JP2530729B2 - 混繊交絡糸およびその製造方法 - Google Patents

混繊交絡糸およびその製造方法

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JP2530729B2 JP1266972A JP26697289A JP2530729B2 JP 2530729 B2 JP2530729 B2 JP 2530729B2 JP 1266972 A JP1266972 A JP 1266972A JP 26697289 A JP26697289 A JP 26697289A JP 2530729 B2 JP2530729 B2 JP 2530729B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は混繊交絡糸およびその製造方法に関する。さ
らに詳細には、単繊維の繊度および熱収縮率が2種以上
異なるフィラメント糸の混繊交絡糸からなる新規な加工
糸およびその製造方法に関する。
本発明のかかる混繊交絡糸は編物、織物、組物などに
されて、その特徴を生かして高級衣料用途あるいは高級
装飾用途などに最適に用いられるものである。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 本発明の構成要件と1つであ る収縮率差を有する混
繊糸がふくらみに富んだ編織物を提供することは公知で
あり、その一般的製造方法としては紡糸混繊方式、延伸
時混繊方式、延伸糸の混繊方式などがある。
これらの中で、高収縮性ポリエステルと低収縮性ポリ
エステルの2種のポリエステルを複合紡糸設備を用いて
紡糸し、紡糸工程でポリエステル混繊未延伸糸を得て、
これを延伸する紡糸混繊方式は生産性の面で優れてい
る。この紡糸混繊方法において、高収縮性ポリエステル
として共重合ポリエステルを用い、低収縮性ポリエステ
ルとして共重合成分を有さないポリエステルを用いる方
法が特公昭51−30620号公報や特開昭49−7244号公報な
どに開示されている。
しかしながら、これらの公報には沸水処理では糸長差
をあまり発現させないで乾熱処理により糸長差を発現さ
せる収縮差混繊糸について記載されているが、得られる
収縮差混繊糸からは、本発明が目的とする極めて高いふ
くらみを得るには不十分である。
一方、特公昭60−35450号公報や特開昭55−57013号公
報には、低収縮成分としてポリエチレンテレフタレート
を、高収縮成分として2,2−ビス{4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル}プロパン(以下、BHPP)を全グ
ルコール成分に対して5モル%以上、15モル%以下含む
共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた収縮差混繊
糸およびこの混繊糸で構成された織物が提案されてい
る。
これらの公報によれば、上記収縮差混繊糸により得ら
れるシルキー織物の富士絹様の外観と風合は、上記2種
のポリエステル繊維群以外の普通の組み合わせ(たとえ
ば、高収縮性成分としてイソフタル酸またはフタル酸ま
たはジエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリ
エチレンテレフタレートを用いた場合)では、高収縮性
ポリエステルの共重合比率、糸全体の収縮率、高収縮糸
と低収縮糸の沸水収縮差および熱水緩和処理の条件をい
かに選んでも得ることができないとされている。
すなわち、上記収縮差混繊糸では、特定化されたポリ
マーに対応した、特殊な外観と風合の織物しか得られな
いという欠点がある。しかも共重合成分のBHPPは、高収
縮性の共重合ポリエステルを構成し得る他の共重合成分
(たとえば、イソフタル酸)に比べて、共重合ポリエス
テルの耐光堅牢度を著しく悪化させるため、染色性の面
でも好ましいものとはいえなかった。
また、特公昭61−13009号公報には、沸水収縮率に差
があり、低収縮糸がポリエチレンテレフタレート、高収
縮糸が共重合ポリエステルである収縮差混繊糸におい
て、共重合ポリエステルの具体例としてBHPPが10モル%
共重合された例が詳述されているが、前記したように耐
光堅牢度が低下する欠点はまぬがれない。
フィラメント糸に繊度むらを与える方法についても公
知の技術である。たとえば特開昭50−88356号公報には
ある条件下で不均一延伸して、シック部の複屈折率が15
×10-3〜80×10-3、シン部の複屈折率が100×10-3〜200
×10-3であるシックアンドシンポリエステル糸条が記載
されている。つまり、この種の太さむらを有するフィラ
メント糸は、未延伸部に近い太さ部分と完全延伸部に近
い太さ部分が混在したむら糸である。
しかし、これらの太さむらを有するフィラメント糸は
編物や織物にされてポリエステル編織物特有のアルカリ
減量処理して柔軟な布帛を得ようとすると、太い部分が
選択的に減量され弱くなり、布帛の強度面等機能性を極
度に低下させる欠点がある。
さらに、従来、マルチフィラメントにループや交絡を
与える方法としては、特公昭35−6684号公報、特公昭35
−13168号公報などがある。この方法は、いわゆるタス
ラン加工と呼ばれるもので、交絡糸の表面に無数に突出
したループやたるみを発生させて、紡績糸様の外観や風
合を得るものである。
しかし、タスラン加工糸は交絡糸表面に無数に突出し
たループやたるみが長く、多いため、加工糸の巻層から
の解舒性が悪く、解舒張力むらを生じて、製編織時の加
工性が著しく劣るばかりでなく、編織物の表面品位を極
度に低下させる欠点がある。また、風合的には染色仕上
加工工程で熱処理を受けると、いずれのフィラメントも
均一に収縮し、糸加工で与えた各々のフィラメントも均
一に収縮し、糸加工で与えた各々のフィラメント間分散
性を低下させて、いわゆる芯のある風合と呼ばれる欠点
があった。
また、特公昭62−60485号公報、特公昭58−31415号公
