JP2002013034A - 伸縮性複合糸および伸縮性織物 - Google Patents

伸縮性複合糸および伸縮性織物

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JP2002013034A
JP2002013034A JP2000191591A JP2000191591A JP2002013034A JP 2002013034 A JP2002013034 A JP 2002013034A JP 2000191591 A JP2000191591 A JP 2000191591A JP 2000191591 A JP2000191591 A JP 2000191591A JP 2002013034 A JP2002013034 A JP 2002013034A
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woven fabric
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twisted
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Tokio Okuno
登起男 奥野
Haruhiko Yamamoto
晴彦 山本
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合する相手素材が有するソフト性、ハリ、
コシに優れる等の特徴が有効に生かされており、ストレ
ッチ性に優れ、表面状態が平滑な伸縮性織物、および該
伸縮性織物を得るために有用な伸縮性複合糸を提供す
る。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維マ
ルチフィラメントの仮撚加工糸と他の繊維糸条を合撚し
た伸縮性複合糸であって、該伸縮性複合糸の合撚方向
が、ポリトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラ
メントの仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方向であること
を特徴とする伸縮性複合糸、および該伸縮性複合糸を緯
糸および/または経糸に用いてなる伸縮性織物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系仮
撚加工糸を用いた複合糸および織物に関する。より詳細
には、ポリトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィ
ラメントの仮撚加工糸と他の繊維糸条を合撚した伸縮性
複合糸、および、複合する相手素材が有するソフト性、
ハリ、コシに優れる等の特徴を生かしつつ、ストレッチ
性に優れ、表面状態が平滑である伸縮性織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジャケットやパンツ等のアウター
衣料は、ソフト性やハリ、コシといった多様な風合が好
まれており、綿やウール等の天然繊維をはじめ、ポリエ
ステル繊維やポリエステル加工糸等の合成繊維まで様々
に用いられる。近年、着心地や着脱のしやすさから、こ
れらの衣料に伸びを持たせたストレッチ織物の要求が高
くなっている。そこで、弾性繊維や捲縮構造を有する糸
を用いて織物を作っているが、弾性繊維を使用した織物
は、製織や染色の加工工程での管理が難しく、その織物
はゴム感が依然として残り、また、捲縮構造を発現する
コンジュゲートヤーンを使って伸びを得ようとする場合
には、強撚して使用するためシャリ感が出て、例えば、
複合する相手素材の特徴であるソフト性が生かせない等
の欠点がある。
【0003】これに対して、特開平9−195142号
公報には、ポリプロピレンテレフタレート繊維を主たる
成分とするポリエステル糸条を芯糸としたカバリング糸
や精紡交撚糸などの複合糸が提案されている。しかし、
このような複合糸を使った織物の伸びは小さく不十分で
あり、複合する相手素材の特徴を生かしながら、満足の
いく伸びを有する織物は得られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複合
する相手素材が有するソフト性、ハリ、コシに優れる等
の特徴を生かしつつ、ストレッチ性に優れ、表面状態が
平滑である伸縮性織物、及び、該伸縮性織物を得るため
に有用な伸縮性複合糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成しうる伸縮性複合糸について、ポリトリメチレン
テレフタレート繊維の仮撚加工糸と種々の繊維糸条を合
撚した複合糸の伸長特性、該複合糸を使った織物のスト
レッチ特性や表面状態、さらには、どのようにすれば複
合する相手素材の特徴を十分に生かすことができるかに
ついて鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸と他の繊
維糸条を合撚した伸縮性複合糸であって、該伸縮性複合
糸の合撚方向が、ポリトリメチレンテレフタレート繊維
マルチフィラメントの仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方
向であることを特徴とする伸縮性複合糸、及び、該伸縮
性複合糸を緯糸および/または経糸に用いることを特徴
とする伸縮性織物である。
【0007】本発明においては、さらに、該伸縮性複合
糸において、合撚係数の範囲を特定の範囲とすることに
よって、複合する相手素材が有するソフト性、ハリ、コ
シに優れる等の特徴が一層有効に生かされ、より一層ス
トレッチ性に優れ、織物の表面状態が平滑である伸縮性
織物が得られる。以下、本発明について詳細に説明す
る。
【0008】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以
上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従
って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール
成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モ
ル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ま
しくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチ
レンテレフタレートを包含する。
【0009】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ま
た、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリエチレン
テレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以
外のポリエステルやナイロンとを、ブレンドしたり、複
合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0010】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキ
シ安息香酸等)、等がある。
【0011】また、1個又は3個以上のエステル形成性
官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)
も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。さ
らに、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒ
ドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タル
ク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダード
フェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔
料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されて
いてもよい。
【0012】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維の紡糸については、1500m/分程度の
巻取速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚
する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンド
ロー法)、巻取速度5000m/分以上の高速紡糸法
(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。ま
た、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の形態は、マ
ルチフィラメント糸条であり、長さ方向に均一なものや
太細のあるものでもよく、断面においても、丸型、三
角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボ
ーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なもので
もよい。
【0013】本発明で使用するポリトリメチレンテレフ
タレート繊維の単糸繊度は、0.1〜15.0dtex
程度が好ましく、良好なストレッチ特性を得るには2.
