱していない糸条Aは、破断伸度77%であった
のに対し、加熱した糸条Bは、破断伸度30%であっ
た。糸条Bの沸水収縮率は10%であった。巻取り後の
糸条Aに対する糸条Bの糸長差は5%であった。
【0044】実施例2 実施例1で用いたPOYである125デニール、18フ
ィラメントの糸条A、および85デニール、48フィラ
メントの糸条Bにて、図2のプロセスを用いて複合仮撚
加工を実施した。
【0045】第1ローラ1及び第1ローラ2を205m
/分、第2ローラ5の速度を339m/分に設定し、糸
条Aは加熱しないで室温にして、糸条Bはヒータ9とし
て120℃の接触式ヒータを用いて、撚合わせガイドP
にて糸条AおよびBを撚合わせして仮撚回転子4として
三軸ツイスタを用いて、複合仮撚加工を行い、ついでロ
ーラ5とローラ7間でインターレースノズル6によって
交絡を付与し、複合糸の集束性を向上させて巻き取っ
た。このとき冷却板3上での糸条の撚数は2000回/
mであった。
【0046】本実施例の撚合わせガイドPにて撚合わせ
する直前の糸条を加工走行中に採取し、繊度を測定した
ところ、糸条Aは114D、糸条Bは56Dであった。
また、インストロンを用いて破断伸度を測定したとこ
ろ、加熱していない糸条Aは、破断伸度77%であった
のに対し、加熱した糸条Bは、破断伸度30%であっ
た。糸条Bの沸水収縮率は8%であった。巻取り後の糸
条Aに対する糸条Bの糸長差は5%であった。
【0047】比較例1 比較例1として、実施例1および実施例2で用いたPO
Yである125デニール、18フィラメントの糸条A、
および85デニール、48フィラメントの糸条Bにて、
図3のプロセスを用いて複合仮撚加工を実施した。第1
ローラ1を205m/分、第2ローラ5の速度を339
m/分に設定し、室温にて、仮撚回転子4として三軸ツ
イスタを用いて、糸条A及びBを引き揃えて複合仮撚加
工を行い、ついでローラ5とローラ7間でインターレー
スノズル6によって交絡を付与し、複合糸の集束性を向
上させて巻き取った。このとき冷却板3上での糸条の撚
数は2000回/mであった。糸条Bの沸水収縮率は6
5%であった。巻取り後の糸条Aに対する糸条Bの糸長
差は0%であった。
【0048】比較例2 比較例2として、実施例1および実施例2で用いたPO
Yである125デニール、18フィラメントの糸条A、
および85デニール、48フィラメントの糸条Bにて、
図1のプロセスを用いて複合仮撚加工を実施した。第1
ローラ1及び第1ローラ2を205m/分、第2ローラ
5の速度を339m/分に設定し、糸条A及びBとも加
熱しないで室温にて撚合わせガイドPにて糸条Aおよび
Bを撚合わせして仮撚回転子4として三軸ツイスタを用
いて、複合仮撚加工を行い、ついでローラ5とローラ7
間でインターレースノズル6によって交絡を付与し、複
合糸の集束性を向上させて巻き取った。このとき冷却板
3上での糸条の撚数は2000回/mであった。糸条B
の沸水収縮率は65%であった。巻取り後の糸条Aに対
する糸条Bの糸長差は0%であった。
【0049】本実施例の撚合わせガイドPにて撚合わせ
する直前の糸条を加工走行中に採取し、破断伸度を測定
したところ、加熱していない糸条A及びBは、ともに破
断伸度73%であった。
【0050】複合加工糸中において糸条Aの構成全単繊
維について繊維断面方向に複屈折および結晶化度をレー
ザーラマン分光法を用いて測定した。その結果を表1に
示す。
【0051】
【表1】 結晶化度は全てのサンプルにおいて5%以下であり、ほ
ぼ一定であった。また、密度を測定したところ実施例2
の糸条Aが、1.3447、比較例1の糸条Aが、1.