報では、交絡糸の表面のループやたるみを短く、少なく
する方法で提案されている。特に、特公昭58−31415号
公報では、熱収縮率や単繊維繊度の異なるフィラメント
の組み合わせについても記載されている。
しかし、これらの発明は前記タスラン加工に比べて加
工糸の巻層からの解舒性は向上しているが、本発明が狙
いとしている単繊維繊度の範囲に及ぶ場合は、特に高繊
度フィラメントのループが糸表面に突出することにな
り、以前として解舒不良やそれに起因する欠点は改良さ
れなかった。
前記のような従来のいずれの技術においてもフィラメ
ント糸の混繊交絡糸で、解舒性等加工糸の取扱い性の良
さと、際立った風合効果および機能性と染色性の良さを
同時に得ることは難しかったのが実状である。
本発明者らは、前記したような点に鑑み、従来のフィ
ラメント糸の混繊交絡糸の有する数々の欠点や特徴不足
を解消して得て、際立った風合効果および機能性と染色
性の良さを発揮し得る新規な混繊糸について鋭意検討を
重ねた結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の目的は特に、混繊交絡糸の加工糸
巻層からの解舒性等糸扱い性が良く、際立った風合効果
および機能性と染色性の良さを発揮し得る新規な混繊交
絡糸およびその製造方法を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記した目的を達成するため、本発明の混繊交絡糸
は、次のいずれかの構成を有する。すなわち、2種以上
のフィラメントの混繊交絡糸であって、共重合成分とし
てイソフタル酸及び2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル}プロパンを含有するポリエステル
からなり長手方向に実質的に太細むらがなく単繊維繊度
が3.5〜6.0デニールの高収縮フィラメントと、ポリエス
テルからなり長手方向に太細むらを有しその細糸部単繊
維繊度が0.4〜2.0デニールの低収縮フィラメントとを含
み、該高収縮フィラメントおよび低収縮フィラメントの
少なくともいずれかが三葉以上の多葉形断面形状を有
し、混繊交絡糸の2mg/d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾
熱糸長差率が15%以上、本文中に定義する仮想糸表面D
より上にあるループを150〜250個/m、本文中に定義する
仮想糸表面Aから0.35mm以上の高さのループを5個/m以
下有し、CF値が50以上であることを特徴とする交絡糸、
または、2種以上のフィラメントの混繊交絡糸であっ
て、共重合成分としてイソフタル酸及び2,2−ビス{4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンを含
有するポリエステルからなり長手方向に太細むらを有し
その細糸部単繊維繊度が3.5〜6.0デニールの高収縮フィ
ラメントと、ポリエステルからなり長手方向に太細むら
を有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜2.0デニールの低収
縮フィラメントとを含み、該高収縮フィラメントおよび
低収縮フィラメントの少なくともいずれかが三葉以上の
多葉形断面形状を有し、混繊交絡糸の2mg/d荷重下170
℃,5分乾熱処理後の乾熱糸長差率が15%以上、本文中に
定義する仮想糸表面Dより上にあるループを150〜250個
/m、本文中に定義する仮想糸表面Aから0.35mm以上の高
さのループを5個/m以下有し、CF値が50以上であること
を特徴とする交絡糸である。
Dループ数、Aループ数およびこれを計測するもとと
なる仮想糸表面D、仮想糸表面Aは次のようにして決定
されるものである。
<Dループ数、Aループ数> 東レエンジニアリング(株)製 FRAY COUNTER (DT−
104型)を用いて、糸速25m/min、測定部走行糸張力はD
ループ数測定の場合1.0g/d、Aループ数測定の場合0.1g
/dの下で、25m間のループ数を測定し、1m当りのループ
数を求めて、3箇所の平均値で表わす。この場合、加工
糸の仮想糸表面Dより上にあるループ数がDループ数で
あり、加工糸の仮想糸表面Aから0.35mm以上の高さのル
ープ数がAループ数である。
ここで、加工糸の仮想糸表面Dは、あらかじめDルー
プ数測定の張力条件で糸表面からの高さを代えて、ルー
プ数を測定したとき最大ループ数を示す高さとし、ま
た、加工糸の仮想糸表面Aは、あらかじめAループ数測
定の張力条件で糸表面からの高さを代えて、ループ数を
測定したとき最大ループ数を示す高さとした。
また、CF値は次のように決定されるものである。
<CF値> 第4図に示すように、中心軸の周りを無抵抗で左右に
回転可能な溝付滑車に試料糸を滑らないように掛け、2
箇所に荷重N1、N2を掛ける。荷重N1、N2は試料糸の平均
繊度の0.4倍グラムとする。次いで外径0.6mmの固定針N
を試料糸の構成フィラメント束のほぼ中間に実質的に直
角に刺し固定する。試料糸の左側に掛けた荷重N1にさら
に前記試料糸の平均繊度の0.1倍グラムの荷重を掛け
試料糸が左側に移動して止まる所まで左側に移動させ
る。次に荷重N1に掛けていた荷重N3を外して、右側の荷
重N2に加えて掛け、試料糸が荷重N3によって右側に移動
して止まる所まで右側に移動させる。前記方法による試
料糸の右側への移動距離L(mm)を求め、次式でCF値を
計算する。20個について測定し、その平均値で表示した
ものである。
また、本発明の混繊交絡糸の製造方法は、次のいずれ
かの構成を有する。すなわち、 混繊交絡糸の製造方法において、共重合成分としてイ
ソフタル酸及び2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル}プロパンを含有するポリエステルから
なり長手方向に実質的に太細むらがなく単繊維繊度が3.