0〜13.0dtexとするのがより好ましい。単糸繊
度が0.1dtexよりも小さい場合には、仮撚加工す
る際に糸切れが発生して加工性が低下する傾向があり、
15.0dtexよりも大きい場合は風合いが硬くなる
傾向にある。トータル繊度は30〜300dtexが好
ましく、特に50〜200dtexが好ましい。
【0014】本発明で使用するポリトリメチレンテレフ
タレート繊維の原糸の好適な繊維物性は、強度が2.6
cN/dtex以上が好ましく、さらに好ましくは2.
6〜4.4cN/dtexであり、2.6cN/dte
x未満では加工後の強度が低くなる傾向にある。伸度は
35%以上が好ましく、さらに好ましくは35〜60%
であり、35%未満では仮撚時の糸切れ頻度が多くなる
傾向にある。弾性率は30cN/dtex未満が好まし
く、さらに好ましくは18〜27cN/dtexであ
り、30cN/dtexを超えるとソフト性の乏しい織
物となる傾向にある。20%伸長時の伸長回復率は70
%以上が好ましく、さらに好ましくは80〜100%で
あり、伸長回復率が70%未満の場合には、織物に使用
したときの伸びに対する回復率が悪くなる傾向にある。
【0015】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維の原糸の仮撚方法としては、ピンタイプ、
フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー加撚
タイプ等、いかなる方法によるものでもよいが、好まし
くはピンタイプである。また、1ヒーター仮撚、2ヒー
ター仮撚のいずれであってもよいが、高ストレッチを得
るためには1ヒーター仮撚の方が好ましい。伸長回復率
が70%以上の仮撚加工糸を得るためには、仮撚加工時
の熱固定温度は150℃以上、190℃以下の範囲とす
ることが好ましく、熱固定温度が190℃を超えると糸
切れが発生しやすく、また、熱固定温度が150℃未満
では伸長回復率が低下し、ストレッチ素材としての弾性
回復性が不足することがある。
【0016】また、仮撚数T1は、次式で計算される仮
撚係数K1の値が23000〜36000であることが
好ましく、さらに好ましくは27000〜34000の
範囲である。 T1(T/m)=K1/〔原糸の繊度(dtex)〕
1/2 本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維
マルチフィラメントの仮撚加工糸の好適な繊維物性は、
強度が2.5cN/dtex以上が好ましく、さらに好
ましくは2.5〜4.4cN/dtexであり、2.5
cN/dtex未満では織物にしたときの強力が不足す
る傾向がある。伸度は35%以上が好ましく、さらに好
ましくは35〜60%であり、35%未満では織物にし
たときのストレッチ性が不足する傾向がある。弾性率は
20cN/dtex以下が好ましく、さらに好ましくは
13〜18cN/dtexであり、20cN/dtex
を超えるとソフト性の乏しい織物となる傾向がある。2
0%伸長時の伸長回復率は70%以上が好ましく、さら
に好ましくは80〜100%であり、伸長回復率が70
%未満の場合には、織物に使用したときの伸びに対する
回復率が悪くなる傾向にある。
【0017】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸とは、仮
撚加工を施したポリトリメチレンテレフタレート繊維糸
条をはじめ、先撚仮撚加工糸(先撚方向と仮撚方向が同
一方向並びに異なる方向のものを含むが、異なる方向の
ものの方が高度のストレッチ性が得られるため好まし
い。)、仮撚加工を施した後に仮撚方向と同一方向や異
なる方向に施撚した糸条でもよい。
【0018】該仮撚加工糸を仮撚方向と同一方向に施撚
した場合、該仮撚加工糸と他の繊維糸条の合撚時の撚方
向は、該仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方向に合撚す
る。また、該仮撚加工糸を仮撚方向と異なる方向に施撚
した場合、該仮撚加工糸と他の繊維糸条の合撚時の撚方
向は、該仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方向に合撚する
ことが高ストレッチ性を得る上で好ましいが、該仮撚加
工糸に仮撚方向と異なる方向の撚りが残る形で該仮撚加
工糸の仮撚方向と同一方向に合撚しても、適度なストレ
ッチ性を得ることができる。
【0019】本発明の伸縮性複合糸に用いる、ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維マルチフィラメントの仮撚
加工糸と合撚する他の繊維糸条としては、特に限定はな
く、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維、ポリエス
テル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維等の合
成繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、キュプラ、レ
ーヨン等の再生繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維等が
