JP2002004137A - 複合仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents

複合仮撚加工糸およびその製造方法

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JP2002004137A
JP2002004137A JP2001122335A JP2001122335A JP2002004137A JP 2002004137 A JP2002004137 A JP 2002004137A JP 2001122335 A JP2001122335 A JP 2001122335A JP 2001122335 A JP2001122335 A JP 2001122335A JP 2002004137 A JP2002004137 A JP 2002004137A
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Tamotsu Otsuka
保 大塚
Hiroshi Suyama
浩史 須山
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Naoki Oda
直規 小田
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】糸長手方向に凹凸の表面変化に富み、ソフト且
つドライな風合いを有し、寸法安定性、ストレッチ性を
併せ持つ多重巻付加工糸、および、ネップの発生を抑制
し、複合仮撚加工糸の製造方法を供給することにある。 【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
なるフィラメントの加撚域に直接、ポリエステルからな
るフィラメントを1.4〜2.5倍の比率で過供給し、
130℃以上190℃以下の加工温度で仮撚加工をす
る、複合仮撚加工糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合仮撚加工糸、特
に多重巻付加工糸、およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートフィ
ラメント糸の仮撚加工法に於いて、芯糸の加撚域に鞘糸
を過供給して、一重巻付と三重巻付とを交互に有する意
匠効果のある多重巻付加工糸を形成する方法として、例
えば特開昭61−89344号公報、特開昭61−97
442号公報、特開昭61−215731号公報など多
数提案されている。これらの方法によって製造される複
合仮撚加工糸は、意匠性に優れ、麻ライクな風合いを有
するものの、消費者のニーズの多様化により、例えば、
ストレッチ性、寸法安定性、ソフトな風合いへの要求が
強くなっており、従来までの多重巻付加工糸では、十分
に対応できなくなっている。
【0003】また、上記従来の多重巻付加工糸では、鞘
糸が糸長手方向にずれることにより過度に偏在化し、風
合いや意匠性や工程通過性を損なう、いわゆるネップの
発生が問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決し、ソフトな風合いを持ち、寸法安定性、スト
レッチ性、更には工程通過性にも優れた複合仮撚加工糸
およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による複合仮撚加工糸及びその製造方法は、次の構成
を有する。
【0006】すなわち本発明は、ポリトリメチレンテレ
フタレートを含んでなる芯糸、ポリエステルからなる鞘
糸からなり、芯糸の周りを鞘糸が1重に巻き付いてなる
部分と3重に巻き付いてなる部分を糸長手方向に交互に
有する複合仮撚加工糸である。
【0007】また本発明は、ポリトリメチレンテレフタ
レートを含んでなるフィラメントの加撚域に直接、ポリ
エステルからなるフィラメントを1.4〜2.5倍の比
率で過供給し、130℃以上190℃以下の加工温度で
仮撚加工をする、複合仮撚加工糸の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の加工糸の芯糸には、ポリ
トリメチレンテレフタレートを含んでなる糸を用いる。
ポリトリメチレンテレフタレートとは、テレフタル酸を
主たる酸性分とし、1・3プロパンジオ−ルを主たるグ