5〜6.0デニールの高収縮フィラメントと、長手方向に太
細むらを有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜2.0デニール
の低収縮フィラメントとを含む構成糸を3〜9%のオー
バーフィード状態で流体乱流処理して交絡させた後、熱
処理を施すことを特徴とする混繊交絡糸の製造方法、ま
たは、混繊交絡糸の製造方法において、共重合成分とし
てイソフタル酸及び2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル}プロパンを含有するポリエステル
からなり長手方向に太細むらを有しその細糸部単繊維繊
度が3.5〜6.0デニールの高収縮フィラメントと、長手方
向に太細むらを有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜2.0デ
ニールの低収縮フィラメントとを含む構成糸を3〜9%
のオーバーフィード状態で流体乱流処理して交絡させた
後、熱処理を施すことを特徴とする混繊交絡糸の製造方
法である。
[作用] 以下、図面等にしたがって、本発明の混繊交絡糸およ
びその製造法について説明する。
第1図は、供給糸条とし、高収縮製成分と低収縮製成
分の2種のポリエステルを複合紡糸した収縮差混繊未延
伸糸1を使用し、ガイド2、3を通して供給ローラ4に
供給し、延伸ローラ7との間で延伸ピン5に巻付け、延
伸加熱体6を通して部分的に未延伸による太糸部を有す
る半延伸糸とし、この半延伸糸をガイド8を通して液体
ノズル9に供給してリラックスローラ10との間でリラッ
クス状態で交絡処理してさらに混繊交絡性を高めながら
交絡し、糸表面にループやたるみを付与した後、リラッ
クスローラ10と引取ローラ12の間の加熱体11で交絡糸表
面のループやたるみを短くして巻取りパッケージ13に巻
取る本発明の混繊交絡糸を製造する方法の一例である。
本発明において、供給するフィラメント糸は、あらか
じめ高収縮成分と低収縮成分の2種のポリエステルを複
合紡糸した収縮差混繊未延伸のほかに、例えば、低収縮
成分のポリエステル糸のみ未延伸で前記半延伸糸とした
後、高収縮成分のポリエステル糸の通常延伸糸と混繊し
ながら流体ノズル9に供給した以後、前記例と同様に加
工する方法でもよい。
第2図−A、第2図−Bおよび第2図−Cは、本発明
の加工糸製造方法で得られる混繊交絡糸の一例をモデル
的に示す糸側面の概略図で、高収縮フィラメントが通常
延伸糸のみ、低収縮フィラメントが細糸部15と太糸部1
5′で構成された例を示す。
第2図−Aは、第1図のような流体ノズルで混繊交絡
した後の加工糸の製造中間工程での高繊度の高収縮フィ
ラメント14との低繊度の低収縮フィラメント15が互いに
糸断面方向に混合されながら交絡して、部分的にループ
を形成している状態を示す。
また、第2図−Bは本発明加工製造方法で得られた加
工糸の概略図で、第2図−Aで得られた糸表面のループ
やたるみが第1図の加熱体11によって短くされた状態を
示す。
さらに、第2図−Cは、本発明の混繊交絡糸の製造法
で得られた加工糸(第2−B)を、例えば、編織物にし
て精練や染色加工中の湿熱や乾熱で収縮させ、高繊度の
高収縮フィラメント14と低繊度の低収縮フィラメント15
の構造を示す。
図からわかるように、高繊度の高収縮フィラメントは
糸や編織物の風合、特に際立った張り、腰を与えるため
に必要なもので、該高収縮フィラメントが太細ムラを有
する場合には、細糸部の単繊維繊度を3.5デニール以上
6デニール以下とするものであり、さらには4.5デニー
ル以上6デニール以下のフィラメント糸を使用するのが
好ましい。この高収縮フィラメントの繊度範囲では、従
来の熱収縮差混繊糸のように、糸の長さ方向に平行に配
列されると、張り・腰というよりはむしろ、かたくて芯
のある風合になり一般にきらわれるが、本発明では、例
えば第2図−Cの14のように、高収縮してもなおかつ見
掛上三次元的巻縮を有し、編織物の曲げに対しバネ的な
作用を与えて、好ましい風合を与える。
高収縮フィラメントが、長手方向に実質的に太細むら
を有さない場合には、単繊維繊度が3.5デニールより低
いと狙いの張り・腰が不足し、6デニールより高いと、
張り・腰というよりはむしろかたくて芯のある風合にな
り好ましくない。
また、低収縮フィラメントは、糸や編織物が際立って
張り・腰を有しながらソフトな表面タッチを与えるため
に必要な成分であって、細糸部の単繊維繊度を0.4デニ
ール以上2.0デニール以下とするものであり、0.6、デニ
ール以上1.25デニール以下とすればより好ましい。低収
縮フィラメントの繊度が0.4デニールより低いと糸や編
織物で染色した場合、希望の色、特に深色効果が得られ
難く、2.0デニールより高いと際立ってソフトな表面タ
ッチが得られ難くて、好ましくない。
なお、本発明において、高収縮フィラメントまたは低
収縮フィラメントに太細むらを有する場合の細糸部単繊
維繊度とは、細糸部単繊維繊度の平均値を意味するもの
である。
さらに、高収縮フィラメントと低収縮フィラメントの
収縮差が糸や編織物の風合、特にふくらみに際立った効
果を与えると同時に、張り・腰があってかつソフトな表
面タッチを与えるために、高収縮フィラメントの熱収縮
率を低収縮フィラメントの熱収縮率に比べて高くするも
のである。
ふくらみを持たせるためには高収縮フィラメントの2m
g/d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾熱収縮率を29%以上
とすることが好ましく、混繊交絡糸中の糸表面ループや
たるみを短くするためには、低収縮フィラメントの2mg/