用いられる。これらの繊維をそのまま何らの加工も施さ
ずに合撚しても良く、また、仮撚に代表される加撚法
や、押込法、賦形法あるいは流体噴射法の非加撚法等の
加工を施して合撚しても良い。さらに、該他の繊維糸条
の種類としては、単一の繊維糸条であっても良く、2本
以上を複合した糸条であっても良い。
【0020】該他の繊維糸条の形態は、長繊維や短繊維
のいずれでもよく、長繊維同士、短繊維同士、あるいは
長繊維と短繊維を目的に応じて複合させた糸条でもよ
い。複合は、合撚機やダブルツイスター等により合撚す
る方法、カバリング機により芯鞘構造とする方法、流体
噴射加工等で混繊させる方法、流体噴射加工によって一
方の糸条をオーバーフィードさせて交絡させる方法、仮
撚加工時に複合する方法、精紡交撚による方法等があ
り、いずれの方法を採用してもよい。
【0021】本発明の伸縮性複合糸に用いる、ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維マルチフィラメントの仮撚
加工糸と合撚する他の繊維糸条が長繊維の場合、合撚時
の撚方向は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維マル
チフィラメントの仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方向に
することが必要である。さらに該他の繊維糸条が仮撚加
工糸の場合、ポリトリメチレンテレフタレート繊維マル
チフィラメントの仮撚加工糸と該他の繊維糸条の仮撚加
工糸は、同一の仮撚方向を持った糸条同士を引き揃え、
仮撚方向とは異なる方向に合撚することが、高ストレッ
チ性を持った織物を得るのに好ましい。さらに他の繊維
糸条の仮撚は、1ヒーターでも2ヒーターでも良いが、
1ヒーター仮撚の方が高ストレッチ性を得るのに適して
いる。
【0022】また、該他の繊維糸条が短繊維の場合、ポ
リトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラメント
の仮撚加工糸の仮撚方向と、短繊維の紡績方向が同じ糸
同士を合糸して、仮撚や紡績の撚方向とは異なる方向に
合撚することが高ストレッチ性を得るには好ましい。ま
た、合撚数は、短繊維の紡績撚数を越えることなく設定
することが糸強度の面から好ましいが、用途に応じて適
宜決めればよい。
【0023】本発明の伸縮性複合糸は、ポリトリメチレ
ンテレフタレート繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸
と他の繊維糸条との二者が混合された合撚糸であるが、
更にもう一本の他の繊維糸条を複合させた三本の糸条、
あるいはそれ以上の本数の糸条を同時に合撚しても良
く、用途に応じて、相手の糸の種類や本数を適宜変更す
ればよい。
【0024】本発明の伸縮性複合糸の合撚数T2は、次
式で計算され、合撚係数K2の値は2000〜1200
0が好ましく、3000〜8000がより好ましい範囲
である。 T2(T/m)=K2/〔合撚糸の繊度(dtex)〕
1/2 合撚係数K2が2000未満では、得られる伸縮性複合
糸が十分に絡んでいない状態であるため、巻き返し、製
織、製編等の工程中で伸縮性複合糸がしごかれ、合撚さ
れた各々の糸がずれやすくなるため、毛羽や切れ糸が発
生するといった工程性能上の問題が生じることがある。
また、合撚係数K2が12000を超えると、得られる
織物は強撚糸調の織物で、表面がシボ感の強いものにな
って表面平滑性に劣り、風合いが硬く、ストレッチ性が
低下した織物となる傾向がある。
【0025】合撚後は、撚止めのためにスチームセット
等の方法により、70〜80℃程度の温度で20〜60
分の熱セットを施すことが好ましい。また、合撚数が大
きい場合には、撚止めを70〜80℃程度の温度で20
〜30分の熱セットを2回繰り返し施しても良い。本発
明の伸縮性複合糸を得る手段は特に限定されないが、ポ
リトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラメント
の仮撚加工糸と他の繊維糸条を引き揃えて合糸後に、合
撚する方法が一般的であるが、仮撚工程時に2つの繊維
を同時に挿入して仮撚合糸を得た後に、仮撚方向とは異
方向に合撚してもよい。引き揃え合糸には、パーンワイ
ンダーやリング撚糸機で、無撚あるいは20〜200T
/m程度の甘撚をかけて合糸を作り、ダブルツイスター
やリング撚糸機で合撚や追撚すればよい。引き揃え合糸
する場合には、無撚あるいは甘撚のいずれも、合糸した
糸条にインターレーサーノズル等で交絡をつけた方が、
次工程での取り扱いに優れるので好ましい。
【0026】両者を引き揃え合糸する場合には、各々の
糸条は0.05〜0.5cN/dtexの範囲で同程度
の張力で引き揃え、合糸すれば良いが、合糸時のポリト
リメチレンテレフタレート繊維の張力をもう一方の他の
繊維糸条よりも高くしても良く、フィード率をコントロ
ールできるタイプの合撚機では、フィード率を小さくし
て合糸してもよい。また、合撚糸の膨らみを小さくする
場合には、合糸時のポリトリメチレンテレフタレート繊
維の張力を、もう一方の他の繊維糸条よりも小さくして
も良く、オーバーフィードさせてもよい。
【0027】合撚には、ダブルツイスターが生産性の面
