JP2010018925A - 加工糸と同加工糸からなる織編物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糸長手方向に、三重捲付部と一重捲付部とを交互に有する加工糸である。加工糸繊度は10dTex以上60dTex以下であり、好ましくは一重捲付部の長さが20cm以上100cm以下で、一重捲付部の撚係数が2500以上15000以下である。かかる加工糸を織編物の少なくとも一部に用い、目付けを10g/m2 以上60g/m2 以下とした織編物。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明は、糸長手方向に、三重捲付部と、一重捲付部を交互に有する加工糸であって、繊度が10dTex以上60dTex以下であることを特徴とする加工糸と、該加工糸を織編物の少なくとも一部に用いてなり、目付けが10g/m2 以上60g/m2 以下であることを特徴とする織編物である。
糸長手方向に、三重捲付部と、一重捲付部を交互に有することで、布帛に適度な意匠性、すなわち紬調の表情感を与えることができる。
また、三重捲付部と一重捲付部には撚りが形成されていることが、織編物に適度なハリコシ感を付与できるため好ましい。
また、三重捲付部の長さは特に規定する物ではないが、2cm以上25cm以下が好ましい。
一重捲付部の撚係数が該範囲にあることで、織編物に適度なハリコシ感を付与でき、ソフトオーガンジー様の織編物が表現可能となる。
本発明の織編物は、前記加工糸を織編物の少なくとも一部に用いており、目付が10〜60g/m2 以下である織編物からなることが好ましい。織編物の目付が10g/m2 未満であると布帛の引き裂き強力が弱くなり過ぎる。織編物の目付が60g/m2 を超えると、布帛の軽量性が損なわれるのみならず、透明感も損なわれる。
このことにより、制約を受けず自由な組織を用いることが可能となり、織編物のバリエーションの広がりを持たせることが可能となる。
本発明の織編物中に用いる加工糸の割合は、40%以上が引裂強力保持の観点及び、意匠性を得る点から好ましい。
ハリ感が800を下回ると、いわゆるドレープ性が高すぎ実際の目付よりも重く感じてしまい、せっかくの軽量感を損なってしまう。また、1400を越えると、強すぎるハリコシ、すなわち風合いの粗硬化を招いてしまう。
加工糸の三重捲付部を任意の箇所10点の長さを測定し、平均値、最小値、最大値の長さを求めた。また、測定荷重は「JIS L1013正量繊度」を使用した。
加工糸の一重捲付部を任意の箇所10点の長さを測定し、平均値、最小値、最大値の長さを求めた。また、測定荷重は「JIS L1013正量繊度」を使用した。
加工糸の一重捲付部を任意の箇所10点の撚数を検撚機にて測定し、平均値、最小値、最大値の撚係数を求めた。
織物の経方向及び緯方向の布帛を「JIS L1096A法」により、カンチレバーを使用し、各5点づつ測定し、下記式によりハリ感を求めた。
ハリ感=目付(g/m2 )/(経方向剛軟性(m)+緯方向剛軟性(m))×2
単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト11dTex/4フィラメント(f)(強度:5.12cN/、伸度:21.1%))を、芯糸及び鞘糸に使用し仮撚加工機を用いて仮撚スラブ加工糸を作成した。この仮撚スラブ糸は繊度が28dTex、三重捲付部の長さが平均7.9cm、最大13.2cm、最小4.6cm、一重捲付部の長さが平均61.0cm、最大80.2cm、最小48.4cm、一重捲付部の撚係数が平均5437、最大が7619、最小が4233であった。
また、引き裂きについても、適度に配置された三重捲付部の効果で、経方向800cN、緯方向850cNと良好であった。
単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト11dTex/4フィラメント(f)(強度:5.12cN/、伸度:21.1%))を、芯糸及び鞘糸に使用し仮撚加工機を用いて仮撚スラブ加工糸を作成した。この仮撚スラブ糸は繊度が34dTex、三重捲付部の長さが平均7.2cm、最大12.5cm、最小5.1cm、一重捲付部の長さが平均10.2cm、最大15.3cm、最小6.2cm、一重捲付部の撚係数が平均5613、最大が7870、最小が4311であった。
得られた織物は軽量感とハリコシは良好で、意匠感は強く、また若干透明感に乏しい織物であった。
単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト11dTex/4フィラメント(f)(強度:5.12cN/、伸度:21.1%))を、芯糸及び鞘糸に使用し仮撚加工機を用いて仮撚スラブ加工糸を作成した。この仮撚スラブ糸は繊度が34dTex、三重捲付部の長さが平均7.1cm、最大12.6cm、最小4.2cm、一重捲付部の長さが平均150cm、最大181.5cm、最小123.3cm、一重捲付部の撚係数が平均3012、最大が4322、最小が2610であった。
また、引き裂きについては、三重捲付部がほとんど効果を示さず、経緯方向とも300cN以下となってしまい、実用に耐えなかった。
