JP2010209477A - 防風織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】風合いに優れると共に接触時に不快な冷たさを感じ難く、さらに保型性、嵩高感、軽量感に優れる新規な防風織物を提供する。
【解決手段】多重構造の織物であって、表側経糸が紡績糸、裏側経糸がフィラメント糸から構成され、表側経糸は太さ50番手以上で裏側経糸よりも太く、かつ表側経糸カバーファクターが19以上である防風織物。本発明では、裏側経糸が、撚係数500〜10000で撚糸されており、かつ伸度が表側経糸より2%以上高いことが好ましい態様として含まれる。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量感ある防風織物に関するものである。
防風性能を有する織物(防風織物)として、古くから、織物表面に合成樹脂フィルムを積層したものが知られているが、風合いに劣る他、接触時に不快な冷たさを感じるといった点に問題があり、これまでに幾つかの改良技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリエステルフィラメント糸を経緯糸に用い、特定のカバーファクターと共に特定の通気度を満足する防風保温性二重織物が開示されている。
特開2007−162169号公報
上記特許文献によれば、織組織として二重組織を採用し、裏層(肌側)より表層(外気側)のカバーファクターを大きくしていることから、防風性だけでなく、衣服と肌との間にデッドスペースが形成され、優れた保温性が具現できると記載されている。この点、フィラメント糸は糸構造が緻密であり、高い密度の織物を得るのに適しているから、織物の通気度を低くし保温性を得る点において有利である。しかしその反面、フィラメント糸は表面が平坦なため、織物内で糸が移動し易いため、織物の保型性を確保し難いばかりか、多重組織を採用しても嵩高感に富む織物が得難い傾向にある。また、織物に対し目付け以上の重量感を与えることもある。
上記の特許文献に開示された織物は、確かに防風性、風合いの点で優れ、接触時に不快な冷たさをほとんど感じることがない。しかしながら、フィラメント糸のみから構成された織物であるが故に、保型性をはじめ嵩高感、軽量感に欠けるという問題が残されている。
本発明の目的は、以上の課題を解決する織物の提供にある。すなわち、風合いに優れると共に接触時に不快な冷たさを感じ難く、さらに保型性、嵩高感、軽量感に優れる新規な防風織物を提供することにある。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)多重構造の織物であって、表側経糸が紡績糸、裏側経糸がフィラメント糸から構成され、表側経糸は太さ50番手以上で裏側経糸よりも太く、かつ表側経糸カバーファクターが19以上であることを特徴とする防風織物。
(2)裏側経糸が、撚係数500〜10000で撚糸されており、かつ伸度が表側経糸より2%以上高いことを特徴とする上記(1)記載の防風織物。
本発明の防風織物は、多重構造の織物であり、従来のような織物表面に合成樹脂フィルムを積層したものとは異なるため、接触時に不快な冷たさを感じ難く、風合いにも優れている。また、紡績糸を併用しているため、保型性、嵩高感、軽量感に優れている。
さらに、多重構造の織物は、一重組織の織物に比べ製織性に乏しいといわれているが、本発明によれば、緯糸の伸度、撚係数を特定することなどにより、製織性を改善することができる。
本発明の防風織物は、多重構造の織物である。
多重構造とは、複数の層が重なり合って一つ織物を構成する構造をいい、具体的には多重組織で製織された織物がこの多重構造を有する。多重組織としては、二重組織、三重組織、四重組織などがあげられ、本発明では、織物の用途展開の観点から二重組織が好ましく採用される。
二重組織には、経二重組織、緯二重組織、経緯二重組織の3種があり、本発明ではいずれの織組織も採用可能である。本発明では、中でも経二重組織を採用した上で、織物内の全経糸の内、表面を構成する経糸(表側経糸)の割合を、裏面を構成する経糸(裏側経糸)の割合より多くするのが好ましい。具体的には、経糸配列において、表側経糸の配列数を裏側経糸の配列数より大きくすることが好ましく、配列数の比(表:裏)として好ましくは3:1〜12:1、より好ましくは3:1〜8:1とする。このような経糸配列を採用すると、織物を衣料となした際、身体と衣料との間に空間を確保できるため、所望の保温性を得易い。加えて、裏面の織組織として、裏側経糸が点状又は点線状に浮くような組織を採用すると、より空間を確保でき、保温性の点でなお好ましい。また、表面において裏側経糸が浮き難い織組織は、防風性の観点から好ましいものである。
さらに、本発明では、上記の表側経糸、裏側経糸として特定の糸を用いる必要がある。すなわち、表側経糸として紡績糸を、裏側経糸としてフィラメント糸をそれぞれ用いる。