3354であった。しかし、換算複屈折の範囲(R)は
実施例1、2とも、60×10-3近く存在し、標準偏差
も大きい。一方、比較例1、2では複屈折の範囲(R)
が、20×10-3前後しか存在しておらず、標準偏差も
小さい。それぞれの糸条Aの糸カセサンプルを荷重をか
けずに沸水中にて5分処理し、糸側面をSEMにて観察
した。
【0052】実施例1および2においては収縮差に起因
する太細が生じ、実施例1は実施例2に比べて太部の比
率の高いサンプルとなった。しかし、比較例1および2
においては収縮差に起因する太細は確認できなかった。
実施例2の糸条Aの単繊維を繊維軸方向に200μm間
隔で上記のようにレーザーラマン分光法にて測定した結
果を図4に示す。図4から判るように、6〜8mm周期
で複屈折変化の周期が存在した。
【0053】他の実施例1,2および比較例1,2にお
いても、糸条Aの単繊維を繊維軸方向に200μm間隔
でレーザーラマン分光法にて測定した結果、単繊維の繊
維軸方向の複屈折の範囲(R)は、実施例1,2におい
ては、表1に示した構成単繊維間の複屈折の範囲(R)
と測定誤差範囲内で一致し、6〜30mmの周期をもっ
ていた。ただし、測定には、糸加工上がりの1チーズ中
で繊維軸方向に無作為に5点の糸を取り出し、糸条Aの
単繊維に分解した中からそれぞれ単繊維1本を取り出
し、少なくとも25mmの長さにわたり測定したもので
ある。周期が25mmよりも長い場合は、測定長を必要
に応じて長くすればよい。
【0054】また、測定したサンプルを沸水処理し、糸
条Aの糸側面を光学顕微鏡にて観察した結果、レーザラ
マン分光法にて測定したのと同じ太細周期が現れ、複屈
折の高い部分が他と比べて細く、複屈折が低い部分が他
と比べて太くなることが判った。ここで言う沸水処理と
は複合加工糸から糸条Aを分離し、荷重をかけることな
く、沸水中に糸条を1分間入れた後、引き上げて濾紙上
にて乾燥させることを言う。
【0055】また、太細の周期は約1mm〜10mm程
度まで分布を生じていた。さらに、繊維軸方向に同一点
での構成全単繊維間の複屈折の範囲(R)を測定すると
ほぼ一定で、図4に示すように周期的に複屈折の変動を
生じていることからこの複屈折の範囲(R)は延伸倍率
の違いにより生じていると考えられる。つまり、破断伸
度が大きい糸条のまわりに破断伸度が小さく、撚合わせ
点での供給速度の大きい糸条が巻き付き、さらに延伸さ
れることによって初めて上記ほどの延伸倍率差を生むこ
とが可能となった。従って、複屈折変化の周期長さは糸
条Aの撚りによるマイグレーションと糸条Bとの相対的
位置により決定されるため、変化する。
【0056】実施例1、2の糸条Aについて単糸初期引
張抵抗度を測定したところ、実施例1については22〜
49(g/d)、実施例2については25〜50(g/
d)の分布を有しており、高い値に比較的多く分布して
いるものの偏在せずにまんべんなく分布している。繊維
軸方向に同じ位置にて、糸条Aの単糸繊度を顕微鏡を用
いて測定したとき、実施例1、2とも3.2〜4.8
(d)の分布を有していることからも判り、単糸間の初
期引張抵抗度に分布が生じるのは上記のように単糸間の
延伸倍率にムラが生じているためであると推測できる。
【0057】さらに得られた複合糸を筒編みした後、定
法に従い、常圧染色した。本実施例1、2より得られた
筒編みサンプルは糸条Aと糸条Bとの間に沸収差を有し
ているため、糸条Aが高収縮、糸条Bが低収縮となる芯
鞘構造となった。そのため、鞘糸が表面にふくらみ、ソ
フト感を持つと同時に、ふかつかず、反発感を有してい
た。さらに芯と鞘との間に染着差が存在するため、自然
な杢感が表現されていた。一方、比較例1、2は収縮差
がないため、表面に変化がなく、やや堅さが感じられ、
均一な色調のため本発明が目指している梳毛調感覚とは
かけ離れた風合いとなった。
【0058】実施例3、4 実施例1で用いたPOYである125デニール、18フ
ィラメントの糸条A、および85デニール、48フィラ
メントの糸条Bにて、図2に示すプロセスを用いて複合
仮撚加工を実施した。
【0059】第1ローラ1及び第1ローラ2を303m
/分、第2ローラ5の速度を500m/分に設定し、糸
条Aは加熱しないで室温にして、ヒータとして非接触ヒ
ータを用いて温度、240℃にて糸条Bを加熱し、撚合
わせガイドPにて糸条AおよびBを撚合わせして仮撚回
転子4としてベルトニップツイスタを用いて、ベルトニ
ップ交差角度90度(実施例3)および115度(実施
例4)にて複合仮撚加工を行い、ついでローラ5とロー
ラ7間でインターレースノズル6によって交絡を付与
し、複合糸の集束性を向上させて巻き取った。このとき
冷却板3上での糸条の撚数はそれぞれ1900、252
0回/mであった。得られた複合糸を筒編みした後、定
法に従い、常圧染色した。本実施例3より得られた筒編
みサンプルはソフトさ、反発感は持ちながら鞘糸の捲縮
が弱いために本実施例2と比べて、表面が非常にきれい
で光沢がある筒編みサンプルとなった。本実施例4より
得られた筒編みサンプルは表面のソフト感では最も良
く、しかも反発感も持ちあわせていた。糸条Bの沸水収