d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾熱収縮率が上記高収縮
フィラメントより低く、かつ、11%以上とすることが好
ましい。
ここで、2mg/d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾熱収縮
率とは、第1図の延伸ローラ7を出た糸、つまり延伸フ
ィラメント糸又は半延伸フィラメント糸の収縮率で、次
のようにして求めたものである。
<2mg/d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾熱収縮率> フィラメント糸を構成単繊維1本1本に分解し、旭光
製工(株)製Deniocmを用いて個々の単繊維の繊度を測
定する。この個々の単繊維に0.1g/dの荷重を掛けて、10
cmの長さに目印をつけた後、2mg/d荷重を掛けて熱風式
乾燥機中で170℃,5分間処理する。処理した個々の単繊
維に0.1g/dの荷重を掛けて収縮後の長さ(cm)を読取っ
て、高収縮フィラメント群、低収縮フィラメント群およ
び組合せによっては、その他中収縮群に分類し、次式で
計算し、5箇所の平均値で高収縮フィラメントの乾熱収
縮率(HS)および低収縮フィラメントの乾熱収縮率(L
S)を求める。
前記収縮特性を満足させるため、高収縮フィラメント
のポリマー組成としては、共重合成分としてイソフタル
酸及びBHPPを含むポリエステルが好ましく、共重合率の
好ましい範囲は下記I,II式を同時に満足する範囲であ
る。
7≦P(a)+P(b)≦18.0 …I 1.0≦P(b)≦4.8 …II ただし、P(a)は共重合ポリエステル中の全酸成分
に対するイソフタル酸のモル分率(%)、P(b)は共
重合ポリエステル中の全グリコール成分に対するBHPPの
モル分率(%)である(以下、P(a)、P(b)は上
記に同じ)。
イソフタル酸もしくはBHPPを単独で共重合成分として
含有する共重合ポリエステルは、本発明の前記収縮特性
に関する要件は満足するが、風合および染色性の点から
高品質の編織物を得る加工糸にはなり難い。
すなわち、本発明の収縮差混繊糸を構成する高収縮フ
ィラメントは、特に低収縮フィラメント成分として通常
のポリエステルとの同時紡糸未延伸糸を使用する場合、
共重合成分としてイソフタル酸とBHPPを上記の式Iを満
足する範囲、すなわち、P(a)+P(b)が7.0以
上、さらには、9.0以上含有する共重合ポリエステルで
あることが目標通りの収縮率差を容易に得る観点から望
ましい。
一方、得られた加工糸を編織物にして染色加工した場
合、加工温度等に注意する要するような温度である210
℃以下まで共重合ポリエステルの融点を低下させないた
めには、共重合成分としてイソフタル酸とBHPPを上記の
式Iを満足する範囲、すなわち、P(a)+P(b)が
18.0以下さらには16.0以下含有する共重合ポリエステル
であることが望ましい。
BHPPを共重合成分として含有する共重合ポリエステル
は編織物構造による拘束下でも強い収縮を生ずると推定
され、編織物で十分なふくらみを容易に得る観点から、
P(b)は1.0以上、さらには1.5以上が好ましく、一
方、耐光堅牢度を低下させない観点からはP(b)は4.
8以下、さらには4.6以下が好ましい。
本発明では、前記したように、少なくとも高繊度の高
収縮フィラメントと低繊度の低収縮フィラメントが混繊
されたフィラメント糸とする必要があるが、さらに際立
った毛羽感とソフト感を与えるために、例えば第2図−
A、第2図−B、第2図−Cのように低繊度で低収縮フ
ィラメントは、未延伸糸を延伸する際にフィラメント長
手方向に太細を有する未延伸糸とし、細糸部の中に未延
伸による太糸部15′が部分的に混在した半延伸糸とする
のが望ましい。
その半延伸糸の作用は、本発明の混繊交絡糸が編物や
織物にされてポリエステル織物特有のアルカリ減量処理
して柔軟な布帛を得ようとする際、未延伸部が選択的に
減量されて弱くなり、加工中のもみ作用で切断し、本発
明の目的の1つである際立った毛羽感とソフト感を与え
ることにある。
前記未延伸部15′のアルカリ処理による強力劣化を十
分に起こし、切断毛羽化を容易とするため、未延伸糸の
製造条件は紡糸速度4200m/min以下とするのが好まし
い。この未延伸部15′は低収縮成分糸のみでなく、加工
糸の構成フィラメント全部に与えてもよい。
半延伸による太細の繊度むらとしては、目的の毛羽感
を十分に発揮し、しかも、布帛で強度等機能性を維持す
るために、U%を0.7〜8%、さらには、1.5〜6%とす
るのが好ましい。
ここでU%とは、本発明の加工中延伸後のフィラメン
ト糸を抜きとり、市販の計測器工業(株)製Uster Even
ness Testerを使用し、糸速25m/min、ツイスター回転数
1500rpm、Normal Test、繊度に相当したスロット選択、
チャート速度5cm/min,レンズ±12.5の条件で、付属のイ
ンテグレータで3分間の糸むら値を読取って、5回測定
の平均値を求めたものである。
その糸むらを得る方法としては、紡糸速度4200m/min
以下の未延伸糸を低倍率延伸して得られる。すなわち、
一定速度で未延伸糸を供給するローラと一定倍率下で一
定速度で引取るローラ間に加熱ピン、加熱ローラ、熱板
などが適宣設置されておればよいが、ポリエステル繊維
の場合には、特に、加熱ピンと熱板あるいは加熱ローラ
と熱板の組合せが繊維長手方向に安定して太細を形成さ
せる点から好ましい。
ただし、太細のある延伸糸とする場合には、目的の毛
羽感を十分に発揮し、しかも、布帛での強度等機能性を
維持するため、延伸倍率は(1+定応力伸長域伸度×0.
