JP2005194661A - ポリエステル混繊糸 - Google Patents

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知雄 水村
Masahiro Higaki
昌裕 檜垣
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Abstract

【課題】 高級梳毛感があり、ストレッチ性およびノングリッター効果に優れ、しかも自然な表面外観を呈する布帛を得ることができるポリエステル混繊糸を提供すること。
【解決手段】 低収縮側の繊維が、沸水収縮率が0.5〜8.0%、ノーマルテストでのU%が2〜15%の潜在捲縮性繊維であり、高収縮側の繊維が、沸水収縮率が10%以上、沸水処理後の捲縮率が1.5%以上の潜在捲縮性繊維である、互いに熱収縮率の異なる2種類の非仮撚加工ポリエステル繊維を混繊交絡処理してなるポリエステル混繊糸。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱収縮率の異なるポリエステル繊維からなるポリエステル混繊糸に関するものである。さらに詳しくは、ストレッチ性およびノングリッター効果に優れ、しかも、自然な表面外観および高級梳毛感を呈する布帛を得るのに好適なポリエステル混繊糸に関するものである。
従来、高級梳毛調布帛のような繊細で上品な手触り感、ふくらみ感が得られるポリエステル繊維として、例えば、特許文献1〜3などには、混繊仮撚加工法を用いた仮撚2層構造糸が提案されている。しかしながら、これらの仮撚2層構造糸からなる布帛には、仮撚加工糸独特のテカリ、いわゆるグリッターが発現するため、染色後の深色感に欠けるといった問題がある。
一方、かかる高級梳毛調布帛をさらに活動しやすい衣料、例えば、カジュアルウェアー、スポーティーウェアーなどにも展開できるよう優れたストレッチ性を付与したいといった市場の要求がある。しかしながら、上記の仮撚2層構造糸からなる布帛では十分なストレッチが得られないため、用途展開で限界がある。
特公昭61−19733号公報 特公昭61−20662号公報 特開平2−139440号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、高級梳毛感があり、ストレッチ性およびノングリッター効果に優れ、しかも自然な表面外観を呈する布帛を得ることができるポリエステル混繊糸を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、収縮率の異なる2種類の潜在捲縮性繊維同士を巧みに組合せ、その際収縮率の小なる繊維を長さ方向に適度な太細斑を持たせたとき、グリッターが発現する混繊仮撚加工法によらなくとも、極めて高級梳毛感およびストレッチ性に優れ、しかも自然な表面外観を呈する布帛得るに好適な混繊糸が得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、「互いに熱収縮率の異なる2種類の非仮撚加工ポリエステル繊維を混繊交絡してなるポリエステル混繊糸であって、低収縮繊維が、沸水収縮率が0.5〜8.0%、ノーマルテストでのU%が2〜15%の潜在捲縮性繊維であり、他方、高収縮繊維が、沸水収縮率が10%以上、沸水処理後の捲縮率が1.5%以上の潜在捲縮性繊維であることを特徴とするポリエステル混繊糸。」が提供される。
本発明のポリエステル混繊糸によれば、高級梳毛調の繊細で上品な手触り感およびふくらみ感があり、ストレッチ性およびノングリッター効果に優れ、しかも表面外観もナチュラルな布帛を提供することができる。
本発明のポリエステル混繊糸は、互いに熱収縮率の異なる2種類の非仮撚加工ポリエステル繊維からなり、該非仮撚加工ポリエステル繊維はいずれも潜在捲縮性を有している必要がある。ここで、潜在捲縮性を付与する方法は特に限定する必要はなく、例えば、1種類のポリエステルを紡糸する際、口金下で溶融吐出した糸条に異方冷却を施した繊維であってもよいし、2種類のポリエステルをサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維であってもよいが、特に後者のサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維が好ましい。なお、後者の複合繊維は、これを構成するポリエステルの組合せとしては、互いに異なるポリエステルの組合せでも、固有粘度が互いに異なる同じポリエステルの組合せでもいずれでもよい。
本発明においては、高収縮側の潜在捲縮性繊維(高収縮繊維)は、沸水処理後の捲縮率が1.5%以上、好ましくは2.0〜20.0%となる潜在捲縮発現能を有している必要がある。該捲縮率が1.5%未満の場合には、十分なストレッチ性や高級梳毛感が得られなくなるので好ましくない。一方、低収縮側の潜在捲縮性繊維(低収縮繊維)は、その潜在捲縮発現能を特に規定する必要はないが、あまりに少ないと混繊糸の多段捲縮による布帛の自然な表面外観が得られず、逆に多くなりすぎると混繊糸が芯鞘構造となることが難しくなるので、0.3〜5.0%、特に0.5〜2.0%の範囲とするのが適当である。