表側経糸たる紡績糸を構成する繊維としては、例えば、綿、羊毛、麻、竹などの天然繊維の他、ビスコースレーヨン、精製セルロースなどの再生繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリ乳酸、アクリルなどの合成繊維が、単独で又は複数混合して使用でき、特に織物の吸湿性や風合いの観点からセルロース系の天然繊維及び再生繊維が好ましく適用できる。なお、ここにあげた繊維は、紡績糸を構成する繊維であるから、いずれも短繊維の形態で用いられる。
一方、裏側経糸たるフィラメント糸としては、一般に合成繊維からなるフィラメント糸が好適であり、特にポリエステルフィラメント糸が好ましい。フィラメント糸を構成する繊維の断面形状としては、特に限定されるものでなく、異型断面、丸断面のいずれも採用可能であるが、一般には丸断面を採用する。
また、本発明では、軽量感ある織物を得る観点、並びにそのような織物を製織性よく得る観点から、表裏経糸の太さの関係を特定のものに限定する必要がある。具体的には、表側経糸は太さを50番手以上とし、表側経糸を裏側経糸より太くする必要がある。
番手とは糸の太さを表す恒重式の単位をいい、本発明では具体的に英式綿番手を指す。したがって、50番手以上とは、50番手を含んでそれより細い範囲に相当する。50番手は、恒長式では118dtexに換算されるため、裏側経糸のトータル繊度は118dtexより細い範囲のものを採用することになる。
他方、裏側経糸たるフィラメント糸の単糸繊度としては、特に限定されないが、3dtex以下が好ましく、2dtex以下がより好ましい。単糸繊度がこの範囲であると、織物の風合いがよりソフトなものとなることに加え、織物内に多く空気を溜め込むことができるようになり、織物の嵩高感が一層増す傾向にある。
また、本発明では、表側経糸カバーファクターを19以上とする必要がある。カバーファクターとは、織物の粗密を表す一つの指標であり、K=M/S1/2(K:カバーファクター、M:表側経糸密度(本/2.54cm)、S:経糸番手)なる式にて算出される。表側経糸カバーファクターが19未満になると、織物の保型性が低減する。
裏側経糸カバーファクターについては、特に限定されないが、好ましくは表側経糸より小さくしかつ表側との差をなるべく大きくする。これにより、織物内に保持される空気の量が増え、嵩高感が向上する。だたし、両者のカバーファクターに差を設けすぎると、織物全体が弛み、保型性と共に保温性も低下する傾向にあるので、裏側経糸カバーファクターは、好ましくは表側に対し1/15以上とする。
本発明の織物は、前記のように多重構造をなすものである。多重構造の織物は、一般にドビー装置を備えた織機により製織される。この場合、製織は、表側、裏側を交互に織り上げながら進むので、ドビー枠の上下運動が一般の一重織物に比べ激しい。このため、製織性は一般に良好とはいえず、織組織崩れ、経糸弛みなどが発生し易い傾向にある。
この点、表側経糸カバーファクターを19以上となすことは、織組織崩れを抑制する観点からも好ましいことである。これは、カバーファクターが大きくなるに伴い隣接する経糸同士の間隔が狭くなるが、そのような状態で筬打ちすると、隣接する経糸同士が干渉し合って経糸弛みが改善される傾向にあるからである。
また、製織時においてドビー枠の上下運動が激しいと、表裏経糸の張力バランスが崩れ易い傾向にある。張力バランスが崩れると、織組織崩れの他、緯入れ不良や筬筋などが発生し易くなり、織物品位が損なわれる。そこで、本発明では、張力バランスを良好に保つ観点から、裏側経糸を撚係数500〜10000で撚糸すること、並びに裏側経糸の伸度を表側経糸より2%以上高く設定することが好ましい。裏側経糸を撚糸しかつ両経糸の伸度に特定の差を設けると、製織時、表側経糸に張力がより付加され易くなり、経糸全体の張力管理が容易となる。
なお、撚係数とは、T=A/D1/2(A:撚係数、T:撚数(T/M)、D:トータル繊度(dtex))なる式に基づき算出されるもので、本発明では特に1000〜7000が好ましい。
本発明の織物では、用途に関し特段の制約を受けないが、通常は衣料用途に適用される。ただ、本発明の織物は、上記のように裏側経糸がフィラメント糸から構成されるところ、衣料となしこれを着用したとき、稀に摩擦によって静電気が発生することがある。これは、フィラメント糸が一般に疎水性であることに起因するものである。特にポリエステルフィラメント糸は、他のフィラメント糸に比べ疎水性が顕著である。このため、静電気の発生を抑制する観点から、織物内、特に織物裏側に制電性繊維を含ませるのが好ましい。
制電性繊維としては、従来公知のものが使用でき、フィラメント糸の一部を制電性繊維と置き換える態様で織物内に配してもよいが、制電性繊維の強度が弱いことや直に制電性繊維を配することは織物外観を損ねることがある点を考慮し、フィラメント糸と合撚する、フィラメント糸をカバリングするなどの態様で用いる。