から優れているが、リング撚糸機やイタリー撚糸機等で
合撚しても全く差し支えない。合撚方法は、ポリトリメ
チレンテレフタレート繊維マルチフィラメントの仮撚加
工糸の仮撚方向と異なる方向の撚りが入る構造になるよ
うに複合すれば良く、例えば、短繊維の精紡工程で、ポ
リトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラメント
の仮撚加工糸を芯に該仮撚加工糸の仮撚方向とは異なる
方向に撚りが入るように挿入してコアスパンヤーンとす
る方法や、カバリング機で該仮撚加工糸を鞘糸として、
他の繊維糸条の周囲に該仮撚加工糸の仮撚方向と異なる
方向にカバリングして芯鞘構造にする方法等がある。
【0028】本発明の伸縮性複合糸の中に占めるポリト
リメチレンテレフタレート繊維の混率は10〜70wt
%が好ましく、10wt%よりも小さい場合には十分な
ストレッチが出なくなり、70wt%を越えるとストレ
ッチ率や回復率は良くなるが、複合する相手素材の特徴
が生かせなくなる傾向がある。さらに、複合する相手素
材の特徴を一層有効に生かしつつストレッチを出すため
には、25〜50wt%が好ましい。
【0029】次に、本発明の伸縮性織物について説明す
る。本発明の伸縮性織物の経糸や緯糸の密度は、使用す
る伸縮性複合糸の繊度や織物組織によって異なるが、染
色仕上加工によって、ストレッチ率10〜50%の範囲
で所望するストレッチ率が得られるように適宜調整を行
うことが好ましい。染色仕上加工後の伸縮性織物の経糸
密度は、平組織の織物では、経糸のカバーファクターが
500〜1500程度、5枚サテン組織の織物で100
0〜3000程度であり、緯糸密度は経糸密度と同程度
かあるいは少ないが、織り組織や用途によって適正な経
糸密度や緯糸密度は変化させることが必要になる。な
お、カバーファクターは、下記式で求められる。
【0030】経糸のカバーファクター=(2.54cm
あたりの経糸本数)×〔経糸の繊度(dtex)〕1/2 緯糸のカバーファクター=(2.54cmあたりの緯糸
本数)×〔緯糸の繊度(dtex)〕1/2 例えば、経糸に84dtex/24fのポリエチレンテ
レフタレート繊維マルチフィラメント原糸を用い、緯糸
に56dtex/24fのポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸と56dte
x/36fのポリエチレンテレフタレート繊維マルチフ
ィラメントの仮撚加工糸を該仮撚加工糸の仮撚方向とは
異なる方向に600T/m(合撚係数6350)で合撚
した糸を用い、平組織の織物を作成した場合の適正な経
糸密度は55〜164本/2.54cmが好ましく、よ
り好ましくは80〜130本/2.54cmである。適
正な緯糸密度は47〜142本/2.54cmが好まし
く、より好ましくは70〜120本/2.54cmであ
る。
【0031】本発明の伸縮性織物の種類としては、平、
ツイル、サテン、およびこれらを組み合わせた組織の織
物等が用いられるが、特に限定はされない。一般には、
経糸と緯糸の交錯点の少ない組織、例えば、畝織り、模
紗織り、二重織り等の組織の方が高ストレッチ性を発現
しやすくなる。厚みのある織物を生産する場合には経糸
密度を増やすことが好ましく、平滑な表面で薄い織物を
つくる場合には交錯数が多い平組織が適しているが、ツ
イルや畝組織にしても平滑で高ストレッチの織物を得る
には有効である。ツイルでは2/1、2/2、3/1等
の組織があり、畝組織では2/2よこ畝、2/2たて畝
等がある。
【0032】本発明の伸縮性織物は、緯糸にZ方向に合
撚した伸縮性複合糸とS方向に合撚した伸縮性複合糸を
任意に打ち込むことで作ることができる。すなわち、緯
糸はZ方向に合撚した伸縮性複合糸のみ、S方向に合撚
した伸縮性複合糸のみ、あるいはZ方向に合撚した伸縮
性複合糸を一本に対しS方向に合撚した伸縮性複合糸を
三本打ち込むこと等でも良いが、一本交互や二本交互等
のようにS方向伸縮性複合糸とZ方向伸縮性複合糸を同
本数打ち込んで生地のトルクを減少させた方が、次工程
での取り扱いが良くカールのない織物となり、平滑な表
面の織物を得やすいのでより好ましい。
【0033】本発明の伸縮性織物を生産する手段は、通
常の織機を使用すれば良く、エアージェットルーム、ウ
ォータージェットルーム、レピアルーム等の無ひ織機や
有ひ織機のいずれでもよい。生産性の面からは、エアー
ジェットルームあるいはウォータージェットルームが好
ましい。エアージェットルームの主流である、プロファ
イルリードとメインノズル、サブノズルを併用した高速
生産タイプの織機を用い、本発明の伸縮性複合糸を緯糸
として使用する場合、ストレッチを有する緯糸に発生し
やすい打戻りやヒケを防止するために、反メインノズル
側にストレッチノズルやキャッチコードによって緯糸先
端をしっかりと把持させることや、緯糸ブレーキによっ
て飛走終了直前の緯糸の飛走速度を低下させて緯糸への
ダメージを押さえることが有効である。また、緯糸カッ
ティング後のメインノズルからの緯糸抜けを防止するた
めにも、メインノズル後方に緯糸把持装置を付けること
も有効である。
【0034】本発明の伸縮性複合糸をエアージェットル
ーム、ウォータージェットルームを用いて緯糸として飛