上記の低収縮繊維および高収縮繊維を構成するポリエステルとしては、例えば、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、主たる繰返し単位がトリメチレンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、主たる繰返し単位がブチレンテレフタレートであるポリブチレンテレフタレート系ポリエステルなどが挙げられる。なかでも、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート系ポリエステルが好ましい。
なお、上記のポリエチレンテレフタレート系、ポリトリメチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルなどには、必要に応じて少量(通常、全酸成分に対して20モル%未満)の共重合成分を共重合してもよい。共重合可能な酸成分としては、例えばイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などを挙げることができ、また、ジオール成分としては上記の繰り返し単位を形成しているグリコール成分以外のエチレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、さらには、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げることができる。
また、上記ポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤などが配合されていてもよい。
本発明で用いられる低収縮繊維は、上記の要件に加えて、沸水収縮率が0.5〜8.0%、好ましくは2.0〜6.0%の範囲で、かつ、ノーマルテストでのU%が2〜15%、好ましくは3〜12%の範囲である必要がある。該沸水収縮率が0.5%未満の場合には、本発明の目的とする高級梳毛感が得られなくなり、一方、沸水収縮率が8.0%を越える場合には、後述する高収縮繊維との収縮差が小さくなり、優れた高級梳毛感やストレッチ性が得られなくなるので好ましくない。また、該U%が2%未満の場合には、繊維軸方向の繊度斑が不十分のため、布帛に自然な表面外観を付与することができなくなり、一方、U%が15%を越える場合には、沸水収縮率が上記範囲にあるものを安定に製糸することが困難になるので好ましくない。
このような特性を有する低収縮繊維の製造方法としては、固有粘度(オルソクロロフェノール溶媒を使用し、温度30℃で測定)が互いに異なるポリエチレンテレフタレートを、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合する場合には以下の方法が好ましい。すなわち、それぞれの固有粘度は、製糸安定性および潜在捲縮の発現のしやすさなどから、高収縮成分は0.50〜1.0の範囲、低収縮成分は0.35〜0.55の範囲で、その差は0.15以上とするのが好ましい。複合重量比は3/7〜7/3、特に4/6〜6/4の範囲が適当である。
溶融紡糸方法としては、引取速度1000〜4000m/分で引取って未延伸糸となし、次いで、自然延伸倍率未満の延伸倍率、例えば1.1〜2.0倍の延伸倍率で斑延伸した後、さらに弛緩熱処理を施す方法が好ましい。なお、斑延伸する前の段階で流体ノズルを介して交絡を付与すると、得られる混繊糸を布帛となした際に、より自然な表面外観および高級梳毛感を呈するものが得られるので好ましい。
本発明で用いられる、他方の高収縮繊維は、上記の潜在捲縮性を有する要件に加えて、沸水収縮率が10%以上、好ましくは10〜50%、より好ましくは10〜40%である必要がある。該沸水収縮率が10%未満の場合には、高いストレッチ性を有する布帛を得ることができず、また、前記低収縮繊維の沸水収縮率との差が小さくなるため、優れた高級梳毛感も得られなくなるので好ましくない。
本発明においては、低収縮繊維の単繊維繊度は、0.05〜3.5dtex、特に0.5〜3.2dtexの範囲、高収縮繊維の単繊維繊度は0.55〜15.0dtex、特に3.0〜6.0dtexの範囲であることが好ましい。さらに、高収縮繊維の単繊維繊度は、低収縮繊維の単繊維繊度よりも0.5dtex以上、特に1.0dtex以上大きいことが好ましい。かかる繊度差を設けることにより、最終的に得られる混繊糸を熱処理する際、芯部と鞘部とでクリンプの大きさの異なる捲縮が発現して明瞭な2段捲縮構造が形成され、より繊細な感触の高級梳毛感を呈する布帛を得ることができる。
なお、低収縮繊維および高収縮繊維の単繊維断面形状は特に限定する必要はなく任意に設定できるが、ノングリッター効果の観点から、仮撚加工糸のように潰れて変形した断面は好ましくない。