縮率は実施例3、4とも10%であった。巻取後の糸条
Aに対する糸条Bの糸長差はそれぞれ7%、5%であっ
た。実施例1、2と同様に沸水処理し、糸条Aの糸側面
を光学顕微鏡にて観察した結果、同様の太細周期が現れ
たが、太細の周期として平均値として実施例2と比べ、
実施例3ではやや長く、実施例4ではやや短かった。
【0060】実施例5〜9、比較例3、4 糸条A、Bとも、実施例1と同じPOYを用い、実施例
2と同じプロセスおよび加工条件にて、表2に示すよう
にヒーター温度のみ変えて糸加工を行った。それぞれの
複合加工糸中において糸条Aの構成全単繊維について繊
維断面方向に複屈折および結晶化度をレーザーラマン分
光法にて測定した結果を表3に示す。また、糸条Bの沸
水収縮率についても表3に示す。その結果、実施例5〜
9では、換算複屈折の範囲(R)が30×10-3以上の
分布を有しており、熱処理後、糸条Aに太細が発現し
た。また、糸条Bの沸水収縮率は25%以下であり、実
施例9を除き、糸条Aとの収縮差が大きかった。一方、
比較例3、4の時、糸条Aに十分な複屈折の範囲(R)
がないため、熱処理後に太細が十分に発現しなかった。
また、比較例3では糸条Bの沸水収縮率が高いために熱
処理後、糸条Aとの間に十分な収縮差が発現しなかっ
た。
【0061】実施例10〜13 表2に示す供給原糸および加工条件にて糸加工を行っ
た。どの水準とも換算複屈折の範囲(R)が30×10
-3以上の分布を有しており、熱処理後、糸条Aに太細が
発現した。また、糸条Bの沸水収縮率は25%以下であ
り、糸条Aとの収縮差による糸長差は大きく発現した。
【0062】実施例1〜13および比較例1〜4を用い
て、表3に示す織物条件にて製織し、リラックス精練、
熱セット、染色・仕上げ工程を行った。得られた織物に
ついて、熟練者の手触り風合い評価を行った。評価は、
反発感、ふくらみについて行い、特に優れているものを
◎、優れているものを○、やや劣っているものを△、劣
っているものを×とした。その結果を表3に記す。その
結果、実施例1〜13の織物は、糸条Aが高収縮糸、糸
条Bが低収縮となる芯鞘構造をとり、鞘糸が表面にふく
らみ、ソフト感を持つと同時にふかつかず、反発感を有
していた。ただし、実施例9では糸条Aの結晶化度が高
いために糸条Bとの間の収縮率差が小さくなり、ふくら
みという点で他の実施例よりも低下していた。また、比
較例1〜3では、糸条Bの収縮率が大きく、糸条Aとの
間に収縮率差が発現しないためにふくらみがないばかり
か、すべての糸が収縮するため、布帛の風合いが硬く、
衣料用途に適した反発感とは言えなかった。さらに比較
例4では糸条Aの結晶化度が高いため、収縮が小さく、
仮撚捲縮が強すぎるために、織物はふかつき、反発感は
なく、糸条Bとの糸長差がなく、表面タッチも仮撚糸特
有のザラつく感じとなった。
【0063】
【表2】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、繊維軸方向および単繊
維間に物性差、特に太さムラを付与することによって繊
維間空隙を作り出し、反発性、ソフトさとふくらみを合
わせ持つ梳毛調素材を実現できる。また、繊維軸方向お
よび単繊維間の物性差が発現する周期を比較的自由にコ
ントロールすることができるために、用途に応じた糸設
計が可能である。さらに、上記複合仮撚加工糸を非常に
安価な加工コストにて製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合仮撚加工糸の製造方法の一例を模
式的に示した概略図である。
【図2】本発明の複合仮撚加工糸の製造方法の他の一例
を模式的に示した概略図である。
【図3】比較例としての複合仮撚加工糸の製造方法の一
例を模式的に示した概略図である。
【図4】本発明の実施例2の糸条Aの単繊維を繊維軸方
向にレーザーラマン分光法にて測定した複屈折の一例で
ある。
【図5】単糸初期引張抵抗度を説明するS−S曲線であ
る。
【符号の説明】
A:供給糸 B:供給糸 1:第1ローラ 2:第1ローラ 3:冷却板 4:仮撚回転子 5:第2ローラ 6:インターレースノズル 7:第3ローラ 8:巻き取りパッケージ 9:ヒータ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の少なくとも2種の異なる特性を持つ
    糸条A、Bにより構成されていることを特徴とする複合
    加工糸。 糸条A:複屈折の最小値が80×10-3以上で単繊維の
    繊維軸方向に複屈折の範囲(R)が30×10-3以上で
    あるとともに、構成単繊維間の複屈折の範囲(R)が3
    0×10-3以上である仮撚捲縮を持つポリエステルマル
    チフィラメント。 糸条B:沸水収縮率が25%以下であるマルチフィラメ
    ント。
  2. 【請求項2】糸条Aは、繊維軸方向の任意の区間におい
    て、構成単糸間に初期引張抵抗度のバラツキが存在して
    いることを特徴とする請求項1記載の複合加工糸。
  3. 【請求項3】糸条Aの繊維軸方向の複屈折が、周期1〜
    50mmで変化していることを特徴とする請求項2に記