リコ−ル成分として得られるポリエステルである。
【0009】ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
なる糸を芯糸に用いることにより、優れたストレッチ性
を得ることができる。またポリトリメチレンテレフタレ
ートからなる糸は曲げ剛性が低く、本発明の加工糸を布
帛としたとき、ソフトな風合いを得ることができる。
【0010】さらに、ポリトリメチレンテレフタレート
を含んでなる糸は弾性回復性に優れるため、後述するよ
うに仮撚加工工程において鞘糸を引っ張り込みながら複
合仮撚糸を形成することができ、従って加工糸の芯鞘の
複合状態は強固に巻き付かれ締まったものとなり、ネッ
プの発生を抑えることができる。
【0011】特に、芯糸が、ポリトリメチレンテレフタ
レートからなることが好ましい。糸がポリトリメチレン
テレフタレートからなるとは、繊維を構成するポリマー
成分がトリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返
し単位としていることをいう。 また、芯糸が、一方が
ポリトリメチレンテレフタレートからなる2種類のポリ
エステル系重合体をサイドバイサイド型に張り合わせた
複合繊維からなることも好ましい。当該複合繊維は、2
種類のポリエステル系重合体の弾性回復率や収縮特性の
差によって、コイル捲縮を発現する。この複合繊維に仮
撚加工を施すことで高いストレッチ性を付与することが
できる。特に、仮撚加工前に捲縮が顕在化していると、
芯糸のコイル形態と高い弾性回復性により、仮撚加工の
加撚域において鞘糸をより強固に巻き付かせ、鞘糸の保
持性を高め、ネップの発生を抑えることができる。
【0012】本発明の効果を失わない範囲、好ましくは
20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合
で、他のエステル結合の形成可能な共重合成分を含んで
も良い。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタ
ル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピ
ン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一
方、グリコ−ル成分として、例えば、エチレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ポリエ
チレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどを上
げることができるが、これらに限られるものではない。
また、艶消剤として2酸化チタン、滑剤としてのシリカ
やアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダ−ドフェノ
−ル誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加すること
ができる。
【0013】このポリプロピレンテレフタレ−トの極限
粘度は0.5以上1.2以下とすることが好ましい。
0.5以上とすることで、安定した紡糸が可能となり、
糸切れが発生しない。また、繊度むらが抑えられ、引張
強度や耐屈曲摩耗性などにも優れた糸が得られる。また
極限粘度を1.2以上とすることで、安定して紡糸する
ことを可能とし、繊維の風合いもソフトにすることがで
きる。より好ましくはは0.8以上1.0以下である。
【0014】芯糸の単糸繊度は1デシテックス以上10
デシテックス以下であることが好ましい。芯糸の単糸繊
度が上記の範囲を取ることで加工糸を布帛にした際にハ
リ腰およびソフトな風合いが得られる。また、芯糸の総
繊度は50デシテックスから1000デシテックスの範
囲で用途目的にあわせて適宜選択すればよい。
【0015】一方、本発明の加工糸の鞘糸にはポリエス
テルからなる糸を用いる。ポリエステルからなる糸と
は、その主成分がポリエチレンテレフタレート、ポリメ
チレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
テレフタレートのいずれかからなるフィラメント糸をさ
す。
【0016】耐アイロン性の点からは、ポリエチレンテ
レフタレートを用いることが好ましい。また、鞘糸にも
ポリトリメチレンテレフタレートを用いた場合、その織