本発明の混繊糸は、上記の高収縮繊維と低収縮繊維とが混繊交絡してなる混繊糸であるが、交絡数があまりに低いと高収縮繊維と低収縮繊維との絡みが不十分となり、得られる布帛の表面が粗野な外観となりやすく、逆に高くなり過ぎると繊維間空隙が減少し、布帛のふくらみが不十分なって高級梳毛感が得られにくくなるので、交絡数は10〜90個/mの範囲、特に15〜50個/mの範囲が好ましい。
本発明のポリエステル混繊糸は、これを熱処理すると、高収縮繊維が主に芯部に、低伸度繊維が主に鞘部に配された構造の糸条とすることができる。しかも、芯部と鞘部では、低収縮繊維と高収縮繊維の収縮率の違いからそれぞれクリンプの向きや周期の異なった捲縮となって現れ、しかもそれらの異なった捲縮が混繊糸の芯部と鞘部でそれぞれ発現するため、2段の捲縮構造が形成される。その結果、優れた高級梳毛感を布帛にもたらすことになり、同時に十分なストレッチ性が発現することになる。また、鞘部に配される低収縮繊維は繊維軸方向に繊度斑を有しているので、自然な表面外観を呈することになる。さらには、高収縮繊維および低収縮繊維はいずれも非仮撚加工の繊維であるため、従来仮撚加工時の繊維断面変形に起因するグリッターやテカリが抑制された、いわゆるノングリッター効果にも優れたものを得ることができる。
以上に説明した本発明のポリエステル混繊糸は、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、低収縮繊維は、ペレット状となした2種類のポリエステルを常法で乾燥し、スクリュウ押出機を備えた通常の溶融紡糸設備で溶融し、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合紡糸し、公知の流体ノズルにより交絡処理を施した後、引取速度1000〜4000m/分で引取り、次いでガラス転移温度以下の温度で、延伸倍率1.1〜2.0倍の低倍率で斑延伸(自然延伸倍率未満での延伸)して巻き取り、潜在捲縮性複合繊維とする。ここで、引取速度が4000m/分を越える場合には、後述する弛緩熱処理を施して複合繊維の沸水収縮率を0.5〜8.0%に調節するのが難しくなり、一方、引取速度が1000m/分未満の場合には、得られる複合繊維が脆弱となりやすく、混繊糸とする際の取扱い性が悪くなる。
このようにして紡糸延伸された潜在捲縮性複合繊維は、熱処理温度や弛緩率などの弛緩熱処理条件を調整することにより、容易に沸水収縮率を0.5〜8.0%の範囲とすることができる。例えば、斑延伸された複合繊維を一旦巻き取った後、少なくとも2個の回転ローラー間にヒーターを設置した熱処理装置に通し、弛緩熱処理すればよい。この際、ヒーターは非接触タイプが工程通過性の面で好ましい。また、弛緩率は、前述の紡糸速度などによっても異なるが、1〜45%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10%の範囲である。弛緩率が1%未満の場合には、沸水収縮率が8.0%よりも高くなりやすく、一方、弛緩率が45%を超える場合には、弛緩熱処理中に走行糸条がローラーに巻きつきやすくなり、安定に処理することが難しくなる。ヒーター温度は180〜280℃が好ましく、より好ましくは200〜260℃の範囲である。ヒーター温度が180℃未満の場合には、沸水収縮率が8.0%よりも高くなりやすく、一方、ヒーター温度が280℃を超える場合には、ヒーター付近で断糸が発生しやすくなる。
一方、高収縮繊維については、異方冷却を施して潜在捲縮性を付与した繊維と、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合して潜在捲縮性を付与した繊維について説明する。
前者の異方冷却を施した繊維の場合には、常法で乾燥されたポリエステルペレットを公知の紡糸口金から溶融吐出し、紡糸口金直下で、吐出糸条に対して垂直に5〜30℃の冷却風を吹き当て、次いで500〜2000m/分で引取り、必要に応じて延伸熱処理を行うことにより得ることができる。なお、延伸は、一旦未延伸繊維を巻き取った後、別に行ってもよいし、未延伸繊維を紡糸引取り後、連続して行ってもよい。この際、得られる繊維の沸水収縮率および沸水処理後の捲縮率が前述の要件を満足するよう、用いるポリエステルの種類に応じて、紡糸延伸熱処理条件を適宜設定することが必要である。
後者の複合繊維の場合には、乾燥された2種類の異なるポリエステルペレットを公知の複合紡糸口金から溶融紡出し、1000〜4000m/分で巻き取った後、一旦巻き取った後または一旦巻き取ることなく連続して延伸熱処理する。ここで、延伸熱条件は、延伸温度を30〜100℃の範囲、熱処理温度を140〜280℃の範囲とするのが好ましい。延伸温度が30℃未満の場合には、不均一延伸となって品質斑の多い繊維となりやすく、一方、延伸温度が100℃を超える場合には、ローラー上での糸揺れが大きくなって糸斑が大きくなりやすく、紡糸性が不安定となる。また、延伸熱処理温度が140℃未満の場合には、安定して延伸することが困難になり、延伸斑に起因する毛羽や染色斑が発生しやすくなる。一方、延伸熱処理温度が280℃を超える場合には、熱処理中に断糸が発生しやすくなる。