8)倍〜(1+定応力伸長域伸度×1.7)倍、さらには
(1+定応力伸長域伸度×1.0)倍〜(1+定応力伸長
域伸度×1.3)倍が好ましい。
なお、次の混繊交絡に供給するフィラメント糸の熱収
縮率は、延伸ゾーンでの熱板温度で制御することが可能
である。ここで、定応力伸長域伸度は、第6図に示すよ
うに、前記未延伸糸をインストロン型引張試験機で引張
って得られた強力・伸度曲線の第1次変曲点から第2次
変曲点の間の曲線の直線に近い部分の接線T1と、第2次
変曲点から第3次変曲点の間の曲線の直線に近い部分の
接線T2との交点における伸度C(%)で示す値である。
本発明の製造方法においては、これらの延伸されたフ
ィラメント糸を第1図のような流体ノズルに供給して、
流体乱流処理し、さらに混繊性を高めながら交絡し、糸
表面にループやたるみを付与する。ここで用いる流体と
しては、空気、窒素などの不活性気体が用いられる。
本発明の製造方法において、この流体乱流処理時の延
伸ローラ7とリラックスローラ10の間のオーバーフィー
ド率が重要な要素である。
まず、本発明の製造方法においては、オーバーフィー
ド率を3%以上とするものであり、さらには4%以上が
望ましい。オーバーフィード率が3%未満の場合には、
構成フィラメントの混繊交絡が不十分となり、構成フィ
ラメントを十分屈曲交絡させることが困難となる。
一方、本発明の製造方法においては、オーバーフィー
ド率を9%以下とするものであり、さらには7%以下が
望ましい。オーバーフィード率が9%を越える場合に
は、糸表面のループやたるみが高くなって、後の加熱体
11による熱処理で糸表面ループやたるみを短くすること
が困難となる。
ここでオーバーフィード率とは次のようにして求めた
値である。
第3図は、従来のタスラン法で得られる交絡糸の側面
をモデル的に示したもので、交絡糸の表面には長いルー
プが無数にあり、加工糸巻層からの解舒性が悪く、解舒
張力むらを生じて製編織時の加工性が著しく劣るばかり
でなく、編織物の表面品位を極度に低下させる欠点があ
ることはすでに記載した通りである。
本発明では、これらの欠点を解消すると同時に、高収
縮フィラメントの表面ループを有していても前記欠点を
生じない加工糸の構造とするため、たとえば、第1図の
ように加工体11により熱処理をして糸表面のループやた
るみを短くする必要がある。すなわち、小ループの目安
であるDループ数を150〜250個/m、粗ループの目安であ
るAループ数を5個/m以下とするものである。
熱処理は、前記交絡糸を熱板などに直接接触走行させ
て加熱する方法、チューブヒータなどを用いて非接触加
熱するなどの方法で行なうものであり、要するに糸表面
のループやたるみを上記の範囲内に制御することができ
る温度、方法であれば良い。
また、本発明で得られる加工糸は第2図−CのAのよ
うに、高収縮してもなおかつ見掛上三次元巻縮を有し、
編織物の曲げに対しバネ的な作用を与えて好ましい風合
を与える要素で、その観点からも単繊維の屈折度の目安
でもあるDループ数を150個/m以上、CF値を50以上とす
るものである。
さらに、本発明のように未延伸糸を半延伸した、細糸
部と未延伸による太糸部を有する糸がもつ欠点である、
太糸部が熱や薬品によって劣化しやすいという傾向を抑
制し加工糸全体の強力低下を少なくする観点からもDル
ープ数やCF値を上記の範囲にするものである。
第5図−Aおよび第5図−Bは、本発明に用いるフィ
ラメントの好ましい断面モデル図である。
本発明の加工糸の断面形状は、前記したように加工糸
内の単繊維が糸軸に対し屈曲し、かつ編織物にして染色
加工すると、際立ったふくらみを発揮するため、布帛表
面の艶が見掛上少なくなり、高級感が減退する傾向があ
ることから、艶の出やすい三葉形断面が好ましい。
さらに、第5図−Aのような、A成分とB成分からな
る複合合成繊維で、A成分がB成分に比べて同一溶剤に
対する溶解性が高いポリマであって、かつ断面形状が三
葉以上の多葉形であり、A成分が各葉の先端に断面の中
心方向に向って先細りの矢形状に複合されている繊維
で、この加工糸を編物にしてA成分の一部または全部を
溶解して第5図−Bのように繊維内部方向に先細りの矢
形状溝を与えた場合には、本絹様の絹鳴りや、さらっと
した表面タッチを与え、風合をさらに高質化することが
できるので特に好ましい。
本発明の前記内容を容易に達成し得るポリマーとして
は、高収縮フィラメント、低収縮フィラメントのいずれ
についても、エチレンテレフタレートを主成分とするポ
リエステルを使用するのが望ましい。
編物や織物のふくらみ効果を発揮し、かつ編物や織物
の設計や染色加工を容易にすると同時に、本発明糸を使
用した編物や織物に際立ったふくらみを発揮させるため
には、本発明の混繊交絡糸の沸騰水収縮率を10〜18%に
することが望ましい。
ここで沸騰水収縮率は次のようにして求めたものであ
る。
<混繊交絡糸の沸騰水収縮率> 枠周1mの検尺器で10回巻の綛をとり、あらかじめ加工
糸の繊度の10分の1グラム(0.1g/d)荷重を掛けて原長
(l0)を読取った後、綛をガーゼに包んで沸騰水中で30
分間処理する。処理した綛に前記荷重を掛けて収縮後の
長さ(l1)を読取って、次式で計算し、5回の平均値で
収縮率を求める。
さらに、本発明の混繊交絡糸中における高収縮フィラ
メントと低収縮フィラメントの収縮差は、糸や編織物の
風合、特にふくらみに際立った効果を与えると同時に張
り・腰があってかつソフトな表面タッチを与えるため