物の表面タッチはナイロン調のサラサラ感のあるソフト
な風合いを有するので、これも好ましい。また、鞘糸に
例えばカチオン染料で染色可能なポリエステルなど、芯
糸と染色性の大きく異なるものを用いれば、1重に巻き
付いてなる部分(以下、1重巻付部と略す)と3重に巻
き付いてなる部分(以下、3重巻付部と略す)が交互に
異色染され、形態効果のみならず、色相効果により意匠
性を高めることもできる。
【0017】鞘糸の単糸繊度は1デシテックス以上3デ
シテックス以下であることが好ましい。鞘糸の単糸繊度
が上記の範囲を取ることにより、加工糸を布帛にした際
に膨らみ感及びソフトな風合いを得ることが出来る。
【0018】芯糸および鞘糸の繊維の単糸断面形状は特
に限定されるものではなく、円形、三角形、扁平、六角
形などを用いることができる。
【0019】次に、上記の芯糸および鞘糸を用いた仮撚
加工方法について説明する。本発明の複合仮撚加工糸の
製造方法では、ポリトリメチレンテレフタレートを含ん
でなるフィラメントの加撚域に直接、ポリエステルから
なるフィラメントを過供給する。
【0020】ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
なるフィラメントとして、ポリトリメチレンテレフタレ
ートからなるフィラメントや、一方がポリトリメチレン
テレフタレートからなる2種類のポリエステル系重合体
をサイドバイサイド型に貼り合わせた複合フィラメント
を用いることは、好ましい。
【0021】図2はその加工工程の一例を示す模式図で
ある。図2においてポリトリメチレンテレフタレートを
含んでなる芯糸Aはフィードローラ2により、施撚体6
によって仮撚されながら熱板5に導入される。ここで芯
糸Aには、フィードローラ2とデリベリローラ7を支点
として撚りが加えられることとなり、前記の加撚域は、
図2においては、フィードローラ2と施撚体6の間、好
ましくはフィードローラ2と熱板5の間を指す。
【0022】また、加熱域に直接供給するとは、図2に
おいては、撚りの支点となるフィードローラ2よりも下
流の位置でポリエステルからなる鞘糸Bを合流させるこ
とを意味する。図2において、鞘糸Bは、フィードロー
ラ1により、振支点ガイド3をへて、芯糸Aのフィード
ローラ2と熱板5の間で合流するように過供給されてい
る。
【0023】過供給された鞘糸は、振支点ガイド3を中
心に合流点を4のように自発的に上下に振動させ、1重
巻付部と3重巻付部とを交互に形成することができる。
【0024】芯糸Aに対して鞘糸Bは、1.4倍以上
2.5倍以下、好ましくは、1.6倍以上2.3倍以下
の比率で過供給される。芯糸Aに対して鞘糸Bの供給比
率が1.4倍より小さいと3重巻付部は形成されず、
2.6倍より大きいと鞘糸が弛緩し糸切れする。
【0025】芯糸Aはフィードローラ2に引っ張られ、
解舒張力を帯びながらフィードローラ2を介して延伸仮
撚ゾーンに導かれ、延伸仮撚ゾーンに挿入されるが、ポ
リトリメチレンテレフタレートからなる芯糸Aは弾性回
復性に富むため、加撚域においては鞘糸Bを引っ張り込
みながら、鞘糸Bに絞られる様に強固に巻き付かれ、加
工糸の形態は締まったものとなり、芯鞘が分離しにく
く、糸がしごかれてもネップの発生を抑えることができ
る。
【0026】仮撚加工に用いる施撚体としては、ピン、
フリクション、ベルトニップなどを用いることができ
る。また、仮撚加工温度は130℃以上190℃以下、
好ましくは、130℃以上170℃以下の範囲とする必
要がある。仮撚加工温度が130℃より低いと捲縮が十
分に付与されず、ストレッチ性が不足する。仮撚加工温
度が190℃より高く、特に融点近傍の高温で仮撚加工
すると加工糸は、シャリ感、ドライ感を有するが、繊維
の熱劣化により単糸切れが頻繁に発生しやすくなるばか
りか、さらには、糸切れの発生を引き起こしやすく、操
業上著しい障害になる。
【0027】複合仮撚加工糸の3重巻付部の長さは、鞘
糸のオーバーフィード率、振り支点ガイドから芯糸まで
の距離により変えることが可能で、鞘糸のオーバーフィ
ード率が大きく、振支点ガイドから芯糸までの距離が長
い方が3重巻付部の長さは長くなる。
【0028】図1は本発明の複合仮撚加工糸の巻付状態
を示すモデル図である。図1のごとく本発明の複合仮撚
加工糸Eは、ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