延伸倍率は、用いるポリエステルの種類および引取速度によって異なるが、延伸後の高収縮繊維の伸度が25〜65%となるように設定するのが好ましい。伸度が25%未満となるような延伸倍率に設定すると、延伸での断糸、毛羽が多くなる。逆に伸度が65%を超えるような延伸倍率に設定すると、得られる高収縮繊維に未延伸が見られることが多くなるので好ましくない。
なお、この複合繊維の場合でも、繊維の沸水収縮率および沸水処理後の捲縮率が前述の要件を満足するよう、用いるポリエステルの種類に応じて、紡糸延伸熱処理条件を適宜設定することが必要である。
このようにして得られた、低収縮繊維と高収縮繊維とを引き揃え、例えば1〜5%のオーバーフィードを掛けつつ、公知のインターレースノズルを用いて、交絡度が15〜90個/mとなるようにノズル圧空圧を調整し、混繊交絡すればよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
(2)沸水収縮率(%)
JIS L1013 8.18.1 B法に準じて測定した。
(3)捲縮率
0.441mN×表示デシテックス(50mg×表示デニール)の張力をかけてカセ枠に巻取り、約3300dtex(3000de)のカセを作る。カセ作製後、カセの一端に0.0176mN×表示デシテックス+1.764mN×表示デシテックス(2mg×表示デニール+200mg×表示デニール)の荷重を付加し1分間経過後の長さL0(cm)を測定する。次いで、1.764mN×表示デシテックス(200mg×表示デニール)の荷重を除去した状態で、100℃の沸騰水中にて20分間処理する。沸水処理後0.0176mN×表示デシテックス(2mg×表示デニール)の荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に再び0.0176mN×表示デシテックス+1.764mN×表示デシテックス(2mg×表示デニール+200mg×表示デニール)の荷重を付加し、1分間経過後の長さL1(cm)を測定する。次いで、1.764mN×表示デシテックス(200mg×表示デニール)の荷重を除去し、1分間経過後の長さL2を測定し、次の全捲縮率を算出した。なお、測定は10回行い、その平均値を求めた。
捲縮率(%)=[(L1−L2)/L0]×100
(4)交絡度(ケ/m)
JIS L1013 8.15 に準じて測定した。
(5)ストレッチ率
5cm×20cmの試験片を、自動記録装置付き引張試験機を用いて初荷重20gをかけてつかみ間隔が10cmになるように試験片をつかみ、引張速度30cm/分で1.5kg定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとの位置に戻し、荷重―伸長曲線を描く。ストレッチ率は、上記の1.5kg定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとの位置に戻す寸前の、伸長距離をLcm(0.01cmまで)とするとき、次式で表わされる。
ST=[L/10]×100(%)
(6)表面外観、高級梳毛感、ノングリッター効果
混繊糸を経192本/3.79cm、緯144本/3.79cmの綾織物に製織し、青色に染色し、熟練者5名により、高級梳毛感(柔らかく繊細な感触、膨らみ感)、自然な表面外観、ノングリッター効果を評価した。その結果を、良好、不良で示した。
(7)ノーマルテストでのU%
ツェルヴェガーウースター社製USTER TESTER4を用い、200m/分の速度で測定した。
[実施例1]
イソフタル酸が全酸成分を基準として10モル%共重合された固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルと、固有粘度が0.43のポリエチレンテレフタレートとを、複合重量比50/50でサイドバイサイド型に複合溶融紡糸(溶融紡糸温度:280℃、溶融粘度差:70Pa・sec)し、捲取速度1500m/分で巻き取った後、延伸倍率2.6倍、延伸速度600m/分、延伸温度90℃、熱セット温度230℃として延伸、熱セットし、56デシテックス12フィラメントの高収縮繊維を得た。
一方、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートと、固有粘度0.43のポリエチレンテレフタレートとを、複合重量比50/50でサイドバイサイド型に複合溶融紡糸(溶融紡糸温度:285℃、溶融粘度差:70Pa・sec)し、公知のインタレースノズルにて交絡処理を施した後に引取速度2250m/分で引取り、次いで延伸倍率1.35倍で斑延伸した後に巻き取って70デシテックス24フィラメントの複合繊維を得た。得られた複合繊維を、230℃(弛緩熱処理温度)に設定した非接触型スリットヒーターに通し、弛緩率2.0%、通過速度400m/分にて弛緩熱処理を施し低収縮繊維とし、前記の高収縮繊維と合わせてインターレースノズルにて混繊交絡処理を施し捲き取った。得られた混繊糸は126デシテックス36フィラメント、交絡度は35ヶ/mであった。