に、高収縮フィラメントの熱収縮率を低収縮フィラメン
トの熱収縮率に比べて高くする必要がある。この収縮率
差は編織物の加工条件を考慮すると、高収縮フィラメン
トの2mg/d荷重下170℃,5分乾熱処理後の乾熱収縮率を19
%以上とするのが好ましい。
また、混繊交絡糸の乾熱2mg/d荷重下170℃,5分乾熱処
理後の乾熱糸長差率を15%以上とするものである。乾熱
糸長差率が15%に満たない場合には、本発明の狙いであ
る際立ったふくらみを得ることがでない。なお、乾熱糸
長差率は糸表面のループ高さを低くしてかつ30%以上と
することは一般に困難である。
ここで、乾熱糸長差率は次のようにして求めたもので
ある。
<乾熱糸長差率> 混繊交絡糸をあらかじめ分解針で丁寧に構成単繊維1
本1本に分解し、旭光精工(株)製Denicomを用いて個
々の単繊維の繊度を測定する。この個々の単繊維に0.1g
/dの荷重を掛けて10cmの長さに目印をつけた後。2mg/d
荷重を掛けて熱風式乾燥機中で170℃,5分間処理する。
処理した個々の単繊維に0.1g/dの荷重を掛けて収縮後の
長さ(cm)を読取って、高収縮繊維群、低収縮繊維群お
よび組合せによってはその他中収縮群に分類し、次式で
計算し、5箇所の平均値で高収縮フィラメントの乾熱収
縮率(HS1)、および低収縮フィラメントの乾熱収縮率
(LS1)および乾熱糸長差率を求める。
<耐光堅ロウ度> アルカリ減量処理後の各水準サンプルを分散染料(Re
soline Blue FBL)により別途染色し、耐光堅ロウ度評
価用サンプルとし、評価はJISL 0842(カーボンアーク
灯法)に基づいて8段階判定した。8級が最も良く級が
低下するにしたがい、堅ロウ度は悪化する。本発明の目
標は耐光堅ロウ度4級以上合格とした。
[実施例] 以下、実施例に基づき本発明の新規な風合を発揮する
混繊交絡糸の具体的製造方法、効果についてさらに詳細
に説明する。
(実施例1) テレフタル酸/エチレングリコールおよびイソフタル
酸/エチレングリコールスラリーを用いてエステル反応
を行った後、BHPPのエチレングリコール溶液を添加し、
通常の方法により重合を行ない、イソフタル酸のモル分
率およびBHPPのモル分率を表1の通り9水準変更して高
収縮性共重合ポリエチレンテレフタレートのチップを得
た。
このチップと通常の方法により得られる低収縮性ポリ
エチレンテレフタレートのチップを使用し、同一口金か
ら紡糸速度1450m/minで混繊紡糸し、第1図のような延
伸混繊交絡機で本発明の混繊糸を加工した。
この場合の加工条件としては9水準とも同一で、314m
/minの延伸ローラ7の速度で延伸ピン5の温度85℃、延
伸熱板6の温度125℃、延伸倍率2.895倍に延伸した後、
連続して流体ノズル9に供給した。
この流体ノズルのエアー圧力を3.5kg/cm2、延伸ロー
ラとリラックスローラ10の間でのリラックス率(オーバ
ーフィード率)を5.0%として170℃,30cmの熱板状加熱
体11に接触走行させて熱処理した。
なお、高収縮成分糸および低収縮成分糸ともに三葉形
断面で、延伸ローラ7を出た太細むらのある半延伸糸の
状態での細糸部平均繊度は、両成分糸とも約30デニール
で、高収縮フィラメントの細糸部単繊維繊度は5デニー
ル、低収縮フィラメントの細糸部単繊維繊度は1.25デニ
ールであった。
ただし、水準5は高収縮性ポリマの融点が205℃程度
まで低下し、紡糸延伸時に糸切れが多発して安定な製糸
ができなかったため、以後の検討は中止した。
したがって、残り8水準について、ダウンツイスター
を用いて、タテ糸は1本で1000T/mのS撚、ヨコ糸は2
本引揃えで1000T/mのS撚を掛け、生機密度タテ197本/i
n、ヨコ90本/inのカシミア組織に織上げて、通常のポリ
エステル織物の染色加工法を用いて精練・中間セット
し、約24%のアルカリ減量加工後、黒の無地染めにし
た。
これら染色織物の風合、製織性および糸の特性を表1
に示す。
なお、水準No.2,3,4,7,8,9が本発明の実施例、水準No
1,5,6が比較例である。
表1から明らかなように、高収縮成分糸としては、総
合的に判断すると、P(a)+P(b)が7.0〜18.0、
P(b)が1.0〜4.8の範囲の場合には、本発明の狙いと
する紡糸・延伸性や染色品の耐光堅ロウ度が特に良く、
際立ったふくらみを発揮する織物が得られた。
(実施例2) 実施例1の水準No.3の同様にして高収縮性共重合ポリ
エチレンテレフタレートのチップを得、このチップと通
常の方法により得られる低収縮性のポリエチレンテレフ
レートのチップを使用し、同一口金から混繊紡糸し、第
1図のような延伸混繊交絡機で本発明糸を加工した。こ
の場合、紡糸速度および延伸条件のみ変更し、他は実施
例1の水準No.3と同一条件で加工して、7水準の加工糸
を得て、同様の織物にした。
これら染色織物の風合、製織性および糸の特性を表2
に示す。
表2から明らかなように、本発明の狙いの1つである
アルカリ減量処理後の毛羽あるいは、毛羽感を得るに
は、紡糸速度が4200m/min以下で、延伸時の太細むら
(U%)が0.7〜0.8%の範囲とすればと特に好ましいこ
とがわかった。
(実施例3) 実施例1の水準No.3と同様にして高収縮性共重合ポリ
エチレンテレフタレートのチップを得、このチップと通
常の方法により得られる低収縮性ポリエチレンテレフタ
レートのチップを使用し、それぞれ別々に紡糸速度1450
m/minで紡糸し、第1図のような混繊交絡機で本発明糸