なる芯糸Aの外周をポリエステルからなる鞘糸Bの1重
巻付部Cと紡錘形の3重巻付部D(スラブともいう)を
糸長手方向に交互に持った芯鞘構造を有し、凹凸の表面
変化に富んだ多重巻付加工糸である。
【0029】本発明の加工糸においてヤング率は8.0
cN/dtex以上12.0cN/dtex以下、さら
には9.0cN/dtex以上10.0cN/dtex
以下であることが好ましい。加工糸のヤング率は、例え
ば、原糸の種類やフィラメント構成、仮撚条件、追撚条
件などによって制御することができるが、編織物を形成
したときの曲げ柔らかさなどの風合いを決める主因とな
る。ヤング率を8.0cN/dtex以上とすること
で、編織物にしたときのハリ腰を保つことができ、1
2.0cN/dtex以下とすることで、ソフトな風合
いを得ることができる。
【0030】また本発明の加工糸において20%伸長時
の伸長回復率が35%以上であることが好ましく、上記
範囲内であれば、十分なストレッチ性および寸法安定性
が得られる。
【0031】本発明糸を用いた織編物は意匠性に富み、
柔らかい表面タッチ、清涼感、ストレッチ性、形態安定
性に優れ、衣料用として、特に、盛夏用外衣、ジャー
ジ、アスレチックウェア、サイクルパンツなどのストレ
ッチ素材として用いることができる。
【0032】
【実施例】(測定方法) (1)伸長回復率 自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、デシテッ
クス当たり0.08826cNの初荷重をかけた状態で
20cmのつかみの間隔に取付、引張速度を20cm/
minとして、20%の伸度まで引き伸ばし、直ちに、
同じ速度で除重する。完全に除重した後、直ちに、初荷
重まで引き伸ばし、この時の回復伸びを伸長回復率とし
た。
【0033】(2)ヤング率 JIS−L−1013、8.10に記載される初期引張
抵抗度測定に準じ定速伸長形引張試験機を用い測定し
た。
【0034】(実施例1) (1)芯糸 ジメチルテレフタル酸、1,3−プロパンジオールにテ
トラブチルチタネートを触媒として用い、140〜23
0℃でメタノールを留出しつつエステル交換を行った。
更に、250℃温度一定の条件下で3時間重合を行い、
極限限度〔η〕が0.64のポリトリメチレンテレフタ
レートを得た。
【0035】上記のポリトリメチレンテレフタレートを
通常の紡糸機により紡糸温度260℃、紡糸速度180
0m/minで紡糸し、未延伸糸を得た。得られた未延
伸糸を1stホットロール温度70℃、延伸倍率1.4
倍、2ndホットロール温度130℃、延伸速度600
m/minで延伸した後、スピンドル巻き取り装置を用
いて巻き取り、83dtex24フィラメント、ヤング
率23.0cN/dtex、伸度40.9%、20%伸
長時の伸長回復率が66.9%の延伸糸を得て、芯糸と
した。
【0036】(2)鞘糸 繊度56dtexフィラメント本数36本、ヤング率8
3.9cN/dtex、伸度33.2%、20%伸長時
の伸長回復率が36.4%のポリエチレンテレフタレー
トフィラメント延伸糸を用いた。
【0037】(3)複合仮撚加工 図2に示すような仮撚工程により、以下の条件で加工し
た。 糸速 :50m/min 施撚体 :スピナー 仮ヨリ数:2850T/m(S撚り) 仮撚温度:170℃ 芯糸に対する鞘糸の供給率:2.0倍 振支点ガイドから糸条Aまでの距離:300mm 得られた複合仮撚加工糸は、糸長手方向に1重巻付部と
3重巻付部が交互に形成され、ヤング率9.65cN/
dtex、20%伸長時の伸長回復率が80.9%であ
った。糸形態は芯糸が鞘糸に強固に巻き付いており、糸
をしごいてもネップは発生しなかった。
【0038】(4)布帛評価 上記の複合仮撚加工糸を緯糸、繊度56デシテックス、
フィラメント本数24本のポリエチレンテレフタレート
延伸糸を経糸としてもちいて1/3のツイル織物をレピ
ア織機で製織し、97℃の熱水でリラックス精錬、テラ
シルネイビーブルー色の分散染料で130℃で染色、1
60℃で仕上熱固定した。
【0039】本発明糸を使用した織物は凹凸の表面変化
に富み、ハリ腰があり、ソフト且つ麻ライクな風合いを
持ち、寸法安定性、ストレッチ性が良好であった。
【0040】(実施例2) (1)芯糸 実施例1と同様のものを用いた。