走させる場合、緯糸の貯留方式は、飛走した直前の緯糸
や緯糸巻パッケージからの解じょ張力の影響をできるだ
け少なくするために、数本分の緯糸を蓄えられるタイプ
の貯留方式であって、緯糸を飛走させるノズルは2本以
上備えることが好ましいが、織機により異なるのでこの
条件に限定されるものではない。さらに、緯糸の斑を減
少させるためには、緯糸を飛走させるノズルは複数本で
交互に緯入れさせることが有効であり、2本のノズルを
用いて、一本交互や二本交互に緯入れすることが織物品
質上好ましい。
【0035】本発明でいう伸縮性織物とは、少なくとも
緯方向にストレッチ率10%以上、特に好ましくは15
〜45%を有する織物のことであるが、このストレッチ
率はJIS−L−1096に準じて、0.3kg/cm
の応力下で伸長されたときの伸び(%)である。本発明
の伸縮性織物に、平滑な表面を保持したまま10%以上
のストレッチを発現させる加工方法は、生機をリラック
ス処理し幅入れさせた後、染色を行い、仕上げ処理を兼
ねたファイナルセットを行っていく方法や、生機をリラ
ックス処理前に生機セットした後に同様の処理を行う方
法等がある。生機セット時の温度は130℃〜170℃
が好ましく、10%以上、好ましくは10〜50%の範
囲で幅入れして生機セットしても良い。リラックス処理
に使用する装置としては、液流染色機、U型ソフサー、
横型ソフサー、オープンソーパー等を用いることができ
るが、U型ソフサーを用いるのが表面性と高ストレッチ
発現の面からより好ましい。リラックス処理時の温度と
しては、80℃〜105℃、好ましくは、90℃〜10
0℃である。
【0036】また、染色前に中間セットを入れる方が表
面平滑性を達成するためにより好ましい。その際の温度
としては150〜170℃が好ましく、生機セットを行
っている場合には、生機セット温度よりも10℃程度高
い温度で実施することが好ましい。また、150℃未満
ではセット性が悪くなる傾向があり、170℃を超える
と加工糸の捲縮性が低下するので、ストレッチ性低下を
招くことになりやすい。中間セットでは、最終の仕上げ
織物の幅より若干広げてセットすることが好ましい。
【0037】次に、染色装置は特に限定されず、液流染
色機、ジッガー染色機、ウインス染色機等を用いること
ができるが、仕上げ処理剤は特に限定されない。通常用
いられる柔軟剤、撥水剤、制電剤等の使用が可能であ
る。ファイナルセット温度は、中間セット温度と同じく
150℃〜170℃が好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に具体的に説明する。なお、測定法、評価法等は下記の
通りである。 (1)伸び率 JIS−L−1096(1999)B−1法(定荷重
法)に準じる。
【0039】(2)織物の表面状態(平滑性) 織布業務に5年間以上携わった5人によって、織物を静
止した状態で、織物の表面状態の平滑性を次の評価基準
に従って評価し、5人の平均で表した。 W0:平滑、W1:やや平滑、W2:平滑とも凹凸あり
ともいえない表面状態、W3:やや凹凸あり、W4:凹
凸あり。なお、W0〜W2を合格とする。
【0040】(3)ηsp/C ηsp/Cは、ポリマーを90℃でo−クロロフェノー
ルに1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得ら
れた溶液をオストワルド粘度管に移して35℃で測定
し、下記式により算出した。 ηsp/C=〔(T/T0)−1〕/C (なお、式中、Tは試料溶液の落下時間(秒)、T0は
溶剤の落下時間(秒)、Cは溶液濃度(g/デシリット
ル)を表す。) 〔実施例1〕ηsp/C=0.8のポリトリメチレンテ
レフタレートを用い、紡糸温度265℃、紡糸速度12
00m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度
60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、
延伸速度800m/分で延撚して、84dtex/12
fの延伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率並びに
10%伸長時の伸長回復率は、各々3.5cN/dte
x、46%、30cN/dtex並びに98%であっ
た。
【0041】なお、10%伸長時の弾性回復率は、試料
に8.82×10-2cN/dtexの初荷重をかけ、毎
分20%の伸びの一定割合の速度で伸ばし、伸度10%
になったところで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応
力−ひずみ曲線を描く。収縮中、応力が初荷重と等しい
8.82×10-2cN/dtexにまで低下したときの
残留伸度をLとし、下記式で算出した。
【0042】10%伸長時の弾性回復率(%)=〔(1
0−L)/10〕×100 上記の方法で得られた84dtex/12fのポリトリ
メチレンテレフタレート繊維糸条を、ピンタイプ仮撚機
を用いて仮撚数3400T/m(仮撚係数31162)
で1ヒーター仮撚した後、84dtex/36fのポリ
エチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加工糸
を、パーンワインダー(村田機械社製、タイプ303−