織物内における制電性繊維の含有量としては、特段制限されないが、一般には織物の制電性が7μC/m未満となるよう調整しながら含有量を決定するのがよい。また、当然のことながら、制電性能は織物全域に及ぶことが好ましいため、制電性繊維は一定間隔をもって織物内に配されるのがよい。一般に、経方向に1cm間隔で所定の制電性繊維を配すれば、所望の制電性能が得られる。
以上、本発明の織物を特定する各構成要件について説明したが、織物全体の特性としては、目付けとして170g/m以下が好ましく、通気度として4cm/cm・秒以下が好ましく、3cm/cm・秒以下がより好ましい。目付けの場合、軽量感達成の点で、通気度の場合、防風性の点で、それぞれ記載した範囲が好ましい。なお、通気度は、JIS L1096フラジール通気性試験機法に準じて測定するものとする。
次に、本発明の織物を得る方法について一例を示す。
まず、経糸準備では、表側経糸となる糸についてはサイジングするのが好ましい。一方、裏側経糸となる糸については撚係数に応じてサイジングの有無を決するのが好ましい。すなわち、無撚から甘撚に至る領域ではサイジングするのが好ましく、それ以上の領域では、サイジングしないことが好ましい。
両経糸を共にサイジングする場合では、経糸シートに乱れが生じないよう、表側経糸となる糸の上に裏側経糸となる糸が重なるようにしてサイジングするのが好ましい。一方、裏側経糸となる糸をサイジングしない場合は、例えば、表側経糸となる糸だけをサイジングし、続くビーミングにて両者を合わせればよい。
また、表側経糸の伸度は、好ましくは2〜10%、より好ましくは4〜7%であり、裏側経糸の伸度は、好ましくは6〜60%、より好ましくは10〜30%である。そして、既述のように、両経糸には特定範囲の伸度差を設けることが好ましい。
製織後の染色加工については、バッチ式、連続式のいずれの手段でも採用できるが、加工中、織物経方向において裏側経糸に起因する吊りが生じることが稀にあるので、常時張力付加可能な連続式を採用するのがよい。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
伸度6%の綿糸70番手単糸と、伸度15%のポリエステルフィラメント糸56dtex36fを用意し、フィラメント糸を撚数500T/M(撚係数3742)で撚糸した後、前記の綿糸を表側経糸に、前記の撚糸されたフィラメント糸を裏側経糸にそれぞれ適用し、サイジングを経て、織機ビームを整経した。
整経後、緯糸として78dtex48fのナイロンフィラメント糸を用い、エアージェット織機にて巾146.5cmの生機を製織した。このとき、織組織として経二重組織を採用し、表面織組織を2/1ツイル、裏面織組織を1/2ツイルとした。また、経糸配列数の比(表:裏)を4:1とし、表側経糸密度を197本/2.54cm、裏側経糸密度を49本/2.54cm、緯糸密度を121本/2.54cmとした。
次に、得られた生機を連続的に糊抜き・精練・シルケットした後、液流染色機を用いて酸性染料及び反応染料にて染色し、目的の防風織物を得た。
得られた織物は、表側経糸密度239本/2.54cm、裏側経糸密度57本/2.54cm、緯糸密度132本/2.54cmであり、表側経糸カバーファクター28.6、裏側経糸カバーファクター5.6であった。また、織物の目付けは145g/m、通気度は0.99cm/cm・秒であった。さらに、織物の嵩高感を織物の厚みにより評価したところ、厚みが0.23mmあり良好と認められた。なお、厚みはデュアルシックネスゲージ(ピーコック社製)を使用して測定した。また、官能評価に基づき織物の風合い、品位も評価したところ、いずれも良好であった。

Claims (2)

  1. 多重構造の織物であって、表側経糸が紡績糸、裏側経糸がフィラメント糸から構成され、表側経糸は太さ50番手以上で裏側経糸よりも太く、かつ表側経糸カバーファクターが19以上であることを特徴とする防風織物。
  2. 裏側経糸が、撚係数500〜10000で撚糸されており、かつ伸度が表側経糸より2%以上高いことを特徴とする請求項1記載の防風織物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155449A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Fumio Shibata 低通気性高密度織物
JP2018126228A (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 芦森工業株式会社 消防用ホース

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