得られた混繊糸のうち、低収縮繊維の沸水収縮率とU%、高収縮繊維の沸水収縮率と捲縮率は表1のとおりであった。
上記混繊糸を製織し、風合いを評価した結果、ストレッチ性、ノングリッター効果に優れ、繊細な感触および適度なふくらみがあり、自然な表面外観を呈する高級梳毛感に優れた布帛が得られた。
[実施例2]
高収縮繊維を製造する際の熱セット温度を230℃から250℃に、低収縮繊維を製造する際の弛緩率を2.0%から6.0%に変更した以外は、実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
高収縮繊維を製造する際の熱セット温度を230℃から150℃に、低収縮繊維を製造する際の弛緩率を2.0%から8.0%に変更した以外は、実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
低収縮繊維を製造する際に斑延伸処理を施さないこと以外は、実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
低収縮繊維を製造する際の弛緩率を2.0%から0%に変更した以外は、実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
低収縮繊維として、複合繊維ではなく、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸温度280℃、紡糸速度3200m/分で捲き取った繊維を用いた以外は実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価の結果、混繊糸の鞘の部に捲縮の発現が見られず、高級梳毛感に欠ける結果となった。
[比較例4]
高収縮繊維を構成するポリエステルのうち、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートを、固有粘度を0.55のポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価の結果、芯糸である高収縮繊維の捲縮率が不十分であるのため混繊糸が2段捲縮構造を構成せず、高級梳毛感、ストレッチ性ともに低いものであった。
[比較例5]
低収縮繊維を製造する際、該繊維に仮撚加工を施すこと以外は実施例1と同様にして混繊糸を得た。評価の結果、仮撚加工糸独特のテカリが布帛に見られ、ノングリッター効果に欠ける結果となった。
Figure 2005194661
本発明のポリエステル混繊糸は、製編織した後、通常施される精練、染色、仕上げ加工処理を施すことにより、潜在捲縮が顕在化して、高級梳毛感、ストレッチ性、ノングリッター効果、自然な表面外観に優れた布帛を提供することができる。

Claims (5)

  1. 互いに熱収縮率の異なる2種類の非仮撚加工ポリエステル繊維を混繊交絡してなるポリエステル混繊糸であって、低収縮繊維が、沸水収縮率が0.5〜8.0%、ノーマルテストでのU%が2〜15%の潜在捲縮性繊維であり、他方、高収縮繊維が、沸水収縮率が10%以上、沸水処理後の捲縮率が1.5%以上の潜在捲縮性繊維であることを特徴とするポリエステル混繊糸。
  2. 低収縮繊維が、2種類のポリエステルがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された潜在捲縮性複合繊維である請求項1記載のポリエステル混繊糸。
  3. 低収縮繊維が、引取速度1000〜4000m/分で溶融紡糸された未延伸糸を、自然延伸倍率未満の倍率で斑延伸した後に弛緩熱処理した潜在捲縮性複合繊維である請求項2記載のポリエステル混繊糸。
  4. 高収縮繊維が、2種類のポリエステルがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された潜在捲縮性複合繊維である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル混繊糸。
  5. 低収縮繊維の単繊維繊度が0.05〜3.5dtex、高収縮繊維の単繊維繊度が0.55〜15.0dtexであり、かつ、高収縮繊維の単繊維繊度が低収縮繊維の単繊維繊度よりも0.5dtex以上大きい請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル混繊糸。
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