II)を用いて各々0.07cN/dtexの張力で引き
揃え、インターレーサーで147kPaの圧力で交絡を
加えながら合糸した。
【0043】次いで、ダブルツイスター(村田機械社
製、タイプ310F)を用い、設定スピンドル回転数1
0000rpm、設定撚数500T/m(合撚係数64
81)で合撚し、S仮撚加工糸のZ合撚糸とZ仮撚加工
糸のS合撚糸を作った。なお、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維仮撚加工糸の仮撚方向とポリエチレンテレ
フタレート繊維仮撚加工糸の仮撚方向は同一方向であ
り、両者を合糸して、仮撚方向とは異なる方向に合撚し
た。これを真空セッター(日空工業社製、タイプ丸型二
重蒸釜)を用いて75℃×40分でセットして、伸縮性
複合糸を得た。この伸縮性複合糸は、ポリトリメチレン
テレフタレート繊維の混率が50wt%である。
【0044】この伸縮性複合糸を緯糸に用い、ポリエチ
レンテレフタレート繊維170dtex/72fを80
0T/m(Z)で撚糸した糸を経糸に用い、そして筬密
度56羽/3.79cm(1羽2本入れ)、150cm
幅のエアージェットルーム(津田駒工業社製、タイプZ
A−209i、2ピック、ドビー付き)を用いて、通し
幅145cm、織機回転数500rpm、緯糸打ち込み
密度84本/2.54cmで、SSZZの打ち込みで2
/2の綾織物の生機を作った。
【0045】この生機を、U型ソフサーを用いて95℃
で精練、リラックスし、テンターを用い160℃で中間
セットした後、液流染色機にて120℃の分散染料によ
る染色を行い、160℃でファイナルセットし、経糸密
度122本/2.54cm、緯糸密度87本/2.54
cmの織物を得た。得られた織物は、表1に示すよう
に、織物の表面状態は極めて平滑であり、緯方向に高ス
トレッチを有するものであった。また織物の風合は、複
合した相手素材の特徴が生かされて、適度なハリ、コシ
があり、かつポリトリメチレンテレフタレート繊維の持
つソフトさも合わさった風合となっていた。
【0046】〔実施例2〕実施例1において、設定撚数
160T/m(合撚係数2074)とした以外は、実施
例1と同様にして、経糸密度118本/2.54cm、
緯糸密度87本/2.54cmの織物を得た。得られた
織物は、表1に示すように、織物の表面状態は平滑であ
り、緯方向に高ストレッチを有するものであり、また織
物の風合は、適度なハリ、コシがあった。
【0047】〔実施例3〕実施例1において、設定撚数
900T/m(合撚係数11665)とした以外は、実
施例1と同様にして、経糸密度111本/2.54c
m、緯糸密度87本/2.54cmの織物を得た。得ら
れた織物は、表1に示すように、織物の表面状態は平滑
であり、緯方向に良好なストレッチを有するものであ
り、また織物の風合は、適度なハリ、コシがあった。
【0048】〔実施例4〕実施例1において、84dt
ex/12fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の
仮撚加工糸と、該仮撚加工糸の仮撚方向とは異なる仮撚
方向を持つ84dtex/36fのポリエチレンテレフ
タレート繊維の1ヒーター仮撚加工糸をパーンワインダ
ーで合糸し、該ポリトリメチレンテレフタレート繊維の
仮撚加工糸の仮撚方向とは異なる方向に設定撚数500
T/m(合撚係数6481)で合撚した以外は、実施例
1と同様にして、経糸密度106本/2.54cm、緯
糸密度86本/2.54cmの織物を得た。
【0049】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は、適度なハリ、コ
シがあった。 〔実施例5〕実施例1において、84dtex/36f
のポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加
工糸の代わりに、銅アンモニアレーヨン糸84dtex
/45f(旭化成工業社製)を用いた以外は、実施例1
と同様にして、経糸密度102本/2.54cm、緯糸
密度86本/2.54cmの織物を得た。
【0050】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は、銅アンモニアレ
ーヨン糸の持つ滑らかなタッチとセルロース独特のドラ
イ感があった。 〔実施例6〕実施例1において、84dtex/36f
のポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加
工糸の代わりに、綿糸40番手(Z方向の紡績撚のある
糸)を用い、ポリトリメチレンテレフタレート繊維のZ
方向の仮撚加工糸とこの綿糸40番手を合糸して、S方
向に設定撚数400T/mで合撚した伸縮性複合糸を得
た。得られた伸縮性複合糸のみを用い、緯糸の打ち込み
密度を63本/2.54cmとして生機を作った。
【0051】この生機を毛焼き、連続糊抜きした後、液
流染色機を用いて100℃で精練・リラックス処理し、
テンターで160℃の中間セットを行い、液流染色機で
120℃の分散染料染色を行った。次いで、シルケット
加工を行い、パッド−スチーム還元で綿の連続染色をし
た後、柔軟剤を付与し、サンフォライズ加工を実施し