【0041】(2)鞘糸 繊度56dtex、フィラメント本数36本、ヤング率
80.2cN/dtex、伸度30.1%、20%伸長
時の伸長回復率が35.1%で共重合成分が5−ナトリ
ウム−スルホ−イソフタル酸ジメチルからなるカチオン
可染性ポリエチレンテレフタレートフィラメント延伸糸
を用いた。
【0042】(3)複合仮撚加工 実施例1と同条件で仮撚加工を実施し、複合仮撚加工糸
を得た。
【0043】得られた加工糸は糸長手方向に1重巻付部
と3重巻付部が交互に形成され、ヤング率9.52cN
/dtex、20%伸長時の伸長回復率が80.7%で
あった。糸形態は芯糸が鞘糸に強固に巻き付いており、
糸をしごいてもネップは発生しなかった。
【0044】(4)布帛評価 上記の複合仮撚加工糸を用いた以外は実施例1と同様
に、1/3のツイル織物を製織した。これを97℃の熱
水でリラックス精錬、ダイアクリルブラック色のカチオ
ン染料とテラシルネイビーブルー色の分散染料の併用に
よるミックス染色によりで染色、160℃で仕上熱固定
した。
【0045】得られた織物は、カチオン可染性ポリエス
テルマルチフイラメント糸のみが黒色に染色され、ポリ
エチレンテレフタレートマルチフイラメント糸が白残し
されていて、黒色と青色が混在し、全体として紺色が地
になり、紺灰色の中に黒色がかすりとなった自然なかす
り調外観を呈するものであった。また、凹凸の形態効果
による意匠性にも富み、ハリ腰があり、ソフト感、麻ラ
イクな風合いを持ち、寸法安定性、ストレッチ性が良好
であった。
【0046】(実施例3) (1)芯糸 実施例1と同様のものを用いた。
【0047】(2)鞘糸 実施例1(1)と同様のポリトリメチレンテレフタレー
トを用い、紡糸温度260℃紡糸速度1800m/mi
nで紡糸し、1stホットロール温度70℃、延伸倍率
1.4倍、2ndホットロール温度130℃、延伸速度
600m/minで延伸した後、スピンドル巻き取り装
置を用いて巻き取り、56dtex36フィラメント、
ヤング率24.1cN/dtex、伸度41.2%、2
0%伸長時の伸長回復率が66.5%のポリトリメチレ
ンテレフタレートフィラメント延伸糸を得て、これを用
いた。
【0048】(3)複合仮撚加工 実施例1と同条件で仮撚加工を実施し、複合仮撚加工糸
を得た。
【0049】得られた加工糸は糸長手方向に1重巻付部
と3重巻付部が交互に形成され、ヤング率9.39cN
/dtex、20%伸長時の伸長回復率が89.0%で
あった。糸形態は芯糸が鞘糸に強固に巻き付いており、
糸をしごいてもネップは発生しなかった。
【0050】(4)布帛評価 上記の複合仮撚加工糸を用いた以外は実施例1と同様
に、製織、リラックス精練、染色、仕上げ熱固定をし
た。
【0051】得られた織物は、凹凸の表面変化に富み、
ソフト感、麻ライクな風合い、ナイロン調のサラサラと
した表面感を持ち、寸法安定性、ストレッチ性が良好で
あった。
【0052】(実施例4) (1)芯糸 固有粘度(IV)が1.18のホモ・ポリトリメチレン
テレフタレートと固有粘度(IV)が0.60のホモ・
ポリエチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、
紡糸温度280℃で24孔の複合紡糸口金から複合比
(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で
引取り250デシテックス、24フィラメントのサイド
バイサイド型複合未延伸糸を得た。さらにホットロール
−熱板系延伸機(接糸長:20cm、表面粗度:3S)
を用い、ホットロール温度85℃、熱板温度145℃、
延伸倍率3.0倍で延伸して83デシテックス、24フ
ィラメント(単繊維繊度3.5デシテックス)の延伸糸
を得て、芯糸とした。
【0053】当該延伸糸のヤング率は29.5cN/d
tex、伸度は36.9%、20%伸長時の伸長回復率
は68.9%であった。
【0054】(2)鞘糸 実施例1と同様のものを用いた。
【0055】(3)複合仮撚加工 実施例1と同条件で仮撚加工を実施し、複合仮撚加工糸
を得た。
【0056】得られた加工糸は糸長手方向に1重巻付部
と3重巻付部が交互に形成され、ヤング率11.35c
N/dtex、20%伸長時の伸長回復率が92.0%
であった。糸形態は芯糸が鞘糸に強固に巻き付いてお
り、糸をしごいてもネップは発生しなかった。