を加工した。
この際、高収縮性未延伸フィラメント糸と低収縮性未
延伸フィラメント糸を使用し、あらかじめ314m/minの延
伸ローラ7の速度で、延伸ピン5の温度85℃の条件で、
延伸倍率2.895倍に延伸した後、連続して流体ノズル9
に供給した。
この流体ノズルのエアー圧力、延伸ローラとリラック
スローラ10の間でのリラックス率(オーバーフィード
率)、延伸加熱体6の温度を変更し、30cmの長さの加熱
体11の温度を170℃に固定して表3に示す24水準の加工
糸を製造した。
高収縮成分は丸断面糸で、低収縮成分糸は三葉形断面
糸とし、第1図の供給ローラ4と延伸ローラの間で延伸
され流体ノズル9に供給される太細むらのある半延伸糸
としては、高収縮成分糸および低収縮成分糸ともに約30
デニールとした。
なお、水準No.17,18,19,22,23,24,28,29,31,32,35,3
8,39が本発明の実施例、水準No.16,20,21,25,26,27,30,
33,34,36,37が比較例である。
これら24水準の加工糸をダウンツイスターを用いて50
0T/mのSヨリを掛けてタテ糸に使用し、ヨコ糸は通常の
100デニール96フィラメントのポリエステル糸に2300T/m
のSおよびZヨリを掛け、2本交互に使用し、生機密度
タテ168本/in、ヨコ82本/inの平織にした。
表3から明らかなように、加工糸Dループ数が250コ/
mを越えるか又はAループ数が5コ/mを越えると、ダウ
ンツイスターでの撚糸中に加工糸表面のループ同士がか
らみ合って解舒性が悪く、糸切れが多発した。またこの
水準は、製織図のタテ糸開口不良を生じ、製織性も良く
ないものであった。
さらに、これら製織性の悪い水準も含め、通常のポリ
エステル織物の染色加工法を用いて精練・中間セット、
アルカリ減量加工し、茄子紺の無地染めにし、それぞれ
の水準の収縮特性に応じてタテ198〜201本/in、ヨコ115
〜119本/inの織物に仕上げた。これら染色織物の風合お
よび各水準の製織性等を含めた総合評価結果を表3に示
す。
これら実施例の中でも、特に水準No.18,19,24,28,29,
35の加工糸は、製織性、染色加工性が良好で、染色加工
後の織物は、従来のポリエステル織物で得られなかった
際立ったふくらみ、張り、腰、ソフト感および毛羽感が
あり、濃色の深みも損わない極めて優れた織物が得られ
た。
(実施例4) 実施例1の水準No.3と同様にして高収縮性共重合ポリ
エチレンテレフタレートのチップを第5図−Aに示すよ
うな三葉形断面のB成分に使用し、通常の方法により得
られる低収縮性ポリエチレンテレフタレートのチップを
第5図−Aのような三葉形断面でかつ前記高収縮成分よ
りは織度の低いフィラメントを紡糸する口金のB成分に
使用して、さらに前記2成分のフィラメントのA成分と
しては、5−ナトリウムスルホイソフタレータを5モル
%共重合したポリエチレンテレフタレート25重量%と通
常のポリエチレンテレフタレート75重量%をブレンドし
たポリマーを使用して、3成分複合紡糸した。A成分と
B成分の複合比は高収縮フィラメントおよび低収縮フィ
ラメント共にA:B=15:85で、紡糸速度は1450m/minとし
た。
得られた複合糸未延伸糸を第1図のような延伸交絡機
を用いて供給ローラ4に供給し、75℃の延伸ピン5に1
回巻きで、表面速度333m/minの延伸ローラ7との間で延
伸した。
ここで延伸加熱体6は温度は115℃、延伸倍率は2.89
倍とし、延伸後の混繊糸を高収縮フィラメント成分と低
収縮フィラメント成分糸に分織した太細むらのある半延
伸糸は高収縮フィラメント成分糸が32デニール、9フィ
ラメントで乾熱2mg/d荷重下170℃,5分処理後の乾熱収縮
率が36.3%、低収縮フィラメント成分糸が43デニール、
24フィラメントで乾熱2mg/d荷重下170℃,5分処理後の乾
熱収縮率が15.8%であった。この延伸混繊糸を連続して
実施例1の水準No.3と同一条件で流体乱流ノズル9で交
絡し、160℃,90cmのチューブヒータ状加熱体11中を走行
させることにより糸表面のループやたるみを短くする熱
処理をして、巻取装置13に巻取って、混繊交絡糸を得
た。
得られた混繊交絡糸は、高収縮糸乾熱収縮率25.1%、
乾熱糸長差率19.2%、交絡糸沸騰水収縮率13.4%、Dル
ープ数213コ/m、Aループ数0コ/m、CF値124であった。
この混繊交絡糸をタテ糸は1本でS方向900T/m、ヨコ
糸は2本引揃えでS方向900T/mの撚をダウンツイスター
で掛け、生機密度タテ197本/in、ヨコ71本/inのカシミ
ア組織に織上げた。撚糸性および製織性は良好であっ
た。
この生機を通常のポリエステル織物の染色加工法を用
いて精練、中間セット、アルカリ減量加工し、ブラウン
に無地染めにした。アルカリ減量率は26%とし、仕上げ
密度はタテ216本/in、ヨコ109本/inの織物に仕上げた。
得られた織物は際立ったふくらみ、腰、張りおよびソ
フト感を有し、染めイラツキも目立たないもので、表面
タッチは毛羽感およびドライ感があり本絹様の絹鳴りす
る極めて新規な風合をもった良好な織物であった。
[発明の効果] 本発明は、糸表面にループやたるみが存在する交絡糸
でありながら、加工糸巻層からの解舒性や製織時の開口
性製織時糸取扱い性が良好な混繊交絡糸を提供し、この
混繊交絡糸は、染色堅ロウ度の低下が少なく、際立った
ふくらみ、腰、張り、ソフト感をもった新規な風合の編
織物を提供することができると同時に、天然感覚の毛羽