て、経糸密度102本/2.54cm、緯糸密度65本
/2.54cmの織物を得た。
【0052】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は、綿特有のタッチ
であった。 〔実施例7〕実施例1において、84dtex/36f
のポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加
工糸の代わりに、117dtex/700fの超ハイカ
ウントのポリエチレンテレフタレート繊維(旭化成工業
社製)を用い、設定撚数400T/m(合撚係数567
1)で合撚し、緯糸打ち込み密度を70本/2.54c
mとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度99
本/2.54cm、緯糸密度73本/2.54cmの織
物を得た。
【0053】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は非常にソフトであ
った。 〔実施例8〕実施例1において、84dtex/36f
のポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加
工糸の代わりに、84dtex/30fのポリエチレン
テレフタレート繊維(旭化成工業社製)のW型断面の扁
平糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、経糸密度
105本/2.54cm、緯糸密度86本/2.54c
mの織物を得た。
【0054】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合はソフトであった。 〔実施例9〕実施例1において、84dtex/36f
の丸断面ポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター
仮撚加工糸の代わりに、84dtex/36fの三角断
面ポリエチレンテレフタレートの異収縮混繊糸(旭化成
工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、経
糸密度107本/2.54cm、緯糸密度86本/2.
54cmの織物を得た。
【0055】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合はぬめり感があっ
た。 〔実施例10〕実施例1において、84dtex/36
fの丸断面ポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒータ
ー仮撚加工糸の代わりに、84dtex/24fの三角
断面中空ポリエチレンテレフタレートのシックアンドシ
ン糸(旭化成工業社製)を用いた以外は、実施例1と同
様にして、経糸密度110本/2.54cm、緯糸密度
86本/2.54cmの織物を得た。
【0056】得られた織物は、軽量感があり、表1に示
すように、織物の表面状態は平滑であり、緯方向に良好
なストレッチを有するものであり、また織物の風合はド
ライ感があった。 〔実施例11〕実施例1に記載の方法にて得られた56
dtex/12fのポリトリメチレンテレフタレート繊
維の1ヒーター仮撚加工糸と、167dtex/48f
のポリエチレンテレフタレート繊維の2ヒーター仮撚加
工糸をパーンワインダー(村田機械社製、タイプ303
−II)を用いて各々0.08cN/dtexの張力で引
き揃え、インターレーサー(東レプレシジョン社製、タ
イプPC220)で198kPaの圧力で交絡を加えな
がら合糸した。
【0057】次いで、ダブルツイスター(村田機械社
製、タイプ310F)を用い、設定スピンドル回転数8
000rpm、設定撚数400T/m(合撚係数597
3)で合撚し、S仮撚加工糸同士をZ方向に合撚した伸
縮性複合糸とZ仮撚加工糸同士をS方向に合撚した伸縮
性複合糸を作った。これを真空セッター(日空工業社
製、タイプ丸型二重蒸釜)を用いて75度×40分でセ
ットして伸縮性複合糸を得た。該伸縮性複合糸は、ポリ
トリメチレンテレフタレート繊維の混率が25wt%で
ある。
【0058】この伸縮性複合糸を実施例1にて使用した
経糸に緯糸として、緯糸打ち込み密度60本/2.54
cmでSSZZの打ち込みで2/2の綾織物の生機を作
り、実施例1と同様の処理を行い、経糸密度107本/
2.54cm、緯糸密度64本/2.54cmの織物を
得た。得られた織物は、表1に示すように、織物の表面
状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを有する
ものであり、また織物の風合は、適度なハリ、コシがあ
った。
【0059】〔実施例12〕実施例1において得られた
生機を140℃有り幅で生機セットを行った以外は、実
施例1と同様の処理を行い、経糸密度107本/2.5
4cm、緯糸密度86本/2.54cmの織物を得た。
得られた織物は、表1に示すように、織物の表面状態は
平滑であり、緯方向に良好なストレッチを有するもので
あり、また織物の風合は、適度なハリ、コシがあった。
【0060】〔実施例13〕実施例1において得られた
伸縮性複合糸をSSZZの順で経糸に配列し、緯糸もS
SZZの順で緯打ちして、実施例1と同様にして生機を