【0057】(4)布帛評価 上記の複合仮撚加工糸を用いた以外は実施例1と同様
に、製織、リラックス精練、染色、仕上げ熱固定をし
た。
【0058】得られた織物は、凹凸の表面変化に富み、
ソフト感、麻ライクな風合い、ナイロン調のサラサラと
した表面感を持ち、寸法安定性、ストレッチ性、ドレー
プ性が良好であった。
【0059】(比較例1) (1)芯糸 繊度83dtex、フィラメント本数24本、ヤング率
84.0cN/dtex、伸度32.2%、20%伸長
時の伸長回復率が36.1%のポリエチレンテレフタレ
ートフィラメント延伸糸を用いた。
【0060】(2)鞘糸 繊度56dtex、フィラメント本数24本、ヤング率
83.0cN/dtex、伸度33.2%、20%伸長
時の伸長回復率が36.4%のポリエチレンテレフタレ
ートフィラメント延伸糸を用いた。
【0061】(3)複合仮撚加工 予備試験として、上記の芯糸と鞘糸を用いた以外は実施
例1と同条件で複合仮撚加工を行ったところ、熱セット
が甘く、ネップが多発した。そこで、仮撚温度を200
℃に変更し、複合仮撚加工糸を得た。
【0062】得られた加工糸は糸長手方向に1重巻付部
と3重巻付部が交互に形成されるが、ヤング率13.1
cN/dtex、20%伸長時の伸長回復率が31.1
%であった。また、糸形態は芯糸が鞘糸に巻き付いては
いるが、巻付きが甘く、糸をしごくと容易にネップが発
生した。
【0063】(4)布帛評価 上記の複合仮撚加工糸を用いた以外は実施例1と同様
に、製織、リラックス精練、染色、仕上げ熱固定をし
た。
【0064】得られた織物は、凹凸の表面変化を持つも
のの、ネップが多発し、寸法安定性に劣り、ストレッチ
性に乏しいものであった。また、風合いに関しては麻ラ
イクなシャリ感を呈するが、ソフト感を欠く粗硬な風合
いとなった。
【0065】
【発明の効果】本発明により、ソフトな風合いを持ち、
寸法安定性、ストレッチ性、更には工程通過性にも優れ
た複合仮撚加工糸およびその製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合仮撚加工糸の巻付状態を示すモデ
ル図である。
【図2】本発明を得るための加工工程の一例を示す模式
図である。
【符号の説明】
A:芯糸 B:鞘糸 C:1重巻付部 D:3重巻付部 E:本発明の複合仮撚加工糸 1:フィードローラ 2:フィードローラ 3:振り支点ガイド 4:鞘糸の振動 5:熱板 6:施撚体 7:デリベリローラ 8:テイクアップローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 直規 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 梅田 和生 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA17 MA33 MA39 PA05 RA04 RA25 UA07 UA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
    なる芯糸、ポリエステルからなる鞘糸からなり、芯糸の
    周りを鞘糸が1重に巻き付いてなる部分と3重に巻き付
    いてなる部分を糸長手方向に交互に有する複合仮撚加工
    糸。
  2. 【請求項2】芯糸がポリトリメチレンテレフタレートか
    らなる請求項1記載の複合仮撚加工糸。
  3. 【請求項3】芯糸が、一方がポリトリメチレンテレフタ
    レートからなる2種類のポリエステル系重合体をサイド
    バイサイド型に貼り合わた複合繊維からなる請求項1記
    載の複合仮撚加工糸。
  4. 【請求項4】ヤング率が8.0cN/dtex以上、1
    2.0cN/dtex以下である請求項1〜3のいずれ
    か記載の複合仮撚加工糸。
  5. 【請求項5】20%伸長時の伸長回復率が35%以上で
    ある請求項1〜4のいずれか記載の複合仮撚加工糸。
  6. 【請求項6】ポリトリメチレンテレフタレートを含んで
    なるフィラメントの加撚域に直接、ポリエステルからな
    るフィラメントを1.4〜2.5倍の比率で過供給し、
    130℃以上190℃以下の加工温度で仮撚加工をす
    る、複合仮撚加工糸の製造方法。
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