感を得る混繊交絡糸を安定な加工状態のもとで、安価に
製造する技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の混繊交絡糸を製造する工程の1実施
態様例を説明する工程概略図、第2図−A、第2図−
B、第2図−Cは本発明の混繊交絡糸の1例構造をモデ
ル的に示した糸側面概略図、第3図は従来の流体乱流処
理糸の糸構造をモデル的に示した糸側面概略図である。 第4図は本発明の混繊交絡度を表わす交絡度測定装置の
概略図で、第5図−Aおよび第5図−Bは本発明糸のよ
り好ましい単繊維断面のモデル図、第6図は定応力伸長
域伸度を説明する強力・伸度曲線である。 図中、 1:未延伸糸 2,3:ガイド 4:供給ローラ 5:延伸ピン 6:延伸加熱体 7:延伸ローラ 8:ガイド 9:流体ノズル 10:リラックスローラ 11:加熱体 12:取出しローラ 13:巻取装置 14:高繊度の高収縮フィラメント 15:低繊度の低収縮フィラメント 15′:未延伸による太糸部 N:固定針 N1,N2,N3:荷重 A:易溶解性成分 B:難溶解性成分 C:定応力伸長域伸度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 1/22 D02J 1/22 M (56)参考文献 特開 昭59−216942(JP,A) 特開 昭62−238835(JP,A) 特開 昭62−104935(JP,A) 特開 昭55−57013(JP,A) 特公 平7−59770(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上のフィラメントの混繊交絡糸であ
    って、共重合成分としてイソフタル酸及び2,2−ビス
    {4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン
    を含有するポリエステルからなり長手方向に実質的に太
    細むらがなく単繊維繊度が3.5〜6.0デニールの高収縮フ
    ィラメントと、ポリエステルからなり長手方向に太細む
    らを有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜2.0デニールの低
    収縮フィラメントとを含み、該高収縮フィラメントおよ
    び低収縮フィラメンとの少なくともいずれかが三葉以上
    の多葉形断面形状を有し、混繊交絡糸の2mg/d荷重下170
    ℃,5分乾熱処理後の乾熱糸長差率が15%以上、本文中に
    定義する仮想糸表面Dより上にあるループを150〜250個
    /m、本文中に定義する仮想糸表面Aから0.35mm以上の高
    さのループを5個/m以下有し、CF値が50以上であること
    を特徴とする交絡糸。
  2. 【請求項2】2種以上のフィラメントの混繊交絡糸であ
    って、共重合成分としてイソフタル酸及び2,2−ビス
    {4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン
    を含有するポリエステルからなり長手方向に太細むらを
    有しその細糸部単繊維繊度が3.5〜6.0デニールの高収縮
    フィラメントと、ポリエステルからなり長手方向に太細
    むらを有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜2.0デニールの
    低収縮フィラメントとを含み、該高収縮フィラメントお
    よび低収縮フィラメントの少なくともいずれかが三葉以
    上の多葉形断面形状を有し、混繊交絡糸の2mg/d荷重下1
    70℃,5分乾熱処理後の乾熱糸長差率が15%以上、本文中
    に定義する仮想糸表面Dより上にあるループを150〜250
    個/m、本文中に定義する仮想糸表面Aから0.35mm以上の
    高さのループを5個/m以下有し、CF値が50以上であるこ
    とを特徴とする交絡糸。
  3. 【請求項3】混繊交絡糸の製造方法において、共重合成
    分としてイソフタル酸及び2,2−ビス{4−(2−ヒド
    ロキシエトキシ)フェニル}プロパンを含有するポリエ
    ステルからなり長手方向に実質的に太細むらがなく単繊
    維繊度が3.5〜6.0デニールの高収縮フィラメントと、長
    手方向に太細むらを有しその細糸部単繊維繊度が0.4〜
    2.0デニールの低収縮フィラメントとを含む構成糸を3
    〜9%のオーバーフィード状態で流体乱流処理して交絡
    させた後、熱処理を施すことを特徴とする混繊交絡糸の
    製造方法。
  4. 【請求項4】混繊交絡糸の製造方法において、共重合成
    分としてイソフタル酸及び2,2−ビス{4−(2−ヒド
    ロキシエトキシ)フェニル}プロパンを含有するポリエ
    ステルからなり長手方向に太細むらを有しその細糸部単
    繊維繊度が3.5〜6.0デニールの高収縮フィラメントと、
    長手方向に太細むらを有しその細糸部単繊維繊度が0.4
    〜2.0デニールの低収縮フィラメントとを含む構成糸を
    3〜9%のオーバーフィード状態で流体乱流処理して交
    絡させた後、熱処理を施すことを特徴とする混繊交絡糸
    の製造方法。
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