    載の複合加工糸。
  4. 【請求項4】糸条Aの結晶化度が5%以下であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合加工糸
  5. 【請求項5】糸条Bが仮撚捲縮を持つ糸条であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合加工
    糸。
  6. 【請求項6】糸条Aの繊維軸方向の同一点上における構
    成単繊維間に40×10-3以上の複屈折の範囲(R)を
    有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の複合加工糸。
  7. 【請求項7】糸条Aを構成する単糸間に初期引張抵抗度
    のバラツキが存在し、その範囲(R)が10g/d以上
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の複合加工糸。
  8. 【請求項8】糸条Aの単繊維繊度が2d以上10d以下
    であり、かつ糸条Bの単繊維繊度が3d以下0.001
    d以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の複合加工糸。
  9. 【請求項9】糸条Aの単繊維繊度が1d以上3d以下で
    あり、かつ糸条Bの単繊維繊度が2d以上6d以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複
    合加工糸。
  10. 【請求項10】糸条Aと糸条Bの繊度の比率が1:5〜
    5:1であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の複合加工糸。
  11. 【請求項11】糸条Aに対して糸条Bの糸長が長く、1
    %以上40%以下の糸長差を有していることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の複合加工糸。
  12. 【請求項12】2本以上の糸条を用いて複合延伸仮撚加
    工をするにあたって、加撚域にて2本以上の糸条を施撚
    して撚合わせる際、撚合わせ点において糸条間に破断伸
    度差を存在させ、破断伸度が小さい糸条の方が撚合わせ
    点への供給速度が大きく、破断伸度の大きな糸条の温度
    はTg(ガラス転移温度)以下であることを特徴とする
    複合仮撚加工糸の製造方法。
  13. 【請求項13】前記撚合わせ点から仮撚回転子までの間
    はTg以上の温度には糸条を加熱しないことを特徴とす
    る請求項12に記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
  14. 【請求項14】破断伸度の小さい糸条が他の糸条と撚合
    わせる前にTg以上に加熱されていることを特徴とする
    請求項12または13に記載の複合仮撚加工糸の製造方
    法。
  15. 【請求項15】撚合わせ点を実質的に固定することを特
    徴とする請求項12〜14に記載した複合仮撚加工糸の
    製造方法。
  16. 【請求項16】2本以上の糸条を用いて延伸同時施撚操
    作および解撚操作を含む複合仮撚加工をするにあたっ
    て、加撚域にて2本以上の糸条を施撚、撚合わせる際、
    撚合わせ点において糸条間の破断伸度差が20%以上1
    70%以下であることを特徴とする請求項12〜15の
    いずれかに記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
  17. 【請求項17】2本以上の糸条を撚合わせた後、仮撚装
    置前の撚係数K(K=T×D1/2 )の値が下記式の範囲
    に入ることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに
    記載の複合仮撚加工糸の製造方法。 10000≦K≦32000 (ただし、T:撚数(回/m)、D:繊度(デニール)
  18. 【請求項18】撚合わせ点において最も破断伸度の大き
    い糸条がポリエステル系繊維であることを特徴とする請
    求項12〜17のいずれかに記載の複合仮撚加工糸の製
    造方法。
  19. 【請求項19】仮撚回転子として摩擦仮撚具を用いるこ
    とを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の複
    合仮撚加工糸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002055771A1 (fr) * 2001-01-12 2002-07-18 Teijin Limited Fil composite multifilament en polyester en vrac et son procede de production

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