作り、染色時は160℃の中間セット時に経方向に10
%追い込んで中間セットした以外は実施例1と同様にし
て、経糸密度115本/2.54cm、緯糸密度121
本/2.54cmの織物を得た。
【0061】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は、適度なハリ、コ
シがあった。 〔実施例14〕実施例1において得られた伸縮性複合糸
をSSZZの順で経糸に配列し、緯糸は167dtex
/72fの丸断面ポリエチレンテレフタレート繊維(旭
化成工業社製)を用いて、実施例1と同様にして生機を
作り、染色時は160℃の中間セット時に経方向に10
%追い込んで中間セットした以外は実施例1と同様にし
て、経糸密度90本/2.54cm、緯糸密度113本
/2.54cmの織物を得た。
【0062】得られた織物は、表1に示すように、織物
の表面状態は平滑であり、緯方向に良好なストレッチを
有するものであり、また織物の風合は、適度なハリ、コ
シがあった。 〔比較例1〕実施例1において、84dtex/12f
のポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸の
仮撚方向と同一の仮撚方向を持つ84dtex/36f
のポリエチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚加
工糸をパーンワインダーで合糸し、84dtex/12
fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸
の仮撚方向と同一方向に設定撚数500T/m(合撚係
数6481)で追撚した以外は、実施例1と同様にし
て、経糸密度92本/2.54cm、緯糸密度86本/
2.54cmの織物を得た。
【0063】得られた織物は、表1に示すように、風合
は適度なハリコシがあったものの、織物の表面状態は平
滑ではあるが、ストレッチは低いものであった。
【0064】
【表1】
【0065】なお、表1中の伸び率は織物の緯方向の数
値であるが、実施例13は経方向と緯方向の数値、実施
例14は経方向の数値を記載してある。
【0066】
【発明の効果】本発明の伸縮性複合糸は、複合する相手
素材の特徴が有効に生かされた複合糸であって、伸縮性
織物を得るために極めて有用である。本発明の伸縮性複
合糸を織物の緯糸、経糸あるいは経糸と緯糸の双方に用
いた伸縮性織物は、複合する相手素材が有するソフト
性、ハリ、コシに優れる等の特徴が有効に生かされてお
り、ストレッチ性に優れ、表面状態が平滑な伸縮性織物
であり、アウター衣料やスポーツ衣料等の幅広い分野の
用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D01F 6/62 306 D01F 6/62 306P Fターム(参考) 4L035 BB31 BB76 EE15 FF08 FF10 4L036 MA05 MA33 MA39 PA01 PA03 PA06 PA21 PA42 PA46 UA01 UA07 4L048 AA08 AA13 AA21 AA22 AA47 AB01 AB07 AB12 AB16 AB21 BA01 BA02 BC00 CA04 CA12 CA15 DA01 DA03 EA01 EB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維マ
    ルチフィラメントの仮撚加工糸と他の繊維糸条を合撚し
    た伸縮性複合糸であって、該伸縮性複合糸の合撚方向
    が、ポリトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラ
    メントの仮撚加工糸の仮撚方向と異なる方向であること
    を特徴とする伸縮性複合糸。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伸縮性複合糸を緯糸およ
    び/または経糸に用いることを特徴とする伸縮性織物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004308080A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Solotex Corp 織物の製法
JP2006348392A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Unitica Fibers Ltd ポリ乳酸系織物
JP2009138287A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Teijin Fibers Ltd 表面がフラットなストレッチ性織物およびスポーツ衣料
JP2010229568A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Asahi Kasei Fibers Corp セルロース複合糸条及び織編物
KR20240012912A (ko) * 2022-07-21 2024-01-30 고재정 공기층을 포함하는 원단의 직조방법

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