単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、セミダル33dTex/12フィラメント(f))を芯糸に、単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、セミダル22dTex/12フィラメント(f))を鞘糸に使用し仮撚加工機を用いて仮撚スラブ加工糸を作成した。この仮撚スラブ糸は繊度が75dTex、三重捲付部の長さが平均8.1cm、最大13.3cm、最小5.1cm、一重捲付部の長さが平均62.5cm、最大82.3cm、最小42.5cm、一重捲付部の撚係数が平均5310、最大が7811、最小が4325であった。
得られた織物は繊細な紬調の表情感、適度なハリコシを持っていたが、軽量感、透明性に乏しい織物であった。
実施例1にて作成した仮撚スラブ加工糸を、織物の経糸および緯糸に用い、2/1綾織り組織の織物を作成した。得られた織物の生機を常法により分散染料にてオフホワイトに染色し仕上加工して、仕上経糸密度が145本/ 2.54cm、仕上緯糸密度が160本/ 2.54cm、目付35.3g/m2 、ハリ感891の織物を得た。
得られた織物は繊細な紬調の表情感をもち、重さをほとんど感じさせないほどの軽量感で、適度なハリコシをと透明感を持つ織物であった。
実施例1にて作成した仮撚スラブ加工糸を、織物の緯糸に用い、経糸に単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト11dTex/4フィラメント(f)(強度:5.12cN/、伸度:21.1%))を用い、ストライプ織り(図2)組織の織物を作成した。得られた織物の生機を常法により分散染料にてオフホワイトに染色し仕上加工して、仕上経糸密度が270本/ 2.54cm、仕上緯糸密度が118本/ 2.54cm、目付21.9g/m2 、ハリ感865の平織物を得た。
単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト33dTex/12フィラメント(f)(常圧可染タイプ))を芯糸に、単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト11dTex/4フィラメント(f)(高強力タイプ))を鞘糸に使用し仮撚加工機を用いて仮撚スラブ加工糸を作成した。この仮撚スラブ糸は、繊度が57dTex、三重捲付部の長さが平均11.5cm、最大17.8cm、最小8.3cm、一重捲付部の長さが平均38.1cm、最大53.2cm、最小23.8cm、一重捲付部の撚係数が平均10612、最大が11400、最小が9966であった。
また、引き裂きについても、適度に配置された三重捲付部の効果で、経方向850cN、緯方向900cNと良好であった。
実施例1にて作成した仮撚スラブ加工糸を、丸編み機(28ゲージ、30インチ)で天竺組織を作成した。得られた織物の生機を常法により分散染料にてオフホワイトに染色し仕上加工してウエール(26.3ループ/2.54cm)、コース(20.4/2.54cm)、目付29.5g/m2 、ハリ感852の編物を得た。
得られた編物は繊細な紬調の表情感をもち、重さをほとんど感じさせないほどの軽量感で、適度なハリコシをと透明感を持つ編物であった。
経糸及び緯糸に、単糸丸型断面のポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン社製、ブライト33dTex/12フィラメント(f)(常圧可染タイプ))に1000t/m(Z方向)を用いた以外は実施例1と同様な平織り組織の織物を作成した。得られた織物の生機を常法により分散染料にてオフホワイトに染色し仕上加工して、仕上経糸密度が122本/ 2.54cm、仕上緯糸密度が125本/ 2.54cm、目付25.6g/m2 、ハリ感521の平織物を得た。
得られた織物は軽量感のある布帛であったが、意匠性、ハリコシに乏しい織物であった。また、引き裂きについては、経方向400cN、緯方向450cNと低いものであった。
2 第2フィラメント糸
3 マグネットテンサー
4 供給ローラー
5 ガイド
6 ガイド
7 第1ヒーター
8 仮撚ユニット
9 第1引き取りローラー
10 第2ヒーター
11 第2引き取りローラー
12 ワインダー
Claims (4)
- 糸長手方向に、三重捲付部と一重捲付部とを交互に有する加工糸であって、繊度が10dTex以上60dTex以下であることを特徴とする加工糸。
- 一重捲付部の長さが20cm以上100cm以下で、一重捲付部の撚係数が2500以上15000以下であることを特徴とする請求項1記載の加工糸。
- 請求項1又は2に記載の加工糸を織編物の少なくとも一部に用いてなり、目付けが10g/m2 以上60g/m2 以下であることを特徴とする織編物。
- 織編物のハリ感が800以上1400以下であることを特徴とする請求項3記載の織編物。
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